【解決手段】複数のヒレ16が搬送方向等間隔に設けられた搬送ベルト11のキャリア面に運搬物を積載して搬送する主ベルトコンベヤ1と、主ベルトコンベヤ1によって搬送される運搬物を右側方からガイドするガイドベルト21を備えた右側方ベルトコンベヤ2aと、主ベルトコンベヤ1によって搬送される運搬物を左側方からガイドするガイドベルト21を備えた左側方ベルトコンベヤ2bと、主ベルトコンベヤ1、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bを駆動する右側モータ3a及び左側モータ3bと、を具備し、ガイドベルト21には、キャリア面に位置するヒレ16の左右両側を搬送方向上流側からそれぞれ支持する横桟部26がヒレ16と同一の間隔で設けられている。
前記右側横桟部及び前記左側横桟部は、少なくとも前記ヒレの解放端を搬送方向上流側から支持する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のベルトコンベヤ装置。
前記右側横桟部及び前記左側横桟部は、前記ヒレの1/n倍(但し、nは2以上の整数)の間隔で設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のベルトコンベヤ装置。
前記キャリア面において、前記ヒレ、前記右側横桟部及び前記左側横桟部が前後の壁面となり、前記右側ガイドベルト及び前記左側ガイドベルトが左右の壁面となる上方が解放された略直方体の隔室が形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のベルトコンベヤ装置。
前記ヒレ、前記右側横桟部及び前記左側横桟部からなる前後の壁面をシールする前後シール部材が前記搬送ベルトの全周に亘って形成されていることを特徴とする請求項5記載のベルトコンベヤ装置。
前記搬送ベルトと前記右側ガイドベルトとの間隙をシールする右側シール部材が前記搬送ベルトと前記右側ガイドベルトとのいずれか若しくは両方に形成されていると共に、
前記搬送ベルトと前記左側ガイドベルトとの間隙をシールする左側シール部材が前記搬送ベルトと前記左側ガイドベルトとのいずれか若しくは両方に形成されていることを特徴とする請求項5又は6記載のベルトコンベヤ装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るベルトコンベヤ装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
本実施形態のベルトコンベヤ装置は、
図1及び
図2を参照すると、主ベルトコンベヤ1と、主ベルトコンベヤ1の搬送方向右側に配置された右側方ベルトコンベヤ2aと、主ベルトコンベヤ1の搬送方向左側に配置された左側方ベルトコンベヤ2bと、主ベルトコンベヤ1及び右側方ベルトコンベヤ2aを駆動する駆動装置である右側モータ3aと、主ベルトコンベヤ1及び左側方ベルトコンベヤ2bを駆動する駆動装置である左側モータ3bと、右側モータ3aの回転力を主ベルトコンベヤ1に伝達する右側回転方向変換部4aと、左側モータ3bの回転力を主ベルトコンベヤ1に伝達する左側回転方向変換部4bと、右側モータ3aの回転力を右側方ベルトコンベヤ2aに分岐させて伝達する右側回転力分岐部5aと、左側モータ3bの回転力を左側方ベルトコンベヤ2bに分岐させて伝達する左側回転力分岐部5bとを備えている。なお、
図1において、(a)は主ベルトコンベヤ1のキャリア側から見た上面図であり、(b)は(a)に示すX−X断面図である。また、
図2は、搬送方向上流側から見た正面図である。
【0011】
主ベルトコンベヤ1は、無端環状に形成された搬送ベルト11が、平行に配置されたヘッドプーリー12とテールプーリー13とに掛け回されている。搬送ベルト11は、例えば、帆布等の芯体と、芯体を被覆するゴム等の被覆体とで構成される。搬送ベルト11は、土砂等の搬送物を積載して搬送するキャリア面においてテールプーリー13からヘッドプーリー12に向けて走行されるように駆動され、テールプーリー13側の搬送始端においてキャリア面に投入された搬送物をヘッドプーリー12側の搬送終端まで搬送して次段に供給する。そして、搬送ベルト11は、リターン面を通って搬送始端に戻る。
【0012】
主ベルトコンベヤ1は、搬送ベルト11のキャリア面を裏面側から支持するキャリアローラー14と、搬送ベルト11のリターン面を裏面側から支持するリターンローラー15とが、ヘッドプーリー12とテールプーリー13との間に間隔をおいてそれぞれ複数列設けられている。キャリアローラー14は、ヘッドプーリー12及びテールプーリー13と平行に配置され、キャリア面が平面となる平型キャリアを構成している。
【0013】
搬送ベルト11の表面には、板状のヒレ16が搬送方向等間隔に複数設けられている。ヒレ16の形状は、短い上底が解放端となる略等脚台形であり、搬送方向に対して略直交する向きに、搬送ベルト11の表面に略直立して設けられている。なお、ヒレ16の形状は、矩形であっても良い。ヒレ16は、例えば、硬質ゴムで構成することができる。また、ヒレ16の内部にバネ鋼等で構成された補強板を挿入しても良い。
【0014】
ヘッドプーリー12側の搬送終端には、ヒレ16に付着した土砂等の付着物を取り除くクリーナー用ローラー17が設けられている。クリーナー用ローラー17は、その周面がヒレ16の開放端に接触するように配置されている。これにより、搬送ベルト11の走行に伴い、クリーナー用ローラー17によってヒレ16が弾かれ、ヒレ16に付着した付着物が取り除かれ、次段に供給される。なお、クリーナー用ローラー17の代わりに圧縮空気の吹き付けによる清掃方法を採用することも可能である。しかし、クリーナー用ローラー17は、フリーローラーで構成することができ、動力を必要としないため、好適である。
【0015】
また、搬送ベルト11の全周に亘る縦桟部18が、ヒレ16の左右側にそれぞれ隣接してそれぞれ形成されている。縦桟部18は、ゴム等の弾性体で構成され、その高さは、ヒレ16の高さよりも十分に低く(1/5以下)設定されている。
【0016】
右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bは、無端環状に形成されたガイドベルト21が、主ベルトコンベヤ1のキャリア面に対して垂直に配置されたヘッドプーリー22とテールプーリー23とに掛け回されている。ガイドベルト21は、例えば、帆布等の芯体と、芯体を被覆するゴム等の被覆体とで構成される。
【0017】
右側方ベルトコンベヤ2aのガイドベルト21は、主ベルトコンベヤ1によって搬送される搬送物を右側方からガイドする位置に、左側方ベルトコンベヤ2bのガイドベルト21は、主ベルトコンベヤ1によって搬送される搬送物を左側方からガイドする位置にそれぞれ配置されている。以下、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bにおいて、主ベルトコンベヤ1に臨む側をガイド面と称し、その反対側をリターン面と称す。
【0018】
右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのそれぞれのガイドベルト21は、少なくともガイド面において、主ベルトコンベヤ1の搬送ベルト11に対して略垂直に配置され、主ベルトコンベヤ1のキャリア面と同一方向及び同一速度でテールプーリー23からヘッドプーリー22に向けて走行されるように駆動される。
【0019】
右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bは、ガイドベルト21のガイド面を裏面側から支持するガイドローラー24と、ガイドベルト21のリターン面を裏面側から支持するリターンローラー25とが、ヘッドプーリー22とテールプーリー23との間に間隔をおいてそれぞれ複数列設けられている。ガイドローラー24は、ヘッドプーリー22及びテールプーリー23と平行に配置され、ガイド面が平面となっている。
【0020】
右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのそれぞれガイドベルト21の表面には、ガイド面において、主ベルトコンベヤ1のヒレ16を搬送方向上流側から支持する横桟部26が搬送方向等間隔に複数設けられている。横桟部26は、例えば、ガイドベルト21の被覆体と一体成型で構成される。
【0021】
図3を参照すると、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bにおける横桟部26の搬送方向の間隔P
2は、主ベルトコンベヤ1におけるヒレ16の搬送方向の間隔P
1の1/n倍(但し、nは1以上の整数)に設定されている。これにより、
図1及び
図2に示すように、主ベルトコンベヤ1のキャリア面に位置する全てのヒレ16に対し、横桟部26を搬送方向上流側から当接させることができる。そして、本実施形態のベルトコンベヤ装置は、ヒレ16に対して横桟部26を搬送方向上流側から当接させた状態で、主ベルトコンベヤ1と、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bとを同一速度で駆動させる。
【0022】
なお、
図3には、P
2=P
1×(1/2)とした例が示されている。このように、横桟部26の間隔P
2をヒレ16の間隔P
1よりも1/2倍以下にすることで、横桟部26の位置とヒレ16の位置とがズレた場合(ヒレ16に横桟部26が当接しない状態になった場合)、簡単にズレを修正することができる。
【0023】
横桟部26のガイド面からの高さL
2は、ヒレ16のキャリア面からの高さL
1より低く、且つ横桟部26の搬送方向の厚みT
2は、ヒレ16の厚みT
1より厚く構成されている。従って、横桟部26の強度は、搬送方向下流側から加わる力に対し、ヒレ16よりも強い。
【0024】
また、
図4を参照すると、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bにおけるそれぞれの横桟部26の下方端(搬送方向上流側からガイド面の横桟部26を見た場合、右側方ベルトコンベヤ2aでは横桟部26の右端部、左側方ベルトコンベヤ2bでは横桟部26の左端部)は、主ベルトコンベヤ1における左右の縦桟部18にそれぞれ当接している。これにより、主ベルトコンベヤ1の縦桟部18は、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bにおけるそれぞれのガイドベルト21の走行をガイドするガイド部材として機能する。
【0025】
横桟部26の上方端は、ヒレ16の解放端よりも上方に延出されている。さらに、右側方ベルトコンベヤ2aの横桟部26の解放端と、左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26の解放端との間隔d
22は、主ベルトコンベヤ1におけるヒレ16の解放端の幅W
12よりも短く設定されている。これにより、ヒレ16は、解放端を含む高さL
3よりも高い左右両側の全域(L
3〜L
1)において、横桟部26によって搬送方向上流側から支持される。
【0026】
右側方ベルトコンベヤ2aのガイド面と左側方ベルトコンベヤ2bのガイド面との間隔d
21は、主ベルトコンベヤ1の搬送ベルト11の幅W
11よりもわずかに広く設定されている。また、ガイド面において、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bにおけるそれぞれのガイドベルト21の下方端(搬送方向上流側からガイド面のガイドベルト21を見た場合、右側方ベルトコンベヤ2aではガイドベルト21の右端部、左側方ベルトコンベヤ2bではガイドベルト21の左端部)は、主ベルトコンベヤ1における搬送ベルト11のキャリア面と同じ高さになるように配置されている。これにより、主ベルトコンベヤ1のキャリア面において、ヒレ16及び横桟部26が前後の壁面となり、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのガイド面が左右の壁面となる上方が解放された略直方体の隔室が形成される。なお、主ベルトコンベヤ1の縦桟部18は、ヒレ16及び横桟部26からなる前後の壁面の隙間をシールするシール部材として機能する。
【0027】
図5を参照すると、右側モータ3aの回転力は、右側回転方向変換部4a内に設けられたかさ歯車41によって、右側モータ回転軸31aから、右側回転方向変換部4a及び右側回転力分岐部5aに回転自在に支持された右側回転力伝達軸6aに伝達される。右側回転力伝達軸6aは、主ベルトコンベヤ1のヘッドプーリー12の回転軸121と同軸上に配置され、右側電磁クラッチ7aを介して回転軸121の右側に接続されている。また、右側回転力伝達軸6aの回転力は、右側回転力分岐部5a内に設けられたかさ歯車51によって、右側回転力伝達軸6aから、右側方ベルトコンベヤ2aのヘッドプーリー22の回転軸211に回転方向を変えて伝達される。
【0028】
一方、左側モータ3bの回転力は、左側回転方向変換部4b内に設けられたかさ歯車41によって、左側モータ回転軸31bから、左側回転方向変換部4b及び左側回転力分岐部5bに回転自在に支持された左側回転力伝達軸6bに伝達される。左側回転力伝達軸6bは、主ベルトコンベヤ1のヘッドプーリー12の回転軸121と同軸上に配置され、左側電磁クラッチ7bを介して回転軸121の左側に接続されている。また、左側回転力伝達軸6bの回転力は、左側回転力分岐部5b内に設けられたかさ歯車51によって、右側回転力伝達軸6aから、左側方ベルトコンベヤ2bのヘッドプーリー22の回転軸211に回転方向を変えて伝達される。
【0029】
右側回転力伝達軸6a及び左側回転力伝達軸6bは、主ベルトコンベヤ1のヘッドプーリー12の回転軸121と同軸上にあるため、右側モータ3aと左側モータ3bとは、同じ回転速度に制御される。従って、主ベルトコンベヤ1に対する右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの速度は、設定される。
【0030】
本実施の形態では、主ベルトコンベヤ1と、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bとを同一速度で駆動するように構成したが、かさ歯車51のギア比を調整することで、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの速度を、主ベルトコンベヤ1の速度よりも若干早く設定するようにしても良い。この場合、ヒレ16と横桟部26との搬送方向における位置関係がズレてしまう懸念もあるが、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26によって、キャリア面に位置するヒレ16をより力強く支持することができる。
【0031】
右側電磁クラッチ7a及び左側電磁クラッチ7bは、右側モータ3a及び左側モータ3bから主ベルトコンベヤ1のヘッドプーリー12への回転力の伝達を遮断する伝達遮断部として機能する。右側電磁クラッチ7aによって回転力の伝達を遮断することで、右側モータ3aの回転力は、右側方ベルトコンベヤ2aのヘッドプーリー22のみに伝達される。これにより、主ベルトコンベヤ1のヒレ16と右側方ベルトコンベヤ2aの横桟部26との搬送方向における位置関係を簡単に調整することができる。また、左側電磁クラッチ7bによって回転力の伝達を遮断することで、左側モータ3bの回転力は、左側方ベルトコンベヤ2bのヘッドプーリー22のみに伝達される。これにより、ヒレ16と横桟部26とのズレを目視しながら、右側電磁クラッチ7a及び左側電磁クラッチ7bを手動で操作することで、ヒレ16と横桟部26との搬送方向における位置関係を簡単に調整することができる。
【0032】
なお、かさ歯車51のギア比を変更可能に構成することで、ヒレ16と横桟部26との搬送方向における位置関係を調整可能にしても良い。この場合、かさ歯車51のギア比を、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの速度を、主ベルトコンベヤ1の速度よりも早くなる方向に変更可能に構成する。そして、ヒレ16と横桟部26との搬送方向における位置関係がズレ場合、ヒレ16と横桟部26とのズレを目視しながら、かさ歯車51のギア比を変更させ、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの速度を、主ベルトコンベヤ1の速度よりも早くすることで、ヒレ16と横桟部26との搬送方向における位置関係を簡単に調整することができる。
【0033】
なお、ヒレ16と横桟部26とのズレを自動で修正する機能を持たせることもできる。この場合、
図6に示すように、主ベルトコンベヤ1にヒレ検出マーク19及びマーク検出センサー8aを、右側方ベルトコンベヤ2aに横桟部検出マーク27及びマーク検出センサー8bを、左側方ベルトコンベヤ2bに横桟部検出マーク27及びマーク検出センサー8cをそれぞれ設ける。そして、マーク検出センサー8a、8b、8cからの出力に基づき、ズレ修正部9によってヒレ16と横桟部26との搬送方向における位置関係を修正する。
【0034】
ズレ修正部9は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMにはズレ修正動作を実行するための制御プログラムが記憶されている。ズレ修正部9のCPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、位置検出部91、位置修正制御部92として機能し、ズレ修正動作を実行する。
【0035】
ヒレ検出マーク19は、主ベルトコンベヤ1の搬送ベルト11裏面にヒレ16と同じ間隔で設けられており、このヒレ検出マーク19をマーク検出センサー8aによって検出することで、位置検出部91は搬送方向におけるヒレ16の位置を検出する。また、横桟部検出マーク27は、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのそれぞれガイドベルト21裏面に横桟部26と同じ間隔で設けられており、この横桟部検出マーク27をマーク検出センサー8b、8cによってそれぞれ検出することで、位置検出部91は搬送方向における横桟部26の位置を検出する。
【0036】
位置検出部91は、検出したヒレ16の位置と横桟部26の位置とがズレている場合、位置修正制御部92にズレ修正動作の実行を指示する。なお、本実施形態では、ヒレ16に横桟部26が当接した状態では、マーク検出センサー8aによるヒレ検出マーク19の検出と同じタイミングで、マーク検出センサー8b、8cによって横桟部検出マーク27が検出されるように設定されている。従って、位置検出部91は、マーク検出センサー8aによるヒレ検出マーク19の検出と同じタイミングで、マーク検出センサー8b、8cによる横桟部検出マーク27の検出がなされない場合に、ヒレ16の位置と横桟部26の位置とがズレていると判断する。
【0037】
次に、位置修正制御部92によるズレ修正動作について
図7を参照して説明する。
位置修正制御部92は、右側モータ3a及び左側モータ3bの駆動を一旦停止させた後、右側モータ3a及び左側モータ3bを低速で駆動させ(ステップA1)、主ベルトコンベヤ1の搬送ベルト11と、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのそれぞれガイドベルト21とを低速で走行させる。
【0038】
次に、位置修正制御部92は、マーク検出センサー8aによるヒレ検出マーク19の検出が位置検出部91経由で入力されると(ステップA2)、右側モータ3a及び左側モータ3bの駆動を一旦停止させる(ステップA3)。
【0039】
次に、位置修正制御部92は、右側電磁クラッチ7aを遮断して右側モータ3aを低速で駆動させ(ステップA4)、右側方ベルトコンベヤ2aのガイドベルト21のみを低速で走行させる。
【0040】
次に、位置修正制御部92は、マーク検出センサー8bによる横桟部検出マーク27の検出が位置検出部91経由で入力されると(ステップA5)、右側モータ3aの駆動を停止させて右側電磁クラッチ7aの遮断を解除する(ステップA6)。これにより、ヒレ16に右側方ベルトコンベヤ2aの横桟部26が当接した状態となる。
【0041】
次に、位置修正制御部92は、左側電磁クラッチ7bを遮断して左側モータ3bを低速で駆動させ(ステップA7)、左側方ベルトコンベヤ2bのガイドベルト21のみを低速で走行させる。
【0042】
次に、位置修正制御部92は、マーク検出センサー8cによる横桟部検出マーク27の検出が位置検出部91経由で入力されると(ステップA8)、左側モータ3bの駆動を停止させて左側電磁クラッチ7bの遮断を解除し(ステップA9)、ズレ修正動作を終了する。これにより、ヒレ16に左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26が当接した状態となる。なお、以上説明したズレ修正動作は、本実施形態のベルトコンベヤ装置に電源が投入された際の初期動作として実行するようにしても良い。
【0043】
図8(a)に示すように、全周に亘る縦桟部28を、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのガイドベルト21表面の横桟部26の下方端側に隣接させてそれぞれ形成するようにしても良い。縦桟部28は、ゴム等の弾性体で構成され、ガイド面において、先端部が主ベルトコンベヤ1の縦桟部18に当接させる。これにより、縦桟部28は、主ベルトコンベヤ1におけるそれぞれの搬送ベルト11の走行をガイドするガイド部材として機能する。また、縦桟部28は、主ベルトコンベヤ1のキャリア面(底面)と、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのガイド面(左右の壁面)との隙間をシールするシール部材として機能する。
【0044】
また、
図8(b)に示すように、縦桟部18と縦桟部28とを一体化させた縦桟部18aを主ベルトコンベヤ1の搬送ベルト11に形成するようにしても良く、
図8(c)に示すように、縦桟部18と縦桟部28とを一体化させた縦桟部28aを右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのガイドベルト21にそれぞれ形成するようにしても良い。
【0045】
さらに、本実施形態では、右側モータ3aで主ベルトコンベヤ1及び右側方ベルトコンベヤ2aを、左側モータ3bで主ベルトコンベヤ1及び左側方ベルトコンベヤ2bをそれぞれ駆動するように構成したが、
図9に示すように、主ベルトコンベヤ1、右側方ベルトコンベヤ2及び左側方ベルトコンベヤ2bをそれぞれ別個のモータで駆動するようにしても良い。
図9には、主ベルト用モータ3cによって主ベルトコンベヤ1のヘッドプーリー12を、右側方ベルト用モータ3dによって右側方ベルトコンベヤ2aのテールプーリー23を、左側方ベルト用モータ3eによって左側方ベルトコンベヤ2bをそれぞれ駆動する例が示されている。
【0046】
なお、主ベルトコンベヤ1、右側方ベルトコンベヤ2及び左側方ベルトコンベヤ2bをそれぞれ別個のモータで駆動する場合には、主ベルトコンベヤ1と、右側方ベルトコンベヤ2及び左側方ベルトコンベヤ2bとを速度差をもって走行させることで、走行を停止させることなくヒレ16と横桟部26とのズレを自動で修正することができる。例えば、位置検出部91によって、ヒレ16の位置と右側方ベルトコンベヤ2の横桟部26の位置とがズレていると判断された場合、右側方ベルトコンベヤ2aを駆動する右側方ベルト用モータ3dの回転速度を通常時よりも速くもしくは遅くすることで、ヒレ16の位置と右側方ベルトコンベヤ2の横桟部26の位置とを調整する。そして、マーク検出センサー8aによるヒレ検出マーク19の検出と同じタイミングで、マーク検出センサー8bによる横桟部検出マーク27の検出がなされると、右側方ベルト用モータ3dの回転速度を通常時に戻す。これにより、主ベルトコンベヤ1の走行速度を一定に保った状態で、ヒレ16と横桟部26とのズレを自動で修正することができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態は、複数のヒレ16が搬送方向等間隔に設けられた搬送ベルト11のキャリア面に運搬物を積載して搬送する主ベルトコンベヤ1と、主ベルトコンベヤ1によって搬送される運搬物を右側方からガイドする右側ガイドベルト(ガイドベルト21)を備えた右側方ベルトコンベヤ2aと、主ベルトコンベヤ1によって搬送される運搬物を左側方からガイドする左側ガイドベルト(ガイドベルト21)を備えた左側方ベルトコンベヤ2bと、主ベルトコンベヤ1、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bを駆動する右側モータ3a及び左側モータ3bと、を具備し、右側方ベルトコンベヤ2aのガイドベルト21には、キャリア面に位置するヒレ16の右側を搬送方向上流側から支持する右側横桟部(横桟部26)がヒレ16と同一の間隔で設けられていると共に、左側方ベルトコンベヤ2bのガイドベルト21には、キャリア面に位置するヒレ16の左側を搬送方向上流側から支持する左側横桟部(横桟部26)がヒレ16と同一の間隔で設けられている。
この構成により、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26によって、搬送ベルト11のヒレ16に作用する荷重を左右両側から支持することができるため、ヒレ16に大きな荷重が作用してしまうケースでも使用することができる。また、搬送ベルト11と2つのガイドベルト21とが別々に稼働するため、分離した各ベルトを個別に洗浄することで付着物を取り除くことができるため、粘性土等の粘着性の高い運送物を搬送した後のメンテナンスを容易に行うことができる。さらに、キャリア面の上方が開放面となっているため、ヒレ16の高さを超える大塊であっても、ヒレ16を右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26によって支持して搬送することができるため、運搬物の大きさの制限が緩和される。
【0048】
さらに、本実施形態は、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26は、少なくともヒレ16の解放端を搬送方向上流側から支持する位置に設けられている。
この構成により、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26によって、ヒレ16に作用する荷重を効果的に支持することができる。
【0049】
さらに、本実施形態は、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26は、高さL
2がヒレ16のキャリア面からの高さL
1より低く、且つ横桟部26の厚みT
2がヒレ16の厚みT
1より厚く構成されている。
この構成により、ヒレ16よりも強度が高い横桟部26によって、搬送ベルト11のヒレ16を支持することができる。
【0050】
さらに、本実施形態は、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26は、ヒレ16の1/n倍(但し、nは2以上の整数)の間隔で設けられている。
この構成により、横桟部26の位置とヒレ16の位置とがズレた場合(ヒレ16に横桟部26が当接しない状態になった場合)、簡単にズレを修正することができる。
【0051】
さらに、本実施形態は、キャリア面において、ヒレ16と右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26とが前後の壁面となり、右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bのガイドベルト21が左右の壁面となる上方が解放された略直方体の隔室が形成される。
この構成により、キャリア面に形成された隔室により、高含水比の運搬物であってもこぼすことなく搬送することができる。また、土搬送終了後、搬送ベルト11と2つのガイドベルト21とを分離させ、個別に洗浄することで、隔室内の隅角部などを十分に洗浄することができる。
【0052】
さらに、本実施形態は、ヒレ16と右側方ベルトコンベヤ2a及び左側方ベルトコンベヤ2bの横桟部26とからなる前後の壁面をシールする前後シール部材として縦桟部18が搬送ベルト11の全周に亘って形成されている。
この構成により、運搬物が次段の隔室に漏れることを防止することができ、搬送効率を向上させることができる。
【0053】
さらに、本実施形態は、搬送ベルト11と右側方ベルトコンベヤ2aのガイドベルト21との間隙をシールする右側シール部材(縦桟部18及び縦桟部28、縦桟部18a、縦桟部28a)が搬送ベルト11と右側方ベルトコンベヤ2aのガイドベルト21とのいずれか若しくは両方に形成されていると共に、
搬送ベルト11と左側方ベルトコンベヤ2bのガイドベルト21との間隙をシールする左側シール部材(縦桟部18及び縦桟部28、縦桟部18a、縦桟部28a)が搬送ベルト11と左側方ベルトコンベヤ2bのガイドベルト21とのいずれか若しくは両方に形成されている。
この構成により、運搬物がキャリア面からこぼれ落ちてしまうことを防止することができ、搬送効率を向上させることができる。
【0054】
なお、本発明が上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変更され得ることは明らかである。