特開2018-88260(P2018-88260A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-88260受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-88260(P2018-88260A)
(43)【公開日】2018年6月7日
(54)【発明の名称】受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20180511BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20180511BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20180511BHJP
【FI】
   G06F3/01 560
   G06F3/0484
   G06F3/0488
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-108(P2018-108)
(22)【出願日】2018年1月4日
(62)【分割の表示】特願2016-154485(P2016-154485)の分割
【原出願日】2009年7月14日
(31)【優先権主張番号】61/080,978
(32)【優先日】2008年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/080,981
(32)【優先日】2008年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/080,985
(32)【優先日】2008年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/080,987
(32)【優先日】2008年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/148,312
(32)【優先日】2009年1月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/181,280
(32)【優先日】2009年5月26日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】バーンボーム、 デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ウーリッヒ、 クリストファー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA63
5E555AA76
5E555AA80
5E555BA02
5E555BA06
5E555BA45
5E555BA74
5E555BA76
5E555BB06
5E555BC04
5E555BC08
5E555BC09
5E555CA10
5E555CA13
5E555CA44
5E555CB12
5E555CB21
5E555CB31
5E555DA23
5E555DA24
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】筐体の運動を基礎にした「能動モード」又はテクスチャを基礎にした「受動モード」という複数の触覚フィードバックを機能を備えた装置において、仮想オブジェクト等の操作に関連した好適な触覚フィードバックを提示する方法を提供する。
【解決手段】グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号をセンサから受信するステップと、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に関連付けられる第2の信号を受信するステップと、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモード及びグラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚フィードバック効果を決定するステップと、触覚フィードバック効果を出力するように構成される触覚信号を生成するステップとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号をセンサから受信するステップと、
前記グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に関連付けられる第2の信号を受信するステップと、
前記グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用の前記モード及び前記グラフィカルユーザインターフェースとの前記相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚フィードバック効果を決定するステップと、
前記触覚フィードバック効果をアクチュエータに出力させるように構成される触覚信号を生成するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記触覚効果を出力するように構成されるアクチュエータに前記触覚信号を送信するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィカルユーザインターフェースが仮想メッセージング環境であり、
前記第1の信号が前記仮想メッセージング環境内の仮想物理パラメータを有する仮想メッセージオブジェクトとの相互作用のモードに関連付けられ、
前記第2の信号が前記仮想メッセージング環境内の前記仮想メッセージオブジェクトとの相互作用に関連付けられ、且つ
触覚効果を決定するステップがさらに前記仮想メッセージオブジェクトとの前記相互作用に少なくとも部分的に基づく
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記仮想メッセージオブジェクトが、トークンを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記仮想メッセージオブジェクトが、データファイルを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想メッセージオブジェクトが、ボール、管、風船、カプセル、又は卵の1つを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記仮想物理パラメータが、サイズ、質量、形状、衝突挙動、摩擦プロファイル又はテクスチャプロファイルの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
相互作用の前記モードが、相互作用の受動モードを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記触覚フィードバック効果が、テクスチャを表すフィードバック、緊張を表すフィードバック、又は把持を表すフィードバックの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記相互作用が、相互作用の能動モードを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記触覚フィードバック効果が、フリックを表すフィードバック、打撃を表すフィードバック、発砲を表すフィードバック、ひび割れを表すフィードバック、摩擦を表すフィードバック、1回の衝突を表すフィードバック、複数の衝突を表すフィードバック、又は移動を表すフィードバックの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の信号が、相互作用の前記モードの変更を示すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の信号が、所定期間の後、デフォルト設定に戻るように制御されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記センサが、接触、圧力、加速度、傾き、又は慣性を検出するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
プログラムコードを備えるコンピュータ可読媒体であって、前記プログラムコードが、
グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号を受信するプログラムコードと、
前記グラフィカルユーザインターフェースとユーザとの相互作用に関連付けられる第2の信号を受信するプログラムコードと、
前記グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用の前記モード及び前記グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用の種類に少なくとも部分的に基づいて触覚フィードバック効果を決定するプログラムコードと、
前記触覚フィードバック効果を生成するように構成される触覚信号を生成するプログラムコードと
を備えることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
ユーザとの相互作用を検出して第1の信号を生成することが可能なセンサと、
触覚フィードバックを出力するアクチュエータと、
グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号を受信し、
前記グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用の種類に関連付けられる第2の信号を受信し、
前記グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用の前記モード及び前記グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用の前記種類に少なくとも部分的に基づいて触覚フィードバック効果を決定し、且つ
前記触覚フィードバック効果を生成するように構成される触覚信号を生成するプロセッサと、
前記触覚信号を受信して前記触覚効果を生成するように構成されるアクチュエータと
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記グラフィカルユーザインターフェースの視覚表示を表示するように構成されるディスプレイをさらに備えることを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の信号が、タッチスクリーンによって生成されることを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の信号が、相互作用の前記モードの変更を示すことを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の信号が、スイッチによって制御されることを特徴とする、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記センサが、圧力センサ、ジャイロスコープセンサ、加速度計、又はタッチセンサ式入力装置を含むことを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、触覚フィードバックに関し、より詳細には、受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換するシステム及び方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2008年7月15日に提出され「Systems and Methods for Physics−Based Tactile Messaging」と題された米国仮特許出願第61/080,978号、2008年7月15日に提出され「Systems and Methods for Mapping Message Contents to Virtual Physical Properties for Vibrotactile Messaging」と題された米国仮特許出願第61/080,981号、2008年7月15日に提出され「Systems and Methods for Shifting Sensor Haptic Feedback Function Between Passive and Active Modes」と題された米国仮特許出願第61/080,985号、2008年7月15日に提出され「Systems and Methods for Gesture Indication of Message Recipients」と題された米国仮特許出願第61/080,987号、2009年1月29日に提出され「Systems and Methods for Pseudo−Telepresence in a Shared Space」と題された米国仮特許出願第61/148,312号、及び2009年5月26日に提出され「Systems and Methods for Transmitting Haptic Messages」と題された米国仮特許出願第61/181,280号への優先権を主張し、これらの全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
過去数年間にわたって、あらゆる種類のハンドヘルド装置の使用が飛躍的に増加してきている。こうした装置は、携帯型システム手帳、電話、音楽プレーヤ、及びゲームシステムとして使用される。多くの最新のハンドヘルド装置は、何らかの種類の触覚フィードバックを組み込んでいる。触覚技術の改良につれて、装置は、複数のモードの触覚フィードバックを組み込む場合がある。フィードバックのモード間を切り替え及び選択する方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、触覚フィードバックの能動及び受動モード間を転換するシステム及び方法を提供する。例えば、一実施形態では、触覚フィードバックの能動及び受動モード間を転換する方法は、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号をセンサから受信するステップと、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に関連付けられる第2の信号を受信するステップと、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモード及びグラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚フィードバック効果を決定するステップと、触覚フィードバック効果を出力するように構成される触覚信号を生成するステップとを備える。別の実施形態では、コンピュータ可読媒体がこのような方法を実行するためのプログラムコードを備える。
【0005】
こうした例示の実施形態は、本発明を限定又は定義するのではなく、その理解を容易にする例示を提供するために言及される。例示の実施形態は、詳細な説明において検討され、そこでは発明のさらなる説明が提供される。本発明の多様な実施形態によって提供される利点は、本明細書を吟味することでさらに理解され得る。
【0006】
本発明のこれらの及び他の特徴、側面、及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換するシステムのブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるメッセージコンテンツを振動触覚メッセージング用の仮想物理特性にマッピングするための方法の流れ図である。
図3】本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換する別の例示である。
図4】本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換する別の例示である。
図5】本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換するさらに別の例示である。
図6】本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換する最後の例示である。
図7】本発明の1実施形態によって表示され得る仮想オブジェクトの例示である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換するシステム及び方法を提供する。
【0009】
(受動及び能動モード間における触覚フィードバック機能の転換の例示)
本発明の例示の実施形態は、例えば、携帯電話等のメッセージング装置を備える。例示的な実施形態では、メッセージング装置は、Immersion社のVibeTonz(R)という振動触覚フィードバックシステムを搭載した「Samsung SGH−i710」移動式コンピュータを含む。別の実施形態では、メッセージング装置は、Immersion TouchSense(R)振動触覚フィードバックシステムとしても知られているImmersion社のTouchSense(R)テクノロジーシステムを含む。他のメッセージング装置及び触覚フィードバックシステムが利用されてもよい。
【0010】
メッセージング装置は、ディスプレイ、ユーザインターフェース装置、メモリ、及びこうした要素と通信するプロセッサを備える。また、例示のメッセージング装置は、センサ及びアクチュエータも備える。これらは共にプロセッサと通信する。センサは、メッセージング装置とユーザとの相互作用を感知するように構成され、アクチュエータは、触覚効果を出力するように構成される。
【0011】
例示の装置では、プロセッサは、メッセージング装置のグラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号を受信する。プロセッサは、例えば、メッセージング装置の筐体の中のジャイロスコープ又は加速度計等のセンサから第1の信号を受信してもよい。このようなセンサは、ユーザがメッセージング装置を移動させ又は傾けたのを検出するように構成されてもよい。次に、装置の特定の運動は、受動又は能動モードのような特定の相互作用のモードに関連付けられてもよい。例えば、相互作用の能動モードを使用するために、メッセージング装置は、既定の方向に傾けられ又は回転させられてもよい。相互作用の受動モードに切り替えるために、メッセージング装置は、反対方向に傾けられ又は回転させられてもよい。
【0012】
次に、プロセッサは、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に関連付けられるユーザインターフェース装置から第2の信号を受信する。プロセッサは、例えば、タッチスクリーン等のタッチセンサ式入力装置から第2の信号を受信してもよい。相互作用は、多様な形態を取り得る。例えば、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースに表示される仮想オブジェクトと相互作用するために、タッチスクリーンディスプレイをブラッシング(brush)し、フリックし、擦り、ドラッグし、又は接触してもよい。代替的に、相互作用のモードが選択された後、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースと相互作用するためにメッセージング装置を傾け、揺動させ、回転させ、又は移動させてもよい。相互作用の能動モードでは、グラフィカルユーザインターフェースで仮想オブジェクトをブラッシング又はフリックすることにより、グラフィカルユーザインターフェース内で仮想オブジェクトが移動させられてもよく、同時にプロセッサは仮想オブジェクトの重量をシミュレートする触覚信号を生成する。相互作用の受動モードでは、仮想オブジェクトに接触することにより、プロセッサがテクスチャ等の仮想オブジェクトの表面特徴をシミュレートする触覚信号を生成してもよい。表面のシミュレーションは、振動又は他の触覚フィードバック効果の形態を採用してもよい。
【0013】
2つの信号を受信した後、プロセッサは、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモード及びグラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚フィードバック効果を決定する。例示の実施形態では、第1の信号が相互作用の能動モードに関連付けられ、第2の信号がグラフィカルユーザインターフェースに表示されるオブジェクトとユーザとの相互作用に関連付けられる。ユーザとの相互作用は、グラフィカルユーザインターフェースで仮想オブジェクトを移動させることに関してもよい。次に、プロセッサは、グラフィカルユーザインターフェースにおいて仮想オブジェクトと別の表面との衝突に類似する触覚フィードバックを決定してもよい。代替的に、第1の信号が相互作用の受動モードに関連付けられ且つ第2の信号が仮想オブジェクトの上又は付近の擦り動作に関連付けられる場合、プロセッサは、仮想オブジェクトのテクスチャをシミュレートする触覚フィードバックを決定してもよい。最後に、プロセッサは、アクチュエータに触覚効果を出力させるように構成される触覚信号を生成する。アクチュエータは、触覚信号を受信して、メッセージング装置を、例えば、揺動させ、急激に揺さぶり、又は振動させることによって触覚効果を生成する。
【0014】
この例示は、本明細書で検討される一般的な主題を読者に紹介するために与えられる。本発明は、この例示に限定されない。以下の段落は、能動及び受動モード間で触覚フィードバック機能を転換する方法及びシステムの様々な追加の非限定的な実施形態及び例示を記載する。
【0015】
(受動及び能動モード間における触覚フィードバック機能の転換)
本明細書に提示される発明の実施形態は、受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換するシステム及び方法を提供する。最新のハンドヘルド装置は、複数のフィードバックのモードを含む能力を有してもよい。こうしたモードは、運動を基礎にした「能動モード」又はテクスチャを基礎にした「受動モード」であってもよい。フィードバックのモードは、ディスプレイを介して視覚的に、スピーカを使用して聴覚的に、又はアクチュエータを使用して触覚的に出力されてもよい。本発明は、フィードバックの能動及び受動モード間で転換するシステム及び方法を提供する。
【0016】
例えば、加速度計及びタッチスクリーンを有するメッセージング装置では、相互作用のデフォルトモードは、相互作用の能動モードを含んでもよい。このようなモードでは、メッセージング装置を傾けることは、グラフィカルユーザインターフェースに表示される仮想オブジェクトが転がり回って見えるようにする。仮想オブジェクトの運動に応じて、装置は、仮想オブジェクトと他の表面との間の摩擦及び衝撃を示す触覚フィードバックを生成してもよい。また、このような装置を使用して、ユーザは、ユーザインターフェース内で仮想オブジェクトを直接移動させるためにタッチスクリーンを利用してもよい。ユーザは、仮想オブジェクトをグラフィカルユーザインターフェース上で移動させるためにメッセージング装置を傾けてもよい。又は、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースに触れることで仮想オブジェクトを直接操作してもよい。グラフィカルユーザインターフェースでの仮想オブジェクトの移動は、仮想オブジェクトの摩擦プロファイルに基づいて1つ以上の触覚効果をアクチュエータに生成させる。
【0017】
各仮想オブジェクトは、1つ以上のオブジェクトのサイズ、質量、形状、衝突挙動、及びテクスチャを定義する仮想物理パラメータを含む。また、仮想物理パラメータは、オブジェクトのテクスチャ及び摩擦プロファイルを含んでもよい。テクスチャプロファイルは、相互作用の受動モードにおけるユーザ相互作用へのオブジェクトの反応を定義するパラメータを含むデータストアである。テクスチャプロファイルは、仮想オブジェクトの表面特徴をさらに定義してもよい。摩擦プロファイルは、相互作用の能動モードにおけるユーザの操作への仮想オブジェクトの反応及び他の仮想オブジェクトとの相互作用を定義するパラメータを含むデータストアである。摩擦プロファイルは、例えば、仮想高さ、重量、密度等の他の特性をさらに定義してもよい。ユーザが仮想オブジェクトと相互作用し又は仮想オブジェクトがグラフィカルユーザインターフェースの他の特徴と相互作用すると、相互作用に応答する運動及び触覚フィードバックは、仮想オブジェクトの摩擦プロファイルに少なくとも部分的に基づくであろう。例えば、ボールは跳ねることによって相互作用に応答することを引き起こす摩擦プロファイルを有し得る一方で、別のボールは転がることによって応答してもよい。さらに、高密度の重いボールは、インターフェース内で表面への激しい衝突と共にゆっくりと移動してもよく、低密度の軽いボールは、柔軟な衝撃と共に素早く移動してもよい。仮想オブジェクトは、限定されないが、ボール、卵、管、カプセル又は箱を含む任意の数の形状の1つであってもよい。
【0018】
仮想オブジェクトは、データの種類を表してもよい。例えば、仮想オブジェクトは、装置内のビデオファイルを表してもよい。さらに、仮想オブジェクト形状用に選択される形状は、仮想オブジェクトによって表されるデータの種類を考慮に入れてもよい。例えば、写真を表す仮想オブジェクトはカメラの形状を採用してもよい。一方で、ビデオファイルを表す仮想オブジェクトはコンパクトディスクの形状を採用してもよい。
【0019】
仮想オブジェクトは、トークンを含んでもよい。トークンは、既定のパラメータを有する仮想オブジェクトの種類である。次に、ユーザは、トークンの特定のインスタンス化の追加のパラメータを定義してもよい。例えば、一実施形態では、トークンは、既定の摩擦及びテクスチャプロファイルを有する、ボールの形状の仮想オブジェクトを含んでもよい。次に、ユーザは、例えば、ボールのサイズ及び色彩等の追加の特徴を定義してもよい。
【0020】
プロセッサは、相互作用の異なるモードに関連付けられる転換又は変更信号を受信して、相互作用の受動モードに切り替わってもよい。相互作用の受動モードでは、触覚効果は、摩擦プロファイルではなく仮想オブジェクトのテクスチャプロファイルに基づいてもよい。テクスチャプロファイルは、例えば、テクスチャ及び張力等の仮想オブジェクトの表面特徴を現すデータを含むデータストアである。ユーザが仮想オブジェクトに接触すると、装置は、オブジェクトの表面をシミュレートする触覚効果を生成してもよい。例えば、仮想オブジェクトは、急峻な激しい触覚パルスによって示される粗い表面を有し得る。一方で、柔らかい表面を有する仮想オブジェクトは、安定した穏やかな振動によって示され得る。
【0021】
幾つかの実施形態では、ユーザインターフェースは、物理モデルを組み込むようにプログラムされる仮想メッセージ環境として表されてもよい。このような環境では、電子メッセージが仮想メッセージオブジェクトとして表示されてもよい。仮想メッセージオブジェクトは、電子メッセージを組み込むデータストアを含む仮想オブジェクトの形状である。仮想メッセージオブジェクトは、1つ以上のオブジェクトのサイズ、質量、形状、衝突挙動、及びテクスチャを定義する仮想物理パラメータを含む。また、仮想物理パラメータは、オブジェクトのテクスチャ及び摩擦プロファイルを含んでもよい。テクスチャプロファイルは、相互作用の受動モードにおけるユーザ相互作用へのオブジェクトの反応を定義するパラメータを含むデータストアである。テクスチャプロファイルは、仮想オブジェクトの表面特徴をさらに定義してもよい。摩擦プロファイルは、相互作用の能動モードにおけるユーザの操作への仮想オブジェクトの反応及び他の仮想オブジェクトとの相互作用を定義するパラメータを含むデータストアである。摩擦プロファイルは、例えば、仮想高さ、重量、密度等の他の特性をさらに定義してもよい。ユーザは、様々なメッセージング装置、及びタッチスクリーン、ジャイロスコープ、GPS、若しくは加速度計、又は運動を検出するように構成される他のセンサ等のセンサを介して仮想メッセージ環境及び仮想メッセージオブジェクトを操作することが出来る。
【0022】
仮想メッセージオブジェクトは、トークンを含んでもよい。トークンは、既定のパラメータを有する仮想オブジェクトの種類である。次に、ユーザは、トークンの特定のインスタンス化の追加のパラメータを定義してもよい。例えば、一実施形態では、トークンは、既定の摩擦及びテクスチャプロファイルを有する、ボールの形状の仮想オブジェクトを含んでもよい。次に、ユーザは、トークンのインスタンス化によって含まれるテキスト、並びにボールのサイズ及び色彩等の追加の特徴を定義してもよい。
【0023】
ユーザが装置と相互作用しているとき、センサは、ユーザの移動を検出して、プロセッサに移動を表す信号を送信する。次に、プロセッサは、ユーザの移動の変位及び大きさを表すベクトルを計算してもよい。次に、プロセッサは、ベクトルを仮想メッセージ環境内に含まれる仮想メッセージオブジェクトに作用する仮想的力に変換してもよい。メッセージが触覚的に使用可能な装置に送信される場合、触覚効果は、メッセージの成分として組み込まれてもよい。例えば、ユーザは、メッセージに柔らかいジェスチャを組み込んでもよい。受信者がメッセージを受信すると、この柔らかいジェスチャは、メッセージが緊急ではないことを示す柔らかい触角効果に変換されてもよい。逆に、ユーザは、激しいジェスチャをメッセージに組み込んでもよく、それは緊急のメッセージを示す激しい触覚力に変換されるであろう。他の仮想オブジェクトのように、仮想メッセージオブジェクトは、触覚効果を計算するために使用され得るテクスチャプロファイル及び摩擦プロファイルを共に有してもよい。
【0024】
一実施形態では、ユーザがフィードバックのモード間を切り替えることを望む場合、ジェスチャ、位置、キー、又は他の制御が相互作用のモードに対する選択手段として割り当てられる。例えば、ユーザは、相互作用の能動及び受動モード間を切り替え、又は相互作用の別のモードに切り替えるために特定のジェスチャを使用することが出来る。ユーザインターフェースは、視覚表示、音響効果、及び/又は触覚フィードバックを介してモードの変更を示し/説明してもよい。例えば、ユーザが受動モードから能動モードに切り替える場合、装置は、振動等の触覚指示を提供すると同時に、ディスプレイを介して視覚的指示を提供してもよい。
【0025】
別の実施形態では、装置は、相互作用のモード間を切り替えるためにタッチスクリーン上に表示され得るスイッチ又はボタンを備えてもよい。この実施形態では、例えば、ユーザはシフトキーを押してもよく、それは相互作用の能動モードを示す。このモードでの動作中、装置の移動は、ディスプレイの中の仮想オブジェクトを移動させ、転がせ、且つ互いと衝突させ得る。ユーザがシフトキーを開放すると、相互作用の受動モードが有効になる。このモードでは、仮想オブジェクトは、各仮想オブジェクトのテクスチャを表す振動フィードバックのような異なる変数を示してもよい。
【0026】
受動モードの間、仮想オブジェクトは、スクリーン上の運動を継続してもよく、ユーザは、仮想オブジェクトと相互作用してもよい。しかし、ユーザは、仮想オブジェクト間の相互作用を指示することは出来ない。
【0027】
(相互作用の受動及び能動モード間における触覚フィードバック機能を転換する例示のシステム)
次に、複数の図面を通じて同様の番号が同様の要素を示す図面を参照すると、図1は、本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換するシステムのブロック図である。図1を参照すると、システム100は、例えば、携帯電話、PDA(portable digital assistant)、携帯型メディアプレーヤ、又は携帯型ゲーム装置等のメッセージング装置102を備える。メッセージング装置102は、ネットワークインターフェース112、センサ114、ディスプレイ116、アクチュエータ118、及びスピーカ120と通信するプロセッサ110を備える。プロセッサ110は、ディスプレイ116に示される仮想環境を生成するように構成される。
【0028】
プロセッサ110は、ネットワークインターフェース112と通信する。ネットワークインターフェース112は、例えば、赤外線、無線、Wi−Fi又はセルラネットワーク通信等の1つ以上の移動式通信方法を備えてもよい。他の変形では、ネットワークインターフェース112は、例えば、イーサネット(登録商標)等の有線ネットワークインターフェースを備える。メッセージング装置102は、例えば、セルラ電話ネットワーク及び/又はインターネット等のネットワークを介して他の装置(図示せず)とメッセージ又は仮想メッセージオブジェクトを交換するように構成され得る。装置間で交換されるメッセージの実施形態は、音声メッセージ、テキストメッセージ、データメッセージ、又は他の形態のデジタルメッセージを含んでもよい。
【0029】
また、プロセッサ110は、1つ以上のセンサ114と通信する。センサ114は、位置センサ、回転速度センサ、画像センサ、圧力センサ、又は他の種類のセンサを備えてもよい。例えば、センサ114は、加速度計、ジャイロスコープ、GPSセンサ、又はタッチセンサ式入力装置(例えば、タッチスクリーン、タッチパッド)を含んでもよい。1つ以上のセンサ114は、例えば、加速度、傾き、慣性、又は位置の変化を検出するように構成されてもよい。例えば、メッセージング装置102は、メッセージング装置102の加速度を測定するように構成される加速度計を備えてもよい。別の例示として、メッセージング装置102は、位置センサ、回転速度センサ、画像センサ、圧力センサ、又は他の種類のセンサを備えてもよい。1つ以上のセンサ114は、センサ信号をプロセッサ110に送信するように構成されてもよい。
【0030】
ユーザは、1つ以上のセンサ114によって検出される移動又はジェスチャを介してユーザインターフェースと相互作用してもよい。メッセージング装置102が傾けられ、揺動され、又は移動されると、1つ以上のセンサ114は、こうした運動を検出して、運動に少なくとも部分的に基づいてプロセッサ110に送信するためのセンサ信号を生成してもよい。プロセッサは、装置とユーザとの相互作用の方向及び大きさを表す方法及び大きさを持つベクトルを生成するためにこうした信号を使用してもよい。一実施形態では、加速度センサは、メッセージング装置102の傾き及び加速度を検出するように構成される。メッセージング装置102が傾けられると、加速度計は、メッセージング装置102の傾き及び/又は加速に少なくとも部分的に基づいてプロセッサに信号を送信するように構成され得る。次に、プロセッサ110は、相互作用の方向及び大きさを表すベクトルを生成するためにこうした信号を使用する。
【0031】
センサ114から受信される信号は、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられてもよい。例えば、加速度計によって検出される突き刺し動作が相互作用の能動モードに関連付けられてもよい。一方で、加速度計によって検出される円形又は回転動作が相互作用の受動モードに関連付けられてもよい。特定のジェスチャに相互作用のモードをマッピングすることによって、プロセッサ110は、迅速且つ効果的に相互作用のモードを切り替えることが可能であってもよい。
【0032】
また、センサ114から受信される信号は、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に関連付けられてもよい。例えば、ユーザは、最初にシフトキーを押し又は押し下げることによって相互作用のモードを選択してもよい。相互作用のモードが選択された後、メッセージング装置は、グラフィカルユーザインターフェースと相互作用するために、傾けられ、回転させられ、揺動させられ、又は移動させられてもよい。センサ114によって検出される装置のそれぞれの運動は、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に関連付けられてもよい。ある相互作用のモードでは、装置を傾けることでグラフィカルユーザインターフェースの拡大又は縮小が行われてもよい。例えば、デジタル画像がディスプレイ116に示されてもよい。画像を操作するために、ユーザは、相互作用の能動モードを選択して、センサ114が運動を検出するように装置を傾けてもよい。次に、装置は、センサ114から受信されるデータに基づいてディスプレイ116に示される画像を操作してもよい。装置は、多くの異なる方法で画像を操作し得る。例えば、操作は、画像の拡大若しくは縮小、又は表示画像の回転を含み得る。
【0033】
プロセッサ110は、相互作用のモードに関連付けられる信号及び/又は相互作用に関連付けられる他のソース(図1には示されない)からの信号を受信してもよい。例えば、メッセージング装置102は、スクロールホイール、ロッカスイッチ、又はジョイスティック(図1には示されない)を備えてもよい。また、メッセージング装置102は、シフトボタン等の1つ以上のボタンを備えてもよい(図1には示されない)。
【0034】
また、図1に示される実施形態では、プロセッサ110は、ディスプレイ116とも通信する。プロセッサ110は、ディスプレイ116に示されるユーザインターフェースの図形表示を生成するように構成され得る。ディスプレイ116は、プロセッサ110から信号を送信及び受信するように構成される、例えば、タッチスクリーン等のタッチセンサ式入力装置を備えてもよい。
【0035】
タッチスクリーンディスプレイ116から受信される信号は、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられてもよい。1つの変形では、タッチスクリーン上のタップ等の既定のジェスチャは、相互作用の特定のモードに関連付けられてもよい。このような実施形態では、タッチスクリーン上の一度のタップが相互作用の能動モードに関連付けられてもよい。一方で、タッチスクリーン上の2度のタップが相互作用の受動モードに関連付けられてもよい。別の変形では、右上象限等のディスプレイ116の特定の領域においてタッチスクリーンによって検出されるジェスチャが、相互作用の1のモードに関連付けられてもよい。一方で、左下象限等のディスプレイ116の異なる領域においてタッチスクリーンによって検出されるジェスチャが、相互作用の第2のモードに関連付けられてもよい。相互作用のモード間を切り替えるために、ジェスチャ又はユーザアクションの様々な他の組み合わせが利用されてもよい。
【0036】
図1に示される実施形態では、装置は、ディスプレイ116に示されるオブジェクトを直接ユーザに操作させることが出来る。ディスプレイ116がタッチスクリーンディスプレイを備える場合、相互作用の能動モードにおいて、ディスプレイ116上での2次元指ジェスチャは、ユーザインターフェース内で仮想オブジェクトを選択し、ドラッグし、フリックし、投げ、又は移動させてもよい。相互作用の受動モードでは、ディスプレイ116上での2次元指ジェスチャは、グラフィカルユーザインターフェース内の位置を変更せずに仮想オブジェクトに接触及び/又は感知してもよい。
【0037】
プロセッサ110は、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモード及びグラフィカルユーザインターフェースとユーザとの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚フィードバック効果を決定してもよい。相互作用の能動モードでは、プロセッサ110は、例えば、突き刺し又はフリック等のユーザ相互作用に基づいて衝撃又は衝突をシミュレートする触覚効果を決定してもよい。例えば、ディスプレイは、ユーザがフリックするボールを示してもよい。ユーザがボールの画像をフリックすると、プロセッサ110は、ユーザへの衝撃を表す触覚効果を決定してもよい。仮想ボールの特性を示す衝撃は、例えば、ボールの重量、密度、及び他の仮想オブジェクトとの相互作用の種類等の摩擦プロファイルに含まれる。プロセッサ110は、仮想ボールがディスプレイ116の側部と衝突する場合の衝突をさらに計算してもよい。相互作用の受動モードでは、プロセッサ110は、例えば、ブラッシング又は摩擦等の相互作用に基づいて粗い又は滑らかなテクスチャをシミュレートする触覚効果を決定してもよい。例えば、一実施形態では、ディスプレイ116は、粗い表面を表すデータを備えるテクスチャプロファイルを有するボールを示す。次に、ユーザがボールと相互作用すると、プロセッサ110は、一連の触覚的衝撃を表す触覚信号を計算して、ボールの粗い表面を示してもよい。
【0038】
図1に示されるように、プロセッサ110は、1つ以上のアクチュエータ118とも通信する。アクチュエータ118は、プロセッサ110から信号を受信して、触覚効果を生成するように構成されてもよい。プロセッサ110が触覚効果を決定した後、プロセッサ110は、アクチュエータ118に触覚効果を出力させるように構成されるアクチュエータ118に触覚信号を送信してもよい。アクチュエータ118は、例えば、圧電アクチュエータ、電気モータ、電磁アクチュエータ、音声コイル、リニア共振アクチュエータ、形状記憶合金、電気活性ポリマ、ソレノイド、偏心回転質量モータ(ERM)又はリニア共振アクチュエータ(LRA)であってもよい。
【0039】
(相互作用の受動及び能動モード間における触覚フィードバック機能を転換する例示の方法)
図2は、相互作用のモード及びグラフィカルユーザインターフェースとユーザとの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚効果を決定する方法の流れ図である。本発明の実施形態は様々な装置で利用され得るが、図2に示される工程は、図1に示される装置に関連して記載される。方法200において、プロセッサ110は、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号を受信する(202)。一実施形態では、信号は、相互作用のモードの変更を示す。他の実施形態では、信号は、相互作用のモードの変更がないことを示す。相互作用のモードに関連付けられる信号は、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、GPSセンサ、マイクロホン、タッチセンサ式入力装置(例えば、タッチスクリーン、タッチパッド)、テクスチャスタイラス、画像センサ、又は何らかの他の種類のセンサ等のセンサ114によって生成されてもよい。又は、相互作用のモードは、ボタン又はスイッチを介して選択されてもよい。例えば、相互作用のモードは、メッセージング装置102を既定の方式で回転させ、シフトボタンを押し下げ、マイクロホンに息を吹き込み、又はタッチスクリーンディスプレイ116上でジェスチャを行うことによって選択されてもよい。一実施形態では、第1の信号は、プロセッサによって部分的に制御される。例えば、プロセッサは、入力を受信し、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモードを変化させる信号を計算して送信するためにこの入力を使用してもよい。別の実施形態では、第1の信号は、所定期間の後、デフォルト設定に戻るように制御される。例えば、装置は、相互作用の受動モードのデフォルト設定を有してもよく、相互作用のモードが5分以上有効に設定されている場合、プロセッサは、装置を元の受動モードに切り替えてもよい。
【0040】
グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザが相互作用し得る仮想オブジェクトを表示することが出来る。図示の実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースは、1つ以上の相互作用のモードを備える。一例では、グラフィカルユーザインターフェースは、相互作用の能動モード及び相互作用の受動モードを備える。相互作用の能動モードでは、例えば、ユーザは、1つ以上の仮想オブジェクトと他の仮想オブジェクト及び/又は仮想環境との間の相互作用を指示してもよい。相互作用の受動モードでは、ユーザは、仮想環境と相互作用せずに又は仮想オブジェクトを仮想環境内の他のオブジェクトと相互作用させずにある仮想オブジェクトとだけ相互作用してもよい。
【0041】
相互作用のモードが選択された後、プロセッサは、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に関連付けられる第2の信号を受信する(204)。相互作用に関連付けられる信号は、タッチセンサ式入力装置(例えば、タッチスクリーン、タッチパッド)又は加速度計、ジャイロスコープ、GPSセンサ、マイクロホン、テクスチャスタイラス、又は画像センサ等の他の何らかの種類のセンサによって生成されてもよい。一例では、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ116を介して仮想オブジェクトに接触することによってユーザインターフェースと相互作用する。プロセッサ114は、ユーザによって行われるジェスチャ又は接触に関連付けられるタッチスクリーンディスプレイ116から信号を受信する。相互作用に関連付けられる信号は、例えば、位置、速度、圧力及び/又は種類等の相互作用の特性を有してもよい。例えば、タッチスクリーンディスプレイ116からの信号は、タッチスクリーンディスプレイ116との接触の位置、接触の速度及び/又は圧力、接触の持続期間、並びにタッチスクリーンディスプレイ116上で行われるジェスチャ又は動作の種類を含んでもよい。
【0042】
第1の信号及び第2の信号は、実質的に同時に受信されてもよい。例えば、ユーザは、シフトキーを押し下げてもよく、実質的に同時にタッチスクリーン上でジェスチャを行ってもよい。このようなシナリオでは、プロセッサ110がユーザインターフェースとユーザとの相互作用に関連付けられる第2の信号を受信するのと実質的に同時に、プロセッサは、相互作用のモードに関連付けられる第1の信号を受信する。別の変形では、プロセッサ110は、第1の信号を受信後、例えば、0.5秒から数秒以上等の期間の後、第2の信号を受信する。例えば、ユーザは、既定の方式でメッセージング装置を移動させることによって相互作用のモードを選択してもよい。その後、ユーザは、メッセージング装置のタッチスクリーンディスプレイ116上でジェスチャを行うことによってユーザインターフェースと相互作用してもよい。装置は、ユーザ選択の相互作用のデフォルトモードを有してもよい。
【0043】
プロセッサ110は、グラフィカルユーザインターフェースとの相互作用のモード及びグラフィカルユーザインターフェースとの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚効果を決定する(206)。相互作用の受動モードでは、触覚効果は、グラフィカルユーザインターフェースのテクスチャプロファイル及び/又はグラフィカルユーザインターフェースに表示される仮想オブジェクトに基づいてもよい。相互作用の受動モードでは、ユーザが仮想オブジェクトを擦り又はブラッシングすると、プロセッサは、粗い又は滑らかなテクスチャをシミュレートする振動のような仮想オブジェクトのテクスチャをシミュレートする触覚効果を決定してもよい。相互作用の能動モードでは、触覚効果は、グラフィカルユーザインターフェース及び/又はグラフィカルユーザインターフェースに表示される仮想オブジェクトの摩擦プロファイルに基づいてもよい。相互作用の能動モードでは、ユーザが仮想オブジェクトを擦り又はブラッシングすると、仮想オブジェクトは、ユーザの動作に相関してディスプレイ上で移動してもよい。次に、仮想オブジェクトがディスプレイ内を移動すると、プロセッサは、仮想オブジェクトの移動をシミュレートする触覚効果を決定してもよい。例えば、プロセッサは、重いオブジェクトに対しては、長く低い音を生成し、又は軽量なオブジェクトをシミュレートするために穏やかな振動を生成してもよい。
【0044】
次に、プロセッサ110は、アクチュエータ118に触覚効果を出力させるように構成される触覚信号を生成する(208)。最後に、プロセッサ110は、触覚効果を出力するように構成される1つ以上のアクチュエータ118に触覚信号を送信する(210)。触覚信号の受信後、アクチュエータ118は、触覚効果を出力する。触覚効果は、限定されないが、テクスチャを表すフィードバック、緊張を表すフィードバック、把持を表すフィードバック、フリックを表すフィードバック、打撃を表すフィードバック、発砲を表すフィードバック、ひび割れを表すフィードバック、移動を表すフィードバック、摩擦を表すフィードバック、又は1回若しくは複数の衝突を表すフィードバックを含む多くの異なる種類のフィードバックを含んでもよい。
【0045】
例示の実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースは、ハートの形状の仮想オブジェクトを表示する。次に、プロセッサ110は、相互作用の受動モードに関連付けられる信号を受信する。次に、プロセッサ110は、仮想ハートの摩擦又はブラッシングに関連付けられる信号を受信する。次に、受信信号及び仮想ハートのテクスチャプロファイルの両方に基づいて、プロセッサ110は、ユーザが仮想ハートと相互作用するときに出力されるハートの鼓動をシミュレートする触覚効果を決定してもよい。アクチュエータ118は、触覚信号を受信して、ハートの鼓動をシミュレートする触覚効果を生成する。
【0046】
別の例示の実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースは、ハートの形状の仮想オブジェクトを表示する。最初に、プロセッサ110は、相互作用の能動モードに関連付けられる信号を受信して、次に、仮想ハートとユーザとの相互作用に関連付けられる信号を受信する。この点で、プロセッサ110は、受信信号及び仮想ハートの摩擦プロファイルの両方に基づいて触覚効果を決定してもよい。計算される効果は、ユーザが画面上をドラッグするときのハートの重量をシミュレートしてもよい。アクチュエータ118は、触覚信号を受信して、ハートの重量をシミュレートする触覚効果を生成する。
【0047】
別の例示の実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースは、仮想メッセージング環境を表示する。仮想メッセージング環境において、Eメール、テキストメッセージ、インスタントメッセージ、又は他の種類のメッセージ等の電子メッセージは、仮想メッセージオブジェクトとして表示される。一実施形態では、仮想メッセージオブジェクトは、ボール、管、カプセル、箱、風船、ハート、又はグラフィカルユーザインターフェースが表示可能な任意の他の形状の1つを備える。図7は、粗い表面730を有するボールの形態の仮想メッセージオブジェクトを示すディスプレイ720を含むメッセージング装置710を示す。仮想メッセージオブジェクトは、例えば、サイズ、質量、形状、衝突、又はテクスチャ等の仮想オブジェクトの1つ以上の特徴を定義する仮想物理パラメータをさらに備える。仮想物理パラメータは、ユーザ又はプログラム自身によって修正されてもよい。この例示の実施形態では、プロセッサ110は、仮想メッセージング環境内の仮想メッセージオブジェクトとの相互作用に関連付けられる信号を受信する。次に、プロセッサ110は、仮想メッセージング環境内の仮想メッセージオブジェクトとの相互作用に関連付けられる信号を受信する。プロセッサ110は、仮想メッセージオブジェクトとの相互作用のモード及び仮想メッセージングオブジェクトとの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚効果を決定してもよい。
【0048】
例えば、一実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースは、仮想メッセージング環境及び風船の形態の仮想メッセージオブジェクトを表示する。風船は、サイズ、形状、及び衝突挙動を定義する仮想物理パラメータを含む。次に、プロセッサは、相互作用の能動モードに関連付けられる信号を受信して、ユーザが風船を突き刺すことに関連付けられる信号をさらに受信してもよい。プロセッサは、相互作用のモード及び相互作用、この場合は相互作用の能動モード及び突き刺し相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚効果を計算するであろう。次に、プロセッサは、触覚効果を出力するように構成されるアクチュエータに計算された触覚信号を送信するであろう。触覚効果は、例えば、仮想風船の破裂を表す信号であってもよい。プロセッサは、仮想風船が破裂すると、仮想メッセージの送信のような仮想メッセージオブジェクトでのアクションをさらに実行してもよい。
【0049】
(相互作用の受動及び能動モード間における触覚フィードバック機能の転換の例示)
図3は、本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換する例示である。図3では、メッセージング装置302は、シフトボタン304及びタッチスクリーン306を備える。メッセージング装置302は、タッチスクリーン306上に示される仮想環境310のようなグラフィカルユーザインターフェースを生成する。
【0050】
図3に示されるように、グラフィカルユーザインターフェース310は、ボールの形態の1個の仮想オブジェクト312を備える。他の実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースは、0又は1個以上の仮想オブジェクトを含んでもよい。オブジェクトが表示されない場合、ディスプレイの背景は、それ自体の機能及びテクスチャプロファイルを有してもよい。仮想オブジェクトが表示される場合、各仮想オブジェクトは、仮想物理パラメータを備える。仮想物理パラメータは、例えば、サイズ、形状、質量、衝突挙動、又はテクスチャ等の仮想オブジェクトの1つ以上の特徴を含んでもよい。物理パラメータは、仮想オブジェクトのユーザ及び他の仮想オブジェクトとの相互作用を定義する摩擦及び/又はテクスチャプロファイルをさらに有してもよい。例えば、仮想ボールの摩擦プロファイルは、回転又は弾性プロファイルを含んでもよい。そして、仮想ボールのテクスチャフィードバックプロファイルは、やや粗い又は粘着性の表面を備えてもよい。プロセッサは、仮想オブジェクトの摩擦プロファイル及び/又はテクスチャプロファイルに少なくとも部分的に基づいて触覚効果を決定してもよい。
【0051】
各仮想オブジェクトは、1つ以上の仮想物理パラメータを備えてもよい。仮想物理パラメータは、サイズ、質量、形状、衝突挙動、テクスチャ、又は視覚表示を含むことが出来る。幾つかのシナリオでは、仮想オブジェクトは、例えば、テキストメッセージ、ファイルメッセージ、又は音声メール等のメッセージを表す。仮想オブジェクトの仮想物理パラメータは、仮想オブジェクトが表すデータの種類に少なくとも部分的に基づいてもよい。一例では、仮想オブジェクトは、ショートテキストメッセージを表してもよく、弾性がなく砕けやすくもない軽くて薄い円筒状オブジェクトを含んでもよい。長いビデオファイルを表す仮想オブジェクトは、ひび割れする長くて重い楕円形オブジェクトを含んでもよい。
【0052】
摩擦プロファイル及び/又はテクスチャプロファイルは、仮想オブジェクトの仮想物理パラメータに少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、卵形仮想メッセージオブジェクトの摩擦プロファイルは、仮想卵が仮想環境内で移動するときのひび割れ又は破壊動作を決定してもよい。このように、仮想卵オブジェクトが仮想環境内で移動して割れ又は壊れると、仮想卵のひび割れ又は破壊をシミュレートする触覚フィードバック効果が、ある相互作用のモードで生成されてもよい。別の相互作用のモードでは、卵は、テクスチャの特徴を有する振動として表される滑らかな感触に感じられてもよい。
【0053】
仮想オブジェクトは、トークンを含んでもよい。トークンは、既定のパラメータを有する仮想オブジェクトの種類である。次に、ユーザは、トークンの特定のインスタンス化の追加のパラメータを定義してもよい。例えば、一実施形態では、トークンは、既定の摩擦及びテクスチャプロファイルを有するボールを含んでもよい。次に、ユーザは、例えば、ボールのサイズ及び色彩等の追加の特徴を定義してもよい。
【0054】
ユーザインターフェース310との相互作用の前に、相互作用のモードが選択されてもよい。例えば、シフトボタン304がユーザインターフェースとの相互作用のモードを選択するために使用されてもよい。図3に示されるように、シフトボタン304は押し下げられていない。シフトボタン304が押し下げられていない場合、ユーザインターフェース310は、ユーザがデフォルトとして定義した相互作用のモードのままでいてもよい。シフトボタン304が有効化されると、ユーザインターフェース310は、異なる相互作用のモードに切り替わってもよい。シフトボタン304は、押し下げられると、相互作用のモードの変更を示す信号を生成してもよい。メッセージング装置302のプロセッサ(図3には示されない)は、シフトボタン304から低信号を受信して、相互作用の受動モードが意図されていることを決定してもよい。高信号がシフトボタン304から受信されると、プロセッサは、相互作用の能動モードが意図されていることを決定してもよい。他の変形では、相互作用のデフォルトモードは、相互作用の能動モード又は他の何らかの相互作用のモードを含んでもよい。他の実施形態では、プロセッサは、相互作用のモードを制御して、ユーザ定義期間の後、ユーザ定義のデフォルトに相互作用のモードを戻してもよい。
【0055】
相互作用のモードが選択された後、ユーザは、タッチスクリーン306に接触することによって、ユーザインターフェース310及び/又は仮想オブジェクト312と相互作用してもよい。他の変形では、ユーザは、メッセージング装置を揺動させ、傾け、回転させ、又は移動させることによってユーザインターフェース310及び/又は仮想オブジェクト312と相互作用してもよい。例えば、一実施形態では、ディスプレイが仮想ボールを示してもよい。相互作用の能動モードでは、ユーザは、画面を傾けて、グラフィカルユーザインターフェース内で仮想ボールを転動させてもよい。装置は、仮想ボールがグラフィカルユーザインターフェースの境界に転がると触覚効果を出力してもよい。別の実施形態では、仮想ボールは、テキストメッセージ、Eメール、又は他の電子メッセージを表してもよい。メッセージを表す仮想ボールがグラフィカルユーザインターフェースの境界に転がる場合、装置は、仮想ボールがディスプレイから転がり落ちることによって、メッセージを送信することを可能にしてもよい。
【0056】
図3に示されるように、ユーザインターフェース310は、相互作用の最初のモードであって、ユーザは、矢印320及び矢印322によって示される方向にタッチスクリーン306をブラッシングし又は擦っている。例えば受動モード等の相互作用の第1のモードでは、仮想オブジェクト312のブラッシング又は打撃は、触覚フィードバックを介して仮想オブジェクト312のテクスチャプロファイルをメッセージング装置302にシミュレート又は描写させてもよい。プロセッサが仮想オブジェクト312との相互作用に関連付けられる信号を受信した後、プロセッサは、例えば、仮想オブジェクト312の表面、構成、及び/又は素材をシミュレートする振動等の仮想オブジェクト312のテクスチャプロファイルをシミュレートする触覚効果を決定する。次に、プロセッサは、触覚効果を生成するアクチュエータ(図3には示されない)に触覚信号を送信する。
【0057】
図4は、本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換する別の例示である。図4では、メッセージング装置402は、シフトボタン404及びタッチスクリーン406を備える。メッセージング装置402は、タッチスクリーン406上に示される仮想環境410のようなグラフィカルユーザインターフェースを表示する。ボールとして示される仮想オブジェクト412が、仮想環境410の中に示される。
【0058】
図4に示されるように、ユーザは、矢印424によって示される下向きの動作でシフトキー404を押し下げている。実質的に一緒に、又は実質的に同時に、ユーザは、矢印420及び矢印422で示される方向でタッチスクリーンに接触することによって、ユーザインターフェースに示される仮想オブジェクトを操作している。シフトボタンを押し下げることによって、ユーザは、図形オブジェクトとの相互作用の能動モードに装置を設定してもよい。相互作用の能動モードでは、図形オブジェクトは、「把持可能」になってもよい。このモードでは、装置は、オブジェクトと背景表面との間の摩擦を表す触覚フィードバックでタッチスクリーン上の指ジェスチャに応答してもよい。
【0059】
相互作用の受動モードでは、加速度計から受信される信号は、把持される仮想オブジェクトに影響を与えなくてもよい。しかし、相互作用の能動モードでは、加速度計の信号は、ユーザインターフェース410内の他の仮想オブジェクト(図4には示されない)に影響を与えてもよい。今度は、指ジェスチャは、仮想オブジェクト412の摩擦プロファイルを有効化してもよい。例えば、ユーザがシフトボタンを押し下げてタッチスクリーン上でフリックジェスチャを行う場合、プロセッサは、ユーザインターフェース内で図形オブジェクトを移動させて仮想環境と仮想オブジェクトとの間の摩擦を表す触覚効果を生成することによって応答してもよい。この計算は、仮想オブジェクト及び仮想環境の摩擦プロファイルに部分的に基づく。
【0060】
図3及び4に例示されたメッセージング装置は相互作用のモードの選択に関連付けられる信号をプロセッサに送信するためにシフトボタンを利用するが、他の方法及び/又は装置がこれを遂行するために使用されてもよい。一例として、前方にメッセージング装置を傾けることが相互作用の能動モードに関連付けられてもよく、後方にメッセージング装置を傾けることが相互作用の受動モードに関連付けられてもよい。別の例として、タッチスクリーン上のダブルクリックが相互作用の能動モードを選択してもよく、タッチスクリーン上のシングルクリックが相互作用の受動モードを選択してもよい。
【0061】
図5は、本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換する例示である。図5では、メッセージング装置502は、加速度計(図5には示されない)及びタッチスクリーン506を備える。メッセージング装置502は、タッチスクリーン506上に示される仮想環境510のようなグラフィカルユーザインターフェースを生成する。
【0062】
図5に示されるように、ユーザは、矢印520で示される円形の動作でメッセージング装置502を回転又は移動させている。センサは、円形の動作を検出した後、プロセッサ(図5には示されない)に信号を送信する。プロセッサは、センサの信号を受信して、円形の動作が相互作用のモードの変更に関連付けられることを決定する。
【0063】
装置を既定の方式で移動させた後、ユーザインターフェースは、相互作用の能動モードから受動モードへ、又は相互作用の受動モードから能動モードへと転換してもよい。ユーザインターフェースが相互作用のモードを転換した後、ユーザは、相互作用の新しいモードによってユーザインターフェースと相互作用してもよい。
【0064】
図6は、本発明の1実施形態による受動及び能動モード間で触覚フィードバック機能を転換する例示である。図6では、メッセージング装置602は、加速度計(図6には示されない)及びタッチスクリーン606を備える。メッセージング装置602は、タッチスクリーン606上に示される仮想環境610のようなグラフィカルユーザインターフェースを生成する。
【0065】
図6に示されるように、ユーザは、矢印620で示される円形の動作でメッセージング装置602を揺さぶり又は揺動させている。センサは、揺さぶり動作を検出した後、プロセッサ(図6には示されない)に信号を送信する。プロセッサは、センサの信号を受信して、揺さぶり動作が相互作用のモードの変更に関連付けられることを決定する。
【0066】
装置を既定の方式で運動させた後、ユーザインターフェースは、相互作用の受動モードから能動モードへ、又は相互作用の能動モードから受動モードへと転換してもよい。相互作用のモードの切り替え後、ユーザは、相互作用の新しいモードによってグラフィカルユーザインターフェースと相互作用してもよい。例えば、一実施形態では、ユーザは、Eメールを打ち込んでいる間、相互作用の受動モードを選択してもよい。次に、Eメールの送信を希望して、ユーザは、装置を既定の方式で回転又は移動させて、装置を相互作用の能動モードに切り替えてもよい。このモードでは、Eメールはディスプレイ上に仮想ボールとして示されてもよい。次に、ユーザは、Eメールを送信するためにボールをフリックしてもよい。このアクションは、プロセッサが仮想ボールの重量を表す衝撃を生成する触覚信号を計算することを引き起こしてもよい。次に、仮想ボールがディスプレイ外に移動すると、装置はEメールを送信する。次に、ユーザは、装置を元の相互作用の受動モードに切り替えるために、別の既定の方式で装置を回転又は移動させてもよい。
【0067】
本発明の実施形態は、デジタル電子回路で、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実装され得る。一実施形態では、コンピュータは、1つ又は複数のプロセッサを備えてもよい。プロセッサは、例えば、プロセッサに結合されるRAM(random access memory)等のコンピュータ可読媒体を備える。プロセッサは、例えば、メッセージング用の1つ以上のコンピュータプログラムを実行するように、メモリに記憶されるコンピュータ実行可能プログラム命令を実行する。このようなプロセッサは、マイクロプロセッサ、DSP(digital signal processor)、ASIC(application−specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)、及び状態機械を備えてもよい。このようなプロセッサは、PLC、PIC(programmable interrupt controller)、PLD(programmable logic device)、PROM(programmable read−only memory)、EPROM又はEEPROM(electronically programmable read−only memory)、又は他の類似の装置等のプログラム可能電子装置をさらに備えてもよい。
【0068】
このようなプロセッサは、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサによって実行され又は支援される本明細書に記載のステップをプロセッサに実行させ得る命令を記憶し得る媒体、例えばコンピュータ可読媒体を備え又はそれと連通してもよい。コンピュータ可読媒体の実施形態は、限定されないが、電子、光学、磁気、又は他の記憶装置若しくはコンピュータ可読命令をウェブサーバ内のプロセッサ等のプロセッサに提供可能な伝送装置を備えてもよい。媒体の他の例は、限定されないが、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、構成プロセッサ、全ての光学媒体、全ての磁気テープ若しくは他の磁気媒体、又はコンピュータプロセッサが読取り可能な任意の他の媒体を含む。また、様々な他の装置は、例えば、ルータ、プライベート若しくはパブリックネットワーク、又は他の伝送装置等のコンピュータ可読媒体を含んでもよい。記載されたプロセッサ及び処理は共に、1つ以上の構造内にあってもよく、及び/又は分散されてもよい。プロセッサは、本明細書に記載の1つ以上の方法(又は方法の一部)を実行するためのコードを備えてもよい。
【0069】
(総説)
好ましい実施形態を含む本発明の実施形態の上記の説明は、例示及び説明目的で提示されているに過ぎず、網羅的であること又は本発明を記載された厳密な形態に限定することは意図されていない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、それらの多くの変更及び適合が当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2018年2月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想環境内のオブジェクトとの相互作用のモードに関連付けられる第1のセンサ信号を出力するように構成される第1のセンサと、
前記オブジェクトとユーザの相互作用に関連付けられる第2のセンサ信号を出力するように構成される第2のセンサと、
前記オブジェクト、前記相互作用のモード及び前記ユーザの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚効果を決定し、且つ前記触覚効果に関連付けられる触覚信号を生成するように構成されるプロセッサと
を備え、
前記相互作用のモードは、相互作用の受動モード及び相互作用の能動モードを含む、電子装置。
【請求項2】
前記第1のセンサ信号は、相互作用の能動モードから相互作用の受動モードに変更することに関連付けられる、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第1のセンサ信号は、相互作用の受動モードから相互作用の能動モードに変更することに関連付けられる、請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記ユーザの相互作用は、前記仮想環境に表示される1つ以上のオブジェクトとの相互作用を含む、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記相互作用のモードは相互作用の能動モードを含み、前記触覚効果は前記オブジェクトの仮想重量に関連付けられる効果を含む、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記相互作用のモードは相互作用の受動モードを含み、前記触覚効果は前記オブジェクトの1つ以上の表面特徴に関連付けられる効果を含む、請求項4に記載の電子装置。
【請求項7】
仮想環境内のオブジェクトとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号を受信するステップと、
前記オブジェクトとユーザの相互作用に関連付けられる第2の信号を受信するステップと、
前記オブジェクト、前記相互作用のモード及び前記ユーザの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚効果を決定するステップと、
前記触覚効果に関連付けられる触覚信号を生成するステップと
を含み、
前記相互作用のモードは、相互作用の受動モード及び相互作用の能動モードを含む、方法。
【請求項8】
前記第1の信号は、相互作用の能動モードから相互作用の受動モードに変更することに関連付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の信号は、相互作用の受動モードから相互作用の能動モードに変更することに関連付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の信号は、所定期間の後、デフォルト設定に戻るように制御される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の信号は、電子装置の1つ以上の方向又は運動を検出するように構成されるセンサから受信される、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザの相互作用は、接触面との相互作用を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザの相互作用は、前記仮想環境に表示される1つ以上のオブジェクトとの相互作用を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記相互作用のモードは相互作用の能動モードを含み、前記触覚効果は前記オブジェクトの仮想重量に関連付けられる効果を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記相互作用のモードは相互作用の受動モードを含み、前記触覚効果は前記オブジェクトの1つ以上の表面特徴に関連付けられる効果を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の信号は、電子装置の1つ以上の方向又は運動を検出するように構成されるセンサから受信される、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザの相互作用は、前記電子装置を傾け、揺動し、回転し、又は移動することの1つ以上を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
プログラムコードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記プログラムコードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに
仮想環境内のオブジェクトとの相互作用のモードに関連付けられる第1の信号を受信させること、
前記オブジェクトとユーザの相互作用に関連付けられる第2の信号を受信すること、
前記オブジェクト、前記相互作用のモード及び前記ユーザの相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚効果を決定すること、及び
前記触覚効果に関連付けられる触覚信号を生成すること
を行わせるように構成され、
前記相互作用のモードは、相互作用の受動モード及び相互作用の能動モードを含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記第1の信号は、相互作用の能動モードから相互作用の受動モードに変更することに関連付けられる、請求項18に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記第1の信号は、相互作用の受動モードから相互作用の能動モードに変更することに関連付けられる、請求項18に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【外国語明細書】
2018088260000001.pdf