特開2018-91231(P2018-91231A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-91231(P2018-91231A)
(43)【公開日】2018年6月14日
(54)【発明の名称】排水ポンプ及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/66 20060101AFI20180518BHJP
   F04D 1/14 20060101ALI20180518BHJP
   F04D 29/62 20060101ALI20180518BHJP
   H02K 5/24 20060101ALI20180518BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20180518BHJP
【FI】
   F04D29/66 D
   F04D1/14
   F04D29/62 A
   H02K5/24 A
   F24F1/00 361F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-235307(P2016-235307)
(22)【出願日】2016年12月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】濱田 正吾
(72)【発明者】
【氏名】日下 直樹
(72)【発明者】
【氏名】冨田 沙祈子
【テーマコード(参考)】
3H130
3L050
5H605
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AB02
3H130AB22
3H130AB42
3H130AC12
3H130BA16G
3H130BA24G
3H130BA24Z
3H130CA24
3H130DA02Z
3H130DD01Z
3H130DJ06X
3H130EA06Z
3H130EC08Z
3H130EC09Z
3L050BF02
5H605AA04
5H605AA05
5H605BB05
5H605BB09
5H605CC03
5H605DD01
5H605EA09
5H605EA13
5H605FF06
5H605FF08
5H605GG06
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】空気調和機用の排水ポンプにおいて、モータ部20の振動による影響を低減するブッシュ1をブラケット30Aに対する取り付け構造を改良し、二色成型等を無くす。
【解決手段】ポンプ本体部10と上部カバー30とによりモータ部20を挟持して固定する。上部カバー30の外周にブラケット30Aを形成する。ブラケット30Aの先端部にC型の保持部30cを形成する。保持部30cにブッシュ1の括れ部13(被保持部)を嵌め込んで、ブラケット30Aの先端部にブッシュ1を保持する。ブッシュ1のネジ孔14を介してネジNによりユニット天板に固定する。上部カバー30の上面に当接突起部2を設ける。当接突起部2の弾性脚座22をユニット天板50に当接させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部の上方を覆う上部カバーを備え、上方に位置する取付対象部に対して締結部材により取り付けられる排水ポンプであって、
前記上部カバーと一体でかつ該上部カバーから突出したブラケットと、
前記ブラケットと別体でかつ該ブラケットに保持される弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、
前記取付対象部に当接する第1当接部と、
前記締結部材が当接する第2当接部と、
前記第1当接部と前記第2当接部との間にて前記ブラケットの先端部に保持される被保持部と、
前記第1当接部と前記第2当接部とに亘って前記締結部材を貫通させる貫通孔と、
を備えたことを特徴とする排水ポンプ。
【請求項2】
前記弾性部材の前記被保持部は、前記第1当接部と前記第2当接部よりも小径であることを特徴とする請求項1に記載の排水ポンプ。
【請求項3】
前記弾性部材の前記第1当接部の径は、前記第2当接部の径以上である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の排水ポンプ。
【請求項4】
前記弾性部材の前記第1当接部は、径の寸法が当該第1当接部の高さ寸法より大きい全体円盤状であることを特徴とする請求項3に記載の排水ポンプ。
【請求項5】
前記弾性部材の前記第1当接部は、ボス部と、ボス部と同一径またはボス部より大径の締結面部をさらに備えることを特徴とする請求項3または4に記載の排水ポンプ。
【請求項6】
前記弾性部材の前記第2当接部は、ボス部と、ボス部と同一径またはボス部より小径の締結部材接触面部をさらに備え、前記締結部材接触面部の先端に前記締結部材が当接されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排水ポンプ。
【請求項7】
前記第2当接部の前記締結部材接触面部は、前記被保持部から離れる方向に先細りとなるテーパ部を有することを特徴とする請求項6に記載の排水ポンプ。
【請求項8】
前記ブラケットは、その先端部に前記弾性部材の前記被保持部を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記被保持部の抜け止めが形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の排水ポンプ。
【請求項9】
前記ブラケットの前記保持部は、前記被保持部を装着する装着部と入口部とを備え、前記入口部には、前記被保持部の径より狭い箇所を有することを特徴とする請求項8に記載の排水ポンプ。
【請求項10】
前記ブラケットの基端部には、前記上部カバーの上面に連結される第1リブと、前記上部カバーの側面に連結される第2リブと、が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の排水ポンプ。
【請求項11】
室内熱交換器、室外熱交換器、絞り装置及び圧縮機を含む冷媒回路を備えた空気調和機であって、
前記室内熱交換器が設けられた室内ユニット内に請求項1乃至10のいずれか一項に記載の排水ポンプを備えたことを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機のドレンパンに溜まった水を排水するための排水ポンプ、この排水ポンプを備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機用の排水ポンプとして、例えば特開2013−15097号公報(特許文献1)に開示されたものがある。この種の排水ポンプは、モータによりポンプ室のインペラを回転することで、ポンプ室下部の吸込み口からドレンパンの水を吸引し、ポンプ室側部の吐出し口から水を外部に排水するものである。また、排水ポンプは、モータ部の上部のケースに設けたユニット取付部(ブラケット)により空気調和機の室内機内部のユニット天板に対し固定される。
【0003】
このため、モータから発生する振動が空気調和機の室内機に伝達して騒音を出し、静音性を悪化させるという問題がある。そこで、特許文献1のものは、ユニット天板に固定するユニット取付部に二色成型により、弾性部材を設けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−15097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のものは、ブラケット(ユニット取付部)に対して、弾性部材を二色成型により設けるようにしている。しかしながら、二色成型によると、特に、ブラケットと弾性部材とがそれぞれの材質の溶融温度の差が大きい場合、片方の材料が溶けてしまうという問題や、劣化を促進させてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、モータ部等の駆動部に上部カバーを有するとともに、この上部カバーのブラケットで空気調和機のユニット天板に固定するようにした排水ポンプにおいて、二色成型による部材の劣化等を解消できる排水ポンプを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の排水ポンプは、駆動部の上方を覆う上部カバーを備え、上方に位置する取付対象部に対して締結部材により取り付けられる排水ポンプであって、前記上部カバーと一体でかつ該上部カバーから突出したブラケットと、前記ブラケットと別体でかつ該ブラケットに保持される弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記取付対象部に当接する第1当接部と、前記締結部材が当接する第2当接部と、前記第1当接部と前記第2当接部との間にて前記ブラケットの先端部に保持される被保持部と、前記第1当接部と前記第2当接部とに亘って前記締結部材を貫通させる貫通孔と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の排水ポンプは、請求項1に記載の排水ポンプであって、前記弾性部材の前記被保持部は、前記第1当接部と前記第2当接部よりも小径であることを特徴とする。
【0009】
請求項3の排水ポンプは、請求項1または2に記載の排水ポンプであって、前記弾性部材の前記第1当接部の径は、前記第2当接部の径以上であることを特徴とする。
【0010】
請求項4の排水ポンプは、請求項3に記載の排水ポンプであって、前記弾性部材の前記第1当接部は、径の寸法が当該第1当接部の高さ寸法より大きい全体円盤状であることを特徴とする。
【0011】
請求項5の排水ポンプは、請求項3または4に記載の排水ポンプであって、前記弾性部材の前記第1当接部は、ボス部と、ボス部と同一径またはボス部より大径の締結面部をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6の排水ポンプは、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排水ポンプであって、前記弾性部材の前記第2当接部は、ボス部と、ボス部と同一径またはボス部より小径の締結部材接触面部をさらに備え、前記締結部材接触面部の先端に前記締結部材が当接されることを特徴とする。
【0013】
請求項7の排水ポンプは、請求項6に記載の排水ポンプであって、前記第2当接部の前記締結部材接触面部は、前記被保持部から離れる方向に先細りとなるテーパ部を有することを特徴とする。
【0014】
請求項8の排水ポンプは、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の排水ポンプであって、前記ブラケットは、その先端部に前記弾性部材の前記被保持部を保持する保持部を有し、前記保持部は、前記被保持部の抜け止めが形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項9の排水ポンプは、請求項8に記載の排水ポンプであって、前記ブラケットの前記保持部は、前記被保持部を装着する装着部と入口部とを備え、前記入口部には、前記被保持部の径より狭い箇所を有することを特徴とする。
【0016】
請求項10の排水ポンプは、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の排水ポンプであって、前記ブラケットの基端部には、前記上部カバーの上面に連結される第1リブと、前記上部カバーの側面に連結される第2リブと、が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項11の空気調和機は、室内熱交換器、室外熱交換器、絞り装置及び圧縮機を含む冷媒回路を備えた空気調和機であって、前記室内熱交換器が設けられた室内ユニット内に請求項1乃至10のいずれか一項に記載の排水ポンプを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の排水ポンプによれば、別体の弾性部材をブラケットに保持することで、二色成型による部材の劣化等の問題を解消できる。
【0019】
請求項2の排水ポンプによれば、請求項1の効果に加えて、弾性部材が軸方向に抜けることがなく、ブラケットにより弾性部材を確実に保持することができる。
【0020】
請求項3の排水ポンプによれば、請求項1または2の効果に加えて、第1当接部の径は第2当接部の径以上であるので、排水ポンプの取付状態で、ネジ等の締結部材で締め付けてもこの第1当接部の締結面部の面圧が小さくて第1当接部が潰れにくい。したがって、所定の高さに取り付けることが可能となるとともに、耐久性を確保できる。
【0021】
請求項4の排水ポンプによれば、請求項3の効果に加えて、弾性部材の第1当接部の径の寸法が高さ寸法より大きい全体円盤状であり、排水ポンプの取付状態で、この第1当接部がさらに潰れにくい。
【0022】
請求項5の排水ポンプによれば、請求項3または4の効果に加えて、弾性部材の前記第1当接部は、ボス部と、ボス部と同一径またはボス部より大径の締結面部により、排水ポンプの取付状態で、この第1当接部がさらに潰れにくい。
【0023】
請求項6の排水ポンプによれば、請求項1乃至5のいずれか一項の効果に加えて、排水ポンプの取付状態で、ネジ等の締結部材が第2当接部のボス部より小径の締結部材接触面部に当接し、この締結部材接触面部が潰されることにより、第2当接部のブラケットに対する面圧が大きくなり、取付強度が向上する。
【0024】
請求項7の排水ポンプによれば、請求項6の効果に加えて、排水ポンプの取付状態で、ネジ等の締結部材が第2当接部のテーパ部に当接し、このテーパ部が潰されることにより、第2当接部のブラケットに対する面圧が大きくなり、取付強度が向上する。
【0025】
請求項8の排水ポンプによれば、請求項1乃至7のいずれか一項の効果に加えて、ブラケットの先端部の抜け止めにより、弾性部材がブラケットから抜け難くなる。
【0026】
請求項9の排水ポンプによれば、請求項8の効果に加えて、ブラケットの保持部に対して、入口部から弾性部材の被保持部を装着部に圧入するだけで、弾性部材をブラケットに容易に保持させることができる。
【0027】
請求項10の排水ポンプによれば、ブラケットには第1リブと第2リブとが設けられているので、ブラケットの強度を確保できる。
【0028】
請求項11の空気調和機によれば、請求項1乃至10のいずれか一項と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態の排水ポンプの斜視図である。
図2】実施形態の排水ポンプの側面図である。
図3】実施形態における弾性部材としてのブッシュを示す図である。
図4】実施形態におけるブラケットを示す図である。
図5】実施形態における当接突起部とブッシュとの高さを説明する図である。
図6】実施形態の変形例1の排水ポンプの斜視図である。
図7】実施形態の変形例1の排水ポンプの側面図である。
図8】実施形態の変形例2の排水ポンプの斜視図である。
図9】実施形態の変形例2の排水ポンプの側面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の排水ポンプの実施形態を図面を参照して説明する。図1は実施形態の排水ポンプの斜視図、図2は同排水ポンプの側面図である。
【0031】
この排水ポンプは、ポンプ部本体10、DCブラシレスモータ等からなる「駆動部」としてのモータ部20と、上部カバー30とを備えている。ポンプ部本体10は薄型円筒形のポンプ室ケース10Aと円柱形状の蓋ケース10Bとを有している。ポンプ室ケース10Aには、空気調和機のドレンパン40内に配置される吸込み口10A1と、図示しない排出管が接続される吐出し口10A2とが形成されている。また、ポンプ室ケース10Aの外周の2箇所には嵌合部10A3形成され、この嵌合部10A3を蓋ケース10Bの下端部にスナップフィットすることによりポンプ室ケース10Aも蓋ケース10Bが固定されている。また、蓋ケース10Bの外周の上部2箇所には取付けアーム10B1が形成されている。なお、ポンプ室ケース10A内には図示しないインペラが配設されている。
【0032】
モータ部20は、回路基板やステータを内蔵して樹脂により一体成形された樹脂モールド部201を有している。上部カバー30は薄型で円形蓋状の形状をしており、その外周にはフック301が形成されている。そして、モータ部20の樹脂モールド部201に上部カバー30が嵌合され、上部カバー30のフック301を蓋ケース10Bの取付けアーム10B1に係止することにより、モータ部20と上部カバー30が蓋ケース10Bに取り付け固定されている。なお、モータ部20の駆動軸(出力軸)は蓋ケース10B内を通してポンプ室ケース10A内まで延設され、その端部はポンプ室ケース10A内のインペラに連結されている。そして、モータ部20によりインペラを回転することで吸込み口10A1からドレンパン40の水を吸引し、吐出し口10A2から水を外部に排水する。
【0033】
上部カバー30の上端の外周寄りで180°離間した2箇所には、この上部カバー30と一体になったブラケット30A,30Aが形成されている。このブラケット30Aの上部カバー30側の基端部には、上部カバー30の上面に連結される第1リブ30aと、上部カバー30の側面に連結される第2リブ30bとが設けられている。そして、ブラケット30Aの先端部には「弾性部材」としてのゴム製のブッシュ1が嵌合されている。
【0034】
図3に示すように、ブッシュ1は、上端に第1当接部11を有するとともに下端に第2当接部12を有している。また、第1当接部11と第2当接部12との中間部に「被保持部」としての括れ部13を有している。また、ブッシュ1の中心には、第1当接部11から第2当接部12に亘って貫通する「貫通孔」としてのネジ孔14が形成されている。
【0035】
第1当接部11は円盤状の締結面部11aと円柱状のボス部11bとからなる。また、第2当接部12は、「締結部材接触面部」として、括れ部13から離れる方向に先細りとなる円錐台状のテーパ部12aと、円柱状のボス部12bとからなる。さらに、括れ部13は、第1当接部11及び第2当接部12より小径である。第1当接部11の締結面部11aの径の寸法が高さ寸法(軸L方向の長さ)より大きくなっている。この径の寸法は高さ寸法の2倍以上がよい。
【0036】
図4に示すように、ブラケット30Aの先端部には、外側に開口した入口部30eとその奥に括れ部13(被保持部)を装着する装着部30dを備えたC型の保持部30cが形成されており、入口部30eの開口幅は、括れ部13(被保持部)の外径よりも小さくなっており、ブッシュ1の抜け止めの機能を備えている。そして、この保持部30cにブッシュ1の括れ部13を嵌め込むことにより、ブッシュ1がブラケット30Aに保持されている。なお、ここではC型を例示したが、入口部に被保持部の外径より狭い抜け止め箇所のあるものであれば良く、C型に限定されるものではない。
【0037】
上部カバー30の上面には、2つのブラケット30Aから90°離間した2箇所に当接突起部2,2が設けられている。この当接突起部2,2は、上部カバー30と一体になったボス部21と、このボス部21の上端に設けられボス部21と別体の弾性脚座22とで構成されている。弾性脚座22はゴム製等であり、図5に示すように、この弾性脚座22の上端面の高さは、自然状態(非取付時)で、ブッシュ1(第1当接部11)の上面より高くなっている。なお、弾性脚座22とブッシュ1とは同一の高さでもよい。
【0038】
以上の構成により、当該排水ポンプを室内ユニットに取り付けるとき、ブッシュ1の第1当接部11の締結面部11aがユニット天板50に当接される。また、当接突起部2,2の弾性脚座22がユニット天板50に当接される。そして、排水ポンプは、締結面部11aと弾性脚座22とをユニット天板50に当接させた状態で、「締結部材」としてのネジNをネジ孔14を貫通させてネジ止めすることにより、ユニット天板50に固定される。前記図5に示すように、自然状態(非取付時)では弾性脚座22の上端面の高さは第1当接部11の上面より高くなっているが、上記のようにユニット天板50に固定した状態では、弾性脚座22の弾性変形により、この弾性脚座22の上端面の高さと第1当接部11の上面の高さは同一となる。
【0039】
以上のように、実施形態の排水ポンプは、モータ部20の上方を覆う上部カバー30を備え、上方に位置するユニット天板50に対してネジNにより取り付けられる。また、上部カバー30と一体でかつ上部カバー30から突出したブラケット30Aと、ブラケット30Aと別体でかつブラケット30Aに保持されるブッシュ1と、を備えている。そして、ブッシュ1は、ユニット天板50に当接する第1当接部11と、ネジNが当接する第2当接部12と、第1当接部11と第2当接部12との間にてブラケット30Aの先端部に保持される括れ部13と、第1当接部11と第2当接部12とに亘ってネジNを貫通させるネジ孔14と、を備えている。
【0040】
このように、排水ポンプは、弾性部材であるブッシュ1を介してユニット天板50に固定されるので、モータ部20の振動の伝達を低減して防振効果が得られる。そして、ブッシュ1がブラケット30Aとは別体であり、このブッシュ1がブラケット30に保持される構造になっているので、例えば二色成型等による前述の問題も生じない。また、ブッシュ1の括れ部13が第1当接部11及び第2当接部12より小径であるので、ブッシュ1が軸方向に抜けることがなく、保持力を確保することができる。また、第1当接部11の径の寸法が大きいので、ネジNで締め付けても締結面部11aの面圧が小さく、第1当接部11が潰れにくい。したがって、所定の高さに取り付けることが可能となる。これにより、ドレンパンの内底面から、排水ポンプの吸込み口10A1の開口面の高さが一定に保持され、排水ポンプの能力が確保されるとともに、耐久性を確保できる。
【0041】
また、排水ポンプ100のユニット天板50への取付状態で、ネジNのネジ頭が第2当接部12のテーパ部12aに当接し、このテーパ部12aが潰されることにより、第2当接部12のブラケット30Aに対する面圧が大きくなり、取付強度が向上する。また、ブッシュ1の括れ部13がブラケット30AのC型の保持部30cで保持されるので、横方向に抜けにくく、保持力を確保することができる。また、ブラケット30Aには第1リブ30aと第2リブ30bとが設けられているので、このブラケット30Aの強度を確保できる。
【0042】
また、この実施形態では、ブラケット30Aと当接突起部2は最低でも1つずつでもよく、このブラケット30A及び当接突起部2によってユニット天板50に取り付けられるので、設置工数や、部材数量が少ない場合でも、水平出しが可能となる。また、当接突起部2は一つでもよく、ブラケット30A及び当接突起部2が合わせて3箇所になるので、例えばブラケット30Aが最大2箇所となり、設置工数や部品数量が少なくてよい。
【0043】
また、当接突起部2の上端部を、ブラケット30A側の締結面部11aのよりも高い位置に設けるられているので、当接突起部2をユニット天板50に押しつけて、確実に固定することができる。また、当接突起部2が上部カバー30の上面の範囲内に設けられているので、水平投影面積が小さくなり、設置場所の制約を低減することができる。
【0044】
図6は実施形態の変形例1の排水ポンプの斜視図、図7は変形例1の排水ポンプの側面図である。なお、以下の変形例において、前記実施形態と同様な要素には図1乃至図5と同符号を付記して重複する説明は適宜省略する。
【0045】
この変形例1では、実施形態における2箇所の当接突起部2,2に代えて、上部カバー30に円弧状の当接突起部3を形成したものである。この当接突起部3は、上部カバー30と一体になった横長のボス部31と、このボス部31の上端に設けられボス部21と別体の弾性脚座32とで構成されている。弾性脚座32はゴム製等であり、実施形態と同様に、弾性脚座32の上端面の高さは、自然状態(非取付時)で、ブッシュ1(第1当接部11)の上面より高くなっている。この変形例1でも実施形態と同様な効果が得られる。
【0046】
図8は実施形態の変形例2の排水ポンプの斜視図、図9は変形例2の排水ポンプの側面図である。この変形例2では、実施形態における2箇所の当接突起部2,2を無くし、2つのブラケット30A,30Aと、これらの先端部に保持されたブッシュ1,1とにより、排水ポンプをユニット天板50に取付固定するものである。この変形例2でも、ブッシュ1による実施形態と同様な効果がえられる。この変形例2のように、ブラケット30Aとブッシュ1のみとした場合、このブラケット30Aとブッシュ1の組みを、上部ケース30の周囲に3組設けるようにしてもよい。
【0047】
以下に、本発明の一実施形態に係る空気調和機について、図10を参照して説明する。図10は本発明の一実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す図である。この空気調和機は、例えば、家屋や商業施設などに設けられるエアコン等として用いられる。
【0048】
この空気調和機は、室内熱交換器110と、室外熱交換器120と、絞り装置130と、圧縮機140と、流路切換弁150とを含む冷凍サイクルを備えている。室内熱交換器110は室内ユニット200内に設けられ、室外熱交換器120と、絞り装置130と、圧縮機140と、流路切換弁150は、室外ユニット300内に設けられている。
【0049】
空気調和機の冷凍サイクルの流路は流路切換弁150により「冷房モード」および「暖房モード」の2通りの流路に切換えられる。冷房モードでは、図10に実線の矢印で示すように、圧縮機140で圧縮された冷媒は流路切換弁150から室外熱交換器120に流入され、絞り装置130に流入される。そして、この絞り装置130で冷媒が膨張され、室内熱交換器110に流入される。この室内熱交換器110に流入された冷媒は、流路切換弁150を介して圧縮機140に流入される。一方、暖房モードでは、図10に破線の矢印で示すように、圧縮機140で圧縮された冷媒は流路切換弁150から室内熱交換器110に流入され、絞り装置130に流入される。そして、この絞り装置130で冷媒が膨張され、室外熱交換器120、流路切換弁150、圧縮機140の順に循環される。
【0050】
冷房モードでは、室外熱交換器120が凝縮器として機能し、室内熱交換器110が蒸発器として機能し、室内の冷房がなされる。また、暖房モードでは、室外熱交換器120が蒸発器として機能し、室内熱交換器110が凝縮器として機能し、室内の暖房がなされる。
【0051】
室内ユニット200は、室内熱交換器110の下方にドレンパン40を備えるとともに、前記実施形態、変形例1及び変形例2の排水ポンプ100が天板50に取り付けられ、この排水ポンプ100を制御する制御装置210を備えている。排水ポンプ100の吸込み管部10A1はドレンパン40内に配置され、インペラの回転により、吸込み管部10A1からドレンパン40に溜まったドレン水を吸引し、吸引したドレン水を吐出し口10A2から吐出する。この吐出し口10A2には排出管が接続されており、室内ユニット200(空気調和機)から離れた位置に排水される。
【0052】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 ブッシュ(弾性部材)
11 第1当接部
11a 締結面部
11b ボス部
12 第2当接部
12a テーパ部(締結部材接触面部)
12b ボス部
13 括れ部(被保持部)
14 ネジ孔(貫通孔)
10 ポンプ部本体
20 モータ部(駆動部)
30 上部カバー
30A ブラケット
30a 第1リブ
30b 第2リブ
30c 保持部
30d 装着部
30e 入口部
50 ユニット天板
2 当接突起部
21 ボス部
22 弾性脚座
3 当接突起部
31 ボス部
32 弾性脚座
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10