【解決手段】サーボバルブ10は、第1弾性部62、第2弾性部64及び連結部58を備える。第1弾性部62は、バルブボディ12の内方でX方向に沿って延び、可動子16に対してX2方向に作用する第1弾性力を有する。第2弾性部64は、バルブボディ12の内方でX方向に沿って延び、可動子16に対してX1方向に作用する第2弾性力を有する。連結部58は、バルブボディ12の内方で第1弾性部62及び第2弾性部64に連結され、可動子16の中立位置で、バルブボディ12の段差部66及び可動子16のスプール54に当接する。
複数のポートが形成された筒状のボディと、前記ボディの内方で該ボディの軸方向に沿って配置された可動子と、前記ボディに対して前記軸方向に連結され、前記可動子を前記軸方向に沿って摺動させることで、前記各ポート間の流路の接続を切り換える駆動部とを備えるサーボバルブにおいて、
前記ボディの内方で前記軸方向に沿って延び、前記軸方向に沿って前記可動子を前記駆動部側に押圧する第1弾性力を有する第1弾性部と、
前記ボディの内方で前記軸方向に沿って延び、前記軸方向に沿って前記可動子を前記駆動部の反対側に押圧する第2弾性力を有する第2弾性部と、
前記ボディの内方で少なくとも前記第2弾性部に連結され、前記駆動部が駆動を停止しているときの前記可動子の中立位置で、前記ボディにおける前記駆動部の反対側と、前記可動子における前記駆動部の反対側とに当接する連結部と、
をさらに備えることを特徴とするサーボバルブ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のサーボバルブでは、停電等の異常が発生した場合、外部から駆動部に入力信号を供給することができないので、可動子の位置が不定となる。この結果、サーボバルブの取付姿勢によっては、可動子の自重によってサーボバルブが弁開状態となるおそれがある。
【0006】
また、特許文献2及び3のサーボバルブでは、可動子を中立位置に復帰させる際の機械ばねの復元力は、中立位置からのずれ量に比例する。これにより、中立位置付近では復元力が小さくなり、可動子の位置決めが不安定となる。この結果、外部からの振動等によって、弁開状態となる可能性がある。
【0007】
さらに、特許文献4のサーボバルブでは、機械ばね等にガタツキがあると、可動子の位置決め制御や、複数のポートに対する開度制御が困難となる。
【0008】
しかも、特許文献2〜4のサーボバルブでは、可動子を摺動させる際、可動子の中立位置で機械ばねから可動子に加えられる初期荷重を打ち消すため、大きな推力のモータ(駆動部)が必要となる。また、特許文献2〜4のサーボモータでは、可動子の位置に応じたばね力の変化によって、可動子の位置決め制御や複数のポートに対する開度制御が困難となる。
【0009】
さらに、特許文献5のサーボバルブでは、可動子に取り付けられた永久磁石の磁気吸引力を用いて、可動子を中立位置に復帰させる。この場合でも、可動子を中立位置に復帰させるための復元力は、中立位置からのずれ量に比例するため、中立位置付近では復元力が小さくなり、可動子の位置決めが不安定となる。
【0010】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、可動子の位置決め制御を安定に行うことができるサーボバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数のポートが形成された筒状のボディと、前記ボディの内方で該ボディの軸方向に沿って配置された可動子と、前記ボディに対して前記軸方向に連結され、前記可動子を前記軸方向に沿って摺動させることで、前記各ポート間の流路の接続を切り換える駆動部とを備えるサーボバルブに関する。
【0012】
前記サーボバルブは、第1弾性部、第2弾性部及び連結部をさらに備える。
【0013】
前記第1弾性部は、前記ボディの内方で前記軸方向に沿って延び、前記軸方向に沿って前記可動子を前記駆動部側に押圧する第1弾性力を有する。
【0014】
前記第2弾性部は、前記ボディの内方で前記軸方向に沿って延び、前記軸方向に沿って前記可動子を前記駆動部の反対側に押圧する第2弾性力を有する。
【0015】
前記連結部は、前記ボディの内方で少なくとも前記第2弾性部に連結され、前記駆動部が駆動を停止しているときの前記可動子の中立位置で、前記ボディにおける前記駆動部の反対側と、前記可動子における前記駆動部の反対側とに当接する。
【0016】
このように、前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、前記軸方向に沿った互いに異なる方向の弾性力(前記第1弾性力又は前記第2弾性力)を有する。
【0017】
この場合、前記中立位置において、前記連結部は、前記第2弾性力によって、前記ボディにおける前記駆動部の反対側と、前記可動子における前記駆動部の反対側とに押し付けられる。これにより、前記連結部は、前記駆動部の反対側への移動が規制されるので、前記第2弾性部の位置は、前記ボディの内方における前記駆動部側と該駆動部の反対側との間で規制される。この結果、前記第2弾性力は、前記可動子に作用せず、該可動子は、前記連結部と当接する前記中立位置で位置決めされる。
【0018】
次に、前記駆動部の駆動によって、前記可動子が前記駆動部側に摺動する場合、前記可動子は、前記第2弾性力に抗して、前記軸方向に沿って、前記連結部と共に前記駆動部側に摺動する。この場合、前記駆動部が駆動を停止すると、前記第2弾性力が復元力となり、前記連結部及び前記可動子は、前記軸方向に沿って前記中立位置にまで復帰する。
【0019】
一方、前記駆動部の駆動によって、前記可動子が前記駆動部の反対側に摺動する場合、前記ボディにおける前記駆動部の反対側に前記連結部が当接している状態で、前記可動子は、前記第1弾性力に抗して、前記軸方向に沿って、前記駆動部の反対側に摺動する。この場合、前記駆動部が駆動を停止すると、前記第1弾性力が復元力となり、前記可動子は、前記軸方向に沿って前記中立位置にまで復帰する。
【0020】
従って、本発明では、前記可動子が前記駆動部側に移動する場合、又は、前記可動子が前記駆動部の反対側に移動する場合、いずれの場合でも、前記中立位置に対する前記可動子の位置決め制御(前記各ポートに対する開度制御)を安定に行うことができる。この結果、良好なクローズドセンタ、エキゾーストセンタ又はプレッシャセンタの機能を有するサーボバルブを実現することができる。
【0021】
この場合、前記第1弾性部の一端は、前記可動子の前記駆動部側に固定され、前記第2弾性部の一端は、前記ボディの前記駆動部側に固定され、前記第1弾性部の他端及び前記第2弾性部の他端は、前記連結部に連結されていればよい。これにより、簡易な構成で、前記中立位置に対する前記可動子の位置決めの制御性を向上させることができる。
【0022】
ここで、前記駆動部は、前記ボディに対して前記軸方向に連結された磁性体を含む筒状体と、前記筒状体の内方に設けられ、前記可動子の一部を構成し、且つ、可動磁石、可動コイル又は可動鉄心を含む可動部とを有する。これにより、前記可動部を前記軸方向に沿って移動させ、前記可動部を含む前記可動子を前記軸方向に沿って摺動させることができる。このように、前記可動部が可動磁石形、可動コイル形又は可動鉄心形のいずれの場合であっても、前記可動子の位置決めの制御性を向上させることができる。
【0023】
また、前記サーボバルブでは、前記駆動部から前記可動子に作用する力と、前記第1弾性力又は前記第2弾性力とを釣り合わせることで、前記可動子を前記中立位置に復帰させるための復元力を調整可能である。これにより、前記可動子の位置決め制御を向上させることができる。
【0024】
なお、前記可動子の前記軸方向に沿った位置に関わりなく前記復元力が一定となるように該復元力を調整すれば、前記可動子の位置決め制御を一層向上させることができる。この場合、前記可動子に作用する力が前記可動部に発生する磁気吸引力であれば、前記磁気吸引力と前記第1弾性力又は前記第2弾性力とを釣り合わせることで、前記復元力を一定とすることができる。
【0025】
ここで、前記可動部が可動磁石形である場合の前記サーボバルブの構成について説明する。
【0026】
前記駆動部は、前記ボディに対して前記軸方向に連結された前記筒状体である第1ヨークと、前記第1ヨークに巻回されたコイルと、前記コイルと向かい合うように前記第1ヨークの内方に設けられた前記可動部である磁石部とを有する。この場合、前記コイルへの通電に起因して前記磁石部に作用する磁気吸引力により、前記可動子は、前記軸方向に沿って摺動する。
【0027】
すなわち、前記コイルへの通電によって前記磁石部の周辺に磁束が発生し、該磁束に起因する前記磁気吸引力により、前記第1弾性部又は前記第2弾性部の弾性力に抗して、前記磁石部を含む前記可動子を前記軸方向に沿って摺動させることができる。つまり、前記駆動部は、前記磁石部を前記軸方向に移動させるリニアモータとして機能する。これにより、前記可動子を容易に位置決め制御することができるので、外部から前記コイルに供給される入力信号に対する前記サーボバルブの応答性を向上させることができる。
【0028】
また、前記第1ヨークの前記軸方向に沿った一端側及び他端側に、前記第1ヨークの内方に突出する突出部を設けてもよい。この場合、前記コイルへの通電を停止しているときの前記中立位置において、前記磁石部は、2つの前記突出部の間に位置する。
【0029】
これにより、前記コイルに通電したときに、前記突出部が前記磁束の磁路の一部を構成するので、前記磁石部が前記軸方向に沿って移動し、前記磁石部と前記突出部とが接近する程、前記磁気吸引力を大きくすることができる。また、前記磁気吸引力と前記第1弾性力又は前記第2弾性力とを釣り合わせて前記復元力を調整することで、前記サーボバルブの制御性(前記可動子の位置決め制御、前記サーボバルブの応答性)をさらに向上させることができる。
【0030】
この場合、前記第1ヨークの内方における2つの前記突出部の間に前記コイルを設け、前記可動子が前記中立位置にあるときの前記磁石部の前記軸方向に沿った位置と、前記コイルの前記軸方向に沿った位置とを略同じ位置とすれば、前記サーボバルブの制御性をさらに向上させることができる。
【0031】
また、前記可動子の摺動に伴う前記磁石部の前記軸方向に沿った移動範囲内で、該磁石部を覆うように前記第1ヨークを前記ボディに連結すれば、前記サーボバルブの制御性を一層向上させることができる。
【0032】
また、前記コイルを前記軸方向で挟み込むように2つのヨークを配置して前記第1ヨークを構成してもよい。これにより、前記サーボバルブの組み立て性が向上する。
【0033】
前記磁石部は、前記軸方向に沿って配置され且つ前記軸方向に着磁された2つの永久磁石と、前記2つの永久磁石の間に介挿された第2ヨークとから構成されることが望ましい。これにより、前記コイルに通電した際、前記磁石部の周辺に発生する前記磁束が前記第2ヨークを通過するので、前記磁石部には、前記磁気吸引力に起因する大きな推力が前記軸方向に発生する。これにより、前記第1弾性力又は前記第2弾性力に抗して、前記可動子を前記軸方向に沿って容易に摺動させることができる。
【0034】
この場合、前記2つの永久磁石を互いに異なる着磁方向に着磁させると、前記可動子を前記軸方向に沿って前記駆動部側又は前記駆動部の反対側に容易に摺動させることができる。
【0035】
また、上述のサーボバルブは、具体的に、下記のように構成すればよい。すなわち、前記ボディの内方に前記各ポートに連通する開口が設けられたスリーブを配置する。この場合、前記可動子は、前記磁石部と、前記スリーブ内に前記軸方向に沿って配置されたスプールと、前記磁石部と前記スプールとを前記軸方向に連結するシャフトと、前記シャフトの前記磁石部側に配置され且つ前記第1弾性部の一端を固定する環状の第1固定部とを有する。
【0036】
これにより、前記ボディの内方の前記第1ヨーク側には、前記ボディ及び前記第1ヨークに固定され、前記シャフト及び前記第1固定部が貫通し、且つ、前記第2弾性部の一端を固定する環状の第2固定部を設けることができる。また、前記連結部は、前記ボディの内方で、前記スプール及び前記ボディの前記スプール側に当接可能であり、且つ、前記シャフトが貫通する環状の部材であればよい。
【0037】
そして、前記第1弾性部は、前記ボディの内方で、前記連結部と前記第1固定部との間に介挿され、前記第2弾性部は、前記ボディの内方で、前記連結部と前記第2固定部との間に介挿されていればよい。
【0038】
また、前記サーボバルブは、前記軸方向に沿って前記磁石部に近接配置され、磁束を検出するセンサをさらに備えてもよい。これにより、前記センサが検出した前記磁束の変化から、前記中立位置に対する前記可動子の位置を容易に把握することができる。この結果、前記可動子の位置に応じて前記コイルに供給する入力信号を調整することで、適切なサーボ制御を行うことができる。
【0039】
また、前記可動部が可動コイル形である場合、前記サーボバルブを下記のように構成すればよい。すなわち、前記駆動部は、前記ボディに対して前記軸方向に連結された前記筒状体であるヨークと、前記ヨークの前記軸方向に沿った両端に各々設けられた2つの永久磁石と、前記ヨークと向かい合うように前記ヨークの内方に設けられた鉄心と、前記鉄心に巻回されたコイルとを有する。この場合、前記可動部は、前記鉄心及び前記コイルから構成され、前記2つの永久磁石と前記鉄心との間に作用する力、及び/又は、前記コイルへの通電に起因して前記可動部に作用する力を含む磁気吸引力により、前記可動子を前記軸方向に沿って摺動させる。
【0040】
一方、前記可動部が可動鉄心形である場合、前記サーボバルブを下記のように構成すればよい。すなわち、前記駆動部は、前記ボディに対して前記軸方向に連結された前記筒状体であるヨークと、前記ヨークの軸方向に沿った中央部に設けられた永久磁石と、前記永久磁石と向かい合うように前記ヨークの内方で前記軸方向に沿って設けられたコイルと、前記ヨークの内方で前記軸方向に沿って設けられた前記可動部である鉄心とを有する。この場合、前記ヨークの両端と前記鉄心との間に作用する力、及び/又は、前記コイルへの通電に起因して前記鉄心に作用する力を含む磁気吸引力により、前記可動子を前記軸方向に沿って摺動させる。
【0041】
前記可動コイル形及び前記可動鉄心形のいずれの場合でも、前記可動磁石形と同様に、前記磁気吸引力によって前記可動子を前記軸方向に沿って摺動させることができるので、前記可動子を容易に位置決め制御することができる。この結果、前記サーボバルブの応答性を向上させることができる。
【0042】
また、前記サーボバルブにおいて、前記第1弾性部の一端は、前記可動子の前記駆動部の反対側に固定され、前記第1弾性部の他端は、前記ボディの前記駆動部の反対側を塞ぐエンドカバーに固定され、前記第2弾性部の一端は、前記ボディの前記駆動部側に固定され、前記第2弾性部の他端は、前記連結部に連結されてもよい。この場合でも、簡易な構成で、前記中立位置に対する前記可動子の位置決めの制御性を向上させることができる。
【0043】
なお、前記第1弾性部及び前記第2弾性部がばね部材であれば、前記サーボバルブの低コスト化を実現することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、可動子が駆動部側に移動する場合、又は、可動子が駆動部の反対側に移動する場合、いずれの場合でも、中立位置に対する可動子の位置決め制御(複数のポートに対する開度制御)を安定に行うことができる。この結果、良好なクローズドセンタ、エキゾーストセンタ又はプレッシャセンタの機能を有するサーボバルブを実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明に係るサーボバルブの好適な実施形態について、添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0047】
[1.サーボバルブ10の構成]
図1は、本実施形態に係るサーボバルブ10の断面図である。
【0048】
サーボバルブ10は、筒状のバルブボディ12と、バルブボディ12の内方で該バルブボディ12の中心軸14と略同軸に配置された可動子16と、バルブボディ12に対して中心軸14に沿った方向(軸方向)に連結され、バルブボディ12内で可動子16を軸方向に摺動させる駆動部18とを備える。なお、中心軸14は、バルブボディ12を含むサーボバルブ10の長手方向に沿った中心軸である。以下の説明では、中心軸14に沿った方向(軸方向)をX方向、
図1の左側に向かう方向(サーボバルブ10のバルブボディ12側の方向)をX1方向、
図1の右側に向かう方向(サーボバルブ10の駆動部18側の方向)をX2方向と呼称する。
【0049】
バルブボディ12は、X方向に貫通し且つ可動子16を収容する孔部20が中心軸14と略同軸に形成された筒状体である。孔部20は、バルブボディ12のX1方向の一端側とX2方向の他端側とにそれぞれ形成された2つの大径部分20a、20bと、2つの大径部分20a、20bを連結する中央の小径部分20cとから構成される段付きの貫通孔である。バルブボディ12のX1方向の一端には、エンドカバー22が孔部20を塞ぐように取り付けられている。一方、バルブボディ12のX2方向の他端には、駆動部18が連結されている。
【0050】
バルブボディ12の外周面には、孔部20の小径部分20cに対して径方向に連通する複数のポート24が形成されている。
図1には、5つのポート24が形成されている。すなわち、サーボバルブ10は、可動子16をX方向に摺動させ、5つのポート24間の流路の接続を切り替えることにより、エア等の流体が流れる方向を制御する5ポートのサーボバルブである。なお、ポート24の数は、サーボバルブ10の仕様に応じて適宜設定すればよい。
【0051】
孔部20の小径部分20cには、複数のポート24に連通する複数の開口26を有する筒状のスリーブ28が、バルブボディ12の内周面に接触するように配置されている。
【0052】
駆動部18は、バルブボディ12のX2方向の他端に連結された筒状体の第1ヨーク32と、第1ヨーク32に巻回されたコイル34と、コイル34と向かい合うように第1ヨーク32の内方に設けられた磁石部(可動部)36とを有する。第1ヨーク32は、磁性体からなり、中心軸14と略同軸に形成された孔部38を有する。第1ヨーク32の孔部38は、X方向に貫通して、バルブボディ12の孔部20に連通し、且つ、磁石部36を収容する。後述するように、磁石部36は、可動子16の一部として構成される。従って、磁石部36は、可動磁石形の可動部である。また、第1ヨーク32は、可動子16の摺動に伴うX方向に沿った磁石部36の移動範囲内をカバーするように、バルブボディ12に連結されている。
【0053】
第1ヨーク32は、バルブボディ12のX2方向の他端に連結されるサイドヨーク32aと、該サイドヨーク32aのX2方向側に連結されるアウタヨーク32bとから構成される分割構造のヨークである。サイドヨーク32aは、第1ヨーク32のX1方向側の一端部を構成し、孔部38に突出する第1突出部40aを有する筒状体である。アウタヨーク32bは、第1ヨーク32のX2方向側の他端部を構成し、孔部38に突出する第2突出部40bを有する筒状体である。コイル34は、電気絶縁材料からなるボビン42に導線を巻回することにより構成され、第1ヨーク32の内方における第1突出部40aと第2突出部40bとの間で、磁石部36と対向するように配置されている。
【0054】
第1ヨーク32(アウタヨーク32b)のX2方向側の他端には、非磁性体からなるエンドカバー46が孔部20を塞ぐように取り付けられている。エンドカバー46には、磁束密度を測定する磁気センサ48が中心軸14と略同軸に配置されている。
【0055】
磁石部36は、X1方向側に配置された環状の第1永久磁石36aと、X2方向側に配置された環状の第2永久磁石36bと、第1永久磁石36a及び第2永久磁石36bの間に介挿された磁性体からなるセンターヨークとしての環状の第2ヨーク36cとから構成される。第1永久磁石36a及び第2永久磁石36bは、X方向に沿って、互いに異なる方向に着磁されている。すなわち、第1永久磁石36aは、X1方向側がN極、X2方向側がS極となるように着磁されている。第2永久磁石36bは、X1方向側がS極、X2方向側がN極となるように着磁されている。なお、本実施形態において、上述の着磁方向は一例であり、第1永久磁石36a及び第2永久磁石36bがX方向に沿って互いに異なる着磁方向に着磁されていればよい。
【0056】
第1永久磁石36a、第2ヨーク36c及び第2永久磁石36bは、中心軸14と略同軸にX方向に沿って延びる非磁性体のコネクタシャフト50に連結されている。従って、磁石部36は、中心軸14と略同軸に孔部38に配置されている。
【0057】
可動子16は、外部からコイル34に入力信号が供給される通電状態において、磁石部36に作用する力、すなわち、コイル34への通電に伴い、磁石部36の周辺に発生する磁束に基づく磁気吸引力によって磁石部36に発生する推力により、各孔部20、38内をX方向(X1方向又はX2方向)に摺動する。
図1は、駆動部18が駆動を停止しているとき、すなわち、コイル34への入力信号の供給(コイル34への通電)を停止しているときの可動子16の位置を図示している。以下の説明において、このときの位置を可動子16の中立位置と呼称する。
【0058】
また、以下の説明において、磁気吸引力とは、磁石部36の周辺に発生する磁束に起因して磁石部36に作用する力の総称である。従って、第1永久磁石36a及び第2永久磁石36bからの磁束に起因する力や、コイル34への通電によって磁石部36に作用する力も磁気吸引力に含まれる。
【0059】
可動子16は、中心軸14と略同軸にX方向に延びるコネクタシャフト50と、コネクタシャフト50のX2方向側に連結される磁石部36と、スリーブ28内で中心軸14と略同軸にX方向に沿って配置され且つコネクタシャフト50のX1方向側に連結されるスプール54と、コネクタシャフト50の磁石部36側に配置された環状の第1固定部56とを有する。第1固定部56は、磁石部36及びコネクタシャフト50に固定されている。
【0060】
孔部20のX2方向の大径部分20bには、コネクタシャフト50が貫通する環状の連結部58がX方向に移動可能に配置されている。また、該大径部分20bには、コネクタシャフト50及び第1固定部56が貫通し、且つ、バルブボディ12の内周面及びサイドヨーク32aのX1方向側の端部に固定された環状の第2固定部60が設けられている。
【0061】
さらに、該大径部分20bには、一端が第1固定部56に固定され、他端が連結部58に連結される第1弾性部62が設けられている。第1弾性部62は、コネクタシャフト50を取り囲むように、第1固定部56と連結部58との間でX方向に延びる圧縮コイルばね等のばね部材であり、駆動部18側のX2方向に作用する第1弾性力を有する。すなわち、X方向に予め縮められた状態で第1固定部56と連結部58との間に第1弾性部62を介挿させることで、第1固定部56を含む可動子16をX2方向に押圧する第1弾性力が発生する。
【0062】
さらにまた、該大径部分20bには、一端が第2固定部60に固定され、他端が連結部58に連結される第2弾性部64が設けられている。第2弾性部64は、コネクタシャフト50及び第1弾性部62を取り囲むように、第2固定部60と連結部58との間でX方向に延びる圧縮コイルばね等のばね部材であり、駆動部18とは反対側のX1方向に作用する第2弾性力を有する。すなわち、X方向に予め縮められた状態で第2固定部60と連結部58との間に第2弾性部64を介挿させることで、連結部58をX1方向に押圧する第2弾性力が発生する。
【0063】
このように、第1弾性部62と第2弾性部64とでは、第1弾性力が作用する方向(X2方向)と、第2弾性力が作用する方向(X1方向)とが、互いに異なる方向に設定されている。なお、本実施形態では、第1弾性部62及び第2弾性部64がX方向に沿って互いに異なる方向に作用する弾性力をそれぞれ有すればよい。また、連結部58及び第1固定部56は、第1弾性部62のスプリング座(スプリングガイド)として機能する。さらに、連結部58及び第2固定部60は、第2弾性部64のスプリング座(スプリングガイド)として機能する。
【0064】
前述のように、
図1は、可動子16が中立位置にあるときのサーボバルブ10の状態を図示している。この中立位置において、連結部58は、第2弾性部64の第2弾性力によって、バルブボディ12の内周面における孔部20の大径部分20bと小径部分20cとの段差部66、スリーブ28のX2方向側の端部、及び、スプール54のX2方向側の端部に当接する。但し、連結部58は、段差部66に当接することで、X1方向への移動が規制されるので、スリーブ28及びスプール54には、第2弾性力が作用しない。
【0065】
また、中立位置において、第1固定部56には、第1弾性部62の第1弾性力が作用している。但し、第1弾性力と第2弾性力とが均衡するように調整されていれば、中立位置において、可動子16全体にかかる荷重は0となる。従って、以下の説明において、中立位置において、可動子16に作用する力(第1弾性力及び第2弾性力)を初期荷重と呼称する場合がある。
【0066】
さらに、中立位置において、スプール54は、各ポート24と孔部20との連通(各ポート24間の流路の接続)を遮断する。すなわち、
図1のサーボバルブ10は、クローズドセンタの機能を有するサーボバルブである。また、磁石部36は、2つの突出部40a、40bの間に位置する。すなわち、磁石部36のX方向に沿った中心位置である第2ヨーク36cの位置と、コイル34のX方向に沿った中心位置とは、略同じ位置となる。
【0067】
[2.サーボバルブ10の動作]
以上のように構成されるサーボバルブ10の動作について、
図2A〜
図6を参照しながら説明する。なお、この動作説明では、必要に応じて、
図1も参照しながら説明する。
【0068】
ここでは、
図2A及び
図3Aに示す中立位置から、
図2B及び
図3Bのように可動子16をX2方向に摺動させる場合と、
図2C及び
図3Cのように可動子16をX1方向に摺動させる場合とについて説明する。なお、
図2A〜
図2Cは、バルブボディ12の孔部20に配置された可動子16の動作を模式的に図示した概念図である。
図3A〜
図3Cは、可動子16を構成する磁石部36の動作を模式的に図示した概念図である。
【0069】
先ず、
図2A及び
図3Aの中立位置において、連結部58は、第2弾性部64の第2弾性力によって、バルブボディ12の内方の段差部66に押し付けられている。これにより、連結部58のX1方向への移動が規制されると共に、大径部分20b内での第2弾性部64の位置が規制される。この結果、連結部58が可動子16(
図1のスプール54)に当接しても、第2弾性力は可動子16に作用しない。また、中間位置において、第1弾性力と第2弾性力とが均衡するように調整されていれば、可動子16全体にかかる初期荷重は0となる。
【0070】
一方、中立位置において、
図3Aで模式的に示すように、磁石部36の第2ヨーク36cとコイル34とは、X方向に沿った略同じ位置に配置されている。そのため、この位置を中心として、磁石部36、コイル34及び第1ヨーク32は、概ね対称に配置される。これにより、第1永久磁石36aと第1突出部40aとが対向すると共に、第2永久磁石36bと第2突出部40bとが対向する。
【0071】
この結果、
図3Aにおいて、黒塗りの矢印で示すように、第1永久磁石36aの磁束に起因して第1永久磁石36aから第1突出部40aへの磁気吸引力が発生すると共に、第2永久磁石36bの磁束に起因して第2永久磁石36bから第2突出部40bへの磁気吸引力が発生する。
【0072】
但し、前述のように、磁石部36、コイル34及び第1ヨーク32が対称に配置されているため、これらの磁気吸引力は均衡し、磁石部36を含めた可動子16は、X方向に移動しない。この結果、可動子16は、
図2Aのように、連結部58が可動子16のX1方向側(
図1のスプール54)に当接した状態で位置決めされる。従って、中立位置において、スプール54は、
図1に示すように、複数のポート24と孔部20との連通(各ポート24間の流路の接続)を遮断することができる。
【0073】
次に、外部からコイル34に入力信号を供給して該コイル34を通電状態とすることで、
図2B及び
図3Bのように可動子16をX2方向に摺動させる場合について説明する。
【0074】
この場合、入力信号に基づく電流がコイル34を流れることで、磁石部36の周辺に磁束が発生する。この磁束は、第1ヨーク32及び第2ヨーク36c等を通る磁路を形成し、第1突出部40aをN極、第2突出部40bをS極に着磁させる。これにより、第1突出部40aと第1永久磁石36aとの間では斥力、第2突出部40bと第2永久磁石36bとの間では黒塗りの矢印に示す磁気吸引力が発生する。この結果、磁石部36(第2ヨーク36c)には、磁気吸引力及び斥力に起因して、白抜きの矢印で示すX2方向への推力が発生する。従って、可動子16は、
図2Bに示すように、第2弾性部64のX1方向への第2弾性力に抗して、連結部58と共にX2方向に摺動することができる。
【0075】
一方、X2方向に可動子16が移動している場合に、コイル34への通電を停止すると、コイル34への通電による磁気吸引力が消滅するので、推力は0となる。この結果、第2弾性力が中立位置への復元力となり、可動子16及び連結部58は、X1方向に沿って
図2Aの中立位置にまで復帰する。
【0076】
次に、コイル34を通電状態とすることで、
図2C及び
図3Cのように可動子16をX1方向に摺動させる場合について説明する。
【0077】
この場合も、入力信号に基づく電流がコイル34を流れることで、磁石部36の周辺に磁束が発生する。この磁束は、第1ヨーク32及び第2ヨーク36c等を通る磁路を形成し、第1突出部40aをS極、第2突出部40bをN極に着磁させる。これにより、第1突出部40aと第1永久磁石36aとの間では黒塗りの矢印に示す磁気吸引力、第2突出部40bと第2永久磁石36bとの間では斥力が発生する。この結果、磁石部36(第2ヨーク36c)には、磁気吸引力及び斥力に起因して、白抜きの矢印で示すX1方向への推力が発生する。従って、可動子16は、
図2Cに示すように、第1弾性部62のX2方向への第1弾性力に抗して、X1方向に摺動することができる。なお、連結部58は、段差部66に当接しているので、可動子16は、単独でX1方向に摺動する。
【0078】
一方、X1方向に可動子16が移動している場合に、コイル34への通電を停止すると、コイル34への通電による磁気吸引力が消滅するので、推力は0となる。この結果、第1弾性力が中立位置への復元力となり、可動子16は、X2方向に沿って
図2Aの中立位置にまで復帰する。
【0079】
図4は、可動子16の位置と可動子16に作用する力との関係を図示したものである。横軸は、可動子16の位置を示している。この場合、
図1及び
図2Aの中立位置を0とし、この中立位置(0)に対してX2方向側を正方向、X1方向を負方向としている。また、縦軸は、可動子16に作用する力を示している。この場合、可動子16に対してX2方向に作用する力を正方向の力とし、X1方向に作用する力を負方向の力としている。
【0080】
図3B及び
図3Cの場合、磁石部36には、
図4で破線に示す磁気吸引力が作用する。ここで、磁石部36を含む可動子16を正方向(X2方向)に摺動させるような磁気吸引力は、
図3Bの場合に発生する。一方、可動子16を負方向(X1方向)に摺動させるような磁気吸引力は、
図3Cの場合に発生する。
【0081】
また、
図3Bに示すように、中立位置での磁石部36の位置から該磁石部36をX2方向に移動させる場合、第2永久磁石36bが第2突出部40bに接近する程、磁気吸引力が大きくなる。一方、
図3Cに示すように、中立位置での磁石部36の位置から該磁石部36をX1方向に移動させる場合、第1永久磁石36aが第1突出部40aに接近する程、磁気吸引力が大きくなる。
【0082】
従って、
図4に示すように、磁気吸引力は、可動子16が中立位置(0)から正方向(X2方向)に移動する程、0から正方向に大きくなり、一方で、可動子16が中立位置から負方向(X1方向)に移動する程、0から負方向に大きくなる。この結果、磁気吸引力は、中立位置からのずれ量に比例して正方向又は負方向に線形的に大きくなる。
【0083】
また、可動子16には、
図2A〜
図2Cに示す第1弾性力及び第2弾性力が作用する。
図4では、第1弾性部62及び第2弾性部64から可動子16に作用する弾性力(ばね力)を一点鎖線で図示している。
【0084】
図2Bの場合、可動子16が正方向(X2方向)に摺動する程、可動子16には、
図2Bにおいて、黒塗りの矢印で示す負方向(X1方向)に作用する第2弾性力が大きくなる。一方、
図2Cの場合、可動子16が負方向(X1方向)に摺動する程、可動子16には、
図2Cにおいて、黒塗りの矢印で示す正方向(X2方向)に作用する第1弾性力が大きくなる。
【0085】
なお、
図2Aに示す中立位置では、第1弾性部62が可動子16のX2方向側を第1弾性力でX2方向に押圧し、一方で、第2弾性部64が連結部58を介して可動子16のX1方向側を第2弾性力でX1方向に押圧している。この結果、
図4に示すように、中立位置(0)では、正方向の初期荷重(第1弾性力)と負方向の初期荷重(第2弾性力)とが均衡し、可動子16全体としては、荷重がかかっていない状態となる。
【0086】
そして、可動子16が中立位置(0)から正方向(X2方向)に移動する程、ばね力は、第2弾性力によって、負方向の初期荷重から、負方向に大きくなる。一方、可動子16が中立位置(0)から負方向(X1方向)に移動する程、ばね力は、第1弾性力によって、正方向の初期荷重から、正方向に大きくなる。つまり、ばね力は、中立位置からのずれ量に比例して正方向又は負方向に大きくなる。
【0087】
そこで、本実施形態に係るサーボバルブ10では、磁気吸引力と機械的なばね力とを釣り合わせることで、可動子16に作用する復元力(中立位置に復帰させるための力)を調整可能としている。具体的に、
図4で実線に示すように、磁気吸引力と機械的なばね力とを釣り合わせることにより、可動子16の位置に関わりなく、復元力を一定値に設定すると好適である。これにより、可動子16の位置の制御性を向上させることができる。
【0088】
図5は、磁石部36に発生する推力とスプール54(可動子16)の位置との関係を示したものである。なお、横軸は、スプール54の位置を示し、
図4と同様に、X2方向を正方向、X1方向を負方向としている。縦軸は、磁石部36を含む可動子16に発生する推力であり、
図4と同様に、X2方向を正方向、X1方向を負方向としている。
【0089】
前述のように、正方向又は負方向の初期荷重が存在するため、可動子16を摺動させる場合、該初期荷重を超える推力を発生させる必要がある。
【0090】
そこで、本実施形態に係るサーボバルブ10では、
図1及び
図3A〜
図3Cに示すように、第1永久磁石36a及び第2永久磁石36bに対向するように第1突出部40a及び第2突出部40bがそれぞれ設けられ、第1永久磁石36aが第1突出部40aに接近する程、又は、第2永久磁石36bが第2突出部40bに接近する程、磁気吸引力が大きくなる。
【0091】
そのため、
図5において、実線で示すように、初期荷重に打ち克って、可動子16を中立位置からX1方向又はX2方向に移動可能な推力を、容易に発生させることができる。なお、
図5に示す推力の特性は、
図4に一点鎖線で示すばね力の特性と比較して、中立位置(0)を挟んで対称な特性となっている。また、
図5では、比較例として、特許文献1及び2のサーボバルブでの推力の特性を破線で示している。
【0092】
図6は、磁気センサ48(
図1参照)が検出した磁束密度と可動子16の位置との関係を示す図である。なお、
図6は、一例として、可動子16(磁石部36)が中立位置からX1方向に摺動する場合を図示している。
【0093】
磁気センサ48は、コイル34への通電の有無に関わりなく、磁束密度を検出し、検出した磁束密度に応じた検出信号を外部に出力可能である。サーボバルブ10では、磁石部36と磁気センサ48との間に磁性体が存在しない。そのため、磁気センサ48で検出した磁束密度と可動子16(磁石部36)の位置との関係を予め計測しておけば、実際に、コイル34に通電して、中立位置に対して可動子16をX方向に摺動させた場合に、磁気センサ48で検出した磁束密度から可動子16の位置を容易に把握し、可動子16の位置に応じて、コイル34に供給する入力信号を制御することができる。
【0094】
[3.本実施形態と特許文献3〜5との対比]
次に、
図7A〜
図13を参照しながら、本実施形態に係るサーボバルブ10の特性と、特許文献3〜5のサーボバルブの特性とを対比する。ここでは、サーボバルブ10の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符号を付けて説明する場合がある。
【0095】
図7A〜
図8は、特許文献3のサーボバルブの場合を図示したものである。
【0096】
図7A〜
図7Cは、該サーボバルブの構成を模式的に図示したものである。
図7Aは中立位置を示し、
図7Bは、可動子16をX2方向に移動させる場合を示し、
図7Cは、可動子16をX1方向に移動させる場合を示している。
【0097】
特許文献3において、可動子16のX1方向の一端は、ばね部材70aを介して、バルブボディ12等のX1方向側の固定面72aに連結され、一方で、可動子16のX2方向の他端は、ばね部材70bを介して、バルブボディ12等のX2方向側の固定面72bに連結されている。この場合、2つのばね部材70a、70bは、予め縮められた状態で、可動子16と固定面72a、72bとの間に設けられる。そのため、可動子16が
図7Aの中立位置にあるときは、両側のばね部材70a、70bから可動子16に黒塗りの矢印で示す弾性力が作用する。これらの弾性力は、互いに逆向きであるため、可動子16に作用する力は釣り合っている。
【0098】
この中立位置からX2方向に可動子16が摺動すると、
図7Bに示すように、X1方向側のばね部材70aから可動子16に作用する力が減少する一方で、X2方向側のばね部材70bから可動子16に作用する力が増大する。また、中立位置からX1方向に可動子16が摺動すると、
図7Cに示すように、X1方向側のばね部材70aから可動子16に作用する力が増大する一方で、X2方向側のばね部材70bから可動子16に作用する力が減少する。
【0099】
図8は、可動子16の位置に対する2つのばね部材70a、70bから可動子16に作用する力の変化を図示したものである。
図8において、破線は、X1方向側のばね部材70aから可動子16に作用する力を示し、一点鎖線は、X2方向側のばね部材70bから可動子16に作用する力を示し、実線は、可動子16全体に作用する力を示している。
図8に示すように、可動子16全体に作用する力は、可動子16の位置に対して線形に変化しており、中立位置(0)では、可動子16に力は作用しない。すなわち、可動子16がX2方向に摺動する程、負方向(X1方向)への力が増大する一方で、可動子16がX1方向に摺動する程、正方向(X2方向)への力が増大する。
【0100】
図9A〜
図11は、特許文献4のサーボバルブの場合を図示したものである。
【0101】
図9A〜
図9Cは、該サーボバルブの構成を模式的に図示したものである。
図9Aは中立位置を示し、
図9Bは、可動子16をX2方向に移動させる場合を示し、
図9Cは、可動子16をX1方向に移動させる場合を示している。特許文献4では、可動子16のX1方向側(スプール54)の一端部とX2方向側(磁石部36)の他端部との間に、1つのばね部材74がX方向に配置され、ばね部材74の両端を2つの固定部76a、76bで固定している点で、本実施形態に係るサーボバルブ10(
図1〜
図6参照)とは異なる。なお、2つの固定部76a、76bは、X方向に移動可能である。
【0102】
この場合、
図9Aの中立位置では、ばね部材74の弾性力によってスプリング座としての2つの固定部76a、76bは、バルブボディ12等のX1方向側の固定面78aとX2方向側の固定面78bとにそれぞれ押し付けられている。これにより、2つの固定部76a、76bのX方向への移動が規制される。この結果、可動子16の一端部及び他端部が2つの固定部76a、76bに当接している場合でも、可動子16にはX方向への荷重がかからない。
【0103】
そして、可動子16が中立位置からX2方向へ摺動する場合、
図9Bにおいて、黒塗りの矢印で示すように、可動子16には、負方向(X1方向)に作用する弾性力が大きくなる。一方、可動子16が中立位置からX1方向へ摺動する場合、
図9Cにおいて、黒塗りの矢印で示すように、可動子16には、正方向(X2方向)に作用する弾性力が大きくなる。
【0104】
そのため、特許文献4では、理想的には、
図11に示すように、中立位置(0)において、正方向の初期荷重と負方向の初期荷重とが釣り合って、可動子16全体にかかる荷重が0となる。一方、中立位置から可動子16が離れる程、可動子16に作用する力は、正方向又は負方向に増大する。
【0105】
しかしながら、可動子16を構成するスプール54に寸法公差等のガタツキがある場合、
図10A及び
図10Bに示すように、中立位置において、固定部76a、76bと固定面78a、78bとの間に隙間Wが発生し、又は、固定部76a、76bと可動子16との間に隙間Wが発生する。これにより、中立位置において、可動子16がX方向に変位するおそれがある。この結果、実際上、可動子16に作用する力の特性は、
図11において、実線で示すように、隙間Wの影響を受けて、中立位置からずれた位置で初期荷重が発生する特性となる。従って、特許文献4のサーボバルブでは、可動子16の位置を精度良く制御することができない。
【0106】
図12は、特許文献5のサーボバルブでの可動子16の位置と可動子16に作用する力との関係を示す図である。
【0107】
このサーボバルブでは、永久磁石の磁力を可動子16(スプール54)の復元力に利用している。そのため、
図12に示すように、可動子16に作用する力は、可動子16が中立位置から離れる程、正方向又は負方向に大きくなる線形的な特性となる。そのため、中立位置付近での磁気ばねの力が弱くなり、外部からの衝撃又は振動によって可動子16が変位するおそれがある。
【0108】
図13は、可動子16に作用する力(中立位置への復元力)に関して、
図4に示す本実施形態の結果(実線)と、
図8、
図11及び
図12に示す特許文献3〜5の結果(特許文献3:一点鎖線、特許文献4:破線、特許文献5:二点鎖線)とを重ねて表示した図である。
図13に示すように、特許文献3〜5の場合、中立位置付近で外部からサーボバルブに衝撃又は振動が加わることにより可動子16が変位するか、又は、可動子16のガタツキによって可動子16を精度良く制御することができない。
【0109】
これに対して、本実施形態では、可動子16の位置が正方向又は負方向に変化しても、可動子16に作用する力は、一定の値を保っている。これにより、特許文献3〜5の場合と比較して、可動子16の位置を精度良く制御することができる。
【0110】
[4.本実施形態の変形例]
次に、本実施形態に係るサーボバルブ10の変形例について説明する。
【0111】
本実施形態では、
図1に示すように、中立位置において、各ポート24間の流路の接続を遮断するクローズドセンタのサーボバルブ10について説明した。本実施形態は、上記の説明に限定されることはなく、中立位置において、出力ポートと排出ポートとが連通するエキゾーストセンタ、又は、出力ポートと供給ポートとが連通するプレッシャセンタのサーボバルブ10であってもよい。
【0112】
また、本実施形態では、
図1に示すように、可動磁石形の可動部(磁石部36)を有するサーボバルブ10について説明した。本実施形態に係るサーボバルブ10は、上記の説明に限定されることはなく、
図14A〜
図14Cに示す可動コイル形の可動部80、又は、
図15A〜
図15Cに示す可動鉄心形の可動部82を有するサーボバルブであってもよい。なお、
図14A〜
図15Cでは、駆動部18の構成を概念的に図示している。
【0113】
図14A〜
図14Cの場合、サーボバルブ10(
図1参照)の駆動部18は、バルブボディ12のX2方向の端部に連結された筒状体のヨーク84と、ヨーク84のX方向に沿った両端で内方に突出するように各々設けられた2つの永久磁石86a、86bと、ヨーク84の内方でX方向に沿って設けられ、且つ、可動子16の一部を構成する可動部80とを有する。可動部80は、ヨーク84と向かい合うようにヨーク84の内方で中心軸14と略同軸に配置された鉄心88と、鉄心88に巻回されたコイル90とを有する。この場合、鉄心88の中央部にヨーク84に向かって突出する突出部88aを形成し、該突出部88aを中心にコイル90を巻回することにより鉄心88にコイル90が配置される。
【0114】
図14Aは、中立位置における駆動部18の配置を図示している。この場合、鉄心88の突出部88aのX方向に沿った中心位置と、2つの永久磁石86a、86bの中間位置とが略一致していることが望ましい。また、ヨーク84は、可動部80の移動範囲内で、該可動部80を覆うように設けられていることが望ましい。
【0115】
ここで、一例として、可動部80を含む可動子16(
図1参照)をX1方向に摺動させる場合について説明する。
図14Aに示すように、2つの永久磁石86a、86bが着磁している場合、永久磁石86aからの磁束は、ヨーク84及び突出部88a等を通る磁路を形成する。これにより、可動部80には、
図14Bで黒塗りの矢印に示す該磁束による磁気吸引力が発生する。この結果、該磁気吸引力に起因して、白抜きの矢印で示すX1方向への推力が発生し、可動子16は、第1弾性部62のX2方向への第1弾性力に抗して、連結部58と共にX1方向に摺動される(
図2C参照)。
【0116】
また、
図14Cに示すように、コイル90への通電により、可動部80の周辺に磁束が発生している場合、この磁束は、突出部88aを含む鉄心88等を通る磁路を形成し、突出部88aは、S極に着磁する。これにより、可動部80に作用する磁気吸引力が一層大きくなり、X1方向への推力が大きくなる。この結果、可動子16は、連結部58と共にX1方向に容易に摺動される(
図2C参照)。
【0117】
一方、X1方向に可動子16が移動している場合に、コイル90への通電を停止すると、磁気吸引力が低下する。これにより、第1弾性力が中立位置への復元力となり、可動子16及び連結部58は、X2方向に沿って
図2Aの中立位置にまで復帰することが可能となる。
【0118】
また、
図15A〜
図15Cの場合、サーボバルブ10の駆動部18は、バルブボディ12(
図1参照)のX2方向の端部に連結された筒状体のヨーク92と、ヨーク92のX方向に沿った中央部に設けられた永久磁石94と、永久磁石94と向かい合うようにヨーク92の内方でX方向に沿って設けられたコイル96と、ヨーク92の内方でコイル96を貫通するようにX方向に沿って設けられ、且つ、可動子16の一部を構成する鉄心98(可動鉄心形の可動部82)とを有する。この場合、コイル96は、中心軸14と略同軸に配置されている。また、鉄心98は、コイル96の中心の空洞部分を貫通するように、中心軸14と略同軸に配置されている。
【0119】
図15Aは、中立位置における駆動部18の配置を図示している。この場合、永久磁石94の中心位置(ヨーク92の中心位置)と、コイル96の位置と、鉄心98のX方向に沿った中心位置とが略一致していることが望ましい。
【0120】
ここで、一例として、鉄心98を含む可動子16(
図1参照)をX1方向に摺動させる場合について説明する。
図15Aに示すように永久磁石94が着磁している場合、永久磁石94からの磁束は、突出部92a(ヨーク92)、鉄心98等を通る磁路を形成する。これにより、鉄心98には、
図15Bで黒塗りの矢印に示す該磁束による磁気吸引力が発生する。この結果、該磁気吸引力に起因して、白抜きの矢印で示すX1方向への推力が発生し、可動子16は、第1弾性部62のX2方向への第1弾性力に抗して、連結部58と共にX1方向に摺動される(
図2C参照)。
【0121】
また、
図15Cに示すように、コイル96への通電により、鉄心98の周辺に磁束が発生している場合、この磁束は、鉄心98や、突出部92aを含むヨーク92等を通る磁路を形成し、各突出部92a、92b及び鉄心98の両端は、N極又はS極に着磁する。これにより、鉄心98に作用する磁気吸引力が一層大きくなり、X1方向への推力が大きくなる。この結果、可動子16は、連結部58と共にX1方向に容易に摺動される(
図2C参照)。
【0122】
一方、X1方向に可動子16が移動している場合に、コイル96への通電を停止すると、磁気吸引力が低下する。これにより、第1弾性力が中立位置への復元力となり、可動子16及び連結部58は、X2方向に沿って
図2Aの中立位置にまで復帰することが可能となる。
【0123】
また、本実施形態に係るサーボバルブ10は、
図16に示す変形例のように構成することも可能である。この変形例では、第1弾性部62の一端がスプール54のX1方向側の端部に固定されると共に、第1弾性部62の他端がエンドカバー22に固定され、且つ、第1固定部56が省略されている点で、
図1の構成とは異なる。従って、連結部58には、第2弾性部64のみ連結されている。この場合でも、第1弾性部62は、スプール54を含む可動子16をX2方向に押圧する。これにより、変形例では、
図1の構成と同様の動作を行うことができる。
【0124】
図17は、
図16の変形例での可動子16の位置と可動子16に作用する力との関係を図示したものである。この場合、第1弾性力と第2弾性力との合力がばね力であり、ばね力と磁気吸引力との合力が復元力となる。前述のように、
図16の変形例は、
図1の構成と同様の動作を行う。そのため、
図17においても、復元力は、
図4と同様の結果となる。従って、
図16の変形例でも、可動子16の位置の制御性を向上させることができる。
【0125】
[5.本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係るサーボバルブ10において、第1弾性部62及び第2弾性部64は、X方向に沿った互いに異なる方向の弾性力(第1弾性力、第2弾性力)を有する。
【0126】
そのため、可動子16の中立位置において、連結部58は、第2弾性力によって、バルブボディ12における駆動部18の反対側(X1方向側の段差部66)と、可動子16における駆動部18の反対側(X1方向側のスプール54)とに押し付けられる。これにより、連結部58は、X1方向への移動が規制されるので、第2弾性部64の位置は、バルブボディ12の内方(孔部20の大径部分20b)で規制される。この結果、第2弾性力は、可動子16に作用せず、該可動子16は、連結部58と当接する中立位置で位置決めされる。
【0127】
次に、駆動部18の駆動によって、可動子16が駆動部18側(X2方向)に摺動する場合、可動子16は、第2弾性力に抗して、連結部58と共にX2方向に摺動する。この場合、駆動部18が駆動を停止すると、第2弾性力が復元力となり、連結部58及び可動子16は、X1方向に沿って中立位置にまで復帰する。
【0128】
一方、駆動部18の駆動によって、可動子16が駆動部18の反対側(X1方向)に摺動する場合、段差部66に連結部58が当接している状態で、可動子16は、第1弾性力に抗して、X1方向に摺動する。この場合、駆動部18が駆動を停止すると、第1弾性力が復元力となり、可動子16は、X2方向に沿って中立位置にまで復帰する。
【0129】
従って、本実施形態では、可動子16がX2方向に移動する場合、又は、可動子16がX1方向に移動する場合、いずれの場合でも、中立位置に対する可動子16の位置決め制御(複数のポート24に対する開度制御)を安定に行うことができる。この結果、良好なクローズドセンタ、エキゾーストセンタ又はプレッシャセンタの機能を有するサーボバルブ10を実現することができる。
【0130】
この場合、
図1の構成のように、第1弾性部62の一端が可動子16の駆動部18側の第1固定部56に固定され、第2弾性部64の一端がバルブボディ12の駆動部18側の第2固定部60に固定され、第1弾性部62の他端及び第2弾性部64の他端が連結部58に連結されている。これにより、簡易な構成で、中立位置に対する可動子16の位置決めの制御性を向上させることができる。
【0131】
また、サーボバルブ10において、駆動部18は、可動磁石形の可動部(
図1及び
図3A〜
図3Cの磁石部36)、可動コイル形の可動部80(
図14A〜
図14C参照)、又は、可動鉄心形の可動部82(鉄心98)(
図15A〜
図15C参照)を有する。これにより、可動子16をX方向に沿って容易に摺動させることができる。このように、可動磁石形、可動コイル形又は可動鉄心形のいずれの場合であっても、可動子16の位置決めの制御性を向上させることができる。
【0132】
また、本実施形態では、駆動部18から可動子16に作用する磁気吸引力と、第1弾性力又は第2弾性力とを釣り合わせることで、可動子16を中立位置に復帰させるための復元力を調整可能である。これにより、可動子16の位置決め制御を向上させることができる。特に、磁気吸引力と第1弾性力又は第2弾性力とを釣り合わせることで、可動子16のX方向に沿った位置に関わりなく復元力が一定となるように、該復元力を調整すれば、可動子16の位置決め制御を一層向上させることができる。
【0133】
ここで、サーボバルブ10が磁石部36を有する場合、コイル34への通電によって磁石部36の周辺に磁束が発生し、該磁束に起因する磁気吸引力が磁石部36に作用することで、第1弾性部62又は第2弾性部64の弾性力に抗して、磁石部36を含む可動子16をX方向に沿って摺動させることができる。つまり、駆動部18は、磁石部36をX方向に移動させるリニアモータとして機能する。これにより、可動子16を容易に位置決め制御することができるので、外部からコイル34に供給される入力信号に対するサーボバルブ10の応答性を向上させることができる。
【0134】
また、コイル34に通電したときに、第1突出部40a又は第2突出部40bが磁束の磁路の一部を構成するので、磁石部36がX方向に沿って移動し、磁石部36と第1突出部40a又は第2突出部40bとが接近する程、磁気吸引力が大きくなる。また、磁気吸引力と第1弾性力又は第2弾性力とを釣り合わせることで、
図4及び
図13に示すように、可動子16の位置によらず、可動子16の中立位置への復元力を一定とすることができる。従って、サーボバルブ10の制御性(可動子16の位置決め制御、サーボバルブ10の応答性)を向上させることができる。
【0135】
この場合、第1突出部40aと第2突出部40bとの間にコイル34を設け、可動子16が中立位置にあるときの磁石部36のX方向に沿った位置と、コイル34のX方向に沿った位置とを略同じ位置とすれば、サーボバルブ10の制御性をさらに向上させることができる。
【0136】
また、可動子16の摺動に伴う磁石部36のX方向に沿った移動範囲内で、該磁石部36を覆うように第1ヨーク32をバルブボディ12に連結すれば、サーボバルブ10の制御性を一層向上させることができる。
【0137】
また、コイル34をX方向で挟み込むようにサイドヨーク32a及びアウタヨーク32bを配置して第1ヨーク32を構成することで、サーボバルブ10の組み立て性を向上させることができる。
【0138】
さらに、磁石部36は、X方向に沿って配置され且つX方向に着磁された第1永久磁石36a及び第2永久磁石36bと、第1永久磁石36aと第2永久磁石36bの間に介挿された第2ヨーク36cとから構成される。これにより、コイル34に通電した際、磁石部36の周辺に発生する磁束が第2ヨーク36cを通過するので、磁石部36には、磁気吸引力に起因する大きな推力がX方向に発生する。これにより、第1弾性力又は第2弾性力に抗して、可動子16をX方向に沿って容易に摺動させることができる。
【0139】
この場合、第1永久磁石36a及び第2永久磁石36bを互いに異なる着磁方向に着磁させると、可動子16をX1方向又はX2方向に容易に摺動させることができる。
【0140】
また、サーボバルブ10は、X方向に沿って磁石部36に近接配置され、磁石部36からの磁束密度を検出する磁気センサ48をさらに備えるので、磁気センサ48が検出した磁束密度の変化から、中立位置に対する可動子16の位置を容易に把握することができる。この結果、可動子16の位置に応じてコイル34に供給する入力信号を調整することで、適切なサーボ制御を行うことができる。
【0141】
また、可動コイル形の可動部80又は可動鉄心形の可動部82(鉄心98)を有するサーボバルブ10でも、上述の可動磁石形の可動部(磁石部36)を有するサーボバルブ10と同様に、磁気吸引力によって可動子16をX方向に沿って摺動させることができるので、可動子16を容易に位置決め制御することができる。この場合も、サーボバルブ10の応答性を向上させることができる。
【0142】
さらに、
図16の変形例のように、第1弾性部62の一端が可動子16のスプール54に固定され、第1弾性部62の他端がエンドカバー22に固定され、第2弾性部64の一端が第2固定部60に固定され、第2弾性部64の他端が連結部58に連結されている場合でも、
図1の構成と同様に、簡易な構成で、中立位置に対する可動子16の位置決めの制御性を向上させることができる。
【0143】
さらに、第1弾性部62及び第2弾性部64がばね部材であれば、サーボバルブ10の低コスト化を実現することができる。
【0144】
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることは勿論である。