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特開2018-93164積層セラミック電子部品及びその実装基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-93164(P2018-93164A)
(43)【公開日】2018年6月14日
(54)【発明の名称】積層セラミック電子部品及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/232 20060101AFI20180518BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20180518BHJP
   H01G 4/12 20060101ALI20180518BHJP
   H01G 2/06 20060101ALI20180518BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20180518BHJP
【FI】
   H01G4/12 352
   H01G4/38 A
   H01G4/12 346
   H01G1/035 C
   H01G4/30 301B
   H01G4/30 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-135809(P2017-135809)
(22)【出願日】2017年7月11日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0163475
(32)【優先日】2016年12月2日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0021214
(32)【優先日】2017年2月16日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、サング ソ
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、フィ デイ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC04
5E001AD04
5E001AF02
5E001AF03
5E001AF06
5E001AH01
5E001AH09
5E001AJ03
5E001AZ01
5E082AA01
5E082AB03
5E082BB01
5E082BB02
5E082BC14
5E082BC39
5E082CC03
5E082CC05
5E082CC13
5E082CC17
5E082EE04
5E082EE13
5E082EE23
5E082EE26
5E082EE35
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082FG54
5E082GG10
5E082GG26
5E082GG28
5E082JJ02
5E082JJ03
5E082JJ07
5E082KK01
5E082LL02
5E082PP08
(57)【要約】
【課題】本発明は、積層セラミック電子部品及びその実装基板に関する。
【解決手段】本発明の一実施形態によると、印刷回路基板に実装する際の実装面積をより減少させるために、AP(Application Processor)電源端に実装される複数の3端子キャパシタを併合し、低いESL特性を有する新しい構造の積層セラミック電子部品及びその実装基板を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層を含み、前記複数の誘電体層を挟んで交互に配置され、前記複数の誘電体層の側面に延長した少なくとも一つのリード部を有する互いに異なる極性の複数の第1及び第2内部電極を含む本体と、
前記本体の外側に配置され、前記第1及び第2内部電極と連結した複数の外部電極とを含み、
前記複数の外部電極は、前記本体の外側面のうち第1面と第2面に配置された第1及び第2外部電極と、前記第1面と第2面に隣接し、互いに対向する第3面及び第4面にそれぞれ同一の数で配置されたm個(m≧3)の第3及び第4外部電極とを含み、
前記複数の外部電極は、隣接した電極間の極性が全て異なる積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記mは、奇数である請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記外部電極全体の個数と電極経路(Current path)の個数とは、同一である請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記第1内部電極は、前記本体の外側面のうち第1面と第2面に露出され、前記第1内部電極のリード部は、前記本体の外側面のうち第3面と第4面に露出された請求項1から3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記第2内部電極のリード部は、前記第1内部電極のリード部と隣接して交互に配置され、前記本体の外側面のうち第3面と第4面に露出された請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記第1及び第2外部電極は、同一極性を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記第3及び第4外部電極は、前記第3面及び第4面のうち互いに向かい合う領域に互いに同一極性の外部電極が位置するように配置された請求項1から6のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項8】
前記本体の厚さは、幅より小さい請求項1から7のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記本体は、容量の形成に寄与する部分として複数の第1及び第2内部電極を含むアクティブ部と、容量の形成に寄与せず、前記アクティブ部の上部及び下部に配置されるカバー部とを含み、
前記カバー部は、下部に配置された領域が上部に配置された領域より厚さがより小さい請求項1から8のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項10】
複数の誘電体層を含み、前記複数の誘電体層を挟んで交互に配置され、互いに異なる極性を有する複数の第1及び第2内部電極を含む本体と、
前記本体の外側に配置され、前記第1及び第2内部電極と連結した複数の外部電極とを含み、
前記複数の外部電極は、前記本体の外側面のうち第1面と第2面に配置された第1及び第2外部電極と、前記第1面と第2面に隣接し、互いに対向する第3面及び第4面に配置された第3及び第4外部電極と、前記本体及び複数の第1及び第2内部電極を貫通し、本体の第5面及び第6面に露出して配置されたn個(n≧3)のビア電極とを含み、
前記ビア電極は、前記第1及び第2内部電極のいずれか一つと連結された積層セラミック電子部品。
【請求項11】
前記n個のビア電極は、同一極性を有する請求項10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項12】
前記ビア電極と前記第1及び第2外部電極とは、同一極性を有する請求項10または11に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項13】
前記ビア電極、前記第1及び第2外部電極の極性は、前記第3及び第4外部電極の極性と互いに異なる請求項10から12のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項14】
前記外部電極全体の個数がn+4個(n≧3)である場合、電極経路(Current Path)の個数は2n+4個(n≧3)である請求項10から13のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項15】
前記第1内部電極は、前記本体の外側面のうち第1面と第2面に露出されたリード部を有する請求項10から14のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項16】
前記第2内部電極は、前記本体の外側面のうち第3面と第4面に露出された請求項10から15のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項17】
前記本体の厚さは、幅より小さい請求項10から16のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項18】
前記本体は、容量の形成に寄与する部分として複数の第1及び第2内部電極を含むアクティブ部と、容量の形成に寄与せず、前記アクティブ部の上部及び下部に配置されるカバー部とを含み、
前記カバー部は、下部に配置された領域が上部に配置された領域より厚さがより小さい請求項10から17のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項19】
上部に複数の電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記複数の電極パッド上に複数の外部電極がそれぞれ設置された請求項1から10のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品とを含む積層セラミック電子部品の実装基板。
【請求項20】
第1方向に互いに対向する第1面及び第2面、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面、前記第1方向及び第2方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面を有する本体と、
前記本体内で誘電体層を挟んで交互に配置された複数の第1及び第2内部電極と、
前記本体の第1面及び第2面上に配置され、前記第1内部電極と連結した第1及び第2外部電極と、
前記本体の第3面上に配置され、前記第1内部電極の第1リード部、前記第2内部電極の第1リード部、及び第2内部電極の第2リード部とそれぞれ連結した少なくとも3個以上の第3外部電極と、
前記本体の第4面上に配置され、前記第1内部電極の第2リード部、前記第2内部電極の第3リード部、及び第2内部電極の第4リード部とそれぞれ連結した少なくとも3個以上の第4外部電極とを含み、
前記第1内部電極は、前記本体の第1面及び第2面に露出され、第3面及び第4面にそれぞれ露出されたリード部を含み、
前記第2内部電極は、前記本体の第1方向から前記第1内部電極の第1リード部と離隔して第3面に露出された第1及び第2リード部と、前記本体の第1方向から前記第1内部電極の第2リード部と離隔して第4面に露出された第3及び第4リード部とを含み、
前記第2内部電極の第1及び第3リード部は、前記本体の第1方向から前記第1外部電極と第1内部電極の第1リード部との間に配置され、前記第2内部電極の第2及び第4リード部は、前記本体の第1方向から前記第2外部電極と第1内部電極の第1リード部との間に配置された積層セラミック電子部品。
【請求項21】
前記本体の第3面には、N個の第3外部電極が配置され、第4面には、N個の第4外部電極が配置され、Nは、奇数である請求項20に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項22】
前記本体の厚さは、幅より小さい請求項20または21に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項23】
上部に複数の電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に実装され、前記複数の電極パッドと電気的に連結した請求項20から22のいずれか一項の積層セラミック電子部品とを含み、
前記積層セラミック電子部品の本体は、第1及び第2内部電極の上部及び下部にそれぞれ配置された上部カバー及び下部カバーをさらに含み、
前記印刷回路基板に隣接した下部カバーは、印刷回路基板から離隔した上部カバーより厚さがさらに薄い積層セラミック電子部品の実装基板。
【請求項24】
第1方向に互いに対向する第1面及び第2面、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面、前記第1方向及び第2方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面を有する本体と、
前記本体内で誘電体層を挟んで交互に配置された複数の第1及び第2内部電極と、
前記本体の第1面及び第2面上に配置され、前記第1内部電極とそれぞれ連結した第1及び第2外部電極と、
前記本体の第3面及び第4面上に配置され、前記第2内部電極とそれぞれ連結した第3及び第4外部電極と、
前記第3方向に前記本体を貫通し、第1内部電極または第2内部電極と連結した3個以上のビア電極とを含み、
前記第1内部電極は、前記本体の第1面及び第2面に露出され、前記第2内部電極は、前記本体の第3面及び第4面に露出された積層セラミック電子部品。
【請求項25】
前記ビア電極は、第1内部電極と連結し、第2内部電極とは離隔した請求項24に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項26】
前記本体の厚さは、幅より小さい請求項24または25に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項27】
上部に複数の電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に実装され、前記複数の電極パッドと電気的に連結した請求項24から26のいずれか一項の積層セラミック電子部品とを含み、
前記積層セラミック電子部品の本体は、第1及び第2内部電極の上部及び下部にそれぞれ配置された上部カバー及び下部カバーをさらに含み、
前記印刷回路基板に隣接した下部カバーは、印刷回路基板から離隔した上部カバーより厚さがさらに薄い積層セラミック電子部品の実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック電子部品及びその実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック材料を使用する電子部品として、キャパシタ、インダクタ、圧電素子、バリスタ及びサーミスタなどがある。
【0003】
このようなセラミック電子部品のうち、積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、小型でかつ高容量が保障され、実装が容易な長所を有し、LSIの電源回路などの高周波回路内に配置されるデカップリングキャパシタとして有用に使用される。
【0004】
この時、電源回路の安定性は、積層セラミックキャパシタのESLに依存し、特に低いESLで安定性が高い。
【0005】
従って、電源回路を安定化するために、積層セラミックキャパシタは、より低いESL値を有する必要があり、このような要求は、電子装置の高周波及び高電流化の傾向によってさらに増加している。
【0006】
また、積層セラミックキャパシタは、デカップリングキャパシタの他にEMIフィルターとして使用されるが、この場合、高周波ノイズの除去及び減殺特性を向上させるためにも、ESLが低いことが好ましい。
【0007】
最近、スマートフォンのAP(Application Processor)電源端の使用電流は、その機能の多様化、高速化及び高機能化に対応するためにますます高くなっている状況である。
【0008】
このような傾向により、積層セラミックキャパシタを数個並列に連結して全体のインピーダンスを下げる方式で、3端子キャパシタや基板面に対して内部電極が垂直に実装され、3端子形態のキャパシタであるVLC(Vertical Laminate Capacitor)などの低いESL特性を有するキャパシタを使用する方法に進化している。
【0009】
このように、AP(Application Processor)電源端には、実装面積の減少、高機能化を目的として、多数の3端子Low ESLキャパシタが使用されているが、複数の3端子キャパシタが使用されるにつれ、実装面積をさらに減少することができる方案に対する要求が生じつつある。
【0010】
即ち、このような複数の3端子キャパシタをさらに低いESLを有するキャパシタに代替することで、実装面積の減少効果がさらに得られれば、スマートフォンの電源端を設計する際にさらなる柔軟性(Flexibility)を持たせることができ、設計者の役に立つであろう。
【0011】
図1は、従来の3端子積層セラミックキャパシタを2個単純併合した積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
【0012】
図1を参照すると、従来の3端子積層セラミックキャパシタ10の内部電極及び外部電極の構造を従来と同様に維持しながら、従来の3端子積層セラミックキャパシタ10を2個単純併合した積層セラミックキャパシタ10'を示す。
【0013】
即ち、従来の3端子積層セラミックキャパシタ10を2個単純併合した積層セラミックキャパシタ10'は、従来の3端子積層セラミックキャパシタ10と構造は同一であり、サイズのみが増加した形状を有する。
【0014】
即ち、従来の3端子積層セラミックキャパシタ10のサイズが1209(長さ1.2mm、幅0.9mm)の場合、キャパシタ2個の容量を実現するほどのサイズに単純併合した積層セラミックキャパシタ10'は、1910(長さ1.9mm、幅1.0mm)程度のサイズを有する。
【0015】
上記のような単純併合構造では、基板実装面積を減少する効果はあるが、ESLが増加するため、低ESLの実現が重要な最近のスマートフォンの傾向に合わせられないという問題がある。
【0016】
図2は、図1の従来の3端子積層セラミックキャパシタ2個と、これを単純併合した積層セラミックキャパシタの周波数別のESL成分の変化を示すグラフである。
【0017】
図2を参照すると、従来の3端子積層セラミックキャパシタを2個並列に連結する際のESL値に比べて、これを単純併合した積層セラミックキャパシタのESLがさらに高くなることが分かる。
【0018】
具体的に、従来の3端子積層セラミックキャパシタのESL値は、約32pHであるのに対し、これを単純併合した積層セラミックキャパシタのESL値は56pH程度であり、ESL値が非常に高く、AP(Application Processor)電源端に適用するには問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2015−026843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
印刷回路基板に実装する際に実装面積をより減少させるために、AP(Application Processor)電源端に実装される複数の3端子キャパシタを併合し、低いESL特性を有する新しい構造のキャパシタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一実施形態によると、複数の3端子キャパシタを併合し、低いESL特性を有する新しい構造のキャパシタを提供する。
【0022】
本発明の一実施形態によると、複数の誘電体層を含み、上記誘電体層を挟んで交互に配置され、上記誘電体層の側面に延長した少なくとも一つのリード部を有する互いに異なる極性の複数の第1内部電極及び第2内部電極を含む本体と、上記本体の外側に配置され、上記第1及び第2内部電極と連結した複数の外部電極とを含み、上記外部電極は、上記本体の外側面のうち第1面と第2面に配置された第1及び第2外部電極と、上記第1面と第2面に隣接し、互いに対向する第3面及び第4面にそれぞれ同一の数で配置されたm個(m≧3)の第3及び第4外部電極とを含み、上記外部電極は、隣接した電極間の極性が全て異なる積層セラミック電子部品を提供する。
【0023】
本発明の他の実施形態によると、複数の誘電体層を含み、上記誘電体層を挟んで交互に配置され、互いに異なる極性を有する複数の第1内部電極及び第2内部電極を含む本体と、上記本体の外側に配置され、上記第1及び第2内部電極と連結した複数の外部電極とを含み、上記外部電極は、上記本体の外側面のうち第1面と第2面に配置された第1及び第2外部電極と、上記第1面と第2面に隣接し、互いに対向する第3面及び第4面に配置された第3及び第4外部電極と、上記本体及び複数の第1及び第2内部電極を貫通し、本体の第5面及び第6面に露出して配置されたn個(n≧3)のビア電極とを含み、上記ビア電極は、上記第1及び第2内部電極のいずれか一つと連結された積層セラミック電子部品を提供する。
【0024】
本発明の他の実施形態によると、上記積層セラミック電子部品が印刷回路基板上に実装された実装基板を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によると、従来の3端子積層セラミックキャパシタの低いESL特性を満たしながらも、複数のキャパシタを一つのキャパシタに併合することができるため、基板を実装する際の実装面積の減少効果に優れている。
【0026】
また、既存の多端子アレイ型キャパシタ製品に比べて、基板実装の際の配線難易度が低減されることができ、従来は適用が難しかった多端子アレイ型キャパシタを代替することができる。
【0027】
さらに、本発明の一実施形態によるキャパシタは、内部電極が基板実装面に対して水平に配置されるため、内部電極が垂直に積層される3端子キャパシタに比べてロー・プロファイル(Low Profile)タイプの製品により有利に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来の3端子積層セラミックキャパシタを2個単純併合した積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
図2図1の従来の3端子積層セラミックキャパシタ2個と、これを単純併合した積層セラミックキャパシタの周波数別ESL成分の変化を示すグラフである。
図3】本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタの上部平面図である。
図5】本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタの第1及び第2内部電極を示す概略図である。
図6】本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタの上部平面図である。
図8】本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタの第1、第2内部電極及びビア電極を示す概略図である。
図9】比較例と本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタの周波数別ESL成分の変化を示すグラフである。
図10】比較例と本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタの周波数別ESL成分の変化を示すグラフである。
図11】本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタが印刷回路基板に実装された様子を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)されることがある。
【0030】
また、各実施形態の図面で示す同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0031】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を説明し、特に、積層セラミックキャパシタで説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0032】
<積層セラミックキャパシタ>
本発明の実施例を明確に説明するために、キャパシタ本体の方向を定義すると、図面上に表示されたX、Y及びZは、それぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層及び内部電極の積層方向と同一の概念で使用されることができる。
【0033】
また、本実施例では、説明の便宜を図るため、キャパシタ本体110のX方向に対向する両面を第1及び第2面1、2と設定し、Y方向に対向し、第1及び第2面1、2の先端を連結する両面を第3及び第4面3、4と設定し、Z方向に対向し、第1及び第2面1、2と第3及び第4面3、4の先端をそれぞれ連結する両面を第5及び第6面5、6と設定して併せて説明する。ここで、第6面6は、実装面と同一の概念で使用されることができる。
【0034】
本発明の一実施形態によると、複数の3端子キャパシタを併合し、低いESL特性を有する新しい構造のキャパシタを提供する。
【0035】
最近、スマートフォンのAP(Application Processor)電源端の使用電流は、その機能の多様化、高速化及び高機能化に対応するためにますます高くなっている状況である。
【0036】
このような傾向により、積層セラミックキャパシタを数個並列に連結して、全体のインピーダンスを下げる方式で、3端子キャパシタや基板面に対して内部電極が垂直に実装され、3端子形態のキャパシタであるVLC(Vertical Laminate Capacitor)などの低いESL特性を有するキャパシタを使用する方式が適用されている。
【0037】
このように、AP(Application Processor)電源端には、実装面積の減少、高機能化を目的として多数の3端子Low ESLキャパシタが使用されているが、複数の3端子キャパシタが使用されることにより、実装面積をさらに減少することができる方案に対する要求がある。
【0038】
本発明の一実施形態によると、このような複数の3端子キャパシタをさらに低いESLを有するキャパシタに代替することで、実装面積の減少効果がさらに得られる。
【0039】
また、既存の多端子アレイ型キャパシタ製品に比べて、基板を実装する際の配線難易度が低減されることができ、従来は適用が難しかった多端子アレイ型キャパシタを代替することができる。
【0040】
また、本発明の一実施形態によるキャパシタは、内部電極が基板実装面に対して水平に配置されるため、内部電極が垂直に積層される3端子キャパシタに比べてロー・プロファイル(Low Profile)タイプの製品により有利に適用することができる。
【0041】
以下では、上記の従来の問題点を解決する本発明の実施例を具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0042】
図3は、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
【0043】
図4は、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタの上部平面図である。
【0044】
図5は、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタの第1及び第2内部電極を示す概略図である。
【0045】
図3に示すように、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、本体110と、該本体110の外側面に形成されたそれぞれ第1〜第4外部電極131、132、133、134とを含む。
【0046】
図3を参照すると、上記第1及び第2外部電極131、132は、それぞれ1個ずつであり、第3及び第4外部電極133、134は、それぞれ少なくとも3個以上配置されることができる。
【0047】
具体的に、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、複数の誘電体層111を含み、上記誘電体層111を挟んで交互に配置され、上記誘電体層111の側面に延長した少なくとも一つのリード部121a、121b、122a、122b、122c、122dを有する互いに異なる極性の複数の第1内部電極121及び第2内部電極122を含む本体110と、上記本体110の外側に配置され、上記第1及び第2内部電極121、122に連結した複数の外部電極131、132、133、134とを含み、上記外部電極は、上記本体110の外側面のうち第1面と第2面に配置された第1及び第2外部電極131、132と、上記第1面と第2面に隣接し、互いに対向する第3面及び第4面にそれぞれ同一の数で配置されたm個(m≧3)の第3及び第4外部電極133、134とを含む。
【0048】
図3では、上記mが3の場合であり、8端子の積層セラミックキャパシタ構造の一例を示すが、これに限定されるものではない。
【0049】
上記本体110は、複数の誘電体層111が積層されることで形成される。上記本体110内には、複数の第1及び第2内部電極121、122が誘電体層111によって互いに分離して配置されている。上記第1及び第2内部電極は、一誘電体層111を挟んで互いに異なる極性の内部電極が互いに対向するように交互に配置されることで、キャパシタンスを形成することができる。
【0050】
本第1実施形態において、上記第1外部電極131と第2外部電極132は、上記本体110の外側面のうち上記本体110の長さ方向の両側面である第1面と第2面に配置される。
【0051】
上記第3外部電極133と上記第4外部電極134は、それぞれ3個ずつ提供される。上記本体110の一側面とこれに対向する他側面にそれぞれ互いに異なる極性の外部電極が交互に配置されることができる。
【0052】
上記本体110の一側面とこれに対向する他側面は、上記本体110の幅方向の第3面と第4面であることができる。
【0053】
即ち、図3に示すように、上記第3及び第4外部電極133、134は、上記本体110の第3面及び第4面の対応する領域に互いに異なる極性の外部電極が位置し、同一の側面で異なる極性の外部電極が隣接するように配列されることができる。
【0054】
本発明の第1実施形態によると、上記第3及び第4外部電極133、134は、上記本体110の第3面及び第4面の対応する領域にそれぞれ3個ずつ配置されることにより、本第1実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、上記第1及び第2外部電極131、132と合わせて8端子構造を有する。
【0055】
本発明の第1実施形態によると、上記mは奇数であることができる。
【0056】
上記mが3以上の奇数の場合は、従来の3端子積層セラミックキャパシタの低いESL特性を満たしながらも、複数のキャパシタを一つのキャパシタに併合することができ、基板を実装する際の実装面積の減少効果により優れる。
【0057】
また、上記mが3以上の奇数の場合は、ESL値をより低く実現することができる。
【0058】
図4を参照すると、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタ100において、上記外部電極131、132、133、134は、隣接した電極間の極性が全て異なることを特徴とする。
【0059】
図4に示すように、第1及び第2外部電極131、132が(+)極性を有する場合、第3及び第4外部電極133、134のうち上記第1及び第2外部電極131、132に隣接した外部電極は、(−)極性を有し、第3及び第4外部電極133、134のそれぞれは、互いに隣接した外部電極の極性が互いに異なって配列される。
【0060】
上記のように本発明の第1実施形態によると、上記外部電極131、132、133、134は、隣接した電極間の極性が全て異なることを特徴とするため、従来の3端子積層セラミックキャパシタの低いESL特性を満たしながらも、複数のキャパシタを一つのキャパシタに併合することができ、基板を実装する際の実装面積の減少効果に優れる。
【0061】
従来の3端子積層セラミックキャパシタを複数単純併合する場合、あるいは多端子アレイ形態の一般的な積層セラミックキャパシタの場合は、上記のように隣接した全ての外部電極が異なる極性で配列されないため、本発明の第1実施形態のような低いESL特性を得難い。
【0062】
本発明の第1実施形態によると、上記外部電極131、132、133、134全体の個数と電極経路(Current Path)の個数は、同一であることができる。
【0063】
即ち、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタは、上記外部電極131、132、133、134全体の個数と電極経路(Current Path)の個数が同一であるため、多端子アレイ形態の一般的な積層セラミックキャパシタの場合より電極経路の個数が多く、低いESL特性が得られる。
【0064】
具体的に、積層セラミックキャパシタのESL特性は、電極経路(Current Path)の長さとその個数に依存し、電極経路(Current Path)の長さが短い場合、及び電極経路(Current Path)の個数が多い場合、積層セラミックキャパシタは、低いESL値を有することができる。
【0065】
本発明の第1実施形態によると、互いに隣接した外部電極の極性が全て異なって配列されるため、外部電極131、132、133、134全体の個数だけ電極経路(Current Path)が生成され、電極経路(Current Path)の個数を最大化することができるため、低いESL値が得られる。
【0066】
本発明の第1実施形態によると、上記第1及び第2外部電極131、132は、同一極性を有することができる。
【0067】
図4を参照すると、上記第1及び第2外部電極131、132は、(+)極性を有すると示しているが、これに制限されるものではなく、他の内部電極との連結によって(−)極性を有することができる。
【0068】
また、本発明の第1実施形態によると、上記第3及び第4外部電極133、134は、上記第3及び第4面のうち互いに向かい合う領域に互いに同一極性の外部電極が位置するように配置されることができる。
【0069】
上記第3及び第4外部電極133、134が上記第3及び第4面のうち互いに向かい合う領域に互いに同一極性で配置されることができるため、本発明の第1実施形態のように互いに隣接した外部電極の極性が互いに異なって配列されることができ、これにより、電極経路の個数を極大化することができ、低いESL値を有する積層セラミックキャパシタを実現することができる。
【0070】
このような本実施形態の外部電極の極性は、後述する内部電極の配置形状及び外部電極との連結関係によってより具体的に理解することができる。
【0071】
図5を参照すると、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、上記本体110内で上記誘電体層111を挟んで互いに異なる極性の内部電極121、122が互いに対向するように交互に配置された複数の第1及び第2内部電極121、122を含む。
【0072】
上記複数の第1及び第2内部電極121、122の形状は特に制限されず、以下で、第1及び第2内部電極121、122と上記第1〜第4外部電極131、132、133、134との連結関係を中心として詳しく説明する。
【0073】
本発明の第1実施形態において、第1内部電極121は、本体110の長さ方向の両端面である第1面及び第2面に露出され、上記本体110の幅方向の両側面である第3及び第4面にそれぞれ露出されるリード121a、121bを含むことができる。
【0074】
上記第1内部電極121が含まれるリード121a、121bは、上記本体の幅方向の両側面である第3及び第4面に露出され、それぞれ1個ずつであることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0075】
一方、第2内部電極122は、上記本体110の幅方向の両側面である第3及び第4面にそれぞれ露出され、上記第1内部電極121のリード121a、121bと電気的に絶縁されるように一定間隔離隔して形成されたリード122a、122b、122c、122dを含む。
【0076】
上記第2内部電極122が含まれるリード122a、122b、122c、122dは、上記本体の幅方向の両側面である第3及び第4面に露出され、それぞれ2個ずつであることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0077】
即ち、本発明の第1実施形態のように、8端子積層セラミックキャパシタの外部電極131、132、133、134と連結するために、上記第2内部電極122は、一側面と他側面にそれぞれ露出される2個のリード122a、122b、122c、122dを含むことができる。
【0078】
上記第1内部電極121は、本体110の長さ方向の両側面である第1面及び第2面に露出されることで、上記第1及び第2外部電極131、132と電気的に連結する。
【0079】
また、上記第1内部電極121は、上記本体110の幅方向の両側面である第3及び第4面にそれぞれ露出されるリード121a、121bを含み、上記リードを通じて上記第3及び第4外部電極133、134と電気的に連結する。
【0080】
また、第2内部電極122は、上記本体110の幅方向の両側面である第3及び第4面にそれぞれ露出され、上記第1内部電極121のリード121a、121bと電気的に絶縁するように一定間隔離隔して形成されたリード122a、122b、122c、122dを含み、第2内部電極122は、リード122a、122b、122c、122dを通じて上記第3及び第4外部電極133、134と電気的に連結する。
【0081】
このような連結構造により、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタは、8−端子キャパシタ構造を実現することができ、従来の3端子キャパシタ2個を結合したものと同一の効果が得られる。
【0082】
即ち、本発明の第1実施形態によると、従来の3端子積層セラミックキャパシタの低いESL特性を満たしながらも、複数のキャパシタを一つのキャパシタに併合することができるため、基板を実装する際の実装面積の減少効果に優れる。
【0083】
従来の3端子積層セラミックキャパシタのサイズが1209(長さ1.2mm、幅0.9mm)の場合、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタは、1910(長さ1.9mm、幅1.0mm)程度のサイズを有し、8−端子キャパシタの構造を有する。
【0084】
また、既存の多端子アレイ型キャパシタ製品に比べて、基板を実装する際の配線難易度が低減されることができ、従来は適用が難しかった多端子アレイ型キャパシタを代替することができる。
【0085】
本発明の第1実施形態によると、上記本体110の厚さは、幅より小さいことを特徴とする。
【0086】
上記本体110の厚さは幅より小さいため、内部電極が垂直に積層される3端子キャパシタとは異なり、ロー・プロファイル(Low Profile)タイプの製品により有利に適用することができる。
【0087】
また、本発明の第1実施形態によるキャパシタは、内部電極が基板実装面に対して水平に配置されるため、内部電極が垂直に積層される3端子キャパシタに比べてロー・プロファイル(Low Profile)タイプの製品により有利に適用することができる。
【0088】
本発明の第1実施形態によると、上記本体110は、容量の形成に寄与する部分として複数の第1及び第2内部電極121、122を含むアクティブ部と、容量の形成に寄与せず、上記アクティブ部の上部及び下部に配置されるカバー部とを含み、上記カバー部は、下部に配置された領域が上部に配置された領域より厚さがさらに小さいことができる。
【0089】
上記下部カバー部の厚さを上部カバー部の厚さより小さく配置することで、電極経路(Current Path)の長さを短くすることができ、より低いESL値を有する積層セラミックキャパシタを実現することができる。
【0090】
図6は、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
【0091】
図7は、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタの上部平面図である。
【0092】
図8は、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタの第1、第2内部電極及びビア電極を示す概略図である。
【0093】
図6に示すように、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、本体210と、該本体210の外側面に形成された第1〜第4外部電極231、232、233、234、及びビア電極235を含む。
【0094】
図6を参照すると、上記第1〜第4外部電極231、232、233、234は、それぞれ1個ずつであり、ビア電極235は、少なくとも3個以上配置されることができる。
【0095】
具体的に、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、複数の誘電体層211を含み、上記誘電体層211を挟んで交互に配置され、互いに異なる極性を有する複数の第1内部電極221及び第2内部電極222を含む本体210と、上記本体210の外側に配置され、上記第1及び第2内部電極221、222と連結された複数の外部電極231、232、233、234、235とを含み、上記外部電極は、上記本体210の外側面のうち第1面と第2面に配置された第1及び第2外部電極231、232と、上記第1面と第2面に隣接し、互いに対向する第3面及び第4面に配置された第3及び第4外部電極233、234と、上記本体210及び複数の第1及び第2内部電極221、222を貫通し、本体の第5面及び第6面に露出して配置されたn個(n≧3)のビア電極235とを含み、上記ビア電極235は、上記第1及び第2内部電極221、222のいずれか一つと連結される。
【0096】
図6では、上記nが3の場合であり、上記本体210の第5及び第6面にそれぞれ3個のビア電極235が露出して配置された積層セラミックキャパシタ構造の一例を示すが、これに限定されるものではない。
【0097】
本第2実施形態において、上記第1外部電極と第2外部電極231、232は、上記本体210の外側面のうち上記本体の長さ方向の両側面である第1面と第2面に配置される。
【0098】
また、上記第3外部電極233と第4外部電極234は、上記本体210の第1面と第2面に隣接した第3面及び第4の面で上記第1面と第2面にそれぞれ延長して配置される。
【0099】
本第2実施形態では、上記第1〜第4外部電極231、232、233、234がそれぞれ1個ずつ配置された構造を開示しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0100】
上記ビア電極235は、上記本体210と複数の第1及び第2内部電極221、222を貫通し、本体210の第5面及び第6面にそれぞれ3個以上露出して配置される。上記本体210の第5及び第6面は、上記本体210の上面及び下面であることができ、特に、第6面6は、積層セラミックキャパシタ200を印刷回路基板に実装する際に実装面であることができる。
【0101】
本発明の第2実施形態によると、上記第1〜第4外部電極231、232、233、234は、上記本体210の第1面〜第4面の対応する領域にそれぞれ1個ずつ配置され、ビア電極235が上記本体の第5面及び第6面に露出して配置された構造であり、ビア電極235を有する3端子積層セラミックキャパシタの構造を有する。
【0102】
図7を参照すると、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタ200において、上記n個のビア電極235は、同一極性を有する。上記ビア電極235は、上記第1及び第2内部電極221、222のいずれか一つと連結され、これにより、上記n個のビア電極235は、同一極性を有する。
【0103】
図7では、上記ビア電極235が第1及び第2内部電極221、222を全て貫通し、第1内部電極221とは電気的に連結するが、第2内部電極222とは電気的に絶縁される。これにより、上記ビア電極235は、(+)極性を有することができる。
【0104】
また、他の方法として、上記ビア電極235が第1内部電極221とは電気的に絶縁され、第2内部電極222とは電気的に連結される場合は、(−)極性を有することができる。
【0105】
上記ビア電極235と上記第1及び第2外部電極231、232は、同一極性を有することができる。また、同一極性を有する上記ビア電極235、第1及び第2外部電極231、232の極性は、上記第3及び第4外部電極233、234の極性と互いに異なることができる。
【0106】
図7に示すように、上記ビア電極235が(+)極性を有する場合、第1及び第2外部電極231、232も(+)極性を有し、第3及び第4外部電極233、234は(−)極性を有することができる。
【0107】
上記のように、本発明の第2実施形態によると、上記ビア電極235と上記第1及び第2外部電極231、232は、同一極性を有し、上記ビア電極235、第1及び第2外部電極231、232の極性は、上記第3及び第4外部電極233、234の極性と互いに異なることを特徴とするため、複数の3端子積層セラミックキャパシタを一つのキャパシタに併合することができ、基板を実装する際の実装面積の減少効果に優れる。
【0108】
本発明の第2実施形態によると、上記外部電極全体の個数がn+4個(n≧3)の場合、電極経路(Current Path)の個数は2n+4個(n≧3)であることができる。
【0109】
即ち、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタは、上記ビア電極235と上記第1及び第2外部電極231、232は同一極性を有し、上記ビア電極235、第1及び第2外部電極231、232の極性は、上記第3及び第4外部電極233、234の極性と互いに異なる。そのため、電極経路(Current Path)の個数が2n+4個(n≧3)であることができ、多端子アレイ形態の一般的な積層セラミックキャパシタの場合より電極経路の個数が多く、低いESL特性が得られる。
【0110】
図8を参照すると、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、上記本体210内で上記誘電体層211を挟んで互いに異なる極性の内部電極221、222が互いに対向するように交互に配置された複数の第1及び第2内部電極221、222を含む。
【0111】
上記複数の第1及び第2内部電極221、222の形状は、特に制限されない。
【0112】
本発明の第2実施形態において、第1内部電極221は、本体210の長さ方向の両側面である第1及び第2面にそれぞれ露出されるリード221a、221bを含むことができる。
【0113】
一方、第2内部電極222は、上記本体210の幅方向の両側面である第3及び第4面に露出される。
【0114】
上記第1内部電極221は、上記本体210の長さ方向の両側面の第1及び第2面にそれぞれ露出されるリード221a、221bを含み、上記リード221a、221bを通じて上記第1及び第2外部電極231、232と電気的に連結する。
【0115】
また、第2内部電極222は、上記本体210の幅方向の両側面である第3及び第4面に露出され、上記第3及び第4外部電極233、234と電気的に連結する。
【0116】
一方、上記のビア電極235は、上記本体210と複数の第1及び第2内部電極221、222を貫通し、本体210の第5面及び第6面にそれぞれ露出される。
【0117】
本発明の第2実施形態によると、上記ビア電極235は、上記複数の第1及び第2内部電極221、222のうち第1内部電極221又は第2内部電極222と電気的に連結することができる。
【0118】
上記第1内部電極221又は第2内部電極222と連結するビア電極235は、3個以上であることができる。本実施形態では、ビア電極235が3個の場合であり、第2実施形態による一つの積層セラミックキャパシタが従来の3端子キャパシタ2個を結合した効果と同一の効果が得られる。
【0119】
本発明の第2実施形態によると、上記第1内部電極221と第2内部電極222の少なくともいずれか一つには、一つ以上の貫通孔が形成されており、上記ビア電極235は、上記貫通孔を通過する。
【0120】
上記ビア電極235が第1内部電極221と電気的に連結する場合、第2内部電極222では、貫通孔を通過する上記ビア電極235が上記貫通孔の内周面と接触しない。即ち、第2内部電極222で上記ビア電極235は貫通孔の内周面と一定距離離隔することで、上記第2内部電極222と電気的に絶縁される。
【0121】
同様に、上記ビア電極235が第2内部電極222と電気的に連結する場合、第1内部電極221では、貫通孔を通過する上記ビア電極235が上記貫通孔の内周面と接触しない。即ち、第1内部電極221で上記ビア電極235が貫通孔の内周面と一定距離離隔することで、上記第1内部電極221と電気的に絶縁される。
【0122】
本発明の第2実施形態によると、上記本体210の上面及び下面である第5面と第6面に形成された上記ビア電極235の引出部はバンプ状に形成されることができる。他の方案として、上記ビア電極235の引出部はパッド状に形成されることもできる。
【0123】
本発明の実施形態によると、上記ビア電極235の引出部と、上記第1〜第4外部電極231、232、233、234は、積層セラミックキャパシタ200の外部端子の役割をする。従って、外部電極の下部から電流が流れるだけでなく、ビア電極からも電流が流れる。これにより、上記外部電極とビア電極は、互いに並列連結されたインダクタンスを作る。従って、全体ESL値は、従来に比べてさらに低減される。
【0124】
このような連結構造により、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、ビア電極を含む3端子キャパシタ構造を実現することができ、従来の3端子キャパシタ2個を結合したものと同一の効果が得られる。
【0125】
即ち、本発明の一実施形態によると、従来の3端子積層セラミックキャパシタの低いESL特性を満たしながらも、複数のキャパシタを一つのキャパシタに併合することができるため、基板を実装する際の実装面積の減少効果に優れる。
【0126】
従来の3端子積層セラミックキャパシタのサイズが1209(長さ1.2mm、幅0.9mm)の場合、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタは、1910(長さ1.9mm、幅1.0mm)程度のサイズを有し、ビア電極を含む3端子キャパシタの構造を有する。
【0127】
また、既存の多端子アレイ型キャパシタ製品に比べて、基板を実装する際の配線難易度が低減されることができ、従来は適用が難しかった多端子アレイ型キャパシタを代替することができる。
【0128】
本発明の第2実施形態によると、上記本体210の厚さは幅より小さいことを特徴とする。上記本体210の厚さは幅より小さいため、内部電極が垂直に積層される3端子キャパシタとは異なり、ロー・プロファイル(Low Profile)タイプの製品により有利に適用することができる。
【0129】
また、本発明の第2実施形態によるキャパシタ200は、内部電極が基板実装面に対して水平に配置されるため、内部電極が垂直に積層される3端子キャパシタに比べてロー・プロファイル(Low Profile)タイプの製品により有利に適用することができる。
【0130】
本発明の第2実施形態によると、上記本体210は、容量の形成に寄与する部分として複数の第1及び第2内部電極221、222を含むアクティブ部と、容量の形成に寄与せず、上記アクティブ部の上部及び下部に配置されるカバー部とを含み、上記カバー部は、下部に配置された領域が上部に配置された領域より厚さがより小さいことができる。
【0131】
上記下部カバー部の厚さを上部カバー部の厚さより小さく配置することで、電極経路(Current Path)の長さを短くすることができ、より低いESL値を有する積層セラミックキャパシタを実現することができる。
【0132】
図9は、比較例と本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタの周波数別ESL成分の変化を示すグラフである。
【0133】
図9を参照すると、比較例である従来の3端子積層セラミックキャパシタのESL値と、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタのESL値とを比較すると、ほぼ類似していることが分かる。
【0134】
具体的に、従来の3端子積層セラミックキャパシタのESL値は、約32pHであるが、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタの8−端子積層セラミックキャパシタのESL値も、約32pHであることが分かる。
【0135】
即ち、本発明の第1実施形態によると、従来の3端子積層セラミックキャパシタの低いESL特性を満たしながらも、複数のキャパシタを一つのキャパシタに併合することができるため、基板を実装する際の実装面積の減少効果に優れる。
【0136】
図10は、比較例と本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタの周波数別ESL成分の変化を示すグラフである。
【0137】
図10を参照すると、比較例の従来の3端子積層セラミックキャパシタのESL値と、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタのESL値とを比較すると、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタのESL値が多少上昇したことが分かる。
【0138】
具体的に、従来の3端子積層セラミックキャパシタのESL値は、約32pHであるが、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタの8−端子積層セラミックキャパシタのESL値も、約44pHであることが分かる。
【0139】
即ち、本発明の第2実施形態によると、従来の3端子積層セラミックキャパシタのESL値よりは上昇するが、複数のキャパシタを一つのキャパシタに併合することができるため、基板を実装する際の実装面積の減少効果に優れる。
【0140】
積層セラミックキャパシタの実装基板
図11は、本発明の第1実施形態による積層セラミックキャパシタが印刷回路基板に実装された様子を概略的に示す斜視図である。
【0141】
図11を参照すると、本実施形態による積層セラミック電子部品の実装基板300は、積層セラミック電子部品が実装された印刷回路基板310と、印刷回路基板310の上面に互いに離隔して形成された複数の電極パッド311、312、313、314、315とを含む。
【0142】
その際、積層セラミック電子部品である積層セラミックキャパシタは、本体110の厚さ方向の第6面が実装面として下側に配置され、第1〜第4外部電極131、132、133、134、或いは第1〜第4外部電極とビア電極がそれぞれ複数の電極パッド311、312、313、314、315上に接触して位置した状態で、はんだ(図示せず)によって印刷回路基板310と電気的に連結することができる。
【0143】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタがEMIフィルターとして使用される場合、第1〜第4外部電極131、132、133、134の一部は、それぞれ信号ラインの入力端及び出力端に接続し、残りは接地端に接続して、信号ラインの高周波ノイズを除去することができる。
【0144】
具体的に、(+)極で表示される外部電極は、電極パッドと接続してそれぞれ入/出力端に該当し、(−)極で表示される外部電極は、電極パッドと接続して接地端に該当する。
【0145】
他の応用例として、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタがデカップリングキャパシタとして使用される場合、第1〜第4外部電極131、132、133、134の一部は電源ラインに接続し、残りは接地ラインに接続して電源回路を安定化することができる。
【0146】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0147】
100、200 積層セラミックキャパシタ
110、210 本体
111、211 誘電体層
121、122、221、222 第1及び第2内部電極
121a、121b、122a、122b、122c、122d、221a、221b リード部
131、132、133、134、231、232、233、234 第1〜第4外部電極
235 ビア電極
300 積層セラミック電子部品の実装基板
310 印刷回路基板
311、312、313、314、315 電極パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11