【解決手段】式(1)で示される化合物(A)、ヒドロキシエチルアルキルアミド誘導体(B)、アニオン性界面活性剤(C)、非水溶性油類(D)及び水を含有する液体芳香剤で、非水溶性油類(D)が、芳香族環構造を有する高分子香料(D1)を含み、25℃における動的光散乱法(DLS)での平均粒子径が特定の条件を満たす、液体芳香剤。液体芳香剤に対する前記非水溶性油類(D)の重量割合が0.1〜5重量%であり、化合物(A)、アミド誘導体(B)及びアニオン性界面活性剤(C)の合計の重量割合が非水溶性油類(D)に対して50〜1000重量%であると好ましい液体芳香剤。
下記一般式(1)で示される化合物(A)、下記一般式(2)で示される化合物(B)、アニオン性界面活性剤(C)、非水溶性油類(D)及び水を含有する液体芳香剤であって、
前記非水溶性油類(D)が、芳香族環構造を有する高分子香料(D1)を含み、25℃における動的光散乱法(DLS)での平均粒子径が下記条件1を満たす、液体芳香剤。
【化1】
(一般式(1)中、nは1.0〜3.0の数、n個のR
1はそれぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はエチリデン基を示す。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示す。mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1〜60の数を表す。)
【化2】
(式中、R
2は炭素数7〜23の飽和又は不飽和炭化水素基であり、R
3は水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基から選ばれるいずれか1種を示す。)
条件1:d50≦100nm
前記高分子香料(D1)が、ガラクソリドを必須に含み、前記非水溶性油類(D)に対するガラクソリドの重量割合が0.1〜50重量%である、請求項1又は2に記載の液体芳香剤。
可溶化剤に対して、前記化合物(A)が30〜70重量%、前記化合物(B)が10〜50重量%、前記アニオン性界面活性剤(C)が5〜50重量%である、請求項4に記載の液体芳香剤用香料可溶化剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながらこれまでに提案された可溶化剤は、香料との配合直後は透明に可溶化できていても、常用の広い温度範囲で長期間保存すると白濁化する、或いは冬季に凍結した後室温に戻して融解させても濁りがなくならないという問題が発生することがあった。
本発明者らは、係る問題発生の原因を調査した結果、液体芳香剤に使用される香料が、従来の液体芳香剤と比較して複雑で重厚感のある香調とするために、芳香族環構造を有する高分子香料であり、該高分子香料が可溶化させることが従来の可溶化剤では可溶化が困難であることに起因することを見出した。
そこで、本発明の目的は、広い温度範囲で可溶化状態が保持された液体芳香剤を提供することである。
また、本発明の別の目的は、広い温度範囲で可溶化状態を保持することができる液体芳香剤用可溶化剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の化合物(A)〜(D)を含み、動的光散乱法(DLS)での平均粒子径が特定の範囲にある液体芳香剤であれば、上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明の液体芳香剤は、下記一般式(1)で示される化合物(A)、下記一般式(2)で示される化合物(B)、アニオン性界面活性剤(C)、非水溶性油類(D)及び水を含有する液体芳香剤であって、前記非水溶性油類(D)が、芳香族環構造を有する高分子香料(D1)を含み、25℃における動的光散乱法(DLS)での平均粒子径が下記条件1を満たす。
【化1】
(一般式(1)中、nは1.0〜3.0の数、n個のR
1はそれぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はエチリデン基を示す。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示す。mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1〜60の数を表す。)
【化2】
(式中、R
2は炭素数7〜23の飽和又は不飽和炭化水素基であり、R
3は水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基から選ばれるいずれか1種を示す。)
条件1:d50≦100nm
【0008】
液体芳香剤に対する前記非水溶性油類(D)の重量割合が0.1〜5重量%であり、
前記化合物(A)、前記化合物(B)及びアニオン性界面活性剤(C)の合計の重量割合が前記非水溶性油類(D)に対して50〜1000重量%であると好ましい。
前記高分子香料(D1)が、ガラクソリドを必須に含み、前記非水溶性油類(D)に対するガラクソリドの重量割合が0.1〜50重量%であると好ましい。
【0009】
本発明の液体芳香剤用香料可溶化剤は、下記一般式(1)で示される化合物(A)、下記一般式(2)で示される化合物(B)及びアニオン性界面活性剤(C)を含有する。
【化1】
(一般式(1)中、nは1.0〜3.0の数、n個のR
1はそれぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はエチリデン基を示す。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示す。mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1〜60の数を表す。)
【化2】
(式中、R
2は炭素数7〜23の飽和又は不飽和炭化水素基であり、R
3は水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基から選ばれるいずれか1種を示す。)
【0010】
可溶化剤に対して、前記化合物(A)が30〜70重量%、前記化合物(B)が10〜50重量%、前記アニオン性界面活性剤(C)が5〜50重量%であると好ましい。
ガラクソリドを必須に含む香料に対して用いられると好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の液体芳香剤は、広い温度範囲で長期間透明な外観を呈する。また、本発明の液体芳香剤用可溶化剤は、広い温度範囲で可溶化状態を保持することができるので、当該可溶化剤を含む液体芳香剤は、広い温度範囲で長期間透明な外観を呈する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の液体芳香剤は、特定の成分を含有し、特定の粒子径の条件を満足するものである。以下、まず、各成分について説明する。
【0013】
〔化合物(A)〕
化合物(A)は、上記一般式(1)で示される成分である。化合物(A)は、可溶化剤として効果を発揮する成分である。可溶化剤として優れる理由は定かではないが、分子内に芳香環が多いために後述する芳香族環構造を有する高分子香料(D1)と相溶性が良好で、ポリオキシアルキレン基部分が水と相溶性が良好であるために、水と香料との界面活性剤としての機能を果たしているためと推定している。
上記一般式(1)中、nは平均値であって1.0〜3.0の数であり、広い温度範囲で可溶化する観点から、好ましくは2.0〜3.0である。
n個のR
1はそれぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はエチリデン基を示す。広い温度範囲で可溶化する観点から、n個のR
1のすべてがエチリデン基である。
【0014】
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、オキシエチレン基、1,2−オキシプロピレン基、1,3−オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基、2,3−ブチレン基及び1,4−ブチレン基が挙げられ、広い温度範囲で可溶化する観点から、好ましくは、オキシエチレン基である。またAOは1種のオキシアルキレン基の単独使用又は2種以上のオキシアルキレン基の併用であってもよく、2種以上を併用する場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。
mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。mは1〜60の数であり、広い温度範囲で可溶化する観点から、3〜50が好ましく、5〜40がより好ましく、10〜35がさらに好ましく、15〜30が特に好ましい。
【0015】
〔化合物(B)〕
化合物(B)は、上記一般式(2)で示される化合物である。化合物(B)は上記化合物(A)と後述するアニオン性界面活性剤(C)との併用で、可溶化剤として効果を発揮する成分である。
可溶化剤として優れる理由は定かではないが、分子内に有するアミド基が後述する芳香族環構造を有する高分子香料(D1)と相溶性が良好で、ヒドロキシエチル基部分が水と相溶性が良好であるために、水と香料との界面活性剤としての機能を果たしているためと推定している。
一般式(2)中、R
2は直鎖状でも分岐状でもかまわない。好ましくは直鎖である。また、アルキル基は飽和でも不飽和でもよく、また単一であるか混合の炭化水素基であるかは問わない。広い温度範囲で可溶化する観点から、直鎖かつ飽和の炭化水素基が好ましい。
R
2の炭素数は、7〜23であり、広い温度範囲で可溶化する観点から、8〜22が好ましく、9〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましく、12〜16が特に好ましい。
R
3は水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基から選ばれるいずれか1種を示し、中でも、広い温度範囲で可溶化する観点から、ヒドロキシエチル基が好ましい。
【0016】
〔アニオン性界面活性剤(C)〕
アニオン性界面活性剤(C)は、上記化合物(A)及び上記化合物(B)と併用されることにより、温度安定性を発揮する成分である。
アニオン性界面活性剤(C)としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アシルメチルタウリン酸塩、アラニネート塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などが例示される。ここで表される塩は、アルカリ金属塩及び/又はトリエタノールアミン塩を指す。また、アルキル基、アシル基は直鎖でも分岐でもよい。広い温度範囲で可溶化する観点から、特に好ましいのは分岐アルキルスルホコハク酸塩である。
【0017】
〔非水溶性油類(D)〕
本発明の液体芳香剤は、非水溶性油類(D)を必須とし、非水溶性油類(D)は芳香性の役割を担っている。非水溶性油類(D)としては、植物抽出油、配合香料、精油、テルペン類などの香気成分、ミネラルオイル、脂肪族炭化水素油、芳香族炭化水素油、エステル油などが挙げられる。
【0018】
植物抽出油としては、特に限定されないが、例えば、ラベンダーオイル、オレンジオイル、レモンオイル、薔薇抽出油、ライムオイル、ヒノキ抽出油、ハーブ抽出油などが挙げられる。
【0019】
配合香料としては、芳香族環構造を有する高分子香料(D1)、ローズ、シトラス、レモン、コーヒー、アプリコット、フローラル、ピーチなど、種々の成分を人工的に配合することによりそれに似せた香気を与えたものなどが挙げられ、本発明の液体芳香剤は、芳香族環構造を有する高分子香料(D1)を必須に含有する。
【0020】
精油としては、樟脳白油、ヒノキ精油、テレビン油、ユーカリ油、薄荷油などが例示される。
テルペン類香気成分としては、p−メンタジエン、d−リモネン、p−メンタン、ピナン、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、ミルテナール、ミルテノール、ペリラアルデヒド、ローズオキサイド、ボルネオール、カンフル、カルベオール、カルボンオキサイド、カルビルアセテート、カリオフィレン、シネオール、シトロネラール、シトロネロール、サイメン、サイメン−8−オール、ジヒドロカルベオール、ジヒドロカルボン、ジヒドロカルビルアセテート、リモネンオキサイド、フラノイド、ピラノイド、p−メンタン、メントール、メントン、メンチルアセテート、ミルテナール、ミルテノール、ミルテニルアセテート、ペリリルアルコール、ペリリルアセテート、ピネン、ピネンオキサイド、ゲラニオール、酢酸イソアミル、アニソール、アミルシンナミックアルデヒド、アンスラニル酸メチルなどが例示される。
【0021】
ミネラルオイルとしては流動パラフィン、軽油、スピンドル油などが、脂肪族炭化水素油としてはヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、オクタンなどが、芳香族炭化水素油としてはトルエン、キシレンなどが例示される。エステル油としては、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸オレイル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸−2−エチルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸エチルなど、脂肪酸とアルコールから成るエステルなどが例示される。
【0022】
芳香族環構造を有する高分子香料(D1)としては以下の例が挙げられる。ムスクキシレン、ムスクケトン、ムスクアンブレット、ムスクチベテン、モスケン、ファントリド、セレストリド、ベルサリド、トナリド、ガラクソリド、安息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソアミル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンナミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、インドール、スカトール、6−メチルキノリン、6−メチルテトラヒドロキノリン、7−メチルキノリン、6−イソプロピルキノリン、イソブチルキノリン、酢酸トリクロルメチルフェニルカルビニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、上記化合物(A)、化合物(B)及びアニオン性界面活性剤(C)との相溶性に優れるために広い温度範囲で可溶化される観点から、モスケン、ファントリド、セレストリド、ベルサリド、トナリド、ガラクソリドが好ましく、ガラクソリドがさらに好ましい。
【0023】
〔水〕
水は、液体芳香剤に必須の成分である。水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水、工業用水、水道水等が挙げられる。
【0024】
〔溶剤(E)〕
溶剤(E)は、非水溶性油類を界面活性剤により水へ、あるいは水を界面活性剤により
非水溶性油類中へ可溶化させる際、ゲル化を防止するとともに広い温度範囲で可溶化状態を保持する成分である。溶剤としては、3−メトキシブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール等が挙げられるが、中でも、3−メトキシブタノール、プロピレングリコールが好ましく、3−メトキシブタノール及びプロピレングリコールを含む場合が最も好ましい。
【0025】
〔液体芳香剤〕
本発明の液体芳香剤は、動的光散乱法(DLS)での粒子径が下記条件1を満たす。なお、動的光散乱法(DLS)の測定条件は実施例に記載する。
条件1は、d50≦100nmであり、d50≦50nmがより好ましく、d50≦20nmがさらに好ましく、d50≦10nmが特に好ましい。100nm超の場合、目視で濁りが確認され可溶化状態が保持されていない。
条件1において、好ましい下限値は0.5nmである。
【0026】
本発明の液体芳香剤に占める化合物(A)の重量割合は、広い温度範囲で可溶化する観点から、0.5〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜6重量%がさらに好ましい。
本発明の液体芳香剤に占める化合物(B)の重量割合は、広い温度範囲で可溶化する観点から、0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜5.0重量%がより好ましく、0.3〜3.0重量%がさらに好ましい。
本発明の液体芳香剤に占めるアニオン性界面活性剤(C)の重量割合は、広い温度範囲で可溶化する観点から、1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましく、0.5〜2.5重量%がさらに好ましい。
本発明の液体芳香剤に占める芳香族環を有する高分子香料(D1)の重量割合は、広い温度範囲で可溶化する観点から、0.1〜5重量%が好ましく、0.2〜4重量%がより好ましく、0.3〜3重量%がさらに好ましい。
【0027】
化合物(A)に対する化合物(B)の重量割合の比率(B/A)は、広い温度範囲で可溶化する観点から、0.1〜1.0が好ましく、0.3〜0.7がより好ましく、0.4〜0.6がさらに好ましい。
【0028】
非水溶性油類(D)100重量部に対する、前記化合物(A)、前記化合物(B)及び前記アニオン性界面活性剤(C)の合計の重量割合は、50〜1000重量部が好ましく、60〜800重量部がより好ましく、80〜700重量部がさらに好ましく、100〜500重量部が特に好ましい。
【0029】
前記非水溶性油類(D)にガラクソリドが含まれる場合、広い温度範囲で可溶化する観点から、前記非水溶性油類(D)に対するガラクソリドの重量割合は、0.1〜100重量%であると好ましく、0.5〜75重量%であるとより好ましく、1〜50重量%であるとさらに好ましい。
【0030】
(その他成分)
本発明の液体芳香剤は、その他成分として、防腐剤、抗菌剤、忌避剤、天然物等のエキス、分散剤、色素、酸化防止剤、減粘剤、紫外線吸収剤、pH調整剤等の添加剤を含有してもよい。
【0031】
〔液体芳香剤の製造方法〕
液体芳香剤の製造方法としては、従来公知の方法が挙げられる。液体芳香剤は、例えば、非水溶性油類(D)に必要に応じて溶剤(E)を添加し、化合物(A)、化合物(B)及びアニオン性界面活性剤(C)を配合し、これに水を加えることで調製される。
【0032】
〔液体芳香剤用香料可溶化剤〕
本発明の液体芳香剤用香料可溶化剤は、化合物(A)、化合物(B)及びアニオン性界面活性剤(C)を必須に含有し、化合物(A)、化合物(B)及びアニオン性界面活性剤(C)としては、上記液体芳香剤で説明したものと同じものを援用できる。
【0033】
液体芳香剤用香料可溶化剤に占める前記化合物(A)の重量割合は、広い温度範囲で可溶化する観点から、30〜70重量%が好ましく、35〜65重量%がより好ましく、40〜60重量%がさらに好ましい。
液体芳香剤用香料可溶化剤に占める前記化合物(B)の重量割合は、広い温度範囲で可溶化する観点から、10〜50重量%が好ましく、15〜45重量%がより好ましく、20〜40重量%がさらに好ましい。
液体芳香剤用香料可溶化剤に占めるアニオン性界面活性剤(C)の重量割合は、広い温度範囲で可溶化する観点から、5〜50重量%が好ましく、10〜45重量%がより好ましく、15〜40重量%がさらに好ましい。
【0034】
本発明の液体芳香剤用香料可溶化剤は、ガラクソリドを必須に含む香料に対して用いられると、広い温度範囲で可溶化する観点から、好ましい。
【実施例】
【0035】
以下に実施例、比較例を示す。本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0036】
〔動的光散乱法(DLS)での粒子径測定方法〕
本発明における液体芳香剤の粒子径測定の詳細について以下に示す。測定機器には粒子径分布測定装置ELSZ−1000(大塚電子製)を用いた。測定試料は、室温に戻し充分に撹拌した液体芳香剤を0.45μmフィルターにて濾過したものを用いた。測定条件は、温度25℃、散乱角60°、繰り返し測定回数は70とした。平均粒子径の算出はヒストグラム法解析を用い、体積換算で得られたd50の値を用いた。
【0037】
表1〜3に記載の各成分を配合し、ガラス製ビーカーに香料を量りとり、溶剤を添加してガラス棒でよく撹拌した。次に非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤の順に添加し、よく撹拌した。最後に水を少量ずつ撹拌しながら添加し液体芳香剤試料とした。
なお、表中のbalanceは、配合量における合計100%の残りの数値を示す。
実施例に用いた成分を次に示す。なお、POEは、ポリオキシエチレンを示し、POE(18)は、平均付加モル数が18であることを示す。
成分(A)
A−1 POE(18)スチレン化フェニルエーテル
A−2 POE(24)スチレン化フェニルエーテル
成分(B)
B−1 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 一般式(2)のR
2:炭素数7〜17の飽和炭化水素、不飽和炭化水素の混合物 R
3:ヒドロキシエチル基
B−2 ラウリン酸ジエタノールアミド 一般式(2)のR
2:炭素数11の飽和炭化水素 R
3:ヒドロキシエチル基
B−3 オレイン酸ジエタノールアミド 一般式(2)のR
2:炭素数17の不飽和炭化水素 R
3:ヒドロキシエチル基
B−4 ヤシ油脂肪酸N−メチルモノエタノールアミド 一般式(2)のR
2:炭素数7〜17の飽和炭化水素、不飽和炭化水素の混合物 R
3:メチル基
成分(C)
C−1 ジオクチルスルホコハク酸Na
C−2 POE(7)アルキルエーテル硫酸Na
非水溶性油類(D)
D1−1 ガラクリソリド
D1−2 安息香酸ベンジル
D−3 フローラル系香料
D−4 石鹸系香料
D−5 柑橘系香料
溶剤(E)
E−1 3−メトキシブタノール
E−2 プロピレングリコール
その他成分
X−1 POE(9)セカンダリーアルキルエーテル
X−2 POE(12)セカンダリーアルキルエーテル
X−3 POE(9)ノルマルデシルエーテル
X−4 POE(9)イソデシルエーテル
X−5 POE(40)硬化ヒマシ油
X−6 POE(60)硬化ヒマシ油
X−7 テトラグリセリンモノラウレート
X−8 POE(20)ソルビタントリオレート
X−9 POE(5)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド
X−10 POE(5)ラウリルアミノエーテル
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
表1〜3から分かるとおり、実施例1〜16までの液体芳香剤は、上記一般式(1)で示される化合物(A)、上記一般式(2)で示される化合物(B)、アニオン性界面活性剤(C)、非水溶性油類(D)及び水を含有する液体芳香剤であって、前記非水溶性油類(D)が、芳香族環構造を有する高分子香料(D1)を含み、25℃における動的光散乱法(DLS)での平均粒子径が下記条件1を満たすので、本願の課題を解決できている。
一方、成分(B)がない場合(比較例1〜10)には、本願の課題が解決できていない。
【0042】
〔評価方法〕
広い温度範囲で可溶化状態が保持されているかどうかの評価を、−5℃、25℃及び60℃の各温度における外観の経時変化で確認した。具体的には、ガラス瓶で保管した試料を25℃に戻し、目視で次の4段階で評価した。
◎・・・透明、等量の水と透明性に差がない
○・・・目視で概ね透明、等量の水と比較すると透明性に劣る
△・・・目視で明らかに濁りが確認できる
×・・・白濁、または沈殿が見られる
なお、本願でいう常用の広い温度範囲は、係る−5℃〜60℃の温度範囲を意味する。