【解決手段】文章検索装置10は、第1文の入力を受け付ける第1受付部11と、第1文に基づく検索キーによって、文章データベース20の検索を行う検索部15と、検索部15により検索された1又は複数の文章から、文章データベース20を検索するための検索キーの候補となる第2文の選択を受け付ける第2受付部12と、第1文、検索部15により検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる表示制御部16と、を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の文章検索は、検索された文章の概要を一覧表示し、ユーザによる選択を受けて文章全文を表示する。ユーザは、一度の検索で検索を終了したり、検索された文章に触発されて構成した他の検索キーによって再度検索を行ったりする。このような従来の文章検索によって、ユーザは、文章データベースから所望の情報を得ることができる。
【0006】
しかしながら、従来の文章検索では、入力した検索キーが表示される表示領域と、検索結果が表示される表示領域とがそれぞれ独立して設けられるのが一般的であった。このような従来の文章検索では、検索キーを追加しても検索キーが表示される表示領域の大きさは変わらず、検索結果の多寡に関わらず検索結果が表示される表示領域の大きさも変わらない場合が多い。そのため、ユーザは、検索キーの量について何ら制限を受けることなく多量の文章を閲覧することができ、文章の取捨選択を意識しないために、かえって文章について考えを進めないおそれがある。
【0007】
本発明は、ユーザに文章の取捨選択を促すことができ、入力した文について考えを進めるよう促すことができる文章検索装置、文章検索方法及び文章検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る文章検索装置は、第1文の入力を受け付ける第1受付部と、第1文に基づく検索キーによって、文章データベースの検索を行う検索部と、検索部により検索された1又は複数の文章から、文章データベースを検索するための検索キーの候補となる第2文の選択を受け付ける第2受付部と、第1文、検索部により検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる表示制御部と、を備える。
【0009】
この態様によれば、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、ユーザに対して、いずれの検索キー、検索結果を表示領域に表示させるべきか考えさせることになり、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0010】
上記態様において、表示制御部は、検索結果に画像が関連付けられている場合に、検索結果の背景に画像を表示させてもよい。
【0011】
この態様によれば、検索結果を視覚的に把握させることができ、文字情報のみを表示する場合に比較してより強くユーザの注意を引くことができる。
【0012】
上記態様において、文章データベースは、ユーザが選択した文章を格納する第1データベースと、ユーザ以外の者が選択した文章を格納する第2データベースとを含み、検索部は、第1文又は第2文に基づく検索キーによって、第1データベース及び第2データベースを検索し、表示制御部は、第1文、検索部により第1データベースから検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第1検索結果、検索部により第2データベースから検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第2検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と第1検索結果及び第2検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させてもよい。
【0013】
この態様によれば、ユーザにとって有用な情報が多いが文章数が少ない場合がある第1データベースを検索した第1検索結果と、ユーザにとって必ずしも有用でない情報を含むが文章数が多い場合がある第2データベースを検索した第2検索結果と、検索キーと、を所定の面積以下の表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、ユーザに対して、検索キーの表示と各データベースに関する検索結果の表示についてそれぞれ取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0014】
上記態様において、表示制御部は、第2検索結果を第1検索結果より多く表示させてもよい。
【0015】
この態様によれば、ユーザにとって必ずしも有用でない情報を含む場合がある第2検索結果を、ユーザにとって有用な情報が多い第1検索結果より多く表示させることで、より多くの第2検索結果を確認することができるようになり、ユーザが第2データベースから有用な情報を抽出する確率を上げることができる。
【0016】
上記態様において、検索結果のうち削除選択された検索結果及び削除選択された検索結果に類似する検索結果を削除する削除部をさらに備え、表示制御部は、削除選択された検索結果に替えて、他の検索結果を表示させてもよい。
【0017】
この態様によれば、有用でない検索結果を一度の削除選択でまとめて削除することができ、効率的な削除ができる。
【0018】
上記態様において、検索部は、第1文に基づく検索キーによる検索と、第2文に基づく検索キーによる検索とを組み合わせて文章データベースの再検索を行い、表示制御部は、検索部により検索された検索結果に替えて、検索部により再検索された検索結果を表示させてもよい。
【0019】
この態様によれば、第1文に基づく検索と、第2文に基づく検索とを組み合わせて再検索を行った再検索結果を当初の検索結果に替えて表示することで、検索キーの表示と再検索結果の表示について取捨選択を促して、第1文について異なる観点から考えを進めるよう促すことができる。
【0020】
上記態様において、表示制御部により表示された検索結果のうち固定選択された検索結果を固定する固定部をさらに備え、表示制御部は、検索部により検索された検索結果に替えて、検索部により再検索された検索結果を表示させる場合に、固定選択された検索結果の表示を維持してもよい。
【0021】
この態様によれば、第1文について異なる観点から考えを進める際に固定選択した検索結果を閲覧することができるようになり、注目したい検索結果と再検索結果を併せて考察することが容易となる。
【0022】
本発明の一態様に係る文章検索方法は、第1文の入力を受け付ける第1ステップと、第1文に基づく検索キーによって、文章データベースの検索を行う第2ステップと、第2ステップにおいて検索された1又は複数の文章から、文章データベースを検索するための検索キーの候補となる第2文の選択を受け付ける第3ステップと、第1文、第2ステップにおいて検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる第4ステップと、を含む。
【0023】
この態様によれば、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、ユーザに対して、いずれの検索キー、検索結果を表示領域に表示させるべきか考えさせることになり、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0024】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、第1文の入力を受け付ける第1受付部と、第1文に基づく検索キーによって、文章データベースの検索を行う検索部と、検索部により検索された1又は複数の文章から、文章データベースを検索するための検索キーの候補となる第2文の選択を受け付ける第2受付部と、第1文、検索部により検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示する表示制御部と、として機能させる。
【0025】
この態様によれば、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、ユーザに対して、いずれの検索キー、検索結果を表示領域に表示させるべきか考えさせることになり、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ユーザに文章の取捨選択を促すことができ、入力した文について考えを進めるよう促すことができる文章検索装置、文章検索方法及び文章検索プログラムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10と、文章データベース20と、ユーザ端末装置30との接続を示すネットワーク構成図である。文章検索装置10と、文章データベース20と、ユーザ端末装置30とは、通信ネットワークNによって互いに接続されている。本実施形態において、通信ネットワークNはインターネットであるが、LANやその他の通信回線網であってもよい。
【0030】
文章検索装置10は、少なくとも演算回路、記憶部及び通信部を備え、検索処理、再検索処理、削除処理、固定処理及び順位付与検索処理等を実行する。文章検索装置10は、ユーザ端末装置30から第1文の入力を受け付けて、第1文に基づく検索キーによって文章データベース20を検索し、検索結果をユーザ端末装置30に出力する。文章検索装置10によって実行される処理については、他の図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
文章データベース20は、少なくとも記憶部及び通信部を備え、文章情報を格納する。文章データベース20は、ユーザが選択した文章を格納する第1データベース21と、ユーザ以外の者が選択した文章を格納する第2データベース22とを含む。第1データベース21は、ユーザが個人的に作成又は収集した文章(アイディアノート)を格納するデータベースであってよく、ユーザのみが閲覧可能な非公開データベースであってよい。第1データベース21は、所定の情報収集目的をもって情報が蓄積される特徴を持つ。このため、1単語から成る検索キー(重要語)による特定観点での検索に適している。第2データベース22は、ユーザ以外の不特定多数の者が作成又は収集した文章を格納するデータベースであってよく、何人にも閲覧可能な公開データベースであってよい。第2データベース22は、インターネット上に公開されている文章を格納するデータベースであってよく、必ずしも管理されたものでなくてもよい。本明細書において、第2データベース22の検索は、通常のWeb検索を含むものとする。第2データベース22は、所定の情報収集目的を持たずにあらゆる情報が蓄積される特徴を持つ。このため、単語に言葉が付加された検索キー(文節)による多面観点での検索に適している。
【0032】
ユーザ端末装置30は、少なくとも演算回路、記憶部、通信部、入力部及び表示部を備え、ユーザによって操作される。ユーザ端末装置30は、パーソナルコンピュータやスマートフォン等であってよい。ユーザは、ユーザ端末装置30の入力部(例えばキーボードやマウス)を操作して第1文を入力したり第2文又は第3文を選択したりして、表示部(例えば液晶ディスプレイデバイス)に表示される検索結果を確認する。
【0033】
図2は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10の機能ブロック図である。文章検索装置10は、第1受付部11、第2受付部12、分割部14、検索部15、表示制御部16、順位付与部17、削除部18及び固定部19を備える。
【0034】
第1受付部11は、検索のキーとして使用する第1文の入力を受け付ける。第1受付部11は、ユーザ端末装置30の入力部によって入力された第1文を受け付ける。第1文は、ユーザが考察対象とする命題であってよい。第2受付部12は、検索部15により検索された1又は複数の文章から、1又は複数の選択文の選択を受け付ける。本明細書では、選択文を、ユーザにより選択された順序に応じて第2文、第3文等と称する。選択文(第2文や第3文)は、文章データベース20を検索するための検索キーの候補となる文である。選択文は、文であり、形の上で完結した、一つの事態を表す言語表現の一単位であることが望ましい。
【0035】
以下では、選択文として、第2文DP2及び第3文DP3を受け付ける場合を例示する。もっとも、第2受付部12は、検索部15により検索された文章から第4文や第5文の選択を受け付けることができ、原理的には第N文(Nは任意の自然数)を受け付けることができる。しかしながら、受け付ける文が増えると、以下に説明するように、表示領域に表示される文(検索キーの候補)が多くなり、検索結果を表示するための面積が狭まるため、受け付けられる文の数には実質的に限界がある。
【0036】
本実施形態において、第1文、第2文及び第3文は、日本語で記載された文であるが、外国語で記載された文であってもよいし、異なる言語による記載が混在した文であってもよい。
【0037】
分割部14は、第1文や選択文、すなわち第2文及び第3文を、複数の文節に分割する。ここで、文節は、文を読む際、自然な発音によって区切られる最小の単位とすることができる。ただし、分割部14は、第1文、第2文及び第3文を必ずしも最小の単位まで分割しなくてもよく、分割数に制限を加えることができる。分割部14は、重要語抽出部14aを含む。重要語抽出部14aは、第1文、第2文及び第3文に含まれる1又は複数の重要語を抽出する。どのような単語が重要語となるかについては、後に詳しく説明する。分割部14は、第1文に含まれる重要語の位置に基づいて、第1文を複数の文節に分割する。分割部14は、第2文及び第3文についても、第1文と同様に、重要語の位置に基づいて、複数の文節に分割する。
【0038】
検索部15は、少なくとも第1文に基づく検索キー、例えば重要語を用いて、文章データベース20の検索を行う。また、検索部15は、第1文に基づく検索キーによる検索と、選択文に基づく検索キー、例えば文節による検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行う。具体的には、検索部15は、第1文に基づく検索キーによる検索と、第2文に基づく検索キーによる検索又は第3文に基づく検索キーによる検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行う。検索部15は、第1データベース検索部15aと、第2データベース検索部15bとを含む。第1データベース検索部15aは、第1データベース21の検索を行う。第2データベース検索部15bは、第2データベース22の検索を行う。
【0039】
検索部15は、第1文、第2文及び第3文のいずれかについて、文に含まれる重要語及び文節を検索キーとして、文章データベース20の検索を行う。第1データベース検索部15aは、第1データベース21を重要語によって検索する。また、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を複数の文節のうちいずれかによって検索する。より具体的には、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を複数の文節のうちいずれかとの完全一致によって検索する。なお、検索キーとして重要語を用いるか、文節を用いるかの判断は、文によって判断するのではなく、第1データベース21のように所定の情報収集目的をもって情報が蓄積される特徴をもつデータベースの検索には重要語を用い、第2データベース22のように所定の情報収集目的を持たずにあらゆる情報が蓄積される特徴をもつデータベースの検索には文節を用いる、という設定が望ましい。
【0040】
表示制御部16は、第1文、検索部15により検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる。表示制御部16は、表示画像に関する情報をユーザ端末装置30に送信する。第1文、検索結果及び第2文は、ユーザ端末装置30の表示部に表示される。表示制御部16は、第1文、第1データベース検索部15aにより第1データベース21から検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第1検索結果、第2データベース検索部15bにより第2データベース22から検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第2検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と第1検索結果及び第2検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる。また、表示制御部16は、第1文、第2文、第3文及び検索部15により検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である検索結果を、第1文、第2文及び第3文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる。
【0041】
順位付与部17は、第2文及び第3文に優先順位を付与する。検索部15は、第1文に基づく検索キーによる検索と、優先順位に従って選択された第2文に基づく検索キーによる検索又は第3文に基づく検索キーによる検索とを組み合わせて文章データベース20の検索を行う。
【0042】
削除部18は、検索結果のうち削除選択された検索結果及び削除選択された検索結果に類似する検索結果を削除する。検索結果の類否判断については、後に詳しく説明する。削除部18による削除を受けて、表示制御部16は、削除選択された検索結果に替えて、他の検索結果を表示させる。
【0043】
固定部19は、表示制御部16により表示された検索結果のうち固定選択された検索結果を固定する。表示制御部16は、通常、検索部15により検索された検索結果に替えて、検索部15により再検索された検索結果を表示させる。しかし、固定部19により検索結果が固定された場合、表示制御部16は、検索部15により検索された検索結果に替えて、検索部15により再検索された検索結果を表示させる場合に、固定選択された検索結果の表示を維持する。
【0044】
図3は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10により実行される検索処理のフローチャートである。文章検索装置10は、第1受付部11によって、ユーザ端末装置30から第1文の入力を受け付ける(S10)。本明細書では、第1文として「優れたアイディアは孤独な深い思考からしか生まれない」という文を受け付けた場合を例として説明を行う。当然ながら、第1文は上記以外の文であってもよい。第1文は、ユーザが考察の対象とする命題であり、ユーザがユーザ端末装置30の入力部(例えばキーボードやマウス)を用いて入力又は引用するものである。
【0045】
分割部14に含まれる重要語抽出部14aは、第1文から重要語を抽出する(S11)。重要語抽出部14aは、任意のアルゴリズムを用いて第1文から重要語を抽出してよい。例えば、重要語抽出部14aは、第1文の全文を検索キーとしてWeb検索を行い、検索結果に含まれる単語のうち、検索結果に含まれる頻度が高く、かつ、第1文に含まれる単語を重要語として抽出してよい。具体的には、重要語抽出部14aは、「優れたアイディアは孤独な深い思考からしか生まれない」という第1文に対して、重要語として、「優れた」、「孤独な」、「思考」及び「生まれ」を抽出する場合がある。
【0046】
分割部14は、第1文を複数の文節に分割する(S12)。分割部14は、第1文に含まれる1又は複数の重要語の第1文における位置に基づいて、第1文を複数の文節に分割する。具体的には、分割部14は、「優れた」、「孤独な」、「思考」及び「生まれ」という重要語の手前で第1文を分割し、「優れたアイディアは」、「孤独な深い」、「思考からしか」及び「生まれない」という4つの文節に分割する場合がある。もっとも、分割部14は、他のアルゴリズムを用いて第1文を複数の文節に分割してもよく、例えば、各文節に含まれる単語数が同程度となるように第1文を分割してもよいし、各文節の文字数が同程度となるように第1文を分割してもよい。また、分割部14は、入力された文の長さに応じて、入力された文を、例えば3つから5つの文節に分割してもよい。
【0047】
分割部14によって、第1文における重要語の位置に基づいて、第1文を複数の文節に分割することで、第1文の一部に基づく複数のコンテキストのうち特に重要と思われるコンテキストを抽出することができる。
【0048】
検索部15は、複数の文節のうち少なくともいずれかを検索キーとして、文章データベース20の検索を行う。第1文を複数の文節に分割し、文節を検索キーとすることで、第1文の一部に基づく複数のコンテキストを用いた文章検索を行うことができる。そのため、第1文全体のコンテキストを用いて文章検索を行う場合と比較して、第1文について多様な観点から検索することができる。
【0049】
検索部15に含まれる第1データベース検索部15aは、第1データベース21を重要語によって検索する(S13)。第1データベース21は、ユーザにとって有用な情報が多いが文章数(データ数)が少ない場合がある。第1データベース検索部15aによって、第1データベース21を第1文中の重要語によって検索することで、第1文と特に関連があると思われる文章を第1データベース21から検索することができる。
【0050】
検索部15に含まれる第2データベース検索部15bは、第2データベース22を複数の文節のうちいずれかによって検索する。より具体的には、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を複数の文節のうちいずれかとの完全一致によって検索する(S14)。第2データベース22は、ユーザにとって必ずしも有用でない情報を含むが文章数(データ数)が多い場合がある。第2データベース検索部15bによって、第2データベース22を複数の文節(コンテキスト)のうちいずれかで検索することで、重要語(ワード)によって検索する場合よりも検索結果が絞られ、不要な検索結果が出力されることを抑制することができる。また、第2データベース22を複数の文節のうちいずれかとの完全一致で検索することで、部分一致検索を行う場合よりも検索結果が絞られ、不要な検索結果が出力されることを抑制することができる。
【0051】
表示制御部16は、第1文、第1データベース検索部15aにより第1データベース21から検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第1検索結果及び第2データベース検索部15bにより第2データベース22から検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第2検索結果を、第1文の表示面積と第1検索結果及び第2検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる(S15)。第1文、第1検索結果及び第2検索結果は、ユーザ端末装置30の表示部に表示される。以上により、文章検索装置10による検索処理が終了する。
【0052】
図4は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10による検索処理の結果の一例を示す図である。同図では、文章検索装置10によって
図3に示す検索処理を行った場合において、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面を示している。本例では、第1文として「優れたアイディアは孤独な深い思考からしか生まれない」という文を受け付け、検索部15によって文章データベース20を検索した結果を示している。表示画面DPは、文章検索装置10の表示制御部16によって出力されたデータに基づき、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面の例を示している。
【0053】
表示画面DPは、第1文DP1、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20を含む。第1検索結果DP10は、第1検索結果の第1例DP11と第1検索結果の第2例DP12を含み、第2検索結果DP20は、第2検索結果の第1例DP21と第2検索結果の第2例DP22を含む。第1文DP1、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20は、所定の面積以下の表示領域に表示される。なお、表示制御部16は、第1文DP1を第1検索結果DP10又は第2検索結果DP20と重畳するように表示させる場合、第1文DP1を常に手前に表示するように制御する。第1文DP1が検索結果に隠れて見えなくなることを防止し、ユーザの注意を常に第1文DP1に向けさせるためである。
【0054】
第1検索結果の第1例DP11は、「優れた企業家の持つ要素とは、」という文を含み、第1検索結果の第2例DP12は、「自分の思考レベルの水準」という文を含む。第1検索結果DP10は、第1データベース21を第1文DP1に含まれる重要語によって検索した結果であり、ユーザのアイディアノートからの検索結果である。なお、同図では、検索された文の一部のみを示しているが、表示画面DPには、第1検索結果DP10の全文が表示されてもよい。
【0055】
第2検索結果の第1例DP21は、「マイナス思考」という文と背景画像の第1例DP21aを含み、第2検索結果の第2例DP22は、「目標を明確化」という文と背景画像の第2例DP22aを含む。第2検索結果DP20は、第2データベース22を第1文DP1に含まれる複数の文節のうちいずれかとの完全一致によって検索した結果であり、Web検索の結果を含む。第2検索結果DP20は、インターネット上に公開されたHTML文書等であってよく、例えば第2検索結果の第1例DP21に含まれる「マイナス思考」という文はHTML文書等からの抜粋であってよく、背景画像の第1例DP21aはHTML文書等に含まれる画像のうち「マイナス思考」という文に最も近く配置された画像であってよい。本例のように、表示制御部16は、検索結果に画像が関連付けられている場合に、検索結果の背景に画像を表示させる。画像を検索結果の背景に表示することで、検索結果を視覚的に把握させることができ、文字情報のみを表示する場合に比較してより強くユーザの注意を引くことができる。特に、第2検索結果DP20の背景に画像を表示することで、雑多な情報を含む場合がある第2検索結果DP20の概要を、ユーザが迅速に把握することができるようになる。
【0056】
図5は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10により実行される再検索処理の第1例のフローチャートである。文章検索装置10は、第2受付部12によって、検索部15により検索された1又は複数の文章から、第2文の選択を受け付ける(S20)。第2受付部12は、ユーザ端末装置30から第2文の選択を受け付ける。第2文は、第1データベース検索部15aにより第1データベース21から検索された第1検索結果及び第2データベース検索部15bにより第2データベース22から検索された第2検索結果のうちいずれから選択された文であってもよい。本明細書では、第1検索結果から第2文を選択し、第2文として「優れた企業家の持つ要素」という文を受け付けた場合を例として説明を行う。当然ながら、第2文は上記以外の文であってもよい。
【0057】
分割部14に含まれる重要語抽出部14aは、第2文から重要語を抽出する(S21)。重要語抽出部14aは、任意のアルゴリズムを用いて第2文から重要語を抽出してよい。例えば、重要語抽出部14aは、第2文の全文を検索キーとしてWeb検索を行い、検索結果に含まれる単語について、検索結果に含まれる頻度が高く、かつ、第2文に含まれる単語を重要語として抽出してよい。具体的には、重要語抽出部14aは、「優れた企業家の持つ要素」という第2文に対して、重要語として、「優れた」、「企業家」及び「要素」を抽出する場合がある。
【0058】
分割部14は、第2文を複数の文節に分割する(S22)。分割部14は、第2文に含まれる1又は複数の重要語の第2文における位置に基づいて、第2文を複数の文節に分割する。具体的には、分割部14は、「優れた」、「企業家」及び「要素」という重要語の手前で第2文を分割し、「優れた」、「企業家の持つ」及び「要素」という3つの文節に分割する場合がある。もっとも、分割部14は、他のアルゴリズムを用いて第2文を複数の文節に分割してもよく、例えば、各文節に含まれる単語数が同程度となるように第2文を分割してもよいし、各文節の文字数が同程度となるように第2文を分割してもよい。
【0059】
検索部15に含まれる第1データベース検索部15aは、第1データベース21を第1文に含まれる重要語によって検索する(S23)。なお、検索処理において第1データベース21を第1文に含まれる重要語で検索した結果のキャッシュを保持している場合、キャッシュを参照することとして検索を省略してもよい。また、第1データベース検索部15aは、第1データベース21を第2文に含まれる重要語によって検索する(S24)。第1データベース検索部15aは、第1データベース21の検索結果について、第2文に含まれる重要語を含めばスコアを1加算する。また、第1データベース検索部15aは、第1データベース21の検索結果について、第1文に含まれる重要語及び第2文に含まれる重要語の両方を含めばスコアを2加算する。このようにして、第1データベース検索部15aは、検索結果にスコアを付与する(S25)。もっとも、第1データベース検索部15aは、他のアルゴリズムによって検索結果にスコアを付与してもよい。第1データベース検索部15aは、スコア順に検索結果を並べて、第1検索結果として出力する。
【0060】
検索部15に含まれる第2データベース検索部15bは、第2データベース22を第1文に含まれる複数の文節のうち少なくともいずれかを検索キーとして検索する。より具体的には、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を第1文に含まれる複数の文節のうちいずれかとの完全一致によって検索する(S26)。なお、検索処理において第2データベース22を第1文に含まれる複数の文節のうちいずれかとの完全一致で検索した結果のキャッシュを保持している場合、キャッシュを参照することとして検索を省略してもよい。また、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を第2文に含まれる複数の文節のうち少なくともいずれかを検索キーとして検索する。より具体的には、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を第2文に含まれる複数の文節のうちいずれかとの完全一致によって検索する(S27)。第2データベース検索部15bは、第1文に含まれる複数の文節に基づく検索結果と、第2文に含まれる複数の文節に基づく検索結果とを混合して第2検索結果とする。第2データベース検索部15bは、第2データベース22の検索結果について、第1文に含まれる複数の文節のうちいずれかを含めばスコアを1加算し、第1文に含まれる複数の文節のうちいずれか及び第2文に含まれる複数の文節のうちいずれかの両方を含めばスコアを2加算して、スコア順に検索結果を並べて第2検索結果としてもよい。検索部15は、第2文に含まれる複数の文節に基づく検索と、第1文に含まれる複数の文節に基づく検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行うことで、第1文に含まれる複数の文節に基づく検索と異なる観点から第1文に関する検索を行うことができる。
【0061】
表示制御部16は、第1文、検索部15により検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる(S28)。第1文及び第2文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させることで、検索キー(第1文及び第2文)の表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、ユーザに対して、いずれの検索キー、検索結果を表示領域に表示させるべきか考えさせることになり、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0062】
より具体的には、表示制御部16は、第1文、第1データベース検索部15aにより第1データベース21から検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第1検索結果及び第2データベース検索部15bにより第2データベース22から検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第2検索結果及び第2文を、第1文及び第2文の表示面積と第1検索結果及び第2検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる(S28)。第1文、第1検索結果、第2検索結果及び第2文は、ユーザ端末装置30の表示部に表示される。本実施形態に係る文章検索装置10によれば、ユーザにとって有用な情報が多いが文章数(データ数)が少ない場合がある第1データベースを検索した第1検索結果及びユーザにとって必ずしも有用でない情報を含むが文章数(データ数)が多い場合がある第2データベースを検索した第2検索結果の表示面積と、検索キー(第1文及び第2文)の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、ユーザに対して、検索キーの表示と各データベースに関する検索結果の表示についてそれぞれ取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。以上により、文章検索装置10による再検索処理の第1例が終了する。
【0063】
図6は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10による再検索処理の結果の第1例を示す図である。同図では、文章検索装置10によって
図5に示す再検索処理の第1例を行った場合において、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面を示している。本例では、第1文として「優れたアイディアは孤独な深い思考からしか生まれない」という文を受け付けて文章データベース20の検索処理を行った後、第1検索結果DP10から「優れた企業家の持つ要素とは」という第2文の選択を受け付け、第1文及び第2文に基づき文章データベース20の再検索処理を行った結果を示している。
【0064】
表示画面DPは、文章検索装置10の表示制御部16によって出力されたデータに基づき、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面の例を示している。表示画面DPは、検索部15により検索された検索結果(第1文に基づく検索結果)に替えて、検索部15により再検索された検索結果(第1文及び第2文に基づく検索結果)を表示している。文章検索装置10によれば、第1文に基づく検索と、第2文に基づく検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行った再検索結果を当初の検索結果に替えて表示することで、検索キーの表示と再検索結果の表示について取捨選択を促して、第1文について異なる観点から考えを進めるよう促すことができる。
【0065】
表示画面DPは、第1文DP1、第2文DP2、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20を含む。第1検索結果DP10は、第1検索結果の第3例DP13と第1検索結果の第2例DP12を含み、第2検索結果DP20は、第2検索結果の第3例DP23と第2検索結果の第4例DP24を含む。第1文DP1、第2文DP2、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20は、第1文DP1及び第2文DP2の表示面積と第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示される。このため、検索キーを構成する第1文DP1及び第2文DP2の表示面積を大きくするには、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20の表示面積を小さくしなければならず、その逆もいえる。このように、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係を生じさせ、ユーザに対して、検索キーの表示と各データベースに関する検索結果の表示についてそれぞれ取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促す。
【0066】
より具体的に、
図4に示す検索処理の結果と
図6に示す再検索処理の結果の相違について説明する。
図4に示すように、第1文に基づく文章データベース20の検索処理の結果、表示制御部16は、第1文DP1と、4項目の第1検索結果DP10と、10項目の第2検索結果DP20を表示させる。一方、
図6に示すように、第1文及び第2文に基づく文章データベース20の再検索処理の結果、表示制御部16は、第1文DP1と、第2文DP2と、3項目の第1検索結果DP10と、10項目の第2検索結果DP20を表示させる。両画面を比較すると、第2文DP2の表示が追加されたことに伴い、検索結果を表示するための面積が狭まり、第1検索結果DP10の表示項目数が1つ減ったことが読み取れる。このように、第1文、第2文、第1検索結果及び第2検索結果を、第1文及び第2文の表示面積と第1検索結果及び第2検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0067】
第1検索結果の第3例DP13は、「劣る方が優れている」という文を含む。第1検索結果DP10は、第1データベース21を、第1文DP1に基づく検索キーによる検索と第2文DP2に基づく検索キーによる検索とを組み合わせて再検索した結果であり、ユーザのアイディアノートからの検索結果である。なお、同図では、検索された文の一部のみを示しているが、表示画面DPには、第1検索結果DP10の全文が表示されてもよい。
【0068】
第2検索結果の第3例DP23は、「反省」という文と背景画像の第3例DP23aを含み、第2検索結果の第4例DP24は、「プラス思考」という文と背景画像の第4例DP24aを含む。第2検索結果DP20は、第2データベース22を、第1文DP1に基づく検索キーによる検索と第2文DP2に基づく検索キーによる検索とを組み合わせて再検索した結果であり、インターネットからの検索結果である。第2検索結果DP20は、インターネット上に公開されたHTML文書等であってよく、例えば第2検索結果の第3例DP23に含まれる「反省」という文はHTML文書等からの抜粋であってよく、背景画像の第3例DP23aはHTML文書等に含まれる画像のうち「反省」という文に最も近く配置された画像であってよい。
【0069】
表示制御部16は、第2検索結果DP20を第1検索結果DP10より多く表示させる。本例の場合、表示制御部16は、第1検索結果DP10を3項目表示させ、第2検索結果DP20を10項目表示させる。第2データベース22に格納されている文章数(データ数)は、第1データベース21に格納されている文章数(データ数)よりも多い場合が通常であるため、表示制御部16によって、第2検索結果DP20を第1検索結果DP10より多く表示させることで、より多くの第2検索結果DP20を確認することができるようになり、ユーザが第2データベース22から有用な情報を抽出する確率を上げることができる。
【0070】
図7は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10により実行される削除処理のフローチャートである。削除部18は、検索結果のうちから削除選択を受け付ける(S30)。削除選択は、第1検索結果及び第2検索結果のいずれに関するものであってもよい。本例では、
図6に示す第2検索結果の第4例DP24が削除選択された場合について説明する。
図6に示すように、第2検索結果の第4例DP24は、削除選択されたことを示す削除選択表示DP24bを含む。同図では、削除選択表示DP24bを第2検索結果の第4例DP24を破線表示することによって表しているが、削除選択表示DP24bはこれ以外の表示であってもよい。なお、削除選択は、ユーザ端末装置30によって受け付けることのできる種々の操作によって行うことができ、例えば、検索結果の右へのスワイプによって受け付けてもよい。
【0071】
削除部18は、削除選択された検索結果に類似する検索結果を抽出する(S31)。削除選択された検索結果と他の検索結果が類似するか否かを判断するアルゴリズムは、任意のものを用いてよい。例えば、削除部18は、削除選択された検索結果と他の検索結果のレーベンシュタイン距離が近いほど、類似度が高いと判断してもよい。本例では、削除部18は、削除選択された第2検索結果の第4例DP24に類似する検索結果として、第2検索結果の第3例DP23を抽出した場合について説明する。削除部18は、削除選択された検索結果及び削除選択された検索結果に類似する検索結果を削除する(S32)。削除部18は、任意のアルゴリズムによって削除選択された検索結果と他の検索結果の類似度を算出し、類似度が閾値を超える検索結果について、削除選択された検索結果と共に削除することとしてよい。
【0072】
表示制御部16は、削除選択された検索結果及び削除選択された検索結果に類似する検索結果を削除した結果生まれた余剰スペースに他の検索結果を表示する(S33)。削除選択された検索結果及び削除選択された検索結果に類似する検索結果を削除することで、有用でない検索結果を一度の削除選択でまとめて削除することができ、効率的な削除ができる。特に、ユーザにとって必ずしも有用でない情報を含む場合がある第2検索結果について、有用でない検索結果を一度の削除選択でまとめて削除することができ、効率的な削除ができる。また、余剰スペースに他の検索結果を表示することで、ユーザによる検索結果の取捨選択を促すことができる。
【0073】
図8は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10による削除処理の結果の一例を示す図である。同図では、
図6に示す再検索処理の結果を表示した場合において、第2検索結果の第4例DP24が削除選択され、第2検索結果の第4例DP24に類似する検索結果として第2検索結果の第3例DP23が抽出され、第2検索結果の第4例DP24及び第2検索結果の第3例DP23が削除された後にユーザ端末装置30の表示部に表示される画面を示している。本例では、第2検索結果の第4例DP24及び第2検索結果の第3例DP23が削除されたことで生まれた余剰スペースに、第2検索結果の第5例DP25及び第2検索結果の第2例DP22が表示される場合を示している。なお、本例において、第1文DP1、第2文DP2及び第1検索結果DP10の表示については、削除処理の前後で変更が無い。
【0074】
表示画面DPは、第1文DP1、第2文DP2、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20を含む。第2検索結果DP20は、第2検索結果の第5例DP25を含む。第1文DP1、第2文DP2、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20は、所定の面積以下の表示領域に表示される。
【0075】
第2検索結果の第5例DP25は、「自分より優れた」という文と背景画像の第5例DP25aを含む。第2検索結果DP20は、第2データベース22を、第1文DP1に基づく検索キーによる検索と第2文DP2に基づく検索キーによる検索とを組み合わせて再検索した結果であり、インターネットからの検索結果である。第2検索結果DP20は、インターネット上に公開されたHTML文書等であってよく、例えば第2検索結果の第5例DP25に含まれる「自分より優れた」という文はHTML文書等からの抜粋であってよく、背景画像の第5例DP25aはHTML文書等に含まれる画像のうち「自分より優れた」という文に最も近く配置された画像であってよい。
【0076】
このように、ユーザは、検索結果を削除選択することで、有用でないと判断した検索結果及びそれに類似する検索結果をまとめて削除することができ、限られた検索結果の表示領域を有効に活用することができる。文章検索装置10は、検索キーと検索結果の表示面積あえて制限することで、ユーザに検索結果の取捨選択を促し、入力した文について積極的に考えるように促すことができる。
【0077】
図9は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10により実行される再検索処理の第2例のフローチャートである。再検索処理の第2例は、文章検索装置10によって、第1文及び第2文に基づく再検索処理が行われた後に、さらに第3文を受け付けて行われる処理である。文章検索装置10は、第3受付部13によって、検索部15により再検索された1又は複数の文章から、第3文の選択を受け付ける(S40)。第3受付部13は、ユーザ端末装置30から第3文の選択を受け付ける。第3文は、第1データベース検索部15aにより第1データベース21から再検索された第1検索結果及び第2データベース検索部15bにより第2データベース22から再検索された第2検索結果のうちいずれから選択された文であってもよい。本明細書では、第1検索結果から第3文を選択し、第3文として「自分の思考レベルの水準」という文を受け付けた場合を例として説明を行う。当然ながら、第3文は上記以外の文であってもよい。
【0078】
分割部14に含まれる重要語抽出部14aは、第3文から重要語を抽出する(S41)。重要語抽出部14aは、任意のアルゴリズムを用いて第3文から重要語を抽出してよい。例えば、重要語抽出部14aは、第3文の全文を検索キーとしてWeb検索を行い、検索結果に含まれる単語について、検索結果に含まれる頻度が高く、かつ、第3文に含まれる単語を重要語として抽出してよい。具体的には、重要語抽出部14aは、「自分の思考レベルの水準」という第3文に対して、重要語として、「自分の」、「思考」及び「水準」を抽出する場合がある。
【0079】
分割部14は、第3文を複数の文節に分割する(S42)。分割部14は、第3文に含まれる1又は複数の重要語の第3文における位置に基づいて、第3文を複数の文節に分割する。具体的には、分割部14は、「自分の」、「思考」及び「水準」という重要語の手前で第3文を分割し、「自分の」、「思考レベルの」及び「水準」という3つの文節に分割する場合がある。もっとも、分割部14は、他のアルゴリズムを用いて第3文を複数の文節に分割してもよく、例えば、各文節に含まれる単語数が同程度となるように第3文を分割してもよいし、各文節の文字数が同程度となるように第2文を分割してもよい。
【0080】
検索部15に含まれる第1データベース検索部15aは、第1データベース21を第1文に含まれる重要語によって検索する(S43)。なお、検索処理において第1データベース21を第1文に含まれる重要語で検索した結果のキャッシュを保持している場合、キャッシュを参照することとして検索を省略してもよい。また、第1データベース検索部15aは、第1データベース21を第3文に含まれる重要語によって検索する(S44)。第1データベース検索部15aは、第1データベース21の検索結果について、第3文に含まれる重要語を含めばスコアを1加算する。また、第1データベース検索部15aは、第1データベース21の検索結果について、第1文に含まれる重要語及び第3文に含まれる重要語の両方を含めばスコアを2加算する。このようにして、第1データベース検索部15aは、検索結果にスコアを付与する(S45)。もっとも、第1データベース検索部15aは、他のアルゴリズムによって検索結果にスコアを付与してもよい。第1データベース検索部15aは、スコア順に検索結果を並べて、第1検索結果とする。
【0081】
検索部15に含まれる第2データベース検索部15bは、第2データベース22を第1文に含まれる複数の文節のうち少なくともいずれかを検索キーとて検索する。より具体的には、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を第1文に含まれる複数の文節のうちいずれかとの完全一致によって検索する(S46)。なお、検索処理において第2データベース22を第1文に含まれる複数の文節のうちいずれかとの完全一致で検索した結果のキャッシュを保持している場合、キャッシュを参照することとして検索を省略してもよい。また、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を第3文に含まれる複数の文節のうち少なくともいずれかを検索キーとして検索する。より具体的には、第2データベース検索部15bは、第2データベース22を第3文に含まれる複数の文節のうちいずれかとの完全一致によって検索する(S47)。第2データベース検索部15bは、第1文に含まれる複数の文節に基づく検索結果と、第3文に含まれる複数の文節に基づく検索結果とを混合して第2検索結果とする。第2データベース検索部15bは、第2データベース22の検索結果について、第1文に含まれる複数の文節のうちいずれかを含めばスコアを1加算し、第1文に含まれる複数の文節のうちいずれか及び第3文に含まれる複数の文節のうちいずれかの両方を含めばスコアを2加算して、スコア順に検索結果を並べて第2検索結果としてもよい。検索部15は、第3文に含まれる複数の文節に基づく検索と、第1文に含まれる複数の文節に基づく検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行うことで、第1文を異なる観点から検索することができる。
【0082】
表示制御部16は、第1文、検索部15により検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である検索結果、第2文及び第3文を、第1文、第2文及び第3文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させる(S48)。第1文、検索結果、第2文及び第3文を、第1文、第2文及び第3文の表示面積と検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させることで、検索キー(第1文、第2文及び第3文)の表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、ユーザに対して、いずれの検索キー、検索結果を表示領域に表示させるべきか考えさせることになり、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0083】
より具体的には、表示制御部16は、第1文、第1データベース検索部15aにより第1データベース21から検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第1検索結果及び第2データベース検索部15bにより第2データベース22から検索された1又は複数の文章の少なくとも一部である第2検索結果、第2文及び第3文を、第1文、第2文及び第3文の表示面積と第1検索結果及び第2検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、単一表示させる(S48)。第1文、第1検索結果、第2検索結果、第2文及び第3文は、ユーザ端末装置30の表示部に表示される。以上により、文章検索装置10による再検索処理の第1例が終了する。
【0084】
検索部15は、第1文に基づく検索キーによる検索と、1又は複数の選択文に基づく検索キーによる1又は複数の検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行う。具体的には、検索部15は、第1文に基づく検索キーによる検索と、第2文に基づく検索キーによる検索又は第2文に基づく検索キーによる検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行う。このように、第1文に基づく検索キーによる検索と、1又は複数の選択文に基づく検索キーによる1又は複数の検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行うことで、第1文に基づく検索キーによる検索とは異なる観点から文章データベース20を検索しつつ、第1文との関連性を保った検索を行うことができる。そのため、第1文を多様な観点から検索することができる。また、第1文、第2文及び第3文をそれぞれ複数の文節に分割することで、入力文の一部に基づく複数のコンテキストを用いた文章検索を組み合わせることができる。そのため、第1文を多様な観点から検索することができる。
【0085】
検索部15による文章データベース20の再検索において、第1文に基づく検索キーは、第1文と同一ではなく、1又は複数の選択文(第2文及び第3文)に基づく検索キーは、1又は複数の選択文と同一ではない。具体的には、「優れたアイディアは孤独な深い思考からしか生まれない」という第1文に対して、検索キーは、「優れた」、「孤独な」、「思考」及び「生まれ」という4つの重要語又は「優れたアイディアは」、「孤独な深い」、「思考からしか」及び「生まれない」という4つの文節である。また、「優れた企業家の持つ要素」という第2文に対して、検索キーは、「優れた」、「企業家」及び「要素」という3つの重要語又は「優れた」、「企業家の持つ」及び「要素」という3つの文節である。また、「自分の思考レベルの水準」という第3文に対して、検索キーは、「自分の」、「思考」及び「水準」という3つの重要語又は「自分の」、「思考レベルの」及び「水準」という3つの文節である。検索部15による検索又は再検索のための検索キーとして、第1文及び1又は複数の選択文をそのまま用いず、加工して検索キーとすることで、文全体のコンテキストにとらわれない多様な観点からの検索ができる。
【0086】
図10は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10による再検索処理の結果の第2例を示す図である。同図では、文章検索装置10によって
図9に示す再検索処理の第2例を行った場合において、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面を示している。本例では、第3文として「自分の思考レベルの水準」という文を受け付け、検索部15によって文章データベース20を再検索した結果を示している。表示画面DPは、文章検索装置10の表示制御部16によって出力されたデータに基づき、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面の例を示している。
【0087】
表示画面DPは、第1文DP1、第2文DP2、第3文DP3、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20を含む。第1検索結果DP10は、第1検索結果の第4例DP14と第1検索結果の第5例DP15を含み、第2検索結果DP20は、第2検索結果の第6例DP26と第2検索結果の第7例DP27を含む。第1文DP1、第2文DP2、第3文DP3、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20は、第1文DP1、第2文DP2及び第3文DP3の表示面積と第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示される。このため、検索キーを構成する第1文DP1、第2文DP2及び第3文DP3の表示面積を大きくするには、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20の表示面積を小さくしなければならず、その逆もいえる。このように、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係を生じさせ、ユーザに対して、検索キーの表示と各データベースに関する検索結果の表示についてそれぞれ取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促す。
【0088】
より具体的に、
図6に示す再検索処理の第1例の結果と
図10に示す再検索処理の第2例の結果の相違について説明する。
図6に示すように、第1文DP1及び第2文DP2に基づく文章データベース20の再検索処理の結果、表示制御部16は、第1文DP1と、第2文DP2と、3項目の第1検索結果DP10と、10項目の第2検索結果DP20を表示させる。一方、
図10に示すように、第1文及び第3文に基づく文章データベース20の再検索処理の結果、表示制御部16は、第1文DP1と、第2文DP2と、第3文DP3と、3項目の第1検索結果DP10と、8項目の第2検索結果DP20を表示させる。両画面を比較すると、第3文DP3の表示が追加されたことに伴い、検索結果を表示するための面積が狭まり、第2検索結果DP20の表示項目数が2つ減ったことが読み取れる。このように、第1文、検索結果、第2文及び第3文を、第1文、第2文及び第3文の表示面積と第1検索結果及び第2検索結果の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0089】
第1検索結果の第4例DP14は、「自分に挑戦状を叩きつけてきた」という文を含み、第1検索結果の第5例DP15は、「アイザック・ニュートン」という文を含む。第1検索結果DP10は、第1データベース21を第1文DP1及び第3文DP3に基づき検索した結果であり、ユーザのアイディアノートからの検索結果である。なお、同図では、検索された文の一部のみを示しているが、表示画面DPには、第1検索結果DP10の全文が表示されてもよい。
【0090】
第2検索結果の第6例DP26は、「アイディア」という文と背景画像の第6例DP26aを含み、第2検索結果の第7例DP27は、「疑ってみる」という文と背景画像の第7例DP27aを含む。第2検索結果DP20は、第2データベース22を第1文DP1及び第3文DP3に基づき検索した結果であり、インターネットからの検索結果である。第2検索結果DP20は、インターネット上に公開されたHTML文書等であってよく、例えば第2検索結果の第6例DP26に含まれる「アイディア」という文はHTML文書等からの抜粋であってよく、背景画像の第6例DP26aはHTML文書等に含まれる画像のうち「アイディア」という文に最も近く配置された画像であってよい。
【0091】
図11は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10により実行される固定検索処理のフローチャートである。固定検索処理は、表示制御部16によって文章データベース20の検索結果が表示された後、検索部15によって文章データベース20の再検索が行われる際に実行される処理である。本例では、
図6に示す再検索処理の結果の第1例が表示された後、ユーザによって第2検索結果の第3例DP23が固定選択された場合について説明する。固定部19は、検索結果のうちから固定選択を受け付ける(S50)。固定選択は、第1検索結果及び第2検索結果のいずれに関するものであってもよい。
図12に示すように、第2検索結果の第3例DP23は、固定選択されたことを示す固定選択表示DP23bを含む。同図では、固定選択表示DP23bを第2検索結果の第3例DP23を二重線表示することによって表しているが、固定選択表示DP23bはこれ以外の表示であってもよい。なお、固定選択は、ユーザ端末装置30によって受け付けることのできる種々の操作によって行うことができ、例えば、検索結果の左へのスワイプによって受け付けてもよい。
【0092】
続けて、検索部15は、
図9に示す再検索処理を実行する(S51)。すなわち、第1文及び第3文に基づいて文章データベース20の再検索処理を行う。表示制御部16は、検索部15により検索された検索結果に替えて、検索部15により再検索された検索結果を表示させる場合に、固定選択された検索結果の表示を維持する。すなわち、表示制御部16は、第1文及び第3文に基づく再検索処理の結果を表示させる際、固定選択された検索結果以外の検索結果を更新する(S52)。このように、検索結果を固定選択することで、第1文について異なる観点から考えを進める際に、固定選択した検索結果を閲覧することができるようになり、注目したい検索結果と再検索結果を併せて考察することが容易となる。
【0093】
図12は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10による固定検索処理の結果の一例を示す図である。同図では、文章検索装置10によって
図6に示す再検索処理の第1例を行った後、第2検索結果の第3例DP23について固定選択を受け付け、第3文として「自分の思考レベルの水準」という文を受け付け、検索部15によって文章データベース20を再検索し、固定選択された第2検索結果の第3例DP23の表示を維持し、それ以外の検索結果を更新した結果を示している。表示画面DPは、文章検索装置10の表示制御部16によって出力されたデータに基づき、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面の例を示している。
【0094】
表示画面DPは、第1文DP1、第2文DP2、第3文DP3、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20を含む。第1検索結果DP10は、固定選択された第1検索結果の第3例DP13を含む。第1文DP1、第2文DP2、第3文DP3、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20は、第1文DP1、第2文DP2及び第3文DP3の表示面積と第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示される。
【0095】
図10に示すように、第1文DP1及び第3文DP3に基づく文章データベース20の再検索処理の結果、表示制御部16は、第1文DP1と、第2文DP2と、第3文DP3と、3項目の第1検索結果DP10と、8項目の第2検索結果DP20を表示させる。ここで、第2検索結果DP20には、第2検索結果の第6例DP26及び第2検索結果の第7例DP27が含まれる。一方、
図12に示すように、第2検索結果の第3例DP23について固定選択を受け付け、第1文及び第3文に基づく文章データベース20の再検索処理を行った結果、表示制御部16は、第1文DP1と、第2文DP2と、第3文DP3と、3項目の第1検索結果DP10と、8項目の第2検索結果DP20を表示させる。ここで、第2検索結果DP20には、第2検索結果の第3例DP23及び第2検索結果の第6例DP26が含まれる。両画面を比較すると、第2検索結果の第3例DP23が固定選択されたことに伴い、第2検索結果の第3例DP23の表示が維持され、その他の検索結果が更新されたことが読み取れる。このように、検索結果の固定選択を受け付けることで、第1文を異なる観点から検索しつつ、注目している検索結果については表示を維持することができ、注目している検索結果と再検索結果を併せて考察することができる。また、固定選択された検索結果の表示を維持すると、固定選択された検索結果を表示するために表示面積が占有されるため、新たな検索結果を表示するための表示面積が狭くなる。文章検索装置10は、固定選択された検索結果の表示と新たな検索結果の表示との間でトレードオフの関係を生じさせることで、ユーザに情報の取捨選択を促し、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0096】
図13は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10により実行される順位付与検索処理のフローチャートである。順位付与検索処理は、表示制御部16によって文章データベース20の検索結果が表示された後、検索部15によって文章データベース20の再検索が行われる際に実行される処理である。本例では、
図10に示す再検索処理の結果の第2例が表示された後、ユーザによって第2文DP2と第3文DP3の順番が入れ替えられた場合について説明する。順位付与部17は、第2文DP2と第3文DP3の順番の入れ替えを受け付ける(S60)。ユーザは、ユーザ端末装置30に表示された第2文DP2又は第3文DP3をドラッグ操作して、第2文DP2と第3文DP3の順番を入れ替えてよい。
【0097】
順位付与部17は、先頭の文である第2文DP2に最高の優先順位を付与する(S61)。続けて、検索部15は、第1文に基づく検索キーによる検索と、優先順位に従って選択された第2文に基づく検索キーによる検索又は第3文に基づく検索キーによる検索とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行う(S62)。本例の場合、検索部15は、
図5に示す再検索処理を実行する。すなわち、第1文及び第2文に基づいて文章データベース20の再検索処理を行う。表示制御部16は、再検索結果に基づき検索結果を更新する(S63)。このように、第1文に基づく検索と、優先順位に従って選択された1又は複数の選択文に基づく1又は複数の検索(本例では第2文に基づく検索)とを組み合わせて文章データベース20の再検索を行うことで、1又は複数の選択文に関するユーザの注目度を反映した再検索を行うことができる。
【0098】
図14は、本発明の実施形態に係る文章検索装置10による順位付与検索処理の結果の一例を示す図である。同図では、文章検索装置10によって
図13に示す順位付与検索処理を行った場合において、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面を示している。本例では、
図10に示す再検索処理の結果の第2例が表示された後、ユーザによって第2文DP2と第3文DP3の順番が入れ替えられ、第1文と、優先順位に従って選択された第2文に基づいて文章データベース20を再検索した結果を示している。
【0099】
表示画面DPは、文章検索装置10の表示制御部16によって出力されたデータに基づき、ユーザ端末装置30の表示部に表示される画面の例を示している。表示画面DPは、検索部15により検索された検索結果(第1文及び第3文に基づく検索結果)に替えて、検索部15により再検索された検索結果(第1文及び第2文に基づく検索結果)を表示している。
【0100】
表示画面DPは、第1文DP1、第2文DP2、第3文DP3、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20を含む。第1文DP1、第2文DP2、第3文DP3、第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20は、第1文DP1、第2文DP2及び第3文DP3の表示面積と第1検索結果DP10及び第2検索結果DP20の表示面積との合計が予め定められた面積以下となるように、表示領域に表示される。
図14に示す表示画面DPは、
図6に示す表示画面DPと比較して、第3文DP3が表示されている点と、第2検索結果の第4例DP24が削除選択されていない点で相違するが、その他の点について同一の内容を含む。
【0101】
図14に示すように、第1文及び第2文に基づく文章データベース20の順位付与検索処理の結果、表示制御部16は、第1文DP1と、第2文DP2と、第3文DP3と、3項目の第1検索結果DP10と、8項目の第2検索結果DP20を表示させる。一方、
図6に示すように、第1文及び第2文に基づく文章データベース20の再検索処理の結果、表示制御部16は、第1文DP1と、第2文DP2と、3項目の第1検索結果DP10と、10項目の第2検索結果DP20を表示させる。両画面を比較すると、第3文DP3の表示が追加されたことに伴い、検索結果を表示するための面積が狭まり、第2検索結果DP20の表示項目数が2つ減ったことが読み取れる。このように、第1文、検索結果、第2文及び第3文を所定の面積以下の表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。そのため、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0102】
なお、順位付与部17は、第2文DP2及び第3文DP3の表示順序に応じて、それぞれ0でない重みを与えて優先順位としてもよい。検索部15は、第1文DP1、第2文DP2及び第3文DP3に基づく検索結果に対して、それぞれ順位付与部17により与えられた重みに応じたスコアを付与し、スコアが高い順に検索結果の表示順序を決定してもよい。第1文DP1と、第2文DP2及び第3文DP3のうち先頭に表示された文とによって順位付与検索処理を行う例は、第2文DP2及び第3文DP3のうち先頭に表示された文に1の重みを与え、2番目に表示された文に0の重みを与えた例と捉えることもできる。
【0103】
第2文DP2及び第3文DP3の表示順序に応じて与えられる重みは、変更可能であってもよい。例えば、ブレインストーミング段階では、第2文DP2及び第3文DP3の表示順序に応じて、傾斜配分した0でない重みを与えて、第1文DP1と関連のある文章を比較的広い範囲から検索することができる。また、例えば、思索の終盤における絞込段階では、第1文DP1と、第2文DP2及び第3文DP3のうち先頭に表示された文とによって再検索処理を行い、第1文DP1と関連のある文章を比較的狭い範囲から検索することができる。
【0104】
なお、削除部18は、削除選択された検索結果を削除するのと同様に、削除選択された選択文(第1文以外の検索キーの候補)を削除してもよい。文章検索装置10によれば、検索キーの表示面積と検索結果の表示面積の合計が予め定められた面積以下となるように、検索キーと検索結果を表示領域に表示させることで、検索キーの表示と検索結果の表示についてトレードオフの関係が生じる。検索キーの一部である選択文の削除を受け付けることで、ユーザに対して、いずれの検索キーを表示領域に表示させるべきか考えさせることになり、検索キーの表示と検索結果の表示について取捨選択を促して、入力した文について考えを進めるよう促すことができる。
【0105】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。