特開2018-84946(P2018-84946A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-84946(P2018-84946A)
(43)【公開日】2018年5月31日
(54)【発明の名称】報告集計システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20180427BHJP
【FI】
   G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-227502(P2016-227502)
(22)【出願日】2016年11月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000121844
【氏名又は名称】応用地質株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091904
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 重雄
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 理説
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】報告する側が集計方法を意識することなく、受け取り側で集計方法を自動的に判別して集計することが可能になる報告集計システムを提供する。
【解決手段】現地に赴いて携帯端末によって報告を行う作業者は、報告内容が積算型報告であるか履歴型報告であるかを区別することなく、携帯端末機に表示される大項目メニューの集計事項、中項目および小項目メニューの集計内容を選択して送信し、これを受信したコンピュータシステムにおいて、集計プログラムにより集計事項と記憶装置内の参照データベースとを対比して積算型報告であるか、または履歴型報告であるかを判断して、積算型報告である場合には集計内容の積算出力を、また履歴型報告である場合には集計内容の時系列出力を実施する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末機と、この携帯端末機と通信可能な通信手段を有するとともに記憶装置が接続されたコンピュータシステムとを備え、上記携帯端末機から送信された積算型報告および/または履歴型報告を上記コンピュータシステムにおいて集計する報告集計システムにおいて、
上記携帯端末機に格納されているアプリケーションソフトは、複数の集計事項が選択可能な大項目メニューを表示する機能と、上記大項目メニューから選択された上記集計事項に対して複数の集計内容が選択可能な小項目メニューを表示する機能と、上記大項目メニューから選択された上記集計事項および上記小項目メニューから選択された集計内容を上記コンピュータシステムに送信する機能とを備え、
上記記憶装置には、上記複数の集計事項の各々に対して上記積算型報告または上記履歴型報告を関連付ける参照データベースと、上記積算型報告および履歴型報告を上記コンピュータシステムによって集計する集計プログラムが格納されているとともに、
上記集計プログラムは、上記通信手段によって受信した上記集計事項と上記記憶装置内の上記参照データベースを対比して当該集計事項が上記積算型報告であるか履歴型報告であるかを判断する判定機能と、上記判定機能によって積算型報告と判断された時に当該集計事項の上記集計内容を積算して出力する機能と、上記判定機能によって履歴型報告と判断された時に当該集計事項の上記集計内容を時系列で出力する機能とを備えてなることを特徴とする報告集計システム。
【請求項2】
上記携帯端末機は、カメラ機能とGPS機能とを有するとともに、上記集計事項および集計内容と共に、上記カメラで撮影した画像ファイルおよび上記GPS機能による上記撮影場所の位置情報を上記コンピュータシステムに送信する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の報告集計システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時等に、現場で収集した集計内容を携帯端末機から集計場所のコンピュータシステムに送信して集計するための報告集計システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、災害時に、被災地において把握した状況を報告して情報を共有する方法のうち、災害の発生件数を集計する、あるいは被災状況を把握する場合には、被災地で現地情報を収集する作業員が、携帯電話やFAXにより情報を発信し、受け取り側である本部の作業員がホワイトボードなどを用いて手動で集計する方法が一般的であった。
【0003】
しかしながら、災害時に情報が錯綜するような場合には、混乱が生じやすく、上部機関等への報告が滞る事態も多々生じていた。
【0004】
一方、近年においては、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末機を用いて、手軽に写真を撮影し、被災地の状況を記載したメールと共に送信できるインフラストラクチャーが整ったことにより、災害時における被災地の状況を、上記携帯端末機を用いて収集して受け取り側である本部へ送信し、当該本部において送信された情報を集計する各種の方法が開発されている(下記特許文献1〜3)。
【0005】
しかしながら、上記携帯端末機を用いた被災地の状況の調査および報告においては、被災地に派遣された複数の作業員が、相互間の統一無く、個々の恣意に基づいて情報を収集すると、報告を受けた本部において、災害の全体を把握するための集計を行うことが難しいという問題点がある。
【0006】
また、災害の状況を把握するための集計事項として、例えば家屋倒壊件数、火災件数あるいは通行止め数等の事象が生じた件数を知りたい場合には、複数の作業員からの報告を積算して集計する必要がある。これに対して、自事業所の危険物保管庫の状況、エレベータの状況等の重要対象物の最新の状況を知りたい場合には、作業員からの報告を経時的に順次集計して最新の状況を出力して行く必要がある。
【0007】
ところが、災害地の状況の調査および報告を行う作業員が、各々の報告事項について、積算型の集計事項であるか、あるいは履歴型の集計事項であるかを区別して本部に送信することは、作業環境からして極めて困難であり、また運用も難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−164702号公報
【特許文献2】特開2014−067280号公報
【特許文献3】特開平06−208691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、報告する側が集計方法を意識することなく、受け取り側で集計方法を自動的に判別して迅速に集計することが可能になる報告集計システムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、携帯端末機と、この携帯端末機と通信可能な通信手段を有するとともに記憶装置が接続されたコンピュータシステムとを備え、上記携帯端末機から送信された積算型報告および/または履歴型報告を上記コンピュータシステムにおいて集計する報告集計システムにおいて、上記携帯端末機に格納されているアプリケーションソフトは、複数の集計事項が選択可能な大項目メニューを表示する機能と、上記大項目メニューから選択された上記集計事項に対して複数の集計内容が選択可能な小項目メニューを表示する機能と、上記大項目メニューから選択された上記集計事項および上記小項目メニューから選択された集計内容を上記コンピュータシステムに送信する機能とを備え、上記記憶装置には、上記複数の集計事項の各々に対して上記積算型報告または履歴型報告を関連付ける参照データベースと、上記積算型報告および履歴型報告を上記コンピュータシステムによって集計する集計プログラムが格納されているとともに、上記集計プログラムは、上記通信手段によって受信した上記集計事項と上記記憶装置内の上記参照データベースを対比して当該集計事項が上記積算型報告であるか履歴型報告であるかを判断する判定機能と、上記判定機能によって積算型報告と判断された時に当該集計事項の上記集計内容を積算して出力する機能と、上記判定機能によって履歴型報告と判断された時に当該集計事項の上記集計内容を時系列で出力する機能とを備えてなることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記携帯端末機は、カメラ機能とGPS機能とを有するとともに、上記集計事項および集計内容と共に、上記カメラで撮影した画像ファイルおよび上記GPS機能による上記撮影場所の位置情報を上記コンピュータシステムに送信する機能を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1または2に記載の発明によれば、報告を行う作業者は、積算型報告であるか履歴型報告であるかを区別することなく、携帯端末機に表示される大項目メニューの集計事項および小項目メニューの集計内容を選択して送信するのみで、これを受信したコンピュータシステムにおいて、上記集計事項を記憶装置内の参照データベースと対比して積算型報告または履歴型報告と関連付け、集計プログラムによって積算型報告である場合の集計内容の積算出力または履歴型報告である場合の集計内容の時系列出力を実施することができるため、災害地の状況の調査および報告といった劣悪な活況下での緊急を要する報告作業においても、作業員が集計方法を意識することなく、受け取り側で集計方法を自動的に判別して集計することが可能になる。
【0013】
この際に、請求項2に記載の発明のように、携帯端末機のカメラ機能とGPS機能を利用して、上記集計事項および集計内容と共に、上記カメラで撮影した画像ファイルおよび上記GPS機能による撮影場所の位置情報も上記コンピュータシステムに送信すれば、報告内容のより詳細な把握を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態を示すフロー図である。
図2】上記実施形態における大項目と集計手法との対比図である。
図3図1の携帯端末機から送信する情報を示す図である。
図4図1のコンピュータシステムのサーバーに蓄積された情報の内容を示す図表である。
図5】積算型報告を積算して集計した結果を示す図である。
図6図5の積算型報告等の表示例を示す図である。
図7】履歴型報告を時系列で出力した結果を示す図である。
図8図7の履歴型報告等の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1図8は、本発明に係る報告集計システムの一実施形態を示すものである。
図1に示すように、この報告集計システムは、現地に赴いて報告を行う作業員が携帯するスマートフォンやタブレット等のカメラ機能とGPS機能とを有する携帯端末機1と、上記携帯端末機1で収集される報告データを集計する本部に設置され、上記携帯端末機1と通信可能な通信手段が接続されるとともに記憶装置を備えたサーバー3およびこのサーバー3にLAN接続されて集計処理を行うコンピュータ4からなる汎用のコンピュータシステム2とから概略構成されたものである。
【0016】
ここで、サーバー3の記憶装置には、携帯端末機1から送信されてくるデータを蓄積する報告データベース5と、携帯端末機1のアプリケーションソフトにおいて選択可能な複数の集計事項からなる大項目マスタ6a、この大項目マスタ6aの各々の集計事項に対して選択可能な複数の中項目からなる中項目マスタ6b、および各々の中項目に対して選択可能な複数の集計内容からなる小項目マスタ6cとが収納されており、大項目マスタ6aには、図2に示すように、上記複数の集計事項の各々に対して、積算型報告であるか、あるいは履歴型報告であるかを関連付ける参照データベースが含まれている。
【0017】
また、携帯端末機1には、現地において作業員が報告する内容を入力するためのアプリケーションソフトが格納されている。
このアプリケーションソフトは、予めサーバー3にアクセスして、記憶装置に格納されている大項目マスタ6aの集計事項、中項目マスタ6bの中項目および小項目マスタ6cの集計内容(図3参照)をダウンロードする機能と、上記複数の集計事項を選択可能に大項目メニューとして表示する機能と、上記大項目メニューから選択された上記集計事項に対する複数の中項目を選択可能に中項目メニューとして表示する機能と、上記中項目メニューから選択された中項目に対する複数の集計内容を選択可能に小項目メニューとして表示する機能と、選択された集計事項、中項目および集計内容をサーバー3に送信する機能を備えたものである。
【0018】
さらに、このアプリケーションソフトは、選択された上記集計事項、中項目および集計内容と共に、カメラで撮影した画像ファイルおよびGPS機能による撮影場所の位置情報をサーバー3に送信する機能を有している。
【0019】
他方、サーバー3に接続されたコンピュータ4は、全体を統括制御するCPUに入出力制御部を介して記憶装置、入力装置およびモニタ等の出力装置が接続された汎用のもので、上記記憶装置に、多数の携帯端末機1から送信されてサーバー3内に蓄積された報告データベース5のデータを集計するための集計プログラムが格納されている。
【0020】
この集計プログラムは、大項目を表示して集計すべき集計事項を選択する機能と、選択された集計事項とサーバー3内の記憶装置に格納されている参照データベースを対比して、当該集計事項が積算型報告であるか履歴型報告であるかを判断して確定する判定機能と、サーバー3にアクセスして蓄積されている上記集計事項を抽出する機能と、抽出された集計事項の集計内容を上記判定機能によって判断された積算型報告または履歴型方向に対応して出力する機能とを備えたものである。
【0021】
ここで、上記出力する機能においては、積算型報告であると判断された集計事項の集計内容に対しては、当該集計内容を積算して出力する。これに対して、履歴型報告と判断された集計事項の集計内容に対しては、当該集計内容を時系列で順次出力するようになっている。
【0022】
次に、上記構成からなる報告集計システムを用いた報告集計方法について具体的に説明する。
先ず、災害現地等に赴いて報告を行う作業員は、予め携帯するスマートフォンやタブレット等の携帯端末機1のアプリケーションソフトを起動してサーバー3にログインし、その記憶装置に格納されている大項目マスタ6aの集計事項、中項目マスタ6bの中項目および小項目マスタ6cの集計内容(図3参照)をダウンロードしておく。
【0023】
そして、上記現場において、カメラ機能によって現場を撮影するとともに、上記アプリケーションソフトによって大項目メニューを表示させ、例えば図3に示すように複数の報告事項(災害情報、建物点検情報、進捗管理情報等)の中から、報告すべき報告事項(災害情報)を選択する。
【0024】
すると、上記報告事項(災害情報)に対応して中項目(建物被害、土砂災害、道路被害等)が表示され、この中から報告すべき中項目(建物被害)を選択すると、当該中項目(建物被害)に対する小項目(倒壊、火災、液状化等)の集計内容が表示される。
【0025】
この際に、集計内容として倒壊を選択すると、図3に示すように、上記カメラ機能によって撮影された画像データ、当該画像データに自動付与された撮影日時およびGPS機能による位置データ、上記アプリケーションソフトによって選択された大項目の報告事項(災害情報)、その中項目(建物被害)および小項目の報告内容(倒壊)の報告データがサーバー3に送信されて、報告データベース5に蓄積される。
【0026】
このような報告および送信は、複数の作業員あるいは各作業員が複数箇所において実行することにより、図4に示すように、時系列で順次多数の報告データが報告データベース5に蓄積されてゆく。
【0027】
他方、現場から送信された多数の報告データを、本部に設置されたコンピュータシステム2において集計するには、コンピュータ4において集計プログラムを起動し、表示された大項目から集計すべき集計事項を選択する。すると、集計プログラムが選択された集計事項とサーバー3内の記憶装置に格納されている参照データベースを対比して、当該集計事項が積算型報告であるか履歴型報告であるかを判断して確定するとともに、サーバー3の報告データベース5にアクセスして蓄積されている上記集計事項を抽出する。
【0028】
そして、上記集計事項が積算型報告であると判断された場合には、図5に示すように、上記集計事項を現地の市町村毎に中項目に分類し、各々の中項目で選択された集計内容を積算してモニタに出力する。
【0029】
この際に、モニタにおいては、図6に示すように、デジタル地図ソフトの画面上に報告データが送信された位置情報が重ねて表示され、かつ欄外に各々の報告データが撮影画像のサムネイル表示と共に表示されるとともに、下欄に図5に示した集計内容が表示される。
【0030】
これに対して、上記集計事項が履歴型報告と判断された場合には、図7に示すように、上記集計事項を対象物(図では各々のビル名)毎に中項目に分類し、各々の中項目で選択された集計内容を時系列で順次出力する。これにより、集計時における各対象物の状態が把握される。
【0031】
この際に、モニタにおいては、同様に図8に示すように、デジタル地図ソフトの画面上に報告データが送信された位置情報が重ねて表示され、かつ欄外に各々の報告データが撮影画像のサムネイル表示と共に表示されるとともに、下欄に図7に示した集計内容が表示される。
【0032】
以上説明したように、上記報告集計システムによれば、現地に赴いて携帯端末1によって報告を行う作業者は、報告内容が積算型報告であるか履歴型報告であるかを区別することなく、携帯端末機1に表示される大項目メニューの集計事項、中項目および小項目メニューの集計内容を選択して送信するのみで、これを受信したコンピュータシステム2において、集計プログラムにより集計事項とサーバー3の記憶装置内の参照データベースとを対比して積算型報告であるか、または履歴型報告であるかを判断して、積算型報告である場合には集計内容の積算出力を、また履歴型報告である場合には集計内容の時系列出力を実施することができる。
【0033】
そのため、災害地の状況の調査および報告といった劣悪な活況下での緊急を要する報告作業においても、作業員が集計方法を意識することなく、受け取り側で集計方法を自動的に判別して集計することが可能になる。
【0034】
この際に、携帯端末機1のカメラ機能とGPS機能を利用して、上記集計事項および集計内容と共に、上記カメラで撮影した画像ファイルおよびGPS機能による撮影場所の位置情報もコンピュータシステム2のサーバー3に送信して、上記報告内容と共にモニタに表示しているために、報告内容のより詳細な把握を実現することができる。
【0035】
なお、上記実施形態においては、コンピュータシステム2を、サーバー3とこれに接続されたコンピュータ4とから構成した場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、サーバー3を用いずに、コンピュータ4に通信手段および報告データベース5や、項目マスタ6a、6b、6cが格納された記憶装置を接続して構成し、携帯端末機1から直接的にコンピュータ4に送信して集計するようにしても同様の作用効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 携帯端末機
2 コンピュータシステム
3 サーバー
4 コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8