特開2018-900(P2018-900A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 佐久間 まな美の特許一覧

<>
  • 特開2018000900-干し具 図000003
  • 特開2018000900-干し具 図000004
  • 特開2018000900-干し具 図000005
  • 特開2018000900-干し具 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-900(P2018-900A)
(43)【公開日】2018年1月11日
(54)【発明の名称】干し具
(51)【国際特許分類】
   D06F 53/00 20060101AFI20171208BHJP
   A45D 44/02 20060101ALI20171208BHJP
   D06F 57/00 20060101ALI20171208BHJP
   A47K 10/04 20060101ALI20171208BHJP
【FI】
   D06F53/00 Z
   A45D44/02 B
   D06F57/00 Z
   A47K10/04 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-143754(P2016-143754)
(22)【出願日】2016年7月4日
(71)【出願人】
【識別番号】514002112
【氏名又は名称】佐久間 まな美
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 まな美
(57)【要約】
【課題】化粧用道具の洗浄後に効率良く乾燥させて、該化粧用道具が形状安定性良く清潔な状態を維持しながら、手間のかからない扱いが容易な干し具を提供する。
【解決手段】壁面と壁面に設置されている横棒との隙間において、該壁面と該横棒に当接する長さになるような面で構成される略三角柱の干し具であり、該略三角柱を構成する略四角形面のうち1つの面に開口部を有し、該開口部内部に干し場となる収納室を備え、更に、前記開口部が天井部に位置すると共に前記横棒より上方に突出した姿勢になるように形成されたことを特徴とする干し具。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面と壁面に設置されている横棒との隙間において、該壁面と該横棒に当接する長さになるような面で構成される略三角柱の干し具であり、該略三角柱を構成する略四角形面のうちの一つの面に開口部を有し、該開口部内部に干し場となる収納室を備え、更に、前記開口部が天井部に位置すると共に前記横棒より上方向に突出した姿勢になるように形成されたことを特徴とする干し具。
【請求項2】
前記隙間において、前記略三角柱を構成する背面部が前記壁面に当接すると共に前面部が前記横棒に当接する長さになるように設定されていて、更に、前記前面部の上部が前記横棒の前方に向かう斜め上方向に突出する姿勢となるような斜面が形成されていることを特徴とする請求項1の干し具。
【請求項3】
前記略三角柱を構成する面において、通気性を有するための複数の孔を設けたことを特徴とする請求項1または2の干し具。
【請求項4】
前記隙間において、前記略三角柱を構成する面のうち少なくとも前記壁面と前記横棒に当接する面が滑り止め素材で形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかの干し具。
【請求項5】
前記略三角柱の前記干し場となる収納室において、複数の収納室に区画されると共に、前記開口部の縁部に着脱自在な収納部を備え、前記略三角柱の面に物を吊るすための引っ掛け部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかの干し具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの記載の干し具において、前記壁面は水道栓、水道蛇口の設置された近くにある壁面とし、前記横棒は前記壁面に固定されているタオルを掛けるためのタオルバーであることを特徴とする干し具。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかの記載の干し具であって、化粧用道具の洗浄後に乾燥させることを特徴とした干し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は干し具に関するものであり、特に化粧用道具の洗浄後に乾燥させるための干し具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、化粧用パフ、スポンジ、アイシャドーチップ、ブラシ等の化粧用道具の洗浄後の干す方法は、平皿やティッシュの上などに置き乾燥させる方法や、洗濯ばさみ等で吊るして陰干しするという方法がある。
【0003】
また、化粧用パフの干し具として、特許文献1の枠の上に網を張りその上にパフを置いて乾燥させる干し具や、特許文献2の乾燥用ホルダーにパフを収容し吊るして乾燥させる干し具が開示されている。更に、特許文献3は、通気性の良いネット状素材を用いて複数個のポケット付きの平板状のものに化粧用道具を入れて、ハンガーで吊るす干し具もある。
【先行技術文献】
【0004】
【特権文献1】
特開2003−326099号公報
【特権文献2】
特開2005−143736号公報
【特権文献3】
特開2006−102458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、化粧用パフを平皿やティッシュの上に置いてもパフ裏面が乾燥しにくく、また洗濯ばさみ等で吊るして干せば乾燥は速いが、乾燥後に洗濯ばさみ跡が残り、パフ面が変形してファンデーションなどが均一に塗布できなくなるという問題がある。
【0006】
また、化粧用道具は使い続けているうちに雑菌の温床になりやすく、特に敏感な顔に美容目的で塗布するのであるから、本来は毎回使用ごとに洗浄するのが好ましいという意見もある。しかし現状では、細々とした化粧用道具を洗浄後に効率良く乾燥できる環境が意外と整っておらず、洗浄せずに使用し続けるのが習慣となっている。
【0007】
また、特権文献1の干し具は、陰干しが望まれる化粧用道具の洗浄後に設置する適当なスペースを確保するのに迷い、更に細々した化粧道具のうちパフ単独しか干せないという問題がある。また、使用後に折り畳むことができず収納性について問題があり、洗浄回数が増加すると同時に設置回数も増加するので手間がかかる恐れがある。
【0008】
また、特権文献2の乾燥用ホルダーについて、開閉自在のホルダー部片を閉じた状態に止着できるホルダーに化粧用パフを収容させるのは、大小様々なサイズのパフやスポンジがあるなかで特にかなりの厚みがあるものも多く存在するために難しくなり、汎用性に問題がある。更に、乾燥時においてホルダーを吊るすピンチを必要とするが、ピンチ単独では吊り掛け不可能なので、更にピンチに付属する本体が必要になり手間がかかる恐れがある。
【0009】
また、特権文献3の干し具については、複数個の大小のポケットに化粧用道具を挿入して乾燥させる干し具となっているが、大小様々な化粧用道具をポケットから出し入れする場合に、手指を深く挿入させ引っ張り出すという動作が必要とされ、時間がかかる上にネットで形成されたポケットの口が伸びたり破れたりする恐れがある。また、この干し具のサイズを考えると設置面積が多く必要になり、吊るす場所が限定され手間がかかる恐れもある。
【0010】
そこで本発明は上記課題を解決するために、化粧用道具の洗浄後に効率良く乾燥させて、該化粧用道具が形状安定性良く清潔な状態を維持しながら、手間がかからない扱いが容易な干し具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
壁面と該壁面に設置されている横棒との隙間において、該壁面と該横棒に当接する長さになるような面で構成される略三角柱の干し具であり、該略三角柱を構成する略四角形面のうち一つの面に開口部を有し、該開口部の内部に干し場となる収納室を備え、更に、前記開口部が天井部に位置すると共に前記横棒より上方向に突出した姿勢になるように形成されたことを特徴とする干し具。
【発明の効果】
【0012】
化粧用道具の洗浄後に効率良く乾燥させて、該化粧用道具が形状安定性良く清潔な状態を維持しながら、手間のかからない扱いが容易な干し具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態の干し具の斜視図
図2】同実施形態の干し具の使用状態の斜視図
図3】本発明の第2実施形態の干し具の斜視図
図4】同実施状態の干し具の応用例使用状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、[図2]の使用状態については[図1]と同様な構成要素は適宜説明を省略する。
【0015】
<第1実施形態>
図1,2は本発明の第1実施形態で、壁面(W)と壁面(W)に設置される横棒(P)との隙間において、着脱自在に取り付けるための略三角柱に形成された干し具1である。
【0016】
干し具1は略三角柱を構成する略四角形のうち一つの面に開口部13を有し、開口部13の内部に干し場となる収納室を備える。
【0017】
開口部13が天井部に位置すると共に横棒(P)より上方向に突出し、更に、前面部15の上部が横棒(P)より前方に向かう斜め上方向に突出した姿勢になるような斜面で形成されている。
【0018】
一方で、前記壁面(W)と横棒(P)との隙間において、略三角柱を構成する背面部14が壁面(W)に当接すると共に、前面部15が横棒(P)に当接する長さになるように設定されている。
【0019】
したがって、このような形状の干し具1は、前記隙間において、壁面(W)と横棒(P)に引っ掛かるように当接しながら安定した状態で着脱自在に取り付けることができるのである。
【0020】
なお、略三角柱を構成する面において、通気性を有するための複数の孔を設ける。例えば略円形の孔や略長方形の孔など、更にメッシュ状に形成されているものなど、通気性を維持するように形成されていれば孔の形状は限定しない。
【0021】
また、少なくとも壁面(W)と横棒(P)に当接する面の背面部14と前面部15は、滑り止め素材で形成されることが望ましい。例えば、ゴム、プラッスチック等の弾性材料などが適当であり、滑り止め効果の他に壁面(W)の壁紙などの保護にも適当である。
【0022】
しかし、本発明の干し具1は滑り止め素材を使用しなくても、壁面(W)と横棒(P)の隙間において着脱自在に取り付けることが可能な形状ではあるが、干す物の長さや重量によっては滑り止め素材を使用することでより安定感が増す。
【0023】
また、開口部13内部においては、前記略三角柱の内部を空洞にすることによって、干し場となる収納室を備えることができる。したがって、干し具1本体が無駄のない小ぶりなサイズ、または手の平サイズで形成され、設置面積も多く必要とならない。例えば、横棒(P)がタオルを掛けるためのタオルバーの場合、干し具1を取り付けた状態であっても、タオルを掛けるスペースは充分確保できる。
【0024】
つまり、壁面(W)と横棒(P)との隙間において着脱自在に取り付けられる干し具1の略三角柱という特徴のある形状が、同時に干し場となる収納室も兼ねている形状ということであり、非常に簡単な構造となっているので扱いが容易である。
【0025】
なお、壁面(W)は水道栓、水道蛇口の設置された近くにある壁面とし、横棒(P)は壁面(W)に設置されているタオルを掛けるためのタオルバーであると考えると、干し具1が効率よく使用することができる。
【0026】
これは特に、洗面所においての使用例が適当である。この場合、洗面所には水道蛇口があるので、化粧用道具の洗浄後すぐに、タオルバーに取り付けられた干し具1を使用して干すことが可能である。その上、洗面所には鏡が設置されているのが一般的なので、化粧用道具の乾燥後にその場で化粧することができる。
【0027】
したがって、本発明の干し具1は、毎日の化粧後に化粧用道具を洗浄して干すという行為を、同じ場所で反復できるので、手間がかからず効率良く乾燥させて清潔さを維持できるようになる。これは、洗面所において歯磨きする場合の、歯を磨いた後に歯ブラシを洗った上で立て掛けて乾燥させる習慣と酷似していて、非常に馴染みやすいので扱いが容易である。
【0028】
図2は、図1の使用状態を説明するための斜視図である。
【0029】
この使用状態を説明する。干し具1を構成する面はメッシュ状に形成され、通気性を有して乾燥を促している。
【0030】
開口部13内部の干し場となる収納室において、複数の収納室に区画される仕切り18を設け、前記略三角柱内部の空洞の深さを利用して化粧用道具として一般的に使用されることが多い化粧用パフ、スポンジ、ブラシなどを立て掛けて干す。
【0031】
更に、着脱自在で開口部13の縁の左右どちらにも延長できる収納部16を備えて、細かくて散乱しやすいアイシャドーチップなどを載せて干す。
【0032】
また、前面部15に引っ掛け部17を備え、昨今しばしば使われている洗顔用泡立てネットなどを干すことも可能とした。
【0033】
以上のように、一般的に使用されることが多い複数の化粧用道具を形態安定性良く乾燥し干すことができる形状となっている。
【0034】
また特に、背面部14と前面部15は滑り止め素材の例えばゴム素材などで形成することで、壁面(W)と横棒(P)に引っ掛かるように当接しながら、よりいっそう安定性した状態で着脱自在に取り付けられる干し具1となる。
【0035】
また、干し具1の変形例として、開口部13の向きは真上方向の水平面ということに限定されずデザインすることができる。
【0036】
具体的には、開口部13が壁面(W)に向かって斜め上方向または斜め下方向の傾斜面となっても本発明の干し具として使用できる。また、その他のデザインも考えられる。
【0037】
以上のように、前記隙間に取り付けられる略三角柱という形状で考察してみると、その技術的思想の範囲内で様々な変形や応用が可能なので、前記実施形態に限定するものではない。
【0038】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図3,4で説明する。なお、<第1実施形態>と同様な構成要素の説明は適宜省略する。
【0039】
干し具2は、前面部25と背面部24が略三角形で形成され、側面部29が略四角形で形成されている略三角柱である。
【0040】
一方で反対に、前記の第1実施形態の干し具1は、前面部15と背面部14が略四角形で形成され、側面部19が略三角形である。すなわち、壁面(W)と横棒(P)の隙間において取り付ける場合に、略三角柱の向きは限定されないのである。
【0041】
なお、干し具2の前面部25は略三角形なので、下方向に向かって先端部が細くなり、横棒(P)にタオルを掛けるスペースが充分に確保できている。
【0042】
また、前面部25の上部が横棒(P)の前方に向かって斜め上に突出する姿勢となるような斜面を形成しているが、変形例として考えれば、背面部24と前面部25を滑り止め素材で形成することで、横棒(P)より上が前記斜面でなく垂直面で形成されても、本発明の干し具を提供できるのである。
【0043】
特に、滑り止め素材として弾性材料を使用する場合は、横棒(P)を挟むようにして前面部25の上部と更に下部も、横棒(P)より前方に突出する場合もある。
【0044】
また、着脱自在で開口部23の縁に左右どちらでも取り付けられる収納部26を、開口部23の内側向きに取り付けてある。この収納室26は、開口部23の縁に外側向きに取り付ければ干し場の場面を広くでき、前記内側向きに取り付ければ前記場面を狭くでき、干す量に応じて場面の広さを調節できるので便利である。
【0045】
<応用例>
例えば、図4は第2実施形態の応用例使用状態である。
【0046】
前記洗面所の壁(W)に設置されている前記タオルバー(P)においての例で考えると、歯ブラシ、歯磨き粉、歯間ブラシ、フロスなどの歯磨きセットを乾燥させながら収納するのに適当である。また、この歯磨きセット収納は、前記第1実施形態の干し具1においても同様に使用できる。
【0047】
特に、一般的に見ても吸盤付きの歯ブラシ立てなどは多数販売されていて、需要度が高いことを考慮すると、本発明の干し具は化粧用道具専用としなくてもよいのである。
【0048】
具体的には、本発明の干し具は洗面用品類、キッチン用品類に対しても応用可能であるし、更に、開口部23内部の収納室の形状を変更することで、洗顔時などに、メガネ、スマホ、コップなどを一時的に保管する場所としても適当で便利である。また、ティッシュペーパー箱など場面の広い物でも取り付け可能であり、非常に便利である。
【0049】
反対に、本発明の干し具に吸盤やフックを付設しても使用可能である。横棒(P)が無い状態であっても、壁(P)に付けるだけで手軽に使用できる。
【0050】
更に、化粧する場所に応じて、持ち運ぶのにも支障ないので便利である。また、その際は自立できるデザインにも変形可能である。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜に応用や変形が実施可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 干し具、 13 開口部・天井部 (干し場・収納室)、 14 背面部、
15 前面部、 16 収納部、 17 引っ掛け部、 18 仕切り、
19 側面部
2 干し具、 23 開口部・天井部 (干し場・収納室)、 24 背面部、
25 前面部、 26 収納部、 27 引っ掛け部、 28 仕切り、
29 側面部
壁面、 P 横棒
図1
図2
図3
図4