【解決手段】 搭載基板1と、搭載基板1に配置されたガラス基板3と、マトリクス状に配置された複数の検出要素41を含み、且つ、ガラス基板3に配置された導電体層4と、指と複数の検出要素41の各々との間に生じる静電容量に対応する信号を、複数の検出要素41から受け、且つ、ガラス基板3に配置された駆動部5と、搭載基板1に配置され、且つ、ガラス基板3を覆う封止樹脂部2と、を備える。
前記複数の検出要素は、第1辺が5〜20mmであり且つ前記第1辺に直交する第2辺が5〜20mmである矩形状の検出領域を構成している、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の指紋検出装置。
前記筐体および前記指紋検出装置は各々、互いに面一の頂面を有し、前記筐体における前記頂面には、前記筐体における前記穴が形成されている、請求項22に記載の電子装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0009】
<第1実施形態>
図1〜
図9を用いて、第1実施形態について説明する。
【0010】
図1は、第1実施形態にかかる電子装置を示す斜視図である。
図2は、
図1に示した電子装置の部分断面図である。
【0011】
これらの図に示す電子装置800は、たとえばスマートフォンやノートパソコンである。電子装置800は、指紋検出装置100と、筐体810と、を含む。筐体810はたとえば樹脂よりなる。筐体810には穴811が形成されている。指紋検出装置100は、電子装置800の使用者等の指の指紋(あるいは指紋パターン、以下、指紋という)を検出するためのものである。本実施形態では、指紋検出装置100は静電容量の変化に基づき指紋を検出する。指紋検出装置100は筐体810に相対的に固定されている。指紋検出装置100の一部は穴811に収容されている。
【0012】
図3は、
図2に示した電子装置における指紋検出装置を示す斜視図である。
図4は、
図2に示した電子装置における指紋検出装置の部分拡大断面図である。
図5は、
図4に示した指紋検出装置の平面図である。
【0013】
指紋検出装置100は、搭載基板1と、封止樹脂部2と、ガラス基板3と、導電体層4と、駆動部5と、ICチップ61と、保護層62と、フレキシブル基板71と、コネクタ72と、接合部81〜83と、を含む。
図3では、理解の便宜上、一部構成(ICチップ61等)を省略している。
【0014】
搭載基板1は、ガラス基板3を搭載している。搭載基板1は、基材11と、表面電極131と、裏面電極133と、連絡電極135と、絶縁層15と、を含む。
【0015】
基材11は絶縁性の材料よりなる。このような材料としてはたとえば樹脂(より具体的にはガラスエポキシ樹脂)が挙げられる。基材11は、表面111および裏面113を有する。表面111および裏面113は、厚さ方向Z1において互いに反対側を向く。表面111および裏面113は各々矩形状であり、且つ、平坦である。
【0016】
表面電極131、裏面電極133、および連絡電極135は導電性の材料よりなる。表面電極131や裏面電極133や連絡電極135を構成する導電性の材料としては、たとえばAu,Ag,およびCuが挙げられる。表面電極131は表面111に配置されている。裏面電極133は、裏面113に配置されている。連絡電極135は、表面電極131および裏面電極133につながる。連絡電極135は、裏面電極133および表面電極131を導通させている。本実施形態では、連絡電極135は、基材11に形成された貫通孔に配置されている。これにより、連絡電極135は基材11を貫通している。
【0017】
絶縁層15は絶縁性の材料よりなる。絶縁層15は基材11の表面111に配置されている。絶縁層15は表面電極131を保護している。絶縁層15からは表面電極131の一部が露出している。
【0018】
ガラス基板3は、搭載基板1(具体的には基材11の表面111)に搭載されている。ガラス基板3はガラスよりなる。ガラス基板3を構成するガラスは材料としてSiO
2を含む。ガラス基板3の厚さ310は、たとえば0.5〜1.5mmである。
【0019】
ガラス基板3は、第1ガラス主面31と、第2ガラス主面33と、ガラス側面35と、を有する。
【0020】
第1ガラス主面31および第2ガラス主面33は、ガラス基板3の厚さ方向Z1において、互いに反対側を向く。具体的には、第1ガラス主面31は厚さ方向Z1の一方(
図4の上方向)を向く。第2ガラス主面33は厚さ方向Z1の他方(
図4の下方向)を向く。第1ガラス主面31および第2ガラス主面33は、厚さ方向Z1視において矩形状である。ガラス側面35は、厚さ方向Z1と直交する方向を向いている。ガラス側面35は、第1ガラス主面31および第2ガラス主面33につながっている。ガラス側面35は、封止樹脂部2に直接覆われている。
【0021】
接合部81は、ガラス基板3および搭載基板1の間に介在している。接合部81は、ガラス基板3を搭載基板1に接合している。接合部81は、ガラス基板3および搭載基板1に直接接している。接合部81は、たとえば絶縁性の材料よりなる。接合部81は、たとえば接着シートあるいは液状の接着剤に由来する。
【0022】
導電体層4はガラス基板3に配置されている。導電体層4は導電性の材料よりなる。導電体層4は、薄膜技術を用いて形成されている。導電体層4の厚さ(厚さ方向Z1における寸法)は、ガラス基板3の厚さ(厚さ方向Z1における寸法)よりも小さい。
【0023】
導電体層4は、複数の検出要素41と、複数の配線要素43と、複数の連絡要素44と、複数のワイヤボンディングパッド45と、を含む。検出要素41と、配線要素43と、連絡要素44とは同時に形成されることが好ましい。この場合、検出要素41と、配線要素43と、連絡要素44とは、互いに同一の材料よりなる。
【0024】
図4、
図5に示す複数の検出要素41は、ガラス基板3に配置されている。具体的には、複数の検出要素41は、第1ガラス主面31に配置されている。複数の検出要素41はマトリクス状に配置されている。複数の検出要素41は、第1辺がたとえば5〜20mmであり且つ第1辺に直交する第2辺がたとえば5〜20mmである矩形状の検出領域410を構成している。複数の検出要素41は、検出領域410に近接している指の指紋パターンを検出するためのものである。
図7に示すように、複数の検出要素41には、複数のTFT(thin film transistor)490がそれぞれ導通している。
【0025】
図7に示す複数の配線要素43はガラス基板3に配置されている。複数の配線要素43は、複数の検出要素41のいずれかに導通している。複数の配線要素43は駆動部5に導通している。これにより、複数の配線要素43は各々、複数の検出要素41のいずれかを駆動部5に導通させている。複数の配線要素43は各々、検出要素41のいずれか一つと指との間に生じた静電容量に対応する電気信号を駆動部5に送る機能を果たす。
【0026】
図5に示すように、複数の連絡要素44はガラス基板3に配置されている。複数の連絡要素44は駆動部5に導通している。複数の連絡要素44は各々、駆動部5からの電気信号を複数のワイヤボンディングパッド45に送るためのものである。
【0027】
図8は、第1実施形態にかかるワイヤボンディングパッドを主に示す部分拡大断面図である。
図9は、
図8のIX−IX線に沿う断面図(一部構成省略)である。
【0028】
図8、
図9に示すように、複数のワイヤボンディングパッド45は、ガラス基板3に配置されている。複数のワイヤボンディングパッド45はガラス基板3における第1ガラス主面31の端に配置されている。複数のワイヤボンディングパッド45は各々、第1層451および第2層452を含む。第1層451および第2層452は互いに積層されている。第1層451およびガラス基板3の間に、第2層452が介在している。第1層451は連絡要素44に直接接する。第1層451は、材料としてAlを含む。より具体的には、第1層451は、Al−Cu、あるいは、Al−Siよりなる。第2層452は、材料としてSiNを含む。
【0029】
図8に示すように、本実施形態では、第2層452は、厚さ方向Z1において、複数の連絡要素44のいずれかと第1層451との間に介在している。第2層452には、複数の貫通孔450が形成されている。貫通孔450には第1層451の一部が配置されている。
【0030】
図4、
図5に示す駆動部5は、ガラス基板3に配置されている。駆動部5は、指と複数の検出要素41の各々との間に生じる静電容量に対応する信号を、複数の検出要素41から受ける。駆動部5は、複数の検出要素41から受けた複数種類のアナログ信号を、より少ない数のアナログ信号に変換し、出力する。
【0031】
図4に示すように、ICチップ61はガラス基板3に配置されている。ICチップ61は駆動部5に導通している。ICチップ61は、駆動部5から出力された複数種類のアナログ信号をデジタル信号に変換し、出力する。
図5に示すように、厚さ方向Z1視において、駆動部5およびICチップ61は、複数の検出要素41を挟んで互いに反対側に位置する。ICチップ61は、複数のワイヤボンディングパッド611を含む。複数のワイヤボンディングパッド611は、X1に沿って二列に配置されている。
【0032】
接合部82は、ICチップ61および搭載基板1の間に介在している。接合部82は、ICチップ61を搭載基板1に接合している。接合部82は、ICチップ61および搭載基板1に直接接している。接合部82は、たとえば絶縁性の材料よりなる。
【0033】
複数の第1ワイヤ881は、複数のワイヤボンディングパッド45のいずれかと搭載基板1における表面電極131とにボンディングされている。複数の第1ワイヤ881およびICチップ61は、搭載基板1の厚さ方向Z1視において、複数の検出要素41を挟んで互いに反対側に位置している。複数の第1ワイヤ881は、搭載基板1の厚さ方向Z1視において、ICチップ61とは反対側に向かって、駆動部5から延びている。
図5では、複数の第1ワイヤ881は、駆動部5から左方向に向かって延びている。
【0034】
複数の第2ワイヤ882は、ICチップ61(具体的には、ICチップ61における複数のワイヤボンディングパッド611のいずれか)と搭載基板1における表面電極131とにボンディングされている。複数の第2ワイヤ882は、搭載基板1の厚さ方向Z1視において、第1ワイヤ881の延びる方向とは異なる方向に延びている。
図5では、複数の第2ワイヤ882は、複数のワイヤボンディングパッド611のいずれかから上方向あるいは下方向に向かって延びている。
【0035】
本実施形態では、複数の第1ワイヤ881のいずれか、および、複数の第2ワイヤ882のいずれかは、グラウンド配線であってもよい。
図6は、第1実施形態の指紋検出装置におけるグラウンド配線を模式的に示す平面図である。表面電極131、裏面電極133、および連絡電極135のうち少なくともいずれか(本実施形態では表面電極131のみ)は、
図6に示すグラウンド配線139を構成している。グラウンド配線139は、厚さ方向Z1視において、複数の検出要素41により構成された矩形状の検出領域410を横切っている。グラウンド配線は、ICチップ61を介さずに、コネクタ72と駆動部5とを導通させていてもよい。あるいは、グラウンド配線は、ICチップ61を介して、コネクタ72と駆動部5とを導通させていてもよい。
【0036】
図4に示す封止樹脂部2は、搭載基板1に配置されている。封止樹脂部2は、ガラス基板3と、導電体層4と、複数の第1ワイヤ881と、を覆っている。本実施形態では、封止樹脂部2は、ICチップ61と、複数の第2ワイヤ882と、を覆っている。封止樹脂部2は、たとえばエポキシ樹脂よりなる。封止樹脂部2は、材料としてSiO
2を含む。
図2、
図4に示すように、封止樹脂部2の一部は、筐体810における穴811内に位置している。
【0037】
保護層62は封止樹脂部2に配置されている。保護層62はたとえば塗布により形成される。保護層62は絶縁性の材料よりなる。
図2に示すように、本実施形態では、保護層62の頂面は、指紋検出装置100の頂面813を構成している。頂面813は、筐体810の頂面815と面一となっている。
【0038】
本実施形態とは異なり、指紋検出装置100に保護層62が配置されていなくてもよい。この場合、封止樹脂部2の頂面が指紋検出装置の頂面を構成するとよい。そして当該頂面が、筐体810の頂面815と面一であることが好ましい。
【0039】
図2に示すフレキシブル基板71には、搭載基板1およびコネクタ72が配置されている。フレキシブル基板71には、たとえば導電性の接合部83を介して搭載基板1が接合されている。フレキシブル基板71は、配線711を含む。配線711は、搭載基板1における裏面電極133とコネクタ72とを導通させている。コネクタ72は、指紋検出装置100外の装置と接続するための部品である。コネクタ72には、複数の検出要素41に由来する信号が入力される。
【0040】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0041】
本実施形態においては、封止樹脂部2が、搭載基板1に配置され、且つ、ガラス基板3を覆っている。このような構成によると、指が指紋検出装置100を触れた際に、ガラス基板3に与えられる力を抑制することができる。これにより、ガラス基板3の損傷をより効果的に回避することができる。また、ガラス基板3の製造コストは比較的安い。そのため、ガラス基板3を大型化した場合であっても、製造コストを抑制することが可能である。したがって、製造コストを抑制しつつ、より大きい検出領域410を有する指紋検出装置100を製造することが可能となる。
【0042】
本実施形態においては、ガラス基板3および封止樹脂部2はいずれも、材料としてSiO
2を含む。このような構成によると、ガラス基板3および封止樹脂部2が共通の材料を有するので、ガラス基板3と封止樹脂部2とをより強固に接合することができる。したがって、指が指紋検出装置100を触れることにより生じうる、ガラス基板3からの封止樹脂部2の剥離を防止できる。
【0043】
本実施形態においては、複数のワイヤボンディングパッド45のいずれかは、互いに積層された第1層451および第2層452を含む。第2層452は、第1層451およびガラス基板3の間に介在している。第1層451は、材料としてAlを含み、第2層452は、材料としてSiNを含む。このような構成によると、第2層452は、応力緩和層として機能する。したがって、ワイヤボンディングパッド45に第1ワイヤ881をボンディングする際に生じうる第1層451の損傷を防止できる。第2層452は、配線要素43およびガラス基板3により強固に接合するため、第1層451の剥離を防止できる。
【0044】
本実施形態においては、厚さ方向Z1視において、駆動部5およびICチップ61は、複数の検出要素41を挟んで互いに反対側に位置する。このような構成は、モジュール(主として、搭載基板1と、ガラス基板3と、導電体層4と、駆動部5と、ICチップ61と、保護層62とにより構成される)の厚さ方向Z1視における面積が大きくなることを抑制しつつ、効率的に、ガラス基板3およびICチップ61を搭載基板1に搭載可能である。これにより、当該モジュールの面積が大きくなることを抑制しつつ、検出領域410の大型化を図ることが可能である。
【0045】
本実施形態においては、搭載基板1の厚さ方向Z1視において、複数の第1ワイヤ881およびICチップ61は、複数の検出要素41を挟んで互いに反対側に位置する。搭載基板1の厚さ方向Z1視において、複数の第1ワイヤ881は、ICチップ61とは反対側に向かって、駆動部5から延びており、且つ、複数の第2ワイヤ882は、第1ワイヤ881の延びる方向とは異なる方向に延びている。このような構成によると、更に効率的に、ガラス基板3およびICチップ61を搭載基板1に搭載可能である。これにより、上記モジュールの面積が大きくなることを抑制しつつ、検出領域410の大型化を図ることが可能である。
【0046】
本実施形態においては、表面電極131、裏面電極133、および連絡電極135のうち少なくともいずれかは、グラウンド配線139を構成している。グラウンド配線139は、厚さ方向Z1視において、複数の検出要素41により構成された矩形状の検出領域410を横切っている。このような構成によると、複数の検出要素41による指の指紋検出に生じうるノイズの発生を防止しつつ、ガラス基板3上に効率的にグラウンド配線を引き回すことが可能となる。これにより、たとえば、搭載基板1の方向Y1における寸法が増大することを防止できる。
【0047】
本実施形態においては、筐体810および指紋検出装置100は各々、互いに面一の頂面813,815を有する。このような構成によると、頂面815と頂面813との間に段差が無いため、ユーザーにとって使い勝手の良い電子装置800が提供される。
【0048】
<第2実施形態>
図10〜
図13を用いて、第2実施形態について説明する。
【0049】
なお、以下の説明では、上記と同一または類似の構成については上記と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0050】
図10は、第2実施形態にかかる電子装置を示す斜視図である。
図11は、
図10に示した電子装置における指紋検出装置の部分拡大断面図である。
図12は、
図11に示した指紋検出装置の平面図である。
図13は、第2実施形態の指紋検出装置におけるグラウンド配線を模式的に示す平面図である。
【0051】
これらの図に示す電子装置801における指紋検出装置110は、ICチップ61が搭載基板1に搭載されておらず、フレキシブル基板71に配置されている点において、上述の実施形態と主に相違し、その他の点はほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0052】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0053】
本実施形態においては、封止樹脂部2が、搭載基板1に配置され、且つ、ガラス基板3を覆っている。このような構成によると、指が指紋検出装置100を触れた際に、ガラス基板3に与えられる力を抑制することができる。これにより、ガラス基板3の損傷をより効果的に回避することができる。また、ガラス基板3の製造コストは比較的安い。そのため、ガラス基板3を大型化した場合であっても、製造コストを抑制することが可能である。したがって、製造コストを抑制しつつ、より大きい検出領域410を有する指紋検出装置100を製造することが可能となる。
【0054】
本実施形態においては、ガラス基板3および封止樹脂部2はいずれも、材料としてSiO
2を含む。このような構成によると、ガラス基板3および封止樹脂部2が共通の材料を有するので、ガラス基板3と封止樹脂部2とをより強固に接合することができる。したがって、指が指紋検出装置100を触れることにより生じうる、ガラス基板3からの封止樹脂部2の剥離を防止できる。
【0055】
本実施形態においては、複数のワイヤボンディングパッド45のいずれかは、互いに積層された第1層451および第2層452を含む。第2層452は、第1層451およびガラス基板3の間に介在している。第1層451は、材料としてAlを含み、第2層452は、材料としてSiNを含む。このような構成によると、第2層452は、応力緩和層として機能する。したがって、ワイヤボンディングパッド45に第1ワイヤ881をボンディングする際に生じうる第1層451の損傷を防止できる。第2層452は、配線要素43およびガラス基板3により強固に接合するため、第1層451の剥離を防止できる。
【0056】
本実施形態においては、表面電極131、裏面電極133、および連絡電極135のうち少なくともいずれかは、グラウンド配線139を構成している。グラウンド配線139は、厚さ方向Z1視において、複数の検出要素41により構成された矩形状の検出領域410を横切っている。このような構成によると、複数の検出要素41による指の指紋検出に生じうるノイズの発生を防止しつつ、ガラス基板3上に効率的にグラウンド配線を引き回すことが可能となる。これにより、たとえば、搭載基板1の方向Y1における寸法が増大することを防止できる。
【0057】
本実施形態においては、筐体810および指紋検出装置100は各々、互いに面一の頂面813,815を有する。このような構成によると、頂面815と頂面813との間に段差が無いため、ユーザーにとって使い勝手の良い電子装置800が提供される。
【0058】
<第3実施形態>
図14を用いて、第3実施形態について説明する。
【0059】
なお、以下の説明では、上記と同一または類似の構成については上記と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0060】
図14は、第3実施形態にかかるワイヤボンディングパッドを主に示す部分拡大断面図である。
【0061】
本実施形態は、ワイヤボンディングパッド45の構成が、
図8に示したものと相違する。具体的には、第2層452は、厚さ方向Z1に直交する方向に複数の連絡要素44のいずれかから離間している。第1層451は、厚さ方向Z1視において、複数の連絡要素44のいずれかと第2層452とに重なっている。その他の点はほぼ同様であるので、説明を省略する。本実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。本実施形態の構成を、第2実施形態の構成と組み合わせてもよい。
【0062】
本開示の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。上述の説明では、複数の検出要素41、複数の配線要素43、および複数の連絡要素44等が第1ガラス主面31に配置されている例を示した。本実施形態とは異なり、複数の検出要素41、複数の配線要素43、および複数の連絡要素44等が、第1ガラス主面31ではなく、第2ガラス主面33に配置されていてもよい。
【0063】
上述の実施形態のバリエーションを以下に付記する。
[付記1]
搭載基板と、
前記搭載基板に配置されたガラス基板と、
マトリクス状に配置された複数の検出要素を含み、且つ、前記ガラス基板に配置された導電体層と、
指と前記複数の検出要素の各々との間に生じる静電容量に対応する信号を、前記複数の検出要素から受け、且つ、前記ガラス基板に配置された駆動部と、
前記搭載基板に配置され、且つ、前記ガラス基板を覆う封止樹脂部と、を備える、指紋検出装置。
[付記2]
前記ガラス基板は、前記ガラス基板の厚さ方向において、互いに反対側を向く第1ガラス主面および第2ガラス主面を有し、
前記複数の検出要素は、前記第1ガラス主面に配置されており、
前記第2ガラス主面は、前記搭載基板の位置する側を向いている、付記1に記載の指紋検出装置。
[付記3]
前記ガラス基板は、前記第1ガラス主面および第2ガラス主面につながるガラス側面を有し、
前記ガラス側面は、前記厚さ方向と直交する方向を向いており、且つ、前記封止樹脂部に直接覆われている、付記2に記載の指紋検出装置。
[付記4]
前記ガラス基板の厚さは、0.5〜1.5mmである、付記1ないし付記3のいずれかに記載の指紋検出装置。
[付記5]
前記ガラス基板および前記封止樹脂部はいずれも、材料としてSiO
2を含む、付記1ないし付記4のいずれかに記載の指紋検出装置。
[付記6]
前記複数の検出要素は、第1辺が5〜20mmであり且つ前記第1辺に直交する第2辺が5〜20mmである矩形状の検出領域を構成している、付記1ないし付記5のいずれかに記載の指紋検出装置。
[付記7]
前記導電体層は、前記複数の検出要素のいずれかに導通する複数の配線要素を含む、付記1ないし付記6のいずれかに記載の指紋検出装置。
[付記8]
前記ガラス基板に配置された複数のワイヤボンディングパッドと、
前記複数のワイヤボンディングパッドのいずれかにボンディングされた複数の第1ワイヤと、を更に備える、付記1ないし付記7のいずれかに記載の指紋検出装置。
[付記9]
前記複数のワイヤボンディングパッドのいずれかは、互いに積層された第1層および第2層を含み、
前記第2層は、前記第1層および前記ガラス基板の間に介在しており、
前記第1層は、材料としてAlを含み、前記第2層は、材料としてSiNを含む、付記8に記載の指紋検出装置。
[付記10]
前記第1層は、Al−Cu、あるいは、Al−Siよりなる、付記9に記載の指紋検出装置。
[付記11]
前記導電体層は、前記複数のワイヤボンディングパッドのいずれか一つと前記駆動部とに各々導通する複数の連絡要素を含み、
前記複数の連絡要素のいずれかは、前記ガラス基板上に配置され、且つ、前記第1層に直接接する、付記9または付記10に記載の指紋検出装置。
[付記12]
前記第2層は、前記厚さ方向において、前記複数の連絡要素のいずれかと前記第1層との間に介在しており、
前記第2層には、前記第1層の一部が配置された貫通孔が形成されている、付記11に記載の指紋検出装置。
[付記13]
前記第2層は、前記厚さ方向に直交する方向に前記複数の連絡要素のいずれかから離間しており、
前記第1層は、前記厚さ方向視において、前記複数の連絡要素のいずれかと前記第2層とに重なる、付記11に記載の指紋検出装置。
[付記14]
前記駆動部に導通するICチップを更に備え、
前記駆動部および前記ICチップは、前記搭載基板に配置され、且つ、前記封止樹脂部に覆われており、
前記厚さ方向視において、前記駆動部および前記ICチップは、前記複数の検出要素を挟んで互いに反対側に位置する、付記8に記載の指紋検出装置。
[付記15]
前記ICチップにボンディングされた複数の第2ワイヤを更に備え、
前記搭載基板の前記厚さ方向視において、前記複数の第1ワイヤおよび前記ICチップは、前記複数の検出要素を挟んで互いに反対側に位置し、
前記搭載基板の前記厚さ方向視において、前記複数の第1ワイヤは、前記ICチップとは反対側に向かって、前記駆動部から延びており、且つ、前記複数の第2ワイヤは、前記第1ワイヤの延びる方向とは異なる方向に延びている、付記14に記載の指紋検出装置。
[付記16]
前記駆動部に導通するICチップと、
前記搭載基板および前記ICチップのいずれもが配置されたフレキシブル基板と、を更に備える、付記1に記載の指紋検出装置。
[付記17]
前記封止樹脂部を覆う保護層を更に備える、付記1ないし付記16のいずれかに記載の指紋検出装置。
[付記18]
前記搭載基板は、前記厚さ方向において互いに反対側を向く表面および裏面を有する基材と、前記表面に配置された表面電極と、を含み、
前記複数の第1ワイヤは、前記表面電極にボンディングされている、付記8に記載の指紋検出装置。
[付記19]
前記搭載基板は、前記裏面に配置された裏面電極と、前記表面電極および前記裏面電極につながる連絡電極と、を含み、
前記表面電極、前記裏面電極、および前記連絡電極のうち少なくともいずれかは、グラウンド配線を構成しており、
前記グラウンド配線は、前記厚さ方向視において、前記複数の検出要素により構成された矩形状の検出領域を横切っている、付記18に記載の指紋検出装置。
[付記20]
前記連絡電極は、前記基材を貫通している、付記19に記載の指紋検出装置。
[付記21]
前記フレキシブル基板に搭載されたコネクタを更に備え、
前記コネクタには、前記複数の検出要素に由来する信号が入力される、付記16に記載の指紋検出装置。
[付記22]
付記1ないし付記21のいずれかに記載の指紋検出装置と、
前記指紋検出装置に相対的に固定された筐体と、を備え、
前記筐体には、前記封止樹脂部の少なくとも一部が収容された穴が形成されている、電子装置。
[付記23]
前記筐体および前記指紋検出装置は各々、互いに面一の頂面を有し、前記筐体における前記頂面には、前記筐体における前記穴が形成されている、付記22に記載の電子装置。