【解決手段】消臭成分と有機溶剤とを含有するエアゾール原液、及び噴射剤を封入してなる定量噴射バルブが設けられた耐圧容器と、定量噴射バルブに接続される噴射口が設けられた噴射ボタンと、を備えた消臭用エアゾールであって、噴射ボタンを1回押下したときの噴射容量が0.1〜0.4mLとなり、且つ噴射距離20cmにおける噴射力が25℃において0.3〜10.0g・fとなるように調整され、噴射ボタンを1回押下して耐圧容器内のエアゾール原液を2.5〜3.5m
前記消臭成分は、アルカリ性ガスと反応して中和することができる植物性消臭成分及び酸性ガスと反応して中和することができる植物性消臭成分の混合物、又はアルカリ性ガス及び酸性ガスの何れとも反応して中和することができる植物性消臭成分を含む請求項1又は2に記載の消臭用エアゾール。
前記噴射ボタンを押下して前記耐圧容器内の前記エアゾール原液を噴射したときに形成される噴射粒子は、25℃、噴射距離15cmにおける体積積算分布での90%粒子径が40〜60μmである請求項1〜3の何れか一項に記載の消臭用エアゾール。
前記耐圧容器に封入される前記エアゾール原液(a)と前記噴射剤(b)との容量比率(a/b)は、10/90〜50/50である請求項1〜4の何れか一項に記載の消臭用エアゾール。
前記エアゾール原液の気中濃度は、噴射から120秒後までに、前記処理空間の95%以上において0.0007ppm以上となる請求項1〜10の何れか一項に記載の消臭用エアゾール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、薬剤粒子を速やかに処理空間に拡散させ、その後すばやく芳香剤の香りを消失させる手法は、継続的に発生する悪臭に対しては消臭効果を十分に及ぼすことができず、結果的に消臭が不完全となり得る。かといって、一般住宅等のトイレは2.5〜3.5m
3程度の狭小な空間であるため、処理空間に放出する薬剤粒子の量を増やすことは、処理空間内にいる使用者に薬剤粒子の芳香を強く感じさせ、特に、強い芳香を好まない消費者に不快感を抱かせる懸念がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、トイレ等の処理空間において即効性、及び持続性に優れた消臭効果を発揮することができる消臭用エアゾールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る消臭用エアゾールの特徴構成は、
消臭成分と有機溶剤とを含有するエアゾール原液、及び噴射剤を封入してなる定量噴射バルブが設けられた耐圧容器と、
前記定量噴射バルブに接続される噴射口が設けられた噴射ボタンと、
を備えた消臭用エアゾールであって、
前記噴射ボタンを1回押下したときの噴射容量が0.1〜0.4mLとなり、且つ噴射距離20cmにおける噴射力が25℃において0.3〜10.0g・fとなるように調整され、
前記噴射ボタンを1回押下して前記耐圧容器内の前記エアゾール原液を2.5〜3.5m
3の処理空間に噴射したとき、噴射された前記エアゾール原液の50容量%以上が60分以内に前記処理空間内の露出部に付着する付着性粒子を形成するように構成されていることにある。
【0008】
トイレでの悪臭は処理空間の気中に滞留しているだけではなく、壁面、床面等に飛散し付着した尿等の悪臭源から継続的に発生している。本発明者らは、壁面等に付着している悪臭源から発生する悪臭に対する消臭効果を高めることが、トイレでの悪臭に対する消臭効果の向上に繋がると考えた。そこで、本発明に係る消臭用エアゾールでは、処理空間に噴射されたエアゾール原液の50容量%以上が、付着性粒子を形成するものとした。付着性粒子とは、消臭用エアゾールからエアゾール原液を2.5〜3.5m
3の処理空間に噴射したときに形成される噴射粒子のうち、噴射後60分以内に処理空間内の露出部(例えば、トイレ空間内に存在する床面や壁面、便器等の構造物の表面等)に付着する粒子である。このため、露出部に付着している悪臭源から発生する悪臭、及び処理空間の気中に滞留している悪臭の両方を効果的に消臭することができ、処理空間全体の消臭効果を向上させることができる。また、付着性粒子以外の噴射粒子(これを、「浮遊性粒子」と称する。)が処理空間全体に満遍なく拡散しても、処理空間中のエアゾール原液の濃度は付着性粒子の分だけ低減される。そのため、処理空間内にいる使用者がエアゾール原液の粒子を吸入する量は極微量となり、エアゾール原液自体から過剰な芳香を感じることを抑制することができる。また、本発明に係る消臭用エアゾールは、噴射ボタンを1回押下したときの噴射容量が0.1〜0.4mLとなり、且つ噴射距離20cmにおける噴射力が25℃において0.3〜10.0g・fとなるように調整されている。このように噴射容量、及び噴射力を調整することで、適切なサイズの付着性粒子を形成することができ、トイレ等の処理空間での優れた消臭効果を奏することができる。
【0009】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、
前記噴射ボタンを押下して前記耐圧容器内の前記エアゾール原液を噴射したときに形成される噴射粒子は、25℃、噴射距離15cmにおける体積積算分布での90%粒子径が40〜60μmであるであることが好ましい。
【0010】
噴射粒子の粒子径を上記の最適な範囲に調整することによって、噴射粒子の一部が付着性粒子となり、残りが浮遊性粒子となる。このため、本構成の消臭用エアゾールによれば、処理空間の気中に漂う悪臭と、露出部に付着している悪臭源から生じる悪臭との何れも消臭することができる。
【0011】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、
前記耐圧容器に封入される前記エアゾール原液(a)と前記噴射剤(b)との容量比率(a/b)は、10/90〜50/50であることが好ましい。
【0012】
本構成の消臭用エアゾールによれば、エアゾール原液(a)と噴射剤(b)との容量比率(a/b)が上記の範囲である場合、噴射されるエアゾール原液より形成される付着性粒子と浮遊性粒子とのバランスが最適となる。これにより、付着性粒子は確実に処理空間内の露出部に到達することができ、また、浮遊性粒子は過剰な芳香により不快感を与えない程度の量で処理空間を浮遊することができる。このように、付着性粒子、及び浮遊性粒子が夫々最適な状態で存在し、夫々の役割を分担して消臭成分の効果を最大限発揮することができる。
【0013】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、
前記有機溶剤は、高級脂肪酸エステル、及びアルコール類からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0014】
本構成の消臭用エアゾールによれば、有機溶剤として、高級脂肪酸エステル、又はアルコール類を使用することで、各成分の効果を効率良く発揮させることができる。また、エアゾール原液を噴射した場合、付着性粒子、及び浮遊性粒子をバランスよく形成することができ、消臭効果が安定したものとなる。
【0015】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、
前記消臭成分は、植物抽出物、及びハーモナイズド香料を含むことが好ましい。
【0016】
本構成の消臭用エアゾールによれば、トイレにおける糞尿臭等の悪臭にハーモナイズド香料が調和して、悪臭を良い香りと認識させる感覚的消臭の効果を得ることができる。
【0017】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、
前記噴射口は、0.2〜1.0mmの噴口径を有することが好ましい。
【0018】
本構成の消臭用エアゾールによれば、噴口径が上記の範囲である場合、噴射されるエアゾール原液より形成される付着性粒子と浮遊性粒子とのバランスがより最適化される。
【0019】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、
前記エアゾール原液は、さらに青葉アルコール及び/又は青葉アルデヒドを含むことが好ましい。
【0020】
本構成の消臭用エアゾールによれば、疲労・ストレスの軽減等のリラックス効果が期待される青葉アルコールや青葉アルデヒドをエアゾール原液に含有させることにより、消臭用エアゾールからエアゾール原液を噴射した処理空間をより快適な空間とすることができる。
【0021】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、
噴射された前記エアゾール原液は、120秒後までに前記処理空間全体に拡散することが好ましい。
【0022】
本構成の消臭用エアゾールによれば、噴射されたエアゾール原液が120秒以内に処理空間全体に満遍なく拡散するため、人の通常のトイレ利用時間内に天井付近に滞留する悪臭、及び床面付近に滞留する悪臭の何れに対しても、即効性に優れた消臭効果を発揮することができる。
【0023】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、前記エアゾール原液の気中濃度は、噴射から120秒後までに、前記処理空間の95%以上において0.0007ppm以上となることが好ましい。
【0024】
本構成の消臭用エアゾールによれば、エアゾール原液の気中濃度が、噴射から120秒後までに、処理空間の95%以上において0.0007ppm以上となるため、処理空間の天井付近から床面付近まで偏りなく付着性粒子を形成することができる。
【0025】
本発明に係る消臭用エアゾールにおいて、
前記処理空間は、トイレであることが好ましい。
【0026】
本構成の消臭用エアゾールによれば、トイレの壁面、床面、便器等の露出部に付着性粒子が付着することで、露出部に付着している悪臭源から生じる悪臭に対して、持続的な消臭効果を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の消臭用エアゾールは、消臭成分と有機溶剤とを含有するエアゾール原液、及び噴射剤を封入してなる定量噴射バルブが設けられた耐圧容器と、定量噴射バルブに接続される噴射口が設けられた噴射ボタンとを備え、噴射ボタンを押下して耐圧容器内のエアゾール原液を噴射したときに、噴射されたエアゾール原液の50容量%以上を付着性粒子として形成することができる。付着性粒子とは、消臭用エアゾールからエアゾール原液を2.5〜3.5m
3の処理空間に噴射したときに形成される噴射粒子のうち、噴射後60分以内に処理空間内の露出部に付着する噴射粒子である。以下、本発明の消臭用エアゾールについて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
【0029】
<エアゾール原液>
[消臭成分]
エアゾール原液の一つの主成分である消臭成分は、植物性消臭成分、及びハーモナイズド香料を含むことが好ましい。植物性消臭成分は、悪臭を呈する臭気物質と反応して悪臭を消臭する、所謂、化学的消臭効果をもたらす。そのような植物性消臭成分として、シナレンギョウ、イチョウ、イチジク等の抽出物が好適に選択される。これらの植物性消臭成分は、単独又は混合状態の何れでも使用可能である。特に、植物性消臭成分には、酸性ガス及びアルカリ性ガスの何れとも反応して中和するものを使用することが好ましい。あるいは、酸性ガスを中和する植物性消臭成分と、アルカリ性ガスを中和する植物性消臭成分とを混合して使用してもよい。
【0030】
ハーモナイズド香料は、糞尿臭等の悪臭を香り構成要素の一つとして取り込むことで良い香り(香気)に転換することを意図して調香された香料である。そのため、ハーモナイズド香料は、香りの構成要素の一つとした悪臭が存在する環境で嗅ぐことで、人に良い香りとして知覚されるという、感覚的消臭効果をもたらす。以下、感覚的消臭効果により、悪臭による不快感が軽減されることを、悪臭がハーモナイズされると表現する。
【0031】
[有機溶剤]
エアゾール原液のもう一つの主成分である有機溶剤は、上記の消臭成分を溶解してエアゾール原液を調製することができ、また、調製したエアゾール原液を処理空間に噴射したとき、最適な粒子を形成し得るものが使用される。有機溶剤としては、高級脂肪酸エステル、及びアルコール類が好ましい。高級脂肪酸エステルとしては、炭素数の総数が16〜20のものが好ましく、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル等が挙げられる。これらのうち、ミリスチン酸イソプロピルが特に好適である。アルコール類としては、炭素数が2〜3の低級アルコールが好ましく、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロパノールが挙げられる。これらのうち、エタノールが特に好適である。有機溶媒には、例えば、n−パラフィン、及びイソパラフィン等の炭化水素系溶剤や、炭素数3〜6のグリコールエーテル類、及びケトン系溶剤等を混合することもできる。
【0032】
[その他の成分]
本発明の消臭用エアゾールは、上記成分に加え、芳香剤、カビ類や菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、安定化剤、帯電防止剤、消泡剤、賦形剤等をエアゾール原液に適宜配合することもできる。例えば、エアゾール原液が芳香剤を含有することで、芳香剤の香気により処理空間に漂う悪臭をマスキングすることができる。芳香剤としては、オレンジ油、レモン油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、シトロネラ油、ライム油、ユズ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油、リモネン、α−ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンジルアセテート等の芳香成分、「みどりの香り」と呼ばれる青葉アルコール(cis−3−hexenol)や青葉アルデヒド配合の香料成分等が挙げられる。芳香剤の配合によりエアゾール原液をシトラス、ローズ、及びラベンダー等の香調とすることで、消費者の嗜好性を満たすことができる。また、疲労・ストレスの軽減等のリラックス効果が期待される青葉アルコールの配合により、消臭用エアゾールをトイレに噴射した際に、トイレをより快適な空間とすることができる。防カビ剤、抗菌剤、及び殺菌剤としては、ヒノキチオール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリホリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール等が挙げられる。
【0033】
<噴射剤>
本発明の消臭用エアゾールで用いる噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等が挙げられる。上記の噴射剤は、単独又は混合状態で使用することができるが、LPGを主成分としたものが使い易い。
【0034】
本発明の消臭用エアゾールは、エアゾール原液(a)と噴射剤(b)との容量比率(a/b)が、10/90〜50/50となるように調整される。このような範囲に調整すれば、噴射されたエアゾール原液の少なくとも一部を付着性粒子として形成することができる。これにより、付着性粒子は確実に処理空間内の露出部に到達することができ、また、浮遊性粒子は過剰な芳香により不快感を与えない程度の量で処理空間を浮遊することができる。また、付着性粒子と浮遊性粒子との両方が形成される場合は、両者のバランスが最適となる。このように、付着性粒子、及び浮遊性粒子は夫々が最適な状態で存在し、夫々の役割を分担して消臭効果を最大限発揮することができる。容量比率(a/b)を10/90より小さくする、つまり、耐圧容器内に封入する噴射剤(b)の割合を大きくすると、噴射されるエアゾール原液が必要以上に微細化されるため、付着性粒子が減少する。これにより、処理空間内の露出部に付着する付着性粒子が不足するため、露出部に付着している悪臭源から継続的に発生する悪臭を十分に消臭することができず、消臭効果の持続性が不足する場合がある。一方、容量比率(a/b)を50/50より大きくする、つまり、耐圧容器内に封入する噴射剤(b)の割合を小さくすると、噴射されるエアゾール原液を最適な範囲の粒子径を有する付着性粒子、及び浮遊性粒子として形成することが困難となるため、エアゾール原液は噴射されるとすぐに沈降する。そのため、処理空間を浮遊する浮遊性粒子が量的に不足し、悪臭を速やかに消臭することが困難になる。
【0035】
<消臭用エアゾール>
上記のように、消臭成分、有機溶剤、噴射剤、その他必要に応じて配合される成分を選択し、これらを耐圧容器に封入することで、エアゾール製品が完成する。このエアゾール製品は、本発明の消臭用エアゾールであり、処理空間にエアゾール原液を噴射するものである。エアゾール原液は、主に、消臭成分と有機溶剤とから構成されるものであり、厳密には噴射剤とは別のものであるが、エアゾール原液は噴射剤と同時に耐圧容器の外部に放出されるため、以降の説明では、エアゾール原液及び噴射剤を含むエアゾール内容物を「エアゾール原液」として取り扱う場合がある。
【0036】
ここで、本発明に係る消臭用エアゾールが備える噴射バルブについて説明する。本発明に係る消臭用エアゾールは、主に、耐圧容器(エアゾール容器)、定量噴射バルブ、及び噴射ボタンから構成されている。定量噴射バルブには、エアゾール原液を噴射するための作動部である噴射ボタンが接続されてあり、噴射ボタンには、エアゾール原液がエアゾール容器から外部(処理空間)へ噴出する噴射口が設けられてある。
【0037】
消臭用エアゾールの噴射ボタンを1回押下した場合、噴射剤の圧力によって定量噴射バルブが作動し、耐圧容器内のエアゾール原液が噴射口に上昇し、処理空間に噴射される。このときのエアゾール原液の噴射容量は、0.1〜0.4mLに調整され、より好ましくは0.2〜0.4mLに調整される。このような範囲であれば、エアゾール原液の少なくとも一部が付着性粒子として形成される。また、付着性粒子、及び浮遊性粒子の両方が形成される場合は、夫々が、処理空間において最適に消臭効果を発揮し得るようにバランス良く形成される。噴射容量が0.1mL未満であれば、噴射容量が少なすぎるため、付着性粒子が処理空間内の露出部に十分に付着せず、露出部に付着している悪臭源から継続的に発生する悪臭を消臭することが困難となる。また、浮遊性粒子も少なくなるため、処理空間で気中に漂う悪臭に対する消臭も不十分となる。一方、噴射容量が0.4mLを超えると、処理空間に必要以上にエアゾール原液が放出されるため、強い芳香を好まない消費者に不快感を与える虞があり、また、エアゾール原液の使用量も過大となるため、経済的にも不利である。
【0038】
消臭用エアゾールは、噴射口からの距離が20cmの箇所における噴射力が25℃において、0.3〜10.0g・fとなるように調整されている。このような範囲であれば、1回の噴射によって、エアゾール原液から形成される付着性粒子を処理空間内の露出部にスムーズに到達させることができ、消臭成分の効果を迅速に発揮させることができる。さらに、噴射口の噴口径は0.2〜1.0mmに設定することが好ましい。この範囲であれば、上記の粒子径、及び噴射力に適切に調整することができ、処理空間に噴射されたエアゾール原液の少なくとも一部が付着性粒子として最適に形成され、露出部に付着している悪臭源から継続的に発生する悪臭を消臭することができる。
【0039】
消臭用エアゾールから噴射される噴射粒子の粒子径は、25℃、噴射距離15cmにおける積算体積分布での90%粒子径が40〜60μmに調整されていることが好ましい。このような範囲であれば、エアゾール原液が2.5〜3.5m
3の処理空間に噴射された際、噴射されたエアゾール原液の50容量%以上を、付着性粒子として形成することができ、十分な量の付着性粒子が速やかに処理空間内の露出部に移動し、付着することができる。そのため、露出部に付着している悪臭源から継続的に発生する悪臭を付着性粒子の消臭成分によって消臭することができる。噴射粒子の粒子径が25℃、噴射距離15cmにおける積算体積分布での90%粒子径で40μm未満であると、粒子径が小さすぎるため、多くの粒子が露出部まで到達することが困難となり、十分な量の付着性粒子が形成されない。その結果、露出部に付着している悪臭源から継続的に発生する悪臭を効果的に消臭することが困難となる。一方、粒子径が60μmを超えると、粒子径が大きすぎるため、付着性粒子の挙動をコントロールし難くなり、露出部に適切に付着させることが困難となる。
【0040】
さらに噴射粒子の粒子径は、25℃、噴射距離15cmにおける積算体積分布での10%粒子径が5μm以下、50%粒子径が20〜40μmに調整されていることがより好ましい。このような積算体積分布を有する噴射粒子は、粒子径の分布幅がブロードである。この結果、消臭用エアゾールから、エアゾール原液を処理空間に1回噴射すると、比較的大きな粒子径を有する付着性粒子と、比較的小さな粒子径を有する浮遊性粒子とが形成される。
【0041】
浮遊性粒子は、付着性粒子より小さな粒子径として形成されるため、エアゾール原液が処理空間に噴射された際、速やかに拡散し、処理空間に浮遊することができる。そのため、処理空間において気中に滞留する悪臭を浮遊性粒子の消臭成分によって消臭することができる。このように、噴射されたエアゾール原液のうち一部が浮遊性粒子を形成するように、粒子径を上記のような最適な範囲に調整することにより、浮遊性粒子が付着性粒子とは異なった挙動を示すようになり、付着性粒子とともに効果的に悪臭を消臭することができる。
【0042】
<拡散シミュレーション>
図1は、本発明に係る消臭用エアゾールを3m
3の処理空間に噴射したときの拡散シミュレーションの説明図である。
図1の拡散シミュレーションに利用した薬剤濃度の解析手法について、以下に説明する。
【0043】
薬剤濃度を解析するにあたり、時間の進行に伴い薬剤(エアゾール原液)が拡散していく状況を解析結果として出力した。最初に、気流算出手段により、風速、温度等の空間分布を定常状態になるまで解析し、次に、エアゾール製品から薬剤を発生させ、解析した風速分布等を用いて、濃度算出手段により、薬剤濃度の空間分布を定常解析により予測した。また、濃度分布の時間による変化を非定常解析により予測した。
【0044】
気流算出手段は、シミュレーション空間において、3次元の移流拡散方程式を有限差分法により離散化して数値的に解くことにより、気流の速度及び気流の方向(風速、風向)・空気の温度(以下「気流状態」ということがある)を求める手段である。気流算出手段は、気流の速度及び方向、並びに圧力の各運動要素を変数とするナビエストークス式に基づくk−ε乱流モデル(運動量の輸送方程式(1)、乱流エネルギーの輸送方程式(2)、及び乱流消散率の輸送方程式(3)から構成される)、熱量の輸送方程式(4)、並びに連続の式(5)〜(8)から構成される前記移流拡散方程式について、各微小分割領域の隣接する格子点間で、微小時間ごとに有限差分法による数値解析を用いて繰り返し計算を行い、前記各格子点間の風速、風向、気温、及び風圧が所定の平衡状態となった場合において、その値をもって前記各格子点の予測風速データ、予測風向データ、及び予測気温データとして決定することができるように構成されている。
〔運動量の輸送方程式〕
【0045】
【数1】
〔乱流エネルギーの輸送方程式〕
【0046】
【数2】
〔乱流消散率の輸送方程式〕
【0050】
C
1,C
2,C
3,C
t:定数
U
i :気流の瞬時風速ベクトルの各成分
P :風圧
ρ :空気の密度
ν :動粘性係数
ν
t :渦粘性係数
k :乱流エネルギー
ε :乱流消散率
【0051】
濃度算出手段は、シミュレーション空間において、対象とする薬剤に関し、3次元の濃度拡散支配方程式を有限差分法により離散化して数値的に解くことにより、濃度分布を求める手段である。すなわち、濃度算出手段は、算出された微小分割領域における各格子点での気流状態(予測風速データ、予測風向データ、及び予測気温データ)、並びに拡散物質の発生量を所与としたときに、薬剤(拡散物質)の輸送方程式(9)から構成される濃度拡散支配方程式について、各微小分割領域の隣接する格子点間で、微小時間ごとに有限差分法による数値解析を用いて繰り返し計算を行い、前記各格子点間の薬剤濃度が平衡状態となった場合において、その値をもって前記各格子点の予測薬剤濃度データの定常解として決定することができるように構成されている。さらに、繰り返し計算を行う過程で、微小時間の積算値と、その時間における各微小分割領域の薬剤濃度をあらかじめ決定した一定時間毎に記録することによって、予測薬剤濃度データの非定常解を決定することも可能である。また、拡散物質の発生量を無次元量とすることにより、予測薬剤濃度データを絶対値でなく、拡散物質の発生量に対応した相対値として予測することも可能である。
〔拡散物質の輸送方程式〕
【0053】
U
j :気流の瞬時風速ベクトルの各成分
C :拡散物質の単位体積当たりの濃度
d :拡散物質の発生項
D
m :拡散係数
【0054】
解析対象は、
図1(a)のように、約3m
3の処理空間(幅78cm×奥行き169cm×天井高230cm)に使用者2、及び噴射口1aを斜め上方に向けた消臭用エアゾール1を配した解析形状を設定した。この解析形状及び処理空間を解析格子に分割した。
【0055】
解析条件は、風速0m/秒に設定し、室内外の発熱・温度の影響は無視した。消臭用エアゾール1の噴射口1aより、1回あたりの噴射容量を0.2mL、噴射口から20cmの距離での噴射力を25℃において2.9g・fに設定して、エアゾール原液を噴射して、拡散したエアゾール原液の気中濃度の空間分布の解析を実施した。
【0056】
図1(b)は、消臭用エアゾール1からエアゾール原液を処理空間に1回噴射してから、10秒後、30秒後、60秒後、120秒後、及び170秒後のエアゾール原液の気中濃度(ppm)を示す拡散シミュレーションの結果画像である。
図1(b)では、各画像においてエアゾール原液の気中濃度が0.0007ppmである領域に符号Aを付している。上記の解析により、
図1(b)に示されるように、噴射後、エアゾール原液は速やかに拡散し、噴射から60秒後には処理空間の天井面から床面にまで到達し、噴射から120秒後には処理空間全体に拡散が進行する結果を得た。ここで「処理空間全体に拡散」とは、
図1(b)の120秒後の画像で示すように、処理空間の95%以上の容量においてエアゾール原液の気中濃度が0.0007ppm以上となる状態である。ちなみに、人の通常のトイレ利用時間は5〜15分程度であるため、トイレ空間全体へのエアゾール原液の拡散時間が120秒であれば、トイレ利用時間内に十分に消臭を行うことができる。さらに、噴射から170秒後には、処理空間全体のエアゾール原液の濃度が一様になるまで拡散している。そのため、噴射してから十分な時間が経過すると、付着性粒子は、処理空間内の壁面、床面、及び天井面の全ての表面への付着が完了し、付着した状態を維持する。そして、上記のとおり、露出部に付着している悪臭源から継続的に発生する悪臭を消臭成分によって消臭する。
【0057】
一方、浮遊性粒子は、消臭成分が徐々に揮散してゆき、処理空間の気中に滞留している悪臭を消臭する。特にトイレでの悪臭には、アンモニア等による尿臭、及び硫化水素、メチルメルカプタン等による糞臭があり、アンモニアは空気より軽く、天井付近に滞留しがちであり、硫化水素、メチルメルカプタンは空気より重く床面付近に滞留しがちである。しかし、
図1(b)に示されるように、消臭用エアゾール1から噴射されたエアゾール原液は噴射から120秒後までに処理空間全体に満遍なく拡散するため、天井付近に滞留する悪臭、及び床面付近に滞留する悪臭の何れも浮遊性粒子により消臭することができる。なお、アンモニアはアルカリ性ガスであり、硫化水素及びメチルメルカプタンは酸性ガスである。エアゾール原液が、アルカリ性ガス及び酸性ガスの何れとも反応して中和することができる消臭成分を含有することで、何れの種類の臭気物質も化学的消臭により消臭することができる。上記の消臭成分としては、アルカリ性ガスと反応して中和することができる植物性消臭成分及び酸性ガスと反応して中和することができる植物性消臭成分の混合物、又はアルカリ性ガス及び酸性ガスの何れとも反応して中和することができる植物性消臭成分を用いることが好ましい。
【0058】
このように、本発明に係る消臭用エアゾールは、噴射されたエアゾール原液から形成される粒子が挙動の異なる2種類の粒子であるため、夫々の粒子が最適な状態で存在し、夫々の役割を分担して消臭効果を最大限発揮することができる。このため、付着性粒子、及び浮遊性粒子によって、処理空間で気中に滞留する悪臭、及び処理空間内の露出部に付着している悪臭源から発生する臭気のどちらにも優れた消臭効果を発揮することができる。
【0059】
なお、解析条件として、
図1に示す拡散シミュレーションよりも噴射容量、及び噴射力を小さく設定する場合、例えば、1回あたりの噴射容量を0.1mL、噴射口から20cmの距離での噴射力を25℃において0.4g・fに設定するモデルでは、
図1に示す拡散シミュレーションと同様に、エアゾール原液が速やかに処理空間全体に拡散するという拡散シミュレーションの結果が得られた。
図1に示す拡散シミュレーションよりも噴射容量、及び噴射力を大きく設定する場合、例えば、1回あたりの噴射容量を0.4mL、噴射口から20cmの距離での噴射力を25℃において7.0g・fに設定するモデルでは、
図1に示す拡散シミュレーションと同様に、エアゾール原液が速やかに処理空間全体に拡散するという拡散シミュレーションの結果が得られた。
【0060】
以上のように、本発明に係る消臭用エアゾールからエアゾール原液を2.5〜3.5m
3の処理空間に1回噴射することで、即効性及び持続性に優れた消臭効果が得られる。2.5〜3.5m
3の空間は、一般住宅のトイレ空間(幅80〜85cm×奥行き140〜180cm×天井高230cm)の大きさに略相当する。従って、本発明に係る消臭用エアゾールであれば、一般住宅のトイレ等において、速やかに悪臭を消臭し、その消臭効果を長時間持続させることができる。また、本発明に係る消臭用エアゾールから処理空間に噴射されるエアゾール原液により形成される粒子のうち一部が浮遊性粒子として形成される。このため、処理空間に拡散しているエアゾール原液(浮遊性粒子)の濃度は、付着性粒子の分低減し、処理空間の濃度は低いものとなる。従って、浮遊性粒子からの芳香が低減され、強い芳香を好まない消費者に不快感を与えることを抑制することができる。
【実施例】
【0061】
<噴射力、粒子径の測定>
本発明の特徴構成を備えた消臭用エアゾール(実施例1〜3)を準備し、噴射力を測定した。さらに、実施例1の消臭用エアゾールについて、噴射粒子の粒子径を測定した。消臭用エアゾールのエアゾール原液は、消臭成分として植物抽出物1.35g(10w/v%)、及びハーモナイズド香料0.4g(3w/v%)、並びに、有機溶剤としてエタノール(無水)を残分(バランス)混合し、全量13.5mLに調製した。
【0062】
エアゾール原液13.5mLを噴射剤(主剤としてLPGガス)31.5mLとともに定量噴射バルブ(0.2mL/プッシュ)付エアゾール缶に内圧0.46MPaで充填することにより、エアゾール原液(a)と噴射剤(b)との容量比率(a/b)が30/70となる全量45mLの消臭用エアゾールを作製し、これを実施例1とした。
【0063】
エアゾール原液13.5mLを噴射剤(主剤としてLPGガス)31.5mLとともに定量噴射バルブ(0.1mL/プッシュ)付エアゾール缶に内圧0.35MPaで充填することにより、エアゾール原液(a)と噴射剤(b)との容量比率(a/b)が30/70となる全量45mLの消臭用エアゾールを作製し、これを実施例2とした。
【0064】
エアゾール原液13.5mLを噴射剤(主剤としてLPGガス)31.5mLとともに定量噴射バルブ(0.4mL/プッシュ)付エアゾール缶に内圧0.50MPaで充填することにより、エアゾール原液(a)と噴射剤(b)との容量比率(a/b)が30/70となる全量45mLの消臭用エアゾールを作製し、これを実施例3とした。
【0065】
噴射力の測定は、実施例1の消臭用エアゾールの噴射ボタンを1回押下し、噴射口から5cm、10cm、及び20cmの距離でテンシロン(測定装置)の測定面に対して噴射し実施した。測定の結果、噴射口から5cmの距離での噴射力は、25℃において3.2g・fであり、噴射口から10cmの距離での噴射力は、25℃において3.2g・fであり、噴射口から20cmの距離での噴射力は、25℃において2.9g・fであった。
【0066】
実施例2及び3の消臭用エアゾールの噴射力の測定は、夫々の噴射ボタンを1回押下し、噴射口から20cmの距離でテンシロン(測定装置)の測定面に対して噴射し実施した。測定の結果、実施例2の消臭用エアゾールの噴射口から20cmの距離での噴射力は、25℃において0.4g・fであった。実施例3の消臭用エアゾールの噴射口から20cmの距離での噴射力は、25℃において7.0g・fであった。
【0067】
粒子径の測定は、実施例1の消臭用エアゾールの噴射ボタンを1回押下し、レーザ回折・散乱法により、噴射口から15cmの距離で実施した。測定の結果、積算体積分布での10%粒子径(Dv10)は2.5μm、50%粒子径(Dv50)は33.2μm、90%粒子径(Dv90)は53.4μmであった。
【0068】
<消臭効力試験>
本発明の消臭用エアゾールについて、消臭効果を確認するため、実施例1と同様に作製した消臭用エアゾール(実施例4及び5)を準備し、嗅覚測定法による消臭効力試験を実施した。また、比較のため、本発明とは成分が異なる消臭用エアゾール(比較例1)を準備し、同様の消臭効力試験を実施した。
【0069】
エアゾール原液に芳香剤として微量のシトラス香料を配合した以外は実施例1の消臭用エアゾールと同じ原材料及び製法で消臭用エアゾールを作製し、これを実施例4とした。エアゾール原液に芳香剤として微量のオレンジ香料を配合した以外は実施例1の消臭用エアゾールと同じ原材料及び製法で消臭用エアゾールを作製し、これを実施例5とした。
【0070】
比較例1には、消臭成分として脂肪酸塩、殺菌成分として第四級アンモニウム塩、有機溶剤としてエタノールが配合されている従来市販の消臭用エアゾールを用いた。
【0071】
消臭効力試験では、3m
3の処理空間において、糞尿模擬臭を呈する所定量の臭気物質を散布した。その後、処理空間において消臭用エアゾールを1回噴射して、噴射直後(0分後)、5分後、10分後、20分後、30分後、及び60分後に処理空間内の臭気を、パネラーが9段階快・不快度表示法により評価した。ただし、比較例1の消臭用エアゾールは、定量噴射バルブが設けられていないエアゾール製品であるため、1回の定量噴射の実施に換えて、比較例1の用法に従い1秒間の連続噴射を実施した。噴射量は、消臭用エアゾールを噴射前後に計量し、その重量差より求めた。
【0072】
9段階快・不快度表示法の評価基準は、芳香消臭脱臭剤協議会の効力試験方法に準拠し、「+4:極端に快」、「+3:非常に快」、「+2:快」、「+1:やや快」、「0:快でも不快でもない」、「−1:やや不快」、「−2:不快」、「−3:非常に不快」、「−4:極端に不快」とした。臭気物質を散布後、消臭用エアゾールを未処理の場合の評価は、−3であった。実施例4、5、及び比較例1における消臭効力試験の結果(快・不快度)を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
消臭効力試験の結果、実施例4及び5の何れでも、全試験期間において「+1:やや快」の評価を下回ることがなかった。具体的には、実施例4の消臭用エアゾールは、噴射から0分後、5分後、及び10分後の各時点で、柑橘の芳香が確認された。噴射から20分後以降は、芳香はなくなったが、糞尿模擬臭はハーモナイズされていた。実施例5の消臭用エアゾールは、噴射から5分後までオレンジの芳香が確認された。噴射から10分以降は、芳香が徐々に減少したが、糞尿模擬臭はハーモナイズされていた。
【0075】
一方、比較例1の消臭用エアゾールは、噴射から0分後に糞尿疑似臭が確認され、噴射から5分後に糞尿模擬臭が消失した。しかし、噴射10分後には再び糞尿模擬臭が生じ、その後、噴射から60分後まで糞尿模擬臭が次第に強くなっていった。
【0076】
このように、本発明品である実施例4及び5の消臭用エアゾールは、市販品である比較例1と比べて、即効性、持続性の何れの面でも優れた消臭効果を示した。
【0077】
<化学的消臭効力試験>
実施例1及び4の消臭用エアゾールについて、機器測定法による化学的消臭効力試験を実施した。試験方法は、芳香消臭脱臭剤協議会の消臭効力試験法に準拠し、10Lプラスチック容器に悪臭成分(アンモニア)を注入、充満させた後、消臭用エアゾールを1回噴射した。容器内のアンモニア濃度を、消臭用エアゾール噴射前、噴射1時間後、及び、噴射10時間後にガス検知管を用いて測定し、下記の式で噴射1時間後、及び、噴射10時間後のそれぞれの減衰率を算出した。
減衰率(%) = 100 − {噴射後アンモニア濃度(ppm)/噴射前アンモニア濃度(ppm)}×100
実施例1及び4における化学的消臭効力試験の結果(減衰率)を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
化学的消臭効力試験の結果、実施例1及び4の何れでも、噴射1時間後の減衰率が60%以上あり、噴射10時間後の減衰率はさらに上昇して87%であった。このように、実施例1及び4の消臭用エアゾールは、噴射から10時間にわたる持続的な消臭効果を示した。