電線の先端に備わる導電性の端子60が外部から挿入される、内部に導電性の端子接続構造20と、外部に非導電性の箱状のケース5とを備える端子接続装置1であって、ケース5は対向する2面に端子接続構造20が備わる内部に通じる挿入口100と、対向する2面に隣り合う底面に内部に通じる開口部120とを有する本体ケース10と、開口部120に装着されるカバーケース40とを備え、本体ケース10は少なくとも一つの側面の下端から外方向へ延びる固定用のフランジ11を備え、フランジ11にはボルト締め用のボルト穴12が開いている。
前記本体ケースは前記端子接続構造の端子接続面に対向する上面に挿入完了位置にある端子と前記端子接続構造とを固定するための抜け止めピンの操作部が備わり、前記抜け止めピンを押し切り位置まで下げると前記端子が前記端子接続構造に固定され、前記押し切り位置から待機位置まで上げると前記端子は前記端子接続構造に対して挿入あるいは抜去が可能になるところに特徴を有する請求項1記載の端子接続装置。
前記本体ケースは少なくとも一つの側面の下端から外方向へ延びる固定用のフランジを備え、前記フランジにはボルト締め用のボルト穴が開いているところに特徴を有する請求項2又は3記載の端子接続装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る端子接続装置1について、図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る端子接続装置の外観斜視図である。
図2は、
図1のX2−X2線における断面図である。
図3は、
図1のY3−Y3線における断面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る端子接続装置の本体ケースの内部を示す斜視図である。
図5は、
図4のX5−X5線における断面斜視図である。なお、説明で指示する方向は、図面で定義する方向に従う。
【0019】
端子接続装置1は、
図1、
図2に示されるように、合成樹脂製のケース5、その中に収容される金属製の端子接続構造20、及びケース5に組み付けられる鉄ピン(貫通ピン530)を備えた抜け止めピン50を備えている。ケース5は、本体ケース10と、カバーケース40との分割式である。
【0020】
ケース5が本体ケース10と、カバーケース40とに分かれた分割式であることは、端子接続構造20の装着を容易にするとともに、カバーケース40が、端子接続構造20を正規装着位置に保持することを可能にする。
【0021】
〈端子接続装置概説〉
本体ケース10は、
図2、
図3に示されるように、内部に空間を備えた、絶縁性の合成樹脂からなる、略箱体の射出成形品である。本体ケース10は、前面、後面に電線の先端に取り付けられた端子を挿入するための挿入口100を備えている。挿入口100は、本体ケース10の内部に形成された、電線を収容するための電線収容部130に連なっている。
【0022】
本体ケース10は、
図4、
図5に示されるように、底面に端子接続構造20を装着するための開口部120を備え、開口部120は、カバーケース40を収容するためのカバー収容部121に連なっている。カバー収容部121は、その奥部に備わる端子収容部110に連なる。さらに端子収容部110はさらに奥部のピン制御部14に連なる。また端子収容部110は、その前方、及び後方に備わる電線収容部130に連なっている。
【0023】
カバーケース40は、
図2、
図3に示されるように、本体ケース10のカバー収容部121に嵌め込まれ、本体ケース10と一体的にケース5を構成する。カバーケース40は、絶縁性の合成樹脂からなる射出成形品である。
【0024】
ピン制御部14は、端子60の挿入方向に対して直交する方向に沿って、抜け止めピン50が移動するための収容部410を備えている。
【0025】
端子接続構造20は、
図2、
図3に示されるように、第1端子接続構造200と、第2端子接続構造201とを備えている。第1端子接続構造200、及び第2端子接続構造201は、一部部材を共有する構成で、同じ構造を備えている。端子接続構造20は、端子60を接続するための最小構成単位である端子接続手段203を備えている。端子接続手段203は、支持部300aと、板ばね部220aとを備えている。
【0026】
抜け止めピン50は、
図2に示されるように、端子接続構造20に挿入された端子60を正規挿入位置で保持するものである。抜け止めピン50は、操作性を考慮して本体500を備えるとともに、その下面に、端子60の抜けを防止するための貫通ピン530を備えている。貫通ピンは金属製であってよく、たとえばステンレスなどの鉄系の金属であってよい。
【0027】
〈本体ケース〉
本体ケース10は、
図4、
図5に示されるように、絶縁性の合成樹脂からなる箱体で、端子接続構造20を収容するための端子収容部110をその中央部に備えている。本体ケース10は、端子収容部110の前方、及び後方に電線収容部130を備えている。電線収容部130は、端子接続手段203に端子60を挿入する過程では、端子60を案内する挿入通路として機能し、端子60との接続時には、端子60の後方に連なる電線610の収容部として機能する。電線収容部130は、さらに前方、あるいは後方に延びて、本体ケース10の前面の挿入口100、あるいは後面の挿入口100に連なる。
【0028】
端子接続構造20は、上段、及び下段の2段構造からなる。便宜上、下段を第1端子接続構造200、上段を第2端子接続構造201と表記する。これに倣い、端子収容部110は、
図6に示されるように、第1端子接続構造200が収まるところを第1端子収容部111、第2端子接続構造201が収まるところを第2端子収容部112と表記し、それ
に連なる電線収容部130も、下段を第1電線収容部131、上段を第2電線収容部132と表記する。さらに、それに連なる挿入口100も、下段を第1挿入口101、上段を第2挿入口102と表記する。
【0029】
挿入口100は、
図5に示されるように、本体ケース10の前面に第1挿入口101、及び第2挿入口102を備えるとともに、後面に第1挿入口101、及び第2挿入口102を備える。1個の挿入口101、あるいは102について、1個の端子60の挿抜を行なうことができるので、端子接続装置1は、同時に4個の端子60の接続を行なうことができる。第1電線収容部131と、第2電線収容部132との間には、仕切壁133が備わり、仕切壁133によって両収容部131、132は区画されている。これにより、電線の端末に圧着された端子60が端子接続構造20に挿入されたとき、第1電線収容部131にある端子60の圧着部と、第2電線収容部132にある端子60の圧着部との間は、仕切壁133によって、電気的接触は構造的に回避されることとなる。
【0030】
第2電線収容部132と、その奥部にある端子収容部110との間には、
図6に示されるように、奥壁134が備わる。奥壁134は、第2電線収容部130と、端子収容部110とを区画する。ただし、奥壁134の一部にスリット135が設けられ、このスリット135によって端子60の通路は確保されている。このように、必要最小限の隙間だけを残し、その残りの部分は、仕切壁133、及び奥壁134を設けて区画することによって、端子間の不要な接触、さらに外部との特に電気的接触の危険性が回避されている。なお第1電線収容部131と端子収容部110との間については、カバーケース40の装着によって区画がなされる。
【0031】
スリット135は、
図6に示されるように、奥壁134の、仕切壁133との交線上の近傍に備わる。スリット135の幅と厚みは、端子60がスムーズに挿抜できる大きさである。
端子収容部110は、
図6に示されるように、カバー収容部121の奥部に連なる断面矩形の空間である。端子収容部110と、カバー収容部121とは連続して備わる一体的な空間である。端子接続構造20は、本体ケース10の開口部120から、カバー収容部121を通して端子収容部110に装着される
【0032】
端子収容部110は、
図5に示されるように、上方に圧入スリット140、及び案内部170を備える。圧入スリット140は、側面に離間して2個備わる。端子接続構造20の圧入部270を受け入れるためのスリットである。圧入スリット140に圧入部270が圧入されることによって、端子接続構造20は、正規装着位置に装着される。圧入スリット140の幅と厚みは、圧入部270を圧入できる大きさである。
【0033】
案内部170は、
図5に示されるように、端子接続構造20を本体ケース10の端子収容部110に装着するとき、正規装着位置に案内するとともに、カバーケース40を嵌め込むとき、正規嵌め込み位置に案内するために備わる。案内部170は、断面矩形の柱状体で、端子収容部110の中央部に備わる。案内部170は、端子接続構造20の位置決め孔280、及びカバーケース40の位置決め孔470が通過できる程度の大きさがあればよく、これらの孔の大きさに比べて僅かに小さいものであればよい。案内部170の長さは、装着された端子接続構造20を貫き、組み付けられたカバーケース40の中程まで届く長さがあればよい。
【0034】
<ピン制御部> ピン制御部14について図面にしたがって説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る端子接続装置のカバーケースの外観斜視図である。
図7は、
図6のX7−X7線における断面斜視図である。
【0035】
ピン制御部14は、
図7に示されるように、上方から下方に向けて貫通する、収容部410を備えている。収容部410は、抜け止めピン50を収容するための空間で、2個の収容部410、および410が間に案内部170を挟む態様で前後方向に並んで備わる。
【0036】
収容部410は、
図6、
図7に示されるように、断面矩形の柱状の空間である。周囲四方は壁である。左右壁は、抜け止めピン50の抜け落ちを防止するための凸状の第1係止部420を下端に備えるとともに、抜け止めピン50を待機位置501で保持するための凸状の第2係止部421を上端に備えている。第1係止部420は、比較的大きいものが一側面に一つ備わり、第2係止部421は、比較的小さいものが一側面に二つ備わる。
【0037】
収容部410は、
図7に示されるように、抜け防止部430を備えている。抜け防止部430は、案内部の上端近くに庇状の張り出しを備えている。抜け防止部430は、抜け止めピン50が上方へ外れることを係止部575と係止して防ぐためのもので、案内部上端に備わる。
【0038】
収容部の下端には、抜け止めピン50を組み付けるための挿入口411が備わる。2個の挿入口411、411が、前後方向に並んで備わる。上方の開口部412の前後には、差込案内440が備わる。差込案内440は、開口部412の前後にある台座部上面13aが傾斜するもので、この傾斜を利用して差し込まれた抜け止めピン50の引き抜き操作を助ける。
【0039】
<カバーケース> カバーケース40は、本体ケース10のカバー収容部121に嵌め込まれ、本体ケース10と一体的にケース5を構成する。ケース5が本体ケース10と、カバーケース40とに分割されていることで、端子接続装置1の組み付け性が飛躍的に向上する。カバーケース40は、正規嵌め込み位置で、本体ケース10の端子収容部110に装着された端子接続構造20を所定位置で保持する。
【0040】
カバーケース40は、
図2、
図3に示されるように、本体ケース10の底面の開口部120を通してカバー収容部121に嵌め込まれる。カバーケース40は箱体状の本体400からなる。
【0041】
本体400は、
図8に示されるように、左右側面403の、前方、及び後方に押え部460を備えている。押え部460は、上面の左右縁部の前後端から下方に延びる、比較的幅を有した板状体で、下方向に直線状に延びている。押え部460の下端は、板幅、及び板厚を一定に保った状態で本体400の下面よりもさらに下方に延びている。押え部460は、上方に凸状の係止部461を備えている。
【0042】
押え部460は、カバーケース40を、本体ケース10に嵌め込むとき、本体ケース10の支持部150と協働してカバーケース40を所定の位置まで案内する。係止部461は、本体ケース10の保持部122と協働してカバーケース40を本体ケース10の正規嵌め込み位置に保持する。
【0043】
カバーケース40は、
図8に示されるように、本体400の上面401中央部から下方に穿たれた位置決め孔470を備えている。位置決め孔470は、本体ケース10の案内部170と協働して、カバーケース40を本体ケース10に嵌め込むとき、案内の働きをする。
【0044】
位置決め孔470は、断面矩形の柱状の空間である。位置決め孔470は、前後方向に並ぶ2個の貫通部受部160の間に備わる。カバーケース40は、本体400の上面402の四隅にスリット450を備えている。スリット450には、第1板ばね部材2201
の圧入部270が圧入されて保持される。
【0045】
貫通部受部160は、
図8に示されるように、カバーケース40の上面に備わる正面視円形の凹部である。貫通部受部160は、所定の位置まで差し込まれた抜け止めピン50を受け止め、その先端を凹部に嵌めて平面方向の僅かに生じるふれを抑制するものである。貫通部受部160は、カバーケース40の上面に2個備わり、前後方向に沿って配置されている。貫通部受部160の直径と深さは、貫通ピン530の先端の直径に比べて僅かに大きく、先端の一部が隠れる程度の深さがあればよい。
【0046】
カバーケース40には、
図8に示されるように、第1板ばね部材2201が組み付けられる。第1板ばね部材2201は、圧入部270が延びる面を下にして、板ばね部220が上になる姿勢で組み付けられる。第1板ばね部材2201は、ピン制御部14に組み付けられた、抜け止めピン50の貫通ピン530が切り欠き部260を通るように組み付けられる。
【0047】
第1板ばね部材2201の圧入部270は、カバーケース40上面に備わるスリット450に圧入されて、正規組み付け位置で固定される。正規組み付け位置で、カバーケース40に固定された第1板ばね部材2201は、
図8に示されるように、カバーケース40の上面に重なるように備わり、中央の位置決め孔280の中心は、カバーケース40の上面の位置決め孔470の中心と略一致する。
【0048】
<端子接続構造>
端子接続構造20について図面にしたがって説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る端子接続装置の端子接続構造を示す外観斜視図である。
図10は、同第1板ばね部材を示す外観斜視図である。
図11は、同第2板ばね部材を示す外観斜視図である。
図12は、同支持材を示す外観斜視図である。
図13は、
図9に端子を挿入した状態を示す斜視図である。
【0049】
端子接続構造20は、
図9に示されるように、第1端子接続構造200と、第2端子接続構造201とを備えている。第1端子接続構造200と、第2端子接続構造201とは、ともに支持部材300と、板ばね部材220とを備えている。第1端子接続構造200は、共有部材である支持部材300と、第1板ばね部材2201とを備え、第2端子接続構造201は、支持部材300と、第2板ばね部材2202とを備える。第1端子接続構造200と、第2端子接続構造201とは、支持部材300を共有するとともに、基本構造が共通するので、以降説明は、主に第1端子接続構造200についておこなう。
【0050】
第1端子接続構造200は
図9、
図10、
図11に示されるように、平板状の支持部材300と、弾性変形可能部を含む板ばね部材220とを備えている。支持部材300は、前方及び後方に2個の支持部300a、300aを備えている。板ばね部材220は、板状に広がる基部205と、その前方及び後方に、前後端から湾曲し折り重なるようにして延びる板ばね部220a、220aとを備えている。支持部300a、300aと、板ばね部220a、220aとは、対応する位置にあり、間に生じる隙間で端子60を板厚
【0051】
支持部300aは、端子60と電気的機械的に接続するための平坦な本体301を備える。端子60は、その平坦面を支持部300aの平坦な本体301と重ね合わせて接続することにより、大きな接続面積を獲得する。また、挟持する端子60に対して板ばね部220aから持続的に大きな付勢力が与えられる。これにより、大きな電流の接続にも対応できる信頼性の高い端子接続構造20が得られる。
【0052】
第1端子接続構造200は、
図9に示されるように、2組の端子接続手段203、及び
203を備えている。端子接続手段203は、接続を担う最小構成単位であって、支持部300aと、板ばね部220aとを備えている。
【0053】
板ばね部材220は、
図10、
図11に示されるように、板状に広がる基部205と、その前後端から湾曲し折り重なるようにして延びる板ばね部220a、220aとを備えている。基部205は、端子接続構造20を本体ケース10に装着したとき、柱状に延びる案内部170を通すための位置決め孔280を、中央部に備えている。基部205は、端子接続構造20を本体ケース10の端子収容部110に装着するとき、端子収容部110の圧入スリット140に圧入して固定するための圧入部270を、左右側縁の前後端に備えている。圧入部270は、基部205の側縁から延びる切り出し片であって曲げ部を有し下方に延びている。
【0054】
基部205は、
図10、
図11に示されるように、挿入途中にある端子60を案内するための案内部290を、左右側縁の前後端に備えている。案内部290は、基部205の側縁から延びる切り出し片であって二つの曲げ部293、294を有し先端は上方に延びている。案内部290は、挿入された端子60を支持するための支持面291を曲げ部294の先部に備えるとともに、前端部に端子60を案内するための案内面292を備えている。案内部290は、挿入途中の端子60の左右方向の位置ずれを修正し端子60を正規挿入位置へ導く。案内部290は二つの曲げ部293、294を備えることで、弾性的変形可能範囲を広範にする。これにより、案内部290はサイズの相違するいくつかの端子60の姿勢を正すことができる。
【0055】
板ばね部材220は、
図10に示されるように、切り欠き部260を有する片持ち梁状の板ばね部220aを備えている。切り欠き部260は、板ばね部220aに形成され、自由端側の先端付近から固定端側の端縁に至り、さらに基部205まで回りこむ。その後端は、基部205中央にある位置決め孔280手前に至る。切り欠き部260は、端子60が端子接続構造20に挿入されたとき、抜け止めピン50の操作性を確保するために、板ばね部220aの干渉部分の切り取りである。
【0056】
板ばね部材220は、裏面側から見ると、
図11に示されるように、前後に切り欠き部260がある基部205の左右側縁の前端、及び後端に圧入部270、及び案内部290の曲げ部293、294を確認することができる。この
図11は、第1板ばね部材2201の裏面側を示すものであるとともに、第2板ばね部材2202の本体ケース10への正規組み付け姿勢の表面側を示すものでもある。
【0057】
支持部材300は、
図12に示されるように、端子接続構造20の接続導体であって、導電性を考慮して比較的厚みを有する銅合金板材の打ち抜き加工品であってよい。これにより数十アンペアから百アンペア程度の比較的大きな電流を流すことができる。支持部300aは、板ばね部220aとの協働で端子60を板厚方向に電気的機械的に接続するための平坦な本体301を備えている。
【0058】
支持部材300は、
図12に示されるように、端子接続構造20を本体ケース10に装着するとき、前後左右のずれを修正するための位置決め孔330を、矩形状の本体300の中央に備えている。支持部材300は、位置決め孔330の前方、及び後方に円形の貫通孔310、310を備えている。貫通孔310は、抜け止めピン50の貫通ピン530の貫通用の穴である。支持部材300は、左右側縁の前端、及び後端に突起状の固定部320を備えている。固定部320は、支持部材300を本体ケース10に固定するために備わる。固定部320は、本体ケース10の支持部150に嵌り、奥部にいくに従い支持部150に設けられたテーパによって支持台151に導かれる。固定部320は、支持台151で保持される。
【0059】
端子接続構造20は、
図9に示されるように、中央に支持部材300を共有し、この支持部材300を含みその下段側に第1端子接続構造200、及び支持部材300を含みその上段側に第2端子接続構造201を備えている。第1端子接続構造200は、支持部材300と、第1板ばね部材2201とを備え、第2端子接続構造201は、支持部材300と、第2板ばね部材2202とを備えている。第1端子接続構造200、及び第2端子接続構造201は、ともに2組の端子接続手段203、203を備えている。端子接続手段203は、接続の最小構成単位の、支持部300aと、板ばね部220aとを備えている。端子接続手段203は、板ばね部220aと、支持部300aとの間に生じる隙間で端子60を板厚方向から挟持し電気的機械的に接続する。端子60は、板ばね部220aが端子60に付勢力を加え、支持部300aがその端子60を支えることで、端子60を強い力で挟持することができる。
【0060】
第1板ばね部材2201の位置決め孔280、第2板ばね部材2202の位置決め孔280、及び支持部材300の位置決め孔330は、
図9に示されるように、正規組み付け状態で、各々の穴の中心が略一致している。また、支持部材300の貫通孔310は、第1板ばね部材2201の切り欠き部260、及び第2板ばね部材2202の切り欠き部260が重なっている。これによって、上下方向ともに、抜け止めピン50の動きを妨げるものは取り除かれている。
【0061】
第1端子接続構造200、及び第2端子接続構造201は、所定の組み付け構造を保持するために、相互に保持するための手段を備えていなくてもよく、各要素が本体ケース10の所定の位置に組み付くための手段を備えていればよい。
【0062】
所定の位置にある第1端子接続構造200は、
図13に示されるように、前方、及び後方に端子接続手段203、203を備えている。端子接続手段203を構成する板ばね部220aと、支持部300aとの隙間で、正規挿入位置にある端子60を板厚方向に電気的機械的に接続する。前方の端子接続手段203に挿入された端子60は、電線610を前方に延ばす姿勢で後方が挿入方向になる。また、後方の端子接続手段203に挿入された端子60は、電線610を後方に延ばす姿勢で前方向が挿入方向になる。
【0063】
第2端子接続構造201についても、
図13に示されるように、第1端子接続構造200の場合と端子60の挿入方向は同じになる。ただし、端子60の上下面は逆転した位置になる。すなわち、端子60の平坦面側(反圧着部側)が支持部300aに接する姿勢で、第1端子接続構造200、第2端子接続構造201ともに挿入される。
【0064】
<抜け止めピン>
抜け止めピン50について図面にしたがって説明する。
図14は、本発明の実施形態に係る端子接続装置の抜け止めピンの外観斜視図である。
図15は、同抜け止めピンの底側からの外観斜視図である。
図16は、
図14のY16−Y16線における断面斜視図である。
【0065】
抜け止めピン50は、
図14、
図15、
図16に示されるように、断面矩形の本体500と、この下面から下方に延出する断面円形の貫通ピン530とを備えている。抜け止めピン50は、端子接続構造20の正規挿入位置に挿入された端子60が抜け落ちないように、その位置で端子60を固定するために備わる。
【0066】
<抜け止めピンの装着> 抜け止めピン50の装着について、図面にしたがって説明する。
図17は、本体ケースに抜け止めピン、第2板ばね部材、支持部材を装着する工程図であって、(A)は装着前、(B)は抜け止めピンの装着工程、(C)は第2板ばね部材の
装着工程、(D)は支持部材の装着工程である。
図18は、
図17のY18−Y18線における断面斜視図である。
図19は、
図17のX19−X19線における断面斜視図である。
図20は、本発明の実施形態に係る端子接続装置のカバーケースと、本体ケースとの組立工程を示す工程図であって、(A)は、組立前、(B)は組立後を示す斜視図である。
【0067】
本体500は、
図14に示されるように、上面に、指先がかかる押し込み部510を備える。本体500は、左右側壁に、上下方向に延びる溝550を備える。抜け止めピン50の本体500が、ピン制御部14の収容部410に組み付けられたとき、溝550は、内向きに張り出した、収容部410の側面の第1係止部420、及び第2係止部421と、本体500側面との衝突を避けるための逃がしである。溝550は、上端では上面に突き抜け、下端では、下面手前で前後方向に延びる係止部570でとまる。係止部570は、突状部でピン制御部14の収容部410の内壁に備わる第2係止部421と係合する。これにより、抜け止めピン50のピン制御部14からの脱落が抑制される。左右側壁は、下半分で内側に切り欠き560が備わる。これにより、係止部570は内外方向に弾性的に変形可能である。
【0068】
本体500は、
図14に示されるように、前面、及び図示しない後面の上端部に凹状の差込口540を備える。差込口540は、挿入された抜け止めピン50を引き抜くとき、ドライバー等を引掛けるために備わる。差込口540は、その目的に応じた幅と深さからなる矩形状の窪みである。
【0069】
本体500は、
図14、
図16に示されるように、前面、及び図示しない後面の下端部に凸状の係止部575を備える。係止部575は、ピン制御部14に組み付けられた抜け止めピン50が、外に脱落しないように、ピン制御部14の抜け防止部430に係合する。組み付けの際、抜け止めピン50は、ピン制御部14の内側から組み付けられ、外側への可動限界位置が係止部575によって決まる。本体500がピン制御部14の上面から突出した状態で位置決めされる。
【0070】
抜け止めピン50は、
図19に示されるように、前後面に備わる係止部575がピン制御部14の収容部410上端の前後内面に備わる抜け防止部430に係合することで、脱落が防がれる。また、抜け止めピン50は、
図18に示されるように、左右側面に備わる係止部570がピン制御部14の収容部410上端の左右内面に備わる第2係止部421に乗り上げることで、抜け止めピン50の本体500を外部に突出させた待機位置501で待機姿勢を保持することができる。
【0071】
抜け止めピン50が待機位置501にあるときは、
図18に示されるように、貫通ピン530の先端は、第2板ばね部材2202の切り欠き部260付近か、あるいはそこからやや上方にある。抜け止めピン50は、
図18に示されるように、ピン制御部14の下方向から収容部410に組み付けられ、本体500の左右側面に備わる係止部570がピン制御部14の収容部410下端の左右側面に備わる第1係止部420を乗り越えることで、ピン制御部14と一体的に保持される。
【0072】
図19に示されるように、端子60の挿入方向と直交する上下方向に沿って抜け止めピン50の可動域がある。抜け止めピン50は、上端の待機位置501にあるとき、ケース5から本体500を露出させている。抜け止めピン50の貫通ピン530は、端子収容部110を上下方向に移動可能である。抜け止めピン50は、本体500の上面がケース5の上面と面一になる位置が正規抜け止め位置502である。この位置で挿入された端子60は、保持されることとなる。
【0073】
<端子接続構造の装着> 端子接続構造20の本体ケース10への装着について、図面にしたがって説明する。
図17は、本体ケースに抜け止めピン、第2板ばね部材、支持部材を装着する工程図であって、(A)は装着前、(B)は抜け止めピンの装着工程、(C)は第2板ばね部材の装着工程、(D)は支持部材の装着工程である。
【0074】
端子接続構造20は、
図17に示されるように、本体ケース10の開口部120からその奥部にある端子収容部110に装着される。装着は、端子接続構造20の構成要素単位で行なってよく、第2板ばね部材2202、支持部材300、及び第1板ばね部材2201の順で行なってよい。
【0075】
第2板ばね部材2202は、
図17の(B)に示されるように、板ばね部220aが下に向く姿勢で本体ケース10の第2端子収容部112に装着される。ピン制御部14の上方から柱状に延びる案内部170を、第2板ばね部材2202の中央にある位置決め孔280に通すことで水平方向が位置決めされる。このままの姿勢で押し沈めていくと左右側縁の前後端に備わる圧入部270が、端子収容部110の上方に備わる圧入スリット140に圧入される。このとき、多少押圧をかけて差し込みことで、第2板ばね部材2202は正規装着位置に装着される。
【0076】
正規装着位置に装着された第2板ばね部材2202は、本体ケース10の第2挿入口102から挿入された端子60を正規挿入位置で接続することができる。また、第2板ばね部材2202の切り欠き部260は、本体ケース10底面の貫通部受部160に重なる位置にある。
【0077】
支持部材300は、
図17の(B)に示されるように、側縁に備わる固定部320が左右方向に位置する姿勢で、第2板ばね部材2202の上に重なるように装着される。柱状に延びる案内部170を中央の位置決め孔330に通して、水平方向の正位置を割り出す。
【0078】
支持部材300は、
図17に示されるように、本体ケース10の左右側壁内面に備わる支持部150に沿って進み、正規装着位置で支持台151に当たる。正規装着位置にある支持部材300は、位置決め孔330の前後に備わる貫通孔310、310の中心が、抜け止めピン50の貫通ピンの中心に一致する。さらに、第2板ばね部材2202の切り欠き部260は、貫通孔310と貫通ピンとの間に位置し、貫通孔310と貫通ピンとの間から抜け止めピン50の動きを妨げる物は取り除かれている。
【0079】
支持部材300の固定部320が本体ケース10左右側壁内面の支持台151に係合することで、支持部材300が正規装着位置に装着されるとともに、先に装着されている第2板ばね部材2202がその正規装着位置で保持される。
【0080】
正規装着位置にある第2板ばね部材2202と、支持部材300とから2組の端子接続手段203、203が構築される。端子接続手段203は、
図13に示されるように、板ばね部220aと、支持部300aとを備える接続の最小構成単位で、その間に生じる隙間で端子60を板厚方向に挟持して、電気的機械的に接続する。板ばね部220aが端子60に付勢力を加え支持部300aがその端子60を支えることで、端子60を強い力で挟持することができる。
【0081】
支持部材300が正規装着位置に装着された次は、第1板ばね部材2201が装着される。しかし、第1板ばね部材2201は、カバーケース40と一体となって、この位置に装着される。よって、以降の工程についてはカバーケース40の組み付けのなかで説明する。
【0082】
<カバーケースの装着> カバーケース40は、
図20に示されるように、本体ケース10の底面の開口部120から連なるカバー収容部121に嵌め込まれる。本体ケース10には、既に第2板ばね部材2202、支持部材300が装着されている。カバーケース40は、支持部材300の下方に重ねて組み付けられる。カバーケース40の左右側面に備わる押え部460を端子収容部110の左右側壁に備わる溝部122aに沿わせて沈めていく。正規嵌め込み位置で、押え部460の係止部461が溝部122aの保持部122に係合し、この位置で固定される。
【0083】
カバーケース40が本体ケース10に嵌め込まれることで、
図20に示されるように、端子接続装置1は組みあがる。端子接続装置1は、前面及び後面に端子挿入口100を備える。端子挿入口100は、前面及び後面の上下二段に第1挿入口101、第2挿入口102が備わる。挿入口100の奥には端子収容部110が備わる。
【0084】
<第1端子接続構造> カバーケース40の本体ケース10への嵌め込みによって、第1端子接続構造200が構築される。第1端子接続構造200は、
図10に示されるように、第1板ばね部材2201と、支持部材300とを備えている。第1板ばね部材2201は、2個の板ばね部220a、220aを備え、支持部材300は2個の支持部300a、300aを備えている。板ばね部220aと、支持部300aとから接続の最小構成単位である端子接続手段203が構成される。端子60は、その板厚方向が端子接続手段203によって挟持され、電気的機械的接続状態が得られる。
【0085】
<端子の接続> 端子60の接続について、図面にしたがって説明する。
図21は、本発明の実施形態に係る端子接続装置に、圧着端子を挿入し、抜け止めピンを押し込む過程を示す接続手順図であって、(A)は、圧着端子の挿入開始を示す斜視図、(B)は、圧着端子の挿入完了状態を示す斜視図、(C)は、前側の抜け止めピンを抜け止め位置まで押し下げた状態を示す斜視図である。
図22は、
図21のX22−X22線における断面傾斜図である。
図23は、筐体に取り付けられた状態の本発明の実施形態に係る端子接続装置に4本の圧着端子を挿入した状態を示す外観斜視図である。
【0086】
抜け止めピン50は、
図21、
図22に示されるように、待機位置501で保持されている。電線610の端部に連なる端子60は、いわゆる中央に穴のある丸型圧着端子である。端子60は、前面から2個、及び後面から2個挿入することができる。以下説明は、主に前面について行なう。
第1挿入口101(下側)の端子60は、
図13、
図22に示されるように、平坦面が上になる姿勢で挿入する。第2挿入口102(上側)の端子は、平坦面が下になる姿勢で挿入する。挿入口100から挿入された端子60は、端子接続構造20の案内部290によって位置が修正されて奥部に進む。端子60の先端が板ばね部220aに係りはじめると指先に挿入抵抗を感じる。板ばね部220aを弾性変形させながら端子60を支持部300aに沿って押し進めると先端が、案内部170に突き当たり、当接位置が正規挿入位置となる。端子60は、正規挿入位置で保持される。
【0087】
同じ要領で第1挿入口101、及び第2挿入口102に端子60を正規挿入位置まで挿入すると、
図22に示されるように、両端子60、60は端子接続手段203で電気的機械的に接続される状態になる。
抜け止めピン50は、
図21、22に示されるように、上方の待機位置501にある。挿入途中にある端子60は、左右方向の案内部290に当たる。これにより、端子60の左右方向の位置ずれが修正される。さらに端子60を挿入すると、板ばね部220aの接触部230に当たる。このとき端子60の裏面は、平坦な全面で支持部300に接触している。この状態のまま挿入し続けると、端子60の先端が案内部170に接する。この接
触位置が端子60の正規挿入位置である。第1端子接続構造200、および第2端子接続構造201の端子接続手段203にそれぞれ端子60を挿入し終えた後、抜け止めピン50を待機位置501から抜け止め位置502に切り替える。
【0088】
外部から電線に不用意な力が加えられても安定した接続状態が変わることがないように、この状態を保持する。抜け止めピン50を、待機位置501から抜け止め位置502に切り替える。抜け止めピン50は、
図22に示されるように、本体500が台座部上面13aから突出した状態から、押し下げられて面一状態になる。その過程で、貫通ピン530は、第2板ばね部材2202の切り欠き部260を通り、第2端子収容部112にある端子60の穴600を通り、さらに支持部300aの貫通孔310を通り、第1端子収容部111にある端子60の穴600を通り、第1板ばね部材2201の切り欠き部260を通り、最後にカバーケース40の上面にある貫通部受部160に先端を嵌めて正規抜け止め位置502に達する。
【0089】
第1端子収容部111にある端子60、及び第2端子収容部112にある端子60は、
図22に示されるように、ともに1個の抜け止めピン50によって正規挿入位置における電気的機械的接続状態が保持されることとなる。端子60と端子接続構造20との電気的機械的接続は、板ばね部220aと、支持部300aとの間に作用する付勢力によって担われ、その挟持力だけでは、端子60の不用意な抜けを防ぎきれないところを、抜け方向と直交する方向にかかる抜け止めピン50の閂作用で補強する。抜け止めピン50は、上下方向の移動だけで、抜け止め位置502と、解除位置である待機位置501とを切り替えることができるので、専用治具を必要としない簡易な操作で端子60の接続保持あるいは解除を行なうことができる端子接続装置1が得られる。
【0090】
端子接続装置1は、
図23に示されるように、前面に2個の挿入口100、及び後面に2個の挿入口100を備えている。これにより、端子接続装置1は、合計4個の端子60の電気的機械的接続を行なうことができる。端子60を挿入口100から正規挿入位置まで挿入し、抜け止めピン50を待機位置501から抜け止め位置502に切り替えると、4個の端子60は、端子接続装置1によって、電気的機械的に接続された状態になる。接続状態を解除し、端子60を端子接続装置1から外すときは、抜け止めピン50を待機位置501まで引き上げて、貫通ピン530を端子60の穴600から外す。この状態で端子60の脱抜作業を妨げる機械的力は除かれたので、通常おこなう端子60の引き抜き作業程度の力をかけて端子60を取り外すことができる。
【0091】
このように、本発明に係る端子接続装置1は、ドライバー等の治工具を使用することなく容易に端子60の接続、及び取り外しを行なうことができ、電気的機械的接続は、導電性のよい無酸素銅の比較的厚みのある板材で端子60全面に接触する。さらに、押圧は剛性の高いステンレス材の弾性片によって行なう。これにより、比較的大きな電流が流れるところの接続に使用ができ、且つ、端子60の着脱が容易にできる端子接続装置1が得られる。
【0092】
<効果>・本実施形態に係る端子接続装置1は、支持部300aと、板ばね部220aとからなる端子接続手段203を備えている。これにより、丸型端子、開型端子の双方に対応可能な端子接続装置1が得られる。
・本実施形態に係る端子接続装置1は、支持部300aが比較的板厚のある、導電性のよい銅合金の板材からなり、端子60と広い面で接触可能である。さらに、板ばね部220aは、比較的剛性の高いステンレス材からなる。これにより、数十アンペアから百アンペア程度の大きな電流が流れるところの接続に使用可能な端子接続装置1が得られる。
【0093】
・本実施形態に係る端子接続装置1は、一つの端子接続構造20で4個の端子60の接続
ができる。さらに、端子接続構造20は、一つの板ばね部材220を共有し、電気的につながっている。これにより、1→2の分岐回路、1→3の分岐回路を容易に組むことができる端子接続装置1が得られる。
・本実施形態に係る端子接続装置1は、一側面に端子挿入口100を上下に2個備えている。これにより、電線を引き回すことなく、リターン回路を組むことができる端子接続装置1が得られる。
【0094】
・本実施形態に係る端子接続装置1は、板ばね部220aを備え、板ばね部220aは、端子60の挿入方向に沿って弾性片が延びる。さらに、端子60の挿入側は案内用のテーパを備えている。これにより、端子60の挿入がスムーズにでき、且つ、板ばね部220aに無理な力を加えることがない端子接続手段203を備えた端子接続装置1が得られる。
・本実施形態に係る端子接続装置1は、絶縁性のケース5で保護されている。これにより、接続部に露出部がないので不用意な電気的な接触事故が生じるおそれがない端子接続装置1が得られる。
【0095】
・本実施形態に係る端子接続装置1は、絶縁性のケース5で保護されている。これにより、接続部に埃や水滴による不具合が生じることがなく、信頼性の高い端子接続装置1が得られる。
【0096】
・本実施形態に係る端子接続装置1は、端子60の抜けを防ぐ抜け止めピン50を備え、且つ、抜け止めピン50は、待機位置501と、抜け止め位置502の切り替えが抜け止めピン50の抜き差し操作だけで行なうことができる。これにより、端子60の固定が抜け止めピン50の抜き差しだけで行なうことができる端子接続装置1が得られる。
【0097】
・本実施形態に係る端子接続装置1は、1個の抜け止めピン50で、上下2段に挿入された2個の端子60を同時に固定することができる。
【0098】
・本実施形態に係る端子接続装置1は、抜け止めピン50は、端子60を受け入れる前の待機位置501と、端子60を固定するための抜け止め位置502を有し、且つ、この切り替えは、抜け止めピン50の抜き差しだけで行なうことができる。これにより、節度ある端子60の固定解除操作を行なうことができる端子接続装置1が得られる。
・本実施形態に係る端子接続装置1は、端子60を接続し抜け止めピン50を抜け止め位置502に押し下げた状態で使用される。この状態で、抜け止めピン50の最も外面は、ケース5の面と面一状態である。これにより、側面に凹凸のない平坦面で構成された箱形の端子接続装置1が得られる。
【0099】
・本実施形態に係る端子接続装置1は、抜け止め位置502にある抜け止めピン50を引き抜くための差込口540を備えている。これにより、不用意に引掛けることはなく安全であり、且つ、引き抜くときはドライバーの先端を引掛けて引き抜くことができる端子接続装置1が得られる。
・本実施形態に係る端子接続装置1は、共通する板ばね部材220aに4個の端子60を電気的機械的に接続することができる。これにより、容易に1→3分岐回路、1→2分岐回路を組むことができる端子接続装置1が得られる。
【0100】
・本実施形態に係る端子接続装置1は、1側面に上下2段に端子挿入口100を備えている。これにより、容易にリターン回路を組むことができる端子接続装置1が得られる。
・本実施形態に係る端子接続装置1は、二つの屈曲部によって構成された横方向に弾性変形可能な端子案内部を備えている。これにより、横方向の位置修正範囲が広がるのでサイズが相違する端子60の種類に対応可能な端子接続装置1が得られる。
・丸型端子だけでなく、開型端子の接続にも使用可能であって、特に丸型端子、横開型端子に関しては、抜け止めピン50による抜け止め効果が有効に奏される端子接続装置1が得られる。
【0101】
・本体ケース5の内側上部に一体的にピン制御部14が備わり、カバーケース40は本体ケース5の底面の開口部120に装着される構造である。また本体ケース5は側面の下端に備わるフランジ11で対応する筐体70にねじ締め固定される。これにより、端子60の挿抜によるカバーケース40の本体ケース5からの浮き上がりが抑制される端子接続装置1が得られる。
【0102】
・本体ケース5にねじ締め用のフランジ11が備わる一体構造なので、別体としてねじ締め用の部材が不要になる。これにより、部品点数が少ない組み付け容易な端子接続装置1が得られる。
【0103】
・抜け止めピン50の貫通ピン530が本体500と別体なので、材料の選択範囲が広がる。これにより、鉄材の使用で繰り返し挿抜による材料の損耗が軽減される結果、保持力の安定した端子接続装置1が得られる。