【解決手段】情報処理装置であって、車両の運転者の生体情報を取得する生体情報取得部101と、車両の車両情報を取得する車両情報取得部102と、車両に取り付けられた撮像部から、車両を含む車両の周囲画像を取得する周囲画像取得部103と、生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組を記憶する記憶部104と、複数の組に基づいて、運転者の運転操作および車両の挙動と、事故の発生と、の関連を解析する解析部105と、関連に基づいて、事故の発生した状況を含む運転シミュレーションを生成する生成部106と、を備えた。
前記解析手段は、さらに、前記複数の組から前記生体情報の変化を抽出し、抽出した前記生体情報の変化に基づいて、前記運転者が事故発生の危険を察知したタイミングを推定するタイミング推定手段を備え、
前記生成手段は、さらに、前記タイミングに基づいて、運転シミュレーションを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
前記解析手段は、さらに、前記複数の組に基づいて、前記運転者が事故発生の危険を察知してから運転操作を開始するまでの運転操作開始時間と、前記運転操作の操作量と、を解析する時間操作量解析手段を備え、
前記生成手段は、さらに、前記運転操作開始時間と前記操作量とに基づいて、運転シミュレーションを生成する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記車両情報は、前記車両の速度、ハンドル舵角、アクセル開放度、エンジン回転数、ブレーキ踏力および前記車両の加速度のうち少なくとも1つを含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、運転者の生体情報を用いていないので、高度化された運転シミュレーションを生成することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
車両の運転者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両に取り付けられた撮像手段から、前記車両を含む前記車両の周囲画像を取得する周囲画像取得手段と、
前記生体情報、前記車両情報および前記周囲画像の複数の組を記憶する記憶手段と、
前記複数の組に基づいて、前記運転者の運転操作および前記車両の挙動と、事故の発生または生体情報の急変と、の関連を解析する解析手段と、
前記関連に基づいて、事故の発生する状況または生体情報が急変する状況を含む運転シミュレーションを生成する生成手段と、
を備えた。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
車両の運転者の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記車両の車両情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記車両に取り付けられた撮像手段から、前記車両を含む前記車両の周囲画像を取得する周囲画像取得ステップと、
前記生体情報、前記車両情報および前記周囲画像の複数の組を記憶する記憶ステップと、
前記複数の組に基づいて、前記運転者の運転操作および前記車両の挙動と、事故の発生または生体情報の急変と、の関連を解析する解析ステップと、
前記関連に基づいて、事故の発生する状況または生体情報が急変する状況を含む運転シミュレーションを生成する生成ステップと、
を含む。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理プログラムは、
車両の運転者の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記車両の車両情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記車両に取り付けられた撮像手段から、前記車両を含む前記車両の周囲画像を取得する周囲画像取得ステップと、
前記生体情報、前記車両情報および前記周囲画像の複数の組を記憶する記憶ステップと、
前記複数の組に基づいて、前記運転者の運転操作および前記車両の挙動と、事故の発生または生体情報の急変と、の関連を解析する解析ステップと、
前記関連に基づいて、事故の発生する状況または生体情報が急変する状況を含む運転シミュレーションを生成する生成ステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、運転者の生体情報を用いるので、高度化された運転シミュレーションを生成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、
図1を用いて説明する。情報処理装置100は、生体情報を利用して運転シミュレーションを生成する装置である。
【0013】
図1に示すように、情報処理装置100は、生体情報取得部101と、車両情報取得部102と、周囲画像取得部103と、記憶部104と、解析部105と、生成部106と、を含む。生体情報取得部101は、車両の運転者の生体情報を取得する。車両情報取得部102は、車両の車両情報を取得する。周囲画像取得部103は、車両に取り付けられた撮像部から、車両を含む車両の周囲画像を取得する。
【0014】
記憶部104は、生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組を記憶する。解析部105は、複数の組に基づいて、運転者の運転操作および車両の挙動と、事故の発生または生体情報の急変と、の関連を解析する。生成部106は、関連に基づいて、事故の発生する状況または生体情報が急変する状況を含む運転シミュレーションを生成する。
【0015】
本実施形態によれば、運転者の生体情報を用いるので、高度化された運転シミュレーションを生成することができる。
【0016】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理装置について、
図2A乃至
図6を用いて説明する。
図2Aおよび
図2Bは、本実施形態に係る情報処理装置の動作の概要を説明するための図である。
【0017】
図2Aに示したように、情報処理装置200は、例えば、車両210に取り付けられたドライブレコーダ211により撮像された(または、記録された)運転者212の運転の様子や車両210の周囲の画像などの周囲画像を取得する。また、情報処理装置200は、車両210の速度や加速度、ハンドル舵角などの車両情報を車両210から取得する。さらに、情報処理装置200は、運転者212が自身の身体に装着した時計型ウェアラブル端末やメガネ型ウェアラブル端末、着衣型ウェアラブル端末などから、運転者212の生体情報を取得する。
【0018】
このように、情報処理装置200は、取得した周囲画像、車両情報および生体情報を互いに紐付けて、関連付けた、周囲画像、車両情報および生体情報の組を記憶する。そして、情報処理装置200は、周囲画像、車両情報および生体情報を複数の車両210や運転者212から取得して、周囲画像、車両情報および生体情報の組を複数記憶する。なお、情報処理装置200は、周囲画像などの他に気象情報などの外部情報を対応づけて記憶してもよい。
【0019】
ここで、ドライブレコーダ211により記録された画像には、例えば、交通事故の画像や、事故には至らなかったものの事故発生の蓋然性の高かった状況の画像(いわゆる、ヒヤリハット)などが含まれるが、これらには限定されず、様々な画像が含まれる。
【0020】
そして、情報処理装置200は、記憶した周囲画像、車両情報および生体情報の組から、運転者212の運転操作および車両210の挙動と、事故の発生(またはヒヤリハット)との関連を解析する。すなわち、運転者212がどのような運転操作をしたことにより、車両210がどのような挙動をし、事故発生に至ったのか、あるいは、事故発生に至らなかったのか、などを解析する。
【0021】
情報処理装置200は、解析された関連に基づいて、事故の発生した状況やヒヤリハットの状況などを含む運転シミュレーションを生成する。情報処理装置200は、
図2Bに示したように、生成した運転シミュレーションを運転シミュレータ220に提供する。運転シミュレーションを提供された運転シミュレータ220は、提供された運転シミュレーションを実行する。
【0022】
そして、利用者は、情報処理装置200により生成された運転シミュレーションを用いた運転シミュレータ220により、より精度が高く、高度化された運転シミュレーションを用いて、運転をシミュレートすることができる。これにより、運転シミュレータ220の利用者は、運転技術を格段に向上させることができる。
【0023】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置200の構成を示すブロック図である。情報処理装置200は、生体情報取得部301と、車両情報取得部302と、周囲画像取得部303と、記憶部304と、解析部305と、生成部306と、を備える。さらに、解析部305は、タイミング推定部351を有する。
【0024】
生体情報取得部301は、ウェアラブルデバイスから車両210の運転者212の生体情報を取得する。取得する生体情報は、例えば、脈拍や心拍数、血圧、発汗量、呼吸数、脳波、体温などであるがこれらには限定されない。なお、生体情報は、例えば、タクシーやバスなどの営業車両のドライバーなどから取得されるが、生体情報の取得対象はこれらには限定されず、一般車両のドライバーなどであってもよい。
【0025】
車両情報取得部302は、運転者212が運転する車両210の車両情報を取得する。車両情報は、例えば、車両210の位置情報や速度、加速度、ハンドル舵角、残燃料、ブレーキ踏力、アクセル開放度、エンジン回転数などを含むが、これらには限定されない。車両210の位置情報は、例えば、車両210に取り付けられたGPS(Global Positioning System)機器などから取得されるが、位置情報の取得元はこれには限定されない。また、車両210の速度や、加速度、ハンドル舵角などは、例えば、OBD(On-board Diagnostics)やCAN(Controller Area Network)などから取得されるが、これらには限定されない。なお、車両情報は、タクシーやバスなどの営業車両や一般車両などから取得される。
【0026】
周囲画像取得部303は、運転者212の運転する車両210(自車両)を含む車両210の周囲の画像(周囲画像)を取得する。すなわち、周囲画像取得部303は、車両210に取り付けられたドライブレコーダ211などのカメラで撮像した画像を取得する。また、周囲画像取得部303は、車両210の運転者212や同乗者の所有するスマートフォンなどの携帯端末などのカメラで撮像した画像を取得してもよく、スマートフォンなどは所定の取付器具を用いて車両210に取り付けられる。なお、周囲画像取得部303は、周囲画像を常時取得するものであっても、所定のトリガーを検知したら取得を開始するものであってもよい。また、周囲画像には、自動車などに関連する事故の画像などが含まれてもよい。なお、周囲画像は、タクシーやバスなどの営業車両や一般車両などから取得される。
【0027】
記憶部304は、生体情報取得部301で取得した生体情報、車両情報取得部302で取得した車両情報および周囲画像取得部303で取得した周囲画像を対応付けて記憶する。また、記憶部304は、生体情報取得部301で取得した生体情報、車両情報取得部302で取得した車両情報および周囲画像取得部303で取得した周囲画像に、さらに、天候などの気象情報を含む外部情報を対応付けて記憶してもよい。外部情報は、例えば、渋滞情報、混雑予測情報、故障車両情報などのプローブデータであるが、これらには限定されない。なお、記憶部304は、周囲画像の撮影日時や撮影時間帯(例えば、朝昼夜など)、地域、自車および相手車の車体形状や車高などを合わせて記憶してもよい。
【0028】
解析部305は、記憶部304に記憶された生体情報、車両情報および周囲画像の組に基づいて、運転者212の運転操作や車両210の挙動を解析する。運転操作は、例えば、アクセル開放度やブレーキ踏力、ハンドル舵角、シフトレバー操作などであるが、これらには限定されない。車両の挙動は、例えば、急停車や急加速、回転挙動、スリップ、ホイル―スピンなどであるが、これらには限定されない。
【0029】
また、タイミング推定部351は、運転者212の生体情報の変化を抽出し、抽出した生体情報の変化に基づいて、運転者212が事故の発生や事故に至りそうな危険などを察知したタイミングを推定する。
【0030】
タイミング推定部351は、例えば、脈拍や心拍数、血圧、呼吸数などが上昇したタイミングを運転者212が危険などを察知したタイミングと推定するが、タイミングの推定方法はこれには限定されない。例えば、運転者212が一定のリズムでまばたきをしていたものが、このリズムが崩れた場合などを、タイミング推定部351は、危険察知のタイミングと推定してもよい。また、例えば、タイミング推定部351は、脳波の変化、運転者212の腕や足の筋肉の動きなどから、危険察知のタイミングを推定してもよい。また、タイミング推定部351は、生体情報の変化から所定時間前を危険察知のタイミングと推定してもよい。
【0031】
生成部306は、解析部305により解析された、運転者212の運転操作および車両210の挙動と、事故発生との関連に基づいて、事故の発生する状況または生体情報が急変する状況を含む運転シミュレーションを生成する。生体情報が急変する状況は、例えば、事故発生には至らなかったものの、一歩間違えれば事故が発生していたような状況であり、いわゆる、ヒヤリハットの状況である。
【0032】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置200の備える生成テーブル401の一例を示す図である。生成テーブル401は、運転ID(Identifier)411に関連付けて、組412、操作・挙動/関連413、タイミング414、気象情報415および運転シミュレーション416を記憶する。
【0033】
運転ID411は、運転を識別する識別子である。組412は、生体情報、車両情報および周囲画像の組み合わせである。操作・挙動/関連413は、解析部305で解析した、運転者212の運転操作、車両210の挙動および関連である。タイミング414は、タイミング推定部351により推定された運転者212が危険を察知したタイミングである。気象情報415は、運転者212が車両210を運転したときの天候などの気象に関する情報である。運転シミュレーション416は、運転シミュレータ220で実行される運転シミュレーションである。生成部306は、例えば、生成テーブル401を参照して運転シミュレータ220用のシミュレーションを生成する。
【0034】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)510は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで
図3の情報処理装置200の機能構成部を実現する。ROM(Read Only Memory)520は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびその他のプログラムを記憶する。また、ネットワークインタフェース530は、ネットワークを介して他の装置などと通信する。なお、CPU510は1つに限定されず、複数のCPUであっても、あるいは画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。また、ネットワークインタフェース530は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM(Random Access Memory)540の領域に送受信データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。また、RAM540とストレージ550との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。さらに、入出力インタフェース560は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM540の領域に入出力データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。したがって、CPU510は、RAM540にデータが受信あるいは転送されたことを認識してデータを処理する。また、CPU510は、処理結果をRAM540に準備し、後の送信あるいは転送はネットワークインタフェース530やDMAC、あるいは入出力インタフェース560に任せる。
【0035】
RAM540は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM540には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。生体情報データ541は、運転者212の生体情報に関するデータである。車両情報データ542は、車両の速度や加速度などに関するデータである。周囲画像データ543は、ドライブレコーダ211などで撮像された画像に関するデータである。関連データ544は、運転者212の運転操作および車両210の挙動と、事故の発生と、の関連を示すデータである。タイミングデータ545は、運転者212が危険を察知しタイミングを示すデータである。運転シミュレーション546は、生成された運転シミュレーションに関するデータである。これらのデータは、例えば、生成テーブル401から展開されたデータである。
【0036】
入出力データ547は、入出力インタフェース560を介して入出力されるデータである。送受信データ548は、ネットワークインタフェース530を介して送受信されるデータである。また、RAM540は、各種アプリケーションモジュールを実行するためのアプリケーション実行領域549を有する。
【0037】
ストレージ550には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ550は、生成テーブル401を格納する。生成テーブル401は、
図4に示した、運転ID411と運転シミュレーション416などとの関係を管理するテーブルである。また、ストレージ550には、生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組が記憶されている。
【0038】
ストレージ550は、さらに、生体情報取得モジュール551と、車両情報取得モジュール552と、周囲画像取得モジュール553と、解析モジュール554と、タイミング推定モジュール555と、生成モジュール556と、を格納する。
【0039】
生体情報取得モジュール551は、車両の運転者212の生体情報を取得するモジュールである。車両情報取得モジュール552は、車両の車両情報を取得するモジュールである。周囲画像取得モジュール553は、車両を含む車両の周囲画像を撮像して、取得するモジュールである。解析モジュール554は、生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組に基づいて、運転者212の運転操作および車両210の挙動と、事故の発生と、の関連を解析するモジュールである。タイミング推定モジュール555は、生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組から生体情報の変化を抽出して、抽出した生体情報に基づいて、運転者212が事故発生の危険を察知したタイミングを推定する。生成モジュール556は、運転者212の運転操作および車両210の挙動と、事故の発生または生体情報の急変と、の関連に基づいて、事故の発生する状況または生体情報が急変する状況を含む運転シミュレーションを生成するモジュールである。これらのモジュール551〜556は、CPU510によりRAM540のアプリケーション実行領域549に読み出され、実行される。制御プログラム557は、情報処理装置200の全体を制御するためのプログラムである。
【0040】
入出力インタフェース560は、入出力機器との入出力データをインタフェースする。入出力インタフェース560には、表示部561、操作部562、が接続される。また、入出力インタフェース560には、さらに、記憶媒体564が接続されてもよい。さらに、音声出力部であるスピーカ563や、音声入力部であるマイク、あるいは、GPS位置判定部が接続されてもよい。なお、
図5に示したRAM540やストレージ550には、情報処理装置200が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0041】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置200の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、CPU510がRAM540を使用して実行し、
図3の情報処理装置200の機能構成部を実現する。
【0042】
ステップS601において、情報処理装置200は、車両210の運転者212の生体情報を、例えば、運転者212の装着しているウェアラブル端末などから取得する。ステップS603において、情報処理装置200は、車両210の車両情報を取得する。ステップS605において、情報処理装置200は、自車両を含む自車両の周囲画像を取得する。なお、ステップS601〜S605の順序は
図6に示した順序には限定されず、順序を適宜入れ替えて実行してもよいし、これらのステップを同時に実行してもよい。また、情報処理装置200は、これらの情報の他に、気象情報を含む外部情報を取得してもよい。
【0043】
ステップS607において、情報処理装置200は、生体情報、車両情報および周囲画像を対応付けて記憶する。また、情報処理装置200は、生体情報、車両情報および周囲画像に気象情報を含む外部情報を対応付けて記憶してもよい。
【0044】
ステップS609において、情報処理装置200は、記憶した生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組を解析するか否かを判断する。解析しないと判断した場合(ステップS609のNO)、情報処理装置200は、ステップS601に戻る。解析すると判断した場合(ステップS609のYES)、情報処理装置200は、ステップS611へ進む。
【0045】
ステップS611において、情報処理装置200は、生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組に基づいて、運転者212の運転操作および車両210の挙動と、事故の発生と、の関連を解析する。さらに、情報処理装置200は、生体情報、車両情報、周囲画像および気象情報の複数の組に基づいて、運転者212の運転操作および車両210の挙動と、事故の発生または生体情報の急変と、の関連を解析する。
【0046】
また、情報処理装置200は、生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組から生体情報の変化を抽出し、抽出した生体情報の変化に基づいて、運転者212が事故発生の危険を察知したタイミングを推定する。
【0047】
ステップS613において、情報処理装置200は、解析した関連や推定したタイミングに基づいて、事故の発生する状況または生体情報が急変する状況を含む運転シミュレーションを生成する。
【0048】
本実施形態によれば、運転者の生体情報を用いるので、精度が高く、高度化された運転シミュレーションを生成することができる。また、運転者が危険を察知したタイミングを推定するので、より精度の高い、高度化された運転シミュレーションを生成することができる。
【0049】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る情報処理装置について、
図7乃至
図10を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る情報処理装置700の構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置は、上記第2実施形態と比べると、解析部が時間操作量解析部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0050】
情報処理装置700は、解析部705を有し、解析部705は、さらに、時間操作量解析部751を有する。時間操作量解析部751は、運転者212が事故発生の危険を察知してから、ブレーキを踏むなどの運転操作を開始するまでの時間である運転操作開始時間を、生体情報、車両情報および周囲画像の複数の組に基づいて解析する。また、同様に、時間操作量解析部751は、運転操作の操作量を解析する。運転操作の操作量は、例えば、ブレーキ踏力やアクセル開放度、ハンドル舵角などについての操作量である。
【0051】
時間操作量解析部751は、生体情報の変化から推定した危険察知のタイミングと、例えば、ブレーキ踏力から判定したブレーキを踏み始めたタイミングから、運転操作開始時間を解析する。また、時間操作量解析部751は、例えば、車両情報などからブレーキ踏力やアクセル開度、ハンドル舵角などを解析する。なお、時間操作量解析部751は、実際に事故が発生した場合の運転操作開始時間および運転操作の操作量を解析するが、例えば、事故発生には至らない、いわゆる、ヒヤリハットの場合の運転操作開始時間や運転操作の操作量、事故発生回避ポイントなどを解析してもよい。
【0052】
事故発生回避ポイントとは、例えば、どのタイミングでブレーキを踏み始めれば事故を回避できたかや、あるタイミングでブレーキを踏み始めたので事故を回避できなかったかなどを表すものである。例えば、事故発生の危険を察知(認知)してから行動に移る時間的な観点(操作が遅れた事故になる)での閾値、および操作の程度(ブレーキを踏む力やハンドル操作の操作量)による操作結果がもたらす空間的あるいは行動的な観点などである。したがって、相手車両の運転者の行動や相手車両の挙動との相関などから自車両(車両212)の操作タイミング(操作開始時間)および操作量が事故発生確率にどの程度影響するかを見出すことにより運転をシミュレートできる。
【0053】
そして、生成部306は、時間操作量解析部751により解析された運転操作開始時間および運転操作の操作量を加味して事故の発生する状況または生体情報が急変する状況を含む運転シミュレーションを生成する。また、生成部306は、事故発生回避ポイントを用いて運転シミュレーションを生成してもよい。つまり、生成部306は、例えば、所定のタイミングで所定の運転操作を行えば事故発生を回避できるが、所定のタイミング以外のタイミングで所定の運転操作を行った場合には、事故発生を回避できないような運転シミュレーションを生成する。
【0054】
図8は、本実施形態に係る情報処理装置700の備える時間操作量テーブル801およびシミュレーション生成テーブル802の一例を示す図である。時間操作量テーブル801は、運転ID411に関連付けて時間・操作量811を記憶する。また、シミュレーション生成テーブル802は、解析結果821に関連付けてシミュレーション822を記憶する。解析結果821は、例えば、時間操作量テーブル801に記憶された各項目を解析して得られた事故発生状況や事故発生回避ポイント、運転者212の運転操作、車両210の挙動についてのデータである。そして、生成部306は、時間操作量テーブル801およびシミュレーション生成テーブル802を参照して、運転シミュレーションを生成する。
【0055】
図9は、本実施形態に係る情報処理装置700のハードウェア構成を示すブロック図である。RAM940は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM940には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。時間・操作量データ941は、運転者212が事故発生の危険を察知してから運転操作を開始するまでの時間およびその運転操作の操作量を表すデータである。このデータは、例えば、時間操作量テーブル801から展開されたデータである。また、解析結果データ942は、組412や操作・挙動/関連413、タイミング414、気象情報415、時間・操作量811を解析した結果に関するデータである。このデータは、例えば、シミュレーション生成テーブル802から展開されたデータである。
【0056】
ストレージ950には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ950は、時間操作量テーブル801およびシミュレーション生成テーブル802を格納する。時間操作量テーブル801は、
図8に示した、運転ID411と時間・操作量811などとの関係を管理するテーブルである。また、同様に、シミュレーション生成テーブル802は、
図8に示した、解析結果821とシミュレーション822との関係を管理するテーブルである。
【0057】
ストレージ950は、さらに、時間操作量解析モジュール951を格納する。時間操作量解析モジュール951は、運転者212が事故発生の危険を察知してから運転操作を開始するまでの時間およびその運転操作の操作量を解析するモジュールである。このモジュール951は、CPU510によりRAM940のアプリケーション実行領域549に読み出され、実行される。
【0058】
図10は、本実施形態に係る情報処理装置700の処理手順を説明するフローチャートである。ステップS1001において、情報処理装置700は、運転者212が事故発生の危険を察知してから運転操作を開始するまでの時間およびその運転操作の操作量を解析する。
【0059】
本実施形態によれば、運転者の生体情報を用いるので、精度の高い運転シミュレーションを生成することができる。また、運転者が危険察知してから運転操作をするまでの時間やその運転操作の操作量を加味するので、より実際の状況に近く、さらに高度化された運転シミュレーションを生成することができる。
【0060】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0061】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。