(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-96017(P2018-96017A)
(43)【公開日】2018年6月21日
(54)【発明の名称】ショーツ
(51)【国際特許分類】
A41B 9/04 20060101AFI20180525BHJP
【FI】
A41B9/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-257906(P2016-257906)
(22)【出願日】2016年12月13日
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】516061252
【氏名又は名称】株式会社ルチル
(72)【発明者】
【氏名】松本 奈月
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128EA02
3B128EB21
3B128EB23
3B128EC11
3B128EC12
(57)【要約】
【課題】あたかもショーツを着用していることを忘れるような、ハダカに近い感覚のリラックスをすることができる。
【解決手段】ショーツ1は、着用者に紐により留めるものであり、少なくとも、着用者の前下腹部を覆う前部2と、着用者の後下腹部を覆う後部4と、によって構成されている。前部2の上部21には、前紐61を通す前紐通し部22が設けられ、後部4の上部41には、後紐62を通す後紐通し部42が設けられ、後紐通し部42は、伸縮性部材である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者に紐により留めるショーツにおいて、
少なくとも、着用者の前下腹部を覆う前部と、着用者の後下腹部を覆う後部と、によって構成され、
前記前部の上部には、前記紐を通す前紐通し部が設けられ、
前記後部の上部には、前記紐を通す後紐通し部が設けられ、
前記後紐通し部は、伸縮性部材である
ことを特徴とするショーツ。
【請求項2】
請求項1に記載のショーツにおいて、
前記前部には、着用者のそけい部を覆う前フレア部が設けられ、
前記前フレア部は、前記後紐通し部に対して非伸縮である
ことを特徴とするショーツ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のショーツにおいて、
前記前部と、前記後部と、着用者の股を覆う股部とによって構成され、
前記前部と前記後部との少なくとも裏面側には、シルクが用いられ、
前記股部の少なくとも裏面側には、コットンが用いられた
ことを特徴とするショーツ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のショーツには、着用者のそけい部と臀部と腰部とに密着させて着用するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に示す従来技術では、着用状態を安定した状態に維持しつつ、裾のずり上がりや臀裂への食い込みを防止することを目的としたショーツである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−3409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に示す従来技術のように、着用状態を安定させるために着用者のそけい部と臀部と腰部とに密着させると、ショーツを着用していることを着用者は意識してしまい、カラダがストレスを感じる原因の一つとなっている。
【0006】
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、あたかもショーツを着用していることを忘れているようなハダカに近い感覚のショーツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明にかかるショーツは、着用者に紐により留めるショーツにおいて、少なくとも、着用者の前下腹部を覆う前部と、着用者の後下腹部を覆う後部と、によって構成され、前記前部の上部には、前記紐を通す前紐通し部が設けられ、前記後部の上部には、前記紐を通す後紐通し部が設けられ、前記後紐通し部は、伸縮性部材であることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、着用者に前記紐により留めるショーツにおいて、少なくとも前記前部と前記後部とによって構成され、前記前部の上部に前記前紐通し部が設けられ、前記後部の上部に前記後紐通し部が設けられ、前記後紐通し部は、伸縮性部材であるので、前記紐で当該ショーツを着用者に着用させることができ、その結果、当該ショーツを着用者が着用した場合であっても、あたかも当該ショーツを着用していることを忘れるような締め付け感覚がなく、ハダカに近い感覚で当該ショーツを着用することができ、カラダをリラックスさせることができる。
【0009】
前記構成において、前記前部には、着用者のそけい部を覆う前フレア部が設けられ、前記前フレア部は、前記後紐通し部に対して非伸縮であってもよい。
【0010】
この場合、前記前部に前記前フレア部が設けられ、前記前フレア部は前記後紐通し部に対して非伸縮であるので、当該ショーツの着用時、着用者のそけい部への圧着を防止することができる。
【0011】
前記構成において、前記前部と、前記後部と、着用者の股を覆う股部とによって構成され、前記前部と前記後部との少なくとも裏面側には、シルクが用いられ、前記股部の少なくとも裏面側には、コットンが用いられてもよい。
【0012】
この場合、前記前部と前記後部と前記股部とによって構成され、前記前部と前記後部との少なくとも裏面側にシルクが用いられ、前記股部の少なくとも裏面側にコットンが用いられているので、軽量化を図ることができ、前記紐により留めて着用する当該ショーツであっても、着用時に当該ショーツがズレることがない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、あたかもショーツを着用していることを忘れるような、ハダカに近い感覚のショーツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】 本実施の形態にかかるショーツの正面図である。
【
図2】 本実施の形態にかかるショーツの背面図である。
【
図3】 本実施の形態にかかる、表面側から視たショーツの側面の拡大図である。
【
図4】 本実施の形態にかかる、裏面側から視たショーツの側面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
本実施の形態にかかるショーツ1は、
図1に示すように、着用者に紐により留めるフレアタイプのショーツ(フレアショーツ)である。なお、本実施の形態では、紐として、2つの紐(前紐61、後紐62)を用いる。
【0017】
ショーツ1は、
図1,2に示すように、着用者の前下腹部を覆う前部2と、着用者の股を覆う股部3と、着用者の後下腹部を覆う後部4とによって構成されている。
【0018】
前部2には、軽量で肌に優しいシルクが用いられている。そのため、前部2の裏面側は、シルクである。
【0019】
また、前部2には、
図1に示すように、着用者のそけい部を覆う前フレア部23が設けられている。この前フレア部23は、後部4及び股部3との接縁や上部21を除く、前部2の外縁が不規則に凹凸して成形されている。この不規則の凹凸により、フレア形状をなす。また、前フレア部23は、シルクが用いられており、後述する後紐通し部42に対して非伸縮である。なお、本実施の形態でいう非伸縮とは、あくまでも後通し部42に比べて伸縮性を有しないということであって、全く伸縮しないものではない。
【0020】
また、前部2には、
図1に示すように、その上部21に前紐61を通す前紐通し部22が設けられている。前紐通し部22は、シルクが用いられており、後述する後紐通し部42に対して非伸縮である。
【0021】
後部4には、軽量で肌に優しいシルクが用いられている。そのため、後部4の裏面側は、シルクである。
【0022】
また、後部4には、
図1,2に示すように、着用者の臀部を覆う後フレア部43が設けられている。この後フレア部43は、前部2及び股部3との接縁や上部41を除く、後部4の外縁が不規則に凹凸して成形されている。この不規則の凹凸により、フレア形状をなす。また、後フレア部43は、シルクが用いられており、後述する後紐通し部42に対して非伸縮である。
【0023】
また、後部4の上部41には、
図2〜4に示すように、後紐62を通す後紐通し部42が設けられている。後紐通し部42は、伸縮性部材であり、シルク以外に弾性材料であるゴムがシルクとともに用いられて伸縮性を有する。なお、着用者の肌に触れる後紐通し部42の裏面側はシルクとなっている。また、後紐通し部42の端部は、パイピング加工されている。
【0024】
股部3には、軽量で肌に優しいシルクが用いられ、股部3の裏面側にコットンが用いられている。つまり、股部3の表面側はシルクであり、裏面側はコットンである。
【0025】
上記構成からなるショーツ1は、
図1に示すように、前部2(前部2の下部)と、股部3の一端部とがオーバー繋ぎにより前繋ぎ合わされ(
図1に示す符号11参照)、
図1,2に示すように、後部4(後部4の下部)と、股部3の他端部とがオーバー繋ぎにより後繋ぎ合わされ(
図1,2に示す符号12参照)、
図3,4に示すように、前部2(前部2の横部)と、後部4(後部4の横部)とが補強部131を用いて横繋ぎ合わされて(
図3,4に示す符号13参照)、構成される。また、
図3,4に示す前部2と後部4との横繋ぎでは、向かい合う前部2と後部4とのそれぞれ端縁全体で横繋ぎされておらず、端縁一部で横繋ぎされている。なお、補強部131は、向かい合う前部2と後部4とのそれぞれ端縁全体に設けられている。このように、補強部131を用いた横繋ぎを行うことで、横繋ぎのほつれを防止し、向かい合う前部2と後部4とのそれぞれ端縁一部において横繋ぎを行い、端縁他部を開放することで、前紐通し部22への前紐61の挿通や、後紐通し部42への後紐62の挿通を可能にする。そのため、前部2の端縁における開放は、前紐通し部22がある前部2の端縁他部側であり、後部4の端縁における開放は、後紐通し部42がある後部4の端縁他部側である。
【0026】
本実施の形態にかかるショーツ1の使用に関して、ショーツ1を着用者に紐により留めるとは、2つの紐(前紐61、後紐62)を用いて、着用者がショーツ1を着用する際、前紐61の一端と後紐62の一端とを結び、前紐61の他端と後紐62の他端とを結んで前紐61と後紐62とにより輪状の紐を作り、輪状の紐(具体的には、前紐通し部22と後紐通し部42)を着用者に密着させて着用者にショーツを着用することをいう。
【0027】
本実施の形態によれば、着用者に紐(前紐61及び後紐62)により留めるショーツ1であり、少なくとも前部2と後部4とによって構成され、前部2の上部21に前紐通し部22が設けられ、後部4の上部21に後紐通し部42が設けられ、後紐通し部42は、伸縮性部材であるので、紐(前紐61及び後紐62)でショーツ1を着用者に着用させることができる。その結果、ショーツ1を着用者が着用した場合であっても、あたかもショーツ1を着用していることを忘れるような締め付け感覚がなく、ハダカに近い感覚でショーツ1を着用することができ、カラダをリラックスさせることができる。
【0028】
また、本実施の形態によれば、後紐通し部42が伸縮性部材であるので、着用者の前下腹部よりもふくらみのある後下腹部に対して、着用時にショーツ1(具体的には後部4)を伸縮させて後下腹部の曲線に沿った「ふわっとした」曲線美を演出することができる。また、本実施の形態を、紐(前紐61及び後紐62)を結んで着用する形態に適用した場合、後紐通し部42の伸縮作用により、ショーツ1の着脱の際、紐(前紐61及び後紐62)を着用者のサイズに毎回調整しなくても容易に着用できる。
【0029】
また、本実施の形態によれば、肌に直接触れ続ける密着部分は、前部2では前紐通し部22であり、後部4では後紐通し部42のみとなるので、あたかもショーツ1を着用していることを忘れるようなハダカに近い感覚でショーツを着用することができ、カラダをリラックスさせることができる。
【0030】
また、前部2に前フレア部23が設けられ、前フレア部23は後紐通し部42に対して非伸縮であるので、ショーツ1の着用時、着用者のそけい部への圧着を防止することができる。
【0031】
また、前部2と後部4と股部3とによって構成され、前部2と後部4との少なくとも裏面側にシルクが用いられ、股部3の少なくとも裏面側にコットンが用いられているので、軽量化を図ることができ、紐(前紐61及び後紐62)により留めて着用するショーツ1であっても、着用時にショーツがズレることがない。
【0032】
なお、本実施の形態では、前部2と後部4と股部3とによって構成されているが、これに限定されるものではなく、股部3が、前部2または後部4の一部分としてなってもよい。つまり、ショーツ1が前部2及び後部4のみで構成されてもよい。
【0033】
また、本実施の形態では、2つの紐(前紐61、後紐62)を用いてショーツ1を着用者に紐により留めているが、これに限定されるものではなく、1本の紐を前紐通し部22及び後紐通し部42を通した形態のショーツであってもよく、この場合、1本の紐の両端(一端及び他端)を結んでショーツを着用者に着用させる、
【0034】
また、本実施の形態では、後紐通し部42に、ゴムがシルクとともに用いられているが、これに限定されるものではなく、シルクよりも伸縮性を有するものであれば、当業者が周知の他の弾性材料や他の伸縮性部材であってもよい。また、これら他の弾性材料や他の伸縮性部材を用いた場合、これら他の弾性材料や他の伸縮性部材の材質が、シルクと同様もしくはシルク以上の着用者の肌に対してストレスフリーであれば、他の弾性材料や他の伸縮性部材を、後紐通し部42の裏面側に用いてもよい。
【0035】
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。また、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、女性用ショーツに好適である。
【符号の説明】
【0037】
1 ショーツ
11 前繋ぎ
12 後繋ぎ
13 横繋ぎ
131 補強部
2 前部
21 上部
22 前紐通し部
23 前フレア部
3 股部
4 後部
41 上部
42 後紐通し部
43 後フレア部
61 前紐
62 後紐