【解決手段】 首都圏以外の求人企業の採用担当者が採用担当者端末3により採用支援サーバ1にアクセスして面接動画ファイル23の視聴要求を送信した際、採用支援サーバ1は、当該面接動画ファイル23に係る求職者についての視聴承諾先情報に当該求人企業が含まれる場合に限り、面接動画ファイル23を採用担当者端末3に送信して視聴させる。採用支援サーバ1は、視聴承諾先情報に含まれる限り、同一の面接情報ファイルを異なる求人企業の採用担当者端末3に送信して視聴させる。
前記承諾情報登録プログラムは、特定の求人企業への就職の応募をする旨の送信を前記求職者端末にさせるプログラムであり、採用に際しての選考のため当該求人企業を視聴承諾先として登録するプログラムであることを特徴とする請求項2記載の従業員採用支援システム。
前記記憶部には、前記各面接動画ファイルに就職面接が収められている各求職者についての参照情報を記録した参照情報ファイルと、参照情報の閲覧を承諾した相手の情報である閲覧承諾先情報を記録した閲覧承諾先情報ファイルが記憶されており、
参照情報は、各求職者についての履歴書、就職適性検査結果又はその双方を含んでおり、
前記採用支援サーバには、採用担当者端末が参照情報を当該採用担当者端末に送信して閲覧させる参照情報閲覧プログラムが実装されており、
参照情報閲覧プログラムは、閲覧承諾先情報に含まれる限り、同一の参照情報を異なる求人企業の採用担当者端末に送信して閲覧させるプログラムであり、
参照情報閲覧プログラムは、参照情報を当該参照情報に係る求職者についての前記面接動画ファイルの視聴を要求するボタンとともに採用担当者端末に表示させるプログラムであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の従業員作用支援システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地方の企業の側での深刻な問題の一つは、採用にかかるコストである。採用するかどうかの選考に際しては面接が必要になるが、面接のために地方の企業に赴く交通費は通常は企業側の負担となる。応募する学生については事前に履歴書等の書類を郵送してもらい、書類選考の後、これはと思う学生に来てもらうことになるが、交通費をかけて来てもらって面接をしたけれども期待外れの学生であった場合、交通費が無駄になってしまう。交通費を学生側の負担とする方法もあるが、そうすると、学生の方でためらってしまい、優秀な人材を逸してしまうことになり易い。
【0005】
就職斡旋会社が首都圏で地方の企業のための就活イベントを開催する事例も見られるが、そのようなイベントへの参加費にコストがかかる上、採用担当者が上京するための交通費もかかる。また、大きな会場に多数の地方企業が各々ブースを設けて就活学生に対応するが、学生の方で目移りしてしまい、時間も限られていることから、十分な面接や評価を行うことは難しく、この場で採用に至ることは少ない。したがって、ここでも費用対効果の問題が生じてしまう。
この出願の発明は、地方の企業にとっての上記のような課題を解決するために為されたものであり、地方の企業においてあまりコストをかけずに優秀な人材を採用できるようにした支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、首都圏以外の求人企業が従業員を採用するのを支援する従業員採用支援システムであって、
首都圏以外の求人企業において従業員を採用する業務の担当者である採用担当者が操作する採用担当者端末からのアクセスを受け付ける採用支援サーバと、記憶部とを備えており、
採用支援サーバは、首都圏以外にある複数の異なる求人企業の各採用担当者が操作する各採用担当者端末からのアクセスを受け付けることが可能であり、
記憶部には、各求職者が疑似の就職面接を受けている状況を撮影した各面接動画ファイルと、各面接動画ファイルに就職面接が収められている各求職者の情報を記録した求職者情報ファイルと、各求職者が面接動画の視聴を承諾した相手の情報である視聴承諾先情報を記録した視聴承諾先情報ファイルとが記憶されており、
採用支援サーバには、いずれかの採用担当者端末がアクセスして面接動画の視聴要求を送信した際、視聴を許可して面接動画ファイルを当該採用担当者端末に送信する面接動画視聴プログラムが実装されており、
面接動画視聴プログラムは、採用担当者端末から面接動画の視聴要求が送信された際、当該面接動画ファイルに収められている面接に係る求職者についての視聴承諾先情報を視聴承諾先情報ファイルから取得し、当該視聴要求が視聴承諾先情報に含まれる求人企業の採用担当者が操作する採用担当者端末からの視聴要求である場合に限り視聴を許可して面接動画ファイルを送信して視聴させるプログラムであり、
面接動画視聴プログラムは、視聴承諾先情報に含まれる限り、同一の面接情報ファイルを異なる求人企業の採用担当者端末に送信して視聴させるプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記採用支援サーバは、求職者が操作する端末である求職者端末からのアクセスを受け付けるサーバであり、
前記採用支援サーバには、視聴承諾先登録プログラムが実装されており、
視聴承諾先登録プログラムは、求職者端末から前記視聴承諾先情報が送信された際に視聴承諾先情報を前記視聴承諾先情報ファイルに記録するプログラムであり、
前記記憶部には、従業員の採用を希望する首都圏以外の求人企業の情報を記録した求人企業情報ファイルが記憶されており、
前記採用支援サーバには、求人企業情報表示プログラムが実装されており、求人企業情報表示プログラムは、首都圏以外の地域が求職者端末において選択された際に、選択された地域に存在する求人企業の情報を求人企業情報ファイルから取得し、求職者端末に表示して指定可能とするプログラムであり、
視聴承諾先登録プログラムは、求人企業情報表示プログラムにより求職者端末において特定の求人企業の情報が表示されて指定された際に当該求人企業の情報を視聴承諾先情報ファイルに記録するプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記承諾情報登録プログラムは、特定の求人企業への就職の応募をする旨の送信を前記求職者端末にさせるプログラムであり、採用に際しての選考のため当該求人企業を視聴承諾先として登録するプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記採用支援サーバには、問い合わせプログラムと、視聴承諾取得プログラムとが実装されており、
問い合わせプログラムは、特定の面接動画ファイルについての視聴要求が特定の求人企業の採用担当者端末から送信された際、当該求人企業に対して当該面接動画ファイルに就職面接が収められている求職者が視聴を承諾するか否かの問い合わせメールを、当該求職者が操作する端末である求職者端末に送信するプログラムであり、
視聴承諾取得プログラムは、問い合わせメールを受信した求職者端末から視聴を承諾する旨の返信を取得した場合に当該求人企業の情報を前記視聴承諾先情報ファイルに記録するプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記記憶部には、前記各面接動画ファイルに就職面接が収められている各求職者についての参照情報を記録した参照情報ファイルと、参照情報の閲覧を承諾した相手の情報である閲覧承諾先情報を記録した閲覧承諾先情報ファイルが記憶されており、
参照情報は、各求職者についての履歴書、就職適性検査結果又はその双方を含んでおり、
前記採用支援サーバには、採用担当者端末が参照情報を当該採用担当者端末に送信して閲覧させる参照情報閲覧プログラムが実装されており、
参照情報閲覧プログラムは、閲覧承諾先情報に含まれる限り、同一の参照情報を異なる求人企業の採用担当者端末に送信して閲覧させるプログラムであり、
参照情報閲覧プログラムは、参照情報を当該参照情報に係る求職者についての前記面接動画ファイルの視聴を要求するボタンとともに採用担当者端末に表示させるプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記記憶部には、課金情報ファイルが記憶されており、
前記採用支援サーバには視聴課金プログラムが実装されており、
視聴課金プログラムは、前記面接動画視聴プログラムが面接情報ファイルを採用担当者端末に送信した際にその旨を課金情報ファイルに記録するプログラムであり、
課金情報ファイルは、求人企業毎に前記面接動画の視聴の対価を集計可能な状態で課金情報を記録しているという構成を有する。
【発明の効果】
【0007】
以下に説明する通り、この出願の請求項1記載の発明によれば、地方の求人企業の採用担当者は求職者の疑似面接の動画を採用担当者端末上で視聴することができ、疑似面接を参考にして選考を行うことができる。疑似面接とはいっても、質問者との受け答えで求職者の印象や人柄、仕事に対する適性等、多くの情報が得られる。このため、より効果的に間違いのない選考を行うことができる。この際、求職者は地方の求人企業まで赴く必要がなく、交通費は発生しない。したがって、全体のコストが安価となる。また、一つの面接動画ファイルを複数の異なる求人企業によってシェアされるので、収録コストの占める割合は相対的に低くなる。さらに、求職者も、わざわざ地方の求人企業まで出かけなくても自分の人柄や仕事に対する適性等を評価してもらえるので、時間の節約等の点で非常に有益となる。
また、疑似面接動画がシェアされるといっても、無制限に視聴が可能な訳ではなく、疑似面接が収録されている求職者の承諾を得てから視聴をさせるので、求職者のプライバシーの点も配慮されている。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、求職者は、疑似面接動画の視聴承諾を登録する際に承諾先がどのような企業であるかを知った上で承諾を登録することができるので、求職者における安心感が増す。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、疑似面接動画の視聴の承諾を承諾先の企業に対する就職の応募という形で行えるので、別途応募の手続きを求職者がする必要はなく、求職者において簡便となる。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、求職者は予め地域を選択して登録しておくだけで当該地域にある求人企業において疑似面接動画を選考の参考情報としてシェアすることができるので、就職を希望する地域のみが決まっていて特定の企業がまだ決まっていないような状態の学生について特に好適となる。この場合も、特定の企業の採用担当者が疑似面接動画を視聴する際には予め問い合わせがあり、承諾した場合に限り視聴がされるので、求職者が視聴を望まない求人企業によって疑似面接動画が視聴されることはなく、この点で好適となる。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、採用担当者は、疑似面接動画の視聴に加え、履歴書及び又は就職適性検査結果を参考情報として閲覧することができるので、自社に適した人材を採用するのがより容易となる。
また、請求項6記載の発明によれば、上記効果に加え、疑似面接動画の視聴に応じて課金することができるので、疑似面接動画の撮影、収録、視聴等にかかるコストの負担をよりリーズナブルにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、第一の実施形態の採用支援システムの概略図である。このシステムは、インターネット10上のサーバ(ウェブサーバ)1によって構成されている。以下、このサーバ1を採用支援サーバないし単にサーバという。
採用支援サーバ1は、記憶部2を備えている。記憶部2は、サーバ1が備えるハードディスク等のストレージの場合もあるし、別途設けられた記憶用のサーバ(ストレージサーバ)の場合もある。採用支援サーバ1は、以下に説明する各種ウェブページを提供するものであり、記憶部2には各ウェブページ用のHTMLファイル(不図示)が記憶されている。また、記憶部2には、各求人企業の情報を記録した求人企業情報ファイル21、各求職者の情報を記録した求職者情報ファイル22等が記憶されている。
【0010】
図1に示すように、採用支援サーバ1は、採用担当者端末3と求職者端末4との双方からインターネット10経由でアクセスを受け付けるものとなっている。採用担当者端末3は、首都圏以外の求人企業において従業員を採用する業務の担当者である採用担当者が操作する端末である。求職者端末4は、就職を希望する者が操作する端末である。就職を希望する者とは、この実施形態では、大卒新人を想定しており、従って大学3〜4年生や大学院生である。尚、各端末は、デスクトップPCが典型的であるが、ノート型やタブレット型のようなモバイルPCであったり、スマートフォンであったりし得る。
【0011】
採用支援サーバ1は、主として地方の企業の採用活動(求職者にとっては就職活動)を支援するサイトをインターネット10上で提供するものとなっている。以下、このサイトを支援サイトと略称する。
図2は、支援サイトのトップページの概略図である。支援サイトは、求職者については会員登録して利用するサイトとなっている。したがって、
図2に示すようにトップページには求職者登録ボタン51、求職者ログインボタン52等が設けられている。
【0012】
採用支援サーバ1には、求職者登録プログラム71が実装されている。求職者登録ボタン51は求職者登録プログラム71の起動ボタンとなっている。求職者登録プログラム71には、氏名、住所、所属大学、所属学部、専攻等の入力欄を求職者端末4に表示し、これらの情報を入力させて送信させ、記憶部2に記憶された求職者情報ファイル22に記録するプログラムとなっている。求職者登録プログラム71が実行されると、求職者IDとパスワードが発行される。
【0013】
求職者情報ファイル22は、就職活動をしている学生の会員の情報を記録したデータベースファイルである。
図3は、求職者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図3に示すように、求職者情報ファイル22は、「氏名」、「住所」、「電話番号」、「メールアドレス」、「所属大学」、「所属学部」、「専攻」等のフィールドからレコードを多数記録したデータベースファイルである。
【0014】
また、記憶部2には、この支援サイトで紹介される求人企業の情報を記録した求人企業情報ファイル21が記憶されている。求人企業情報ファイル21の詳細は図示を省略するが、企業名、本社住所、採用担当部署、採用担当者名等の情報を記録したデータベースファイルとなっている。
尚、求人側の支援サイトの利用は有料である。支援サイトの運営会社(以下、単に運営会社という。)の営業担当者が企業を回って支援サイトの利用を募り、応じてきた企業と契約する形となっている。この契約には、支援サイトへの登録料、後述する面接動画ファイルの視聴料、採用が正式に決まった場合の成功報酬等の支払いが含まれる。
【0015】
運営会社との契約の際、求人企業からは、当該企業の情報(社名、所在地、沿革、業績、会社PR、採用人数)、及び担当者アドレス(採用担当者端末3のメールアドレス)が提供される。運営会社の担当者が操作する管理用端末9は、特別の権限で採用支援サーバ1にアクセスできるようになっており、担当者は管理用端末により採用支援サーバ1経由で記憶部2の求人企業情報ファイルを開き、これらの情報を記録する。
【0016】
尚、求人企業の情報には、求人企業を紹介する動画ファイル(以下、企業紹介ファイルという。)や、求人企業の自社の(公式の)ウェブサイトのURL等が含まれる。これらの情報も記憶部2に記憶されており、採用支援サーバ1上のプログラムにより呼び出されて求職者に対して提供されるようになっている。
また、運営会社と契約すると、求人企業には企業側会員としてのID(求人企業ID)とパスワードが発行される。採用担当者は、求人企業とパスワードにより企業側会員として採用支援サーバ1へのログインが可能となる。
【0017】
この実施形態の採用支援システムの大きな特徴点は、求職者が疑似の就職面接を受けている状況を撮影した面接動画ファイル23が記憶部2に記憶されており、この面接動画ファイル23は、異なる複数の求人企業の採用担当者においてシェアされることが可能となっている点である。シェアされるとは、条件が満たす限り、それら採用担当者が同一の面接動画ファイル23を視聴できるようになっている点である。以下、具体的に説明する。
【0018】
図2に示すトップページにおいて、求職者ログインボタン52をクリック又はタップ(以下、「押す」で総称する。)してログインすると、求職者用のトップページ(以下、求職者トップページ)が表示される。
図3は、求職者トップページの一例を示した概略図である。
図3に示すように、求職者トップページには、面接動画撮影申し込みボタン53、履歴書登録ボタン54、適性検査申し込みボタン55等が設けられている。
【0019】
面接動画撮影申し込みボタン53は、求職者が運営会社に対して疑似の就職面接の動画(以下、疑似面接動画)の撮影を申し込むためのボタンである。面接動画撮影申し込みボタン53には、申し込みページのHTMLファイルがリンクしている。申し込みページの詳細は省略するが、撮影された疑似面接動画は、本人の承諾を条件に求人企業に対して視聴が許可されること、疑似面接動画は求人企業が採用の参考にするものであり、視聴後に採用について問い合わせがあり得ること等を説明する画面が表示され、OKボタンを押すと、申し込みがされるようになっている。
【0020】
申し込みがされると、運営会社の担当者から当該求職者に電子メールで連絡がされるようになっており、その後は、担当者と日程等の調整をして疑似面接動画の撮影、収録を行う。撮影、収録された疑似面接動画のファイル(面接動画ファイル23)は、記憶部2に記憶される。この際、例えば求職者IDを利用したファイル名とし、どの求職者の面接動画ファイル23か識別できるようにする。
【0021】
また、採用支援サーバ1には履歴書登録プログラム72が実装されており、
図3に示す履歴書登録ボタン54を押すと、履歴書登録プログラム72が実行される。履歴書登録プログラム72の詳細は省略するが、履歴書ファイル(PDF又はイメージファイル)を送信させて登録するか、履歴書の各情報を入力させてサーバ上で履歴書ファイルを生成する構成となっている。いずれにしても、履歴書ファイル24が記憶部2に記憶される。同様に、求職者ID等を利用して識別可能なファイル名で各履歴書ファイル24は記憶される。
【0022】
適性検査申し込みボタン55は、面接動画撮影申し込みボタン53と同様で、運営会社の担当者に適性検査の受検を申し込むボタンとなっている。このボタン55が押されると、適性検査の受検のスケジュール等を調整する電子メールが求職者端末4に送られる。運営会社(又は他の業者)が行う適性検査を求職者が受けると、その結果が検査結果ファイル25として作成され、記憶部2に記憶される。同様に、求職者ID等を利用して識別可能なファイル名で各検査結果ファイル25は記憶される。
【0023】
このような求職者の各種情報は、求職者が就職を希望するとして選択された求人企業の採用担当者に対して閲覧可能とされるが、この際、実施形態の採用支援サーバ1は、特定の地域を選択させた上で求人企業を選択させるようになっている。具体的に説明すると、
図3に示すように、求職者トップページには、「エリア選択」と表記されたボタン(以下、エリア選択ボタン)56が設けられている。
【0024】
図3に示すエリア選択ボタン56には、エリア選択ページがリンクしている。エリア選択ページには、都道府県を選択する欄が表示されるようになっており、いずれかの都道府県を選択して送信ボタンを押すと、
図4に例示する地域内企業一覧ページが表示される。
図4は、地域内企業一覧ページの一例を示した概略図である。
図4に示すように、地域内企業一覧ページでは、選択された地域に存在する求人企業がリスト表示されるようになっている。採用支援サーバ1には企業リスト表示プログラム73が実装されており、このプログラム73は、選択された地域に存在する全ての求人企業の情報を求人企業情報ファイル21から取得し、
図4に示すようにリスト表示する。
【0025】
図4に示すように、地域内企業一覧ページのリストの各行には、「詳細情報」と表記されたボタン(以下、詳細閲覧ボタン)57が設けられている。採用支援サーバ1には、求人企業情報表示プログラム74が実装されており、詳細閲覧ボタン57は、求人企業情報表示プログラム74の起動ボタンとなっている。
図5は、求人企業情報表示プログラムによって表示される求人企業詳細ページの一例を示した概略図である。
図4に示す詳細閲覧ボタン57は、当該行に表示された求人企業を指定して求人企業情報表示プログラム74を実行するボタンである。求人企業情報表示プログラム74は、指定された求人企業の詳細情報を求人企業情報ファイル21から取得し、
図5に示す求人企業詳細ページに表示するプログラムである。尚、「紹介動画」と表記されたボタンは、当該求人企業の紹介動画ファイルが記憶部2に記憶されている場合には操作可能なボタンである。この他、図示略であるが、当該求人企業の公式ホームページのURL(ハイパーリンク)もリストに表示されるようになっている。
【0026】
図5に示すように、求人企業詳細ページには、「応募する」と表記されたボタン(応募ボタン)58が設けられている。記憶部2には応募ページのHTMLファイルが記憶されており、応募ボタン58には応募ページがリンクしている。
図6は、求職者端末4に表示される応募ページの一例を示した概略図である。
図6に示すように、応募ページには、氏名、住所、所属大学、学部等の各個人情報の入力欄が設けられている。応募ページを表示する応募ページ表示プログラム75は、ログインの際に保持された求職者IDにより求職者情報ファイル22を検索し、該当するレコードから各情報を取得して各欄に組み込むようプログラミングされている。
【0027】
図6に示すように、応募ページには送信ボタン59が設けられている。送信ボタン59には、この実施形態における視聴承諾先登録プログラム及び閲覧承諾先登録プログラムとして応募プログラム76が埋め込まれている。応募プログラム76は、送信ボタン59に埋め込まれたスクリプトであって求職者端末4上で実行される場合と、採用支援サーバ1に実装されていて送信ボタン59を押すことで実行されるプログラムである場合とがあるが、いずれでも良い。
【0028】
記憶部2には、各求職者からの応募情報を記録した応募情報ファイル26が記憶されている。応募プログラム76は、応募ページの情報を応募情報ファイル26に記録するプログラムとなっている。
図7は、応募情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図7に示すように、応募情報ファイル26は、「応募ID」、「求職者ID」、「求職者氏名」、「求人企業名」、「求人企業ID」、「合否結果」等のフィールドから成るレコードを多数記録したデータベースファイルである。「応募ID」のフィールドは、1件の応募について生成されるIDである。
【0029】
応募プログラム76は、応募IDを新たに生成とともに、応募情報ファイル26に新たなレコードを追加する。そして、応募ページ上の各欄の情報を応募IDとともに応募情報ファイル26の新たなレコードに記録する。尚、送信ボタン59には当該応募ページで表示されている求人企業の求人企業IDが埋め込まれており、これを「求人企業ID」のフィールドに記録する。但し、求職者IDと求人企業IDがそれぞれ一致するレコードが既にある場合、重複するので、レコードの追加せずに終了する。
【0030】
上記説明から解るように、視聴承諾先登録プログラムとして応募プログラム76は、疑似面接動画の視聴を承諾する旨を応募情報ファイル26に記録する。また、閲覧承諾先登録プログラムとしての応募プログラム76は、履歴書や適性検査結果の閲覧を承諾する旨を応募情報ファイル26に記録する。したがって、応募情報ファイル26は、この実施形態において視聴承諾先情報ファイルに該当し、また閲覧承諾先ファイルに該当している。
【0031】
応募プログラム76は、上記応募情報ファイル26への記録の後、通知用電子メールを採用担当者端末3に送信するようプログラミングされている。応募プログラム76は、求人企業IDを検索キーにして求人企業情報ファイル21を検索し、該当レコードの担当者アドレスを読み出す。そして、求職者の応募があった旨を通知する電子メールをメールアドレスに送信するようプログラミングされている。
【0032】
尚、応募ページにおいて、個人情報を表示した各欄は、修正ボタン591を押すことによって編集可能な欄に変更されるようになっている。修正ボタン591は、修正用のページにリンクしており、このページにおいていずれかの欄が変更されると、求職者情報ファイル22の当該レコードが上書きされる。
また、
図6に示すように、応募ページには、求人に対して応募をすると、このサイトで申し込みをして撮影した疑似面接動画が求人企業の採用担当者によって視聴される場合があり、また登録した履歴書や適性検査結果についても採用担当者によって閲覧される場合があることや、送信ボタン59を押して応募すると採用担当者による視聴や閲覧を承諾したことになることなどを注記した注記欄590が設けられている。
【0033】
次に、求人企業による動画視聴、情報閲覧について説明する。
図8は、求人会員トップページの一例を示した概略図である。採用担当者端末3に表示されたトップページにおいて求人企業ログインボタン60を押し、求人企業ID及びパスワードを入力してログインすると、
図8に示す求人会員トップページが表示される。
図8に示すように、求人会員トップページには、「応募状況表示」と表記されたボタン(以下、状況表示ボタン)61が設けられている。採用支援サーバ1には、状況表示プログラム77が実装されており、状況表示ボタン61は状況表示プログラム77の起動ボタンとなっている。
【0034】
図9は、状況表示ページの一例を示した概略図である。状況表示ページは、状況表示ボタン33が押されるか、又は通知用電子メールに記載されたURL(ハイパーリンク)を押すことで表示される。通知用電子メールの詳細は省略するが、
図9に示す採用担当者ページのURLが組み込まれており、採用担当者端末3においてそれを押すことで状況表示ページが表示される。
【0035】
図9に示すように、状況表示ページでは、当該求人企業に対して就職の応募があった求職者の情報がリスト表示されるようになっている。状況表示プログラムは、求人会員IDを引数にして実行されるようになっている。状況表示プログラムは、求人会員IDを検索キーにして応募情報ファイル26を検索し、該当するレコードの値を読み出して
図9に示すようにリスト表示するようプログラミングされている。この際、新たに追加された応募についてはNEW!の表示が付加されるようになっている。例えば、当該採用担当者端末3のクッキーファイルに状況表示ページの閲覧履歴が残るようにしておき、前回の閲覧後に追加された応募についてNEW!の表示が追加されるようにプログラミングされる。
【0036】
図9に示すように、応募状況ページには、「詳細情報」と表記された応募者情報ボタン62と、「履歴書」と表記された履歴書閲覧ボタン63と、「適性検査」と表記された検査結果閲覧ボタン64と、「面接視聴」と表記された面接動画視聴ボタン65とが設けられている。採用支援サーバ1には、応募者情報閲覧プログラム78と、履歴書閲覧プログラム79と、検査結果閲覧プログラム80と、面接動画視聴プログラム81とが実装されている。履歴書閲覧プログラム79及び検査結果閲覧プログラム80は、この実施形態における参照情報閲覧プログラムである。応募者情報ボタン62は応募者情報閲覧プログラム78の実行ボタンであり、履歴書閲覧ボタン63は履歴書閲覧プログラム79の実行ボタンである。また、検査結果閲覧ボタン64は検査結果閲覧プログラム80の実行ボタンであり、面接動画視聴ボタン65は面接動画視聴プログラム81の実行ボタンである。
【0037】
応募者情報ボタン62には、当該行に表示された応募の応募IDが埋め込まれている。応募者情報閲覧プログラム78は、応募IDを検索キーにして応募情報ファイル26を検索し、該当レコードの「求職者ID」の値を取得する。そして、求職者IDで求職者情報ファイル22を検索し、求職者情報ファイル22に記録されている他の個人情報(リストに表示されている以外の個人情報)を別ウインドウで表示する。例えば、応募ページにおいて志望動機をテキストで入力させて送信させ、それを別ウインドウで表示する構成が考えられる。
【0038】
面接動画視聴ボタン65にも応募IDが埋め込まれており、面接動画視聴プログラム81は、応募IDにより応募情報ファイル26から求職者IDを取得する。そして、求職者IDを利用したファイル名である面接動画ファイル23を取得し、それを採用担当者端末3に送って採用担当者端末3上で再生するようプログラミングされている。通常は、面接動画再生用のウインドウを別に開き、そこで再生するようプログラミングされる。尚、面接動画視聴ボタン65に埋め込まれたスクリプトは、面接動画の視聴要求を採用支援サーバ1に送信するものである。このスクリプトは、応募IDも同時に送信するものとなっており、それが、当該視聴要求は視聴が承諾された者からの要求であることを示すものとなっている。
【0039】
履歴書閲覧ボタン63も応募IDが埋め込まれており、履歴書閲覧プログラム79は応募IDを検索キーにして応募情報ファイル26を検索し、該当レコードの「求職者ID」の値を取得する。そして、当該求職者の履歴書ファイル24を採用担当者端末3に送信し、別ウインドウで表示する。検査結果閲覧ボタン64も応募IDが埋め込まれており、同様に求職者IDを取得して当該求職者の検査結果ファイル25を採用担当者端末3に送信し、採用担当者端末3上で別ウインドウにおいて検査結果ファイル25を表示する。
【0040】
尚、履歴書や適性検査結果を表示したウインドウ内にも面接動画視聴ボタンが設けられていると、元のウインドウを再表示しなくても良いので、好適である。したがって、面接動画視聴ボタンを履歴書や適性検査結果とともに表示する例としては、追加される別ウインドウ内に表示するか、元のウインドウ(履歴書閲覧ボタン、検査結果閲覧ボタンが設けられたウインドウ)内に表示するということになる。
【0041】
図9に示すように、応募状況ページには、「合否通知」と表記された欄が設けられている。リストの各行において、この欄にはチェックボックス660が設けられている。また、応募状況ページには、「合否通知送信」と表記されたボタン(合否通知ボタン)66が設けられている。採用支援サーバ1には、合否通知プログラム82が実装されており、合否通知ボタン66は合否通知プログラム82の実行ボタンとなっている。
【0042】
合否通知プログラム82の詳細は省略するが、応募状況ページの合否通知の欄のチェックボックス660がチェックされている行の応募について別ウインドウで改めてリスト表示するプログラムとなっている。このウインドウでは、各応募IDについて合格か不合格かを入力するようになっており、送信ボタンが押されると、応募情報ファイル26の当該応募IDのレコードの「合否結果」のフィールドに真値(合格)又は偽値(不合格)が記録される。そして、「求職者ID」のフィールドの値を取得して求職者情報ファイル22を検索し、「メールアドレス」を取得する。その上で、そのメールアドレスに合格又は不合格の旨を電子メールで知らせるよう合否通知プログラム82はプログラミングされている。
【0043】
また、この実施形態では、面接動画ファイル23の視聴に対して課金がされる仕組みとなっている。具体的に説明すると、採用支援サーバ1には、視聴課金プログラム83が実装されており、記憶部2には、課金情報ファイル27が記憶されている。
図10は、課金情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図10に示すように、課金情報ファイル27は、「応募ID」、「求人企業ID」、「初回視聴日時」等のフィールドから成るレコードを多数記録したデータベースファイルである。
【0044】
視聴課金プログラム83は、前述した面接視聴プログラムのサブプログラムとして実装されている。面接視聴プログラムは、面接動画ファイル23を採用担当者端末3に送り、再生が開始されたのを確認する信号を取得した場合、その日時を「初回視聴日時」のフィールドに記録するようプログラミングされている。例えば、面接動画ファイル23がストリーミング配信で送られる場合、最初のパケットを送信して視聴がされ次のパケットの送信が完了した場合、その信号をログから取得してそれをイベントとして視聴課金プログラム83を実行する。
尚、応募IDは、面接動画視聴ボタン65に埋め込まれているので、それをメモリ変数に保持しておいて課金情報ファイル27に記録する。また、求人企業IDは、ログイン情報として保持されているのでそれを課金情報ファイル27に記録する。
【0045】
このような実施形態の採用支援システムを利用した従業員の採用、求職者にとっての就職の流れについて、以下に概略的に説明する。
運営会社の営業担当者は、地方の企業を中心として営業活動を行い、このシステムを利用する求人企業を募る。そして、応じてきた求人企業と契約し、当該企業の詳細情報をもらうとともに求人企業ID及びパスワードを発行する。運営会社は、多数の求人企業と契約して各求人企業の情報を支援サイトに登録し、各求人企業に求人企業IDとパスワードを登録する。
【0046】
一方、運営会社は、主として大卒新人のために就活用の情報提供サイトを開設しており、このサイトに採用支援サイトがリンクしている。就活をしている学生は、求職者端末4により採用支援サイトにアクセスし、自分の個人情報を入力して求職者として会員登録する。
会員登録の後、求職者(学生)は、面接動画撮影申し込みボタン53を押しで疑似面接動画の撮影を申し込む。当該求職者と運営会社との電子メール等でのやりとりの後、疑似面接動画が撮影され、面接動画ファイル23が記憶部2に記憶される。
【0047】
また、求職者は、履歴書登録ボタン54を押し、採用支援サイト上で情報を入力するか履歴書ファイル24を送信することで自らの履歴書ファイル24を記憶部2に記憶する。
さらに、求職者は、適性検査申し込みボタン55を押し、適性検査の受検を申し込む。適性試験の結果は、検査結果ファイル25として記憶部2に記憶される。
このような行為を多くの求職者が行い、求職者情報ファイル22には多数のレコードが記録される。
【0048】
上述した会員登録の後、面接動画撮影等を受けたある求職者は、求職者端末4によりログインし、求職者トップページにおいてエリア選択ボタン56を押す。そして、任意の地域(都道府県)を選択し、その地域の地域内企業一覧ページを表示する。求職者は、詳細閲覧ボタン57を押して任意の求人企業の詳細情報を閲覧し、就職の検討をする。そして、これはと思うものがあれば、応募ボタン58を押し、応募ページを表示する。そして、応募ページで表示される自分の情報を確認し、修正する必要があれば修正した上で送信ボタン59を押す。これにより、応募プログラム76が起動する。応募情報ファイル26は、応募IDを生成し、応募情報ファイル26に新レコードを追加して各情報を記録する。
【0049】
一方、求人企業の採用担当者は、ログイン後に表示される求人会員トップページにおいて状況表示ボタン61を押し、自社への応募状況を採用担当者端末3上で閲覧する。そして、リストの任意の行の応募者情報ボタン62を押し、応募者の詳細情報を閲覧する。また、履歴書閲覧ボタン63を押してこの応募者の履歴書を閲覧したり、検査結果閲覧ボタン64を押してこの応募者の適性検査の結果を閲覧したりする。さらに、面接動画視聴ボタン65を押し、この応募者の疑似面接動画を視聴する。この際、視聴課金プログラム83が動作し、応募ID、求人企業ID及び初回視聴日時を課金情報ファイル27に記録する。
【0050】
このような情報の閲覧や視聴を行いながら、採用担当者は合否を判断し、その結果を通知する。即ち、応募状況ページにおいて、合否の判断がされた応募者を表示した行の合否通知の欄(チェックボックス)660にチェックを入れ、合否通知ボタン66を押す。その上で、合否の入力をして送信ボタンを押す。この結果、採用支援サーバ1から自動的に電子メールの形で応募者に合否が通知される。
【0051】
上記合否の通知は、一次的な選考結果の通知である。採用担当者は、合格した応募者に対して電話や電子メール等で改めて連絡を取り、正式な面接等の二次選考を行う。そして、最終的に採用が決定すると、その旨が応募者に通知される。
尚、このような動作は、会員登録されている各求人企業及び会員登録した各求職者のそれぞれについて行われる。
【0052】
上記のような動作が繰り返された後、一定期間内で課金情報ファイル27での課金情報が集計され、求人企業に対して料金の請求が行われる。このためのプログラムが、採用支援サーバ1に実装されているか、又は採用支援サーバ1に対して特別の権限でアクセス可能な管理用端末9にインストールされている。
【0053】
管理用端末9を利用する場合を例にして説明すると、管理用端末9は運営会社の担当者(費用請求担当者)が操作する端末となっている。管理用端末9上の料金請求プログラムは、例えば月に一回実行される。料金請求プログラムは、課金情報ファイル27を開き、「初回視聴日時」のフィールドの値が当月内となっているレコードを全て読み出す。そして、求人企業ID毎に件数を集計し、件数に単価を掛けて請求金額とする。この金額が、運営会社から各求人企業に請求される。
【0054】
上記構成及び動作に係る実施形態の採用支援システムによれば、地方の求人企業の採用担当者は、応募者の疑似面接の動画を採用担当者端末3上で視聴することができ、疑似面接を参考にして応募者の一次選考を行うことができる。疑似面接とはいっても、質問者との受け答えで応募者の印象や人柄、仕事に対する適性等、多くの情報が得られる。このため、より効果的に間違いのない選考を行うことができる。この際、応募者が地方の求人企業まで赴く必要がなく、交通費は発生しない。このため、採用にかかるコストは以前に比べて遙かに安価となる。疑似面接動画の視聴に対する運営会社への支払いはあるが、応募者に対して支払う交通費に比べると微々たるものであり、全体のコストは遙かに安価となる。
また、採用担当者は、疑似面接動画の視聴に加え、履歴書及び又は就職適性検査結果を参考情報として閲覧することができるので、自社により適した人材を採用するのが容易となる。
【0055】
運営会社にとっても、疑似面接動画の収録のコストは負担することになるが、一つの面接動画ファイル23を複数の異なる求人企業によってシェアされる、即ち複数の異なる求人企業の採用担当者において視聴可能とするので、視聴した場合にそれぞれについて対価を請求することができる。この結果、収録コストの占める割合は相対的に低くなり、運営会社にとっても有益なシステムとなる。尚、課金情報ファイル27は、疑似面接動画の視聴に応じて課金することを容易にしており、疑似面接動画の撮影、収録、視聴等にかかるコストの負担をよりリーズナブルにすることに貢献している。
【0056】
さらに、求職者である学生においても、わざわざ地方の求人企業まで出かけなくても応募ができ、疑似面接動画を見てもらうことで自分の前向きな姿勢や仕事に対する適性等を評価してもらえるので、非常に有益なものとなる。交通費は求人企業から支給される場合でも、地方まで赴く時間が節約できるので、就活と勉学とを両立させなければならない学生にとって非常に有益である。
【0057】
また、疑似面接動画がシェアされるといっても、無制限に視聴が可能な訳ではなく、疑似面接が収録されている学生(求職者)の承諾を得てから視聴をさせている。この承諾は、誰が視るか(どの求人企業が視るか)という相手を特定した承諾となっている。このため、就活とはいっても、求職者のプライバシーが徒に拡散することはなく、肖像権等の問題が生じることはない。
【0058】
また、上記プライバシー保護の観点では、疑似面接動画の視聴は、ストリーミング配信のように動画ファイルを端末に保存できない状態で行わせることが望ましい。正式に採用が決まった応募者の面接動画ファイル23を自社に保存しておきたいという求人企業の要望も考えられるが、要望を考慮して保存可能とする場合でも、保存についての応募者の承諾を取り、用途も承諾された範囲に制限した状態とすることが望ましい。
【0059】
また、実施形態の採用支援システムでは、求職者が疑似面接動画の視聴承諾を登録する際、詳細閲覧ボタン57を押すことで当該求人企業の詳細情報を閲覧することができるので、承諾先がどのような企業であるかを知った上で承諾を登録することができる。このため、良く分からない企業に自分の疑似面接動画が視聴されるといった不安感はなく、求職者は安心して疑似面接動画の視聴承諾を登録することができる。
尚、疑似面接動画の視聴承諾が当該企業に対する就職の応募という形でされる点は、別途応募の手続きを求職者がする必要はなく、求職者において簡便となっている。
【0060】
次に、第二の実施形態の採用支援システムについて説明する。
図11は、第二の実施形態の採用支援システムの概略図である。
上記第一の実施形態では、疑似面接動画の視聴に際しての求職者の事前の承諾は、当該求人企業への就職の応募の申し込みという形で行われた。第二の実施形態では、これとは異なり、求人企業が疑似面接動画の視聴を申し込み、それに対して求職者が承諾をするという形を取る。この点が異なっている。以下、具体的に説明する。
【0061】
第二の実施形態の支援システムでも、ハードウェアの構成は第一の実施形態と同様である。ソフトウェアの面では、まず、
図11に示すように、求職者が就職先の地域を登録するプログラム(以下、地域登録プログラムという。)84が採用支援サーバ1に実装されている。また、求職者情報ファイル22には地域が登録されるようになっている。
【0062】
第二の実施形態において、求職者トップページには、「就職先地域登録」と表記された地域登録ボタンが設けられている。地域登録ボタンは、地域登録ページにリンクしている。
図12は、地域登録ページの一例について示した概略図である。
図12に示すように、地域登録ページには、都道府県選択欄67が設けられている。この例では都道府県選択欄67はプルダウンリストであるが、都道府県の境界線が示された日本地図(白地図)から選ぶ構成でも良い。
【0063】
地域登録ページに設けられた送信ボタン68は、地域登録プログラム84の起動ボタンとなっている。地域登録プログラム84は、確認用のウインドウを求職者端末4に表示した後、そこに設けられているOKボタンが押された場合、都道府県選択欄67で選択された都道府県の情報を採用支援サーバ1に送信するようプログラミングされている。この実施形態の求職者情報ファイル22には、「登録地域」のフィールドが設けられており、送信された情報は、当該求職者のレコードの「登録地域」のフィールドに記録される。尚、この実施形態では複数の異なる都道府県を一人の求職者が登録できるようになっている。したがって、「登録地域」のフィールドには、異なる複数の都道府県の名前が記録されることもあり得る。
【0064】
このような各求職者の登録地域の情報は、求人企業の採用担当者によって閲覧され得る。このためのページが地域限定ページである。
図13は、地域限定ページの一例を示した概略図である。求人企業会員トップページには、「自社が存在する地域の求職者情報を見る」のような表記のボタン(以下、地域限定ボタンという。)が設けられている。採用支援サーバ1には、地域限定ページ表示プログラムが実装されており、地域限定ボタンを地域限定ページ表示プログラムの起動ボタンとなっている。
【0065】
地域限定ページは、ログインの際に保持した求人企業IDを検索キーにして求人企業情報ファイル21を検索し、当該求人企業のある都道府県の名称を取得する。そして、この名称で求職者情報ファイル22を検索し、「登録地域」にこの名称があるレコードの求職者IDを全て取得する。そして、求職者IDを取得した各レコードについて、「大学名」、「学部名」等の情報を読み取り、地域限定ページに組み込んで採用担当者端末3に送信し、採用担当者端末3に表示する。
【0066】
図13に示すように、地域限定ページには、求職者の情報がマスキングされた状態で表示されるようになっている。この例では、求職者の情報は、大学名、学部名、学部学科(専攻)、性別、出身地のみであり、それ以外は表示されない。
求職者のリストの各行には、問い合わせボタン681が設けられている。採用支援サーバ1には問い合わせプログラム85が実装されており、問い合わせボタン681は問い合わせプログラム85の起動ボタンとなっている。
【0067】
問い合わせボタン681にはその行の求職者の求職者IDが埋め込まれており、問い合わせプログラム85は、求職者IDを引数にして実行される。問い合わせプログラム85は、求職者IDで求職者情報ファイル22を検索し、該当するレコードの「メールアドレス」のフィールドの値を取得する。そして、そのメールアドレスに問い合わせメールを送信するようプログラミングされている。
記憶部2には、問い合わせ情報ファイル28が記憶されている。問い合わせプログラム85が実行されると、問い合わせIDが生成され問い合わせ情報ファイル28にレコードが追加される。
【0068】
図14は、問い合わせプログラム85により求職者に送られる問い合わせメールの一例について示した概略図である。
図14に示すように、問い合わせプログラム85は、当該求職者(電子メールの送信相手)に特定の求人企業から情報の開示要求があった旨を伝え、開示して良いかを問い合わせるメールとなっている。
【0069】
この例では、
図14に示すように、回答を入力するページのハイパーリンク691がメール本文中に埋め込まれるようになっている。
図15は、回答ページの一例を示した概略図である。
図15に示すように、回答ページには、回答選択欄692が設けられている。この例では回答選択欄692はラジオボタンとなっており、氏名、住所等の個人情報のみ開示を承諾する回答、個人情報開示+履歴書開示を承諾する回答、個人情報開示+履歴書開示+疑似面接動画視聴を承諾する回答、個人情報開示+履歴書開示+疑似面接動画視聴+適性検査結果開示を承諾する回答の中から選ぶ欄となっている。また、このページには、問い合わせのあった求人企業の詳細を閲覧するための詳細閲覧ボタン693も含まれており、このボタンを押すことで当該求人企業の詳細を求職者が知り得る。
【0070】
図15に示すように、回答ページには送信ボタン694が設けられている。この送信ボタン694には送信プログラムが埋め込まれており、この送信プログラムはこの実施形態における視聴承諾取得プログラムとなっている。送信ボタン694には問い合わせIDが埋め込まれており、送信プログラムは回答ページの内容を問い合わせ情報ファイル28の該当レコードに記録する。したがって、問い合わせ情報ファイル28は、この実施形態における視聴承諾先情報ファイルとなっている。
【0071】
また、採用支援サーバ1には回答送信プログラム86が実装されている。回答ページ内の送信ボタン694は、回答の記録とともに回答送信プログラム86を実行するボタンとなっている。回答送信プログラム86は、問い合わせをした求人企業の採用担当者に電子メールを送信し、回答を知らせるプログラムとなっている。
【0072】
採用支援サーバ1は、回答に従って当該求職者の情報を閲覧させたり視聴させたりするページを用意している。回答を知らせる電子メールには、このページのハイパーリンクが埋め込まれている。このページには、承諾の内容に応じて、詳細閲覧ボタン、履歴書ボタン、動画視聴ボタン、検査結果閲覧ボタンが組み込まれる。各ボタンによる情報の閲覧や動画視聴は、第一の実施形態と同様なので、省略する。
【0073】
尚、第二の実施形態において、各種情報を閲覧したり疑似面接動画を視聴したりした採用担当者は、当該求職者に対して二次選考に応募するよう要請し得る。この要請は、採用担当者に開示される当該求職者のメールアドレスに対して電子メールで行われたり、又は電話や書状(郵送)で行われたりし得る。
【0074】
この第二の実施形態でも、一人の求職者に対して異なる複数の求人企業からの問い合わせがされ得る。そして、求職者が各求人企業に対して疑似面接動画の視聴を承諾すると、異なる複数の求人企業の採用担当者が疑似面接動画をシェアして視聴することになる。このため、第一の実施形態と同様の効果がもたらされる。
【0075】
この第二の実施形態のシステムは、就職を希望する地方のみが決まっていて特定の企業がまだ決まっていないような状態の学生について特に好適となる。学生は、都道府県を選択して登録しておくだけで良く、求人企業の側から問い合わせがあった際に、当該求人企業の詳細情報を閲覧して疑似面接動画の視聴等を承諾するかどうか検討すれば良い。この検討は、一次選考、二次選考と進んで採用が決定した場合に実際に就職したいと思う企業かどうかの検討が当然ながら含まれる。
【0076】
上記各実施形態では、疑似面接動画の視聴は一次選考の一環として行われ、その後に二次選考が行われるとして説明したが、疑似面接動画の視聴を含む一次選考のみで最終的な採用決定に至る場合もあり得る。
尚、通常の面接では、当該企業への就職志望動機が必ず訊かれるが、疑似面接では複数の異なる求人企業がシェアすることが前提になっているため、特定の企業への就職志望の質問はない。その代わりに、特定の業界への志望動機とか志望する職種などの質問がされる。
また、学生への安心感と面接レベルの担保のため、疑似面接の試験官は、社会保険労務士やキャリアコンサルタント技能士といった人事関連の国家資格者とするのが望ましい。
【0077】
また、上記各実施形態のシステムは地方の求人企業が利用することを前提としているが、首都圏の求人企業の利用を排除するものではない。首都圏の求人企業も会員登録が可能であって、首都圏の求人企業についても企業詳細ページが表示されるようにし、応募ボタンを押して応募できるように構成しても良い。また、首都圏以外というと、大阪のような近畿圏の大都市も含まれるので、近畿圏の企業と近畿圏以外の西日本の地方企業とが利用する態様もあり得る。
尚、各実施形態のシステムは大卒新人の採用のために利用されるとして説明したが、必ずしも大卒新人に限る必要はなく、既卒者の採用、中途採用、その他の採用について本願発明の採用支援システムが利用されることもあり得る。
前記記憶部には、前記各面接動画ファイルに就職面接が収められている各求職者についての参照情報を記録した参照情報ファイルと、参照情報の閲覧を承諾した相手の情報である閲覧承諾先情報を記録した閲覧承諾先情報ファイルが記憶されており、
参照情報は、各求職者についての履歴書、就職適性検査結果又はその双方を含んでおり、
前記採用支援サーバには、採用担当者端末が参照情報を当該採用担当者端末に送信して閲覧させる参照情報閲覧プログラムが実装されており、
参照情報閲覧プログラムは、閲覧承諾先情報に含まれる限り、同一の参照情報を異なる求人企業の採用担当者端末に送信して閲覧させるプログラムであり、
参照情報閲覧プログラムは、参照情報を当該参照情報に係る求職者についての前記面接動画ファイルの視聴を要求するボタンとともに採用担当者端末に表示させるプログラムであることを特徴とする請求項1又は2記載の従業員採用支援システム。
首都圏以外の求人企業において従業員を採用する業務の担当者である採用担当者が操作する採用担当者端末からのアクセスを受け付ける採用支援サーバと、記憶部とを備えており、
記憶部には、各求職者が疑似の就職面接を受けている状況を撮影した各面接動画ファイルと、各面接動画ファイルに就職面接が収められている各求職者の情報を記録した求職者情報ファイルと、各求職者が面接動画の視聴を承諾した相手の情報である視聴承諾先情報を記録した視聴承諾先情報ファイルとが記憶されており、
採用支援サーバには、いずれかの採用担当者端末がアクセスして面接動画の視聴要求を送信した際、視聴を許可して面接動画ファイルを当該採用担当者端末に送信する面接動画視聴プログラムが実装されており、
面接動画視聴プログラムは、採用担当者端末から面接動画の視聴要求が送信された際、当該面接動画ファイルに収められている面接に係る求職者についての視聴承諾先情報を視聴承諾先情報ファイルから取得し、当該視聴要求が視聴承諾先情報に含まれる求人企業の採用担当者が操作する採用担当者端末からの視聴要求である場合に限り視聴を許可して面接動画ファイルを送信して視聴させるプログラムであり、
求人企業の採用担当者端末から送信された際、当該求人企業に対して当該面接動画ファイルに就職面接が収められている求職者が視聴を承諾するか否かの問い合わせメールを、当該求職者が操作する端末である求職者端末に送信するプログラムであり、
視聴承諾取得プログラムは、問い合わせメールを受信した求職者端末から視聴を承諾する旨の返信を取得した場合に当該求人企業の情報を前記視聴承諾先情報ファイルに記録するプログラムであるという構成を有する。
の構成において、前記記憶部には、前記各面接動画ファイルに就職面接が収められている各求職者についての参照情報を記録した参照情報ファイルと、参照情報の閲覧を承諾した相手の情報である閲覧承諾先情報を記録した閲覧承諾先情報ファイルが記憶されており、
参照情報閲覧プログラムは、参照情報を当該参照情報に係る求職者についての前記面接動画ファイルの視聴を要求するボタンとともに採用担当者端末に表示させるプログラムであるという構成を有する。
以下に説明する通り、この出願の請求項1記載の発明によれば、地方の求人企業の採用担当者は求職者の疑似面接の動画を採用担当者端末上で視聴することができ、疑似面接を参考にして選考を行うことができる。疑似面接とはいっても、質問者との受け答えで求職者の印象や人柄、仕事に対する適性等、多くの情報が得られる。このため、より効果的に間違いのない選考を行うことができる。この際、求職者は地方の求人企業まで赴く必要がなく、交通費は発生しない。したがって、全体のコストが安価となる。また、一つの面接動画ファイルを複数の異なる求人企業によってシェアされるので、収録コストの占める割合は相対的に低くなる。さらに、求職者も、わざわざ地方の求人企業まで出かけなくても自分の人柄や仕事に対する適性等を評価してもらえるので、時間の節約等の点で非常に有益となる。
また、疑似面接動画がシェアされるといっても、無制限に視聴が可能な訳ではなく、疑似面接が収録されている求職者の承諾を得てから視聴をさせるので、求職者のプライバシーの点も配慮されている。
記載の発明によれば、上記効果に加え、求職者は予め地域を選択して登録しておくだけで当該地域にある求人企業において疑似面接動画を選考の参考情報としてシェアすることができるので、就職を希望する地域のみが決まっていて特定の企業がまだ決まっていないような状態の学生について特に好適となる。この場合も、特定の企業の採用担当者が疑似面接動画を視聴する際には予め問い合わせがあり、承諾した場合に限り視聴がされるので、求職者が視聴を望まない求人企業によって疑似面接動画が視聴されることはなく、この点で好適となる。
記載の発明によれば、上記効果に加え、採用担当者は、疑似面接動画の視聴に加え、履歴書及び又は就職適性検査結果を参考情報として閲覧することができるので、自社に適した人材を採用するのがより容易となる。
記載の発明によれば、上記効果に加え、疑似面接動画の視聴に応じて課金することができるので、疑似面接動画の撮影、収録、視聴等にかかるコストの負担をよりリーズナブルにすることができる。