【解決手段】動作検出装置30は、第1流量調整部23又は第2流量調整部24による空気の流量の調整によって変化する第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を微分してピストン13の速度変化量を算出し、算出したピストン13の速度変化量を積分計算してピストン13の変位量を算出する制御装置25を備えている。よって、制御装置25は、磁歪式センサを用いずに、第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を利用するだけで、ピストン13の変位量を検出するため、空気圧シリンダ10の動作検出が安価且つ簡素な構造で行える。
前記流体圧アクチュエータの初期動作以降において、算出された前記移動部材の変位量を、前記流体圧アクチュエータの初期動作で得られる前記移動部材の変位量と比較し、前記流体圧アクチュエータの動作が異常であるか否かを判定する判定部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の流体圧アクチュエータの動作検出装置。
【背景技術】
【0002】
一般的に、流体圧アクチュエータとしての空気圧シリンダは、シリンダ室内に移動部材であるピストンが収容されており、ピストンによってシリンダ室内が第1圧力作用室と第2圧力作用室とに区画されている。また、空気圧シリンダは、第1圧力作用室に連通する第1給排ポートと、第2圧力作用室に連通する第2給排ポートと、を有している。第1給排ポートには、第1給排ポートに対して流体としての空気を給排する第1給排流路が接続されている。また、第2給排ポートには、第2給排ポートに対して空気を給排する第2給排流路が接続されている。
【0003】
第1給排流路及び第2給排流路には切換弁が接続されている。切換弁は、流体供給源である空気供給源からの空気を第1給排流路及び第1給排ポートを介して第1圧力作用室に供給するとともに第2圧力作用室の空気を第2給排ポート及び第2給排流路を介して大気に排出する第1切換状態に切換可能である。また、切換弁は、空気供給源からの空気を第2給排流路及び第2給排ポートを介して第2圧力作用室に供給するとともに第1圧力作用室の空気を第1給排ポート及び第1給排流路を介して大気に排出する第2切換状態に切換可能である。そして、切換弁が第1切換状態に切り換えられることにより、ピストンが、ピストンの移動方向に位置する第1ストロークエンドから第2ストロークエンドに向けてシリンダ室内を直線移動する。また、切換弁が第2切換状態に切り換えられることにより、ピストンが、第2ストロークエンドから第1ストロークエンドに向けてシリンダ室内を直線移動する。
【0004】
また、このような空気圧シリンダのピストンの移動速度を制御する方式として、例えば、第1給排流路及び第2給排流路にそれぞれ設けられる第1流量調整部及び第2流量調整部を用いたメータイン制御方式及びメータアウト制御方式が一般的に知られている。
【0005】
メータイン制御方式では、例えば、切換弁が第1切換状態に切り換えられている場合、第1給排流路及び第1給排ポートを介して第1圧力作用室に供給される空気の流量を第1流量調整部により調整することにより、ピストンにおける第1ストロークエンドから第2ストロークエンドに向けた移動速度を制御する。また、例えば、切換弁が第2切換状態に切り換えられている場合、第2給排流路及び第2給排ポートを介して第2圧力作用室に供給される空気の流量を第2流量調整部によって調整することにより、ピストンにおける第2ストロークエンドから第1ストロークエンドに向けた移動速度を制御する。
【0006】
メータアウト制御方式では、例えば、切換弁が第1切換状態に切り換えられている場合、第2圧力作用室から第2給排ポート及び第2給排流路を介して大気に排出される空気の流量を第2流量調整部によって調整することにより、ピストンにおける第1ストロークエンドから第2ストロークエンドに向けた移動速度を制御する。また、例えば、切換弁が第2切換状態に切り換えられている場合、第1圧力作用室から第1給排ポート及び第1給排流路を介して大気に排出される空気の流量を第1流量調整部によって調整することにより、ピストンにおける第2ストロークエンドから第1ストロークエンドに向けた移動速度を制御する。
【0007】
このように、空気圧シリンダにおいては、メータイン制御方式又はメータアウト制御方式のいずれかを採用して、第1流量調整部及び第2流量調整部を用いた空気の流量の調整が行われることにより、ピストンが予め設定された移動速度でシリンダ室内を直線移動する。
【0008】
ところで、空気圧シリンダにおいては、ピストンが第1ストロークエンドと第2ストロークエンドとの間で移動している間に、何らかの異常が生じて、ピストンの移動速度が異常に変化する場合がある。このような空気圧シリンダの動作検出を行うために、例えば特許文献1では、磁歪式センサが用いられている。磁歪式センサは、シリンダ室内で直線移動するピストンの位置を連続的に検出できる。したがって、磁歪式センサを用いることで、ピストンの移動速度が異常に変化するような、空気圧シリンダの動作検出を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、流体圧アクチュエータの動作検出装置を具体化した一実施形態を
図1〜
図4にしたがって説明する。本実施形態の流体圧アクチュエータの動作検出装置は、流体圧アクチュエータとしての空気圧シリンダの動作検出を行う。
【0018】
図1に示すように、空気圧シリンダ10は、シリンダチューブ11と、シリンダチューブ11内に形成されるシリンダ室12と、シリンダ室12内に収容される移動部材としてのピストン13と、を有している。ピストン13は、シリンダ室12内を往復直線移動する。ピストン13には、ピストンロッド14が一体的に設けられている。ピストンロッド14は、ピストン13の往復直線移動に伴ってシリンダチューブ11から出没可能である。
【0019】
シリンダ室12内は、ピストン13によって第1圧力作用室15及び第2圧力作用室16に区画されている。シリンダチューブ11には、第1圧力作用室15に連通する第1給排ポート17と、第2圧力作用室16に連通する第2給排ポート18とが形成されている。
【0020】
第1給排ポート17には、第1給排ポート17に対して流体である空気を給排する第1給排流路19が接続されている。第2給排ポート18には、第2給排ポート18に対して空気を給排する第2給排流路20が接続されている。第1給排流路19及び第2給排流路20には切換弁21が接続されている。この切換弁21によって、第1圧力作用室15及び第2圧力作用室16に対する空気の給排が切り換えられる。
【0021】
切換弁21は、流体供給源である空気供給源22からの空気を第1給排流路19及び第1給排ポート17を介して第1圧力作用室15に供給するとともに第2圧力作用室16の空気を第2給排ポート18及び第2給排流路20を介して大気に排出する第1切換状態に切換可能である。また、切換弁21は、空気供給源22からの空気を第2給排流路20及び第2給排ポート18を介して第2圧力作用室16に供給するとともに第1圧力作用室15の空気を第1給排ポート17及び第1給排流路19を介して大気に排出する第2切換状態に切換可能である。
【0022】
そして、切換弁21が第1切換状態に切り換えられることにより、ピストン13が、ピストン13の移動方向に位置する第1ストロークエンドから第2ストロークエンドに向けてシリンダ室12内を直線移動する。また、切換弁21が第2切換状態に切り換えられることにより、ピストン13が、第2ストロークエンドから第1ストロークエンドに向けてシリンダ室12内を直線移動する。
【0023】
第1給排流路19には、第1流量調整部23が設けられている。第1流量調整部23は、第1給排流路19における第1給排ポート17と切換弁21との間に配置されている。第2給排流路20には、第2流量調整部24が設けられている。第2流量調整部24は、第2給排流路20における第2給排ポート18と切換弁21との間に配置されている。第1流量調整部23及び第2流量調整部24は、チェック弁23a,24a及び可変絞り弁23b,24bをそれぞれ有する速度制御弁である。
【0024】
第1流量調整部23及び第2流量調整部24それぞれの可変絞り弁23b,24bの弁開度は、制御装置25によって制御される。そして、第1流量調整部23及び第2流量調整部24を用いた空気の流量の調整が行われることにより、ピストン13が予め設定された移動速度でシリンダ室12内を直線移動する。
【0025】
本実施形態では、ピストン13の移動速度を制御する方式として、メータアウト制御方式が採用されている。メータアウト制御方式では、例えば、切換弁21が第1切換状態に切り換えられている場合、第1流量調整部23のチェック弁23aは、空気供給源22から第1給排流路19を介して第1給排ポート17に向かう空気の流れを許容し、空気供給源22からの空気が第1給排流路19及び第1給排ポート17を介して第1圧力作用室15に供給される。一方、第2流量調整部24の可変絞り弁24bの弁開度が制御装置25によって制御され、第2圧力作用室16から第2給排ポート18及び第2給排流路20を介して大気に排出される空気の流量が可変絞り弁24bによって調整される。これにより、ピストン13における第1ストロークエンドから第2ストロークエンドに向けた移動速度が制御される。
【0026】
また、例えば、切換弁21が第2切換状態に切り換えられている場合、第2流量調整部24のチェック弁24aは、空気供給源22から第2給排流路20を介して第2給排ポート18に向かう空気の流れを許容し、空気供給源22からの空気が第2給排流路20及び第2給排ポート18を介して第2圧力作用室16に供給される。一方、第1流量調整部23の可変絞り弁23bの弁開度が制御装置25によって制御され、第1圧力作用室15から第1給排ポート17及び第1給排流路19を介して大気に排出される空気の流量が可変絞り弁23bによって調整される。これにより、ピストン13における第2ストロークエンドから第1ストロークエンドに向けた移動速度が制御される。
【0027】
空気圧シリンダ10、第1給排流路19、第2給排流路20、切換弁21、第1流量調整部23、及び第2流量調整部24は、空気供給源22からの空気が流れる空気圧回路1を構成している。
【0028】
空気圧シリンダ10の動作検出を行う動作検出装置30は、第1圧力作用室15の圧力を検出する第1圧力検出部31と、第2圧力作用室16の圧力を検出する第2圧力検出部32と、を備えている。第1圧力検出部31は、第1給排流路19における第1給排ポート17と第1流量調整部23との間に配置されている。第2圧力検出部32は、第2給排流路20における第2給排ポート18と第2流量調整部24との間に配置されている。
【0029】
第1圧力検出部31及び第2圧力検出部32は、制御装置25にそれぞれ電気的に接続されている。第1圧力検出部31及び第2圧力検出部32は、検出圧力に比例した電圧値を制御装置25に出力するアナログ出力方式の圧力変換器である。制御装置25は、第1圧力検出部31及び第2圧力検出部32から出力されたアナログ信号をデジタル変換(AD変換)する。なお、この場合のサンプリング周期は、例えば、1ms以下である。また、制御装置25は、必要に応じて、変換されたデジタル信号に対して移動平均処理を行ってもよい。
【0030】
制御装置25は、第1流量調整部23又は第2流量調整部24による空気の流量の調整によって変化する第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を微分してピストン13の速度変化量を算出する速度変化量算出プログラムが予め記憶されている。よって、制御装置25は、第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を微分してピストン13の速度変化量を算出する速度変化量算出部として機能する。
【0031】
また、制御装置25は、算出したピストン13の速度変化量を積分してピストン13の変位量を算出する変位量算出プログラムが予め記憶されている。よって、制御装置25は、算出したピストン13の速度変化量を積分してピストン13の変位量を算出する変位量算出部としても機能する。
【0032】
図2には、例えば、切換弁21が第1切換状態に切り換えられており、ピストン13が第1ストロークエンドから第2ストロークエンドまで移動する際の第2圧力検出部32による検出圧力の変動波形(圧力波形)を実線L1で示している。また、
図2には、比較例として、磁歪式センサを用いることにより検出されたピストン13の変位量の変動波形(出力波形)を二点鎖線L2で示している。
図2において実線L1と二点鎖線L2を比較して分かるように、第2圧力検出部32による検出圧力の変動波形は、磁歪式センサにより検出されたピストン13の変位量の変動波形と相関関係が無い。
【0033】
図3には、第2圧力検出部32による検出圧力を微分計算することにより得られるピストン13の速度変化量の変動波形(速度波形)を実線L3で示している。また、
図3には、比較例として、磁歪式センサにより検出されたピストン13の変位量を微分計算することにより得られるピストン13の速度変化量の変動波形(速度波形)を二点鎖線L4で示している。本発明者は、
図3において実線L3と二点鎖線L4とを比較して分かるように、第2圧力検出部32による検出圧力を微分計算することにより得られるピストン13の速度変化量の変動波形は、磁歪式センサにより検出されたピストン13の変位量を微分計算することにより得られるピストン13の速度変化量の変動波形と相関関係があることを見出した。
【0034】
図4には、第2圧力検出部32による検出圧力を微分計算することにより得られるピストン13の速度変化量を積分計算することにより得られるピストン13の変位量の変動波形を実線L5で示している。また、
図4では、比較例として、磁歪式センサにより検出されたピストン13の変位量の変動波形を二点鎖線L2で示している。この
図4に示す二点鎖線L2は、
図2において二点鎖線L2で示した磁歪式センサにより検出されたピストン13の変位量の変動波形と同じものである。本発明者は、
図4において実線L5と二点鎖線L2とを比較して分かるように、第2圧力検出部32による検出圧力を微分計算することにより得られるピストン13の速度変化量を積分計算することにより得られるピストン13の変位量の変動波形は、磁歪式センサにより検出されたピストン13の変位量の変動波形と相関関係があることを見出した。
【0035】
そこで、本実施形態の制御装置25は、第1流量調整部23又は第2流量調整部24による空気の流量の調整によって変化する第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を微分してピストン13の速度変化量を算出し、算出したピストン13の速度変化量を積分計算してピストン13の変位量を算出する。
【0036】
制御装置25には、使用されている空気圧シリンダ10のピストン13のストローク量やピストン径などのパラメータが予め記憶されている。そして、空気圧シリンダ10の初期動作で得られるピストン13の変位量がベースラインとして記憶されている。例えば、制御装置25は、
図4において実線L5で示されるピストン13の変位量の変動波形が、ベースラインとして記憶されている。
【0037】
ここで、「空気圧シリンダ10の初期動作で得られるピストン13の変位量」とは、「空気圧シリンダ10が初めて使用される初回の動作で得られるピストン13の変位量」である。なお、制御装置25には、空気圧シリンダ10が初めて使用されてその後の複数回の動作で得られるピストン13の変位量の平均値がベースラインとして記憶されていてもよい。
【0038】
例えば、制御装置25によって算出されたピストン13の変位量の変動波形が、
図4において破線L6で示すような変動波形であり、実線L5で示すピストン13の変位量の変動波形(ベースライン)と比較して、ある一定の差異が生じている場合に、空気圧シリンダ10の動作が異常であると判定する。したがって、制御装置25は、空気圧シリンダ10の初期動作以降において、算出したピストン13の変位量を、空気圧シリンダ10の初期動作で得られるピストン13の変位量と比較し、空気圧シリンダ10の動作が異常であるか否かを判定する判定部としても機能する。
【0039】
図1に示すように、制御装置25は、通知部26と電気的に接続されている。そして、制御装置25は、空気圧シリンダ10の動作が異常であると判定すると、その判定結果を通知部26に送信する。そして、通知部26は、作業者に空気圧シリンダ10の動作が異常であることを通知する。通知部26は、例えば、空気圧シリンダ10の動作が異常であることを表示することにより作業者に通知するディスプレイである。
【0040】
次に、本実施形態の作用について説明する。
制御装置25は、切換弁21が第1切換状態に切り換えられると、ピストン13が予め設定された移動速度でシリンダ室12内を第1ストロークエンドから第2ストロークエンドまで直線移動するように、第2流量調整部24の可変絞り弁24bの弁開度を制御する。そして、制御装置25は、第2圧力検出部32による検出圧力を微分計算してピストン13の速度変化量を算出するとともに、算出したピストン13の速度変化量を積分計算してピストン13の変位量を算出する。これにより、シリンダ室12内で第1ストロークエンドから第2ストロークエンドまで直線移動するピストン13の位置が連続的に検出され、ピストン13がシリンダ室12内を第1ストロークエンドから第2ストロークエンドまで直線移動する際の空気圧シリンダ10の動作検出が可能となる。
【0041】
また、制御装置25は、切換弁21が第2切換状態に切り換えられると、ピストン13が予め設定された移動速度でシリンダ室12内を第2ストロークエンドから第1ストロークエンドまで直線移動するように、第1流量調整部23の可変絞り弁23bの弁開度を制御する。そして、制御装置25は、第1圧力検出部31による検出圧力を微分計算してピストン13の速度変化量を算出するとともに、算出したピストン13の速度変化量を積分計算してピストン13の変位量を算出する。これにより、シリンダ室12内で第2ストロークエンドから第1ストロークエンドまで直線移動するピストン13の位置が連続的に検出され、ピストン13がシリンダ室12内を第2ストロークエンドから第1ストロークエンドまで直線移動する際の空気圧シリンダ10の動作検出が可能となる。
【0042】
そして、制御装置25は、空気圧シリンダ10の初期動作以降において、算出したピストン13の変位量をベースラインと比較し、ある一定の差異が生じた場合に、空気圧シリンダ10の動作が異常であると判定する。
【0043】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)動作検出装置30は、第1流量調整部23又は第2流量調整部24による空気の流量の調整によって変化する第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を微分してピストン13の速度変化量を算出し、算出したピストン13の速度変化量を積分計算してピストン13の変位量を算出する制御装置25を備えている。これによれば、動作検出装置30は、シリンダ室12内で直線移動するピストン13の位置を連続的に検出できるため、ピストン13がシリンダ室12内を直線移動する際の空気圧シリンダ10の動作検出が可能となる。したがって、制御装置25は、磁歪式センサを用いずに、第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を利用するだけで、ピストン13の変位量を検出することができるため、空気圧シリンダ10の動作検出を安価且つ簡素な構造で行うことができる。
【0044】
(2)制御装置25は、空気圧シリンダ10の初期動作以降において、算出したピストン13の変位量をベースラインと比較し、ある一定の差異が生じた場合に、空気圧シリンダ10の動作が異常であると判定する。これによれば、空気圧シリンダ10の故障を予知することができる。また、空気圧シリンダ10の異常個所の特定が可能になる。
【0045】
(3)第1圧力検出部31は、第1給排流路19における第1給排ポート17と第1流量調整部23との間に配置されている。これによれば、第1圧力検出部31が、例えば、第1給排流路19における第1流量調整部23と切換弁21との間に配置されている場合に比べると、第1圧力検出部31によって第1圧力作用室15の圧力を精度良く検出することができる。また、第2圧力検出部32は、第2給排流路20における第2給排ポート18と第2流量調整部24との間に配置されている。これによれば、第2圧力検出部32が、例えば、第2給排流路20における第2流量調整部24と切換弁21との間に配置されている場合に比べると、第2圧力検出部32によって第2圧力作用室16の圧力を精度良く検出することができる。
【0046】
(4)制御装置25は、第1流量調整部23又は第2流量調整部24による空気の流量の調整によって変化する第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を微分してピストン13の速度変化量を算出するため、ピストン13の動き出しから停止までの速度変化量をリニアに検出することができる。
【0047】
(5)第1圧力検出部31は、第1給排流路19における第1給排ポート17と第1流量調整部23との間の任意の位置に配置すればよく、第2圧力検出部32は、第2給排流路20における第2給排ポート18と第2流量調整部24との間の任意の位置に配置すればよいため、第1圧力検出部31及び第2圧力検出部32の設置性が良好である。
【0048】
(6)制御装置25は、磁歪式センサを用いずに、第1圧力検出部31又は第2圧力検出部32の検出圧力を利用するだけで、ピストン13の変位量を検出することができるため、電気的な外乱ノイズによる影響を受け難く、ピストン13の変位量を精度良く検出することができる。
【0049】
(7)磁歪センサは、空気圧シリンダ10に対して組み付けられるため、空気圧シリンダ10のサイズ等によっては、磁歪センサにおける空気圧シリンダ10に対する組み付け位置を変更する必要があったり、磁歪センサ自体を空気圧シリンダ10のサイズに合った大きさのものに変更する必要があったりする場合がある。しかし、本実施形態では、第1給排流路19に配置される第1圧力検出部31、及び第2給排流路20に配置される第2圧力検出部32の検出圧力を利用するだけで、ピストン13の変位量を検出することができる。したがって、空気圧シリンダ10のサイズの影響を受けて、第1圧力検出部31及び第2圧力検出部32の設置位置を変更したり、第1圧力検出部31及び第2圧力検出部32自体のサイズを変更したりする必要が無い。
【0050】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、制御装置25は、空気圧シリンダ10の初期動作以降において、算出したピストン13の変位量をベースラインと比較し、空気圧シリンダ10の動作が異常であるか否かを判定する判定部として機能しなくてもよい。要は、動作検出装置30は、シリンダ室12内で直線移動するピストン13の位置を連続的に検出し、ピストン13がシリンダ室12内を直線移動する際の空気圧シリンダ10の動作検出が可能である構成であればよい。
【0051】
・ 実施形態において、第1圧力検出部31が、例えば、第1給排流路19における第1流量調整部23と切換弁21との間に配置されていてもよい。また、第2圧力検出部32が、例えば、第2給排流路20における第2流量調整部24と切換弁21との間に配置されていてもよい。要は、第1圧力検出部31は、第1圧力作用室15の圧力を検出することができれば、その設置位置は特に限定されるものではなく、第2圧力検出部32は、第2圧力作用室16の圧力を検出することができれば、その設置位置は特に限定されるものではない。
【0052】
・ 実施形態において、制御装置25は、予め記憶されている空気圧シリンダ10のピストン13のストローク量やピストン径などのパラメータを用いて、例えば、空気圧シリンダ10の推力などのより多くの動作情報をリアルタイムに演算して出力するようにしてもよい。
【0053】
・ 実施形態において、制御装置25は、例えば、空気の温度を検出する温度センサによる検出温度を、ピストン13の変位量の検出の計算に組み込み補正処理をするようにしてもよい。
【0054】
・ 実施形態において、第1流量調整部23及び第2流量調整部24それぞれの可変絞り弁23b,24bの弁開度を制御する制御装置25とは別の制御装置を、速度変化量算出部、変位量算出部及び判定部として機能させてもよい。
【0055】
・ 実施形態において、速度変化量算出部として機能する制御装置と、変位量算出部として機能する制御装置と、判定部として機能する制御装置とをそれぞれ別途設けてもよい。
【0056】
・ 実施形態において、通知部26は、ディスプレイでなくてもよく、例えば、作業者に空気圧シリンダ10の動作が異常であることをランプの点灯によって通知するものであってもよい。
【0057】
・ 実施形態において、動作検出装置30は、空気圧シリンダ10以外の流体圧アクチュエータの動作検出を行うものであってもよい。よって、シリンダ室12を移動する移動部材としては、ピストン13に限られない。
【0058】
・ 実施形態において、ピストン13の移動速度を制御する方式として、メータイン制御方式を採用してもよい。メータイン制御方式では、例えば、切換弁21が第1切換状態に切り換えられている場合、第1給排流路19及び第1給排ポート17を介して第1圧力作用室15に供給される空気の流量を第1流量調整部23により調整することにより、ピストン13における第1ストロークエンドから第2ストロークエンドに向けた移動速度を制御する。また、例えば、切換弁21が第2切換状態に切り換えられている場合、第2給排流路20及び第2給排ポート18を介して第2圧力作用室16に供給される空気の流量を第2流量調整部24によって調整することにより、ピストン13における第2ストロークエンドから第1ストロークエンドに向けた移動速度を制御する。
【0059】
制御装置25は、切換弁21が第1切換状態に切り換えられると、第1圧力検出部31による検出圧力を微分計算してピストン13の速度変化量を算出するとともに、算出したピストン13の速度変化量を積分計算してピストン13の変位量を算出する。これにより、シリンダ室12内で第1ストロークエンドから第2ストロークエンドまで直線移動するピストン13の位置が連続的に検出され、ピストン13がシリンダ室12内を第1ストロークエンドから第2ストロークエンドまで直線移動する際の空気圧シリンダ10の動作検出が可能となる。
【0060】
制御装置25は、切換弁21が第2切換状態に切り換えられると、第2圧力検出部32による検出圧力を微分計算してピストン13の速度変化量を算出するとともに、算出したピストン13の速度変化量を積分計算してピストン13の変位量を算出する。これにより、シリンダ室12内で第2ストロークエンドから第1ストロークエンドまで直線移動するピストン13の位置が連続的に検出され、ピストン13がシリンダ室12内を第2ストロークエンドから第1ストロークエンドまで直線移動する際の空気圧シリンダ10の動作検出が可能となる。