(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-96873(P2018-96873A)
(43)【公開日】2018年6月21日
(54)【発明の名称】測定装置及び該装置のパラメータ設定方法
(51)【国際特許分類】
G01D 3/024 20060101AFI20180525BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20180525BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20180525BHJP
【FI】
G01D3/024
G06F3/02 360E
G06F3/02 370A
G06F3/02 340Z
G06F3/0484 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-242377(P2016-242377)
(22)【出願日】2016年12月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】大日向 哲郎
【テーマコード(参考)】
2F075
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
2F075BB04
2F075BB05
2F075EE11
2F075FF03
5B020AA01
5B020BB10
5B020CC13
5B020GG13
5B020GG51
5E555AA09
5E555AA26
5E555AA54
5E555BA01
5E555BA82
5E555BB01
5E555BC08
5E555CC19
5E555DA01
5E555DB25
5E555DC07
5E555DD01
5E555DD08
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】測定パラメータを設定する際の作業効率の向上を図る。
【解決手段】測定装置1は、予め設定される測定パラメータの設定値に基づいて測定を行うものであり、設定値として設定可能な全桁数の数値を表示する表示制御手段6aと、表示された全桁から任意に選択される桁を起点とした増減操作に伴って数値を可変制御する数値制御手段6bとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された測定パラメータの設定値に基づいて測定を行う測定装置(1)において、
前記設定値として設定可能な全桁数の数値を表示する表示制御手段(6a)と、
前記全桁数から任意に選択される桁を起点とした増減操作に伴って数値を可変制御する数値制御手段(6b)とを備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記数値制御手段(6b)は、最大値が正の値をもつ前記設定値とする場合、前記全桁数から最上位の桁を選択して数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最大値を超えると全桁の数値を前記最大値になるように変更し、最小値が負の値をもつ前記設定値とする場合、前記全桁数から最上位の桁を選択して数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最小値より小さくなると全桁の数値を前記最小値になるように変更することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
設定された測定パラメータの設定値に基づいて測定を行う測定装置(1)のパラメータ設定方法において、
前記設定値として設定可能な全桁数の数値を表示するステップと、
前記全桁数から任意に選択される桁を起点とした増減操作に伴って数値を可変制御するステップとを含むことを特徴とする測定装置のパラメータ設定方法。
【請求項4】
最大値が正の値をもつ前記設定値とする場合、前記全桁数から最上位の桁を選択して数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最大値を超えると全桁の数値を前記最大値になるように変更し、最小値が負の値をもつ前記設定値とする場合、前記全桁数から最上位の桁を選択して数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最小値より小さくなると全桁の数値を前記最小値になるように変更するステップを含むことを特徴とする請求項3記載の測定装置のパラメータ設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定された測定パラメータの設定値に基づいて所望の測定を行う測定装置及び該装置のパラメータ設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に開示されるように、主に値の増減に使用されるロータリーエンコーダと、任意の値を入力するテンキーとを備え、これらロータリーエンコーダやテンキーの操作により表示部に表示された測定パラメータの数値を変更して測定装置における各測定パラメータの設定を行うものが知られている。
【0003】
また、上述したロータリーエンコーダやテンキーに代わるものとして、アプリケーションや外付けのキーパッド、マウスやタッチスクリーンによるポインティングデバイスを用いて測定パラメータの設定を行うものも知られている。
【0004】
ところで、近年、携帯端末やクラウドコンピューテイングの普及により、データ通信量が増加の一途をたどり、データ通信量の増加に伴って伝送速度も著しく高速化している。このため、この種のデータを取り扱う測定装置では、より多くの測定パラメータを設定して被測定物の測定を行う必要があった。
【0005】
例えば誤り率測定装置では、被測定物が電気的なストレスをどの程度許容できるかを測定するため、パターン発生器とエラー検出器とを備え、パターン発生器から既知パターンの電気的ストレス信号をテスト信号として印可し、このテスト信号を被測定物内部又は外部でループバックし、エラー検出器で受信してテスト信号との比較により、ストレスの印加量に対してエラーの有無を測定するジッタ耐力測定を行っている。
【0006】
そして、この種の誤り率測定装置におけるパターン発生器の設定画面は、例えば
図2に示すように、「Output」、「Pattern」、「Error Addition」、「Pre−Code」、「Aux」、「Clock」などの複数の設定項目があり、これら設定項目毎に多くの測定パラメータが存在し、さらに設定可能な数値の最大値や最小値も測定パラメータ毎に異なっている。
【0007】
ここで、上述した誤り率測定装置の測定パラメータをキーパッドやマウスを用いて設定する従来のパラメータ設定方法について説明する。以下、
図2の設定画面11の設定項目「Aux」における測定パラメータ「Delay」を初期値「0」bitから設定値「1000000」bitsに設定する場合を例にとって説明する。
【0008】
キーパッドを用いて設定値「1000000」に設定する場合は、
図2の設定画面11の設定項目「Aux」において、数値を編集する測定パラメータ「Delay」の設定入力ボックス12を選択する。そして、測定パラメータ「Delay」の設定入力ボックス12に「1」を1回入力した後、続けて「0」を6回入力する。
【0009】
マウスを用いて設定値「1000000」に設定する場合は、
図2の設定画面11の設定項目「Aux」において、数値を編集する測定パラメータ「Delay」において、
図5(a)の斜線で示す設定入力ボックス12の「0」を選択し、数値を増やして桁上げし、設定入力ボックス12に十の位を表示する。次に、
図5(b)の斜線で示す設定入力ボックス12の十の位を選択し、数値を増やして桁上げし、設定入力ボックス12に百の位を表示する。次に、
図5(c)の斜線で示す設定入力ボックス12の百の位を選択し、数値を増やして桁上げし、設定入力ボックス12に千の位を表示する。次に、
図5(d)の斜線で示す設定入力ボックス12の千の位を選択し、数値を増やして桁上げし、設定入力ボックス12に万の位を表示する。次に、
図5(e)の斜線で示す設定入力ボックス12の万の位を選択し、数値を増やして桁上げし、設定入力ボックス12に十万の位を表示する。次に、
図5(f)の斜線で示す設定入力ボックス12の十万の位を選択し、数値を増やして桁上げし、設定入力ボックス12に百万の位を表示する。そして、
図5(g)に示すように、設定入力ボックス12の百万の位が「1」、その他の位が「0」になるように各桁の数値を増減して調整し、最終的に「1000000」になるように各桁毎に数値の調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平06−149438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来のキーパッドを操作して測定パラメータを設定する方法では、測定パラメータの各桁の数値を設定入力ボックス12に1つずつ入力する必要がある。このため、1つの測定パラメータの桁数や測定パラメータの数が多くなるに連れて非常に煩雑な作業になってしまう。
【0012】
また、従来のマウスを操作して測定パラメータを設定する方法では、測定パラメータの桁数を設定入力ボックス12の一の位から一桁ずつ選択して桁上げしながら全ての桁を設定する必要がある。このため、測定パラメータを所望の数値に設定するまでに煩雑で時間がかかるという問題があった。特に、測定パラメータを最大値や最小値に設定する場合には、非常に時間がかかってしまう。
【0013】
このように、従来のパラメータ設定方法では、特に、数値が大きい整数や小数を測定パラメータの設定値として設定する場合、非常に煩雑な作業となったり、設定を終えるまでに時間を要し、作業効率が悪いという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、測定パラメータを設定する際の作業効率の向上を図ることができる測定装置及び該装置のパラメータ設定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された測定装置は、設定された測定パラメータの設定値に基づいて測定を行う測定装置1において、
前記設定値として設定可能な全桁数の数値を表示する表示制御手段6aと、
前記全桁数から任意に選択される桁を起点とした増減操作に伴って数値を可変制御する数値制御手段6bとを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載された測定装置は、請求項1の測定装置において、
前記数値制御手段6bは、最大値が正の値をもつ前記設定値とする場合、前記全桁数から最上位の桁を選択して数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最大値を超えると全桁の数値を前記最大値になるように変更し、最小値が負の値をもつ前記設定値とする場合、前記全桁数から最上位の桁を選択して数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最小値より小さくなると全桁の数値を前記最小値になるように変更することを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載された測定装置のパラメータ設定方法は、設定された測定パラメータの設定値に基づいて測定を行う測定装置1のパラメータ設定方法において、
前記設定値として設定可能な全桁数の数値を表示するステップと、
前記全桁数から任意に選択される桁を起点とした増減操作に伴って数値を可変制御するステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載された測定装置のパラメータ設定方法は、請求項3の測定装置のパラメータ設定方法において、
最大値が正の値をもつ前記設定値とする場合、前記全桁数から最上位の桁を選択して数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最大値を超えると全桁の数値を前記最大値になるように変更し、最小値が負の値をもつ前記設定値とする場合、前記全桁数から最上位の桁を選択して数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最小値より小さくなると全桁の数値を前記最小値になるように変更するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、測定パラメータを所望の数値に設定する際、入力の煩雑な手順を省いて作業効率の向上を図ることができる。また、設定可能な全桁数を表示させた状態において、最上位の桁を選択して数値を増減する必要最小限の操作で測定パラメータの最大値や最小値を短時間で設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る測定装置のブロック構成図である。
【
図2】本発明に係る測定装置のパラメータ設定画面の一例を示す部分拡大図である。
【
図3】(a),(b)本発明に係る測定装置を用いたパラメータ設定方法の一例を示す図である。
【
図4】(a)〜(c)本発明に係る測定装置を用いたパラメータ設定方法の他の一例を示す図であって、測定パラメータの設定値を最大値に変更する場合の説明図である。
【
図5】(a)〜(g)従来のパラメータ設定方法の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態の測定装置1は、設定された測定パラメータの設定値に基づいて被測定物Wの所望の測定を行うものであり、操作部2、測定部3、記憶部4、表示部5、制御部6を備えて概略構成される。
【0023】
なお、本実施の形態の測定装置1は、測定パラメータに設定される設定値の数値が有理数や無理数を含む実数であるが、特に、数値が大きい整数や小数を設定値として測定パラメータを設定する場合に有効である。また、本実施の形態では、設定される数値の位取り記数法として10進数を例にとって説明するが、例えば2進数、8進数、16進数など10進数以外であってもよい。
【0024】
操作部2は、例えば表示部5の表示画面上のポインタやアイコンを操作するマウスやタッチスクリーンなどのポインティングデバイス、装置本体に設けられるキー、スイッチ、ボタンなどを含み、被測定物Wの測定開始や停止の指示、表示部5の表示画面に表示する設定画面(例えば
図2の設定画面11)の指定、設定画面上の測定パラメータの設定/変更/参照などを行う際に操作される。
【0025】
測定部3は、設定された測定パラメータの設定値に基づいて被測定物Wの所望の測定を行う。例えば、測定装置1が誤り率測定装置であれば、例えば
図2の設定画面11などで設定した測定パラメータに基づき、被測定物Wに既知のパターン信号を入力し、このパターン信号の入力に伴って被測定物Wから受信した入力データとパターン信号とを比較して誤り率の測定を行う。
【0026】
記憶部4は、所望の測定を行うために必要な測定パラメータの情報を記憶する。例えば、誤り率測定であれば、パターン信号の振幅、データパターンのビット数やビット列などの測定パラメータの情報がある。測定パラメータの情報は、例えば最大値、最小値、デフォルト値、分解能(ステップ数)、設定可能な設定値の最大桁数などをテーブル化したデータとして記憶部4に記憶する。また、記憶部4は、設定画面で設定された測定パラメータ毎の設定値を記憶する。さらに、記憶部4は、被測定物Wの測定や測定結果に関する各種情報を記憶する。
【0027】
表示部5は、例えば、装置本体の前面に装備された液晶表示器などで構成される。表示部5は、操作部2の操作に基づく制御部6の制御により、
図2に示すような設定画面11を表示画面上に表示する。
【0028】
制御部6は、所望の測定(例えば被測定物Wの誤り率の測定)を行うにあたって、操作部2、測定部3、記憶部4、表示部5を統括制御するものであり、表示制御手段6a、数値制御手段6bを含んで構成される。
【0029】
表示制御手段6aは、測定パラメータの設定入力ボックス12が選択されたときに、測定パラメータの設定値として設定可能な全桁数の数値を表示するように表示部5の表示を制御する。
【0030】
例えば、今、設定入力ボックス12に表示された数値が「0」、測定パラメータの設定値として設定可能な全桁数が7桁であれば、
図2に示すように、測定パラメータの設定入力ボックス12が選択された時点で「0000000」を表示する。また、今、設定入力ボックス12に表示された数値が「256」、測定パラメータの設定値として設定可能な全桁数が7桁であれば、測定パラメータの設定入力ボックス12が選択された時点で「0000256」を表示する。さらに、測定パラメータの設定値が小数部を含む場合、例えば、今、設定入力ボックス12に表示された数値が「0」、設定可能な整数部が7桁、小数部が3桁であって全桁数が10桁であれば、
図2の測定パラメータの設定入力ボックス12が選択された時点で「0000000.000」を表示する。
【0031】
数値制御手段6bは、表示制御手段6aにて表示された全桁から任意の桁を選択し、選択した桁を起点とする増減操作に伴って数値を可変制御する。
【0032】
例えば、今、設定入力ボックス12に表示された数値が「0」、測定パラメータの設定値として設定可能な全桁数が7桁であれば、
図2に示すように、測定パラメータの設定入力ボックス12が選択された時点で「0000000」が表示され、任意の桁をポインティングデバイスの操作(例えばマウスのクリック操作、タッチスクリーン上でのタップ操作など)にて選択し、選択した桁を起点として、例えばマウスのクリック操作やホイール操作、タッチスクリーン上のフリック操作による増減操作に伴って数値を可変制御する。
【0033】
また、今、設定入力ボックス12に表示された数値が「256」、測定パラメータの設定値として設定可能な全桁数が10桁であれば、
図2の測定パラメータの設定入力ボックス12が選択された時点で「0000000256」が表示され、任意の桁をポインティングデバイスの操作(例えばマウスのクリック操作、タッチスクリーン上でのタップ操作)にて選択し、選択した桁を起点として、例えばマウスのクリック操作やホイール操作、タッチスクリーン上のフリック操作による増減操作に伴って数値を可変制御する。尚、小数を含む数値を測定パラメータの設定値として設定する場合にも、上記と同様の手法で設定することができる。
【0034】
数値制御手段6bは、最大値が正の値(0を含む正の実数)をもつ設定値とする場合、測定パラメータの設定値として設定可能な全桁数から最上位の桁を選択し、選択した最上位の桁を起点として数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最大値(上限値)を超えると、設定値が最大値になるように全桁の数値を変更する。
【0035】
例えば、
図4(a)に示すように、測定パラメータの設定値として設定可能な数値の全桁数が7桁で設定入力ボックス12に「0000000」が表示され、設定値を最大値「4194048」に設定する場合は、
図4(b)に示すように、「0000000」の最上位の百万の位を選択し、最上位の百万の位を起点として数値を増やし、その百万の位の数値が「4000000」の最上位の桁の最大値(上限値)の数値である「4」を超えると、
図4(c)に示すように、設定値が最大値「4194048」になるように全桁数の数値を変更する。
【0036】
数値制御手段6bは、最小値が負の値(負の実数)をもつ設定値とする場合、測定パラメータの設定値として設定可能な全桁数から最上位の桁を選択し、選択した最上位の桁を起点として数値を増減しているときに、その数値が最上位の桁の最小値(下限値)より小さくなると、設定値が最小値になるように全桁の数値を変更する。
【0037】
例えば、測定パラメータの設定値として設定可能な数値の全桁数が7桁で設定入力ボックス12に「0000000」が表示され、設定値を最小値「−7654321」に設定する場合は、「0000000」の最上位の百万の位を選択し、最上位の百万の位を起点として数値を減らし、その百万の位の数値が「−7000000」の最上位の桁の最小値(下限値)の数値である「7」より小さくなると、設定値が最小値「−7654321」になるように全桁の数値を変更する。
【0038】
次に、上記のように構成される測定装置1を用いたパラメータ設定方法について具体例を示して説明する。ここでは、
図2の設定画面11の設定項目「Aux」における測定パラメータ「Delay」を初期値「0」bitから設定値「1000000」bitsに設定する場合を例にとって説明する。
【0039】
まず、
図2の設定画面11の設定項目「Aux」において、数値を編集する測定パラメータ「Delay」の設定入力ボックス12を選択する。測定パラメータ「Delay」の設定入力ボックス12が選択されると、測定パラメータ「Delay」の設定値として設定入力ボックス12に設定可能な全桁数が表示される。今、測定パラメータ「Delay」の設定値として設定可能な全桁数が7桁なので、
図3(a)に示すように、設定入力ボックス12に「0000000」が表示される。すなわち、設定入力ボックス12には、設定可能な全桁数の7桁が「0」で表示される。この状態で、
図3(a)の斜線で示す最上位の桁である7桁目の「0」を選択する。そして、選択した7桁目の「0」を1だけ増やす。これにより、測定パラメータ「Delay」には設定値「1000000」が設定入力ボックス12に入力される。
【0040】
尚、数値を変更したい桁は、ポインティングデバイスの操作(例えばマウスのクリック操作、タッチスクリーン上のタップ操作)によって選択できる。また、設定入力ボックス12内の数値の変更(増減)は、例えばマウスのクリック操作やホイール操作、タッチスクリーン上のフリック操作で行うことができる。さらに、設定入力ボックス12に設定された数値は、不図示の確定キーなどを押下して最終的な確定を行うこともできる。
【0041】
また、初期値(例えば「0」)が表示された状態から測定パラメータの設定入力ボックス12を選択した時点で設定可能な全桁数の数値が表示するが、この設定可能な全桁数の数値は、測定パラメータの設定入力ボックス12を選択した時点で前回の設定値を含む全桁数の数値、測定パラメータ毎の最大値と最小値との範囲内における任意の数値を含む全桁数の数値、測定パラメータ毎の任意の数値を含む全桁数の数値、測定パラメータ毎に設定頻度が最も高い数値を含む全桁数の数値として表示することができる。この場合、設定可能な全桁数の数値は、測定パラメータ毎に予め記憶部4に記憶される。
【0042】
次に、測定装置1を用いたパラメータ設定方法として、測定パラメータの設定値を最大値又は最小値に変更する場合の各例について説明する。ここでは、説明を理解しやすくするため、設定値として設定可能な全桁数を3桁として説明する。
【0043】
[例1]測定パラメータの設定値の設定範囲が0(最小値)〜255(最大値)の場合の変更例
【0044】
例えば、設定入力ボックス12に「000」が現在の設定値として表示されている状態から最大値「256」に変更する場合は、最上位の桁である百の位の「0」を選択して数値を増やす。そして、百の位の数値が最上位の桁の最大値(上限値)の数値である「2」を超えると、最大値「256」になるように全桁の数値が変更される。すなわち、百の位が「2」、十の位が「5」、一の位が「6」に変更される。
【0045】
例えば、設定入力ボックス12に「210」が現在の設定値として表示されている状態から最小値「0」に変更する場合は、最上位の桁である百の位の「2」を選択して数値を減らす。そして、百の位の数値が最上位の桁の最小値(下限値)の数値である「0」より小さくなると、最小値「000」になるように全桁の数値が変更される。すなわち、全ての位が「0」に変更される。
【0046】
[例2]測定パラメータの設定値の設定範囲が−256(最小値)〜256(最大値)の場合の変更例
【0047】
例えば、設定入力ボックス12に「016」が設定値として表示されている状態から最大値「256」に変更する場合は、最上位の桁である百の位の「0」を選択して数値を増やす。そして、百の位の数値が最上位の桁の最大値(上限値)の数値である「2」を超えると、最大値「256」になるように全桁の数値が変更される。すなわち、百の位が「2」、十の位が「5」、一の位が「6」に変更される。
【0048】
例えば、設定入力ボックス12に「−036」が設定値として表示されている状態から最小値「−256」に変更する場合は、最上位の桁である百の位の「0」を選択して数値を減らす。そして、百の位の数値が最上位の桁の最小値(下限値)の数値である「2」より小さくなると、最小値「−256」になるように全桁の数値が変更される。すなわち、百の位が「2」、十の位が「5」、一の位が「6」に変更される。
【0049】
[例3]測定パラメータの設定値の設定範囲が−256(最小値)〜0(最大値)の場合の変更例
【0050】
例えば、設定入力ボックス12に「−128」が設定値として表示されている状態から最大値「0」に変更する場合は、最上位の桁である百の位の「1」を選択して数値を増やす。そして、百の位の数値が最上位の桁の最大値(上限値)の数値である「0」を超えると、最大値「000」になるように全桁の数値が変更される。すなわち、全ての位が「0」に変更される。
【0051】
例えば、設定入力ボックス12に「−032」が設定値として表示されている状態から最小値「−256」に変更する場合は、最上位の桁である百の位の「0」を選択して数値を減らす。そして、百の位の数値が最上位の桁の最小値(下限値)の数値である「2」より小さくなると、最小値「−256」になるように全桁の数値が変更される。すなわち、百の位が「2」、十の位が「5」、一の位が「6」に変更される。
【0052】
尚、最大値と最小値とが正の値、又は負の値の場合であっても、上記と同様の方法で設定値を変更することができる。
【0053】
このように、本実施の形態によれば、測定パラメータを所望の数値に設定する際、設定可能な全桁数を設定入力ボックスに表示させた状態で数値を変更する桁を選択して数値を増減する操作により数値入力の煩雑な手順を省くことができ、作業効率を大きく向上させることができる。そして、本実施の形態では、特に、数値の大きい整数や小数を設定値として測定パラメータを設定する場合に顕著な効果を発揮することができる。
【0054】
また、設定入力ボックスに設定可能な全桁数を表示させた状態において、最上位の桁を選択して数値を増減すれば、必要最小限の操作により短時間で測定パラメータの最大値や最小値に設定することができる。
【0055】
ところで、本発明は、採用される測定装置が特に限定されるものではなく、例えば誤り率測定装置、スペクトラムアナライザなどのように、多くの測定パラメータを持ち、測定パラメータ毎に設定可能な最大値や最小値が異なる測定装置に採用すれば、より顕著な効果を発揮することができる。
【0056】
以上、本発明に係る測定装置及び該装置のパラメータ設定方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0057】
1 測定装置
2 操作部
3 測定部
4 記憶部
5 表示部
6 制御部
6a 表示制御手段
6b 数値制御手段
11 設定画面
12 設定入力ボックス
W 被測定物(DUT)