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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-99497(P2018-99497A)
(43)【公開日】2018年6月28日
(54)【発明の名称】トレーニング器具及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/072 20060101AFI20180601BHJP
   A63B 23/02 20060101ALI20180601BHJP
   A63B 23/035 20060101ALI20180601BHJP
   A63B 21/02 20060101ALI20180601BHJP
【FI】
   A63B21/072
   A63B23/02
   A63B23/035
   A63B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-102742(P2017-102742)
(22)【出願日】2017年5月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-248044(P2016-248044)
(32)【優先日】2016年12月21日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501223515
【氏名又は名称】鈴木 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100080528
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 冨士男
(74)【代理人】
【識別番号】100073601
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 和男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(57)【要約】
【課題】本発明は、重量負荷を認識しながら筋肉を鍛えるトレーニングとスポーツ競技力を向上させるスキルトレーニングを同時に行うことができ、更に、身体各部の筋肉の筋力低下等を予防するストレッチも実行可能な新規なトレーニング器具及びその使用方法を提供するものである。
【解決手段】本発明に係るトレーニング器具は、各々単数本又は2以上の複数本の金属線材を内装した柔軟性を有する複数本の各内装体形成部材を、長さ方向に相互に撚って組み合わせて結束した状態とした内装体と、前記内装体の長さ方向の外周全域を覆う柔軟性を有する筒状外装体と、前記筒状外装体の両端に装着されて固定された前記内装体の両端を包覆する包覆蓋体と、を具備し、使用時に重量感を感じさせる程度の重量でもって全体として柔軟性を有する棒状形態に形成されて、夫々の使用者の使用に応じて使用者の好む形態に変化させて使用できるように構成したものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々単数本又は2以上の複数本の金属線材を内装した柔軟性を有する複数本の各内装体形成部材を、長さ方向に相互に撚って組み合わせて結束した状態とした内装体と、
前記内装体の長さ方向の外周全域を覆う柔軟性を有する筒状外装体と、
前記筒状外装体の両端に装着されて固定された前記内装体の両端部分を包覆する包覆蓋体と、
を具備し、
使用時に重量感を感じさせる程度の重量でもって全体として柔軟性を有する棒状形態に形成されて、夫々の使用者の使用に応じて使用者の好む形態に変化させて使用できるように構成したことを特徴とするトレーニング用又はストレッチ用のトレーニング器具。
【請求項2】
前記金属線材の材質や太さ或いは前記内装体形成部材内への内装本数を種々に変更することによって、トレーニング器具自体の重量の大小、硬度性、柔軟性の強弱を種々に設定可能としたことを特徴とする請求項1記載のトレーニング器具。
【請求項3】
前記金属線材は、トレーニング器具の曲げ操作によりトレーニング器具自体を多様な形態に維持可能とできるような曲げ剛性を有する素材をもって構成されて、当該トレーニング器具の曲げ操作を利用してトレーニング器具自体を直線状の他に多様な形態に変化できるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のトレーニング器具。
【請求項4】
前記金属線材は、小さな金属塊が連結された鎖状又は単一線状の金属素材から構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトレーニング器具。
【請求項5】
前記内装体形成部材は、柔軟性を有する合成樹脂材又は麻材でもって紐状に形成されていて、各内装体形成部材の中心部に長さ方向全体にわたって前記金属線材を内装し、当該内装体形成部材を3本用いて三つ編み状に撚り合わせた形態として構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトレーニング器具。
【請求項6】
所定の長さの被覆材付き鎖状内装体と、
前記被覆材付き鎖状内装体における鎖は金属製で形成されていて、当該被覆材付き鎖状内装体の長さ方向の外周全域を覆う柔軟性を有する筒状外装体と、
前記筒状外装体の両端に装着されて固定された前記内装体の両端部分を包覆する包覆蓋体と、
を具備し、
使用時に重量感を感じさせる程度の重量でもって全体として柔軟性を有する棒状形態に形成されて、夫々の使用者の使用に応じて使用者の好む形態に変化させて使用できるように構成したことを特徴とするトレーニング用又はストレッチ用のトレーニング器具。
【請求項7】
前記トレーニング器具の太さは、使用者が手で握れる程度に構成したものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトレーニング器具。
【請求項8】
前記トレーニング器具自体の長さ及び重量は、長さ1m、重量4kgとして構成したもの、又は長さ50cm、重量2kgとして構成したもの、或いは長さ30cm、重量1.5kgとして構成したものの内のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトレーニング器具。
【請求項9】
前記筒状外装体は、柔軟性を有する軟質のウレタン材又は塩化ビニール材でもって構成したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のトレーニング器具。
【請求項10】
前記筒状外装体の外周部は、任意の単色を呈するように構成するか又は任意の色分けの複数色を呈するように構成したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のトレーニング器具。
【請求項11】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、立位、両手持ち姿勢で、腕の伸縮、膝の伸縮、上体捻回を行う使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【請求項12】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、立位、片手持ち姿勢で、手、腕、肩、腰周りの回旋を行う使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【請求項13】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、立位で、トレーニング器具自体を足踏みする使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【請求項14】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、座位、片手持ち姿勢で、腕による持ち上げ、腕の回旋を行う使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【請求項15】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、仰向けに寝て両手持ち姿勢で、トレーニング器具自体を捻り回し、又は身体を捻じる使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【請求項16】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、うつ伏せに寝て両手持ち姿勢で、頭部前方又は背中上でトレーニング器具自体を持って動かしたり身体を捻じる使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【請求項17】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、うつ伏せに寝て反り返り両手持ち姿勢で、トレーニング器具自体を持って動かす使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【請求項18】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、立位で、腰曲げ前傾し両手持ち腕伸ばし姿勢で、トレーニング器具自体を持ち動かす使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【請求項19】
前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトレーニング器具を用いて、正座し、脚部裏でトレーニング器具自体を挟み込む使用態様で夫々の部分の強化を図ることを特徴とするトレーニング又はストレッチ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーニング器具及びその使用方法に関し、詳しくは、各種分野のアスリートやリハビリテーションを行っている人或いは一般人等の使用者が、身体各部のトレーニングやストレッチ等の身体運動を行う際に、夫々の各使用者における強化対象としての身体部位又は本トレーニング器具の使用態様の選定により、各種・各様な形態でもって、当該強化対象としての身体部位の筋力や関節機能の向上等に多大に寄与し得る新規で斬新なトレーニング器具及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から各種分野のアスリート等が自らの身体能力を向上し、また、リハビリテーションを行っている人や一般人が身体各部の筋肉の筋力低下を抑えて自立した日常生活を送るためには、何らかの筋肉トレーニングやストレッチが必要であることが知られている。
【0003】
従来、このような用途に用いられるトレーニン器具として、例えば特許文献1には、ほぼ並行状で相対向した一対の第1グリップ部と、該第1グリップ部それぞれの両端部同士を接続するとともに、第1グリップ部相互の間隔に比し狭くしてほぼ並行状に相対向した一対の第2グリップ部とを有し、これらの第1グリップ部、第2グリップ部を一体にループ状にしたトレーニング器具が開示されている。
【0004】
しかし、このトレーニング器具の場合、第1グリップ部、第2グリップ部を一体にループ状としたものであり重量も大きくなく、このため、主に手で持つ、足に掛ける等の使用態様に限定されてしまい、しかも、重量負荷を認識しながらのトレーニングやストレッチを行う態様には不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の上記事情に鑑みて開発されたものであり、重量負荷を認識しながら筋肉を鍛えるトレーニングとスポーツ競技力を向上させるスキルトレーニングを同時に行うことができ、更に、身体各部の筋肉の筋力低下等を予防するストレッチも実行できる新規で斬新なトレーニング器具及びその使用方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトレーニング器具及びその使用方法は、各々単数本又は2以上の複数本の金属線材を内装した柔軟性を有する複数本の各内装体形成部材を、長さ方向に相互に撚って組み合わせて結束した状態とした内装体と、前記内装体の長さ方向の外周全域を覆う柔軟性を有する筒状外装体と、前記筒状外装体の両端に装着されて固定された前記内装体の両端部分を包覆する包覆蓋体と、を具備し、使用時に重量感を感じさせる程度の重量でもって全体として柔軟性を有する棒状形態に形成されて、夫々の使用者の使用に応じて使用者の好む形態に変化させて使用できるように構成したトレーニング器具を用いてトレーニング又はストレッチ用としたものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1乃至10記載の発明によれば、使用者が身体各部のトレーニングやストレッチ等の身体運動を行う際に、使用者における対象使用部位、使用態様の選定により各種・各様に当該部位の筋力や関節機能の向上等に多大に寄与し得る斬新なトレーニング器具を実現し提供することができる。
【0009】
請求項11記載の発明によれば、肩甲骨、広背筋、胸椎を鍛えて、身体の捻転力を高めて、股関節を強化し、腰痛予防にも効果的なトレーニング又はストレッチ方法を実現し提供することができる。
【0010】
請求項12記載の発明によれば、肩甲骨、体幹を鍛え、腕、肩、肘、手首、指の柔軟性を高める使用態様を実行可能なトレーニング器具を実現し提供することができる。
【0011】
請求項13記載の発明によれば、腹背筋の強化、尻部のケアーを行う使用態様を実行可能なトレーニング又はストレッチ方法を実現し提供することができる。
【0012】
請求項14記載の発明によれば、肩甲骨を鍛え、腕や手の柔軟性を高め、肩系の可動域を広くする使用態様を実行可能なトレーニング又はストレッチ方法を実現し提供することができる。
【0013】
請求項15記載の発明によれば、胸筋、背筋の強化を行う使用態様を実行可能なトレーニング又はストレッチ方法を実現し提供することができる。
【0014】
請求項16記載の発明によれば、肩甲骨、広背筋を鍛えるための使用態様を実行可能なトレーニング又はストレッチ方法を実現し提供することができる。
【0015】
請求項17記載の発明によれば、足首の柔軟性を向上させて、太腿の肉離れ防止、更には、腰・胸・肩・腹筋・骨盤・股関節・腰の強化を図る使用態様を実行可能なトレーニング又はストレッチ方法を実現し提供することができる。
【0016】
請求項18記載の発明によれば、肩甲骨を鍛え、肩こり予防、腰痛予防に効果的で、また、背中・脚・つま先の筋肉を鍛えるための使用態様を実行可能なトレーニング又はストレッチ方法を実現し提供することができる。
【0017】
請求項19記載の発明によれば、ハムストロング、ヒラメ筋、アキレス筋を鍛えて、また、腰・足首・足先・足指・骨盤・太腿もの強化図る使用態様を実行可能なトレーニング又はストレッチ方法を実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本発明の実施例に係るトレーニング器具の全体構成;図1(a)及び変形例のトレーニング器具の全体構成;図1(b)を示す概略斜視図である。
図2図2は本実施例に係るトレーニング器具の筒状外装体、内装体、紐状体の構造;図2(a)及び変形例のトレーニング器具の筒状外装体、被覆材付き鎖状内装体の構造;図2(b)を示す概略説明図である。
図3図3は本実施例に係るトレーニング器具による広背筋のトレーニング態様を示す写真である。
図4図4は本実施例に係るトレーニング器具による肩甲骨・鎖骨のトレーニング態様を示す写真である。
図5図5は本実施例に係るトレーニング器具による肩甲骨のトレーニング態様を示す写真である。
図6図6は本実施例に係るトレーニング器具による肩・上腕・肩甲骨のトレーニング態様を示す写真である。
図7図7は本実施例に係るトレーニング器具による腹筋・背筋のトレーニング態様を示す写真である。
図8図8は本実施例に係るトレーニング器具による肩甲骨・体幹のトレーニング態様を示す写真である。
図9図9は本実施例に係るトレーニング器具による肩甲骨のトレーニング態様を示す写真である。
図10図10は本実施例に係るトレーニング器具による体幹のトレーニング態様を示す写真である。
図11図11は本実施例に係るトレーニング器具によるベッド上での肩甲骨のトレーニング態様を示す写真である。
図12図12は本実施例に係るトレーニング器具によるベッド上での肩甲骨のトレーニング態様を示す写真である。
図13図13は本実施例に係るトレーニング器具による背中・脚・つま先のトレーニング態様を示す写真である。
図14図14は本実施例に係るトレーニング器具による上腕三頭筋のトレーニング態様を示す写真である。
図15図15は使用者の骨盤の傾斜角度の良悪を示す写真である。
図16図16は本実施例に係るトレーニング器具による柔軟性、大腿四頭筋、丹上筋、腹横筋のトレーニング態様を示す写真である。
図17図17は本実施例に係るトレーニング器具による腰痛予防のためのストレッチ(又はトレーニング)態様を示す写真である。
図18図18は本実施例に係るトレーニング器具による身体の左右軸のトレーニング態様を示す写真である。
図19図19は本実施例に係るトレーニング器具を使用し腰を回旋させることによる身体の左右軸のトレーニング態様を示す写真である。
図20図20は本実施例に係るトレーニング器具による腕や手の柔軟性強化のためのトレーニング態様を示す写真である。
図21図21は使用者の腰等のストレッチ態様を示す写真である。
図22図22は本実施例に係るトレーニング器具による骨盤・股関節・腰等のトレーニング態様を示す写真である。
図23図23は本実施例に係るトレーニング器具による胸椎のトレーニング態様を示す写真である。
図24図24は本実施例に係るトレーニング器具による身体の可動域を広げるトレーニング態様を示す写真である。
図25図25は本実施例に係るトレーニング器具による肩甲骨のトレーニング態様を示す写真である。
図26図26は本実施例に係るトレーニング器具による胸椎のトレーニング態様を示す写真である。
図27図27は本実施例に係るトレーニング器具による腸管前同運動のためのトレーニング態様を示す写真である。
図28図28は本実施例に係るトレーニング器具による腰・足・ハムストロング等のトレーニング態様を示す写真である。
図29図29は本実施例に係るトレーニング器具による肩甲骨・広背筋のトレーニング態様を示す写真である。
図30図30は本実施例に係るトレーニング器具による足首の柔軟性強化のためのトレーニング態様を示す写真である。
図31図31は本実施例に係るトレーニング器具によるアキレス筋のトレーニング態様を示す写真である。
図32図32は本実施例に係るトレーニング器具による身体の捻転力の強化のトレーニング態様を示す写真である。
図33図33は本実施例に係るトレーニング器具による尻部のケアーのためのストレッチ態様を示す写真である。
図34図34は本実施例に係るトレーニング器具によるスィング動作によるストレッチ態様を示す写真である。
図35図35は本実施例に係るトレーニング器具によるスィング動作での肩甲骨、体幹のストレッチ態様を示す写真である。
図36図36は本実施例に係るトレーニング器具による内外腹斜筋、広背筋等のストレッチ態様を示す写真である。
図37図37は本実施例に係るトレーニング器具による膝裏ヒラメ筋アキレス筋ハムストロングのストレッチ態様を示す写真である。
図38図38は本実施例に係るトレーニング器具による手と手首のストレッチ態様を示す写真である。
図39図39は本実施例に係るトレーニング器具による肘、手首、指のストレッチ態様を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、重量負荷を認識しながら筋肉を鍛えるトレーニングとスポーツ競技力を向上させるスキルトレーニングを同時に行え、また、身体各部の筋肉の筋力低下等を予防するストレッチも実行可能なトレーニング器具を実現し提供するという目的を、各々単数本又は2以上の複数本の金属線材を内装した柔軟性を有する複数本の各内装体形成部材を、長さ方向に相互に撚って組み合わせて結束した状態とした内装体と、前記内装体の長さ方向の外周全域を覆う柔軟性を有する筒状外装体と、前記筒状外装体の両端に装着されて固定された前記内装体の両端部分を包覆する包覆蓋体と、を具備し、使用時に重量感を感じさせる程度の重量でもって全体として柔軟性を有する棒状形態に形成されて、夫々の使用者の使用に応じて使用者の好む形態に変化させて使用できるように構成したトレーニング器具をトレーニング用又はストレッチ用として使用するようにしたことにより実現した。
【実施例】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係るトレーニング器具及びその使用方法について詳細に説明する。
【0021】
本実施例に係るトレーニング器具1は、図1(a)、図2(a)に示すように、各々単数本又は複数本(図示例では1本)の金属線材4を内装した柔軟性を有する複数本(図示例では3本)の内装体形成部材3を長さ方向に相互に撚って組み合わせて結束した状態とした内装体2と、この内装体2の長さ方向の外周全域を覆う柔軟性を有する筒状外装体5と、この筒状外装体5の両端に装着され接着剤等により固定されて前記内装体2の両端を包覆する例えば円盤状の包覆蓋体6と、を有している。
【0022】
本実施例に係るトレーニング器具1は、図1(a)に示すように、その全体形態としては後記する太さと重量を持った棒状形態を呈するものである。
【0023】
図示する例の3本の前記内装体形成部材3は、多数本のヤーン(原糸)収束して各ストランド(小縄)状となって紐状に形成されている。また、前記内装体2の形成手段としては、例えば三つ打ち(三つ編み状)ロープ形成のような手段が挙げられる。
【0024】
なお、ストランドとは、多数本のフィラメント(原糸)が収束されてヤーン(単糸)となり、当該多数本のヤーンが収束されたものをいう。
【0025】
前記金属線材4は、後記するトレーニング器具1の形状の多様化を実現できる程度の曲げ剛性を発揮できるものであれば、その材質を問わないが、図示例では多数の各金属塊に1本の金属線を挿通して金属線材4を形成している。
【0026】
本実施例に係るトレーニング器具1は、前記内装体形成部材3を長さ方向に相互に撚って組み合わせて結束した状態とした内装体2に内装した前記金属線材4の曲げ剛性を利用して、直線状の他に、使用者Mのトレーニング器具1の曲げ操作により多様な形態を維持可能に構成されている。このトレーニング器具1は、後記するように、使用者Mの使用に応じて、使用者Mの好む多様な形態に変化させて器具全体の重量感を感じながら使用できるようにしたものである。
【0027】
本実施例に係るトレーニング器具1の長さ、重量の例としては、例えば、長さ1m、重量4kgのもの、長さ50cm、重量2kgのもの、長さ30cm、重量1.5kgのもの等の例を挙げることができる。
【0028】
また、トレーニング器具1における筒状外装体5の太さは、特に限定するものではないが、図示例では例えばこのトレーニング器具1の使用者Mが手で握れる程度に設定すると好都合である。
【0029】
しかし、前記トレーニング器具1における筒状外装体5の太さは、図示例よりも細くしたり、太くしたりして構成しても良い。
【0030】
ここで、本実施例に係るトレーニング器具1の各要素の材質、形態について以下概説する。
【0031】
前記金属線材4としては、例えば、鉄、銅、真鍮、鉛、アルミニウム、タングステン、銅タングステン合金、ステンレス、白金、金、銀、又は超合金等から選定した金属材からなり、例えば鎖状又は単なる線状に形成したものを用いる。
【0032】
なお、金属線材4を鎖状又は単なる線状として用いる場合、それらを単一本、2以上の複数本として自在に用いることができる。
【0033】
そして、前記金属線材4の材質、太さ、或いは前記内装体形成部材3内への内装本数を種々に変更することによって、トレーニング器具1自体の重量の大小、硬度性、柔軟性の強弱を種々に設定可能としている。
【0034】
また、トレーニング器具1自体の重量の大小、硬度性、柔軟性の強弱は、前記内装体形成部材3の材質、太さ、本数によっても種々に設定可能である。
【0035】
前記内装体形成部材3は、例えばナイロン等の柔軟性を有する合成樹脂製、或いは麻材等でもって紐状としたものであり、その中心部に長さ方向全体にわたって前記金属線材4を内装したものとし、図示例では、この内装体形成部材3を3本用いて三つ編み状に撚り合わせた形態としている。
【0036】
前記筒状外装体5としては、例えば柔軟性を有する軟質のウレタン材、塩化ビニール材等を筒状に形成したもので構成している。
【0037】
また、トレーニング器具1の前記筒状外装体5の両端部には、例えば樹脂材からなる包覆蓋体6が装着され固定されていることから、当該両端部の太さは、それ以外の部分に比べて少し太径となっている。
【0038】
更に、本実施例に係るトレーニング器具1は、前記筒状外装体5の外観形態の視認性が良好なものとなるように、例えば赤色、黄色、青色等の任意の色彩を呈するものとしている。
【0039】
図1(a)、(b)に示す例は、前記筒状外装体5の外周部を赤色、黄色、青色で3色に色分けした例を示すものである。
【0040】
しかし、前記筒状外装体5の外周部は、例えば任意の単色を呈するようにして形成したり又は任意の色分けの複数色を呈するように形成して構成することもできる。
【0041】
次に、上述した本実施例に係るトレーニング器具1の使用方法、具体的使用態様について詳細に説明する。
【0042】
このトレーニング器具1は、使用者Mの使用に応じて、使用者Mの好む多様な形態に変化させながらトレーニング器具1全体の重量負荷が身体に加わることにより、使用者の身体各部の筋力、体幹、インナーマッスル、握力、引く力等の身体能力の向上を図るようにしたものである。
【0043】
まず、本実施例のトレーニング器具1は、身体各部の各筋肉、骨や関節を強化し、ほぐす(柔軟性を高める)等の点で、各種のトレーニング用、各種のストレッチ用として極めて有効である。
【0044】
一般的に、トレーニング、ストレッチの時間帯としては、朝型トレーニング、ストレッチと夜型トレーニング、ストレッチとがあるが、朝型トレーニング、ストレッチは上半身向けで、神経系(頭スッキリ・軽く)集中力・やる気型として好適であり、また、夜型トレーニング、ストレッチは下半身向けで、脱力系・癒し系(心を和ませるような雰囲気)として好適である。
【0045】
上記トレーニング、ストレッチは、一時的に筋肉を揉みほぐすだけの単なる従来のマッサージとは異なる。
【0046】
前記トレーニングやストレッチでいう上半身とは肩甲骨・鎖骨を主とするもので、下半身とは骨盤と股関節を主とするものである。
【0047】
(具体的使用態様)
図3;広背筋の強化
広背筋は身体の上下半身を直接結ぶ体の内側に存在するもので、図3(a)、(b)に示すように、使用者Mがうつ伏せになり、お尻を後ろに引き、手はできるだけ伸ばして両手でトレーニング器具1を持ち、首は両手の中に入れる犬猫ポーズとることにより広背筋を鍛えることができる。
【0048】
図4;肩甲骨・鎖骨の強化
朝起きたら、使用者Mは、図4に示すように、床面上に寝て、トレーニング器具1を左手で持ち、左足の上に右足を載せて、左手を伸ばし、右手は右側に倒すようにする。
【0049】
逆に、トレーニング器具1を右手で持ち、右足の上に左足を載せて、右手を伸ばし、左手は左側に倒すようにすることも実行する。
【0050】
上述した各場合、お尻はトレーニング器具1側に回転させる。
【0051】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、身体の肩甲骨・鎖骨を鍛えることができる。
【0052】
図5;肩甲骨の強化
使用者Mは、床面上に仰向けに寝て、両手でトレーニング器具1をU状に把持し、図5(a)、(b)に示すように、トレーニング器具1を左右に回旋させる。
【0053】
これにより、身体の肩甲骨を鍛えることができ、また、肩甲骨は上側と下側にあることから、片側側を強化することができる。
【0054】
更には、図5(c)、(d)、(e)に示すように、使用者Mは、床面上にうつ伏せに寝て肩骨を上側として、首の後ろに手を回し両手でトレーニング器具1をU状に持ち、両手を背中側で伸縮する。
【0055】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、身体の肩甲骨を鍛えることができる。
【0056】
図6;肩甲骨の強化
使用者Mは、図6(a)、(b)、(c)に示すように、両手でトレーニング器具1を持ち、開脚し、腰を回転して左右に動かす。
なお、この場合、両手でトレーニング器具1を交差して持ち左右に動かすようにしても良い。また、逆手の場合は肩と上腕の外側と肩甲骨上部とする
【0057】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、腰痛・背中痛・肩こりの予防に効果が生じる
【0058】
図7;腹筋・背筋等の強化
使用者Mは、朝起きたら図7(a)、(b)、(c)に示すように、仰向けになり両手でトレーニング器具1を腹部の上方でU状に持ち、お尻を左右交互にふる.
【0059】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、腹筋・背筋(広背筋)・(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・横腹筋)・お尻(大殿筋)を鍛えることができる。また、三つの腹筋が同時に動くことから楽な姿勢で実行でき、腰を痛めることもない。
【0060】
図8;肩甲骨と体幹の強化
使用者Mは、図8(a)、(b)に示すように、横向きに寝てS字体型をとり、トレーニング器具1を両手で把持して、身体と両手を逆方向に捻じる(体幹S字捻り・逆体幹捻り)。
【0061】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、身体の肩甲骨と体幹を鍛えることができる。
【0062】
図9;両方の肩甲骨の強化
使用者Mは、図9(a)に示すように、仰向けに寝てトレーニング器具1を両手で持ち交差(逆手)させるようにして左右に動かしたり、また、図9(b)、(c)に示すように、床面上にうつ伏せに寝て首の後ろに回した両手でトレーニング器具1をU状に持ち両手を背中の上で腰の方に伸ばしたり縮める。
【0063】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、両方の肩甲骨を真ん中に集めて柔軟性を高めることができ、当該柔軟性を高めることにより、肩甲骨の下部(外腹斜筋・腹直筋)を鍛えることができる。なお、肩甲骨の下部(外腹斜筋・腹直筋)は特に野球投手が痛めることが知られている。
【0064】
図10;体幹の強化
使用者Mは、図10(a)に示すように、トレーニング器具1を片手で持って回転させたり、図10(b)、(c)に示すように、トレーニング器具1を両手で持ち、上体を斜め下・斜め上に捻じる。
【0065】
この場合、その翌日は、蛇管(じゃかん)が痛くなる可能性もあるが吸熱・放熱の面積を大きくするため身体を螺旋状に捻じることが肝要である。
【0066】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、体全体が気持ちいい痛さを感じることになり筋肉の芯がしっかりし体幹が強くなって元気がでるという効果が得られる。
【0067】
図11;肩甲骨の強化
使用者Mは、朝起起きたら、図11(a)に示すように、床面上に仰向けに寝て頭部の後方に両手を伸ばしトレーニング器具1が着地しないように逆手に持つ。
【0068】
このとき、持ち方は腹部上で手の甲が上に・肘を曲げない・足・腕を延ばすことに留意する。また、全身を真直ぐ(直線)に伸ばす、足は開かない点にも留意する。
【0069】
そして、図11(b)に示すように、トレーニング器具1を持った両手を同時に動かしこのトレーニング器具1を腹部に着地させる運動をゆっくり繰り返す。このような動作は10回位の繰り返しが適当である。
【0070】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、肩甲骨が伸び、肩甲骨を鍛えることができる。
【0071】
図12;肩甲骨の強化
使用者Mは、朝起起きたら、図12(a)に示すように、床面上に仰向けに寝て頭部の後方に両手を伸ばしトレーニング器具1が着地しないように逆手に持つ。
【0072】
そして、図11(b)に示す場合と同様に、トレーニング器具1を持った両手を同時に動かしトレーニング器具1を腹部に着地させる運動をゆっくり繰り返す。
【0073】
この場合、図12(b)に示すように、甲骨を縦に伸ばし、腹直筋、背筋も伸ばし、つま先を垂直に立てる。また、図12(c)、(d)に示すように、つま先は必ず前後に動かす(親指は付ける)。更に、大きな体幹の効果を出すには絶対に肘を伸ばすことも肝要である。
【0074】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、肩甲骨が鍛えられるとともに、ヒラメ筋−アキレス筋一二の腕一体の裏側体操を実行できる。なお、トレーニング器具1が頭の後方に着地する場合にはつま先は自分の内側に曲げることが肝要である。
【0075】
図13;肩甲骨・肩こり予防等
使用者Mは、図13(a)、(b)に示すように、床面上で立位し腰曲げ前傾姿勢をとり、足先に置いたトレーニング器具1を両手で持ち、また、床面上で立位し前傾姿勢をとり、踵の後部に置いたトレーニング器具1を両手で持つ。
【0076】
更には、図13(c)に示すように、床面上で立位し、頭上で、トレーニング器具1を両手を伸ばした状態で持つ。
【0077】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、肩甲骨を鍛え、肩こり予防、腰痛予防(舟上筋が伸びる・つま先前後によって腰が真直ぐ延びる)に効果があり、また、背中・脚・つま先の筋肉を鍛えることができる。
【0078】
なお、トレーニング器具1は逆手に持つと背中・腰にかけて効果がある。
【0079】
図14;上腕三頭筋等の強化
使用者Mは、朝起きたら、図14に示すように、床面上に座り、頭上においてトレーニング器具1を両手で持ち、頭の後方で右手又は左手を90度捻じる。
【0080】
トレーニング器具1の以上のような使用方法により、上腕三頭筋・肩甲骨(牽引)・腹横筋・内腹斜筋の強化を図ることができ、脱力効果もある無意識運動(リラックス)を実行できる。
【0081】
図15;骨盤の傾斜角度の矯正
図15(a)は骨盤の傾斜角度が良い例であり傾斜が小さく後傾した状態(腰に負担がかからない姿勢)を示し、図15(a)は骨盤の傾斜角度が悪い例であり傾斜が大きく前傾した状態を示している。トレーニング器具1の使用により、骨盤の傾斜角度が良い場合は一層その状態を維持向上させ、骨盤の傾斜角度が悪い場合は良い例に向かってトレーニングすることになる。
【0082】
図16;大髄四頭筋・丹上筋・腹横筋の強化
使用者Mは、図16(a)に示すように、床面上で立位し前傾姿勢をとり、足先に置いたトレーニング器具1を手のひらが床につくようにして両手で持つことにより、柔軟性を高め腰痛予防を図ることができる。
【0083】
また、図16(b)に示すように、床面上で立位し前傾姿勢をとり、踵の後部に置いたトレーニング器具1を両手で持つことにより、大髄四頭筋を伸ばし(ハムストロングを伸ばし)、これにより、大髄四頭筋を鍛え、また、腰痛予防を図ることができる。
【0084】
更に、図16(c)に示すように、床面上で立位しトレーニング器具1を横歩きすることにより、丹上筋を鍛えることができる。
【0085】
更にまた、図16(d)に示すように、床面上で正座姿勢をとり、後方に体を真直ぐにしつつ反り返って両手で頭部後方のトレーニング器具1を持つ。
【0086】
この他、図16(e)に示すように、床面上で正座姿勢をとり、次に左膝で身体を支えて右足を後方に伸ばして、上体を起こして右手でトレーニング器具1を持ったり(この場合、手、足を逆にしても良い)、図16(f)に示すように、床面上のトレーニング器具1の上を綱渡り形態で歩くことよっても腹横筋を鍛えることができる。
【0087】
トレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、腰痛予防を実現し、腹横筋を強化することができる。
【0088】
図17;腰系の筋肉の強化
使用者Mは、朝起きたら、図17(a)、(b)に示すように、床面上に座り、両手を頭上に伸ばし、トレーニング器具1を両手に持って、これを持ち上げたり、腰を回旋させる。
【0089】
また、使用者Mは、図17(c)に示すように、床面上に仰向けに寝て、片足を上げて(90度以上の角度)両手を上方に伸ばし、トレーニング器具1をU状にして持ったり、図17(d)、(e)に示すように、床面上でうつ伏せになり、トレーニング器具1を背中側に回した両手で持ち、左右の足をクロス運動させる。
【0090】
更には、図17(f)に示すように、使用者Mは、床面上でうつ伏せになり、両足の膝頭を外側とするカエル型の姿勢をとり、上体を少し起こしてトレーニング器具1をU状にして持つ。
【0091】
トレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、腰系の筋肉が鍛えられ腰痛予防を図ることができる。
【0092】
図18図19;身体の左右軸の強化
使用者Mは、図18(a)に示すように、床面上で立位し、顔・胸は正面を向くようにし、両手を曲げつつ(縮める意識)トレーニング器具1を持ち、次に、図18(b)に示すように、腰を曲げて膝を伸ばしつつ前傾し、トレーニング器具1を踵の後ろに配置して両手でこのトレーニング器具1を両手で持つ。
【0093】
更には、図18(c)に示すように、トレーニング器具1を持ちつつ両腕を伸ばし頭上に上げる。そして、図19に示すように、腰を回旋させる。
【0094】
この場合、一歩右足を後に上半身を回旋させる態様、一歩左足を後に上半身を回旋させる態様がある。
【0095】
このとき、吸熱・放熱面積を大きくすることを意味する蛇管を意識する。
【0096】
トレーニング器具1を使用したこれらの図18図19に示すような各運動により、身体の左右軸を鍛えることができる。
【0097】
図20;腕や手の柔軟性の強化
使用者Mは、図20(a)に示すように、床面上で立位し、顔・胸は正面を向くようにし(首は動かさない)、両手を伸ばしながらトレーニング器具1を持ち、両肩、肩甲骨、骨盤、脚を同時に左右に旋回させたり、図20(b)に示すように、床面上で膝立ちし、片手でトレーニング器具1を持ち、片手、指の操作で回旋・捻り運動を行ったり、図20(c)に示すように、床面上に座り、片手でトレーニング器具1を持って、肘の操作で回旋・捻り運動を行う。
【0098】
トレーニング器具1を使用したこれらの運動により、腕や手の柔軟性を強化することができる。
【0099】
図21;上半身・神経系のストレッチ
使用者Mは、朝起きたら、図21に示すように、床面上で立位し、背中を伸ばし膝を伸縮させる。
【0100】
トレーニング器具1を使用したこれらの運動により、腰・肩甲骨・広背筋・指先・首・顔・目・耳・腸腰筋(小腰筋・大腰筋・腰骨筋)の強化を図ることができる。
【0101】
図22;下半身特に足系のストレッチ
使用者Mは、朝起きた時又は夜寝る時、図22(a)に示すように、床面上に正座してトレーニング器具1を膝裏に挟んだり、図22(b)に示すように、トレーニング器具1を太腿下に挟んだり、図22(c)に示すように、トレーニング器具1をアキレス筋の位置で挟む。
【0102】
トレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、ハムストロング、ヒラメ筋、アキレス筋の強化を図ることができ、また、腰・足首・足先・足指・骨盤・太腿も強化される。
【0103】
更には、図22(d)に示すように、床面上に座り、上半身を床面上に倒し両膝から足を尻部側に曲げ、両手に持ったトレーニング器具1を足に掛ける。
【0104】
これにより、骨盤・股関節・腰の強化を図ることができ、疲れが取れ、眠れる等の効果が期待できる。
【0105】
図23;胸椎の強化
使用者Mは、図23(a)に示すように、片手と膝を床につきトレーニング器具1を持った片手を大きく上方に上げることを左右交代で実行したり、また、図23(b)に示すように、床面上に仰向けに寝て片足を上げてトレーニング器具1を両手に持ち膝裏に掛け骨盤を前後左右に回旋運動したり、図23(c)、(d)に示すように、トレーニング器具1を片手で持ち、右足と左手、左足と右手を交互に動かし床面上でトカゲ歩きする。
【0106】
本実施例に係るトレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、胸椎の強化を図ることができる。
【0107】
図24;肩全域を含む身体の可動域を広げる
使用者Mは、図24(a)に示すように、床面上に立位し、手を後ろに回し肘をV状にして片手でトレーニング器具1を持ち後ろに引っ張ったり、図24(b)に示すように、床面上に寝て両手を背中側に回し、トレーニング器具1を両手で持って持ち回したり、図24(c)に示すように、床面上に寝て上半身を起こしトレーニング器具1を片手持ちし、他方の手を床面につけたり、図24(d)に示すように、左手を床につけ右手でトレーニング器具1を持ち上げ、又は、右手を床につけ左手でロープを持ち上げたりする。
【0108】
上述したような動作を各々30秒間行い、30秒間休むようにして、これらをゆっくりと3セット繰り返す。
【0109】
本実施例に係るトレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、使用者Mは、いつでも・どこでも肩全域を含む身体各部の可動域を広げることができる。
【0110】
図25;肩甲骨の強化
使用者Mは図25(a)に示すように、床面上に立位し、上体を30度位曲げ両手でトレーニング器具1を上に持ちあげたり、図25(b)に示すように、床面上に立位して、片手でトレーニング器具1を持ち上げたり、図25(c)に示すように、床面上に座り両手をクロスしトレーニング器具1を片手持ちしたり、図25(d)示すように、床面上に座り、上半身を起こし左手を床につき右手でトレーニング器具1を持ち上げたり、図25(e)、(f)に示すように、床面上にうつ伏せになり、両手でトレーニング器具1を持ち頭部前方に腕を伸ばして肘を曲げ頭部の上に持ち上げる動作を繰り返したりする。
【0111】
本実施例に係るトレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、身体の肩甲骨を鍛えることができる。
【0112】
図26;胸椎の強化
使用者Mは、図26に示すように、床面上に立位し、トレーニング器具1を股に通して片手又は両手で前記トレーニング器具1をグイグイ上に引き上げる。
【0113】
これにより、骨盤の位置が高くなる・スタイルが変わる・姿勢が良くなり目の高さが変わる・胸椎が広くなる等の効果が得られる。
【0114】
図27;腸管前同運動
使用者Mは、朝起きたら、場所を問わず他の動作とともにトレーニング器具1を使用したトレーニング・ストレッチを習慣的に行う。
【0115】
例えば、図26(a)に示すように、歯を磨きながらトレーニング器具1を片手に持ちトレーニングしたり、図26(b)に示すように、散歩しながらトレーニング器具1を首に掛けトレーニング・ストレッチしたりする。
【0116】
この他、例えば、TVを見ながら、椅子に座りながら(猫背にならない)、新聞を読みながら、唄を歌いながら、遠征のバスの中で、携帯電話しながら、読み物しながら、挨拶(返事)しながら等、様々な態様でトレーニング器具1を使用したトレーニングやストレッチを行うこともできる。
【0117】
本実施例に係るトレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、身体の腸管前同運動を実行でき便秘予防に好適である。
【0118】
図28;足腰・ハムストロングの強化
使用者Mは、図28(a)に示すように、トレーニング器具1を片手に持って白分のスタンスの歩幅で、かつ、左右交互に体重を乗せながら歩く。このとき、丹田や広背筋を意識する。
【0119】
これにより、気持ち良く体が反応して、スタミナがつき、維持力を増すことが期待できる。
【0120】
上記トレーニングの場合、トレーニング器具1としては、長さ50cm、重量2kgのものを使用すると、当該トレーニングとマッチする。
【0121】
また、使用者Mは、図28(b)に示すように、床面上に片膝で座り、上半身を起こして、例えば左手を床につき、右足を後方へ伸ばして、右手でトレーニング器具1を持ち上げ、又は図示しないが右手を床につき、左足を後方へ伸ばし、左手でトレーニング器具1持ち上げる。
【0122】
更には、使用者Mは、図28(c)に示すように、床面上に立位し、トレーニング器具1を両手で持って腰曲げ前傾し床に付けたり、図28(d)に示すように、トレーニング器具1を両手で持って腰曲げ前傾し、トレーニング器具1を踵の後部で両手で持って、ハムストロングを強化する。
【0123】
本実施例に係るトレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、足腰が、鍛えられ、足腰の故障軽減、腰痛予防を図ることができる。
【0124】
図29;肩甲骨・広背筋の強化
使用者Mは、図29(a)、(b)に示すように、トレーニング器具1を両手で頭部上方に持ち上げて、その状態から肩甲骨を使用し両手によりトレーニング器具1を50cm又は30cm頭部の後方に移動させる。このとき、目・へそは正面に向け、体幹を意識する。
【0125】
これにより、肩甲骨の柔軟性・広背筋の強化を図ることができる。
【0126】
図30;腰・胸・肩・腹筋、足首等の強化
使用者Mは、図30に示すように、床面に正座して両手でトレーニング器具1を持ち持ち、上体を背中が床面につくまで反り返りトレーニング器具1を頭の後方で床面に付ける運動を繰り返す。
【0127】
これにより、足首の柔軟性を向上させ、太腿が伸びることから肉離れに対する抵抗力が高まり、更には、腰・胸・肩・腹筋等を鍛えることができる。
【0128】
図31;アキレス腱・ヒラメ筋・広背筋の強化
使用者Mは、図31に示すように、トレーニング器具1を2個用意し、床面に置いた一つのトレーニング器具1上に開脚状態で上り、また、両手を開いてトレーニング器具1を持って頭上に持ち上げる。そして、アキレス筋を伸ばすようにしてスクワットをする。
【0129】
本実施例に係るトレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、アキレス腱・ヒラメ筋・広背筋を鍛えるとともに、内側状骨・中側状骨・外側状骨等の腰系のケア(手入れ)とともに、腹斜筋・腹直筋・外腹斜筋等の腹系や丹状骨等の足系の強化を図ることができる。
【0130】
図32;身体の捻転力の強化
使用者Mは、図32(a)、(b)、(c)に示すように、床面上に立位し、両手でトレーニング器具1を持ち、腰を水平に回旋したり、両腕を上下に移動したり、両腕で持ち上げ捻じるようにしたりする。
【0131】
これにより、身体の腕回り・腰回り・足回り・首回りの捻転力を高めることができる。
【0132】
図33;尻部のケアー(手入れ)
使用者Mは、図33に示すように、例えばゴルフプレーの終了後等にトレーニング器具1を素足の足底(土踏まず)で踏むことにより、尻部のケアー(手入れ)を行うことができる。
【0133】
本実施例に係るトレーニング器具1のこのような使用態様は老若男女を問わず予防医学上において有効である。
【0134】
図34;身体各部のスィングによるストレッチ
使用者Mは、図34(a)、(b)、(c)に示すように、床面上に両足を開いて立位し、トレーニング器具1を両手で持ち、右・中央・左へとスィングする。この場合、概略3分ワンセットで十分である。
【0135】
トレーニング器具1を使用して行うこのようなスィングによるストレッチは、運動不足の人・忙しい人・時間のないサラリーマン・現場で体を使う人・運動しない人・運動している人・運動経験のない人・体型を意識している人・体力に自信がある人・ない人等、更には、老若男女を問わず何人に関しても有効であり、いつでもどこでも天候に関係なく実行できる。
【0136】
トレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、脳・頭・首・肩・腕・胸・腹・腰・背中・尻・膝・ふくらはぎ・脛・脚・つま先・手足指先・股関節を鍛え、身体の捻転力・柔軟性を高め、身体各部位の強化に極めて有効となる。
【0137】
図35;スィングによる肩甲骨・体幹全体ストレッチ
使用者Mは、図35(a)、(b)、(c)に示すように、床面上に座って、両手でトレーニング器具1を持ち、肩甲骨の下の身体部位(体の中心)を傾斜させたり、捻り上げる。捻り上げた時はいっぱいに腕を伸ばす。
【0138】
この場合、トレーニング器具1の重量としては、子供・女性等が対象の場合は2kgのものを用い、男性・アスリート等が対象の場合は、4kgのものを用いることが適切である。
【0139】
このようなストレッチは、野球・テニス・ゴルフ・卓球等の運動選手用に最適であり効果的に疲労が取れる利点がある。
【0140】
アスリート達は、以上のストレッチを行った結果、疲労が取れたなと自分で感じ取るまでそのストレッチを続けることが大切である。それが終わった後、その部位の変化が分かる。
【0141】
図36;内外腹斜筋・広背筋・横腹筋のストレッチ
使用者Mは、図36(a)、(b)に示すように、トレーニング器具1をへその前で両手でU状形態に持ち、下から上に押し上げるか又は捻りあげる。
【0142】
トレーニング器具1の持ち方としては、手の平を顔の方にする。
【0143】
また、両手を30cmくらい上に上げ尻、骨盤を中心に同時に動かす。そして、交代小動する。このとき、内外腹斜筋・広背筋・横腹筋を意識する。
【0144】
このようなストレッチにより、腰痛の最高の予防となり、足の合理化に寄与することができる。
【0145】
図37;膝裏・ヒラメ筋・アキレス筋・ハムストロングのストレッチ(レック予防)
使用者Mは、図37(a)に示すように、床面上に正座してトレーニング器具1を足の膝裏間に挟んだり、図37(b)に示すように、ヒラメ筋の位置に挟んだり、また、図37(c)に示すように、アキレス筋の位置に挟んだり、図37(d)に示すように、正座しトレーニング器具1を足裏(舟上筋)に当て反り返ったりする。
【0146】
トレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、気持ちが良い・痛さ加減が良い・ロープ柔軟性の感触が良い等の感触を得ながら膝裏・ヒラメ筋・アキレス筋・ハムストロングのストレッチを行うことができる。
【0147】
なお、上記トレーニングを行う際、例えば膝が痛い使用者Mの場合、片足を立てて片足ずつ行う。
【0148】
図38;手と手首のストレッチ
使用者Mは、図38(a)、(b)、(c)に示すように、床面上に立位し、トレーニング器具1を両手(素手)で持つ。顔は正面に向け、持つ手のひらは顔方向に向け自分のへそから始める。
【0149】
また、左腕はできるだけ胸の所に置き、右手を頭上に上げ、トレーニング器具1を持った右手を左手の方向に平行に移動し、同時に左手は頭上に上げる。このような動作を左右交代で繰り返して6段階くらい行う。
【0150】
これにより、手、手首、肘から手にかけて柔軟性を高めるようにストレッチすることができる。
【0151】
図39;肘・手首・指のストレッチ
使用者Mは、図39(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、トレーニング器具1を片手で持つ。そして、肘は例えば机上に置き上腕を固定して、肘から先の手、手首、指だけ動かす。人により感じ方が違うために自分が適当と感じ取るまで続けることが肝要である。
【0152】
前記トレーニング器具1を使用したこれらの各運動により、肘・手首・指の柔軟性を高めるようにストレッチすることができる。
【0153】
次に、図1(b)、図2(b)を参照して前記トレーニング器具1の変形例であるトレーニング器具1Aについて説明する。
【0154】
前記トレーニング器具1Aは、前記トレーニング器具1と基本的には同様の構成であるが、図1(b)、図2(b)に示すように、例えば鉄材ステンレス材等からなる所定長さの金属製(例えば鉄材、ステンレス材等)の鎖体7の外周を、例えば布材又は合成樹脂材等(ポリエチレン樹脂材)からなる筒状の被覆材8を用いて被覆した状態とした被覆材付き内装体2Aと、この内装体2Aの長さ方向の外周全域を覆う柔軟性を有する例えばニトリルゴム材等の発泡ゴム材からなる筒状外装体5Aと、この筒状外装体5Aの両端に装着され接着剤等により固定されて前記被覆材付き内装体2Aの両端を包覆する例えば円盤状の包覆蓋体6と、を有して構成したことが特徴である。
【0155】
前記鎖体7は、トレーニング器具1Aの曲げ操作によりトレーニング器具1A自体を多様な形態に維持可能とできるように相互に連結して組み合わされている。したがって、前記鎖体7は、当該トレーニング器具1Aの曲げ操作を利用してトレーニング器具1A自体を直線状の他に多様な形態に変化できるように構成されている。
【0156】
なお、前記筒状の被覆材8の内部に鎖体7を収納した後、当該被覆材8を熱収縮して形成すると、前記した鎖体7の多様な形態維持に一層役立つことになる。更に、前記筒状外装体5Aの内部に、鎖体7を収納した被覆材8を収納した後、当該筒状外装体5Aを熱収縮して形成すると、前記した鎖体7の多様な形態維持に更に一層役立つことになる。
【0157】
但し、本発明の場合、上記いずれの場合も、熱収縮してこれらを形成するか否かは自在であり、単に前記筒状の被覆材8の内部に鎖体7を収納して形成しても良く、また、単に前記筒状外装体5Aの内部に、前記鎖体7を収納した被覆材8を収納して形成するようにしても良いことは勿論である。
【0158】
前記トレーニング器具1Aの全体の長さ、重量、筒状外装体5Aの太さ、材質は、前記トレーニング器具1の場合と同様に構成している。
【0159】
また、トレーニング器具1Aにおける前記筒状外装体5Aの外周部は、任意の単色、例えば黒色を呈するように構成しているが、この他前記トレーニング器具1の場合と同様に3色に色分けした仕様とすることも勿論可能である。
【0160】
なお、図示例における前記筒状外装体5Aは、上述した以外にも、厚手で、把持した場合に違和感なく手に馴染むような程度の柔らかい材質の例えばゴム材、ゴムスポンジ、シリコンスポンジ、ポリウレタンホーム等で形成し、また、前記被覆材8は、各種薄手の樹脂材等から形成しても良い。
【0161】
変形例に係るトレーニング器具1Aによっても、既述した図3乃至図39に示す場合と同様な態様で使用者Mが重量負荷を認識しながら身体各部のトレーニングやストレッチ等の身体運動を行うことができる。
【0162】
以上説明した本実施例に係るトレーニング器具1及びその使用方法、更には、変形例に係るトレーニング器具1A及びその使用方法によれば、使用者Mが重量負荷を認識しながら身体各部のトレーニングやストレッチ等の身体運動を行う際に、使用者Mが実行しようとするトレーニングやストレッチの身体の対象部位、トレーニング器具1の使用態様の選定により、各種・各様に当該部位の筋力や関節機能の向上等に多大に寄与し得るトレーニングやストレッチ等の身体運動を効果的に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明のトレーニング器具1(又はトレーニング器具1A)及びその使用方法は、各種の運動選手や一般人の筋力向上等々に適用できることは勿論、更には、リハビリテーションを行っている人の身体の筋力増強等々の用途に広範に適用可能である。
【符号の説明】
【0164】
1 トレーニング器具
1A トレーニング器具
2 内装体
2A 被覆材付き内装体
3 内装体形成部材
4 金属線材
5 筒状外装体
5A 筒状外装体
6 包覆蓋体
7 鎖体
8 被覆材
M 使用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39