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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-97035(P2018-97035A)
(43)【公開日】2018年6月21日
(54)【発明の名称】カード類ホルダー
(51)【国際特許分類】
   G09F 1/10 20060101AFI20180525BHJP
   B42F 17/00 20060101ALI20180525BHJP
【FI】
   G09F1/10 X
   B42F17/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-238736(P2016-238736)
(22)【出願日】2016年12月8日
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】516370361
【氏名又は名称】共生印刷株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】309019693
【氏名又は名称】有限会社尚友社製本所
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】富田 昌孝
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017QA04
2C017QD05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スタンド部による支持力が強く、且つスタンド部の収納をフラットな状態で容易に行えるカード類ホルダーを提供する。
【解決手段】カード類ホルダー1は、カード類を保持する板状のカード類保持部2と、当該保持部の背面に接続されるスタンド部10と、を備え、カード類保持部の背面に、帯状に開口する開口部7が形成され、スタンド部10は、開口部7の上側短辺7Aに対して、その長さ以下の長さを有する第1短辺12が第1屈曲部13を介して配置される帯状の第1帯状部11と、第1帯状部11の第2短辺15に対して、開口部7の短辺の長さ以下の長さを有する第3短辺18が第2屈曲部16を介して接続される帯状の第2帯状部17と、第2帯状部17の第4短辺19に対して、第3屈曲部20を介して一辺が接続される板状のスライド部21と、を備えており、スライド部21は、開口部7の長手方向でスライド可能な状態で、空間内に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード類を保持する板状のカード類保持部と、
前記カード類保持部の背面に接続されるスタンド部と、
を備えており、
前記カード類保持部の背面において、正面側に空間を有する状態で帯状に開口する開口部が形成されており、
前記スタンド部は、
前記開口部の短辺に対して、その長さ以下の長さを有する第1短辺が第1屈曲部を介して配置される帯状の第1帯状部と、
前記第1帯状部の第2短辺に対して、前記開口部の前記短辺の長さ以下の長さを有する第3短辺が第2屈曲部を介して接続される帯状の第2帯状部と、
前記第2帯状部の第4短辺に対して、第3屈曲部を介して一辺が接続される板状のスライド部と、
を備えており、
前記スライド部は、前記開口部の長手方向でスライド可能な状態で、前記空間内に配置されていることを特徴とするカード類ホルダー。
【請求項2】
カード類を保持する板状のカード類保持部と、
前記カード類保持部の背面に接続されるスタンド部と、
を備えており、
前記カード類保持部の背面において、帯状に開口する開口部が形成されており、
前記スタンド部は、
前記開口部の一方の短辺に対して、その長さ以下の長さを有する第5短辺が第4屈曲部を介して配置される帯状の第3帯状部と、
前記開口部の他の短辺の正面側に対して、その長さ以下の長さを有する第6短辺が第5屈曲部を介して配置される帯状の第4帯状部と、
を備えており、
前記第3帯状部の第7短辺及び前記第4帯状部の第8短辺の一方に、係合部が形成されていると共に、他方に、前記係合部に係合する被係合部が形成されていることを特徴とするカード類ホルダー。
【請求項3】
前記第1帯状部又は前記第3帯状部若しくは第4帯状部の周縁の大きさは、前記開口部の大きさと同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカード類ホルダー
【請求項4】
前記開口部の周縁、及び、前記第1帯状部の周縁又は前記第3帯状部の周縁、の少なくとも一方に、逃げ部及び舌片部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカード類ホルダー。
【請求項5】
前記開口部の長手方向は上下方向であり、
前記第1帯状部の前記第1短辺又は前記第3帯状部の前記第5短辺が配置される前記開口部の前記短辺は、上方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のカード類ホルダー。
【請求項6】
前記カード保持部は、板状の表紙部と、その表紙部に対して開閉可能に接続される板状の裏表紙部を備えており、
前記開口部は、前記裏表紙部中央に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のカード類ホルダー。
【請求項7】
前記第1帯状部の第1短辺が配置される前記開口部の前記短辺の正面側に、前記開口部の一部に重なる重畳部が配置されており、前記第2帯状部の長手方向の長さと、その方向における前記スライド部の長さと、その方向における前記重畳部の長さの合計が、前記開口部の長手方向の長さと同じであることを特徴とする請求項1に記載のカード類ホルダー。
【請求項8】
前記重畳部に、前記第1屈曲部を介して前記第1帯状部が接続されていることを特徴とする請求項7に記載のカード類ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード類を保持するカード類ホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、カード類ホルダとしては、下記特許文献1,2に記載されているものが知られている。
このうち、特許文献1のものは、各下辺において折り曲げ線部を介して結合された表面板と裏面板との間にカード類を立てるもので、裏面板の下部中央において、左右及び下の切り込み部と上のスジ押し部で囲まれるように形成された支持部が、スジ押し部において所定角度折り曲げることで裏面板本体から離れると、表面板と裏面板の間の折り曲げ線部の下辺及び支持部の下辺が載置面にそれぞれ接触して、表面板と裏面板の間に入れたカード類が所定の角度に支持されるものである。
【0003】
また、特許文献2のものは、ホルダ部の下部において、各先端部が鉤状であって、各基部が薄肉である一対の脚部を有しており、各脚部の先端部を互いに近づけて鉤状部を掛け合うことで、組み合った脚部がホルダ部の後方に突出して、ホルダ部を起立状態で支持可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3200250号公報
【特許文献2】実用新案登録第3163265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のものでは、スジ押し部における折り曲げを戻すだけで、支持部が裏面板本体に沿うようにフラットに収納される。しかし、支持部において、裏面板本体を支持する部分がスジ押し部1箇所しかなく、支持部の支持力が比較的弱いという問題があった。
【0006】
また、特許文献2のものでは、一対の脚部の各基部がホルダ部を支持することで支持力が比較的強いものの、脚部を収納するには、各鉤状部を外して各基部の折り曲げを戻す必要があり煩わしく、基部が薄肉でフラットに収納されないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記従来の問題を解消し、スタンド部による支持力が強く、且つスタンド部の収納をフラットな状態で容易に行えるカード類ホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のうち、請求項1に記載された発明は、カード類を保持する板状のカード類保持部と、前記カード類保持部の背面に接続されるスタンド部と、を備えており、前記カード類保持部の背面において、正面側に空間を有する状態で帯状に開口する開口部が形成されており、前記スタンド部は、前記開口部の短辺に対して、その長さ以下の長さを有する第1短辺が第1屈曲部を介して配置される帯状の第1帯状部と、前記第1帯状部の第2短辺に対して、前記開口部の前記短辺の長さ以下の長さを有する第3短辺が第2屈曲部を介して接続される帯状の第2帯状部と、前記第2帯状部の第4短辺に対して、第3屈曲部を介して一辺が接続される板状のスライド部と、を備えており、
前記スライド部は、前記開口部の長手方向でスライド可能な状態で、前記空間内に配置されていることを特徴とするものである。
このカード類には、証書や写真、色紙、カード、カレンダー、CD、DVD等が含まれる。
【0009】
請求項2に記載された発明は、カード類を保持する板状のカード類保持部と、前記カード類保持部の背面に接続されるスタンド部と、を備えており、前記カード類保持部の背面において、帯状に開口する開口部が形成されており、前記スタンド部は、前記開口部の一方の短辺に対して、その長さ以下の長さを有する第5短辺が第4屈曲部を介して配置される帯状の第3帯状部と、前記開口部の他の短辺の正面側に対して、その長さ以下の長さを有する第6短辺が第5屈曲部を介して配置される帯状の第4帯状部と、を備えており、前記第3帯状部の第7短辺及び前記第4帯状部の第8短辺の一方に、係合部が形成されていると共に、他方に、前記係合部に係合する被係合部が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載の発明に加え、前記第1帯状部又は前記第3帯状部若しくは第4帯状部の周縁の大きさは、前記開口部の大きさと同じであることを特徴とするものである。ここで、大きさには、長手方向の長さ、幅及び厚みの少なくとも何れかが含まれる。また、大きさが同じとは、これらのうちの少なくとも何れかが同じであることをいう。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3に記載の発明に加え、前記開口部の周縁、及び、前記第1帯状部の周縁又は前記第3帯状部の周縁、の少なくとも一方に、逃げ部及び舌片部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4に記載の発明に加え、前記開口部の長手方向は上下方向であり、前記第1帯状部の前記第1短辺又は前記第3帯状部の前記第5短辺が配置される前記開口部の前記短辺は、上方に配置されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載された発明は、請求項1乃至5に記載の発明に加え、前記カード保持部は、板状の表紙部と、その表紙部に対して開閉可能に接続される板状の裏表紙部を備えており、前記開口部は、前記裏表紙部中央に配置されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7に記載された発明は、請求項1に記載された発明に加え、前記第1帯状部の前記第1短辺が配置される前記開口部の前記短辺の正面側に、前記開口部の一部に重なる重畳部が配置されており、前記第2帯状部の長手方向の長さと、その方向における前記スライド部の長さと、その方向における前記重畳部の長さの合計が、前記開口部の長手方向の長さと同じであることを特徴とするものである。
【0015】
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載された発明に加え、前記重畳部に、前記第1屈曲部を介して前記第1帯状部が接続されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び2に記載された発明は、カード類保持部の背面に対してスタンド部が2点で支えることからスタンド部によるカード類保持部の支持力が強く、且つスタンド部の収納をスタンド部が突出することなく容易に行うことが可能である。
【0017】
請求項3に記載された発明は、スタンド部が同じ大きさの開口部内に収納されることから、収納時開口部による凹みが生じず、背面を全体としてフラットな状態にすることができる。
【0018】
請求項4に記載された発明は、開口部内に収納されたスタンド部の引き出しが容易である。
【0019】
請求項5に記載された発明は、スタンド部が上下方向となり、カード類保持部を上下2点で支えることから動作がより安定する。
【0020】
請求項6に記載された発明は、表紙部と裏表紙部を有しているカード類保持部が、表紙部を閉じた状態及び開いた状態の双方において安定して支持することができる。
【0021】
請求項7に記載された発明は、スライド部が重畳部に当たると、スタンド部がちょうどフラットに収納され、収納操作がし易いものとなる。
【0022】
請求項8に記載された発明は、重畳部を有するスタンド部を安価に製作することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】(a)は本発明の第1形態に係るカード類ホルダーのスタンド部が収納された状態を示し、(b)はスタンド部を引き出す途中の状態を、(c)はスタンド部を引き出した状態を示す説明図である。
図2】スタンド部とスライド部とを示す説明図である。
図3】(a)は図1(a)のA−A一部断面を示し、(b)は図1(a)のB−B一部断面を、(c)は図1(b)のC−C一部断面を、(d)は図1(c)のD−D一部断面を示す説明図である。
図4】(a)はカード類保持部の表紙部が裏表紙部に対して閉じておりスタンド部が引き出された状態を示し、(b)はカード保持部の表紙部が裏表紙部に対して開いておりスタンド部が引き出された状態を示す説明図である。
図5】(a)は本発明の第2形態に係るカード類ホルダーのスタンド部(開いた状態)を示し、(b)は(a)のスタンド部後端付近を拡大した状態を、(c)は(a)のE−E一部断面を示す説明図である。
図6】(a)は開口部の変更例を、(b)はスタンド部の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明のカード類ホルダーの実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
[第1形態]
図1は、本発明の第1形態に係るカード類ホルダーを示す説明図である。図2は、スタンド部とスライド部とを示す説明図である。図3は、カード類ホルダーの断面を示す説明図である。図4は、カード類保持部の開閉動作を示す説明図である。
【0025】
図1(a)に示すように、カード類ホルダー1は、表紙部3と裏表紙部4の端部を連結部5で連結してカード類保持部2を形成し、連結部5を中心にカード類保持部2が裏表紙部4に対して見開き自在に開閉する構造である。
【0026】
このうち、裏表紙部4は、裏側板材6の外周と表側板材8の外周とを貼り合わせたもので、裏表紙部4の上下方向を長手方向とし、裏側板材6の中央に、長方形状(帯状)の開口部7が配置されている。この開口部7内には、帯板状のスタンド部10が収納されている。
裏表紙部4及び裏側板材6は、何れも縦方向の長さが約320mm、横方向の長さが約230mmの長方形状の板材で、開口部7は、縦方向の長さが約250mm、横方向の長さが約40mmの長方形状の孔である。
【0027】
図1(b)(c),2に示すように、スタンド部10は、長手方向を有する長方形状(帯状)の第1帯状部11と、この第1帯状部11上端側の第1短辺12に接続される第1屈曲部13と、第1屈曲部13に接続され、開口部7の上側短辺7Aの正面側で、開口部7の一部を塞ぐ重畳部14とを有する。また、スタンド部10は、第1帯状部11下端側の第2短辺15に接続される第2屈曲部16と、第3短辺18が第2屈曲部16に接続される帯状の第2帯状部17と、第2帯状部17の第4短辺19に対して第3屈曲部20を介して一辺が接続されるスライド部21とを有する。第1帯状部11の大きさ(長さ、幅及び厚み)は、開口部7の大きさと同じである。
スライド部21は、縦方向の長さが約30mm、横方向の長さが約55mmの板材で、開口部7よりも幅が広く、図3(b)に示すように、裏側板材6,表側板材8で挟持される左右の鍔22,22を有しており、裏側板材6,表側板材8の間に形成された空間を移動可能とする構造である。第2帯状部17の長手方向の長さと、その方向におけるスライド部10の長さと、重畳部14の長さの合計は、開口部7の長手方向の長さと同じである。空間Sは、スライド部21の移動により形成されても良い。
【0028】
このようにして構成されるカード類ホルダー1の自立ないしカード類の展示は、例えば以下のようにして行われる。
先ず始めに、表紙部3が裏表紙部4に対して閉じた状態で、図1(a)に示すスタンド部10の第1帯状部11の下端を、開口部7内に収納された状態から矢印の示す方向に引き出す。
この時、第2帯状部17の第4短辺19には、開口部7より幅広のスライド部21が第3屈曲部20を介して接続されていることから、図3(a)に示す状態から図3(c)に示すように、スライド部21が、裏表紙部4内(裏側板材6と表側板材8の間の空間S)を矢印の示す下方向へ移動することとなる。この状態から更に第1帯状部11の下端を手前へ引き出すと、図3(d)に示すように、第2帯状部17の下端(第4短辺19ないし第3屈曲部20)が開口部7の下側短辺7Bに当接してスライド部21が停止する。ここで、図1(c)に示すように、スライド部21の鍔22,22は、裏側板材6,表側板材8で挟持されていることから、スタンド部10は、第1短辺12を中心にして第2短辺15側が開いた状態を保持することとなる。そして、表紙部3が裏表紙部4に対して閉じた状態で、スタンド部10後端(第2短辺15、第2屈曲部16、第3短辺18)と裏表紙部4の下辺が載置面に触れることでカード類ホルダ1が自立する。
【0029】
次に、図4(a)に示すように、カード類保持部2の表紙部3を、連結部5を中心に矢印が示す方向に回転させると、図4(b)に示すように、カード類ホルダー1の表紙部3が裏表紙部4に対して開いた状態となり、床面などの載置面に載置すれば、カード類ホルダー1が開いた状態においても、自立した状態となる。この状態では、スタンド部10と、表紙部3と裏表紙部4との下端でカード類ホルダー1を支持することとなり、スタンド部10によるカード類保持部2の支持力が強く、安定する。表紙部3と裏表紙部4に取り付けたカード類を展示することが可能となる。
【0030】
一方、カード類ホルダー1の自立状態の解除は、以下のようにして行われる。
先ず始めに、図1(c)に示す状態から、第2帯状部17の第4短辺19側を押し上げる。すると、図1(b)に示すように、スライド部21が裏側板材6と表側板材8との間を上方に移動することとなる。そして、図1(a)に示すように、スライド部21が重畳部14に当接する位置まで上昇すると、第2帯状部17に第1帯状部11が重なることで、スタンド部10が開口部7内に収納される。このとき、第2帯状部17が開口部7の正面側に位置するとともに、第1帯状部11の大きさが開口部7の大きさと同じであるため、スタンド部10がフラットに収納される。
【0031】
上記の如く構成されるカード類ホルダー1は、カード類を保持する板状のカード類保持部2と、カード類保持部2の背面に接続されるスタンド部10と、を備えており、カード類保持部2の背面において、正面側に空間を有する状態で帯状に開口する開口部7が形成されており、スタンド部10は、開口部7の上側短辺7Aに対して、その長さ以下の長さを有する第1短辺12が第1屈曲部13を介して配置される帯状の第1帯状部11と、第1帯状部11の第2短辺15に対して、開口部7の短辺の長さ以下の長さを有する第3短辺18が第2屈曲部16を介して接続される帯状の第2帯状部17と、第2帯状部17の第4短辺19に対して、第3屈曲部20を介して一辺が接続される板状のスライド部21と、を備えており、スライド部21は、開口部7の長手方向でスライド可能な状態で、空間S内に配置されていることにより、カード類保持部2の背面に対してスタンド部10が2点で支えることからスタンド部10によるカード類保持部2の支持力が強く、且つスタンド部10の収納をスタンド部10が突出することなく容易に行うことが可能である。
【0032】
また、第1帯状部11の大きさは、開口部7の大きさと同じであることにより、収納時開口部7による凹凸が生じず、背面を全体としてフラットな状態にすることができる。
【0033】
また、開口部7の長手方向は上下方向であり、第1帯状部11の第1短辺12が配置される開口部7の上側短辺7Aは、上方に配置したことにより、スタンド部10が上下方向となり、カード類保持部2を上下2点で支えることから動作がより安定する。
【0034】
更に、カード類保持部2は、板状の表紙部3と、その表紙部3に対して開閉可能に接続される板状の裏表紙部4を備えており、開口部7は、裏表紙部4の中央に配置されていることにより、表紙部3と裏表紙部4を有しているカード類保持部2を、表紙部3を閉じた状態及び開いた状態の双方において安定して支持することができる。
【0035】
他にも、第1帯状部11の第1短辺12が配置される開口部7の短辺の正面側に、開口部7の一部を塞ぐ重畳部14が配置されており、第2帯状部17の長手方向の長さと、その方向におけるスライド部21の長さと、その方向における重畳部14の長さの合計が、開口部7の長手方向の長さと同じであることにより、スライド部21が重畳部14に当たると、スタンド部10がちょうどフラットに収納され、収納操作がし易いものとなる。
【0036】
また、重畳部14に、第1屈曲部13を介して第1帯状部11が接続されていることにより、重畳部14を有するスタンド部10を安価に製作することが可能である。
【0037】
[第2形態]
図5は、本発明の第2形態に係るカード類ホルダ29の説明図である。カード類ホルダ29において、第1形態と同様に成る部材や部分については、同じ符号が付されて適宜適宜説明が省略される。
図5(a)に示すように、カード類を保持する板状のカード類保持部2と、カード類保持部2の背面に接続されるスタンド部30と、を備えており、カード類保持部2の背面において、帯状に開口する開口部7が形成されており、スタンド部30は、開口部7の一方の短辺である上側短辺7Aに対して、その長さと同じ長さを有する第5短辺31が第4屈曲部32を介して配置される帯状の第3帯状部33と、開口部7の他方の短辺である下側短辺7Bの正面側に対して、その長さと同じ長さを有する第6短辺35が第5屈曲部36を介して配置される帯状の第4帯状部37と、を備えており、第3帯状部33の第7短辺38に、被係合部40が形成されていると共に、第4帯状部37の第8短辺39に、被係合部40に係合する係合部41が形成されていることにより、カード類保持部2の背面に対してスタンド部30が、第5短辺31と第6短辺35の2点で支えることからスタンド部30によるカード類保持部2の支持力が強く、且つスタンド部30の収納をスタンド部30が突出することなく容易に行うことが可能である。
具体的には、スタンド部30は、長手方向を有する長方形状(帯状)の第3帯状部33と、この第3帯状部33上端の第5短辺31に接続される第4屈曲部32と、第4屈曲部32に接続され、開口部7の上側短辺7Aの正面側で開口部7の一部を塞ぐ重畳部34とを有する。また、スタンド部30は、第4帯状部37の第6短辺35に対して第5屈曲部36を介して一辺が接続される重畳部42とを有する。第1形態の「空間S」は存在しない。
【0038】
このうち、図5(b)(c)に示すように、第3帯状部33下端の第7短辺38には、溝の被係合部40が形成されており、第4帯状部37上端の第8短辺39には、被係合部40に係合する凸状の係合部41が形成されている。スタンド部30の収納時は、この係合部41が重畳部34下端に形成される凹部43に当接し、開口部7内を重畳部34と第4帯状部37と重畳部42とで塞いだ状態となり、その上に第3帯状部33が重ねられることでフラットな状態で収納される。
【0039】
ここで、被係合部40と、被係合部40に係合する係合部41との係合は、溝に凸状部が係合する構造である必要はなく、第7短辺38に、第4帯状部37の第8短辺39を固定してスタンド部30を自立状態にしたり、固定を解除してスタンド部30を開口部7内に収納可能な構造であれば良く、適宜変更可能である。
例えば、第3帯状部33の第7短辺38側には、右側面から中央まで切り込みを入れ、第4帯状部37の第8短辺39には、左側面から中央まで切り込みを入れて、これら切り込みを交差し、カード類ホルダー29を自立状態にしたり、交差を解除してスタンド部30を開口部7内に収納可能な構造であれば良い。
【0040】
カード類ホルダー29の自立ないしカード類の展示は、例えば以下のようにして行われる。
先ず始めに、表紙部3が裏表紙部4に対して閉じた状態で、図1(a)に示すスタンド部10の場合と同様に、第3帯状部33の下端を、開口部7内に収納された状態から引き出す。次に、第3帯状部33の下に重ねられた第4帯状部37も引き出す。
そして、図5(c)に示すように、第4帯状部37の係合部41を、第3帯状部33の被係合部40に係合させると、表紙部3が裏表紙部4に対して閉じた状態で、スタンド部30後端(第7短辺38)と裏表紙部4の下辺が載置面に触れることでカード類ホルダ29が自立する。
【0041】
次に、カード類保持部2の表紙部3を、連結部5を中心に回転させると、図4(b)に示すカード類ホルダー1の場合と同様に、カード類ホルダー29の表紙部3が裏表紙部4に対して開いた状態となり、床面などの載置面に載置すれば、カード類ホルダー29が開いた状態においても、自立した状態となる。この状態では、スタンド部30と、表紙部3と裏表紙部4との下端でカード類ホルダー29を支持することとなり、スタンド部30によるカード類保持部2の支持力が強く、安定する。表紙部3と裏表紙部4に取り付けたカード類を展示することが可能となる。
【0042】
一方、カード類ホルダー29の自立状態の解除は、以下のようにして行われる。
先ず始めに、図5(a)(c)に示す被係合部40と、被係合部40に係合する係合部41との係合を解除する。そして、第4帯状部37を開口部7側に押し戻し、係合部41が重畳部34の凹部43に当接すると、開口部7内を重畳部34と第4帯状部37と重畳部42とで塞いだ状態となり、その上に第3帯状部33が重なることで、スタンド部30が開口部7内に収納される。このとき、第3帯状部33の大きさが開口部7の大きさと同じであるため、スタンド部30がフラットに収納される。
【0043】
また、第3帯状部33の大きさは、開口部7の背面側の大きさと同じであることにより、スタンド部30が同じ大きさの開口部7内に収納されることから、収納時開口部7による凹凸が生じず、背面を全体としてフラットな状態にすることができる。
【0044】
また、開口部7の長手方向は上下方向であり、第3帯状部33の第5短辺31が配置される開口部7の上側短辺7Aは、上方に配置したことにより、スタンド部30が上下方向となり、カード類保持部2を第5短辺31と第6短辺35の上下2点で支えることから動作がより安定する。
【0045】
[変更例]
なお、本発明にかかるカード類ホルダーは、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、カード類保持部やスライド部、開口部等の形状や大きさを適宜変更することができる。以下、上記形態の変更例が説明される。
【0046】
図6(a)(b)に示すように、開口部7の周縁、及び、第1帯状部11の周縁、第3帯状部33の周縁、の少なくとも一方に、逃げ部25又は舌片部26の少なくとも一方が形成されても良い。これにより、開口部7内に収納されたスタンド部10の第1帯状部11や、スタンド部30の第3帯状部33の引き出しが容易である。
【0047】
他にも、図1(a)に示すように、表紙部3と裏表紙部4の連結を側面で連結する必要はなく、他の位置で連結する構造としても良い。また、カード類保持部2は、常に表紙部3と裏表紙部4の二枚で構成する必要はなく、それ以上の枚数を連結する構成としたり、1枚の板材としたりしても良く、適宜変更可能である。
【0048】
また、開口部7は、裏側板材6の中央に設ける必要はなく、左右何れかの側面側に寄せて設けても良い。更に、スタンド部10は、一つである必要はなく、カード類ホルダー1の自立状態を保持することが可能なものであれば、開口部7と共に並設しても良く、適宜変更可能である。
【0049】
他にも、裏表紙部4の裏側板材6と表側板材8との間に形成される空間Sは、開口部7周辺を除いて板材で埋める構造としても良い。
【0050】
また、重畳部14を省略して、第1帯状部材11を、第1短辺12を開口部7の上側短辺7Aと一体に形成しても良い。スタンド部30の第5短辺31や第6短辺35についても同様である。
【0051】
他にも、開口部7は、裏表紙部4の正面側を塞ぐくぼみ状に形成することに代えて、正面側も開放される窓状に形成しても良く、適宜変更可能である。
【0052】
また、スタンド部10の折れ曲がる箇所として、例えば第1短辺12と第1屈曲部13と重畳部14とを一体に形成しても良く、折り曲げ動作が安定して行われるものであれば適宜変更可能である。このことは、第2短辺15と第2屈曲部16と第3短辺や、第4短辺19と第3屈曲部とスライド部20、スタンド部30の第5短辺31と第4屈曲部32と重畳部34とについても同様である。
【符号の説明】
【0053】
1・・カード類ホルダー、2・・カード類保持部、3・・表紙部、4・・裏表紙部、5・・連結部、6・・裏側板材、7・・開口部、8・・表側板材、10・・スタンド部、11・・第1帯状部、13・・第1屈曲部、14・・重畳部、16・・第2屈曲部、17・・第2帯状部、20・・第3屈曲部、21・・スライド部、22・・鍔、25・・逃げ部、26・・舌片部、S・・空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6