【解決手段】取引装置12が予防保守作業が推奨される予防保守推奨状態にあるか否かを判定する判定手段63と、予防保守作業のスケジュール情報を記憶する記憶手段67と、取引装置12が予防保守推奨状態にあると判定手段63が判定すると記憶手段67に記憶されているスケジュール情報に基づいて予防保守作業が可能な候補スケジュールを複数選出する選出手段68と、選出手段68で選出された複数の候補スケジュールを表示する表示手段23と、表示手段23に表示された複数の候補スケジュールに対する選択入力を受け付ける選択入力手段と、選択入力手段に選択入力された候補スケジュールに基づいて記憶手段67に記憶されているスケジュール情報を変更する変更手段69と、を有する。
前記表示手段は、前記選択入力手段に候補スケジュールが選択入力されると、予防保守作業を依頼済みである旨を表示することを特徴とする請求項1または2記載の取引装置用保守システム。
前記選択入力手段に選択入力された候補スケジュールを、保守員用の端末装置に送信する送信手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の取引装置用保守システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る一実施形態の取引装置用保守システムを図面を参照して以下に説明する。
【0019】
本実施形態の取引装置用保守システム11は、複数の同様の構成の取引装置12と、これら取引装置12に共通の管理機13とで構成されている。取引装置12は、例えば銀行等の金融機関の店舗に設置されて主に貨幣の入出金取り引きを行う貨幣処理装置である。ここで、取引装置用保守システム11を構成する取引装置12は、一店舗に一台が設置される形態の場合と、一店舗に複数台が設置される形態とがある。管理機13は、取引装置12の保守を管理する保守センタに設置されるものである。保守センタは、通常、取引装置12が設置された店舗とは別の場所に設けられている。
【0020】
取引装置12は、貨幣のうちの紙幣の入出金処理を行う紙幣処理機構部21と、貨幣のうちの硬貨の入出金処理を行う硬貨処理機構部22と、取引装置12を使用する使用者に向けて表示を行うとともに使用者による操作入力を受け付けるタッチパネル式の装置操作表示部23(表示手段,選択入力手段)と、管理機13と通信する装置通信部24と、取引装置12の状態情報である装置状態情報を記憶する装置記憶部25と、これらを制御する装置制御部26と、を有している。装置制御部26は、取引装置12の装置状態情報を、装置記憶部25に記憶するとともに、装置通信部24を介して管理機13に出力する。
【0021】
図2に示すように、紙幣処理機構部21は、装置外から紙幣が投入される紙幣入金部31と、装置内から紙幣を装置外に取り出し可能に繰り出す紙幣出金部32および紙幣返却部33と、紙幣を識別する紙幣入金識別部34と、紙幣を金種別に分類して一時貯留する紙幣一時貯留部35と、紙幣を金種別に分類して出金可能に収納する紙幣収納部36と、紙幣収納部36から繰り出された紙幣を識別する紙幣出金識別部37と、紙幣出金識別部37で斜行や重送等の出金不可と識別された紙幣を収納する出金リジェクト部38と、これらを結んで紙幣を搬送する紙幣搬送部39と、を有している。
【0022】
紙幣処理機構部21は、紙幣入金部31に投入された紙幣を紙幣入金識別部34で識別および計数して受け入れ可能な紙幣を紙幣一時貯留部35に一時貯留する一方、受け入れ不可な紙幣を紙幣返却部33に繰り出す紙幣入金処理と、紙幣一時貯留部35に一時貯留している紙幣を装置操作表示部23への承認操作で紙幣収納部36に収納する紙幣収納処理と、を行う。また、紙幣処理機構部21は、紙幣収納部36に収納している紙幣を紙幣出金識別部37で識別および計数しつつ、出金不可と識別された紙幣を出金リジェクト部38に収納する一方、出金可能と識別された紙幣を紙幣出金部32に搬送する紙幣出金処理等を行う。
【0023】
硬貨処理機構部22は、装置外から硬貨が投入される硬貨入金部41と、装置内から硬貨を装置外に取り出し可能に繰り出す硬貨出金部42および硬貨返却部43と、硬貨を識別する硬貨識別部44と、硬貨を金種別に分類して一時貯留する硬貨一時貯留部45と、硬貨を金種別に分類して出金可能に収納する硬貨収納部46と、これらを結んで硬貨を搬送する硬貨搬送部47と、を有している。
【0024】
硬貨処理機構部22は、硬貨入金部41に投入された硬貨を硬貨識別部44で識別して受け入れ可能な硬貨を硬貨一時貯留部45に一時貯留する一方、受け入れ不可な硬貨を硬貨返却部43に繰り出す硬貨入金処理と、硬貨一時貯留部45に一時貯留している硬貨を装置操作表示部23への承認操作で硬貨収納部46に収納する硬貨収納処理と、を行う。また、硬貨処理機構部22は、硬貨収納部46に収納している硬貨を計数しつつ硬貨出金部42に出金する硬貨出金処理等を行う。
【0025】
図1に示すように、管理機13は、複数の取引装置12のそれぞれの装置通信部24と通信する管理機通信部51(送信手段)と、管理機13を使用する使用者に向けて表示を行うとともに使用者による操作入力を受け付けるタッチパネル式の管理機操作表示部52と、これらを制御する管理機制御部53と、を有している。
【0026】
管理機13は、複数の取引装置12と管理機通信部51を介して通信して得られる、複数の取引装置12のそれぞれの装置状態情報を記憶する装置状態情報記憶部61と、装置状態情報に基づくエラー内容の障害レベルがどのレベルであるかを評価するための基準を記憶する状態評価基準記憶部62と、装置状態情報記憶部61に記憶される装置状態情報を、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することにより装置状態情報に基づくエラー内容の障害レベル、言い換えれば取引装置12の障害レベルがどの障害レベルであるかを判定する障害判定部63(判定手段)と、を有している。
【0027】
装置状態情報記憶部61に記憶される装置状態情報には、例えば、紙幣搬送部39の各部で搬送する紙幣の斜行状態(スキュー状態)がある。また、装置状態情報には、例えば、紙幣搬送部39での搬送中に紙幣入金識別部34で斜行状態にあると判定されて紙幣返却部33に返却される入金リジェクト紙幣の発生率と、紙幣搬送部39での搬送中に紙幣出金識別部37で斜行状態にあると判定されて出金リジェクト部38に搬送される出金リジェクト紙幣の発生率と、がある。また、装置状態情報には、紙幣搬送部39の各部での搬送時の紙幣間距離と、硬貨搬送部47の各部での搬送時の硬貨間距離と、がある。
【0028】
また、装置状態情報には、紙幣処理機構部21および硬貨処理機構部22に設けられた各センサの出力レベルと、取引装置12において紙幣処理機構部21および硬貨処理機構部22以外の部分に設けられたセンサの出力レベルと、がある。また、装置状態情報には、紙幣処理機構部21における入金、出金、締め上げ等の各処理の、所定の基準枚数(例えば30枚)の紙幣を処理するために要する取引時間と、硬貨処理機構部22における入金、出金、締め上げ等の各処理の、所定の基準枚数(例えば30枚)の硬貨を処理するために要する取引時間とがある。
【0029】
また、装置状態情報には、装置通信部24の通信データ量と通信時間とがある。また、装置状態情報には、貨幣処理の各処理を行う際の消費電流値と、貨幣処理以外の各処理を行う際の消費電流値と、がある。また、装置状態情報には、取引装置12に設けられた音検知センサや振動検知センサの検出値と、取引装置12に設けられた内部の温度を検出する温度センサの検出値と、がある。また、装置状態情報には、各処理でのリトライ動作の発生率がある。このリトライ動作には、取引装置12内でのセンサによる認識、機械的作動、通信作動、記憶部へのアクセス等のリトライ動作がある。また、装置状態情報には、各エラー毎のリセット動作の発生率がある。また、装置状態情報には、瞬断、瞬停の発生率がある。
【0030】
装置状態情報に基づくエラー内容の障害レベルには、取引装置12が、保守の必要がない正常状態にあることを示す正常レベルと、予防保守作業が推奨される予防保守推奨状態にあることを示す予防保守推奨レベルと、緊急保守作業が必要となる緊急保守必要状態にあることを示す緊急保守必要レベルと、がある。よって、障害判定部63は、管理機13において、取引装置12が予防保守作業が推奨される予防保守推奨状態にあるか否かを判定する部分となっている。
【0031】
ここで、装置状態情報に基づいて割り出される取引装置12のエラー内容のうち、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、紙幣搬送部39の各部で搬送する紙幣の斜行状態が、同じ部分で、それまで許容範囲内で右先行でずっと安定して紙幣を搬送していた状態から、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準よりも大きく左先行の傾向に切り替わった場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このような同位置での斜行状態の切り替わりの要因としては、ガイドの破損や異物付着などが想定される。このとき、切り替わりの程度の大小、切り替わりの発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0032】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、斜行状態に起因する入金リジェクト紙幣の発生率が、それまでほぼゼロと言える所定値以下(例えば0.1%(すなわち、1000枚の紙幣に対して入金リジェクト紙幣が1枚以下))であったのが、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合(例えば10倍)よりも大きい、発生率(例えば1%)まで上昇した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。すなわち、入金リジェクト紙幣の発生率が基準の割合よりも大きくなると、取引装置12に、入金リジェクト紙幣の発生率が変化する要因があることを想定し、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、変化の程度の大小、変化の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0033】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、斜行状態に起因する出金リジェクト紙幣の発生率が、それまでほぼゼロと言える所定値以下(例えば0.1%(すなわち、1000枚の紙幣に対して出金リジェクト紙幣が1枚以下))であったのが、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合(例えば10倍)よりも大きい、発生率(例えば1%)まで上昇した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、変化の程度の大小、変化の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0034】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、紙幣搬送部39の各部での搬送時の紙幣間距離(到達時間)が、それまでに対し、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合を超えて増減した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、増減の程度の大小、増減の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0035】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、硬貨搬送部47の各部での搬送時の硬貨間距離(到達時間)が、それまでに対し、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合を超えて増減した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、増減の程度の大小、増減の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0036】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、センサの出力レベルが、プレアラームで検知する前の状態において、それまでは安定的にほとんど出力レベルが変化していなかった状態に対して、出力レベルが、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準を超えて徐々に低下する傾向となった場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、出力レベルの低下傾向の程度の大小、低下の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0037】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、紙幣処理機構部21での所定の基準枚数の紙幣を各処理で処理するために要する取引時間が、それまでよりも、状態評価基準記憶部62に各処理毎に記憶されている基準の割合(例えば1.2倍)を超えて長くなった場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、取引時間の増加傾向の程度の大小、増加の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0038】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、硬貨処理機構部22での所定の基準枚数の硬貨を各処理で処理するために要する取引時間が、それまでよりも、状態評価基準記憶部62に各処理毎に記憶されている基準の割合(例えば1.2倍)を超えて長くなった場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、取引時間の増加傾向の程度の大小、増加の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0039】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、装置通信部24の所定の基準データ量の送受信に要する通信時間が、それまでよりも、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合(例えば1.2倍)を超えて長くなった場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、通信時間の増加傾向の程度の大小、増加の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0040】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、各処理を行う際の消費電流値が、それまでよりも、状態評価基準記憶部62に各処理毎に記憶されている基準の割合(例えば1.2倍)を超えて増加した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。この場合、例えば、モータ関連の負荷が大きくなっている可能性がある。このとき、消費電流値の増加傾向の程度の大小、増加の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0041】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、取引装置12に設けられた音検知センサや振動検知センサの検出値が、それまでよりも、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合を超えて増加した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、検出値の増加傾向の程度の大小、増加の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0042】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、取引装置12に設けられた温度センサの検出値を、通常稼動において、外気温を考慮した通常稼動での内部温度(時間経過による変化を含む)をモデル化した標準値に対して、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合を超えて増減した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、検出値の増減傾向の程度の大小、増減の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0043】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、各処理でのリトライ動作の発生率が、それまでの発生率に対して、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合を超えて増加した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、リトライ動作の発生率の増加傾向の程度の大小、増加の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0044】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、エラー毎のリセット動作の発生率が、それまでの発生率に対して、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合を超えて増加した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、リセット動作の発生率の増加傾向の程度の大小、増加の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。すなわち、エラーを復旧するのに、リセット動作が何回も必要になると、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。なお、この場合は、現金障害の可能性もあり得る。例えば、紙幣がジャムになってセンサに掛からない状態でリセット復旧した場合や、硬貨がどこかの隙間に入り込んで、センサに掛からない状態でリセット復旧した場合などである。また、パワーオンリセット(ストール復旧等)が多い場合も、予防保守推奨レベルとする。
【0045】
また、障害レベルが予防保守推奨レベルであると障害判定部63が判定するエラー内容には、例えば次の例がある。装置状態情報である、瞬断、瞬停の発生率が、それまでの発生率に対して、状態評価基準記憶部62に記憶されている基準の割合を超えて増加して散発すると判定した場合に、予防保守推奨レベルのエラー内容であると判定する。このとき、瞬断、瞬停の発生率の増加傾向の程度の大小、増加の発生時期・期間の長短等を、それぞれ状態評価基準記憶部62に記憶されている基準と比較することで、エラー度が軽度であるか重度であるかについても判定する。
【0046】
ここで、障害判定部63は、関連性のある複数の装置状態情報を複合して、装置状態情報の障害レベルが予防保守推奨レベルであるか否かを判定するようにしても良い。例えば、紙幣搬送部39の各部で搬送する紙幣の斜行状態の切り替わりと、斜行状態に起因する入金リジェクト紙幣の発生率と、斜行状態に起因する出金リジェクト紙幣の発生率と、紙幣搬送部39の各部での搬送時の紙幣間距離とを結びつけて、予防保守推奨レベルを判定することで、予防保守推奨レベルの精度を高めることができる。例えば、搬送する紙幣の斜行状態の切り替わりと、斜行状態に起因する入金リジェクト紙幣の発生率と、斜行状態に起因する出金リジェクト紙幣の発生率と、搬送時の紙幣間距離とのうちの3つのエラー内容が予防保守推奨レベルに当てはまると、予防保守推奨レベルと判定する等である。
【0047】
取引装置12が予防保守推奨レベルであると判定すると、障害判定部63は、装置状態情報に基づく障害情報を、管理機13の障害情報記憶部64に記憶する。障害情報は、予防保守推奨レベルであると判定された取引装置12の識別情報と、この取引装置12を所有する顧客の識別情報と、この取引装置12が設置された店舗の識別情報と、この取引装置12に関して障害判定部63で判定した障害レベルと、この取引装置12に関する、予防保守作業の種別を示す予防アラートコード、エラー内容であるエラー名、エラー度およびエラー解消のための想定保守時間と、を含む。想定保守時間は、予防アラートコードおよびエラー度に応じた時間が設定される。
【0048】
また、管理機13は、各保守員の識別情報毎に、対応可能なエラー内容等を記憶する保守員情報記憶部66と、保守員の識別情報毎の保守作業のスケジュール情報を含む保守計画を記憶する保守計画記憶部67(記憶手段)と、を有している。保守作業のスケジュール情報は、予約された予約済スケジュールと、まだ予約されていない空きスケジュールとからなっている。予約済スケジュールは、保守作業対象の顧客の識別情報と、保守作業対象の店舗の識別情報と、保守作業対象の取引装置12の識別情報と、保守作業の種別と、エラー内容と、エラー度と、エラー解消のための想定保守時間である作業時間と、日にちを含む時間帯を示す時間帯情報と、保守員の識別情報と、を含む。すなわち、予約済スケジュールは、上記した障害情報に加えて、時間帯情報と、保守員の識別情報とを含んでいる。空きスケジュールは、保守員の識別情報と、日にちを含む時間帯を示す時間帯情報と、を含む。
【0049】
保守作業の種別は、予防保守作業および緊急保守作業からなっている。保守計画記憶部67は、予防保守作業のスケジュール情報を記憶する。この管理機13に接続されているすべての取引装置12の定期点検のスケジュールも、予約済スケジュールとして保守計画記憶部67に記憶されている。
【0050】
また、管理機13は、障害判定部63で判定された障害レベルが予防保守推奨レベルである障害情報について、当該障害情報に含まれるエラー内容に対応可能な(すなわち、このエラー内容を解消するための保守作業ができるスキルを有する)保守員の識別情報を保守員情報記憶部66から読み出すと共に、保守計画記憶部67に記憶されている保守計画の、読み出した保守員の識別情報に対応するスケジュール情報の中から、当該障害情報に含まれる想定保守時間の作業が可能な空きスケジュールを読み出して、例えば、時間帯情報の早い順に、所定の複数の空きスケジュールを候補スケジュールとして選出する候補スケジュール選出部68(選出手段)を有している。
【0051】
ここで、障害情報に含まれるエラー内容が複数ある場合に、すべてのエラー内容に対応可能な保守員の識別情報を保守員情報記憶部66から読み出す。また、障害情報に含まれるエラー内容に対応可能な保守員の識別情報が、保守員情報記憶部66に複数記憶されている場合、言い換えれば、障害情報に含まれるエラー内容に対応可能な保守員が複数いる場合、候補スケジュール選出部68は、読み出した複数の保守員の識別情報を含むスケジュール情報の空きスケジュールの中から、例えば、時間帯情報の早い順に所定の複数の候補スケジュールとして選出する。その際に、候補スケジュール選出部68は、現在の作業状況および予約済スケジュールの待機状況等を勘案して候補スケジュールとして選出する。
【0052】
よって、取引装置12の障害レベルが予防保守推奨レベルであって、この取引装置12が予防保守推奨状態にあると障害判定部63が判定すると、候補スケジュール選出部68は、保守計画記憶部67に記憶されているスケジュール情報に基づいて、この予防保守推奨状態を正常状態に戻すために必要な予防保守作業が可能な候補スケジュールを、空きスケジュールの中から複数選出する。その際に、予約済スケジュールは、空きスケジュールではないため、候補スケジュールとして選出されることはない。このように、候補スケジュール選出部68は、登録されている保守員の現在の作業状況・予約済スケジュールの待機状況等を勘案して、候補スケジュールを選出する。
【0053】
一の取引装置12に対して候補スケジュール選出部68が複数の候補スケジュールを選出すると、管理機制御部53は、この取引装置12の装置通信部24に対し、これらの候補スケジュールを管理機通信部51を介して出力する。すると、この取引装置12では、これらの候補スケジュールの中から一つが、装置操作表示部23において選択されることになり、この取引装置12の装置制御部26は、装置通信部24を介して、この取引装置12側で選択された候補スケジュールを管理機13の管理機通信部51に出力することになる。
【0054】
管理機13は、このように取引装置12側で選択された候補スケジュールが管理機通信部51に入力されると、この候補スケジュールに基づいて保守計画記憶部67に記憶されている保守計画のスケジュール情報を変更するスケジュール情報変更部69(変更手段)を有している。スケジュール情報変更部69は、取引装置12側で選択された候補スケジュールを空きスケジュールから予約済スケジュールに変更する。
【0055】
スケジュール情報変更部69が取引装置12側で選択された候補スケジュールを空きスケジュールから予約済スケジュールに変更すると、管理機制御部53は、管理機通信部51を介して、この予約済スケジュールに含まれる、保守員の識別情報の携帯型の端末装置71に、予約済スケジュールの情報を送信する。言い換えれば、管理機通信部51は、予約済スケジュールに含まれる保守員の識別情報に対応する携帯型の端末装置71に、予約済スケジュールの情報を送信する。これにより、保守員は、予約済スケジュールの情報を端末装置71の画面に表示させて確認できる。ここで、管理機13および保守員の端末装置71は、保守員が保守センタで待機中であっても、客先で保守対応中・移動中などであっても、予約済スケジュールの情報が伝達される仕組み(電子メール等)を有している。
【0056】
取引装置用保守システム11は、装置操作表示部23を有する取引装置12を複数備えており、これらの取引装置12に共通で、障害判定部63と保守計画記憶部67と候補スケジュール選出部68とスケジュール情報変更部69と等を有する管理機13が設けられている。
【0057】
次に、取引装置用保守システム11による制御について説明する。ここでは、管理機13が一の取引装置12を予防保守推奨レベルであると判定した場合を例にとり、この取引装置12と管理機13とで行われる制御について説明するが、管理機13は、複数の取引装置12のそれぞれとの間で同様の制御を行う。
【0058】
管理機13においては、障害情報記憶部64に発生の都度記憶されるエラー内容を含む障害情報に基づいて、障害判定部63が、一の取引装置12の障害情報の障害レベルが予防保守推奨レベルであると判定すると、言い換えれば、一の取引装置12が予防保守推奨状態にあると判定すると、管理機制御部53が、管理機通信部51を介して、この取引装置12に、レベルが予防保守推奨レベルである旨の予防アラート情報を送信する。すると、この取引装置12は、装置通信部24を介して装置制御部26が、この予防アラート情報を受信する。
【0059】
この情報を受信した装置制御部26は、この取引装置12が、待機中および動作中のいずれの状態であるかに関わらず、まず、
図3に示すように、この取引装置12に設けられた装置操作表示部23の表示画面80の所定の操作表示領域部81(設定開始入力手段)に、予防保守作業を推奨する予防アラート発生状態であることを示す「予防アラート」のテキストを表示させる。操作表示領域部81の「予防アラート」の表示は、この取引装置12が予防保守を推奨する状態にあることを示すもので、予防保守作業のスケジュールの設定を促す設定推進表示となっている。言い換えれば、取引装置12が予防保守推奨状態にあると管理機13の障害判定部63が判定すると、取引装置12の装置操作表示部23は、まず、予防保守作業のスケジュールの設定を促す設定推進表示である「予防アラート」の表示を、所定の操作表示領域部81に表示する。
【0060】
装置操作表示部23は、タッチパネル式であり、「予防アラート」のテキストが表示された操作表示領域部81が、予防保守作業のスケジュールの設定を行う旨の入力である押圧操作を受け付ける部分となっている。そして、この操作表示領域部81が押圧操作されると、言い換えれば予防保守作業のスケジュールの設定を行う旨の入力が入力されると、この取引装置12の装置制御部26が装置通信部24を介して、この取引装置12の識別情報を含むスケジュール要求信号を管理機13に送信する。
【0061】
このスケジュール要求信号を管理機通信部51を介して受信すると、管理機制御部53は、予防保守推奨状態にあるこの取引装置12についての障害情報から、エラー内容を割り出し、保守員情報記憶部66から、このエラー内容に対応可能な保守員の識別情報を読み出す。すると、候補スケジュール選出部68が、保守計画記憶部67に記憶されている保守計画の、読み出した保守員の識別情報に対応するスケジュール情報の中から、当該障害情報に含まれる想定保守時間の作業が可能な空きスケジュールを読み出して、例えば、時間帯情報の早い順に所定の複数の空きスケジュールを候補スケジュールとして選出する。
【0062】
ここで、障害情報に含まれるエラー内容が複数ある場合に、管理機制御部53は、すべてのエラー内容に一人で対応可能な保守員の識別情報を保守員情報記憶部66から読み出すことになり、候補スケジュール選出部68が、この保守員の識別情報に対応する空きスケジュールを読み出して、例えば、時間帯情報の早い順に所定の複数の空きスケジュールを候補スケジュールとして選出する。
【0063】
また、管理機制御部53が読み出した、障害情報に含まれるエラー内容に対応可能な保守員の識別情報が複数ある場合、候補スケジュール選出部68は、読み出した複数の保守員の識別情報に対応する空きスケジュールの中から、例えば、時間帯情報の早い順に所定の複数の空きスケジュールを、候補スケジュールとして選出する。
【0064】
以上により、取引装置12の障害レベルが予防保守推奨レベルであって、この取引装置12が予防保守推奨状態にあると障害判定部63が判定すると、候補スケジュール選出部68は、保守計画記憶部67に記憶されているスケジュール情報に基づいて、この予防保守推奨状態を正常状態に戻すために必要な予防保守作業が可能な候補スケジュールを複数選出する。
【0065】
管理機13は、一の取引装置12に対して、候補スケジュール選出部68が複数の候補スケジュールを選出すると、管理機制御部53が、これらの候補スケジュールを、この取引装置12についての予防保守推奨状態にあるエラー内容を含む障害情報とともに、管理機通信部51を介して、この取引装置12に出力する。すると、この取引装置12において、これらの情報を装置通信部24を介して装置制御部26が受信する。装置制御部26は、受信した、障害情報に含まれる、エラー内容の種別コードである予防アラートコード、エラー名、エラー度および想定保守時間と、候補スケジュールとを、この取引装置12の装置操作表示部23に表示させる。すなわち、装置操作表示部23は、候補スケジュール選出部68で選出された複数の候補スケジュールを表示する。
【0066】
以上により、予防保守作業のスケジュールの設定を行う旨の入力が、「予防アラート」のテキストが表示された所定の操作表示領域部81への押圧操作で入力されると、候補スケジュール選出部68が、保守計画記憶部67に記憶されているスケジュール情報に基づいて予防保守作業が可能な候補スケジュールを複数選出するとともに、装置操作表示部23が、候補スケジュール選出部68で選出された複数の候補スケジュールを表示する。
【0067】
具体的には、
図3に示す「予防アラート」が表示された操作表示領域部81が押圧操作されることにより、装置操作表示部23が表示する表示画面90は、
図4に示すように、「予防アラートコード」の項目表示領域部91と、障害情報に含まれる予防アラートコードの数字を表示するコード表示領域部92と、障害情報に含まれるエラー名を表示するエラー名表示領域部93と、障害情報に含まれるエラー度を表示するエラー度表示領域部94と、「想定保守時間」の項目表示領域部95と、障害情報に含まれる想定保守時間を表示する想定保守時間表示領域部96と、「想定合計保守時間」の項目表示領域部97と、障害情報から割り出される全想定保守時間を表示する想定合計保守時間表示領域部98と、を有している。
【0068】
図4の例では、障害情報にエラー内容が2つあり、1つのエラー内容は、予防アラートコードがコード表示領域部92に表示した「1」であり、エラー名がエラー名表示領域部93に表示した「○○エラー」であり、エラー度がエラー度表示領域部94に表示した「軽度」であり、想定保守時間が想定保守時間表示領域部96に表示した「○○分」であることを示している。
【0069】
また、もう1つのエラー内容は、予防アラートコードがコード表示領域部92に表示した「5」であり、エラー名がエラー名表示領域部93に表示した「△△エラー」であり、エラー度がエラー度表示領域部94に表示した「軽度」であり、想定保守時間が想定保守時間表示領域部96に表示した「△△分」であることを示している。
【0070】
また、2つのエラー内容を一緒に解消するために必要な想定保守時間が想定合計保守時間表示領域部98に表示した「□□分」であることを示している。なお、複数のエラー内容があっても、エラー内容によっては、一部の作業が共通する場合があり、このような場合には、想定合計保守時間表示領域部98に表示する合計の想定保守時間が、個々の想定保守時間の単純加算よりも短くなる。なお、エラー内容が1つのみの場合、表示画面90に項目表示領域部97と想定合計保守時間表示領域部98とは表示しない。
【0071】
また、表示画面90は、候補スケジュールの日にちであることを示す「予防保守実施日」の項目表示領域部101と、候補スケジュールの時間帯であることを示す「訪問可能時間帯」の項目表示領域部102と、複数の候補スケジュールに含まれる第1候補日の日にちを表示する第1候補日表示領域部104と、複数の候補スケジュールに含まれる第1候補日の候補時間帯番号および候補時間帯の組み合わせを表示する操作表示領域部105(選択入力手段)と、複数の候補スケジュールに含まれる第2候補日の日にちを表示する第2候補日表示領域部107と、複数の候補スケジュールに含まれる第2候補日の候補時間帯番号および候補時間帯の組み合わせを表示する操作表示領域部108(選択入力手段)と、複数の候補スケジュールに含まれる第3候補日の日にちを表示する第3候補日表示領域部110と、複数の候補スケジュールに含まれる第3候補日の候補時間帯番号および候補時間帯の組み合わせを表示する操作表示領域部111(選択入力手段)と、を有している。
【0072】
図4の例では、第1候補日が第1候補日表示領域部104に表示した「○月○日」であり、第1候補日の最初の候補時間帯が、操作表示領域部105(a)に表示した、候補時間帯番号が「(4)」の候補時間帯「15〜17時」であり、次の候補時間帯が、操作表示領域部105(b)に表示した、候補時間帯番号が「(5)」の候補時間帯「17〜19時」であることを示している。また、第1候補日であれば、保守側に一任するための候補時間帯番号「(6)」の候補時間帯が「何時でも」の表示を操作表示領域部105(c)に示している。
【0073】
また、
図4の例では、第2候補日が第2候補日表示領域部107に表示した「○月△日」であり、第2候補日の最初の候補時間帯が、操作表示領域部108(a)に表示した、候補時間帯番号が「(1)」の候補時間帯「9〜11時」であり、次の候補時間帯が、操作表示領域部108(b)に表示した、候補時間帯番号が「(2)」の候補時間帯「11〜13時」であり、次の候補時間帯が、操作表示領域部108(c)に表示した、候補時間帯番号が「(5)」の候補時間帯「17〜19時」であることを示している。また、第2候補日であれば、保守側に一任するための候補時間帯番号「(6)」の候補時間帯が「何時でも」の表示を操作表示領域部108(d)に示している。
【0074】
また、
図4の例では、第3候補日が第3候補日表示領域部110に表示した「○月□日」であり、第3候補日の最初の候補時間帯が、操作表示領域部111(a)に表示した、候補時間帯番号が「(1)」の候補時間帯「9〜11時」であり。次の候補時間帯が、操作表示領域部111(b)に表示した、候補時間帯番号が「(2)」の候補時間帯「11〜13時」であり、次の候補時間帯が、操作表示領域部111(c)に表示した、候補時間帯番号が「(3)」の候補時間帯「13〜15時」であり、次の候補時間帯が、操作表示領域部111(d)に表示した、候補時間帯番号が「(4)」の候補時間帯「15〜17時」であり、次の候補時間帯が、操作表示領域部111(e)に表示した、候補時間帯番号が「(5)」の候補時間帯「17〜19時」であることを示している。また、第3候補日であれば、保守側に一任するための候補時間帯番号「(6)」で候補時間帯が「何時でも」の表示を操作表示領域部111(f)に示している。
【0075】
また、表示画面90は、元の表示画面80に戻す操作入力を受け付ける「画面戻り」のテキストが表示された操作表示領域部115と、他の候補日を示す表示画面90に切り替える操作入力を受け付ける「他の候補日」のテキストが表示された操作表示領域部116と、次の定期点検時と一緒に行う作業とする選択操作入力を受け付ける「定期保守組込」のテキストが表示された操作表示領域部117と、次の定期点検の時期であることを表記する「定期点検」の項目表示領域部118と、装置記憶部25に記憶されている次の定期点検の時期を表示した「○月○日頃」の表示領域部119とを有している。表示領域部119は、「○年○月○日頃」等としても良く、「○年○月上旬頃」、「○年○月中旬頃」、「○年○月下旬頃」等としても良い。操作者は、今回の予防アラート対応を、次の定期点検の時期を考慮して、候補スケジュールの日にちおよび時間帯の中から都合の良い日にちおよび時間帯を指定したり、次の定期点検時で良いと判断して次の定期点検時を指定したりする。
【0076】
「画面戻り」と表示された操作表示領域部115が選択されて押圧操作が入力されると、装置制御部26は、予防保守作業を推奨する予防アラート発生状態であることを示す「予防アラート」の操作表示領域部81を含む、
図3に示す元の表示画面80を装置操作表示部23に表示させる。操作者は、例えば、希望日時が表示されない場合や、エラー度が軽度のエラー内容であって、急ぎの保守までは必要ないと判断した場合に、画面キャンセルとして、「画面戻り」と表示された操作表示領域部115を選択して押圧操作を入力する。
【0077】
また、「他の候補日」と表示された操作表示領域部116が選択されて押圧操作が入力されると、装置制御部26は、受信した候補スケジュールに基づいて、
図4の表示画面90と同様であって、第1〜第3候補日の候補時間帯を、表示画面90とは異なる日にちである第4〜第6候補日の候補時間帯に切り替えた表示画面を装置操作表示部23に表示させる。この表示画面にも、「他の候補日」と表記された操作表示領域部116があり、ここが選択されて押圧操作が入力されると、装置制御部26は、受信した候補スケジュールに基づいて、さらに異なる日にちである第7〜第9候補日の候補時間帯を表示させ、同様にして所定の限界日数までの候補時間帯を表示させることになる。
【0078】
また、「定期保守組込」と表記された操作表示領域部117が選択されて押圧操作が入力されると、装置制御部26は、定期保守組込希望であることを示す情報を装置通信部24を介して管理機13に出力する。すると、管理機13は、この情報を管理機通信部51を介して管理機制御部53が受信することになる。この情報を受信すると、管理機制御部53は、保守計画記憶部67に記憶されている予約済スケジュールの中に含まれている、この一の取引装置12の次の定期点検のスケジュールの情報に、障害情報に含まれるエラー内容に基づく保守作業の種別とエラー内容とを含んで記憶させる。保守員は、次の定期点検時に、予約済スケジュールの中に含まれている、このエラー内容を見て、このエラー内容を解消するための保守作業を行うことになる。
【0079】
タッチパネル式の装置操作表示部23は、上記した候補時間帯番号および候補時間帯の組み合わせの操作表示領域部105,108,111が、装置操作表示部23に表示された複数の候補スケジュールに対する選択入力を受け付ける部分となっている。よって、装置操作表示部23は、保守受付可能な時間帯の入力が可能な画面構成となっている。
【0080】
そして、複数の候補スケジュールを含む表示画面90を表示させた状態の装置操作表示部23に対し、操作表示領域部105,108,111のうちのいずれか一つの候補スケジュールを示す操作表示領域部が選択されて押圧操作が入力されると、この取引装置12の装置制御部26は、
図5に示すように、上記した表示画面90の操作表示領域部116,117、項目表示領域部118および表示領域部119にかえて、確定操作が入力される、「依頼/確定」と表示された操作表示領域部121と、選択された候補スケジュールの内容を示す表示領域部122と、取り消しおよび変更の操作が入力される、「取消/変更」と表示された操作表示領域部123と、を表示した表示画面120を表示させる。
【0081】
この画面表示において、「取消/変更」と表示された操作表示領域部123が選択されて押圧操作が入力されると、装置制御部26は、装置操作表示部23の表示を表示画面90に戻す。また、「依頼/確定」と表示された操作表示領域部121が選択されて押圧操作されると、装置制御部26は、装置通信部24を介して、この取引装置12側で選択された候補スケジュールを、この取引装置12の識別情報とともに管理機13に出力することになる。言い換えれば、操作表示領域部105,108,111のうちのいずれかの一つの候補スケジュールを示す操作表示領域部が選択入力を受け付けて、「依頼/確定」と表示された操作表示領域部121が押圧操作されると、この取引装置12側で選択された候補スケジュールを、装置制御部26が装置通信部24を介して管理機13に出力する。
【0082】
この選択された候補スケジュールを管理機通信部51を介して管理機制御部53が受信すると、スケジュール情報変更部69が、保守計画記憶部67に記憶されている保守計画のスケジュール情報を、この候補スケジュールに基づいて変更する。スケジュール情報変更部69は、この候補スケジュールを空きスケジュールから予約済スケジュールに変更する。その際に、この予約済スケジュールは、時間帯情報に加えて、保守作業対象の顧客の識別情報と、保守作業対象の店舗の識別情報と、保守作業対象の取引装置12の識別情報と、保守作業(予防保守作業)の種別と、エラー内容と、エラー解消のための想定保守時間である作業時間と、保守員の識別情報と、を含んでいる。
【0083】
これにより、障害レベルが予防保守推奨レベルであると判定された一の取引装置12を、正常レベルに戻すための予防保守作業が予約される。スケジュール情報変更部69が取引装置12側で選択された候補スケジュールを空きスケジュールから予約済スケジュールに変更すると、管理機制御部53は、管理機通信部51を介して、予約済スケジュールに含まれる、保守員の識別情報に対応する携帯型の端末装置71に、予約済スケジュールの情報を送信する。言い換えれば、管理機制御部53および管理機通信部51は、装置操作表示部23に選択入力された候補スケジュールを、保守員用の端末装置71に送信する。
【0084】
例えば、
図4の表示画面90において、第2候補日である「○月△日」の「(5)17〜19時」の時間帯の操作表示領域部108(c)が選択されて押圧操作が入力されると、
図5の表示画面120において、操作表示領域部108(c)を点滅させるとともに、表示領域部122に「○月△日17〜19時訪問でよろしいでしょうか?」の表示を表示させることになり、この状態で、「依頼/確定」と表示された操作表示領域部121が選択されて押圧操作が入力されると、装置制御部26は、「○月△日」の「(5)17〜19時」の候補スケジュールを管理機13に出力することになり、管理機13では、スケジュール情報変更部69が、保守計画記憶部67に記憶されている保守計画のスケジュール情報の中から、この候補スケジュールの「○月△日」の「(5)17〜19時」を空きスケジュールから、保守作業対象の顧客の識別情報と、保守作業対象の店舗の識別情報と、保守作業対象の取引装置の識別情報と、保守作業の種別と、エラー内容と、時間帯情報と、作業時間と、保守員の識別情報と、を含む予約済スケジュールに変更する。
【0085】
このように候補スケジュールを空きスケジュールから予約済スケジュールへ変更すると、管理機制御部53は、変更完了した旨の情報を、管理機通信部51を介して、上記取引装置12に出力する。この変更完了した旨の情報を、装置通信部24を介して受信した取引装置12の装置制御部26は、
図6に示すように、障害レベルを予防保守推奨レベルから正常レベルに戻すための予防保守作業が予約された旨を示す「予防アラート対応依頼済み」のテキストが表示された表示領域部131を、待機中および動作中のいずれの状態であるかに関わらず、装置操作表示部23の表示画面130に表示する。すなわち、装置操作表示部23は、操作表示領域部105,108,111のうちのいずれか一つの候補スケジュールを示す操作表示領域部が選択入力を受け付けて、「依頼/確定」と表記された操作表示領域部121が押圧操作されると、予防保守作業を依頼済みである旨を示す表示領域部131を表示する。
【0086】
以上により、一の取引装置12において、予防保守作業のスケジュールの設定を促す設定推進表示を示す操作表示領域部81を装置操作表示部23の表示画面80上に表示し、操作者がその操作表示領域部81を押下すると、装置操作表示部23の表示画面90上に保守員の訪問時間帯の候補を表示し、これらの候補の中から操作者の都合の良い時間を選択できるようにする。表示画面90,120において、一旦保守員の訪問時間が設定されると、装置操作表示部23の表示画面130上に、予防保守受付済みであることを示す表示領域部131を表示させる。
【0087】
ここで、
図7(a)に示すように、表示画面130において、「予防アラート対応依頼済み」の表示領域部131に加えて、時間帯情報である旨を示す「訪問日時」の項目表示領域部141と、予約された時間帯情報である「○月△日17〜19時頃」の表示領域部142とを、装置操作表示部23に表示しても良い。この場合、
図7(b)に示すように、さらに、日時変更操作が入力される、「日時変更」と表記された操作表示領域部145と、訪問取り消し操作が入力される「訪問取消」と表記された操作表示領域部146と、を追加して、日時変更を可能としたり、保守員の訪問取り消しを可能としたりしても良い。
【0088】
「日時変更」と表記された操作表示領域部145が選択されて押圧操作が入力された場合、管理機13は、該当する予約済スケジュールを空きスケジュールに戻して、候補スケジュールの選定を再度行い、取引装置12が、装置操作表示部23に、
図4に示すように、これを表示させて選択入力を待機する。また、「訪問取消」と表記された操作表示領域部146が選択されて押圧操作が入力された場合、管理機13は、該当する予約済スケジュールを空きスケジュールに戻し、取引装置12が、
図3に示すように、装置操作表示部23を、「予防アラート」の操作表示領域部81を有する表示画面80とする。
【0089】
また、上述したように、管理機13が、一の取引装置12が予防保守推奨状態にあると判定し、この一の取引装置12の装置操作表示部23の「予防アラート」が表示された操作表示領域部81が押圧操作されることにより、装置操作表示部23に候補スケジュールを表示させる際に、保守計画記憶部67に記憶されている保守作業のスケジュール情報の中に、この一の取引装置12と同じ店舗の識別情報を有する他の取引装置12の予約済スケジュールがある場合に、この他の取引装置12の予約済スケジュールを合わせて表示させるようにしても良い。すなわち、予防アラートを発した取引装置12が設置された店舗で、既に保守予定が計画されていた他の取引装置12等がある場合には、その情報を参考情報として表示させる。また、その保守予定情報に基づいて、同日に保守対応を受けるべく、選択・設定できるようにする。
【0090】
例えば、一の取引装置12の装置操作表示部23に上記のように表示させる
図4に示す表示画面90に対し、
図8に示す表示画面150を表示させる。この表示画面150は、「ご参考情報」の項目表示領域部151と、「貴店舗保守訪問予定情報」の項目表示領域部152と、「保守訪問予定済み機種」の項目表示領域部153と、上記した他の取引装置12の予約済スケジュールに含まれる取引装置12の識別情報を表示する「取引装置◎◎◎◎」の表示領域部154と、を有する。
【0091】
また、この表示画面150は、「訪問日時」の項目表示領域部156と、上記した他の取引装置12の予約済スケジュールに含まれる、時間帯情報を表示する「○月△日17〜19時」の表示領域部157と、「想定合計保守時間」の項目表示領域部161と、他の取引装置12の予約済スケジュールの情報から割り出される、この他の取引装置12の想定合計保守時間である「●●分」を表示する表示領域部162と、を有する。
【0092】
また、この表示画面150は、「本件予防保守追加可能性」の項目表示領域部163と、上記した他の取引装置12の予約済スケジュールに基づいて割り出される、この予約済スケジュールの範囲内での今回の予防保守推奨状態の解消の可能性を表示する「可能」あるいは「不可能」の表示領域部164と、今回の予防保守推奨状態の解消が可能な場合に表示する「追加した場合の想定合計保守時間」の項目表示領域部166と、今回の予防保守作業を上記した他の取引装置12の予防保守作業に追加した場合の想定合計保守時間である「××分」を表示する表示領域部167とを有している。
【0093】
なお、スケジュール情報変更部69が、一の取引装置12に対する候補スケジュールを空きスケジュールから予約済スケジュールに変更する際に、他の取引装置12によって、候補スケジュールの時間帯情報が既に予約済スケジュールに変更されている可能性がある。この場合、一の取引装置12に対する候補スケジュールを、候補スケジュール選出部68が選出し直して、再選出である旨の情報とともに、一の取引装置12に送信する。すると、一の取引装置12の装置操作表示部23が、上記と同様にして、これらの候補スケジュールを、エラーコード、エラー名、エラー度および想定保守時間を含むエラー内容とともに表示させる。加えて、この装置操作表示部23は、再選出である旨の情報から、選択入力された候補スケジュールが他で予約されてしまった旨の表示と、候補スケジュールの選択入力し直しを促す表示とを表示させる。
【0094】
以上により、取引装置12においては、取引装置12の使用者側が保守を受けるのに都合の良い訪問可能時間帯が選択予約可能となる。
【0095】
また、例えば、
図4の表示画面90において、第3候補日である「○月□日」の「(6)何時でも」の操作表示領域部111(f)が選択されて押圧操作が入力されると、装置制御部26は、「○月□日」の「(6)何時でも」の候補スケジュールを管理機13に出力することになる。すると、管理機13では、スケジュール情報変更部69が、保守計画記憶部67に記憶されている保守計画のスケジュール情報の中から、この候補スケジュールの日にちである「○月□日」の空きスケジュールの、例えば、予約済スケジュールに対する作業員の移動時間が短くなる空きスケジュールを、予約済スケジュールに変更する。
【0096】
あるいは、この時点では、空きスケジュールを予約済スケジュールに変更せず、その後の予約により、候補スケジュールの「○月□日」の空きスケジュールを予約済スケジュールに変更する場合に、今回の候補スケジュールを「○月□日」のいずれかの空きスケジュールに予約済スケジュールとして入れられる範囲で変更するようにし、今回の候補スケジュールを、最後に予約済スケジュールに変更するようにしても良い。この場合、「予防アラート対応依頼済み」の表示領域部131に加えて、日にちである旨を示す「訪問日」の項目表示領域と、その日にちの情報である「○月△日」の表示領域とを、装置操作表示部23に作成しても良い。
【0097】
なお、候補スケジュールの日にちおよび時間帯を指定したり、定期点検時で良いと判断して指定したりしても、取引装置12の状態が予防保守推奨レベルを超えて、緊急保守必要レベルになったと判断したときは、管理機13にて即時点検が計画されることになる。
【0098】
ここで、装置状態情報の障害レベルが、正常レベル、予防保守推奨レベルおよび緊急保守必要レベルのいずれのレベルであるかを評価するための基準の設定は、以下のようにして行うことができる。
【0099】
通常運用では発生し得ないエラーは、基本は1回発生すると保守作業を行う必要がある。これに対し、機器要因および外部要因(媒体、異物、操作)等で発生しうるエラーは、発生回数、期間、特殊条件を考慮して保守作業を行うか否か判断することになる。その場合の、保守作業としては、清掃、調整、ユニット交換などを行うことになる。
【0100】
前者のエラーは、エラーと言うよりは障害発生(直ちに保守対応を要す)とみなすことができる一方、後者のエラーにあっては、障害発生レベルに加えて、そのエラー程度、出現頻度によって、軽度のエラー状態(エラー傾向が出て来た・様子見でも良いレベル)、重度のエラー状態(エラー傾向が強く出て来たので、そろそろ対応を進めた方が好ましいというレベル)などのように、少なくとも二種以上のエラー状態に区分することができるものがある。また、対応面では、特別な工具・作業スキル・交換部品等を要しない即時対応可能な障害・エラーと、特別な工具・作業スキル・交換部品等の少なくともいずれか一つ以上の準備を要する準備対応(即時に対する予約対応とも言える)を要する障害・エラーに区分される。
【0101】
通常であれば、100の障害コールに対して100の保守出動があったとき、予防保守に関わるしきい値を厳しく設定すると、障害コールが減少することになるが、予防保守出動も多くなり、結果として、トータルの出動件数が増えて本末転倒となる。他方、予防保守に関わるしきい値を甘めに設定すると、障害コールが思ったほど減らず、また、予防保守出動も増えず、予防保守活動の成果・効果が現れにくくなる。これらに対して、理想型のしきい値は、障害コールが減少しつつ、予防保守出動回数も適度に抑えられて、現状と変わらない出動件数に留まるか、それ以下となる場合で、予防保守が効果的に機能している状態となる。このような状態になるように、統計的に、正常レベルであるか予防保守推奨レベルであるかの判断をする基準を設定する。
【0102】
以上に述べた本実施形態の取引装置用保守システム11によれば、取引装置12が予防保守推奨状態にあると障害判定部63が判定すると、候補スケジュール選出部68が保守計画記憶部67に記憶されているスケジュール情報に基づいて予防保守作業が可能な候補スケジュールを複数選出することになり、装置操作表示部23が、このように候補スケジュール選出部68で選出された複数の候補スケジュールを表示する。これを見た使用者は、表示された複数の候補スケジュールの中から、都合の良い候補スケジュールを一つ選択して、装置操作表示部23の操作表示領域部105,108,111のいずれかに入力する。すると、スケジュール情報変更部69が、操作表示領域部105,108,111のいずれかに選択入力された候補スケジュールに基づいて保守計画記憶部67に記憶されているスケジュール情報を変更する。このようにして、保守スケジュールを自動的に予約することができる。よって、取引装置12を使用する使用者側の都合に合わせた予防保守の保守対応が容易に可能となる。
【0103】
また、取引装置12が予防保守推奨状態にあると障害判定部63が判定すると、装置操作表示部23が、予防保守作業のスケジュールの設定を促す「予防アラート」と表示された操作表示領域部81を表示することになる。これを見た使用者が、予防保守作業のスケジュールの設定を行う旨の入力を「予防アラート」と表示された操作表示領域部81に入力すると、候補スケジュール選出部68が保守計画記憶部67に記憶されているスケジュール情報に基づいて予防保守作業が可能な候補スケジュールを複数選出するとともに、装置操作表示部23が、このように候補スケジュール選出部68で選出された複数の候補スケジュールを選択入力可能に表示することになる。これにより、使用者は、取引装置12が予防保守推奨状態になっても、操作表示領域部81に入力を行わなければ、装置操作表示部23が複数の候補スケジュールを選択入力可能に表示することはなく、都合の良いタイミングで保守スケジュールを予約することができる。
【0104】
また、装置操作表示部23の操作表示領域部105,108,111のいずれかに候補スケジュールが選択入力されると、装置操作表示部23が、予防保守作業を依頼済みである旨の「予防アラート対応依頼済み」の表示領域部131を表示するため、予防保守作業が依頼済みであることを使用者に容易に認識させることができる。
【0105】
また、装置操作表示部23の操作表示領域部105,108,111のいずれかに選択入力された候補スケジュールを、管理機通信部51が保守員用の端末装置71に送信するため、保守員に保守スケジュールを認識させることができる。
【0106】
また、候補スケジュールの選択入力用の操作表示領域部105,108,111を表示可能な装置操作表示部23を有する複数の取引装置12に共通で、障害判定部63と保守計画記憶部67と候補スケジュール選出部68とスケジュール情報変更部69と等を有する管理機13が設けられているため、管理機13は複数の取引装置12の保守スケジュールを一括して管理することができる。
【0107】
以上の実施形態においては、装置状態情報記憶部61、状態評価基準記憶部62、障害判定部63および障害情報記憶部64を保守センタに設置される管理機13が有する場合を例にとり説明したが、これらを取引装置12のそれぞれに設けて、予防保守判断のロジックを個々の取引装置12で行っても良い。また、これらを管理機13と複数の取引装置12とに接続されるホストコンピュータを設けて、予防保守判断のロジックをホストコンピュータで行っても良い。
【0108】
また、以上の実施形態においては、複数の取引装置12を、いずれも同様の構成の取引装置12であるとして説明したが、これに限るものではなく、それぞれが全く構成の異なる取引装置であっても良く、さらには、貨幣の入出金や貨幣の処理、例えば、計数処理、選別処理、包装処理に関わるもの以外の、当該店舗に設置されて動作制御される装置であっても良い。
【0109】
その意味では、装置状態情報記憶部61、状態評価基準記憶部62、障害判定部63および障害情報記憶部64を保守センタに設置される管理機13が有する場合には、当該管理機13の負荷が掛かりすぎることになるので、これらを取引装置12または装置のそれぞれに設けて、予防保守判断のロジックを個々の取引装置12または装置で行うことが非常に好ましい。