【解決手段】本発明は、内部にコイル部が配置された本体と、上記本体の表面に配置された保護層と、を含み、上記本体は、コイル部が配置されたアクティブ部と上記コイル部の上部及び下部に配置されたカバー部とを含み、上記保護層内のグレインサイズは上記本体内のグレインサイズよりも大きいインダクタを提供する。
前記本体は、前記コイル部が配置されたアクティブ部と前記コイル部の上部及び下部に配置されたカバー部とを含み、前記アクティブ部及び前記カバー部は前記本体のセラミック材料を含み、前記カバー部のグレインサイズは前記アクティブ部のグレインサイズよりも大きい、請求項22から24のいずれか一項に記載のインダクタ。
前記外部電極は、上部に配置された前記保護層を有する前記本体の表面に配置され、前記保護層が形成されていない前記本体の表面にも配置される、請求項27に記載のインダクタ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0017】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0018】
さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対である記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0019】
以下では、本発明の一実施形態によるインダクタを説明し、特に薄膜型インダクタを例に挙げて説明するが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0020】
インダクタ
図1は本発明の一実施形態によるインダクタを示す概略斜視図であり、
図2は
図1のI−I'線に沿った断面図であり、
図3は
図1のII−II'線に沿った断面図であり、
図4は
図1のLW断面図である。
【0021】
図1〜
図4を参照すると、インダクタの一例として、電源供給回路の電源ラインに用いられる積層型インダクタ100が開示される。
【0022】
本発明の一実施形態によるインダクタ100は、本体110と、上記本体110の内部に埋め込まれたコイル部120と、上記本体110の表面に配置された保護層113と、上記本体110の外側に配置されて上記コイル部120と電気的に接続された外部電極115a、115bと、を含む。
【0023】
本発明の一実施形態によるインダクタ100において、
図1に示す「L」を「長さ方向」、「W」を「幅方向」、及び「T」を「厚さ方向」と定義する。
【0024】
図2及び
図3を参照すると、上記本体110は、複数個のセラミック層を積層したセラミック積層体として構成し、上記複数のセラミック層に内部電極を配置し、各内部電極をビアで接続することでコイル部120を構成することができる。
【0025】
上記本体110を構成するセラミック層は、誘電体からなってもよく、主に磁性体からなってもよいが、これに制限されるものではない。
【0026】
本発明の一実施形態において、磁性体としてフェライト(ferrite)を用いることができる。上記フェライトは、電子部品に要求される磁気特性に応じて適宜選択することができるが、比抵抗が大きく、比較的低損失であることが好ましい。これに制限されるものではないが、Ni−Zu−Cu系のフェライトを用いることができ、誘電率が5〜100である誘電体を用いることができる。
【0027】
また、非磁性体である誘電体としては、これに制限されるものではないが、ケイ酸ジルコニウム(Zirconium)、ジルコン(Zircon)酸カリウム、ジルコニウムなどからなるセラミック材料を用いることができる。
【0028】
一方、上記本体110は金属磁性体粉末を含むこともできる。上記金属磁性体粉末は、Fe、Si、Cr、Al、及びNiからなる群より選択されるいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属であってもよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0029】
上記本体110は、熱硬化性樹脂をさらに含み、上記金属磁性体粉末がエポキシ(epoxy)樹脂またはポリイミド(polyimide)樹脂などの熱硬化性樹脂に分散した形態で構成することができる。
【0030】
上記セラミック層には、コイル部120を構成する複数個の内部電極を配置することができる。上記本体110の内部に形成された上記内部電極は、電気が印加されると、インダクタンスまたはインピーダンスを実現することができる。
【0031】
上記コイル部120及びビアは、電気導電性に優れた金属を含んで形成することができ、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはこれらの合金などで形成することができる。
【0032】
上記本体110は、同時焼結時の収縮挙動の整合を達成するために焼結助剤をさらに含むことができる。
【0033】
上記焼結助剤は、B
2O
3、CuO、及びLiBO
2で構成される群より選択される一つ以上であってもよく、上記化合物100重量部に対して1〜5重量部の含有量を有することができる。
【0034】
上記コイル部120の一端は、本体110の長さ方向Lの一端面に露出することができ、上記コイル部120の他端は、本体110の長さ方向Lの他端面に露出することができる。
【0035】
本体の長さ方向Lの両端面には、上記本体110の長さ方向Lの両端面に露出する上記コイル部120と接続されるように外部電極115a、115bを形成する。
【0036】
上記外部電極115a、115bは、導電性樹脂層と、上記導電性樹脂層上に形成されるめっき層と、を含むことができる。
【0037】
上記導電性樹脂層は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及び銀(Ag)からなる群より選択されるいずれか一つ以上の導電性金属及び熱硬化性樹脂を含むことができる。
【0038】
上記導電性樹脂層はエポキシ樹脂を含むことができる。
【0039】
上記めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びスズ(Sn)からなる群より選択されるいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層とスズ(Sn)層を順に形成することができる。
【0040】
最近のIT製品の場合、急激な技術の進歩に伴い、様々な機能を含むようになり、特に小型化及び薄膜化が進むにつれて、インダクタ本体のクラック及び信頼性の問題が引き続き発生している。
【0041】
また、一般のインダクタにおいて本体の焼結性を向上させる場合、本体にクラックなどの問題が発生することがあり、応力が原因で良好な周波数特性を得ることが困難である。
【0042】
一方、インダクタの良好な周波数特性を得るために本体の焼結性を下げる場合、本体の外側に外部電極を形成すると、めっき液の浸透及び本体の強度低下による信頼性の低下の問題が発生する可能性がある。
【0043】
本発明の一実施形態によると、本体110の表面に保護層113を形成し、且つ上記保護層113内のグレインサイズを上記本体110内のグレインサイズよりも大きく調節することにより、上述の問題を解決することができる。
【0044】
上記保護層113は、焼結後の上記保護層113内のグレインサイズを本体110内のグレインサイズよりも大きく制御することにより、グレインサイズがさらに大きくなった保護層113によって緻密度を向上させてめっき液の浸透を防止し、本体の強度を改善させることができ、グレインサイズがさらに小さくなった本体の内部は応力の改善によって周波数特性を向上させることができる。
【0045】
上記保護層113は、上記本体110に含まれるセラミック材料と同一のセラミック材料を含むことができる。
【0046】
例えば、上記本体110を構成するセラミック材料のように、誘電体からなってもよく、主に磁性体からなってもよいが、これに制限されるものではない。
【0047】
上記保護層113が磁性体を含む場合、フェライト(ferrite)を用いることができる。上記フェライトは、電子部品に要求される磁気特性に応じて適宜選択することができるが、比抵抗が大きく、比較的低損失であることが好ましい。これに制限されるものではないが、Ni−Zu−Cu系のフェライトを用いることができ、誘電率が5〜100である誘電体を用いることができる。
【0048】
また、上記保護層113が非磁性体である誘電体を含む場合、これに制限されるものではないが、ケイ酸ジルコニウム(Zirconium)、ジルコン(Zircon)酸カリウム、ジルコニウムなどからなるセラミック材料を用いることができる。
【0049】
上記保護層113内のグレインサイズを上記本体110内のグレインサイズよりも大きく調節する方法は、特に制限されるものではないが、上記本体110及び上記保護層113を形成するために用いられるセラミック材料に含まれる焼結助剤の含有量を調節することで行うことができる。
【0050】
すなわち、上記本体110及び上記保護層113に用いられるセラミック材料を異ならせて適用することにより焼結程度を制御して、焼結後の上記保護層113内のグレインサイズが上記本体110内のグレインサイズよりも大きくなるように調節することができる。
【0051】
これにより、本体の焼結時における焼結程度が大きい場合と小さい場合に発生する可能性がある問題点を改善させることができる。
【0052】
本発明の一実施形態によると、上記保護層113内のグレインサイズは1.5μm以上であればよく、上記本体110内のグレインサイズは上記保護層113内のグレインサイズよりも小さければよい。
【0053】
また、上記本体110内のグレインサイズは1.5μm以下であればよく、上記保護層113内のグレインサイズは上記本体110内のグレインサイズよりも大きければよい。
【0054】
例えば、上記保護層113内のグレインサイズが1.5μmの場合は、上記保護層113内のグレインサイズが上記本体110内のグレインサイズよりも大きければよいため、上記本体110内のグレインサイズは1.5μm未満であればよい。
【0055】
このように上記保護層113内のグレインサイズを上記本体110内のグレインサイズよりも大きく調節することにより、信頼性を改善させ、周波数特性に優れたインダクタを実現することができる。
【0056】
上記保護層113内の気孔率は、上記本体110内の気孔率よりも低ければよい。すなわち、上記保護層113の内部が上記本体110の内部よりもセラミック材料の密度が高く、緻密度もさらに大きくなるため、上記保護層113内の気孔率は上記本体110内の気孔率よりも低くなる。
【0057】
上記保護層113の平均厚さは、0.1μm〜50μmであればよく、より好ましくは、10μm〜20μmであればよい。
【0058】
上記保護層113の平均厚さを0.1μm〜50μm、より効果的に10μm〜20μmに調節することにより、めっき液の浸透を防止し、インダクタの強度を改善させるという効果を得ることができる。
【0059】
上記保護層113の平均厚さが10μm未満の場合、めっき液の浸透を防止し、インダクタの強度を改善させるという効果を得ることができない。
【0060】
一方、平均厚さが20μmを超えるか、さらに50μmを超えると、本体の体積がその分だけ減少するため、インダクタンスが大きく低下する可能性がある。
【0061】
本発明の一実施形態によると、上記本体110は、コイル部120が配置されたアクティブ部111と、上記コイル部120の上部及び下部に配置されたカバー部112と、を含む。
【0062】
上記上部及び下部カバー部112は、上記アクティブ部111に含まれるセラミック材料と同一の材料で形成することができる。
【0063】
上記上部及び下部カバー部112は、単一の誘電体層または2つ以上のセラミック層をアクティブ部111の上下面にそれぞれ上下方向に積層して形成することができ、基本的には物理的または化学的ストレスによるコイル部120の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0064】
一般に、インダクタの場合、本体の焼結後の収縮率差による内部残留応力が本体内に残ってインダクタのインピーダンス特性の低下を引き起こしている。
【0065】
このような内部残留応力は、コイル部と本体との間の応力によって発生することがあり、これはアクティブ部とカバー部との間の収縮率差による応力と解釈することができる。
【0066】
本発明の一実施形態によると、上記カバー部112内のグレインサイズを上記アクティブ部111内のグレインサイズよりも大きく調節することにより、上述の問題点を解決することができる。
【0067】
すなわち、上記カバー部112内のグレインサイズを上記アクティブ部111内のグレインサイズよりも大きく調節することにより、アクティブ部とカバー部との間の収縮率差によって発生する可能性がある応力を緩和してインピーダンス特性を改善させることができる。
【0068】
上記カバー部112内のグレインサイズを上記アクティブ部111内のグレインサイズよりも大きく調節する方法は、特に制限されず、例えば、上記アクティブ部111及び上記カバー部112を形成するのに用いられるセラミック材料に含まれる焼結助剤の含有量を調節することで行うことができる。
【0069】
すなわち、上記アクティブ部111及び上記カバー部112に用いられるセラミック材料を異ならせて適用することにより焼結程度を制御して、焼結後の上記カバー部112内のグレインサイズが上記アクティブ部111内のグレインサイズよりも大きくなるように調節することができる。
【0070】
これにより、本体の焼結時におけるアクティブ部111とカバー部112の焼結程度の不一致を改善させることができるため、インピーダンス特性の改善効果を得ることができる。
【0071】
上記カバー部112内の気孔率は、上記アクティブ部111内の気孔率よりも低ければよい。
【0072】
図2〜
図4を参照すると、本発明の一実施形態による保護層113は、本体110の厚さ方向Tに向かい合う上面及び下面、並びに幅方向Wに向かい合う両側面に形成することができる。
【0073】
本発明の一実施形態による保護層113は、本体110の厚さ方向Tに向かい合う上面及び下面、並びに幅方向Wに向かい合う両側面に形成し、且つ長さ方向Lに向かい合う両端面には形成しないことから、本体110の長さ方向Lに向かい合う両端面における保護層の厚さだけ本体110の体積を増加させることができるため、後述する本発明の他の実施形態に比べてインダクタンスを向上させることができる。
【0074】
上記保護層113は、絶縁性を与えるために用いられる絶縁フィラー(filler)をさらに含むことができる。
【0075】
上記絶縁フィラー(filler)は、シリカ(SiO
2)、二酸化チタン(TiO
2)、アルミナ、ガラス、及びチタン酸バリウム系の粉末からなる群より選択されるいずれか一つ以上であることができる。
【0076】
上記絶縁フィラー(filler)は、緻密度を向上させるために球状またはフレーク(flake)などの形状を有することができる。
【0077】
図5は本発明の他の実施形態による
図1のI−I'線に沿った断面図であり、
図6は本発明の他の実施形態による
図1のII−II'線に沿った断面図であり、
図7は本発明の他の実施形態による
図1のLW断面図である。
【0078】
図5〜
図7を参照すると、本発明の他の実施形態による保護層113は、本体110の厚さ方向Tに向かい合う上面及び下面、幅方向Wに向かい合う両側面、及び長さ方向Lに向かい合う両端面に形成することができる。
【0079】
この際、上記本体110の長さ方向Lに向かい合う両端面に露出しているコイル部120の端部は、上記保護層113を貫通して外部に露出させる方法で形成することができる。また、他の方法では、外部電極115a、115bと接続されるように、上記コイル部120の端部部分の保護層113を研磨して除去する方法で形成することもできる。
【0080】
本発明の他の実施形態による保護層113は、本体110の厚さ方向Tに向かい合う上面及び下面、幅方向Wに向かい合う両側面、及び長さ方向Lに互いに向かい合う両端面に形成するため、長さ方向Lに向かい合う両端面には保護層113を形成しない本発明の一実施形態に比べてめっき液の浸透による信頼性低下の改善効果により優れる。
【0081】
また、本発明の他の実施形態による保護層113は、本体110の厚さ方向Tに向かい合う上面及び下面、幅方向Wに向かい合う両側面、及び長さ方向Lに互いに向かい合う両端面に形成するため、インダクタの強度向上の効果にも優れる。
【0082】
図8は本発明の他の実施形態による
図1のII−II'線に沿った断面図である。
【0083】
図8を参照すると、本発明の他の実施形態によるインダクタは、内部にコイル部120が配置された本体110と、上記本体110の表面に配置された保護層113と、を含み、上記本体110は、コイル部120が配置されたアクティブ部111と上記コイル部120の上部及び下部に配置されたカバー部112とを含み、上記アクティブ部111内のグレインサイズをGa、上記カバー部112内のグレインサイズをGb、保護層113内のグレインサイズをGcとしたとき、Ga<Gb<Gcを満たす。
【0084】
本発明の他の実施形態によると、上記アクティブ部111内のグレインサイズをGa、上記カバー部112内のグレインサイズをGb、保護層113内のグレインサイズをGcとしたとき、Ga<Gb<Gcを満たすように調節することにより、信頼性を改善させ、周波数特性に優れたインダクタを実現することができ、インダクタのインピーダンス特性を改善させることができる。
【0085】
すなわち、本体110の表面に保護層113を配置し、且つ保護層113内のグレインサイズを、上記本体110を構成するアクティブ部111及びカバー部112内のグレインサイズよりも大きく調節することにより、信頼性を改善させ、周波数特性に優れたインダクタを実現することができる。
【0086】
具体的には、焼結後の保護層113内のグレインサイズを、本体110を構成するアクティブ部111及びカバー部112のグレインサイズよりも大きく制御することにより、グレインサイズがさらに大きくなった保護層113によってめっき液の浸透を防止し、本体の強度を改善させることができ、グレインサイズがより小さくなった本体110の内部は応力の改善によって周波数特性を向上させることができる。
【0087】
また、本体110内に配置されたカバー部112のグレインサイズをアクティブ部111内のグレインサイズよりも大きく調節することにより、カバー部112とアクティブ部111との間の応力を緩和することができるため、インダクタのインピーダンス特性を改善させることができる。
【0088】
その他、上述の本発明の一実施形態及び他の実施形態によるインダクタの構造に関する説明と重複する部分は省略する。
【0089】
インダクタの製造方法
本発明の一実施形態によるインダクタの製造方法に関して説明すると、まず、複数個のセラミック層を設ける。
【0090】
上記セラミック層は、絶縁材料であり、主に磁性体からなることができ、ギャップ層を形成する場合は非磁性体からなることができる。
【0091】
本発明の一実施形態によると、上記磁性体としてフェライト(ferrite)を用いることができ、上記フェライトは、電子部品に要求される磁気特性に応じて適宜選択することができるが、比抵抗が大きく、比較的低損失であることが好ましい。かかる例としては、これに制限されるものではないが、Ni−Zn−Cu系のフェライトを用いることができる。
【0092】
上記セラミック層に内部電極を形成する。上記内部電極は、導体材料で構成することができ、抵抗率が小さく安価であることが好ましい。また、上記内部電極は、これに制限されるものではないが、Ag、Pt、Pd、Au、Cu、及びNiのうちいずれか一つ以上またはこれらの合金からなることができる。
【0093】
上記セラミック層に形成された内部電極は、ビアで接続することによりコイル部を構成する。
【0094】
上記内部電極が形成された複数個のセラミック層を積層し、上記コイル部の上部及び下部に内部電極が形成されていない複数個のセラミック層を積層してカバー部を形成することで本体を形成する。
【0095】
上記内部電極が形成された複数個のセラミック層は積層してアクティブ部を構成し、上記内部電極が形成されていない複数のセラミック層はコイル部の上部及び下部に積層してカバー部を構成する。
【0096】
上記アクティブ部を構成する内部電極が形成された複数個のセラミック層と、カバー部を構成する内部電極が形成されていない複数個のセラミック層と、に異なるセラミック材料を含ませることにより、焼結後の内部に含まれるグレインサイズが異なるように調節することができる。
【0097】
具体的には、上記アクティブ部を構成するセラミック層と、カバー部を構成するセラミック層と、に含まれる焼結助剤の材料及び含有量を互いに異ならせることにより、焼結後のカバー部内に含まれるグレインサイズをアクティブ部内に含まれるグレインサイズよりも大きく調節することができる。
【0098】
次に、上記本体の表面にセラミック材料を含む保護層を形成する。
【0099】
上記保護層は、上記本体の幅方向の両側面及び厚さ方向の上下面に配置してもよく、上記本体の表面全体に配置してもよい。
【0100】
上記保護層に含まれるセラミック材料のうち焼結助剤の材料及び含有量を上記本体内部の焼結助剤の材料及び含有量とは異ならせて調節して、上記保護層内のグレインサイズを上記本体内のグレインサイズよりも大きく調節する。
【0101】
最後に、保護層が表面に配置された上記本体の外側に外部電極形成用ペーストを塗布して外部電極を形成する。
【0102】
図9は本発明の一実施例と従来の比較例の周波数によるインピーダンスの変化を示すグラフである。
【0103】
図9を参照すると、実施例は、本発明の一実施形態に基づいて本体の表面に本体のグレインサイズよりも大きいグレインサイズを有するセラミック材料を含む保護層を配置した場合であり、比較例は、従来の場合として本体の表面に保護層を配置していない場合を示す。
【0104】
図9のグラフに示すように、本体の表面に本体のグレインサイズよりも大きいグレインサイズを有するセラミック材料を含む保護層を配置した本発明の実施例の場合、比較例に比べてノイズ除去能力が向上したことが分かる。
【0105】
図10は本発明の一実施例と従来の比較例のインダクタの強度を比較したグラフである。
【0106】
図10を参照すると、実施例は、本発明の一実施形態に基づいて本体の表面に本体のグレインサイズよりも大きいグレインサイズを有するセラミック材料を含む保護層を配置した場合であり、比較例は、従来の場合として本体の表面に保護層を配置していない場合を示す。
【0107】
図10のグラフに示すように、本体の表面に本体のグレインサイズよりも大きいグレインサイズを有するセラミック材料を含む保護層を配置した本発明の実施例の場合、比較例に比べてインダクタの強度が向上したことが分かる。
【0108】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。