【解決手段】タイヤトレッド部10に、主溝12と横溝14により形成される陸部16をタイヤ周方向に複数並べてなる複数の陸部列18を備える空気入りタイヤにおいて、陸部16と横溝14とからなる繰り返し要素20のタイヤ周方向長さをピッチ長Pとし、各陸部列におけるタイヤ1周分の要素20の数であるピッチ数をNとし、陸部列の数をLとして、各陸部列18は複数種類のピッチ長の要素20を含むとともに、少なくとも1つの陸部列18が他の陸部列とはピッチ長の異なる要素20を含み、タイヤトレッド部全体でのピッチ長Pの種類kがN/4以上かつN×L以下であり、タイヤトレッド部全体でピッチ長Pを大きいものから順にP
タイヤトレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、主溝に交差する方向に延びる複数の横溝と、主溝と横溝により形成される陸部をタイヤ周方向に複数並べてなる複数の陸部列と、を備える空気入りタイヤにおいて、
陸部と当該陸部にタイヤ周方向の一方で隣り合う横溝とからなる要素のタイヤ周方向長さをピッチ長とし、各陸部列におけるタイヤ1周分の前記要素の数であるピッチ数をNとし、陸部列の数をLとして、各陸部列は複数種類のピッチ長の前記要素を含むとともに、少なくとも1つの陸部列が他の陸部列とはピッチ長の異なる前記要素を含み、タイヤトレッド部全体でのピッチ長の種類kがN/4以上かつN×L以下であり、また、タイヤトレッド部全体でピッチ長を大きいものから順にP1、P2、…、Pkとし、mを2〜kの整数として、Pm−1/Pm<1.050、かつ、1.60≦P1/Pk<2.00の関係を満たす、空気入りタイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
従来のピッチバリアブル配列に対して、ピッチノイズのピークをより一層下げるためには、ピッチノイズの周波数を分散させることが効果的であり、それには、バリアブル数(即ち、ピッチ長の種類)を従来よりも大きくするとともに、バリアブル比(即ち、最小のピッチ長に対する最大のピッチ長の比)を大きくすることが有効である。その際、バリアブル比が大きすぎると、ノイズピッチのn次成分と2n次成分が合致して大きな騒音が発生する。そのため、ノイズピッチのn次成分と2n次成分とが合致しない範囲でバリアブル比を大きく設定しつつ、バリアブル数を大きくすることが、騒音レベルの低減には有利である。本実施形態は、かかる知見に基づいてなされたものであり、従来のピッチバリアブル配列に対して更に騒音レベルを低減することができる。
【0011】
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部について、タイヤ1周分のトレッドパターンを示す展開図であり、
図2はその一部拡大図である。
図1,2に示すように、トレッドゴムからなるトレッド部10の表面(即ち、走行時に路面と接触する面)には、タイヤ周方向CDに延びる複数の主溝12と、主溝12に交差する方向に延びる複数の横溝14と、主溝12と横溝14により形成される陸部16をタイヤ周方向CDに複数並べてなる複数の陸部列18とが設けられている。
【0013】
この例では、主溝12は、タイヤ幅方向WDに間隔をおいて4本形成されている。タイヤ幅方向WDの中央部においてタイヤ赤道CLを挟んで位置する左右一対のセンター主溝12A,12Aと、その両側に配された左右一対のショルダー主溝12B,12Bである。4本の主溝12は、いずれもタイヤ周方向CDに平行なストレート状の溝である。
【0014】
横溝14は、この例では、主溝12に対して交差する方向に延びて各陸部列18を横断する溝である。そのため、陸部16は、横溝14によってタイヤ周方向CDにおいて分断されたブロックとして形成されている。横溝14は、タイヤ幅方向WDに延びる溝であれば、必ずしもタイヤ幅方向WDに平行でなくてもよく、傾斜しつつタイヤ幅方向WDに延びる溝でもよい。
【0015】
トレッド部10には主溝12によって5本の陸部列18がタイヤ幅方向WDに区画形成されている。一対のセンター主溝12A,12Aの間に挟まれたセンター陸部列18Cと、一対のショルダー主溝12B,12Bのそれぞれタイヤ幅方向WD外側に位置する左右一対のショルダー陸部列18S,18Sと、センター主溝12Aとショルダー主溝12Bの間に挟まれた左右一対のメディエート陸部列18M,18Mである。各陸部列18は、多数の横溝14がタイヤ周方向CDに間隔をおいて設けられることで、複数のブロックである陸部16をタイヤ周方向CDに配設してなるブロック列として形成されている。
【0016】
各陸部列18は、陸部16と横溝14とからなる繰り返し要素20をタイヤ周方向CDに並べることで構成されており、全ての陸部列18でタイヤ1周分のピッチ数Nは同じ値に設定されている。そのため、タイヤ全体では、陸部列18の数をLとして、N×L個の要素20を有する。
【0017】
ここで、各陸部列18におけるタイヤ1周分のピッチ数Nは、タイヤ1周分の上記要素20の数であり、各陸部列18においてタイヤ周方向CDの全周にわたって配列された要素数である。ピッチ数Nは、特に限定されず、例えば30〜100個でもよく、40〜80個でもよい。
図1,2に示す例では、ピッチ数N=56である。
【0018】
Lは2〜6の整数であることが好ましく、より好ましくは3〜5の整数である。
【0019】
上記要素20は、陸部列18を構成する繰り返し単位(1ピッチ)であり、そのタイヤ周方向長さをピッチ長Pとする。詳細には、ピッチ長Pは、
図2に示すように、陸部16と当該陸部16にタイヤ周方向CDの一方で隣り合う横溝14とからなる要素20のタイヤ周方向長さである。
【0020】
本実施形態では、上記5本の陸部列18において、要素20に複数の異なるピッチ長Pを持たせることで、ピッチバリアブル配列を持つ陸部列が形成されている。すなわち、各陸部列18は複数種類のピッチ長Pの要素20を含み、それらをタイヤ周方向CDに並べることで各陸部列18が構成されている。また、各陸部列18内だけでなく、陸部列18間でも上記要素20に異なるピッチ長Pが付与されており、すなわち、少なくとも1つの陸部列18が他の陸部列18とはピッチ長Pの異なる要素20を含む。
【0021】
本実施形態において、トレッド部10全体でのピッチ長Pの種類(即ち、バリアブル数)kは、N/4以上かつN×L以下に設定されている(N/4≦k≦N×L)。ピッチ長Pの種類kがN/4以上であることにより、ピッチノイズの周波数が分散して騒音レベルを低減する効果を高めることができる。ピッチ長Pの種類kは、騒音レベル低減効果の観点からはできるだけ多いことが好ましく、そのためN×L/4以上であることが好ましく、より好ましくはN×L/2以上であり、更に好ましくは全ての要素20でピッチ長Pを変えること、即ちk=N×Lである。
【0022】
図1,2に示す例では、トレッド部10における全ての要素20でピッチ長Pを変えており、即ちk=N×Lに設定されている。
図3は、
図1,2の各陸部列18を分解して示した図であり、トレッド部10に存在するN×L個の各要素20のピッチ長Pa
1、Pa
2、Pa
3、Pa
4、Pa
5、Pa
6、Pa
7、Pa
8、Pa
9、Pa
10、…、Pa
NL−9、Pa
NL−8、Pa
NL−7、Pa
NL−6、Pa
NL−5、Pa
NL−4、Pa
NL−3、Pa
NL−2、Pa
NL−1、及びPa
NLが全て異なるピッチ長に設定されている。
【0023】
本実施形態では、また、トレッド部10全体において、ピッチ長Pの種類をkとし、ピッチ長Pを大きいものから順にP
1、P
2、…、P
kとしたときに、P
m−1/P
m<1.050、かつ、1.60≦P
1/P
k<2.00の関係が成立する(ここで、mは2〜kの整数である)。
【0024】
このように最小のピッチ長P
kに対する最大のピッチ長P
1の比であるバリアブル比P
1/P
kを2.00未満に設定することにより、ノイズピッチのn次成分と2n次成分が合致して大きな騒音が発生するのを抑えることができる。また、バリアブル比P
1/P
kを1.60以上に設定することにより、ピッチノイズの周波数の分散を促進することができる。バリアブル比P
1/P
kは、1.80以上であることが好ましく、より好ましくは1.90以上であり、更に好ましくは1.95以上である。
【0025】
また、ピッチ長比P
m−1/P
mの最大値を1.050よりも小さく設定することにより、上記バリアブル数及びバリアブル比の設定と相俟って、ピッチノイズの周波数を分散する効果を高めることができる。すなわち、上記のようにバリアブル数を大きくしかつバリアブル比を高く設定した条件のもとで、P
m−1/P
mの最大値を小さく設定するということは、最小のピッチ長P
kから最大のピッチ長P
1に至るまでのピッチ長の増分に極端なバラツキをなくすことを意味し、ピッチノイズの周波数を広範に偏りなく分散させて、ピッチノイズのピークを低減する効果を高めることができる。P
m−1/P
mの最大値は1.020以下(即ち、P
m−1/P
m≦1.020)であることが好ましく、また1.002以上(即ち、P
m−1/P
m≧1.002)であることが好ましい。
【0026】
本実施形態において、タイヤ周方向CDに隣接する要素20のピッチ長比の上限(即ち、最大値)は1.71未満であることが好ましい。すなわち、タイヤ周方向CDに互いに隣接する2つの要素20のうちピッチ長が大きい要素20Aのピッチ長をP
Lとし、ピッチ長が小さい要素20Bのピッチ長をP
Sとして、P
L/P
Sで表されるピッチ長比の上限が1.71未満であることが好ましい(P
L/P
S<1.71)。このようにタイヤ周方向CDに隣接する要素20のピッチ長比P
L/P
Sの上限を規定することにより、陸部16の剛性が急激に変化することによる偏摩耗を抑えることができる。P
L/P
Sの上限は1.34未満(即ち、P
L/P
S<1.34)であることが耐偏摩耗性の点からより好ましい。
【0027】
複数種類kのピッチ長Pの要素20の配列(即ち、並べ方)については特に限定されない。例えば、各陸部列においてピッチ長がタイヤ周方向に順次大きくなるように並べてもよい。あるいはまた、複数種類kのピッチ長Pの要素20を、ピッチ長Pの大きいものから順に大、中、小の3つのグループに分け、大ピッチ長グループに属する要素と小ピッチ長グループに属する要素とが、タイヤ周方向で互いに隣接しないように各グループから選択して並べてもよい。これにより、タイヤ周方向において互いに隣接する要素20のピッチ長比P
L/P
Sを小さく抑えながら、タイヤ周方向CDに配列することができる。なお、複数種類kのピッチ長Pの各陸部列18に対する割り振りは、タイヤ1周分のピッチ長の合計が全ての陸部列18で同じ値になるように設定すればよい。
【0028】
一例として、
図1に示す例(k=N×L)では、上記の大ピッチ長グループと中ピッチ長グループと小ピッチ長グループから、各陸部列18においてタイヤ周方向CDに大、中、小、中、大、中、小、中、大、中、小、中の順にそれぞれ複数の要素を割り当て、ピッチ長がタイヤ周方向CDにおいてなめらかに変化し、かつタイヤ幅方向WDでもなめらかに変化するように配列している。すなわち、各陸部列18において、タイヤ1周分では、周上の3箇所に大ピッチ長グループに属する複数の要素の群を設け、これら各群の間に、中ピッチ長グループに属する複数の要素の群を介在させつつ、小ピッチ長グループに属する複数の要素の群を設けた配列となっている。また、タイヤ幅方向WDに隣接する要素を同じグループから選択して配置している。
【0029】
本実施形態によれば、上記のように、ノイズピッチのn次成分と2n次成分とが合致しない範囲でバリアブル比を大きく設定しつつ、バリアブル数を大きく設定したことにより、ピッチノイズの周波数が分散することでそのピークを下げることができる。また、ピッチノイズのピークを下げたことにより、ピッチノイズの周波数と気柱管共鳴の周波数が合致していても、騒音レベルの上昇を抑えることができる。そのため、従来にも増して騒音レベルを効果的に低減することができる。
【0030】
図4は、本実施形態の一例である280ピッチバリアブル配列(k=N×L)と、比較例として等ピッチ配列及び3ピッチバリアブル配列について、面積変動の周波数解析を行った結果を示すグラフである。解析は、特開2003−136926号公報に記載の方法に準拠して行い、路面に対するタイヤの接地パターンをトレッドパターンの周方向に沿って走査させて接地面積の変動データを取得し、この変動データに基づいて周波数分析を行うことにより、周波数に対する面積変動レベルのデータを取得した。タイヤサイズは265/65R17とし、速度は80km/hとした。タイヤパターンは、280ピッチバリアブル配列についてはピッチ長を29.07〜57.71mmまでの0.10mm刻みとした。3ピッチバリアブル配列では、ピッチ長を36.77mm、43.77mm、50.33mmの3種類とした。等ピッチ配列では、ピッチ長を43.39mmで全て一定とした。
【0031】
図4に示すように、等ピッチ配列や3ピッチバリアブル配列に比べて、280ピッチバリアブル配列にすることで、ピッチノイズの周波数を分散させて、最大レベルを低減することができた。ここで、等ピッチ配列では500Hz付近の1次成分のピークと1kHz付近の2次成分のピークが完全に分離している。これに対し、280ピッチバリアブル配列では、これら各ピークが分散化されることにより最大レベルが低減しており、しかも本実施形態では、分散化された1次成分と2次成分の重なりを抑えて、両者の合成による騒音レベルの上昇が抑えられていた。このように、本実施形態によれば、ノイズピッチのn次成分と2n次成分とが合致しない範囲でバリアブル比を大きく設定しつつ、バリアブル数を大きくしたことにより、騒音レベルを顕著に低減することができる。
【0032】
上記実施形態では、
図2に示されるように、複数の陸部列18ごとに要素20のタイヤ周方向CDにおける位相がずらされている。一例として、
図2では、右側のショルダー陸部列18Sと、これに隣接するメディエート陸部列18Mとの間での位相差αを示している。このように位相をずらすことにより、各陸部列18の陸部16が異なるタイミングで接地することになるため、ピッチノイズの周波数をより分散させることができ、騒音レベルを低減することができる。なお、複数の陸部例18の全てにおいて位相がずらされている必要はなく、複数の陸部列18のうち少なくとも1つの陸部列18において、要素20のタイヤ周方向CDにおける位相が他の陸部列18とは異なるように設定してもよい。
【0033】
上記実施形態では、各陸部列18を横断するように横溝14を設けたが、横溝14は必ずしも陸部列18を横断して設けたものには限定されず、ピッチノイズを生成する要因となるものであれば、陸部列18を完全には横断せずに途中で終端する溝であってもよい。従って、陸部16は、横溝14により完全に分断されたブロックでなくてもよく、タイヤ幅方向の一部で連結されたものであってもよい。
【実施例】
【0034】
タイヤサイズを265/65R17とし、
図1,2に示すトレッドパターンを有する空気入りタイヤを作製した(タイヤ1周分のピッチ数N=56、陸部列の数L=5)。実施例1〜6において、トレッド部全体でのピッチ長Pの種類(バリアブル数)k、バリアブル比P
1/P
k、P
m−1/P
mの最大値、及び、P
L/P
Sの最大値は、表1に示す通りであり、基本的なトレッドパターンは同じである。
【0035】
詳細には、実施例1は、最小ピッチ長29.07mmと最大ピッチ長57.71mmの間をN×L=280で均等に分割(0.10mm刻み)した280種類のピッチ長Pを持つバリアブル配列であり、すなわち、トレッド部の全ての要素でピッチ長を変更した例である(配列は
図1に示す通りである)。配列は、上記の大ピッチ長グループと中ピッチ長グループと小ピッチ長グループから、各陸部列18においてタイヤ周方向CDに大、中、小、中、大、中、小、中、大、中、小、中の順にそれぞれ複数の要素を割り当て、ピッチ長がタイヤ周方向CDにおいてなめらかに変化し、かつタイヤ幅方向WDでもなめらかに変化するように配列している。すなわち、各陸部列18において、タイヤ1周分では、周上の3箇所に大ピッチ長グループに属する複数の要素の群を設け、これら各群の間に、中ピッチ長グループに属する複数の要素の群を介在させつつ、小ピッチ長グループに属する複数の要素の群を設けた配列となっている。また、タイヤ幅方向WDに隣接する要素を同じグループから選択して配置している。
【0036】
実施例2は、最小ピッチ長33.38mmと最大ピッチ長53.40mmの間を均等に14分割したものであり、タイヤ周方向におけるバリアブル数は各陸部列ともに3種類とし、両側のショルダー陸部列では1種類だけ共通とし、それ以外は異なるピッチ長に設定した。
【0037】
実施例3は、最小ピッチ長29.07mmと最大ピッチ長57.71mmの間を均等に70分割(N×L/4)したものであり、タイヤ周方向におけるバリアブル数は各陸部列ともに14種類とし、各陸部列で同じ種類は使用しなかった。
【0038】
実施例4は、最小ピッチ長29.07mmと最大ピッチ長57.71mmの間を均等に140分割(N×L/2)したものであり、タイヤ周方向におけるバリアブル数は各陸部列ともに28種類とし、各陸部列で同じ種類は使用しなかった。
【0039】
実施例5は、最小ピッチ長を32.84mm、最大ピッチ長を54.73mmとし、その他は実施例1と同様に設定したものである。実施例6は、実施例1に対して要素の並び順を変更したものである。実施例6では上記の大ピッチ長グループと中ピッチ長グループと小ピッチ長グループから、タイヤ周方向CDにおいて大、中、小、大、中、小、大、中、小の順にそれぞれ複数の要素を割り当て、ピッチ長がタイヤ周方向CDにおいて急激に変化するように配列している。
【0040】
比較例1〜3についても、基本的なトレッドパターンは実施例と同じであり、比較例1では、ピッチ長=43.39mmで等ピッチ配列とし、比較例2では、ピッチ長=32.84mm、43.78mm、54.73mmの3ピッチバリアブル配列とし、比較例3では、ピッチ長=32.84mm、38.31mm、43.78mm、49.26mm、54.73mmの5ピッチバリアブル配列とした。
【0041】
作製した各タイヤを17×8.0Jのリムに空気圧193kPaで組み付けて試験車両に装着し、ノイズ性能と耐偏摩耗性を評価した。評価方法は以下の通りである。
【0042】
・ノイズ性能:ノイズ測定用コースを80km/hの速度で走行したときのオーバーオール値(OAL)を測定し、比較例1を基準(100)とした指数評価を行った。指数が大きいほど、騒音が小さく、ノイズ性能が良好であることを示す。
【0043】
・耐偏摩耗性:実車にて規定距離走行後のトーヒール摩耗量を測定し、比較例1を基準(100)として指数評価した、指数が大きいほど、トーヒール摩耗量が小さく、耐偏摩耗性が良好であることを示す。
【0044】
【表1】
結果は、表1に示す通りであり、実施例1〜6であると、等ピッチ配列の比較例1に対してはもちろんのこと、3ピッチバリアブル配列の比較例2及び5ピッチバリアブル配列の比較例3に対しても、ノイズ性能が改善されていた。また、P
L/P
Sの最大値を小さく設定した実施例1〜5では、実施例6に対して耐偏摩耗性も改善された。
【0045】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。