(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-98158(P2018-98158A)
(43)【公開日】2018年6月21日
(54)【発明の名称】有機EL次世代の光
(51)【国際特許分類】
H05B 33/04 20060101AFI20180525BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20180525BHJP
【FI】
H05B33/04
H05B33/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】3
(21)【出願番号】特願2016-257880(P2016-257880)
(22)【出願日】2016年12月12日
(71)【出願人】
【識別番号】305026460
【氏名又は名称】毛呂 慎
(72)【発明者】
【氏名】毛呂 慎
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB06
3K107CC23
3K107CC27
3K107EE53
3K107FF14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ダークスポットなどの劣化現像を防いで有機EL素子の耐久性を向上させる。
【解決手段】光触媒反応の酸化チタンを混ぜる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
実用化と劣化防止カギ
有機EL発展鍵を握るのが、耐久性の向上だ。前の発光材料の多くは水や酸素に弱く、長く使うと、水が入って黒い斑点ができる「ダ―クスポット」などの劣化現像起きる。このため吸湿剤を利用する、水などのしんにゆうを防ぐ封止技術を開発したりする劣化防止の試しみが盛んだ、これを光触媒反応の酸化チタンを髪の毛の1000分の1分マツを混ぜると解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺激を与えて自ら発光炭素を骨格とする「有機かごう物」の中には、衣服の生地をより白くみせる蛍光剤や、蛍光ペンなど゛、外部から電気や熱、光などの刺激があると発光するもの物質がある。電流を流すことでこれらの有機分子を発光させて、ディスプレレーや照明に用いるのが有機ELだ。マイナス極から電子を運ぶ「電子輸送層」、電子が抜けた穴ぼこである「正孔」をプラス極から移動させる「正孔輸送層」が、実際に発光する「発光層」をサンドイッチのようにはさんだ構造にになっている。輸送層、発光層は有機化合物で出来ている、その厚さはわずか100〜200ナノ・メイトル(ナノは10億分の1)。髪の毛の1000分の1程度の薄さながら高い発光効率を持つ。
【0002】
電流を流して、輸送層から発光層に移動した電子と正孔が合体(再結合)すると、発光層の有機分子が活性化してエネルギーが高い不安定な状態になる。有機分子は、エネルギーが低い安定した元の状態に戻らうとして光を放つ。電気のエネルギーを光のエネルギーに変えているわけだ。
【0003】
柔らかな有機分子で出来てた有機ELは、曲げたり、丸めたりしても画像が乱れない。また、広い面積を欣一に光らすことも得意だ。
山形大学のすずりぜんこう準教授は、こうした利点をいかそうと、透明で曲がる有機EL材料を開発した。接着剤とフィルムを使って材料を保護し、1年以上の耐久性を持たせた。今後、琴命を5、6年までのばして実用化を図るという。准教授は「透明なら、木目調の壁を光らせり、ガラスの窓に文字情報を浮かび上がらせたり、これまでにないデザインが可能になる」と話す。
【0004】
発光効率 電気のエネルギーが光に変換される割合のこと。発光効率が100%なら、無駄な熱などを出さず電気をすべて光にかえることができる。ただ、この発光率の数字は、発光層で電気が光にどれだけ変わったかを示しているに過ぎず、実際には機器内部でブロックされ外に出てこない光もある。このため「発光率100%」でも、外部照らす光はそのうち20〜30%程度にとどまるのが現じようだ。
【0005】
発光効率 飛躍的に向上
有機ELの研究が盛んになったのは、有機分子の薄膜による材料開発がはじまった1980年代後半以降だ。有機ELの光は、蛍光とリン光の2種類あるが、当時は低い効率の蛍光でしか発光できなかったため、実用化は難しいと考えられてきた。
しかし、99年になると、米国の研究グループがリン光でも発光出来る材料を発表。発光効率は飛躍的に上がったが、リン光の発光にはイリジウムや白金などの希少金属必要なうえ、光の三原色の一つである青色うまく発光できない弱点があった。
これらの課題を克服したのが九州大の安達ちはや教授らが開発してきた新発光材料だ。従来はリン光として発光していた多くのエネルギーを蛍光に回せる有機分子の設計に成功し、2012年、電気のエネルギーをほぼすべて蛍光に変えて発光させることに成功した。
新発光材料はまだ改良の余地が゛大きく、12年以降も、青色の発光効率の向上や、光の強度が落ちにくい長痔命化を実現させている。昨年3月には、実用化に向けて大学発ベンチャー企業「KyuIux(キュラックス)」を設立し、試作開発している。安達教授は「電子のエネルギーが高い状熊の時間をできるだけ減らして材リヨウの劣化を抑えるなど、発光材リヨウの性能を抜本的に改善していきたい」と意気込む。
【0006】
蛍光とリン光 有機分子を電流で刺激すると、電子と正孔が結合してエネルギー高いじようたいになる。この時の電子のじよう熊によつて、放たれる光の種類が異なり、エネルギーの25%は琴命が短い「蛍光灯」として発光する。残る75%のエネルギーは熱になつていたが、イリジウムなどを組み込んだ有機分子をうまく設計することで、琴命が長く、光が長時間残る「リン光」変換して発光させることが可能になつた。