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特開2018-90992畳表タイル及び当該畳表タイルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-90992(P2018-90992A)
(43)【公開日】2018年6月14日
(54)【発明の名称】畳表タイル及び当該畳表タイルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/10 20060101AFI20180518BHJP
   E04F 15/02 20060101ALI20180518BHJP
【FI】
   E04F15/10 104A
   E04F15/02 102F
   E04F15/02 102E
   E04F15/02 102D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-233618(P2016-233618)
(22)【出願日】2016年11月30日
(11)【特許番号】特許第6167441号(P6167441)
(45)【特許公報発行日】2017年7月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000217365
【氏名又は名称】田島ルーフィング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100185579
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100204755
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 浩司
(72)【発明者】
【氏名】小泉 博康
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA11
2E220AB10
2E220AB23
2E220AC01
2E220AD08
2E220AD13
2E220BA01
2E220DA02
2E220EA05
2E220FA02
2E220GA22X
2E220GA26X
2E220GB12X
2E220GB28X
2E220GB32X
2E220GB33X
2E220GB34X
2E220GB35X
2E220GB36X
2E220GB38X
2E220GB48X
2E220GB52X
(57)【要約】
【課題】本発明は、薄型で、かつ、畳表タイルの外周縁や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイル及び当該畳表タイルの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】合成樹脂からなるベース層10と、ベース層10の表面側に位置するフェルト層20と、フェルト層20の表面側に位置する畳表層30と、ベース層10及びフェルト層20を接着し、フェルト層20及び畳表層30とを接着する合成樹脂からなる接着層40とを有する畳表タイル1であって、畳表タイル1は、畳表タイル1の外周縁部2にバリ部2aを有し、畳表タイル1は、厚さが3mm以上10mm以下であり、バリ部2aは、厚さが0.5mm以上5mm以下で、幅が0.01mm以上1mm以下であり、バリ部2aは、ベース層10、フェルト層20、接着層40及び畳表層30を熱圧着してなる畳表タイル1である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂からなるベース層と、ベース層の表面側に位置するフェルト層と、フェルト層の表面側に位置する畳表層と、前記ベース層及び前記フェルト層を接着し、前記フェルト層及び前記畳表層を接着する合成樹脂からなる接着層と、を有する畳表タイルであって、
前記畳表タイルは、前記畳表タイルの外周縁部にバリ部を有し、
前記畳表タイルは、厚さが3mm以上10mm以下であり、
前記バリ部は、厚さが0.5mm以上5mm以下で、幅が0.01mm以上1mm以下であり、
前記バリ部は、前記ベース層、前記フェルト層、前記接着層及び前記畳表層を熱圧着してなる畳表タイル。
【請求項2】
前記フェルト層の骨格となる繊維の太さが2.2dtex以上22.23dtex以下であり、前記フェルト層の坪量が100g/m以上1000g/m以下である、請求項1に記載の畳表タイル。
【請求項3】
前記フェルト層の骨格となる繊維の含有率が30質量%以上95質量%以下であり、前記フェルト層に含有されるバインダー樹脂の含有率が5質量%以上70質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の畳表タイル。
【請求項4】
前記畳表層が、撚りを有する筒状の抄繊糸を経糸及び緯糸とする畳表である、請求項1から3のいずれかに記載の畳表タイル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の畳表タイルを製造する方法であって、
ベース層、接着層、フェルト層、接着層及び畳表層を積層して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体を表面側から熱圧着して、前記畳表タイルの外周縁部に対応する押圧部を形成する押圧部形成工程と、
前記押圧部の形状を維持しながら前記押圧部を加熱することで前記押圧部における前記フェルト層のバインダー樹脂と前記接着層の合成樹脂とを溶融させ、冷却をする溶着工程と、
前記積層体の押圧部を切断し、バリ部を形成し、バリ部の幅を0.01mm以上1mm以下とするバリ部形成工程と、を有する畳表タイルの製造方法。
【請求項6】
前記押圧部形成工程、前記溶着工程及び前記バリ部形成工程において、前記熱圧着、前記加熱及び前記切断をそれぞれ押圧切断刃で行い、
前記溶着工程における加熱において、高周波誘導加熱を行う、請求項5に記載の畳表タイルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面を畳表で構成する薄型の畳表タイル及び当該畳表タイルの製造方法である。
【背景技術】
【0002】
現代においては、生活様式や建築様式の欧米化に伴って、建具に開き戸を設け、床にフローリングや床板を敷いた洋室を備える、いわゆる洋風家屋が多く建築されている。そして、部屋の建具に襖や障子を設け、部屋の床に畳を敷いた和室を備える、いわゆる古典的な日本家屋は、少なくなっている。これは、床ではなく、椅子やソファ等に座ることが生活習慣として定着しており、椅子やソファ等の洋風の家具に対して畳では耐久性に問題があることから、洋室を備える洋風家屋が好まれることが一つの要因と考えられる。
【0003】
一方で、適度な弾性を有する畳や、日本人にとって馴染み深い和室の良さを生かすために、洋風家屋において、家屋の一部に和室を設けることも多い。その場合、部屋の床の全面に畳を敷く場合もあるが、近年では、簡便さを求め、絨毯やカーペットのように、床の一部だけに畳を敷く場合も増えている。そして、洋室の床の一部だけに畳を設置しても外観を損ねないように、畳縁を無くす等、外観に工夫を施した畳が上市されている。
【0004】
特許文献1には、畳縁を無くし、外観を工夫することを目的に、畳芯材の上面を覆う畳表について、畳芯材の側面に沿ってその全周を折り曲げて、畳芯材の下面に接合してなる畳縁の無い畳が開示されている。また、特許文献2には、さらに、畳表で覆われる畳床の角部の側面を綺麗に覆って美観を良くすることを目的に、側面を覆う畳表部分を所定の構成にする畳縁の無い畳が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−124528号公報
【特許文献2】特開2013−167096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1及び特許文献2に係る畳は、畳芯材や畳床の表面を覆う畳表を、側面に沿って裏面で固定し、畳縁を無くすことで、洋室の外観と調和させた畳としている。ところが、床の一部に畳を設置する場合には、床と畳との間に段差が生じることから、居住者や利用者が段差で躓くことを防止するために、薄型の畳である必要がある。さらに、床の一部に畳を設置する場合には、畳の表面が居住者や利用者の足や家具等と接触するだけでなく、畳の外周縁や側面も居住者や利用者の足や家具等と接触することになるため、畳の外周縁や側面の耐久性が良い畳である必要もある。
【0007】
したがって、本発明は、薄型で、かつ畳表タイルの外周縁や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイル及び当該畳表タイルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、外周縁部に、ベース層、接着層、フェルト層、接着層及び畳表層を熱圧着してなるバリ部を有する畳表タイルにおいて、畳表タイルの厚さを3mm以上10mm以下とし、バリ部の厚さを0.5mm以上5mm以下、バリ部の幅を0.01mm以上1.0mm以下とすることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0009】
(1)本発明の第一の態様は、合成樹脂からなるベース層と、ベース層の表面側に位置するフェルト層と、フェルト層の表面側に位置する畳表層と、前記ベース層及び前記フェルト層を接着し、前記フェルト層及び前記畳表層を接着する合成樹脂からなる接着層と、を有する畳表タイルであって、前記畳表タイルは、前記畳表タイルの外周縁部にバリ部を有し、前記畳表タイルは、厚さが3mm以上10mm以下であり、前記バリ部は、厚さが0.5mm以上5mm以下で、幅が0.01mm以上1mm以下であり、前記バリ部は、前記ベース層、前記フェルト層、前記接着層及び前記畳表層を熱圧着してなる畳表タイルである。
(2)(1)の畳表タイルにおいて、前記フェルト層の骨格となる繊維の太さが2.2dtex以上22.23dtex以下であり、前記フェルト層の坪量が100g/m以上1000g/m以下であってもよい。
(3)(1)又は(2)の畳表タイルにおいて、前記フェルト層の骨格となる繊維の含有率が5質量%以上95質量%以下であり、前記フェルト層に含有されるバインダー樹脂の含有率が5質量%以上95質量%以下であってもよい。
(4)(1)から(3)のいずれかの畳表タイルにおいて、前記畳表層が、撚りを有する筒状の抄繊糸を経糸及び緯糸とする畳表であってもよい。
(5)本発明の第二の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の畳表タイルを製造する方法であって、ベース層、接着層、フェルト層、接着層及び畳表層を積層して積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体を表面側から熱圧着して、前記畳表タイルの外周縁部に対応する押圧部を形成する押圧部形成工程と、前記押圧部の形状を維持しながら前記押圧部を加熱することで前記押圧部における前記フェルト層のバインダー樹脂と前記接着層の合成樹脂とを溶融させ、冷却をする溶着工程と、前記積層体の押圧部を切断し、バリ部を形成し、バリ部の幅を0.01mm以上1.0mm以下とするバリ部形成工程と、を有する畳表タイルの製造方法である。
(6)(5)の畳表タイルの製造方法において、前記押圧部形成工程、前記溶着工程及び前記バリ部形成工程において、前記熱圧着、前記加熱及び前記切断をそれぞれ押圧切断刃で行い、前記溶着工程における加熱において、高周波誘導加熱を行ってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の畳表タイルは、畳表タイルの厚さが3mm以上10mm以下である。そのため、洋室の床の一部に本発明の畳表タイルを設置した場合にも、居住者や利用者が躓くことを防止することができる薄型の畳表タイルとすることができる。さらに、本発明の畳表タイルは、畳表タイルの外周縁部に、ベース層、接着層、フェルト層、接着層及び畳表層を熱圧着してなるバリ部を有し、バリ部の厚さが0.5mm以上5mm以下である。そのため、畳表タイルの外周縁や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイルとすることができる。また、本発明の畳表タイルの製造方法によれば、畳縁の無い畳表タイルであっても、バリ部を設けることで、薄型で、かつ、畳表タイルの外周縁や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一の態様に係る畳表タイルの上面斜視図である。
図2】本発明の泰一の態様に係る畳表タイルの角部における拡大側面図である。
図3】本発明の第二の態様に係る畳表タイルの製造方法の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたものでこれらにより本発明を限定するものではない。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、本明細書の説明において、畳表タイル1とは、タイルの表面を畳表で構成したタイルをいう。また、表面とは、畳表タイル1が床に設置される場合に、床と反対側に配され、略平板状の面をいい、裏面とは、畳表タイル1が床と接するように配される面をいい、畳表タイル1の側面とは、畳表タイル1の表面及び畳表タイル1の裏面を繋ぐ面をいう。
【0013】
[第一の態様]
本発明の第一の態様に係る畳表タイル1は、合成樹脂からなるベース層10と、ベース層10の表面側に位置するフェルト層20と、フェルト層20の表面側に位置する畳表層30と、ベース層10及びフェルト層20を接着し、フェルト層20及び畳表層30を接着する合成樹脂からなる接着層40とを有する畳表タイル1であって、畳表タイル1は、畳表タイル1の外周縁部2に、バリ部2aを有し、畳表タイル1は、厚さが3mm以上10mm以下であり、バリ部2aは、厚さが1mm以上5mm以下で、幅が0.01mm以上1mm以下であり、バリ部2aは、ベース層10、フェルト層20、接着層40及び畳表層30を熱圧着してなる畳表タイル1である。
【0014】
<畳表タイル>
畳表タイル1の平面形状は、正方形状、長方形状、菱形状等の四角形状であってもよく、三角形状、円形状等の四角形以外の形状であってもよい。正方形状又は長方形状であると、床の一部に本発明の畳表タイル1を設置する際に、複数枚の畳表タイル1を設置して畳表タイル1が床を占める面積を容易に調整することができる。
【0015】
畳表タイル1の厚さは、3mm以上10mm以下であり、4mm以上8mm以下であることが好ましく、5mm以上7mm以下であることがより好ましい。これにより、洋室の床の一部に本発明の畳表タイル1を設置した場合にも、居住者や利用者が躓くことを防止することができる薄型の畳表タイル1とすることができる。ところで、従来、部屋の建具に開き戸を設置する洋室の建物やオフィスビル等においては、畳を用いることができなかった。これは、開き戸の下面と床面との間隙が10mm程度であることが多く、通常の畳は当該寸法より厚さが大きく、開き戸と床面との間に設置することができないことが原因であった。しかし、畳表を有する薄型の本発明の畳表タイル1によれば、部屋の建具に開き戸を設置する洋室の建物やオフィスビル等に、畳表を有するタイルを容易に設置することができる。
【0016】
(ベース層)
本発明の第一の態様に係る畳表タイル1のベース層10は、合成樹脂からなり、塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性合成樹脂を含んでなる層であることが好ましい。これにより、本発明の畳表タイル1のように、薄型の畳表タイル1であっても、ござ等の他の畳表を備えるものとは異なり、めくれやズレ等を防止することができる。また、ベース層を有する本発明の畳表タイル1は、畳表タイル1の寸法が例えば既存の畳の寸法であっても、ござ等の他の畳表を備えるものと異なり、めくれやズレ等を防止することができる。
【0017】
ベース層10の表面側、又は表面側と裏面側の中間層に、ガラスクロス、ガラスペーパー、ガラス直交ネット等の補強材を積層してもよく、後述する接着層40を介して、ベース層10及び当該補強材が接着されていてもよい。これにより、ベース層10の可撓性を制御し、ベース層10が製造時や使用時に反った場合でも畳表タイル1の寸法や外形の安定性を向上させることができる。
【0018】
ベース層10の裏面側には、更に滑り止め層を有していてもよく、熱可塑性樹脂からなる不織布の滑り止め層を有していてもよい。
【0019】
ベース層10の厚さは、0.5mm以上8mm以下であることが好ましく、1mm以上4mm以下であることがより好ましい。これにより、薄型の畳表タイル1であり、かつ、めくれやズレ等を防止できる畳表タイル1とすることができる。
【0020】
(フェルト層)
本発明の第一の態様に係る畳表タイル1のフェルト層20は、ベース層10の表面側に位置する。これにより、本発明の畳表タイル1のように、薄型の畳表タイル1であっても、ござ等の他の畳表を備えるものと異なり、弾性にも優れた畳表タイル1とすることができる。
【0021】
フェルト層20の骨格となる繊維(骨格繊維)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維の他に、ビニロン繊維、レーヨン、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、難燃アクリル繊維、難燃ポリエステル繊維、ガラス繊維、ロックウール、綿、雑繊維等が例示される。骨格繊維は中空繊維であってもよい。これらのうちから1つ以上を選択使用することができる。
【0022】
フェルト層20は、バインダー樹脂を含有することが好ましく、バインダー樹脂としては、骨格繊維の融点より低い融点を持つ熱可塑性樹脂からなるものが好適に用いられる。バインダー樹脂を繊維状のものとする場合、骨格繊維より低い融点を持つ繊維、例えば低融点ポリエチレンテレフタレート繊維等の低融点ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維及び2層構造繊維が例示される。バインダー樹脂としては、軟化点90℃以上130℃以下のものが好適である。また、フェルト層20のバインダー樹脂としては、その他、フェノール樹脂等からなるパウダー、又はアクリル樹脂若しくはウレタン樹脂等からなる液状物を用いてもよい。
【0023】
フェルト層20は、骨格となる繊維(骨格繊維)の太さが、2.2dtex以上22.23dtex以下であることが好ましく、3.3dtex以上18dtex以下であることがより好ましい。また、フェルト層20は、坪量が、フェルト層20全体で、100g/m以上1000g/m以下であることが好ましく、200g/m以上500g/m以下であることがより好ましい。これにより、フェルト層20を密にすることができ、後述する接着層40の合成樹脂がフェルト層20よりも畳表層30に溶融しやすくし、畳表層30の外周縁部2における接着性及び耐久性をより優れたものとすることができる。
【0024】
フェルト層20は、骨格繊維の含有率が、30質量%以上95質量%以下であることが好ましく、71質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。また、フェルト層20にバインダー樹脂を含有する場合のバインダー樹脂の含有率は、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、5%質量%以上29質量%以下であることがより好ましい。これにより、フェルト層20をより密にすることができ、後述する接着層40の合成樹脂がフェルト層20よりも畳表層30に溶融しやすくし、畳表層30の外周縁部2における接着性及び耐久性を更に優れたものとすることができる。
【0025】
また、バインダー樹脂を繊維状のものとする場合、バインダー樹脂の繊維の太さは、2.2dtex以上22.23dtex以下であることが好ましく、3.3dtex以上18dtex以下であることがより好ましい。
【0026】
フェルト層20は、厚さが、1mm以上8mm以下であることが好ましく、2mm以上5mm以下であることがより好ましい。また、フェルト層20は、フェルト層20全体で、密度が、10kg/m以上1000kg/m以下であることが好ましく、30kg/m以上500kg/m以下であることがより好ましい。これにより、本発明の畳表タイル1のように、薄型の畳表タイル1であっても、ござ等の他の畳表を備えるものと異なり、弾性も優れた畳表タイル1とすることができる。
【0027】
フェルト層20の製造方法としては、バインダー樹脂を含有し、当該バインダー樹脂が繊維状のものとする場合には、骨格繊維及びバインダー樹脂繊維を解繊し、これを積層した物(フリース)を熱プレス成形又は余熱冷却成形する方法が好適である。これにより、高い空隙率を有している割に反発性が良く荷重印加に対する復元性が良いフェルト層20とすることができる。
【0028】
バインダー樹脂がフェノール樹脂等のパウダーである場合には、骨格繊維を解繊し、これにパウダーを混合したものを積層した物(フリース)を熱プレス成形する方法が好適である。これにより、パウダー樹脂が硬化反応を生じて、比較的硬質なフェルト層20とすることができる。
【0029】
バインダー樹脂がアクリル樹脂及びウレタン樹脂等の液状物である場合には、液状物を骨格繊維に含浸させて固定する方法が好適である。これによれば、比較的柔軟なフェルト層20とすることができる。
【0030】
(畳表層)
本発明の第一の態様に係る畳表タイル1の畳表層30は、フェルト層20の表面側に位置する。これにより、畳表タイル1の表面を畳の外観とすることができる。
【0031】
畳表層30は、図1に示すように、経糸に緯糸30aが編織されているシート状のものであることが好ましい。畳表層30の厚さは、1mm以上8mm以下であることが好ましく、2mm以上6mm以下であることがより好ましい。これにより、薄型の畳表タイル1とすることができる。
【0032】
畳表層30は、撚りを有する筒状の糸を経糸及び緯糸30aで編織されていることが好ましく、糸は、井草、麻、綿、パルプ等であってもよく、ポリプロピレン等のポリオレフィン系合成樹脂等であってもよいが、撚りを有する紙の抄繊糸であることが好ましい。
【0033】
畳表層30の撚りを有する筒状の糸が、例えば紙の抄繊糸の場合には、針葉樹を主体とする繊維長の長い木材パルプを抄造し、坪量15g/m以上20g/m以下の薄葉紙を20mm以上40mm以下の幅に裁断し、中心部を空洞にして5巻以上15巻以下にて筒状に撚りをかけて作製することができる。
【0034】
また、紙の抄繊糸の場合に、畳表層30に耐摩耗性、撥水性、意匠性等の諸性能を付与するために、抄繊糸が、EVA樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂等の合成樹脂によるコート層を有していてもよい。
【0035】
畳表層30は、表面に意匠性を付与するために、染料や顔料等によって、形成された図柄や紋様を有していてもよく、経糸や緯糸30aを染料や顔料等で染色して形成された図柄や紋様を有していてもよい。
【0036】
(接着層)
本発明の第一の態様に係る畳表タイル1は、ベース層10及びフェルト層20を接着し、フェルト層20及び畳表層30を接着する合成樹脂からなる接着層40を有する。これにより、ベース層10及びフェルト層20を接着し、フェルト層20と畳表層30とを接着することができる。接着層40の合成樹脂としては、ベース層10とフェルト層20とを接着し、フェルト層20と畳表層30とを接着できるものであれば特に制限はなく、塩化ビニル系ホットメルト剤、ウレタン系ホットメルト剤等の接着剤あってもよいが、ウレタン系ホットメルト剤であることが好ましい。なお、接着層40は、図2に示すように、層としての厚さを有していてもよいが、図2はあくまでも本発明の畳表タイル1の態様の一つであり、ベース層10やフェルト層20や畳表層30の表層同士を接着するものであって、上述の畳表タイル1や後述するバリ部2aの厚さの範囲内の厚さであればよい。
【0037】
接着層40の合成樹脂に接着剤を用いる場合、ベース層10の表面側に塗布してもよく、フェルト層20の裏面側に塗布してもよいが、ベース層10の表面側に塗布することが好ましい。また、フェルト層20の表面側に塗布してもよく、畳表層30の裏面側に塗布してもよいが、畳表層30の裏面側に塗布することが好ましい。
【0038】
また、接着層40の合成樹脂に接着剤を用いる場合、接着剤の塗布量は、全体で、50g/m以上500g/m以下であることが好ましく、100g/m以上200g/m以下であることがより好ましい。
【0039】
(バリ部)
本発明の第一の態様に係る畳表タイル1は、図2に示すように、畳表タイル1の外周縁部2にバリ部2aを有し、バリ部2aは、ベース層10、接着層40、フェルト層20、接着層40及び畳表層30を熱圧着してなる。これにより、畳縁が無く、薄型で、かつ、畳表層30が畳表タイル1の側面及び裏面を覆うことが無くても、外周縁部2や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイル1とすることができる。ここで、畳表タイル1の角部であって、緯糸30aと垂直方向の拡大側面図である図2に示すように、緯糸30aと平行な外周縁部2では、緯糸30aと平行な断面が現れる。緯糸30aと平行な断面においては、畳表層30の表面が居住者や利用者の足や家具等と接触するだけでなく、畳表層30の外周縁部2や側面も居住者や利用者の足や家具等と接触することになるため、畳表タイル1の外周縁部2や側面の耐久性、特に、緯糸30a同士や、緯糸30aとフェルト層20との接着性や耐久性が問題となる。この点、畳表を有する畳や、畳表を有するが畳縁の無い畳であっても、畳芯材や畳床の側面に沿って畳表を裏面で固定させることで、畳の外周縁や端面において畳表のほつれをなくし、耐久性を確保している。ところが、畳表を畳芯材や畳床の側面に沿って畳表を裏面で固定させると、畳が厚くなり、床の一部に畳を設置すると、床と畳との間の段差が大きくなり、居住者や利用者が段差で躓くことを防止することに問題を生じる。ところが、本発明の第一の態様に係る畳表タイル1によれば、バリ部2aを有するため、畳表層30をベース層10やフェルト層20の側面に沿って畳表タイル1の裏面で固定させることなく、畳表タイル1の外周縁部2や側面の接着性、特に、緯糸30a同士や、緯糸30aとフェルト層20との接着性を十分なものとすることができる。そのため、薄型で、かつ、畳表タイル1の外周縁部2や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイル1とすることができる。
【0040】
バリ部2aは、図2に示すように、厚さが、0.5mm以上5mm以下であり、1mm以上3mm以下であることがより好ましい。これにより、外周縁部2や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイル1とすることができ、さらに、居住者や利用者が躓くことを防止することができる薄型の畳表タイル1とすることができる。また、バリ部2aは、幅が、0.01mm以上1mm以下であり、0.25mm以上0.5mm以下であることが好ましい。これにより、本発明の畳表タイル1を床に複数枚設置する場合に、畳表タイル1同士が床と平行な方向で接触する箇所にバリ部2aがあるために、当該接触する箇所での耐久性が良好な畳表タイル1とすることができる。さらに、本発明の畳表タイル1を床に複数枚設置する場合に、畳表タイル1同士の間隙は多くても2mm以下とすることができ、複数枚の畳表タイル1全体の外観が良好な薄型の畳表タイル1とすることができる。
【0041】
また、バリ部2aにおいては、ベース層10の厚さは1mm以上4mm以下であることが好ましく、フェルト層20の厚さは0.5mm以上3mm以下であることが好ましく、畳表層30の厚さは、0.5mm以上4mm以下であることが好ましい。
【0042】
なお、畳表タイル1における外周縁部2のバリ部2aの内側に、畳表タイル1の表面にいたるまで、曲がり部を有していてもよく、曲がり部は直角であってもよく、斜面形状、R面形状等であってもよい。
【0043】
[第二の態様]
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様に係る畳表タイル1を製造する方法であって、ベース層10、接着層40、フェルト層20、接着層40及び畳表層30を積層して積層体1aを形成する積層体形成工程と、積層体1aを表面側から熱圧着して、畳表タイル1の外周縁部2に対応する押圧部2bを形成する押圧部形成工程と、押圧部2bの形状を維持しながら外周縁部2を加熱することで押圧部2bにおけるフェルト層20のバインダー樹脂と接着層40の合成樹脂とを溶融させ、冷却をする溶着工程と、積層体1aの押圧部2bを切断し、バリ部2aを形成し、バリ部2aの幅を0.01mm以上1mm以下とするバリ部形成工程と、を有する畳表タイル1の製造方法である。
【0044】
<積層体形成工程>
本発明の第二の態様に係る畳表タイル1の製造方法は、図3(1)に示すように、ベース層10、フェルト層20、接着層40及び畳表層30を積層して積層体1aを形成する積層体形成工程を有する。これにより、畳縁の無い本発明の畳表タイル1であっても、積層体1aの層間の接着強度が良好な畳表タイル1とすることができる。
【0045】
積層体形成工程では、ベース層10、接着層40、フェルト層20、接着層40及び畳表層30を、この順に積層し、圧着固定させることで積層体1aを形成する。ここで、積層体1aは、あらかじめフェルト層20、接着層40及び畳表層30を固定圧着した後に接着層及びベース層20と固定圧着してもよく、ベース層10、接着層40、フェルト層20、接着層40及び畳表層30を同時に固定圧着してもよい。
【0046】
また、フェルト層20、接着層40及びフェルト層30の固定圧着は、例えば次のようにして行うことができる。畳表層30の裏面へウレタン系ホットメルト剤を50g/m200g/m以下塗布し、その上にフェルト層20をプレスロール等で固定圧着することができる。接着剤はロールコート、フローコート、カーテンコート、スプレーコート等により塗布することができる。これにより、均一な面上塗布が可能となる。
【0047】
<押圧部形成工程>
本発明の第二の態様に係る畳表タイル1の製造方法は、図3(2)に示すように、畳表タイル1の外周縁部2に対応する部分を表面側から熱圧着して、押圧部2bを形成する押圧部形成工程を有する。これにより、畳表タイル1の外周縁部2において、積層体1aを良好に接着することができ、外周縁部2や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイル1とすることができる。
【0048】
押圧部形成工程では、畳表タイル1の外周縁部2に対応する部分を、押圧刃100により、畳表タイル1の表面側から熱圧着することが好ましく、押圧刃100は70℃以上150℃以下に加温されていることがより好ましい。これにより、接着性及び耐久性に優れたバリ部2aを形成することができる。
【0049】
<溶着工程>
本発明の第二の態様に係る畳表タイル1の製造方法は、押圧部2bの形状を維持しながら押圧部2bを加熱することで押圧部2bにおけるフェルト層20のバインダー樹脂と接着層40の合成樹脂とを溶融させ、冷却をする溶着工程を有する。これにより、押圧部2bにおける積層体1aの接着強度をより良好なものとすることができ、フェルト層20の密度も高くすることができる。また、図3(2)の拡大図である図3(3)に示すように、これにより、バリ部2aに相当する部分である押圧部2bの厚さを0.5mm以上5mm以下とすることができ、薄型の畳表タイル1とすることができる。
【0050】
溶着工程では、押圧部2bを、押圧刃100により、積層体1aの表面側から溶着させることが好ましい。また、接着層40にウレタン系ホットメルト剤を用いた場合には、押圧刃100を用いた高周波誘導加熱によって、押圧部2bにおける積層体1aを溶着させることが好ましい。これにより、接着層40のウレタン系ホットメルト剤はもちろん、フェルト層20のバインダー樹脂を溶融することができ、押圧部2bの接着強度を良好なものとすることができる。
【0051】
さらに、接着層40にウレタン系ホットメルト剤を用いた場合には、およそ2日以上7日以下をかけて、押圧部2bを冷却させることが好ましい。これにより、ウレタン系ホットメルト剤は、湿気硬化型ホットメルト剤のため、溶融後、大気中に含まれる水分と架橋反応させることができ、接着強度と耐久性に優れた畳表タイル1とすることができる。
【0052】
<切断工程>
本発明の第二の態様に係る畳表タイル1の製造方法は、図3(4)に示すように、押圧部2bを切断刃101で切断し、バリ部2aを形成し、バリ部2aの幅を0.01mm以上1mm以下とするバリ部形成工程を有する。これにより、本発明の畳表タイル1を床に複数枚設置する場合に、畳表タイル1同士が床と平行な方向で接触する箇所にバリ部2aがあるために、当該接触する箇所での耐久性が良好な畳表タイル1とすることができる。さらに、畳縁の無い本発明の薄型畳表タイル1であっても、外周縁部2や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイル1とすることができる。また、本発明の第二の態様による製造方法による畳表タイル1を床に複数枚設置する場合に、畳表タイル1同士の間隙を少なくすることができ、複数枚の畳表タイル1全体の外観を良好なものとすることができる。
【0053】
また、押圧部形成工程、溶着工程及びバリ部形成工程において、熱圧着、溶着及び切断をそれぞれ押圧切断刃で行うことが好ましい。
【実施例】
【0054】
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0055】
[実施例1]
ベース層として、ポリ塩化ビニルが100重量部と、ジオクチルフタレートが80重量部と、炭酸カルシウムが260重量部であり、厚さが2.5mmのベース層を作製した。
【0056】
フェルト層として、骨格繊維がポリエチレンテレフタレート繊維からなり、バインダー樹脂が低融点ポリエチレンテレフタレート繊維からなるものを作製した。骨格繊維は、75重量%、17dtexであり、バインダー樹脂は、25重量%、4.4dtexであった。また、フェルト層の坪量は250g/mであり、密度は160kg/mであった。
【0057】
畳表層に使用する、撚りを有する筒状の抄繊糸は、針葉樹パルプを抄造し、坪量15g/m以上20g/m以下の薄葉紙を20mm以上40mm以下の幅に裁断し、中心部を空洞にして1巻以上15巻以下にて筒状に撚りをかけて作製した。当該糸を、経糸及び緯糸として、編織した畳表を作製した。
【0058】
フェルト層の表面側に、ウレタン系ホットメルト剤を50g/m以上200g/m以下塗布し、畳表を積層し、ベース層の表面側にフェルト層を積層し、プレスロールにて圧着して積層体を作製した。
【0059】
5KW同時溶断高周波ウェルダー機(シリンダー圧10t)に、厚さ0.7mmの電極刃(押圧切断刃)を25cm角に作製した金型を、設置した。電極刃で畳表タイルの外周縁部に対応する部分を上下方向に熱圧着して厚さ減少させることで、押圧部を形成した。さらに、押圧部の形状を維持しながら押圧部を溶着することで押圧部の少なくとも一部を溶融させて、押圧部におけるフェルト層の密度を増加させた。続いて、電極刃を用いて積層体の押圧部を溶断により切断し、バリ部を形成した。なお、自然放冷により冷却することで押圧部を硬化させて形状固定させ、溶断の際の条件を、0.5A、6秒とした。なお、電極刃を押圧部に合わせた形状として押圧部を形成してもよく、電極刃を複数枚にして押圧部を形成してもよい。
【0060】
これにより、平面寸法が25cm角で、畳表タイルの中心部の厚さが約5mmで、バリ部の厚さが約2mm、幅が0.2mmの畳表タイルが得られ、薄型で、かつ、畳表タイルの外周縁や側面の接着性及び耐久性に優れた畳表タイル及び当該畳表タイルの製造方法とすることができた。また、畳表タイル中心部におけるフェルト層の厚さは1.9mmであり、バリ部におけるフェルト層の厚さは0.2mmであった。
【符号の説明】
【0061】
1 畳表タイル
1a 積層体
2 外周縁部
2a バリ部
2b 押圧部
10 ベース層
20 フェルト層
30 畳表層
30a 緯糸
40 接着層
100 押圧刃
101 切断刃
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2017年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂からなるベース層と、ベース層の表面側に位置するフェルト層と、フェルト層の表面側に位置する畳表層と、前記ベース層及び前記フェルト層を接着し、前記フェルト層及び前記畳表層を接着する合成樹脂からなる接着層と、を有する畳表タイルであって、
前記畳表タイルは、前記畳表タイルの外周縁部にバリ部を有し、
前記畳表タイルは、厚さが3mm以上10mm以下であり、
前記バリ部は、厚さが0.5mm以上5mm以下で、幅が0.01mm以上1mm以下であり、
前記フェルト層の骨格となる繊維の含有率が71質量%以上95質量%以下であり、前記フェルト層に含有されるバインダー樹脂の含有率が5質量%以上21質量%以下であり、
前記バリ部は、前記ベース層、前記フェルト層、前記接着層及び前記畳表層を熱圧着してなる畳表タイル。
【請求項2】
前記フェルト層の骨格となる繊維の太さが2.2dtex以上22.23dtex以下であり、前記フェルト層の坪量が100g/m以上1000g/m以下である、請求項1に記載の畳表タイル。
【請求項3】
前記畳表層が、撚りを有する筒状の抄繊糸を経糸及び緯糸とする畳表である、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の畳表タイル。
【請求項4】
請求項1からのいずれかに記載の畳表タイルを製造する方法であって、
ベース層、接着層、フェルト層、接着層及び畳表層を積層して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体を表面側から熱圧着して、前記畳表タイルの外周縁部に対応する押圧部を形成する押圧部形成工程と、
前記押圧部の形状を維持しながら前記押圧部を加熱することで前記押圧部における前記フェルト層のバインダー樹脂と前記接着層の合成樹脂とを溶融させ、冷却をする溶着工程と、
前記積層体の押圧部を切断し、バリ部を形成し、バリ部の幅を0.01mm以上1mm以下とするバリ部形成工程と、を有する畳表タイルの製造方法。
【請求項5】
前記押圧部形成工程、前記溶着工程及び前記バリ部形成工程において、前記熱圧着、前記加熱及び前記切断をそれぞれ押圧切断刃で行い、
前記溶着工程における加熱において、高周波誘導加熱を行う、請求項に記載の畳表タイルの製造方法。