特開2018-80931(P2018-80931A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-80931(P2018-80931A)
(43)【公開日】2018年5月24日
(54)【発明の名称】測定装置及び測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 23/173 20060101AFI20180420BHJP
   G01R 13/20 20060101ALI20180420BHJP
【FI】
   G01R23/173 A
   G01R13/20 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-221577(P2016-221577)
(22)【出願日】2016年11月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(72)【発明者】
【氏名】岸 裕司
(72)【発明者】
【氏名】大谷 暢
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で広帯域の信号を測定することができる測定装置及び測定方法を提供する。
【解決手段】スペクトラムアナライザ10は、被測定信号を周波数変換するミキサ12と、アナログ信号をデジタル信号に変換するADC19と、ミキサ12とADC19との間に設けられたミキサルート25及び分周器ルート26と、ミキサルート25及び分周器ルート26のいずれか一方を選択する切替スイッチ13及び18と、ミキサルート25においてミキサ12の出力信号を周波数変換するミキサ15と、分周器ルート26においてミキサ12の出力信号を所定の分周比に分周する分周器17と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定信号を周波数変換する第1の周波数変換手段(12)と、
アナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段(19)と、
前記第1の周波数変換手段と前記信号変換手段との間に設けられた第1及び第2の経路(25、26)と、
前記第1及び前記第2の経路のいずれか一方を選択する経路選択手段(13、18)と、
前記第1の経路において前記第1の周波数変換手段の出力信号を周波数変換する第2の周波数変換手段(15)と、
前記第2の経路において前記第1の周波数変換手段の出力信号を所定の分周比に分周する分周手段(17)と、
を備えたことを特徴とする測定装置(10)。
【請求項2】
前記経路選択手段は、前記被測定信号の振幅情報を要しない測定において前記第2の経路を選択するものであることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記第1の周波数変換手段は、周波数が時間とともに連続的に変化する信号を前記被測定信号として周波数変換するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の測定装置(10)を用いた測定方法であって、
前記第1の周波数変換手段により被測定信号を周波数変換する第1の周波数変換ステップ(S13、S16)と、
前記信号変換手段によりアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換ステップ(S18)と、
前記経路選択手段により前記第1及び前記第2の経路のいずれか一方を選択する経路選択ステップ(S12、S15)と、
前記第2の周波数変換手段により前記第1の経路において前記第1の周波数変換ステップの出力信号を周波数変換する第2の周波数変換ステップ(S17)と、
前記分周手段により前記第2の経路において前記第1の周波数変換ステップの出力信号を所定の分周比に分周する分周ステップ(S14)と、
を含むことを特徴とする測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域の信号を測定可能な測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波帯の電波を用いて、例えば車間距離を高い精度で測定するミリ波レーダが知られている。近年、既に実用化されている77GHz帯レーダに比べて高分解能で広角検知を可能にする79GHz帯レーダの開発が進められている。79GHz帯レーダのうち、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave )方式が採用されたものには、最大4GHzという広帯域の周波数帯域幅を有するチャープ信号が用いられる。
【0003】
従来、この種の広帯域なチャープ信号を取り込んで測定するために、広帯域のオシロスコープをスペクトラムアナライザに接続して測定する手法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Infiniium Oscilloscopes Used for Wideband RF Measurements」、[online]、Keysight Technologies、[平成28年10月20日検索]、インターネット〈URL:http://www.keysight.com/main/redirector.jspx?action=ref&cname=EDITORIAL&ckey=2753752&lc=eng&cc=US&nfr=-11143.0.00〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の測定装置では、スペクトラムアナライザとオシロスコープとが組み合わされて構成されているので、複雑な測定系となって測定が煩雑になるという課題があった。
【0006】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成で広帯域の信号を測定することができる測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る測定装置は、被測定信号を周波数変換する第1の周波数変換手段(12)と、アナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段(19)と、前記第1の周波数変換手段と前記信号変換手段との間に設けられた第1及び第2の経路(25、26)と、前記第1及び前記第2の経路のいずれか一方を選択する経路選択手段(13、18)と、前記第1の経路において前記第1の周波数変換手段の出力信号を周波数変換する第2の周波数変換手段(15)と、前記第2の経路において前記第1の周波数変換手段の出力信号を所定の分周比に分周する分周手段(17)と、を備えた構成を有している。
【0008】
この構成により、本発明の請求項1に係る測定装置は、第2の周波数変換手段を経由する第1の経路と、分周手段を経由する第2の経路とのいずれか一方を選択可能であって、第2の経路を選択した場合には、分周手段を用いて信号変換手段の見かけの周波数帯域幅を拡張することにより、広帯域の信号を測定することが可能となる。
【0009】
したがって、本発明の請求項1に係る測定装置は、簡易な構成で広帯域の信号を測定することができる。
【0010】
本発明の請求項2に係る測定装置は、前記経路選択手段は、前記被測定信号の振幅情報を要しない測定において前記第2の経路を選択するものである構成を有している。
【0011】
この構成により、本発明の請求項2に係る測定装置は、被測定信号の振幅情報を要しない測定において、簡易な構成で広帯域の信号を測定することができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る測定装置は、前記第1の周波数変換手段は、周波数が時間とともに連続的に変化する信号を前記被測定信号として周波数変換するものである構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明の請求項3に係る測定装置は、周波数が時間とともに連続的に変化する信号に対し、簡易な構成で広帯域の信号を測定することができる。
【0014】
本発明の請求項4に係る測定方法は、請求項1に記載の測定装置(10)を用いた測定方法であって、前記第1の周波数変換手段により被測定信号を周波数変換する第1の周波数変換ステップ(S13、S16)と、前記信号変換手段によりアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換ステップ(S18)と、前記経路選択手段により前記第1及び前記第2の経路のいずれか一方を選択する経路選択ステップ(S12、S15)と、前記第2の周波数変換手段により前記第1の経路において前記第1の周波数変換ステップの出力信号を周波数変換する第2の周波数変換ステップ(S17)と、前記分周手段により前記第2の経路において前記第1の周波数変換ステップの出力信号を所定の分周比に分周する分周ステップ(S14)と、を含む構成を有している。
【0015】
この構成により、本発明の請求項4に係る測定方法は、第2の周波数変換手段を経由する第1の経路と、分周手段を経由する第2の経路とのいずれか一方を選択可能であって、第2の経路を選択した場合には、分周ステップにおいて信号変換手段の見かけの周波数帯域幅を拡張することにより、広帯域の信号を測定することが可能となる。
【0016】
したがって、本発明の請求項4に係る測定方法は、簡易な構成で広帯域の信号を測定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、簡易な構成で広帯域の信号を測定することができるという効果を有する測定装置及び測定方法を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態におけるスペクトラムアナライザのブロック構成図である。
図2】本発明の一実施形態におけるFMCW方式の送信信号における周波数リニアリティの説明図である。
図3】本発明の一実施形態において切替スイッチによって分周器ルートが選択された場合の主要な構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態における分周器の入力周波数及び出力周波数の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態におけるスペクトラムアナライザのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明に係る測定装置をスペクトラムアナライザに適用した例を挙げて説明する。
【0020】
まず、本発明の一実施形態におけるスペクトラムアナライザの構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ10は、DUT(被測定装置)1の出力信号の特性を測定するものである。
【0022】
本実施形態において、DUT1は、例えば、車両に搭載されるFMCW方式のレーダ装置に用いられ、4GHzの周波数帯域幅を有するチャープ信号を被測定信号として出力可能な装置である。以下、スペクトラムアナライザ10がこのチャープ信号を測定する例を挙げて説明する。
【0023】
スペクトラムアナライザ10は、局部発振器11、ミキサ12、切替スイッチ13、局部発振器14、ミキサ15、BPF(バンドパスフィルタ)16、分周器17、切替スイッチ18、ADC(アナログ−デジタルコンバータ)19、測定部20、表示部21、操作部22、制御部23を備えている。
【0024】
局部発振器11は、所定周波数の局部発振信号を生成してミキサ12に出力するようになっている。
【0025】
ミキサ12は、DUT1が出力する被測定信号を所定のIF(中間周波数)信号に周波数変換するものである。具体的には、ミキサ12は、DUT1が出力する被測定信号と、局部発振器11が発生した局部発振信号とを混合してIF信号に周波数変換し、周波数変換したIF信号を切替スイッチ13に出力するようになっている。このミキサ12は、例えば導波管ミキサで構成され、第1の周波数変換手段の一例である。
【0026】
切替スイッチ13は、切替スイッチ18ともに、制御部23からの制御信号に従って、ミキサ15及びBPF16を経由するルート(以下、「ミキサルート25」という)と、分周器17を経由するルート(以下、「分周器ルート26」という)とを切り替えるようになっている。なお、ミキサルート25及び分周器ルート26は、ぞれぞれ、第1及び第2の経路の一例である。また、切替スイッチ13及び18は、経路選択手段の一例である。
【0027】
局部発振器14は、所定周波数の局部発振信号を生成してミキサ15に出力するようになっている。
【0028】
ミキサ15は、切替スイッチ13の出力信号、すなわちミキサ12の出力信号を所定のIF信号に周波数変換するものである。具体的には、ミキサ15は、ミキサ12の出力するIF信号(例えば1875MHz)と、局部発振器14が発生した局部発振信号(例えば1800MHz)とを混合してIF信号(例えば75MHz)に周波数変換し、周波数変換したIF信号をBPF16に出力するようになっている。このミキサ15は、第2の周波数変換手段の一例である。
【0029】
BPF16は、ミキサ15の出力信号のフィルタリングを行って、予め定められた周波数領域の信号を取り出して切替スイッチ18に出力するようになっている。
【0030】
分周器17は、切替スイッチ13の出力信号、すなわちミキサ12の出力信号を所定の分周比に分周して切替スイッチ18に出力するようになっている。この分周器17は、分周手段の一例である。なお、本実施形態では、分周器17は、入力信号の周波数を1/32分周するものとする。
【0031】
ADC19は、切替スイッチ18から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するようになっている。このADC19は、信号変換手段の一例である。
【0032】
測定部20は、ADC19の出力信号を記憶する波形メモリを備え、記憶した信号に対して所定の測定を行うようになっている。例えば、測定部20は、DUT1が出力するチャープ信号に対して、周波数リニアリティ(線形性)、振幅フラットネス、位相雑音、振幅雑音、スプリアス、占有周波数帯幅(Occupied frequency Band Width : OBW)等を測定するものである。これらのチャープ信号の測定項目のうち、周波数リニアリティの測定においては、位相情報(周波数情報)のみが必要であり、振幅情報は不要である。
【0033】
表示部21は、測定部20の測定結果や測定条件等を表示するようになっている。
【0034】
操作部22は、被測定信号を測定する測定項目や測定条件、判定条件等を設定するためユーザが操作するものである。
【0035】
制御部23は、操作部22によって入力された各種情報をスペクトラムアナライザ10の各部に設定するようになっている。
【0036】
また、制御部23は、操作部22によって設定された測定項目について、被測定信号の振幅情報が必要か否かを判断するようになっている。例えば、前述のチャープ信号の測定項目では、振幅フラットネス、位相雑音、振幅雑音、スプリアス、占有周波数帯幅の測定については振幅情報は必要、周波数リニアリティの測定ついては振幅情報は不要という情報がメモリ(図示省略)に予め記憶されており、制御部23は、この記憶された情報に基づいて、操作部22によって設定された測定項目について、被測定信号の振幅情報が必要か否かを判断するものである。
【0037】
次に、チャープ信号の周波数リニアリティの測定について図2を用いて説明する。図2は、FMCW方式の送信信号(チャープ信号)における周波数リニアリティを説明するための模式図である。図2において、横軸を時間軸、縦軸を周波数軸とし、理想的な送信信号31(破線)と、測定対象の送信信号32(実線)とを示している。送信信号31、32は、周波数が時間とともに連続的に変化する信号(チャープ信号)であって、4GHzの周波数帯域幅を有している。
【0038】
FMCW方式のレーダ装置では、図2に破線で示すような周波数変調された送信信号が、ミリ波帯のレーダ波として放射される。そして、そのレーダ波が物標に反射して戻ってきた反射波が受信アンテナで受信され、その受信信号と送信信号とを用いて、物標との距離や物標の相対速度などの物標に関する物標情報が検出されるようになっている。
【0039】
したがって、FMCW方式のレーダ装置において物標情報を高精度で検出するためには、送信信号における周波数リニアリティが高いほど望ましいので、測定対象の送信信号32の周波数リニアリティを測定するようになっている。
【0040】
次に、本実施形態における分周器17の機能について図3及び図4を用いて説明する。図3は、切替スイッチ13及び18によって分周器ルート26が選択された場合の主要な構成を示している。図4は、分周器17の入力周波数及び出力周波数の一例を示す図である。なお、分周器ルート26が選択される場合としては、被測定信号の位相情報(周波数情報)のみが必要で振幅情報が不要である測定、例えばチャープ信号の周波数リニアリティの測定を行う場合である。
【0041】
図3に示すように、本実施形態における分周器17は、ミキサ12からIF信号を入力し、入力したIF信号の周波数を1/32分周してADC19に出力するようになっている。
【0042】
ミキサ12は、DUT1から78.2GHz〜82.2GHzの被測定信号を入力するものとする。また、ミキサ12は、局部発振器11から77GHzの局部発振周波数の信号を入力するものとする。この構成では、ミキサ12からは、1.2GHz〜5.2GHz(中心周波数3.2GHz)の被測定信号が出力される。
【0043】
ADC19は、125MHzの周波数帯域幅を有し、400MHzのサンプリングが可能である。
【0044】
この構成において、分周器17が入出力可能な周波数は図4に示すようになる。すなわち、分周器17が入力するIF信号の入力周波数としては、1.2GHz〜5.2GHz(中心周波数3.2GHz)であって、周波数帯域幅は4GHzである。
【0045】
分周器17は入力したIF信号の周波数を1/32分周するので、分周器17が出力するIF信号の出力周波数としては、図4に示すように、37.5MHz〜162.5MHz(中心周波数100MHz)であって、周波数帯域幅は125MHzである。
【0046】
したがって、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ10は、分周器ルート26が選択された場合には、ADC19の周波数帯域幅125MHzを4000MHz(4GHz)に見かけ上拡張させることができる。
【0047】
しかも、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ10は、分周器ルート26において分周器17で分周する構成であるので、位相情報を失うことはない。
【0048】
さらに、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ10は、IF信号をより低い周波数に変換するため、ダウンコンバート処理を行わずに分周器17を用いる構成を有するので、ダウンコンバート処理で発生する不要信号であるイメージ信号による問題も生じない。
【0049】
次に、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ10の動作について図5を用いて説明する。
【0050】
制御部23は、操作部22によって設定された測定項目について、被測定信号の振幅情報が必要か否かを判断する(ステップS11)。具体的には、制御部23は、例えば、操作部22によって設定された測定項目が周波数リニアリティである場合には振幅情報が不要と判断し、振幅フラットネス、位相雑音、振幅雑音、スプリアス、占有周波数帯幅である場合には振幅情報が必要と判断する。
【0051】
ステップS11において、制御部23は、振幅情報が不要と判断した場合(No)には、切替スイッチ13及び18を制御して分周器ルート26を選択する(ステップS12)。
【0052】
ミキサ12は、DUT1が出力する被測定信号と、局部発振器11が発生した局部発振信号とを混合して所定の第1の周波数のIF信号に周波数変換し(ステップS13)、周波数変換したIF信号を切替スイッチ13に出力する。
【0053】
分周器17は、切替スイッチ13から入力したIF信号を所定の分周比(本実施形態では1/32)に分周し(ステップS14)、分周したIF信号を切替スイッチ18経由でADC19に出力する。
【0054】
一方、ステップS11において、制御部23は、振幅情報が必要と判断した場合(Yes)には、切替スイッチ13及び18を制御してミキサルート25を選択する(ステップS15)。
【0055】
ミキサ12は、DUT1が出力する被測定信号と、局部発振器11が発生した局部発振信号とを混合してIF信号に周波数変換し(ステップS16)、周波数変換したIF信号を切替スイッチ13経由でミキサ15に出力する。
【0056】
ミキサ15は、ミキサ12からのIF信号と、局部発振器14が発生した局部発振信号とを混合して所定の第2の周波数のIF信号に周波数変換し(ステップS17)、周波数変換したIF信号をBPF16に出力する。BPF16は、ミキサ15の出力信号のフィルタリングを行って、予め定められた周波数領域の信号を取り出し、切替スイッチ18を介してADC19に出力する。
【0057】
ADC19は、ミキサルート25又は分周器ルート26からのIF信号をアナログ値からデジタル値に変換する(ステップS18)。
【0058】
測定部20は、操作部22によって設定された測定項目について、ADC19からのデジタル値の信号を測定する(ステップS19)。
【0059】
表示部21は、測定部20の測定結果を表示する(ステップS20)。
【0060】
以上のように、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ10は、ミキサ15を経由するミキサルート25と、分周器17を経由する分周器ルート26とのいずれか一方を選択可能であって、分周器ルート26を選択した場合には、位相情報を失うことなく見かけの周波数帯域幅を拡張することができるので、簡易な構成で広帯域の信号を測定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明に係る測定装置及び測定方法は、簡易な構成で広帯域の信号を測定することができるという効果を有し、広帯域の信号を測定可能な測定装置及び測定方法として有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 DUT(被測定装置)
10 スペクトラムアナライザ(測定装置)
12 ミキサ(第1の周波数変換手段)
13、18 切替スイッチ(経路選択手段)
15 ミキサ(第2の周波数変換手段)
17 分周器(分周手段)
19 ADC(信号変換手段)
25 ミキサルート(第1の経路)
26 分周器ルート(第2の経路)
図1
図2
図3
図4
図5