(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-8265(P2018-8265A)
(43)【公開日】2018年1月18日
(54)【発明の名称】植物性素材ブロック形成方法
(51)【国際特許分類】
B01J 20/30 20060101AFI20171215BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20171215BHJP
B01J 20/22 20060101ALI20171215BHJP
【FI】
B01J20/30
A61L9/01 H
B01J20/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2017-107156(P2017-107156)
(22)【出願日】2017年5月12日
(31)【優先権主張番号】特願2016-113914(P2016-113914)
(32)【優先日】2016年5月21日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516169754
【氏名又は名称】青木 望
(72)【発明者】
【氏名】青木 望
【テーマコード(参考)】
4C180
4G066
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA16
4C180BB06
4C180CC04
4C180CC06
4C180CC12
4C180EC01
4G066AB29B
4G066AC07B
4G066AC39B
4G066BA01
4G066CA02
4G066CA29
4G066DA03
4G066FA20
4G066FA21
4G066FA38
(57)【要約】 (修正有)
【課題】植物性素材の香りを低下させることなく固化可能な植物性素材ブロック形成方法の提供。
【解決手段】少なくとも一旦側が開放されている金属製の筒状体10に植物性素材5のみを充填し、筒状体10に充填された植物性素材5を筒状体10の一端側から圧縮し、植物性素材5を圧縮した状態で、筒状体10の外周面を加熱する植物性素材ブロック形成方法。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性素材を所定形状に形成する植物性素材ブロック形成方法であって、筒状に形成され、少なくとも一旦側が開放されている金属製の筒状体に植物性素材のみを充填し、筒状体に充填された植物性素材を筒状体の一端側から圧縮し、植物性素材を圧縮した状態で、筒状体の外周面を加熱する植物性素材ブロック形成方法。
【請求項2】
加熱中に筒状体に充填された植物性素材を筒状体の一端側から再圧縮する請求項1に記載する植物性素材ブロック形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
植物性素材ブロック形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、飲料製造残渣である飲料原料有機質の200μm以下の微細粒子を、原料粘土に対して乾燥質量換算で0.5〜13質量%となる割合で混合して成形した粘土成形体を焼成して粘土焼成品を製造する。茶殻やコーヒー殻の有機質の焼失により多孔性の粘土焼成品が得られ、吸水性、調湿性及び消臭性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−032237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の製造方法はコーヒー殻を原料粘土に混合する必要があり、この方法で製造された粘土焼成品はコーヒーの香りが低下する問題があった。本発明は、植物性素材に由来する香りを低下させることなく固化可能な植物性素材ブロック形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
植物性素材を所定形状に形成する植物性素材ブロック形成方法であって、筒状に形成され、少なくとも一旦側が開放されている金属製の筒状体に植物性素材のみを充填し、筒状体に充填された植物性素材を筒状体の一端側から圧縮し、植物性素材を圧縮した状態で、筒状体の外周面を加熱する植物性素材ブロック形成方法。
【発明の効果】
【0006】
植物性素材に由来する香りを低下させることなく固化可能な植物性素材ブロック形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係るコーヒーブロック形成方法により形成されたコーヒーブロックを説明する図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るコーヒーブロック形成方法を説明する図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るコーヒーブロック形成方法を説明する図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るコーヒーブロック形成方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係るコーヒーブロック形成方法により形成されたコーヒーブロックは
図1に示すように、コーヒー粉5が円柱形状や四角柱形状に形成されたものであり、これを所定長に切断等して使用される。
図2〜4を参照して本発明の実施形態に係るコーヒーブロック形成方法を説明する。本実施形態に係るコーヒーブロック形成方法は、コーヒー豆を粉砕したコーヒー粉5が所定形状に形成されたコーヒーブロック1を形成する。まず
図2に示すように筒状に形成され、少なくとも一旦側が開放されている金属製の筒状体10にコーヒー粉5のみを充填する。次に
図3に示すように、筒状体10に充填されたコーヒー粉5を筒状体の一端側から万力20により圧縮し、
図4に示すようにコーヒー粉5を圧縮した状態で、筒状体10の外周面にヒータ30をセットし、筒状体10を加熱する。また、加熱中に筒状体10に充填されたコーヒー粉5を筒状体10の一端側から再圧縮してもよい。
【0009】
本実施形態によれば型にコーヒー粉をつめ圧縮・熱を加えることでリグニン(高等植物の木化に関する高分子のフェノール性化合物)の働きにより固形化するのでコーヒー豆を粉砕したコーヒー粉のみで固形化することができる。
【0010】
本実施形態ではコーヒー粉5をコーヒーの抽出かすを乾燥させたものを用いることができる。ここでコーヒーの抽出かすは、一般的に家庭用消臭剤に使われている活性炭とよく似た構造をしており、この多孔質な構造によりコーヒーの抽出かすの表面積が増え、いやな臭いをキャッチし、吸収する。
また、コーヒーの抽出かすは酸性のため、アルカリ性であるアンモニアを中和させアンモニア臭を抑えることができる。
【0011】
筒状体10は、筒の直径34m、長さ60mm、筒肉厚2mmの寸法で形成されている。本実施形態のコーヒーブロック形成方法では、この筒状体10をヒーター30にて11分間加熱する。(ヒーター30に温度制御する機能がついていない場合には、温度の過剰上昇を防ぐため、こまめにヒーター30のスイッチを入り切りするのが望ましい。)
【0012】
再圧縮のタイミングは、加熱開始からのおおよそ6分後と11分後が望ましい。
【0013】
ヒーター30による加熱温度はリグニンの軟化温度以上に熱することが望ましい。リグニンとはコーヒーの抽出かすに含まれる成分で、これに圧力を加えるとリグニンが溶け接着剤の役割をし、同じくコーヒーの抽出かすに含まれるセルロースとヘミセルロースが接着される事で成型できる。リグニン、ヘミセルロース及びセルロースの熱軟化温度は、例えば、乾燥状態では、それぞれ、134〜235℃、167〜217℃及び231〜253℃であり、湿潤状態では、それぞれ、77〜128℃、54〜142℃及び222〜250℃である。
【0014】
上記実施形態では、植物性素材の一例であるコーヒーを例に説明したが、本発明の植物性素材はコーヒーに限らず、茶葉、花、果実(果実の皮のみを含む)等であってもよい。この場合、上記実施形態に於いて、コーヒー粉5の代わりに上記の植物性素材を用いることで植物性素材ブロックを得ることができる。
【符号の説明】
【0015】
1コーヒーブロック
5コーヒー粉
10筒状体
20万力
30ヒータ