(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-103472(P2019-103472A)
(43)【公開日】2019年6月27日
(54)【発明の名称】パック詰めされた卵の撮像装置、検査装置
(51)【国際特許分類】
A01K 43/00 20060101AFI20190607BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20190607BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20190607BHJP
【FI】
A01K43/00
G01N21/88 Z
G01N21/27 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-239862(P2017-239862)
(22)【出願日】2017年12月14日
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】籾井 山太
【テーマコード(参考)】
2G051
2G059
【Fターム(参考)】
2G051AA33
2G051AB01
2G051AB03
2G051AC21
2G051BA05
2G051BB07
2G051CB10
2G051EA11
2G051EA16
2G059AA05
2G059BB11
2G059EE07
2G059EE17
2G059FF01
2G059HH03
2G059HH06
2G059JJ02
2G059KK04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パック詰めされた卵の状態を容易に撮影可能な撮像装置及びパック詰めされた卵の状態を容易に検査可能な検査装置を提供する。
【解決手段】透光性のあるパック越しの卵に励起光を照射する照射部6と、励起光L1により励起され当該励起光L1とは異なる波長の光を発する卵EをパックP1越しに撮影する撮像部7とを備える。また、パック詰めされた卵側から撮像部側へ向かう光のうち、励起光L1により励起されて卵Eが発する光と、励起光L1により励起されてパックP1が発する光及び励起光L1の波長の光とを区別する光調整部8を備える。パック詰めされた卵の検査装置1は、パック詰めされた卵の撮像装置2と、前記撮像部7により撮影された画像に基づいてパック詰めされた卵の状態を判定する判定部9を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性のあるパック越しの卵に励起光を照射する照射部と、
励起光により励起され当該励起光とは異なる波長の光を発する卵をパック越しに撮影する撮像部とを備えたパック詰めされた卵の撮像装置。
【請求項2】
パック詰めされた卵側から撮像部側へ向かう光のうち、励起光により励起されて卵が発する光と、励起光により励起されてパックが発する光及び励起光の波長の光とを区別する光調整部を備える請求項1記載のパック詰めされた卵の撮像装置。
【請求項3】
前記光調整部は、前記撮像部とパック詰めされた卵との間に配置される光フィルタ、または、前記撮像部で撮影された画像を処理するものである請求項2記載のパック詰めされた卵の撮像装置。
【請求項4】
請求項1、2または3記載のパック詰めされた卵の撮像装置と、
前記撮像部により撮影された画像に基づいてパック詰めされた卵の状態を判定する判定部を備えたパック詰めされた卵の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パック詰めされた卵の撮像装置及びパック詰めされた卵の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
卵を選別して包装するGPセンター(Grading and Packing Center)では、卵を所定方向に搬送させ、方向整列、洗卵・乾燥、計量等の所定の処理を施した後、計量結果に基づいた選別・包装処理を行う。そして、所定のパックに詰められた卵は市場に出荷されることとなる。
【0003】
上述したGPセンターでは、搬送されながら卵が受ける種々の検査により、殻に割れのある卵(破卵)や、異物(糞尿や卵の内容物など)が付着した卵など、商品化に不向きな卵について、パックに詰める前の段階で取り除かれている。しかしながら、このような作業で見過ごされたり、前述した検査後の工程において割れや異物の付着が生じたりする可能性も否定できない。そのため、卵をパック詰めした後に再度、検査員がパックの上方から及びパックを裏返して目視による検査を行っているが、この検査には多大な労力が必要となるため、機械化が進められている(例えば、下記特許文献1、2を参照)。
【0004】
特許文献1記載の検査装置は、パックの下部側に向けて近赤外線を照射して、いわゆる中身漏れ(卵殻の割れから卵白や卵黄がパック内に流出した状態)を撮影したり、卵殻に穴が開いた状態を近赤外線の反射を利用して撮影している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−47号公報
【特許文献2】特許第5899553号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、卵が収容されるパックは、卵の形に沿うように卵座が形成されている。そして、この卵座には、パックが薄い素材で作られても強度が低下しないように、多数の凹凸が設けられている。このようなパックに向かって光を照射すると、その反射光により、いわゆるぎらつきが生じてしまう。そのため、ぎらつきの内側に存在するパックの内部の様子が隠れてしまい、正確な検査結果が得られないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような不具合に着目したものであり、パック詰めされた卵の状態を容易に撮影可能な撮像装置及びパック詰めされた卵の状態を容易に検査可能な検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパック詰めされた卵の撮像装置は、透光性のあるパック越しの卵に励起光を照射する照射部と、励起光により励起され当該励起光とは異なる波長の光を発する卵をパック越しに撮影する撮像部とを備える。
【0009】
「透光性のあるパック」とは、パックを通して向こう側の形状等をある程度認識できるようなものであればどのようなものであってもよく、例えば、光の透過率が極めて高い透明の容器の他、着色された透明(有色透明)の容器であってもよい。
【0010】
パック詰めされた卵の撮像装置は、さらに、パック詰めされた卵側から撮像部側へ向かう光のうち、励起光により励起されて卵が発する光と、励起光により励起されてパックが発する光及び励起光の波長の光とを区別する光調整部を備えるものが好ましい。
【0011】
前記光調整部の具体的な一態様としては、前記撮像部とパック詰めされた卵との間に配置される光フィルタ、または、前記撮像部で撮影された画像を処理するものが挙げられる。
【0012】
本発明のパック詰めされた卵の検査装置は、パック詰めされた卵の撮像装置と、前記撮像部により撮影された画像に基づいてパック詰めされた卵の状態を判定する判定部を備える。
【0013】
「パック詰めされた卵の状態」とは、いわゆる汚卵(卵殻への異物付着)や破卵など、卵殻の状態に関するもの以外にも、パック内への異物混入やいわゆる卵抜け(卵が収容されるべきパック内の卵座に卵が収容されていない状態)も含まれる。本発明の検査装置は、これらのうち少なくとも一つの状態を検査するものであればよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、パック詰めされた卵の状態を容易に撮影可能な撮像装置及びパック詰めされた卵の状態を容易に検査可能な検査装置を提供できる。
【0015】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態を示すパック詰めされた卵の検査装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、
図1を用いて説明する。
【0018】
本実施形態にかかるパック詰めされた卵の撮像装置2は、透光性のあるパックP1に卵Eが収容された状態である「パック卵P」を撮影するものである。また、卵の撮像装置2を含む本実施形態のパック詰めされた卵の検査装置1は、パック卵Pを検査するものである。
【0019】
パック卵Pは、パックP1と、このパックP1に所定個数詰められた卵Eを備える。パックP1は、卵Eの下部側を収容する本体P2と、この本体P2の上方に配置される蓋P3とを備える。本体P2と蓋P3とは、ヒンジP4を介して連結されており、無色透明の合成樹脂(例えば、PET:ポリエチレンテレフタレート)により一体成形されているこの分野でよく知られたものである。本体P2は、複数個の卵座P5を備えている。各卵座P5は、卵Eの形に沿うように形成されたくぼみであり、この卵座P5には、パックが薄い素材で作られても強度が低下しないように、多数の凹凸(図示しない)が設けられている。
【0020】
パック詰めされた卵の検査装置1は、この分野でよく知られた卵の包装装置(図示しない)の下流側に配置され、所定の検査位置に位置付けられたパック卵Pを検査するものである。パック詰めされた卵の検査装置1は、照射部6と、撮像部7と、光調整部8と、判定部9とを備えている。言い換えれば、パック詰めされた卵の検査装置1は、パック詰めされた卵の撮像装置2と、判定部9とを備えている。
【0021】
照射部6は、透光性のあるパック越しの卵Eに励起光を照射するものである。励起光は、卵殻色素(プロトポルフィリン)の中の電子を励起させ得る波長を含むものであり、本実施形態の照射部6は、励起光として紫外線L1を照射する。例えば、400nm付近の波長にピークを有する光を発する紫外線LEDである。紫外線L1は、図では一点鎖線で示している。照射部6は、パック卵Pの下面側に向かって斜めから照射するものである。なお、本明細書で「紫外線」とは、紫外線に隣接する波長(400nm付近の短波長)の可視光線も含む。
【0022】
本実施形態では、照射部6から放出される光成分のうち、後述する卵殻の蛍光L3と似た波長を遮断/抑制するために、照射部6側にも520nm以上の波長をカットする光フィルタ61を配置している。これにより、照射部6から520nmより短い波長のみがパック越しの卵Eに照射されるように調整されている。
【0023】
撮像部7は、紫外線L1により励起されて紫外線L1とは異なる波長の光を発する卵Eをパック越しに撮影するものである。紫外線L1に励起された卵殻は、600nm〜700nmの波長、具体的には610nm付近と670nm付近の波長にそれぞれ発光ピークを持つ赤色の蛍光L3を発する。すなわち、本実施形態での「励起光とは異なる波長の光」とは、この蛍光L3を指す。蛍光L3は、図では実線で示している。撮像部7は、この赤色の蛍光L3を検出可能なものであればどのようなものであってもよく、本実施形態ではモノクロカメラを用いている。撮像部7は、パックP1の真下に配置されており、カメラのレンズが真上に向くように設定されている。
【0024】
光調整部8は、パック詰めされた卵E側から撮像部7側へ向かう光のうち、励起光の波長の光をカット(遮断または抑制)するものである。光調整部8は、卵殻の蛍光L3のみが撮像部7へ入射するように、言い換えれば、蛍光L3以外の光をカットした画像を作成するものである。反射光L21は、入射光(紫外線L1)と同じ波長であり、図では一点鎖線で示している。光調整部8は、紫外線L1で励起されて卵殻表面で発光する600nm〜700nmの波長に発光ピークを持つ赤色光を透過させ、かつ、600nmより短い波長を有するパック関連光L2を減光するものである。光調整部8は、例えば、600nm以下の波長をカットする光フィルタである。光調整部8は、卵Eと撮像部7との間、具体的には、撮像部7のレンズに隣接して設けられている。
【0025】
なお、本実施形態の光調整部8は、紫外線L1で励起されてパック表面で発光する緑色光(パックP1の蛍光L22)を含むパック関連光L2の撮像部7への入射も抑制するものである。言い換えれば、本実施形態の光調整部8は、励起光(紫外線L1)により励起されて卵Eが発する光(蛍光L3)と、励起光(紫外線L1)により励起されてパックP1が発する光(パックP1の蛍光L22)及び励起光(紫外線L1)の波長の光(反射光L21)とを区別するものである。パックP1の蛍光L22は、図では破線で示している。
【0026】
判定部9は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部等の専用ないし汎用のコンピュータにより構成されている。そして、内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUやその他の周辺機器が協働することによって、判定部9としての機能が発揮される。本実施形態の判定部9は、撮像部7で撮影された画像に基づいてパック詰めされた卵Eの状態を判定するものである。具体的には、卵E(卵殻)は赤色に発光し、それ以外の部分は発光しないか、発光しても光調整部8によりパックP1の緑色の発光は撮影されない、または、紫外線L1が反射しても光調整部8により紫外線L1の反射光L21が撮影されないので、撮影された画像のうち、卵Eはまわりの部分に比べて明るく表れる。
【0027】
汚卵の場合、卵殻表面上の汚れによって卵殻の蛍光L3が遮断/抑制されるため、汚れの部分が卵E全体に比べて暗く表れる。破卵の場合、発光する卵殻が存在しないため、穴があいた部分が卵E全体に比べて暗く表れる。パックP1内への異物混入の場合、卵殻と撮像部7との間に異物が存在することで卵殻の蛍光L3が遮断/抑制されるため、異物の存在する部分がそれ以外の部分に比べて暗く表れる。卵抜けの場合、発光する卵殻が全く存在しないため、まわりと同様に暗く表れる。
【0028】
判定部9は、卵Eの存在する内側の領域に暗く表れる部分が存在する場合に、パック詰めされた卵Eの状態が上述したいずれかの理由(汚卵/破卵/パック内への異物混入)により正常ではなく、商品化に不向きなパック卵Pであると判定する。また、判定部9は、卵Eの存在を検知できない場合(明るく表れる部分が存在しない場合)に、卵抜けの状態であり、商品化に不向きなパック卵Pであると判定する。
【0029】
なお、卵Eの存在する「明るく表れる箇所」と、そのまわりの「暗く表れる箇所」との切り分け、または、卵Eの存在する「明るく表れる箇所」と、その内側の領域で「暗く表れる箇所」との切り分けは、内部メモリに予め設定しておいた閾値を使って2値化処理を行うなど、この分野でよく知られた種々の方法を用いて行うことができる。
【0030】
以上に説明したように、本実施形態にかかるパック詰めされた卵の撮像装置2は、透光性のあるパック越しの卵Eに励起光(紫外線L1)を照射する照射部6と、励起光(紫外線L1)により励起され当該励起光とは異なる波長の光(蛍光L3)を発する卵Eをパック越しに撮影する撮像部7とを備えた。そのため、従来の反射光を使った場合に比べてより好ましくパックP1の内部の様子を撮影できる。なお、卵殻色によらずに好適に撮影可能である。
【0031】
また、パック詰めされた卵E側から撮像部7側へ向かう光のうち、励起光(紫外線L1)により励起されて卵Eが発する光(蛍光L3)と、励起光(紫外線L1)により励起されてパックP1が発する光(パックP1の蛍光L22)及び励起光(紫外線L1)の波長の光(反射光L21)とを区別する光調整部8を備える。そのため、多数の凹凸が設けられているパックP1に向かって光を照射したときに生じるぎらつきを抑制しながら、パックP1の内部の様子を撮影できる。
【0032】
特に本実施形態の光調整部8は、前記励起光とは異なる波長の光(蛍光)以外の光をカットするものである。言い換えれば、光調整部8は、紫外線L1で励起されて卵殻表面で発光する600nm〜700nmの波長に発光ピークを持つ赤色光を透過させ、かつ、600nmより短い波長を有するパック関連光L2を減光するものである。
【0033】
さらに、光調整部8は、紫外線L1で励起されてパック表面で発光する緑色光を含むパック関連光L2の撮像部7への入射を抑制するものである。言い換えれば、光調整部8は、少なくとも励起光の波長(400nm付近)の光をカットするとともに、それに隣接するパックP1の蛍光L22の波長の光(特に緑色光)の光もカットする。そのため、パックP1の蛍光L22は捉えずに、卵殻の蛍光L3のみを検出することができる。
【0034】
前記光調整部8は、前記撮像部7とパック詰めされた卵Eとの間に配置される光フィルタであるので、撮影後の複雑な画像処理などが不要となる。
【0035】
本実施形態のパック詰めされた卵の検査装置1は、パック詰めされた卵の撮像装置2と、前記撮像部7により撮影された画像に基づいてパック詰めされた卵の状態を判定する判定部9を備えた。言い換えれば、このパック詰めされた卵の検査装置1は、透光性のあるパック越しの卵Eに紫外線L1を照射する照射部6と、紫外線L1により励起されて蛍光L3を発する卵Eを撮影する撮像部7と、パックP1からの反射光L21を含むパック関連光L2の撮像部7への入射を抑制する光調整部8と、撮影された画像に基づいてパックP1詰めされた卵Eの状態を判定する判定部9とを備えた。そのため、従来の反射光を使った場合に比べてより好ましくパックP1の内部の状態を検査できる。また、従来、検査員が1個ずつ裏返しながら目視で確認していた作業を自動化させることができる。
【0036】
本実施形態の照射部6は、360nm〜410nmの波長を有する光を発するものである。300nm〜500nmの波長であれば、卵殻中のプロトポルフィリンによる蛍光L3が観察可能であるが、その中でも360nm〜410nmの波長は、卵殻中のプロトポルフィリンによる蛍光L3が特に観察しやすい波長であることを本発明者は発見した。また、360nmより短い波長では、紫外線L1をパックP1に照射した際にパック素材原料であるPETが発する光(パックP1の蛍光L22)の影響が大きくなるため、パック越しの卵Eに照射するには、360nm以上の波長にピークを有する光が好ましい。
【0037】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0038】
パック詰めされた卵の撮像装置は、判定部と一緒に用いられるものには限られない。さらに、パック詰めされた卵の撮像装置は、光調整部を備えていないものであってもよい。光調整部は、少なくとも励起光により励起されて卵が発する光と励起光の波長の光とを区別するものであればよい。
【0039】
光調整部は、撮像部に隣接させて設けられた光フィルタには限られない。例えば、撮像部として、カラーカメラやマルチスペクトルカメラ、ハイパースペクトルカメラなどを用いた場合には、光調整部は、いったん撮像部で撮影された画像を処理するものが好ましい。このようなものであっても、上述したのと同様に、励起光とは異なる波長(例えば蛍光)以外の光をカットした画像を作成することができる。また、光フィルタの場合であっても、上述した実施形態のような光学条件のものには限られず、その配置場所も種々変更可能である。
【0040】
照射部は、卵殻を励起し得る波長を含んだものであればどのようなものであってもよく、上述した400nm付近の波長にピークを有する光を発する紫外線LEDには限られない。また、照射部の配置される場所や、照射する向きも図示したものには限られない。
【0041】
上述した実施形態では、照射部が紫外線の他に600nm〜700nmの波長も含む光も同時に放出するものであるため、照射部側にも光フィルタを配置したが、このような波長を含まない照射部を用いれば光フィルタは必要ない。
【0042】
パック卵の検査装置は通常、蓋を開けた状態で検査を行うが、蓋を閉じた後に検査を行ってもよい。さらに、蓋を閉じた後に上側から検査を行ってもよい。その際に検査する「パック詰めされた卵の状態」とは、上述した汚卵や破卵、異物混入や卵抜けの他に、ラベルが適切にパック内に配置されているか否か、または、豆シールが適切に卵に貼られているか否か等であってもよい。他にも、パック卵の側面側から撮影を行ってもよい。複数の方向からの撮影を行うことで、検査精度を向上させることができる。
【0043】
パックは、内部にラベルが配置されていたり、卵に豆シールが貼り付けされたりしていてもよい。パックは、図示したものに限られず、その色や形状もどのようなものであってもよい。例えば、無色透明なものには限られない。また、卵座の個数は図示したものに限られないし、図では、蓋の天面が平坦な「フラットパック」を示したが、蓋にも卵の形状に沿ったくぼみや、そのくぼみに多数の凹凸が設けられた「レギュラーパック」であってもよい。
【0044】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、パック詰めされた卵の状態を検査する検査装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…パック詰めされた卵の検査装置
2…パック詰めされた卵の撮像装置
6…照射部
7…撮像部
8…光調整部
9…判定部
L1…励起光(紫外線)
L3…励起光とは異なる波長の光(蛍光)
P1…パック
E…卵