特開2018-90558(P2018-90558A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-90558(P2018-90558A)
(43)【公開日】2018年6月14日
(54)【発明の名称】洗口剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/97 20170101AFI20180518BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20180518BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20180518BHJP
   A61K 36/355 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180518BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20180518BHJP
【FI】
   A61K8/97
   A61P1/02
   A61K36/82
   A61K36/355
   A61P43/00 121
   A61Q11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-247106(P2016-247106)
(22)【出願日】2016年12月2日
(71)【出願人】
【識別番号】399091120
【氏名又は名称】株式会社ピカソ美化学研究所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 裕太
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 美佐子
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB342
4C083AC102
4C083AC122
4C083AD212
4C083AD532
4C083CC41
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE31
4C083FF01
4C088AB12
4C088AB45
4C088AC02
4C088AC05
4C088BA08
4C088CA03
4C088MA07
4C088MA17
4C088MA57
4C088NA05
4C088NA14
4C088ZA67
4C088ZC75
(57)【要約】
【課題】 口腔内のたんぱく質を凝集させることにより、口腔内の菌も同時に凝集させ、口腔内の清浄を保つことができる洗口剤を提供する。
【解決手段】 本発明のたんぱく質凝集型の洗口剤は、茶葉抽出物を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャ葉抽出物を含むことを特徴とする、たんぱく質凝集型の洗口剤。
【請求項2】
スイカズラ抽出物を含むことを特徴する請求項1に記載の洗口剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内のたんぱく質を凝集させるとともに、同時に口腔内の菌も凝集させ、体外に排出することにより、口腔内の清浄を保つことができる洗口剤に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔内の清浄を保つために、広く洗口剤が使用されている。例えば、特許文献1では、カリン抽出物に、唾液タンパクの凝集効果を発見し、さらにスイカズラ抽出物との組み合わせにより相乗効果があることが記載されている。
【0003】
また、茶の水乃至熱水抽出物若しくはエタノール等の親水性有機溶媒抽出物を含む洗口剤が記載されている。(特許文献2、3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−256259
【特許文献2】特開平03−218320号
【特許文献3】特開平03−077817号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、チャ葉抽出物によるタンパクを凝集させる効果についてはいずれにも記載されていない。
本発明は、口腔内のたんぱく質を効率的に凝集させるとともに、同時に口腔内の菌も凝集させ、体外に排出することにより、口腔内の清浄を保つことができる洗口剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、チャ葉抽出物に配合することにより、口腔内のたんぱく質を凝集させることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の洗口剤は、チャ葉抽出物を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗口剤は、口腔内のたんぱく質を効率的に凝集させ、同時に菌を凝集させることができる。その結果、うがいをする際に生成した凝集物を体外に排出させることができ、口腔内の清浄を保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
本発明の洗口剤は、チャ葉抽出物を含むことを特徴としている。
前記チャ葉抽出物は、ツバキ科ツバキ属の常緑低木「チャノキ(茶の木)」の葉から抽出されるエキスである。
【0010】
本発明の洗口剤におけるチャ葉抽出物の固形分含有量は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
チャ葉抽出物の固形分含有量が0.001質量%以上であれば、たんぱく質の凝集効果が良好であり、0.01質量%以上であれば、たんぱく質の凝集効果はより顕著となる。
【0011】
また、本発明の洗口剤は、スイカズラ抽出物を配合することが好ましい。当該スイカズラ抽出物とチャ葉抽出物とを組み合わせることにより、たんぱく質の凝集効果を高め、さらに凝集物を褐色に着色することにより、凝集物の存在が明確となり、その効果を実感することができる。
前記スイカズラ抽出物は、スイカズラ科スイカズラのつぼみ、花、葉、茎などから抽出されるエキスである。
【0012】
本発明の洗口剤におけるスイカズラ抽出物の固形分含有量は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
スイカズラ抽出物の固形分含有量が0.001質量%以上であれば、たんぱく質の凝集効果が良好であり、0.01重量%以上であれば、たんぱく質の凝集効果はより顕著となる。
【0013】
また、本発明の洗口剤におけるチャ葉抽出物と、スイカズラ抽出物との固形分比は、1:0.1〜1:20であることが好ましい。この範囲に調製することにより、たんぱく質の凝集効果があることがより明確となる。
【0014】
本発明の洗口剤の形態は、特に限定されるものではないが、配合成分が可溶化した液体として調製されることが好ましい。具体的には、原液のまま使用するタイプの洗口剤、濃縮タイプで使用時に希釈して用いる洗口剤等として適用できる。
【0015】
本発明の洗口剤には、上記成分に加えて、必要に応じてその他の公知成分を、本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。具体的には、チャ葉抽出物およびスイカズラ抽出物以外の抽出物、湿潤剤、界面活性剤、溶剤、甘味剤、着色剤、香料、有効成分等が配合される。
【0016】
前記抽出物としては、対象の植物の粉砕物等を圧搾抽出することにより得られる搾汁、水蒸気蒸留物、各種抽出溶剤による粗抽出物、粗抽出物を分配又はカラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで精製して得られた抽出物画分などを本発明における抽出物として用いることができる。
抽出に使用する植物の部位は特に限定されず、種子、種皮、果肉、花、葉、茎、根、根茎又は全草等のいずれの部位も適宜選択して使用することができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0017】
前記湿潤剤としては、例えばキシリトール、エリスリトール等の糖アルコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
【0018】
前記界面活性剤としては、公知のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合でき、洗口剤に通常使用されるものを使用し得る。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノセチル酸ヘキサグリセリル、脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等が挙げられる。
【0019】
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウムなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型両性界面活性剤、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0020】
前記溶剤としては、通常水が用いられ、水の含有量は組成物全体の60%以上が好ましい。また、必要によりエタノール等の低級一価アルコールを添加してもよいが、添加量は30%以下、特に20%以下が好ましく、0%でもよい。なお、本発明では、エタノールを実質的に含有しない(即ち、組成物中のエタノール含有量が0.01%以下、特に0〜0.0001%である)組成であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0021】
前記甘味剤としては、キシリトール、マルチトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、アスパルテーム等を通常量で配合することができる。
【0022】
前記着色料としては、青色1号、緑色3号、黄色4号、赤色105号や、カラメルなど、安全性の高い水溶性色素を添加することができる。
【0023】
有効成分としては、例えばイソプロピルメチルフェノール、塩酸クロロロヘキシジン、グルコン酸クロロヘキシジン等の殺菌剤、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アラントイン、アズレン、塩化リゾチーム、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2,ビタミンB6、ビタミンP、CoQ10、CoQ9、CoQ8などのビタミン類及び補酵素、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン塩類、グリチルレチン酸類、ヒドロコレステロール、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物抽出物、グルコン酸銅、カロペプタイド、ポリリン酸ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物、ポリビニルピロリドン、歯石防止剤、歯垢防止剤、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等を添加することができる。
【0024】
前記防腐剤としては、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸などが挙げられる。
【0025】
上記洗口剤は、必要に応じて、他の成分を組みあわせて、混合する等、常法により製造することができる。
【0026】
【実施例】
【0027】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0028】
<洗口剤の調製および評価>
下記表1に示す割合で各成分を混合し、洗口剤を調製した。
さらに、調製した各洗口剤20mlでパネラーにうがいをしてもらい、排出された洗口剤を目視で確認した。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
上記の通り、本発明の実施例においては、口腔内にて凝集物が多量形成され、排出されており、非常に凝集効果が高いことが分かった。さらに、茶葉抽出物とスイカズラ抽出物とを組み合わせた場合、凝集物を効果的に着色することができ、その凝集物の存在を明確にすることができた。