(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-93367(P2018-93367A)
(43)【公開日】2018年6月14日
(54)【発明の名称】スマートフォン用アタッチメントケース
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20180518BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-235014(P2016-235014)
(22)【出願日】2016年12月2日
(71)【出願人】
【識別番号】513021257
【氏名又は名称】田中 剛
(74)【代理人】
【識別番号】230118289
【弁護士】
【氏名又は名称】甲本 晃啓
(74)【代理人】
【識別番号】230118289
【弁護士】
【氏名又は名称】甲本 晃啓
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
【テーマコード(参考)】
5K023
【Fターム(参考)】
5K023AA07
5K023BB02
5K023BB03
5K023DD06
5K023MM03
5K023MM25
5K023PP02
5K023RR01
(57)【要約】
【課題】スマートフォンの優れたデザインや薄さと調和しつつ、使用者が片手で、その指を差し込んで自由度の高くスマートフォンを保持でき、その操作性や閲覧性を最大限に引き出することのできるスマートフォン用アタッチメントケースを提供すること。
【解決手段】略平板上のスマートフォンの4つの角それぞれに勘合する結合部と、当該結合部に連結された伸縮性のある支持体を備えることを特徴とするスマートフォン用アタッチメントケースを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略平板上のスマートフォンの4つの角それぞれに嵌合する結合部と、当該結合部に連結された伸縮性のある支持体を備えることを特徴とするスマートフォン用アタッチメントケース。
【請求項2】
前記支持体が略X字状であることを特徴とする請求項1記載のスマートフォン用アタッチメントケース。
【請求項3】
前記支持体が略I字状であることを特徴とする請求項1記載のスマートフォン用アタッチメントケース。
【請求項4】
前記支持体が前記結合部と一体として同一部材で成形されていることを特徴とする請求項2および3記載のスマートフォン用アタッチメントケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、スマートフォン、タブレットその他の通信端末及び音楽プレイヤー等の携帯機器のアタッチメントケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット端末の普及により、これら携帯機器を外出時に片手で安定的に保持できる保持具が訴求されている。
【0003】
例えば、特開2012−151770号公報「保持バンドを有する携帯機器用ケース」が提案されている。この従来例は、軟質性を有する帯状体からなる保持バンドをスマートフォンのケース体の外側の縦方向に沿ってケース体と一体に設け、上記ケース体裏面に上記保持バンドとの間に指挿通部を形成し、使用時にはこの指挿通部に2本の指を差し込んだ状態で指を動かしてタッチパネルのアイコンを操作するものである(公報第4頁段落0011及び
図7参照)。しかし、指挿通部と本体その間には隙間があり、想定される指挿通部へ指を差し込んで保持するという使い方だけであれば問題がないが、薄さが求められるスマートフォンの厚みが増してしまい、また机上に置いて使用する際には、保持バンドが背面側に出っ張っているので、安定しないなどの問題点があった。
【0004】
他方、特開2014−189735公報「携帯機器用保持具」では、スマートフォンの形状に合わせた保持カバーケースの一部を切り欠いて指を入れる構造が提案されているが、保持を安定させるには背面にある伸縮帯の複数の指差し入れ口に交互に指を差し入れる必要があり、指の入れ方(持ち方)の自由度が低く不便であるうえ、非対称で構造あるために利き手を選ぶという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−151770号公報
【特許文献1】特開2014−189735公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、スマートフォンの優れたデザインや薄さと調和しつつ、片手の指を差し込んで簡単かつ保持態様の自由度が高いスマートフォンを保持できるスマートフォン用アタッチメントケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、第1には、略平板上のスマートフォンの4つの角それぞれに勘合する結合部と、当該結合部に連結された伸縮性のある支持体を備えることを特徴とするスマートフォン用アタッチメントケースを提供する。
【0008】
更に、本願発明は、第2に、前記支持体が略X字状であることを特徴とする前記スマートフォン用アタッチメントケース、第3に前記支持体が略I字状であることを特徴とする前記スマートフォン用アタッチメントケースをそれぞれ提供する。
【0009】
また、本願発明は、前記支持体が前記結合部と一体として同一部材で成形されていることを特徴とする前記スマートフォン用アタッチメントケースを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本願発明により、スマートフォンの優れたデザインや薄さと調和しつつ、片手の指を差し込んで簡単かつ保持態様の自由度が高いスマートフォンを保持できるスマートフォン用アタッチメントケースが提供され、日常生活におけるスマートフォンの利用がより便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1のスマートフォン用アタッチメントケースである。
【
図2】実施例1のスマートフォン用アタッチメントケースの装着状態である。
【
図3】実施例2のスマートフォン用アタッチメントケースである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明に係るスマートフォン用アタッチメントケースは、略平板上のスマートフォンの4つの角それぞれに嵌合する結合部と、当該結合部に連結された伸縮性のある支持体で構成される。
【0013】
当該結合部は、スマートフォンの角の形状に適合するように形成された部材であって、任意の部材を選択できる。好ましくは、アルミニウムその他の合金を含む金属、天然皮革、合成皮革、麻や綿などの天然繊維・化学繊維による紡績材料、樹脂、各種の硬質プラスチック、ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコーン、およびこれらのうち複数からあるハイブリッド素材などが選択される。結合部は、支持体と別部材で構成されていても、一体として構成されていても、いずれの構成を採用しても構わない。また、結合部はスマートフォンの1つの角に対して1個ずつ構成しても構わないし、複数すなわち2ないし4つの角を同時に嵌合する形状であってもよい。また、結合部は、使用者がスマートフォンを誤って落下させたような場合でも、十分に緩衝できるよう、好ましくは、スマートフォンの損壊を最小限に低減させるように、例えば、スマートフォン画面を下して平板にスマートフォンを置いても画面が平板に接触しないよう、画面より鉛直方向に若干の厚みを持たせることが望ましく、より好ましくは角を包み込むようなポケット状の形状を有するものであることが望ましい。
【0014】
他方、支持体は伸縮性を有する素材であって、支持体とスマートフォン側との隙間へ指を挿入して保持することから、好ましくは帯状である。支持体は、全体が伸縮性を有していても構わないし、一部に伸縮性を有する素材を組み込んだものであっても、いずれを採用しても構わない。この伸縮性を有す素材は、好ましくは、TPU、シリコーン、ゴム、およびこれらの部材と各種の混紡繊維等の素材が作用される。また、指を挿入しやすくするために、好ましくは前記隙間(最大部)が0.3ないし1.0ミリメートルの範囲、より好ましくは0.5ないし0.8ミリメートルの範囲になるように調整された形状である。また、同じく指を挿入しやすくするために、支持体の本体側の接する面の角を落とし、断面がU字(逆かまぼこ形)であることが好ましい。また、支持体と本体との間に指を挿入し、画面を縦長に見る方向でスマートフォンを保持した場合に、挿入した指をスマートフォンの下端部へ移動させても、下端部から20ないし30ミリメートルの位置で、支持体の張力または物理構造によって指が止まるように構成されたものが好ましい。
【0015】
また、本願発明にかかる結合部および支持体に、デザイン性を付与するために、天然または合成皮革などの他の部材を表面に貼付したり、結合部および支持体に直接印刷その他の方法で適宜意匠を施したりしても良い。また、機能性を付与するために、例えば手帳型ケースとしてスマートフォンの画面カバーを接続ないし一体として成形してもよい。さらに、結合部および支持体は、スマートフォンの操作ボタン等に干渉しないように切り欠きを設けたり、穿孔したりすることができる。また、スピーカー、カメラ、データおよび充電ケーブルの接続用のコネクタ部、ヘッドフォンジャックその他の出入力およびセンサー部分へのアクセスを確保し、あるいは、スマートフォンの意匠(ロゴマーク)等を隠さないようにするために、切り欠きを設けたり、穿孔したりすることができる。
【0016】
更に、本願発明のスマートフォン用アタッチメントケースは、第2に、支持体が略X字状であることを特徴とする。支持体は、好ましくは左右対称となるように構成され、より好ましくは、略平板状のスマートフォンの4つの頂点に関する対角線に沿った形状である。ただし、スマートフォンの大きさや長さなどの形状に従って、Y字を二つ組み合わせたような形状であってもよい。
【0017】
また、本願発明のスマートフォン用アタッチメントケースは、第3に、支持体が略I字状であることを特徴とする。支持体は、好ましくは左右対称となるように構成され、より好ましくは、スマートフォンの中心線に沿った形状である。
【0018】
更に、本願発明のスマートフォン用アタッチメントケースは、第4に、支持体が結合部と一体として同一部材で成形されていることを特徴とする。支持体は、スマートフォンの角に嵌合する4カ所の結合部がそれぞれ独立している場合には、好ましくは、結合部同士を緊締してスマートフォン本体からアタッチメントケースが脱離しないような十分な張力を有し、かつ、スマートフォンを保持するために指を支持体と本体との間に挿入しても、十分な復元力を有するものが採用される。
【0019】
次に、実施例を用いて本願発明の実施形態を説明する。ただし、本願発明はこれら実施例で開示する実施形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
実施例1は、本願発明にかかる支持体を略X字状としたスマートフォン用アタッチメントケースであり、その模式図を
図1および2に示す。
【0021】
本実施例のスマートフォン用アタッチメントケースには、2種類の結合部が設けられている。すなわち、一方の結合部はスマートフォンを縦位置で保持したときに下となる側(以下「下側」という)のそれぞれ角に嵌合する2つポケット状の結合部21で、左右独立したものである。他方の結合部は、スマートフォンを縦位置で保持したときに上となる側(以下「上側」という)の二つの角および、スマートフォンの上側のエッジ部分と一体的に嵌合するポケット状の結合部22を備える。本実施例では、これら3つの結合部を連結し、かつ、緊締するための伸縮性部材を用いた支持体11が結合部21および22と一体として整形されている。
【0022】
スマートフォン3は2つの結合部21および1つの結合部22のポケットに4つの角をはめ込んで、本実施例のスマートフォン用アタッチメントケースに装着する。使用者は、スマートフォン3と、支持体11との隙間に指を1ないし数本差し込み、片手でスマートフォンを保持する。
【0023】
さらに、支持体11の間隙10は、アップル社製のスマートフォンを対象とする場合には、その背面にある同社の意匠(ロゴマーク)見えるような大きさ・位置が選択される。また、結合部22には、スマートフォンのカメラレンズ33を覆い隠さないようにするために穿孔24が設けられている。そのほか、支持体11および、結合部21・22には、スマートフォンのそれぞれの機種に適合するよう、スマートフォン3のスマートフォンの操作ボタン31、コネクタ部32、スピーカー、ヘッドフォンジャック、その他の操作部等へのアクセスを確保する目的で、切り欠きを設けたり、穿孔したりすることができる。
【実施例2】
【0024】
実施例2は、本願発明にかかる支持体を略I字状としたスマートフォン用アタッチメントケースであり、その模式図を
図3に示す。
【0025】
本実施例のスマートフォン用アタッチメントケースは、スマートフォン背面を覆う様に一体化された結合部が設けられている。すなわち、スマートフォンの4つの角に嵌合する形状の結合部23である。結合部23にはシート状の伸縮性部材を用いたI状の支持体12が一部で接着されている。この支持体の接着部は、通常はスマートフォンの上側および下側の任意の部分が選べる。
【0026】
スマートフォン5は結合部23の4つの角をはめ込んで、本実施例のスマートフォン用アタッチメントケースに装着する。使用者は、結合部23と、支持体12との隙間に指を1ないし数本差し込み、片手でスマートフォンを保持する。
【0027】
さらに、支持体12の間隙10は、アップル社製のスマートフォンやタブレット端末を対象とする場合には、その背面にある同社の意匠(ロゴマーク)見えるような大きさ・位置が選択される。また、結合部22には、スマートフォンのカメラレンズ33を覆い隠さないようにするために穿孔24が設けられている。そのほか、支持体11および、結合部21・22には、スマートフォンのそれぞれの機種に適合するよう、スマートフォン3のスマートフォンの操作ボタン31、コネクタ部32、外部スピーカー、ヘッドフォンジャックその他の操作部等へのアクセスを確保する目的で、切り欠きを設けたり、穿孔したりすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
片手で安全かつ確実なスマートフォンの保持が可能になり、データ入力、スタイラスペンの利用、カメラの撮影その他のスマートフォンの様々なシーンでの利用が広がる。
【符号の説明】
【0029】
10 支持体の間隙
11 X型支持体
12 I型支持体
21 結合部(1つの角に嵌合するもの)
22 結合部(2つの角に嵌合するもの)
23 結合部(4つの角に嵌合するもの)
24 カメラレンズ用穿孔
25 ICカード用穿孔
3 スマートフォン本体
31 スマートフォンのボタン
32 スマートフォンのケーブルコネクタ
33 スマートフォンのカメラレンズ
4 ICカード