【解決手段】本実施形態においては、主管会社売上仕訳作成部が、得意先コードおよび売上金額を含む主管会社の売上データと、得意先会社名とそれに対応する取引先コード、主管会社名とそれに対応する取引先コードおよび支援会社名とそれに対応する取引先コードからなる取引先マスタと、に基づき、得意先会社名が記載された主管会社売上仕訳を作成し、主管会社仕入仕訳作成部が、仕入先コードおよび発注金額を含む主管会社の発注仕入データと、前記取引先マスタと、に基づき、支援会社名が記載された主管会社仕入仕訳を作成し、支援会社売上仕訳作成部が、得意先コードおよび売上金額を含む支援会社の売上データと、前記取引先マスタと、に基づき、主管会社名が記載された支援会社売上仕訳を作成する。
得意先会社から主管会社に依頼された業務の全部または一部を支援会社に外注し、完成品を前記主管会社に仕入れる場合において、前記主管会社の売上仕訳、前記主管会社の仕入仕訳および前記支援会社の売上仕訳を作成する、制御部を備えた仕訳作成装置であって、
前記制御部は、
得意先コードおよび売上金額を含む前記主管会社の売上データと、前記得意先会社名とそれに対応する取引先コード、前記主管会社名とそれに対応する取引先コードおよび前記支援会社名とそれに対応する取引先コードからなる取引先マスタと、に基づき、前記得意先コードと同じ取引先コードを有する前記得意先会社名を検出し、検出された前記得意先会社名が記載された売上仕訳を作成する主管会社売上仕訳作成手段と、
仕入先コードおよび発注金額を含む前記主管会社の発注仕入データと、前記取引先マスタと、に基づき、前記仕入先コードと同じ取引先コードを有する前記支援会社名を検出し、検出された前記支援会社名が記載された仕入仕訳を作成する主管会社仕入仕訳作成手段と、
得意先コードおよび売上金額を含む前記支援会社の売上データと、前記取引先マスタと、に基づき、前記得意先コードと同じ取引先コードを有する前記主管会社名を検出し、検出された前記主管会社名が記載された売上仕訳を作成する支援会社売上仕訳作成手段と、
を備えたことを特徴とする仕訳作成装置。
得意先会社から主管会社に依頼された業務の全部または一部を支援会社に外注し、完成品を前記主管会社に仕入れる場合において、前記主管会社の売上仕訳、前記主管会社の仕入仕訳および前記支援会社の売上仕訳を作成する、制御部を備えた情報処理装置で実行される仕訳作成方法であって、
前記制御部で実行される、
得意先コードおよび売上金額を含む前記主管会社の売上データと、前記得意先会社名とそれに対応する取引先コード、前記主管会社名とそれに対応する取引先コードおよび前記支援会社名とそれに対応する取引先コードからなる取引先マスタと、に基づき、前記得意先コードと同じ取引先コードを有する前記得意先会社名を検出し、検出された前記得意先会社名が記載された売上仕訳を作成する主管会社売上仕訳作成ステップと、
仕入先コードおよび発注金額を含む前記主管会社の発注仕入データと、前記取引先マスタと、に基づき、前記仕入先コードと同じ取引先コードを有する前記支援会社名を検出し、検出された前記支援会社名が記載された仕入仕訳を作成する主管会社仕入仕訳作成ステップと、
得意先コードおよび売上金額を含む前記支援会社の売上データと、前記取引先マスタと、に基づき、前記得意先コードと同じ取引先コードを有する前記主管会社名を検出し、検出された前記主管会社名が記載された売上仕訳を作成する支援会社売上仕訳作成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする仕訳作成方法。
得意先会社から主管会社に依頼された業務の全部または一部を支援会社に外注し、完成品を前記主管会社に仕入れる場合において、前記主管会社の売上仕訳、前記主管会社の仕入仕訳および前記支援会社の売上仕訳を作成する、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための仕訳作成プログラムであって、
前記制御部で実行させるための、
得意先コードおよび売上金額を含む前記主管会社の売上データと、前記得意先会社名とそれに対応する取引先コード、前記主管会社名とそれに対応する取引先コードおよび前記支援会社名とそれに対応する取引先コードからなる取引先マスタと、に基づき、前記得意先コードと同じ取引先コードを有する前記得意先会社名を検出し、検出された前記得意先会社名が記載された売上仕訳を作成する主管会社売上仕訳作成ステップと、
仕入先コードおよび発注金額を含む前記主管会社の発注仕入データと、前記取引先マスタと、に基づき、前記仕入先コードと同じ取引先コードを有する前記支援会社名を検出し、検出された前記支援会社名が記載された仕入仕訳を作成する主管会社仕入仕訳作成ステップと、
得意先コードおよび売上金額を含む前記支援会社の売上データと、前記取引先マスタと、に基づき、前記得意先コードと同じ取引先コードを有する前記主管会社名を検出し、検出された前記主管会社名が記載された売上仕訳を作成する支援会社売上仕訳作成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする仕訳作成プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
[1.概要]
ある会社(主管会社という)が得意先より依頼された業務を、連結関係にある子会社(支援会社という)に外注する際には、前記主管会社単体の単体収支と前記支援会社単体の単体収支という2つの単体収支のみならず、連結関係にある会社内における収支を把握するために、連結収支(すなわち、前記主管会社の収支と前記支援会社の収支とを併せた収支)を作成することが必要となる。
【0013】
従来、この連結収支の作成は、各会社で別々に入力された前記2つの単体収支を担当者が手作業で合算することにより行っていた。しかしながら、前記2つの単体収支のどちらかに入力ミス、例えば、プロジェクトナンバーや金額の入力ミスがある際には、当然、前記2つの単体収支に基づき作成される連結収支も誤ったものとなる。このため、前記2つの単体収支に入力ミスがないかを担当者が入念に確認する必要があり、この確認作業には膨大な時間を要していた。
【0014】
また、仮に前記2つの単体収支に入力ミスがないとしても、以下のような問題も生じていた。すなわち、前記主管会社から前記支援会社への外注は、連結内での取引であるため、外注作業による前記支援会社の売上は、連結収支における売上としては計上するべきではなく、相殺作業を行う必要があるが、この相殺作業にも、担当者は膨大な時間を要していた。
【0015】
そこで、本実施形態においては、前記2つの単体収支、3つの仕訳(前記主管会社の売上仕訳、前記主管会社の仕入仕訳および前記支援会社の売上仕訳)および前記連結収支の作成を、1処理で実行できることにより、収支の作成ミスがなく、また、作成効率もよい仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムを提供している。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0016】
[2.構成]
本実施形態に係る仕訳作成装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、仕訳作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
仕訳作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、仕訳作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0018】
仕訳作成装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。仕訳作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、仕訳作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、仕訳作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0020】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0022】
記憶部106は、主管会社の売上データとしての主管会社PJデータ106a、主管会社の発注仕入データとしての発注仕入データ106b、取引先マスタ106cおよび支援会社の売上データとしてのヘルプ会社PJデータ106dを備えている。なお、これらのデータが含む具体的な項目については、以下[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0023】
制御部102は、仕訳作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、(1)得意先コードおよび売上金額を含む主管会社の売上データと、得意先会社名とそれに対応する取引先コード、前記主管会社名とそれに対応する取引先コードおよび支援会社名とそれに対応する取引先コードからなる取引先マスタと、に基づき、前記得意先コードと同じ取引先コードを有する前記得意先会社名を検出し、検出された前記得意先会社名が記載された売上仕訳を作成する主管会社売上仕訳作成手段としての主管会社売上仕訳作成部102aと、(2)仕入先コードおよび発注金額を含む前記主管会社の発注仕入データと、前記取引先マスタと、に基づき、前記仕入先コードと同じ取引先コードを有する前記支援会社名を検出し、検出された前記支援会社名が記載された仕入仕訳を作成する主管会社仕入仕訳作成手段としての主管会社仕入仕訳作成部102bと、(3)得意先コードおよび売上金額を含む前記支援会社の売上データと、前記取引先マスタと、に基づき、前記得意先コードと同じ取引先コードを有する前記主管会社名を検出し、検出された前記主管会社名が記載された売上仕訳を作成する支援会社売上仕訳作成手段としての支援会社売上仕訳作成部102cとを備えている。
【0024】
なお、主管会社売上仕訳作成部102a、主管会社仕入仕訳作成部102bおよび支援会社売上仕訳作成部102cが実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0025】
[3.処理の具体例]
本実施形態に係る処理の具体例について、
図2および
図3を参照して詳細に説明する。なお、本項目においては、得意先会社(ABC株式会社)から主管会社(○×HD株式会社)に依頼された業務の全部または一部を、○×HD株式会社と連結関係にある支援会社(○×商事株式会社)に外注し、完成品を○×HD株式会社に仕入れる場面を想定している。
図2は、主管会社のPJデータ、主管会社の発注仕入データ、取引先マスタおよびヘルプ会社のPJデータの情報の関連を示すテーブル図である。
図3は、
図2に示される各データならびにそれに基づき作成される仕訳および収支を示す図である。
【0026】
ここで、本実施形態における処理の概略を説明する。まず、主管会社売上仕訳作成部102aが、主管会社PJデータ106aと、取引先マスタ106cと、に基づき、主管会社売上仕訳作成処理を行い、主管会社の売上仕訳を作成する。また、主管会社仕入仕訳作成部102bが、発注仕入データ106bと、取引先マスタ106cと、に基づき、主管会社仕入仕訳作成処理を行い、主管会社の仕入仕訳を作成する。そして、支援会社売上仕訳作成部102cが、ヘルプ会社PJデータ106dと、取引先マスタ106cと、に基づき、支援会社売上仕訳作成処理を行い、支援会社の売上仕訳を作成する。以下、この順序で、本実施形態における処理を詳細に説明する。
【0027】
[主管会社売上仕訳作成処理]
最初に、主管会社売上仕訳作成部102aが行う主管会社売上仕訳作成処理を詳細に説明する。この処理によって、主管会社の売上仕訳が作成される。
【0028】
まず、記憶部106が備える主管会社PJデータ106aについて説明する。主管会社PJデータ106aは、
図2における主管会社のPJデータに示すように、例えば、PJNO、得意先CD、事業所CD、受注日、売上日および売上金額等の項目を含む。なお、
図2において、PKは、プライマリキー(Primary Key)を意味する。
【0029】
これらの項目について、
図3における主管会社のPJデータのテーブルを用いて、詳細に説明する。PJNOは、プロジェクトナンバーである。得意先CDは、得意先会社のコードである。得意先CDであるT100は、後述する取引先マスタ106cにおける得意先会社(ABC株式会社)が有する取引先CDであるT100と同じコードである。これにより、主管会社売上仕訳作成部102aは、得意先CDであるT100を識別子として用いて、取引先マスタ106c中から、得意先会社名(ABC株式会社)を検出することができる。事業所CDは、事業所コードであり、連結関係にある会社にのみ振られる会社コードである。このため、
図3の取引先マスタのテーブルに示すように、お互いに連結関係にある○×HD株式会社と○×商事株式会社には、それぞれ、事業所CDとして100、200が付されている。一方、
図3の取引先マスタのテーブルに示すように、連結関係にないABC株式会社には、事業所CDは付されず空欄となっている。受注日は、前記得意先会社から業務を依頼された(受注した)日付である。売上日は、売上処理を行う日付である。売上金額は、前記得意先会社から依頼された業務に対する、前記主管会社の売上金額である。
【0030】
つぎに、記憶部106が備える取引先マスタ106cについて説明する。取引先マスタ106cは、
図2における取引先マスタに示すように、例えば、取引先CD、取引先名、取引先区分(社内・社外)、社内事業所CD等を含む。
【0031】
これらの項目について、
図3の取引先マスタのテーブルを用いて、詳細に説明する。取引先名は、得意先会社(ABC株式会社)、主管会社(○×HD株式会社)および支援会社(○×商事株式会社)の3種類の会社のいずれかである。取引先CDは、取引先コードであり、前記3種類の会社それぞれに対応するコードである。取引先区分は、前記取引先名の会社が、連結関係にあるか否かで分類した区分である。具体的には、
図3の取引先マスタのテーブルに示すように、○×HD株式会社および○×商事株式会社のように、お互いに連結関係にある場合は、ともに、「社内」の文字が付される。一方、ABC株式会社のように、連結関係にない場合は、「社外」の文字が付される。社内事業所CDは、社内事業所コードであり、主管会社PJデータ106aの事業所CDと同様である。
【0032】
そして、主管会社売上仕訳作成部102aは、以下のようにして、主管会社の売上仕訳を作成する。すなわち、主管会社売上仕訳作成部102aは、主管会社PJデータ106aと、取引先マスタ106cと、に基づき、主管会社PJデータ106aの得意先コードT100と同じ取引先コードT100を有する得意先会社名(ABC株式会社)を、取引先マスタ106c中から検出する。続いて、主管会社売上仕訳作成部102aは、
図3の主管会社の売上仕訳に示すように、検出された得意先会社名(ABC株式会社)が取引先として記載された売上仕訳を作成する。なお、この売上仕訳には、ヘッダ部分に、売上日である9/30および前記主管会社(○×HO株式会社)の社内事業所CDである100が記載される。また、売上仕訳の左列(借方)には、売掛金10,000円が記載され、右列(貸方)には、売上額10,000円が記載される。
【0033】
[主管会社仕入仕訳作成処理]
つぎに、主管会社仕入仕訳作成部102bが行う主管会社仕入仕訳作成処理を詳細に説明する。この処理によって、主管会社の仕入仕訳が作成される。
【0034】
まず、記憶部106が備える発注仕入データ106bについて説明する。発注仕入データ106bは、
図2における主管会社の発注仕入データに示すように、例えば、PJNO、明細SEQ、発注日、仕入日、仕入先CDおよび発注金額等を含む。
【0035】
これらの項目について、
図3における主管会社の発注仕入データのテーブルを用いて、詳細に説明する。PJNOは、プロジェクトナンバーである。明細SEQは、明細番号である。発注日は、前記主管会社が、前記支援会社に業務を外注(発注)した日付である。仕入日は、前記支援会社が完成品を前記主管会社に仕入れた日付である。仕入先CDは、仕入先コードである。仕入先CDであるT920は、取引先マスタ106cにおける支援会社(○×商事株式会社)が有する取引先CDであるT920と同じコードである。これにより、主管会社仕入仕訳作成部102bは、仕入先CDであるT920を識別子として用いて、取引先マスタ106c中から、支援会社名(○×商事株式会社)を検出することができる。発注金額は、前記主管会社が前記支援会社に業務を外注(発注)する際の外注費(発注費)である。
【0036】
そして、主管会社仕入仕訳作成部102bは、以下のようにして、主管会社の仕入仕訳を作成する。すなわち、主管会社仕入仕訳作成部102bは、発注仕入データ106bと、取引先マスタ106cと、に基づき、発注仕入データ106bの仕入先コードT920と同じ取引先コードT920を有する支援会社名(○×商事株式会社)を、取引先マスタ106c中から検出する。続いて、主管会社仕入仕訳作成部102bは、
図3の主管会社の仕入仕訳に示すように、検出された支援会社名(○×商事株式会社)が取引先として記載された仕入仕訳を作成する。なお、この仕入仕訳には、ヘッダ部分に、仕入日である9/30および前記主管会社(○×HO株式会社)の社内事業所CDである100が記載される。また、仕入仕訳の左列(借方)には、外注費4,000円が記載され、右列(貸方)には、買掛金4,000円が記載される。
【0037】
[支援会社売上仕訳作成処理]
最後に、支援会社売上仕訳作成部102cが行う支援会社売上仕訳作成処理を詳細に説明する。この処理によって、支援会社の売上仕訳が作成される。
【0038】
まず、記憶部106が備えるヘルプ会社PJデータ106dについて説明する。ヘルプ会社PJデータ106dは、
図2におけるヘルプ会社のPJデータに示すように、例えば、PJNO、得意先CD、事業所CD、受注日、売上日および売上金額等を含む。なお、ヘルプ会社とは、支援会社と同義である。
【0039】
これらの項目について、
図3におけるヘルプ会社のPJデータのテーブルを用いて、詳細に説明する。PJNOは、プロジェクトナンバーある。得意先CDは、得意先コードである。得意先CDであるT910は、取引先マスタ106cにおける主管会社(○×HD株式会社)が有する取引先CDであるT910と同じコードである。これにより、支援会社売上仕訳作成部102cは、得意先CDであるT910を識別子として用いて、取引先マスタ106c中から、主管会社名(○×HD株式会社)を検出することができる。事業所CDは、社内事業所コードであり、主管会社PJデータ106aの事業所CDと同様である。受注日は、前記ヘルプ会社が、前記主管会社から業務を受注した日付である。売上日は、売上処理を行う日付である。売上金額は、前記主管会社が発注した業務に対する、前記ヘルプ会社の売上金額である。このため、前記ヘルプ会社の売上金額4,000円は、前記主管会社が前記ヘルプ会社に業務を発注する際の発注金額4,000円と必ず同額となる。したがって、本発明の仕訳作成装置100は、発注仕入データ106bにおける発注金額を、ヘルプ会社PJデータ106dにおける売上金額として自動的に入力する(これを、バッチ処理という)売上金額入力部を含むことが好ましい。前記入力のための具体的な構成としては、発注仕入データ106bにおいて、例えば、発注金額を入力するセルの付近に、取引区分として(連結外・連結内)のいずれかを選択できるセルを設定しておく。一方、ヘルプ会社PJデータ106dにおいても同様に、例えば、売上金額を入力するセルの付近に、取引区分として(連結外・連結内)のいずれかを選択できるセルを設定しておく。これにより、例えば、発注仕入データ106bにおいて、発注金額4,000円が入力され、取引区分として連結内が選択され、且つ、ヘルプ会社PJデータ106dにおいて、取引区分として連結内が選択されると、前記売上金額入力部は、ヘルプ会社PJデータ106dにおける売上金額として、4,000円を自動的に入力する。このように、本発明の仕訳作成装置100が、前記売上金額入力部を含むことにより、ヘルプ会社PJデータ106dにおける売上金額を入力する手間が省ける上に、入力ミスもなくなり、さらに、この入力ミスに起因するヘルプ会社の単体収支の間違いや、連結収支の間違いもなくなる。
【0040】
そして、支援会社売上仕訳作成部102cは、以下のようにして、支援会社の売上仕訳を作成する。すなわち、支援会社売上仕訳作成部102cは、ヘルプ会社PJデータ106dと、取引先マスタ106cと、に基づき、ヘルプ会社PJデータ106dの得意先コードT910と同じ取引先コードT910を有する主管会社名(○×HD株式会社)を、取引先マスタ106c中から検出する。続いて、支援会社売上仕訳作成部102cは、
図3のヘルプ会社の売上仕訳に示すように、検出された主管会社名(○×HD株式会社)が取引先として記載された売上仕訳を作成する。なお、この売上仕訳には、ヘッダ部分に、売上日である9/30および前記支援会社(○×商事株式会社)の社内事業所CDである200が記載される。また、売上仕訳の左列(借方)には、売掛金4,000円が記載され、右列(貸方)には、売上額4,000円が記載される。
【0041】
このように、本実施形態に係る仕訳作成装置100によれば、主管会社の売上仕訳、主管会社の仕入仕訳および支援会社の売上仕訳という種類の異なる複数の仕訳を同時に作成することが可能となるため、仕訳作成の効率がよい上に、別々の仕訳であるため、見やすさの点においても優れている。
【0042】
また、本実施形態に係る仕訳作成装置100は、各会社の単体収支を計算する単体収支算出部を含むことが好ましい。主管会社の単体収支およびヘルプ会社の単体収支を求める計算の例を、それぞれ、以下に示す。
【0043】
主管会社の単体収支の例を、
図3における収支の項目の主管会社のテーブルに示す。前記テーブルに示すように、主管会社の売上額が10,000円、労務費が3,000円、(ヘルプ会社への)外注費が4,000円である場合、単体収支算出部は、(売上額)−(労務費+外注費)=(10,000円)−(3,000円+4,000円)=3,000円を、主管会社における利益として算出する。
【0044】
ヘルプ会社の単体収支の例を、
図3における収支の項目のヘルプ会社のテーブルに示す。前記テーブルに示すように、ヘルプ会社の売上額が4,000円、労務費が3,000円、外注費が0円である場合、単体収支算出部は、(売上額)−(労務費+外注費)=(4,000円)−(3,000円+0円)=1,000円を、ヘルプ会社における利益として算出する。
【0045】
このように、本実施形態に係る仕訳作成装置100は、単体収支算出部を含むことにより、連結内における各会社の単体収支を、効率よく、ミスなく算出することが可能となる。
【0046】
さらに、本実施形態に係る仕訳作成装置100は、連結収支(前記主管会社の収支と前記ヘルプ会社の収支とを併せた収支)を計算する連結収支算出部を含むことが好ましい。連結収支を求める計算の例を、
図3における収支の項目の会社のテーブルに示す。まず、連結内における売上額は、前記主管会社の売上額10,000円+前記ヘルプ会社の売上額4,000円=14,000円となり、これが見かけ上の売上となる。しかしながら、前記ヘルプ会社の売上4,000円は、前記主管会社が前記ヘルプ会社に業務を外注したことによる売上であり、単に連結内で資産が移動したに過ぎず、連結内で見た場合には、4,000円分の売上は発生していない。このため、14,000円から、ヘルプ会社への外注費4,000円を控除(相殺)する必要がある。このため、連結内における実質的な売上は、14,000円−4,000円=10,000円と算出される。つぎに、連結内における労務費は、前記主管会社の労務費3,000円+前記ヘルプ会社の労務費3,000円=6,000円と算出される。最後に、連結内における外注費は、前記主管会社からヘルプ会社への外注費として、見かけ上は4,000円かかっているが、この外注は、連結内で行われたものであるため、連結内で見た場合には外注費はかかっていない。すなわち、連結内での外注費は、4,000円−4,000円=0円と相殺して算出される。以上より、連結収支算出部は、(売上額)−(労務費+外注費)=(10,000円)−(6,000円+0円)=4,000円を、連結内における利益として算出する。
【0047】
このように、本実施形態に係る仕訳作成装置100は、連結収支算出部を含むことにより、連結収支を、効率よく、ミスなく算出することが可能となる。特に、連結収支における売上額と外注費の項目は、前述の相殺作業が必要であるため、担当者が各会社の単体収支を慎重に見直した上で連結収支を計算する必要があり、担当者は大変な労力を要していた。しかしながら、連結収支算出部を含めば、この労力を省くことが可能となる。
【0048】
さらに、本実施形態に係る仕訳作成装置100は、前記単体収支算出部および前記連結収支算出部の両方を含めば、主管会社PJデータ106a、発注仕入データ106b、取引先マスタ106cおよびヘルプ会社PJデータ106dという4つのデータを用意するだけで、連結内における各会社の単体収支、3つの仕訳(前記主管会社の売上仕訳、前記主管会社の仕入仕訳および前記支援会社の売上仕訳)および連結内における連結収支の作成を、1処理で実行することができるため、非常に効率が良い。
【0049】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0050】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0051】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0052】
また、仕訳作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0053】
例えば、仕訳作成装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて仕訳作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0054】
また、このコンピュータプログラムは、仕訳作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0055】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0056】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0057】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0058】
また、仕訳作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、仕訳作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0059】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。