【解決手段】サンドイッチパネル1の補修方法は、金属外皮と樹脂発泡体芯材13との接着面が剥がれて膨れ部17が生じたサンドイッチパネル1を補修する方法である。当該補修方法は、穿孔工程と、接着剤注入工程と、吸引工程とを備える。穿孔工程は、膨れ部17において金属外皮と樹脂発泡体芯材13との間の空間と大気空間とを連通する複数の孔19を形成する。接着剤注入工程は、穿孔工程の後、複数の孔19のうちの少なくとも1つの孔19に接着剤3を注入する。吸引工程は、穿孔工程の後、複数の孔19のうちの接着剤3を注入した孔19以外の孔19から、金属外皮と樹脂発泡体芯材13との間の空間内の気体を吸引し、金属外皮と樹脂発泡体芯材とを密着させる。
樹脂発泡体芯材の厚み方向の両側に一対の金属外皮が貼着された複数のサンドイッチパネルからなり、前記複数のサンドイッチパネルのうちの少なくとも1つのサンドイッチパネルに生じた膨れ部が補修された補修壁であって、
前記膨れ部跡に対応する部分において屋内または屋外の空間につながる複数の孔と、
前記孔に充填されて硬化し、前記膨れ部跡において前記樹脂発泡体芯材と前記金属外皮とを接着する接着剤と
を備えている
ことを特徴とする補修壁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のサンドイッチパネルを施工現場に搬入する際に、作業者は、例えば、サンドイッチパネルの長さ方向の両端を持ち上げて運搬するが、このとき、サンドイッチパネルは長さ方向の中央部が下方に変位するようにして撓む。また、運搬時において、サンドイッチパネルに何らかの衝撃が加わることもある。このように輸送時や荷扱い時において、サンドイッチパネルがダメージを受けると、芯材と金属外皮とが部分的に剥離することが起こり得る。
【0005】
芯材と金属外皮とが部分的に剥離した状態のサンドイッチパネルを施工した場合、例えば、日光が照射して、金属外皮の温度が上昇すると、金属外皮が伸張して、芯材と金属外皮とが離れて、膨れとなって現れる。この膨れが表側金属外皮に現れた場合、外壁の外観を損ねるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、芯材と金属外皮とが部分的に剥離したサンドイッチパネルを用いて施工した場合であっても、表側金属外皮の表面に膨れが現れるのを抑制し、外観が損なわれるのを抑制できるサンドイッチパネルの補修方法および補修壁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様のサンドイッチパネルの補修方法は、金属外皮と樹脂発泡体芯材との接着面が剥がれて膨れ部が生じたサンドイッチパネルを補修する方法であって、前記膨れ部において前記金属外皮と前記樹脂発泡体芯材との間の空間と大気空間とを連通する複数の孔を形成する穿孔工程と、前記穿孔工程の後、前記複数の孔のうちの少なくとも1つの孔に接着剤を注入する接着剤注入工程と、前記穿孔工程の後、前記複数の孔のうちの他の孔から、前記金属外皮と前記樹脂発泡体芯材との間の空間内の気体を吸引し、前記金属外皮と前記樹脂発泡体芯材とを密着させる吸引工程とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また、このサンドイッチパネルの補修方法において、前記接着剤注入工程および前記吸引工程の後、前記複数の孔を止水材で塞ぐ止水工程をさらに備えていることが好ましい。
【0009】
また、このサンドイッチパネルの補修方法において、前記複数の孔から露出する部分を、前記金属外皮と同色の着色を施すタッチアップ工程をさらに備えていることが好ましい。
【0010】
また、このサンドイッチパネルの補修方法において、前記穿孔工程は、前記複数の孔を屋内側の前記金属外皮に形成することが好ましい。
【0011】
また、このサンドイッチパネルの補修方法において、前記穿孔工程は、前記複数の孔を屋外側の前記金属外皮に形成することが好ましい。
【0012】
本発明に係る一態様の補修壁は、樹脂発泡体芯材の厚み方向の両側に一対の金属外皮が貼着された複数のサンドイッチパネルからなり、前記複数のサンドイッチパネルのうちの少なくとも1つのサンドイッチパネルに生じた膨れ部が補修された補修壁であって、前記膨れ部跡に対応する部分において屋内または屋外の空間につながる複数の孔と、前記孔に充填されて硬化し、前記膨れ部跡において前記樹脂発泡体芯材と前記金属外皮とを接着する接着剤とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のサンドイッチパネルの補修方法および補修壁によれば、金属外皮と樹脂発泡体芯材との接着面に膨れが発生しても、当該サンドイッチパネルを取り替えることなく、補修により継続して使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0016】
〔実施形態1〕
本実施形態の補修壁5は、上下方向および左右方向に並設された複数のサンドイッチパネル1を備えている。補修壁5は、複数のサンドイッチパネル1のうちの少なくとも1つを、本実施形態の補修方法を適用して補修した壁である。
【0017】
本実施形態の補修方法は、部分的な膨れ(以下、この部分的な膨れが生じた箇所を「膨れ部17」という)が生じたサンドイッチパネル1の補修方法であり、壁下地に取り付けられた状態で、膨れ部17の補修を行うことができる。
【0018】
各サンドイッチパネル1は、
図1に示すように、一対の金属外皮11,12と、樹脂発泡体芯材13とを備えている。以下においては、一対の金属外皮11,12として、屋外側に面する金属外皮を表側金属外皮11とし、屋内側に面する金属外皮を裏側金属外皮12とする。
【0019】
表側金属外皮11および裏側金属外皮12は、金属板により構成されており、例えば、厚み0.35〜0.8mm程度の金属板を、プレス加工等の曲げ加工を施すことにより形成される。この表側金属外皮11および裏側金属外皮12は、亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板、エスジーエル(登録商標)鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、ステンレス鋼板等により構成される。
【0020】
樹脂発泡体芯材13は、サンドイッチパネル1の主体を構成する部分であり、樹脂発泡体により構成される。本実施形態の樹脂発泡体は、ポリイソシアヌレートフォームにより構成されている。なお、樹脂発泡体は、ポリイソシアヌレートフォームに限定されず、例えば、ウレタンフォーム、スチレンフォームまたはフェノールフォームなどであってもよい。また、樹脂発泡体芯材13として、これら複数種類を組み合わせて形成してもよいし、どれか一つだけを用いてもよい。また、複数種類の材料を厚み方向に積層してもよい。
【0021】
サンドイッチパネル1は、幅方向(
図1では上下方向)の両端のうちの一方の端部に第一嵌合部14が設けられ、他方の端部に第二嵌合部15が設けられている。サンドイッチパネル1として、横張りする場合には、下方に第二嵌合部15が配置され、上方に第一嵌合部14が配置される。上下方向に隣接するサンドイッチパネル1は、第一嵌合部14と第二嵌合部15とが嵌合することで連結される。
【0022】
サンドイッチパネル1は、第二嵌合部15側の端部に覆い片16を有している。覆い片16は、第一嵌合部14と第二嵌合部15とが接合すると、この接合部分を屋外側から覆うように構成されている。複数のサンドイッチパネル1は、下方から上方に向かって順に設置される。
【0023】
以下においては、複数のサンドイッチパネル1のうち、少なくとも1つにおいて、膨れ部17が生じた場合に、これを補修する方法について説明する。
【0024】
ここで、本実施形態において膨れ部17が生じる要因の1つとして、以下の点が挙げられる。例えば、サンドイッチパネル1の運搬時または荷扱い時等に、サンドイッチパネル1の長さ方向の両端を持ち上げることで中央部が撓んだり、あるいは、何らかの理由でサンドイッチパネル1が衝撃を受けたりすることで、金属外皮と樹脂発泡体芯材13との接着面が部分的に剥がれることを理由に生じ得る。金属外皮と樹脂発泡体芯材13とが剥離すると、金属外皮が日光の照射等により温度が上がって伸張した場合に膨れが生じるからである。
【0025】
本実施形態の補修方法は、穿孔工程(
図2B,
図2C)と、接着剤注入工程(
図2D)と、吸引工程(
図2E)と、止水工程(
図2F)と、タッチアップ工程とを備えており、この順の工程で実行される。
【0026】
穿孔工程は、
図2B,
図2Cに示すように、膨れ部17において、金属外皮11と樹脂発泡体芯材13との間の空間(以下、膨れ部空間18)と、大気空間とを連通する複数の孔19を形成する工程である。穿孔工程は、
図2Bに示すように、裏側金属外皮12の膨れ部17に対応する部分にドリル等の工具8で金属外皮に開口20を形成する。形成する開口20の数量は、膨れ部17の大きさに応じて適宜決定されるが、少なくとも2つの開口20が形成される。各開口20は、例えば、約4mmの内径であることが好ましい。
【0027】
穿孔工程は、裏側金属外皮12に複数の開口20を形成した後、
図2Cに示すように、金属製またはプラスチック製の棒9を用いて、裏側金属外皮12の開口20に棒9を挿入して、樹脂発泡体芯材13を貫通する。これにより、穿孔工程は、膨れ部空間18と大気空間とを連通させる複数の孔19を形成することができる。
【0028】
なお、穿孔工程の後、サンドイッチパネル1を一定時間放置することが好ましい。これにより、膨れ部17に溜まったガスを、孔19を介して排出することができる。
【0029】
接着剤注入工程は、穿孔工程の後に実行される。接着剤注入工程は、
図2Dに示すように、穿孔工程で開けた複数の孔19のうちの少なくとも1つの孔19を利用して、膨れ部空間18に接着剤3を注入する工程である。接着剤注入工程で接着剤3を注入する孔19は、膨れ部17の上部に形成されている孔19であることが好ましい。接着剤3の注入には、接着剤注入用のガン7が用いられる。接着剤3は、エポキシ系の接着剤が好ましいが、これに限定されない。例えば、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いてもよい。
【0030】
接着剤注入工程により、複数の孔19のうちの少なくとも1つの孔19に注入された接着剤3は、膨れ部空間18に充填される。このとき、接着剤3は膨れ部空間18だけでなく複数の孔19にまで充填される。なお、接着剤3を注入することに利用する孔19は、1つであってもよいし、複数であってもよい。接着剤3が充填された後、接着剤3が注入された孔19を、
図2Eに示すように粘着テープ4で塞ぐことが好ましい。
【0031】
吸引工程は、接着剤3を注入するのに利用した孔19とは別の孔19(吸引孔19という)を利用して、膨れ部空間18内の気体を吸引する工程である。本実施形態の吸引工程は、接着剤注入工程の後に実行されるが、接着剤注入工程と同時に実行してもよい。吸引工程は、接着剤3を注入するのに利用した孔19よりも下方に配置される吸引孔19をパッド91で塞ぎ、当該パッド91に接続された真空ポンプを駆動することで、膨れ部空間18内の気体を吸入する。吸引工程においては、気体だけでなく接着剤3の一部も吸入される場合もあるが、吸入した接着剤3は、吸引孔19と吸引ポンプとの間に設けたトラップに溜まる。
【0032】
吸引工程により、膨れ部空間18内の気体が吸引されると、大気圧によって、膨れ部17が樹脂発泡体芯材13側に均等に押圧された状態となる。このまま、接着剤3が硬化することで、膨れ部17が形成されていた部分(膨れ部跡17a)が平坦となって、表側金属外皮11において膨れ部17以外の部分と膨れ部跡17aとの区別がつかなくなる。
【0033】
なお、吸引工程の実行中は、使用していない孔19を粘着テープ等で塞ぎ、接着剤が硬化するまで遮熱シート等で膨れ部17を覆うことが好ましい。日射による表側金属外皮11の熱変形を防ぐためである。
【0034】
止水工程は、接着剤注入工程の後に実行される。止水工程は、接着剤3が硬化した後に実行されることが好ましい。止水工程は、
図2Fに示すように、接着剤3が硬化した後、硬化した接着剤3に対応する裏側金属外皮12の開口20に、止水材31を充填する工程である。止水材31としては、例えば、シーリング材やパテ(金属パテが好ましい)が挙げられる。止水材31を充填することで、万が一、裏側金属外皮12に結露等が生じても、孔19を介した樹脂発泡体芯材13への浸水が抑制される。
【0035】
タッチアップ工程は、止水工程の後に実行される。タッチアップ工程は、裏側金属外皮12の開口20から露出する部分に塗装を施し、目立たないようにする工程である。本実施形態のタッチアップ工程は、裏側金属外皮12の開口20を覆う止水材31を、裏側金属外皮12と同色に塗装する。これによって、裏側金属外皮12に形成された開口20や、止水材31を目立たないように処理することができる。
【0036】
このように、本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法は、膨れ部17が生じたサンドイッチパネル1が壁下地に取り付けられた状態を維持したままで補修される(この補修後のサンドイッチパネル1を含む壁を補修壁5という)。補修壁5は、複数のサンドイッチパネル1により構成されており、複数のサンドイッチパネル1のうちの少なくとも1つが補修されている。
【0037】
図1に示すように、補修壁5は、上述した孔19の跡(以下、孔跡19a)を有している。孔跡19aは、裏側金属外皮12および樹脂発泡体芯材13を貫通し、且つ、表側金属外皮11を非貫通としており、膨れ部跡17aに対応する部分につながっている。この孔跡19aには、硬化した接着剤3が充填されている。接着剤3は、表側金属外皮11における膨れ部跡17aに対応する部分と、樹脂発泡体芯材13および孔跡19aの内周面とを接着している。また、補修壁5は、上述したように、孔跡19aに充填された止水材31を有している。
【0038】
このように、補修前は膨れ部17によって、外観を損なっていたサンドイッチパネル1であっても、本実施形態の補修方法を実行することで、表側金属外皮11の膨れ部17を補修することができ、外観の良好さを復元することができる。
【0039】
〔効果〕
以上、説明したように、本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法は、金属外皮と樹脂発泡体芯材13との接着面が剥がれて膨れ部17が生じたサンドイッチパネル1を補修する方法である。当該補修方法は、穿孔工程と、接着剤注入工程と、吸引工程とを備えている。穿孔工程は、膨れ部17において金属外皮と樹脂発泡体芯材13との間の空間と大気空間とを連通する複数の孔19を形成する。接着剤注入工程は、穿孔工程の後、複数の孔19のうちの少なくとも1つの孔19に接着剤3を注入する。吸引工程は、穿孔工程の後、複数の孔19のうちの他の孔19(接着剤3を注入した孔19以外の孔19(つまり吸引孔19))から、金属外皮と樹脂発泡体芯材13との間の空間内の気体を吸引し、金属外皮と樹脂発泡体芯材13とを密着させる。
【0040】
この構成によれば、サンドイッチパネル1に生じた膨れを、金属外皮と樹脂発泡体芯材13とを分解することなく補修することができる。このため、外壁として設置された状態のサンドイッチパネル1にあっては、施工された状態のまま補修することができ、施工前のサンドイッチパネル1にあっても、作業現場において補修可能である。この結果、金属外皮と樹脂発泡体芯材13との接着面に膨れが発生しても、当該サンドイッチパネル1を別のサンドイッチパネル1に取り替えることなく、補修により継続して使用することができる。
【0041】
本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法は、次の付加的な構成を有する。すなわち、本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法は、接着剤注入工程および吸引工程の後、複数の孔19を止水材31で塞ぐ止水工程をさらに備えている。
【0042】
この構成によれば、孔19を介して水等が浸入するのを防ぐことができ、樹脂発泡体芯材13の劣化を抑制できる。
【0043】
本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法は、次の付加的な構成を有する。すなわち、本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法は、止水工程の後、複数の孔19から露出する部分を、金属外皮と同色の着色を施すタッチアップ工程をさらに備えている。
【0044】
この構成によれば、補修により生じた孔19を目立たなくすることができ、外観が損なわれるのを最小限に抑えることができる。
【0045】
本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法は、次の付加的な構成を有する。すなわち、本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法において、穿孔工程は、複数の孔19を屋内側の金属外皮12に形成する。
【0046】
この構成によれば、穿孔工程で開けた複数の孔19を建物外観において目立たなくすることができる。
【0047】
本実施形態の補修壁5は、樹脂発泡体芯材13の厚み方向の両側に一対の金属外皮が貼着された複数のサンドイッチパネル1を有する。補修壁5は、複数のサンドイッチパネル1のうちの少なくとも1つのサンドイッチパネル1に生じた膨れ部17が補修された壁である。補修壁5は、膨れ部跡17aに対応する部分において屋内または屋外の空間につながる複数の孔19と、この孔19に充填されて硬化し、膨れ部跡17aにおいて樹脂発泡体芯材13と金属外皮とを接着する接着剤3とを備えている。
【0048】
この構成によれば、補修前にサンドイッチパネル1に膨れが生じていても、金属外皮と樹脂発泡体芯材13とを分解することなく補修された状態とすることができる。この結果、本実施形態の補修壁5によれば、新しい別のサンドイッチパネル1に取り替えることなく、継続して使用することができる。
【0049】
〔変形例〕
上記実施形態の穿孔工程において、膨れ部17の屋内側の位置に胴縁6等が存在する場合には、例えば、
図3に示すように、厚み方向に対して斜めに延びる孔19を膨れ部17に向けて形成してもよい。なお、この場合、孔19を開けた位置が、膨れ部17に対応する部分である。
【0050】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2について
図4,5に基づいて説明する。なお、本実施形態は実施形態1と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0051】
本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法は、穿孔工程において、表側金属外皮11側から複数の孔19を形成する点で異なるが、他の工程は実施形態1と同じである。
【0052】
穿孔工程は、膨れ部17に対応する表側金属外皮11に複数の孔19を形成する。複数の孔19は、表側金属外皮11を貫通するが、樹脂発泡体芯材13は貫通しない。穿孔工程後、接着剤注入工程および吸引工程の作業を屋外側から行い、止水工程およびタッチアップ工程を実行して、補修壁5が形成される。なお、表側金属外皮の孔径は約2mmが好ましい。
【0053】
また、
図5には、本実施形態の補修後のサンドイッチパネル1を示す。補修壁5は、上述した孔19の跡(以下、孔跡19a)を有している。孔跡19aは、膨れ部17の跡(膨れ部跡17a)において表側金属外皮11のみを貫通している。この孔跡19aには、硬化した接着剤3が充填されている。接着剤3は、表側金属外皮11における膨れ部跡17aに対応する部分と、樹脂発泡体芯材13とを接着している。また、補修壁5は、上述したように、孔跡19aに充填された止水材31を有している。なお、止水材31は、タッチアップ工程を経て、表側金属外皮11と同色に塗装されている。
【0054】
このように、本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法において、穿孔工程は、複数の孔19を屋外側の金属外皮11に形成する。このように、本実施形態のサンドイッチパネル1の補修方法によれば、屋外側から補修作業を行うことができるため、作業の能率を向上させることができる。特に、タッチアップ工程等の他の工程を行うに当たっても屋外側から行うことができ、すべての補修作業を屋外側から行うことができる。また、補修壁5において外観に現れる補修の痕跡は、孔跡19aのみであるため目立ちにくい。このため、タッチアップ工程を経ることで、より目立たなくすることができる。
【0055】
〔応用〕
上記実施形態1,2および変形例のサンドイッチパネル1の補修方法は、止水工程と、タッチアップ工程とを含んでいたが、これら工程はなくてもよい。また、吸引工程の後、止水工程を省略して、タッチアップ工程を実行してもよい。
【0056】
接着剤3充填工程は、複数回に分けて実行してもよい。例えば、正面視における膨れ部17の大きさが大きい場合には、一度の接着剤3の充填だけでは、全面に亘らないこともあるので、この場合、複数回にわたって接着剤3を充填するとよい。
【0057】
上記実施形態1,2および変形例のサンドイッチパネル1の補修方法は、施工後のサンドイッチパネル1に対して補修を実行したが、施工前のサンドイッチパネル1に対して補修してもよい。
【0058】
上記実施形態1,2の補修壁5は、孔跡19aに硬化した接着剤3が充填されていたが、接着剤3は、樹脂発泡体芯材13と表側金属外皮11との間に充填されていればよく、孔19に充填されていなくてもよい。
【0059】
その他、上記実施形態の構成は、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、適宜変更可能である。