【解決手段】基準電流生成回路は、電源電圧Vccを基準電流Irefに変換する電圧/電流変換部(1)と、基準電流が上限値を超えているか否かを判定する第1判定部(2,3)と、基準電流が下限値を下回っているか否かを判定する第2判定部(4,5)と、電圧/電流変換部を制御する制御部(6)と、を有する。制御部(6)は、第1判定部によって基準電流が上限値を超えていると判定されたときに基準電流を減少させ、第2判定部によって基準電流が下限値を下回っていると判定されたときに基準電流を増加させるように、電圧/電流変換部を制御する。
前記第1判定部によって前記基準電流が前記上限値を超えていると判定されたときに、異常を通知する通知信号を出力し、前記第2判定部によって前記基準電流が前記下限値を下回っていると判定されたときにも、前記通知信号を出力する請求項1に記載の基準電流生成回路。
前記制御部は、前記第1判定部によって前記基準電流が前記上限値を超えていると判定されたときに前記基準電流を、前記上限値から前記下限値を引いて得られる第1の値より小さく且つ前記第1の値を2で除して得られる第2の値より大きい減少量で減少させ、前記第2判定部によって前記基準電流が前記下限値を下回っていると判定されたときに前記基準電流を、前記第1の値より小さく且つ前記第2の値より大きい増加量で増加させるように、前記電圧/電流変換部を制御する請求項1〜5のいずれか一項に記載の基準電流生成回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案されている異常監視回路は、基準電流回路に異常が発生したことを把握することしかできない。このため、基準電流回路を修理又は交換する以外に基準電流回路に発生した異常を解消する術がなかった。
【0005】
本発明は、上記の状況に鑑み、基準電流値の信頼性が高い基準電流生成回路並びにこれを用いた半導体集積回路及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されている基準電流生成回路は、基準電圧を基準電流に変換する電圧/電流変換部と、前記基準電流が上限値を超えているか否かを判定する第1判定部と、前記基準電流が下限値を下回っているか否かを判定する第2判定部と、前記電圧/電流変換部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1判定部によって前記基準電流が前記上限値を超えていると判定されたときに前記基準電流を減少させ、前記第2判定部によって前記基準電流が前記下限値を下回っていると判定されたときに前記基準電流を増加させるように、前記電圧/電流変換部を制御する構成(第1の構成)である。
【0007】
また、上記第1の構成の基準電流生成回路において、前記第1判定部によって前記基準電流が前記上限値を超えていると判定されたときに、異常を通知する通知信号を出力し、前記第2判定部によって前記基準電流が前記下限値を下回っていると判定されたときにも、前記通知信号を出力する構成(第2の構成)であってもよい。
【0008】
また、上記第1または第2の構成の基準電流生成回路において、前記電圧/電流変換部は、前記基準電流が流れる可変抵抗を含み、前記制御部は、前記可変抵抗の抵抗値を制御する構成(第3の構成)であってもよい。
【0009】
また、上記第1〜第3いずれかの構成の基準電流生成回路において、前記電圧/電流変換部は、前記基準電圧を昇圧又は降圧する電圧変換部を含み、前記制御部は、前記電圧変換部の昇圧比又は降圧比を制御する構成(第4の構成)であってもよい。
【0010】
また、上記第1〜第4いずれかの構成の基準電流生成回路において、前記電圧/電流変換部は、カレントミラー回路を含み、前記制御部は、前記カレントミラー回路のミラー比を制御する構成(第5の構成)であってもよい。
【0011】
また、上記第1〜第5いずれかの構成の基準電流生成回路において、前記制御部は、前記第1判定部によって前記基準電流が前記上限値を超えていると判定されたときに前記基準電流を、前記上限値から前記下限値を引いて得られる第1の値より小さく且つ前記第1の値を2で除して得られる第2の値より大きい減少量で減少させ、前記第2判定部によって前記基準電流が前記下限値を下回っていると判定されたときに前記基準電流を、前記第1の値より小さく且つ前記第2の値より大きい増加量で増加させるように、前記電圧/電流変換部を制御する構成(第6の構成)であってもよい。
【0012】
本明細書中に開示されている半導体集積回路は、上記第1〜第6いずれかの構成の基準電流生成回路と、電源電圧が印加される端子と、前記電源電圧から前記基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記基準電流生成回路から出力される前記基準電流を用いて動作する動作回路と、を有する構成(第7の構成)である。
【0013】
また、上記第7の構成の半導体集積回路において、前記動作回路は、前記基準電流の所定倍の電流によって充電されるコンデンサを含む構成(第8の構成)であってもよい。
【0014】
また、上記第7または第8の構成の半導体集積回路において、前記動作回路は、前記基準電流の所定倍の駆動電流を生成する駆動電流源を含む構成(第9の構成)であってもよい。
【0015】
本明細書中に開示されている車両は、上記第7〜第9いずれかの構成の半導体集積回路を有する構成(第10の構成)である。
【発明の効果】
【0016】
本明細書中に開示されている基準電流生成回路、半導体集積回路、及び車両によれば、基準電流値の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、基準電圧生成回路の一構成例を示す図である。
図1に示す基準電圧生成回路は、可変電流源1と、センス抵抗Rsと、定電圧源2及びコンパレータ3によって構成される第1判定部と、定電圧源4及びコンパレータ5によって構成される第2判定部と、制御部6と、を有する。
【0019】
可変電流源1は電源電圧Vccを基準電流Irefに変換する。センス抵抗Rsは可変電流源1に直列接続される。センス抵抗Rsの両端電圧は可変電流源1から出力される基準電流Irefに比例する。
【0020】
第1判定部は、基準電流Irefが上限値を超えているか否かを判定する。定電圧源2は第1バイアス電圧V
B1を生成する。第1バイアス電圧V
B1の値は基準電流Irefの上限値に基づいて設定される。センス抵抗Rsの両端電圧V
R1は、定電圧源2によって第1バイアス電圧V
B1だけ差し引かれてからコンパレータ3に供給される。コンパレータ3は、非反転入力端(+)に印加される電圧と反転入力端(−)に印加される電圧を比較して比較信号を生成する。入力電圧(V
R1−V
B1)が正であればコンパレータ3の比較信号はハイレベルになり、入力電圧(V
R1−V
B1)が正でなければコンパレータ3の比較信号はローレベルになる。つまり、第1判定部は、基準電流Irefが上限値を超えていると判定した場合にコンパレータ3からハイレベルの信号を出力し、基準電流Irefが上限値を超えていないと判定した場合にコンパレータ3からローレベルの信号を出力する。コンパレータ3の比較信号は制御部6に供給されるとともに基準電圧生成回路の外部にも出力される。基準電圧生成回路の外部に出力されるコンパレータ3のハイレベルの比較信号は異常を通知する通知信号S1となる。
【0021】
第2判定部は、基準電流Irefが下限値を下回っているか否かを判定する。定電圧源4は第2バイアス電圧V
B2を生成する。第2バイアス電圧V
B2の値は基準電流Irefの下限値に基づいて設定される。センス抵抗Rsの両端電圧V
R1は、定電圧源2によって第2バイアス電圧V
B2だけ差し引かれてからコンパレータ5に供給される。コンパレータ5は、非反転入力端(+)に印加される電圧と反転入力端(−)に印加される電圧を比較して比較信号を生成する。入力電圧(V
R1−V
B2)が正であればコンパレータ5の比較信号はローレベルになり、入力電圧(V
R1−V
B2)が正でなければコンパレータ5の比較信号はハイレベルになる。つまり、第2判定部は、基準電流Irefが下限値を下回っていると判定した場合にコンパレータ5からハイレベルの信号を出力し、基準電流Irefが下限値を下回っていないと判定した場合にコンパレータ5からローレベルの信号を出力する。コンパレータ5の比較信号は制御部6に供給されるとともに基準電圧生成回路の外部にも出力される。基準電圧生成回路の外部に出力されるコンパレータ5のハイレベルの比較信号は異常を通知する通知信号S2となる。
【0022】
制御部6は、コンパレータ3からハイレベルの比較信号を受け取ると、基準電流Irefを減少させるように可変電流源1を制御する。基準電流Irefを減少させる制御手法はどのような手法であっても構わないが、例えば、基準電流Irefの上限値から基準電流Irefの下限値を引いて得られる第1の値より小さく且つ第1の値を2で除して得られる第2の値より大きい減少量で減少させるとよい。第1の値より小さく第2の値より大きい減少量で減少させることにより、上限値と下限値の平均値以下であり下限値以上である範囲に基準電流Irefがほぼ収まるように調整することができる。基準電流Irefが上限値を超えた場合、基準電流Irefが増加した原因を取り除かない限り一旦基準電流Irefを減少させても基準電流Irefが再度増加する可能性が高い。このため、上記の調整を実施して基準電流Irefが再び上限値を超え難くすることが望ましい。
【0023】
制御部6は、コンパレータ5からハイレベルの比較信号を受け取ると、基準電流Irefを増加させるように可変電流源1を制御する。基準電流Irefを増加させる制御手法はどのような手法であっても構わないが、例えば、基準電流Irefの上限値から基準電流Irefの下限値を引いて得られる第1の値より小さく且つ第1の値を2で除して得られる第2の値より大きい増加量で増加させるとよい。第1の値より小さく第2の値より大きい増加量で増加させることにより、上限値と下限値の平均値以上であり上限値以下である範囲に基準電流Irefがほぼ収まるように調整することができる。基準電流Irefが下限値を下回った場合、基準電流Irefが減少した原因を取り除かない限り一旦基準電流Irefを増加させても基準電流Irefが再度減少する可能性が高い。このため、上記の調整を実施して基準電流Irefが再び下限値を下回り難くすることが望ましい。
【0024】
以上説明した基準電圧生成回路によると、基準電流Irefが下限値以上であって上限値以下になるように調整されるので、基準電流値の信頼性を高めることができる。なお、基準電流Irefの所定倍の電流は、例えば
図1中に示すNチャネル型MOS電界効果トランジスタ(以下NMOSトランジスタと称す)Q1〜Q4によって構成されるカレントミラー回路によって他の回路に供給され、他の回路で利用される。
【0025】
<基準電圧生成回路の第1具体例>
図2は、
図1に示す基準電圧生成回路の第1具体例である。
図2において
図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0026】
本具体例において、可変電流源1は、プリレギュレータ11及び可変抵抗VR11によって構成される。プリレギュレータ11は、電源電圧Vccの供給を受けて、定電圧である参照電圧Vrefを生成する。可変抵抗VR11は、参照電圧Vrefを基準電流Irefに変換する。
【0027】
可変抵抗VR11は、例えば
図3に示すように抵抗R1〜R4を直列接続し、各抵抗R1〜R4に各スイッチSW1〜SW4を並列接続した構成にすることができる。
図3に示す構成の場合、例えば抵抗R1〜R4の抵抗値の比を2
0:2
1:2
2:2
3にすると、可変抵抗3の抵抗値を等ピッチで2
4段階変化させることができる。この場合、制御部6は、各スイッチSW1〜SW4をオン/オフ制御することで、可変抵抗VR11の抵抗値ひいては基準電流Irefを制御する。
【0028】
<基準電圧生成回路の第2具体例>
図4は、
図1に示す基準電圧生成回路の第2具体例である。
図4において
図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0029】
本具体例において、可変電流源1は、バンドギャップ基準電圧回路12と、非反転増幅回路と、抵抗R11とによって構成される。バンドギャップ基準電圧回路12は、電源電圧Vccの供給を受けて、定電圧である参照電圧Vrefを生成する。
【0030】
非反転増幅回路は、参照電圧Vrefを昇圧した電圧V1を生成し、電圧V1を抵抗R11に供給する。非反転増幅回路は、オペアンプ13と、可変抵抗VR12及びVR13とによって構成される。非反転増幅回路の増幅率(昇圧比)は、可変抵抗VR12と可変抵抗VR13との抵抗値の比率に応じて決まる。抵抗R11は、電圧V1を基準電流Irefに変換する。
【0031】
可変抵抗VR12及びVR13はそれぞれ、例えば
図3に示すように抵抗R1〜R4を直列接続し、各抵抗R1〜R4に各スイッチSW1〜SW4を並列接続した構成にすることができる。この場合、制御部6は、各スイッチSW1〜SW4をオン/オフ制御することで、非反転増幅回路の増幅率(昇圧比)ひいては基準電流Irefを制御する。
【0032】
なお、非反転増幅回路の代わりに減衰回路を設けて減衰回路の減衰率(降圧比)を制御するようにしてもよい。
【0033】
<基準電圧生成回路の第3具体例>
図5は、
図1に示す基準電圧生成回路の第3具体例である。
図5において
図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0034】
本具体例において、可変電流源1は、バンドギャップ基準電圧回路12と、抵抗R11と、第1カレントミラー回路と、第2カレントミラー回路とによって構成される。
【0035】
バンドギャップ基準電圧回路12は、電源電圧Vccの供給を受けて、定電圧である参照電圧Vrefを生成する。抵抗R11は、参照電圧Vrefを電流I1に変換する。
【0036】
第1カレントミラー回路は、NMOSトランジスタQ11〜Q17によって構成される。第1カレントミラー回路は、抵抗R11から出力される電流I1の所定倍の電流I2を生成する。NMOSトランジスタQ15〜Q17はスイッチとして機能している。NMOSトランジスタQ15〜Q17のうちオン状態であるトランジスタの個数が多いほど、電流I1の電流値に対する電流I2の電流値の比率が大きくなる。
【0037】
第2カレントミラー回路は、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ(以下、PMOSトランジスタと称す)Q18及びQ19によって構成される。第2カレントミラー回路は、第1カレントミラー回路に引き抜かれる電流I2の所定倍の電流を生成する。第2カレントミラー回路によって生成された電流が基準電流Irefになる。
【0038】
制御部6は、NMOSトランジスタQ15〜Q17をオン/オフ制御することで、第1カレントミラー回路のミラー比ひいては基準電流Irefを制御する。
【0039】
<スロープ回路及びオペアンプ>
基準電圧生成回路によって生成された基準電流Irefの所定倍の電流は、例えばスロープ回路、オペアンプ、ソフトスタート回路、発振回路などの各種アナログ回路で利用される。上記の各種アナログ回路は各種の半導体集積回路に搭載される。ここでは、スロープ回路の概略構成例を
図6に示し、オペアンプの概略構成例を
図7に示す。
【0040】
図6に示すスロープ回路は、スイッチSW21〜SW23と、コンデンサC21及びC22と、電圧電流変換回路20によって構成される。コンデンサC21は、スイッチSW21がオン状態でスイッチSW22がオフ状態であるときに、基準電圧Irefの所定倍の充電電流I
CRGによって充電される。一方、コンデンサC21は、スイッチSW21がオフ状態でスイッチSW22がオン状態であるときに、放電してリセット状態になる。
【0041】
電圧電流変換回路20はコンデンサC21の充電電圧V
CRGを電流に変換して出力する。スイッチSW23がオフ状態のとき、電圧電流変換回路20の出力電流によってコンデンサC22が充電される。一方、スイッチSW23がオンのとき、コンデンサC22は放電する。コンデンサC22の充電電圧がスロープ電圧V
SLPとなる。
【0042】
電圧電流変換回路20では、抵抗R21とPNPトランジスタQ21の直列回路により電圧電流変換回路20の入力電圧V
CRGに応じた電流が抵抗R21を流れ、抵抗R21とPNPトランジスタQ21の接続ノードに電圧電流変換回路の入力電圧に応じた電圧が生成される。さらに、NPNトランジスタQ22と抵抗R22の直列回路により抵抗R21とPNPトランジスタQ21の接続ノード電圧(電圧電流変換回路の入力電圧に応じた電圧)に応じた電流が抵抗R21を流れる。そして、PMOSトランジスタQ23及びQ24からなるカレントミラー回路によって、抵抗R21を流れる電流に応じた電流(電圧電流変換回路20の入力電圧Vに応じた電流)が電圧電流変換回路の出力電流として掃き出される。
【0043】
図7に示すオペアンプは差動増幅回路及び出力回路を有している。差動増幅回路は、PMOSトランジスタQ31及びQ32と、NMOSトランジスタQ33及びQ34と、電流源として機能するNMOSトランジスタQ35とによって構成される。差動増幅回路の出力を増幅する出力回路は、PMOSトランジスタQ36と、電流源として機能するNMOSトランジスタQ37とによって構成される。NMOSトランジスタQ35として
図1等に図示されているNMOSトランジスタQ2を用い、NMOSトランジスタQ37として
図1等に図示されているNMOSトランジスタQ3を用いるとよい。
【0044】
<電源装置>
上記で説明した基準電流生成回路は例えば電源装置の一部品である電源用ICに搭載される。
図8は、基準電流生成回路を有するスイッチング電源装置の一構成例を示す図である。また、
図9は、基準電流生成回路を有するLDO(Low Drop-Out regulator)の一構成例を示す図である。
【0045】
図8に示すスイッチング電源装置は、スイッチング電源用IC100を有する。
【0046】
スイッチング電源用IC100は、基準電圧生成部101と、定電圧源102と、エラーアンプ103と、発振回路104と、スロープ電圧生成部105と、PWMコンパレータ106と、ドライバ107と、基準電流生成回路108と、を集積化した半導体集積回路装置である。また、スイッチング電源用IC100は、外部との電気的な接続を確立するために外部端子T101〜T105を有する。
【0047】
コイルL101と、NMOSトランジスタQ101と、ダイオードD101と、出力コンデンサC101と、抵抗R101〜R103とが、スイッチング電源用IC100に外部接続される。
【0048】
電源電圧Vccが外部端子T101に印加され、外部端子T102が接地される。電源電圧VccがコイルL101の第1端に印加され、コイルL101の第2端はNMOSトランジスタQ101のドレイン及びダイオードD101のアノードに接続される。NMOSトランジスタQ101のソースは電流検出用の抵抗R101を介して接地される。NMOSトランジスタQ101のゲートは外部端子T103に接続され、NMOSトランジスタQ101のソースは外部端子T104に接続される。
【0049】
ダイオードD101のカソードは、出力コンデンサC101の第1端及び抵抗R102の第1端に接続される。出力コンデンサC1の第2端は接地される。抵抗R102の第2端は外部端子T105及び抵抗R103の第1端に接続される。抵抗R103の第2端は接地される。抵抗R102及びR103によって構成される分圧回路は、スイッチング電源装置の出力電圧V
OUTを分圧した帰還電圧V
FBを生成し、その帰還電圧V
FBを外部端子T105に供給する。
【0050】
続いて、スイッチング電源用IC100に集積化された回路ブロック毎の概要を説明する。
【0051】
基準電圧生成部101は、外部端子T101に印加される電源電圧Vccから基準電圧V
REGを生成する。基準電圧V
REGは他の回路ブロックの駆動電圧として用いられる。
【0052】
定電圧源102は、参照電圧V
REFを生成する。 エラーアンプ103は、非反転入力端(+)に印加される参照電圧V
REFと、反転入力端(−)に印加される帰還電圧V
FBとの差分に応じた誤差電圧V
ERRを生成する。
【0053】
発振回路104はクロック信号CKを生成する。スロープ電圧生成部105は、抵抗R101によって検出された電流に応じた三角波状または鋸波状のスロープ電圧V
SLPを、クロック信号CKを用いて生成する。
【0054】
PWMコンパレータ106は、反転入力端(−)に印加される誤差電圧V
ERRと非反転入力端(+)に印加されるスロープ電圧V
SLPとを比較し、その比較結果に応じたPWM信号S1を生成する。
【0055】
ドライバ107は、PWM信号S1に応じてNMOSトランジスタQ1のゲート信号を生成し外部端子T103に出力する。外部端子T103から出力されるゲート信号によってNMOSトランジスタQ1はオン/オフ制御される。
【0056】
基準電流生成回路108から出力される基準電流Irefの所定倍の電流がエラーアンプ103、発振回路104、スロープ電圧生成部105、PWMコンパレータ106などで利用される。
【0057】
図9に示すLDOは、LDO用IC200を有する。
【0058】
LDO用IC200は、基準電圧生成部201と、定電圧源202と、エラーアンプ203と、PMOSトランジスタQ201と、抵抗R201及びR202と、基準電流生成回路204と、を集積化した半導体集積回路装置である。また、LDO用IC200は、外部との電気的な接続を確立するために外部端子T201〜T203を有する。
【0059】
出力コンデンサC201がLDO用IC200に外部接続される。
【0060】
電源電圧Vccが外部端子T201に印加され、外部端子T202が接地される。出力コンデンサC201の第1端が外部端子T203に接続され、出力コンデンサC201の第2端が接地される。
【0061】
続いて、LDO用IC200に集積化された回路ブロック毎の概要を説明する。
【0062】
基準電圧生成部201は、外部端子T201に印加される電源電圧Vccから基準電圧V
REGを生成する。基準電圧V
REGは他の回路ブロックの駆動電圧として用いられる。
【0063】
PMOSトランジスタQ201は電源電圧Vccを降圧した出力電圧V
OUTを生成して外部端子T023に出力する。抵抗R201及びR202によって構成される分圧回路は、出力電圧V
OUTを分圧した帰還電圧V
FBを生成する。
【0064】
定電圧源202は、参照電圧V
REFを生成する。 エラーアンプ203は、非反転入力端(+)に印加される帰還電圧V
FBと、反転入力端(−)に印加される参照電圧V
REFとの差分に応じた誤差電圧V
ERRを生成する。誤差電圧V
ERRはPMOSトランジスタQ201のゲートに供給される。したがって、PMOSトランジスタQ201のオン抵抗が誤差電圧V
ERRによって調整される。
【0065】
基準電流生成回路204から出力される基準電流Irefの所定倍の電流がエラーアンプ203で利用される。
【0066】
<電源装置の用途例>
上記した電源装置は、例えば
図10に示す車両X10に搭載される。例えば、
図8に示すスイッチング電源装置は、車両X10に搭載されるMCU(Micro Control Unit)に電源電圧を供給する電源装置として用いることができる。例えば、
図9に示すLDOは、車両X10に搭載される先進運転支援システム用のカメラ及びセンサに電源電圧を供給する電源装置として用いることができる。
【0067】
<留意点>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、
図8では、スイッチング電源回路の出力段を昇圧型とした構成を例に挙げたが、出力段の構成はこれに限定されるものではなく、降圧型、昇降圧型、SEPIC型のいずれにも容易に対応することが可能である。また、上述した第1具体例では抵抗値を調整し、上述した第2具体例では昇圧比を調整し、上述した第3具体例ではミラー比を調整したが、これらの調整は複数組み合わせて実施することができる。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。