特開2019-104792(P2019-104792A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-104792(P2019-104792A)
(43)【公開日】2019年6月27日
(54)【発明の名称】液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20190607BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 1/86 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 1/94 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 3/10 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 3/08 20060101ALI20190607BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20190607BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20190607BHJP
   A01N 33/12 20060101ALI20190607BHJP
【FI】
   C11D17/08
   C11D1/62
   C11D3/48
   C11D1/04
   C11D1/86
   C11D1/94
   C11D3/37
   C11D3/04
   C11D3/10
   C11D3/08
   C11D3/30
   A01P3/00
   A01N33/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-236988(P2017-236988)
(22)【出願日】2017年12月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000190736
【氏名又は名称】株式会社ニイタカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米川 怜史
(72)【発明者】
【氏名】野口 博章
(72)【発明者】
【氏名】平石 依里
(72)【発明者】
【氏名】守屋 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 拓
【テーマコード(参考)】
4H003
4H011
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AC08
4H003AC15
4H003AE04
4H003BA12
4H003DA05
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA21
4H003EB14
4H003EB16
4H003EB30
4H003EB32
4H003FA04
4H003FA28
4H003FA34
4H011AA02
4H011BA05
4H011BB04
4H011BC19
4H011DA14
4H011DC05
4H011DD07
4H011DE17
4H011DH03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】土砂汚れに対する洗浄力に優れ、沈澱が生じにくく、溶液が分離しにくい液体洗浄剤組成物の提供
【解決手段】アルカリ剤(A)と、特定の第四級アンモニウム塩系除菌剤(B)と、アルキル鎖の炭素数が8〜18である脂肪酸及び/又はその塩(C)と、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤(D)と、アクリル酸重合体、スルホン化アクリル酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、オレフィン/マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選択される少なくとも1種の分散剤(E)とを含み、上記除菌剤(B)のモル数、上記分散剤(E)を構成する単量体のモル数、並びに、上記脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数の割合は、([除菌剤(B)のモル数]/{[分散剤(E)を構成する単量体のモル数]+[脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数]})=0.05〜10である液体洗浄剤組成物
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ剤(A)と、
下記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、塩酸アルキルジ(アミノエチル)グリシン、ナトリウムアルキルジアミノエチルグリシン、ポリヘキサメチレンビグアナイド、及び、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドから選択される少なくとも1種の除菌剤(B)と、
アルキル鎖の炭素数が8〜18である脂肪酸及び/又はその塩(C)と、
ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤(D)と、
アクリル酸重合体、スルホン化アクリル酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、オレフィン/マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選択される少なくとも1種の分散剤(E)とを含み、
前記除菌剤(B)のモル数、前記分散剤(E)を構成する単量体のモル数、並びに、前記脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数の割合は、([除菌剤(B)のモル数]/{[分散剤(E)を構成する単量体のモル数]+[脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数]})=0.05〜10であることを特徴とする液体洗浄剤組成物。
【化1】
[式(1)中、R及びRは、それぞれ炭素数1〜18のアルキル基であり、R及びRは、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基であり、Xは水素原子又はヒドロキシル基であり、Yはハロゲン化物イオン、メトサルフェート、プロピオネート、アジペート、バイカーボネート又はカーボネートであり、nは1〜5である。]
【請求項2】
前記アルカリ剤(A)は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、メタケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、オルソケイ酸カリウム、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、ジエチレングリコールアミン、及び、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールから選択される少なくとも1種である請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤は、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルポリアンモニウムプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウムバイカーボネート、及び、ジデシルジメチルアンモニウムカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記脂肪酸及び/又はその塩(C)は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、オレイン酸及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
前記分散剤(E)は、下記式(2)で示される繰り返し単位及び下記式(3)で示される繰り返し単位からなる構造を有する重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
【化2】
[式(2)中、R〜Rは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計は3〜9であり、式(3)中、Mは水素原子又はアルカリ金属である。]
【請求項6】
前記分散剤(E)の重量平均分子量は、1000〜100000である請求項1〜5のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項7】
pHが10.2以上である請求項1〜6のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項8】
床用である請求項1〜7のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項9】
フロアーポリッシュが塗布されている床用である請求項8に記載の液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等の床は、清潔性、安全性を確保するため、床用洗浄剤を用いて定期的に洗浄されている。従来から店舗等の床として、清掃・管理が容易な塩ビ等の樹脂製のタイルが用いられている。
【0003】
樹脂製のタイルはその表面にワックス(フロアーポリッシュともいう)が塗られており、ワックス上に付着した汚れを洗浄し、かつ定期的にワックスを塗り替えることによりメンテナンスされている。
タイル(ワックス上)に付着する汚れは主に土砂汚れであり、これを洗浄するために、アルカリ剤及びキレート剤を主成分とする床用洗浄剤が用いられていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−311093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような土砂汚れに対する洗浄力をさらに向上させるため、分散剤を液体洗浄剤組成物に加えることが試みられていた。
また、床用洗浄剤には除菌性能も求められており、除菌剤としてカチオン性界面活性剤を加えることも試みられていた。
しかし、液体洗浄剤組成物に分散剤及びカチオン性界面活性剤が共存すると、これらが反応し沈澱が生じたり、溶液が分離するという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、土砂汚れに対する洗浄力が優れており、沈澱が生じにくく、溶液が分離しにくい液体洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の液体洗浄剤組成物は、アルカリ剤(A)と、下記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、塩酸アルキルジ(アミノエチル)グリシン、ナトリウムアルキルジアミノエチルグリシン、ポリヘキサメチレンビグアナイド、及び、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドから選択される少なくとも1種の除菌剤(B)と、アルキル鎖の炭素数が8〜18である脂肪酸及び/又はその塩(C)と、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤(D)と、アクリル酸重合体、スルホン化アクリル酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、オレフィン/マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選択される少なくとも1種の分散剤(E)とを含み、上記除菌剤(B)のモル数、上記分散剤(E)を構成する単量体のモル数、並びに、上記脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数の割合は、([除菌剤(B)のモル数]/{[分散剤(E)を構成する単量体のモル数]+[脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数]})=0.05〜10であることを特徴とする。
【0008】
【化1】
[式(1)中、R及びRは、それぞれ炭素数1〜18のアルキル基であり、R及びRは、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基であり、Xは水素原子又はヒドロキシル基であり、Yはハロゲン化物イオン、メトサルフェート、プロピオネート、アジペート、バイカーボネート又はカーボネートであり、nは1〜5である。]
【0009】
本発明の液体洗浄剤組成物には、上記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、塩酸アルキルジ(アミノエチル)グリシン、ナトリウムアルキルジアミノエチルグリシン、ポリヘキサメチレンビグアナイド、及び、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドから選択される少なくとも1種の除菌剤(B)が含まれている。
上記除菌剤(B)は除菌効果を有し、ウイルスの種類によっては抗ウイルス効果を示すものもある。
そのため、本発明の液体洗浄剤組成物を用いて洗浄を行う際に、同時に除菌も行うことができる。
【0010】
本発明の液体洗浄剤組成物には、アルキル鎖の炭素数が8〜18である脂肪酸及び/又はその塩(C)(以下、「脂肪酸(塩)(C)」とも記載する)が含まれている。脂肪酸(塩)(C)は、破泡性を高くすることができる。
そのため、本発明の液体洗浄剤組成物の破泡性は充分に高い。
【0011】
本発明の液体洗浄剤組成物には、アクリル酸重合体、スルホン化アクリル酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、オレフィン/マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選択される少なくとも1種の分散剤(E)が含まれている。
分散剤(E)は、土砂汚れに対して高い分散性と再付着防止性を有する。そのため、分散剤(E)を含む液体洗浄剤組成物は、土砂汚れに対しても、優れた洗浄性を有する。
【0012】
本発明の液体洗浄剤組成物では、上記除菌剤(B)のモル数、上記分散剤(E)を構成する単量体のモル数、並びに、上記脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数の割合は、([除菌剤(B)のモル数]/{[分散剤(E)を構成する単量体のモル数]+[脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数]})=0.05〜10である。
除菌剤(B)はカチオンであり、脂肪酸(塩)(C)はアニオンであるので、これらが共存すると沈澱物が生じやすくなる。さらに、分散剤(E)が共存すると、より沈澱物が生じやすくなり、溶液が分離しやすくなる。
しかし、除菌剤(B)のモル数、分散剤(E)を構成する単量体のモル数、及び、脂肪酸(塩)(C)のモル数の割合が上記範囲であると、配合バランスがよいので沈澱が生じにくい。
【0013】
本発明の液体洗浄剤組成物では、上記アルカリ剤(A)は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、メタケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、オルソケイ酸カリウム、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、ジエチレングリコールアミン、及び、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールから選択される少なくとも1種であることが望ましい。
これらの化合物は、液体洗浄剤組成物用のアルカリ剤として適している。
【0014】
本発明の液体洗浄剤組成物では、上記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤は、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルポリアンモニウムプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウムバイカーボネート、及び、ジデシルジメチルアンモニウムカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
これらの化合物は、カチオン除菌剤として優れた性能を示す。
【0015】
本発明の液体洗浄剤組成物では、上記脂肪酸及び/又はその塩(C)は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、オレイン酸及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
これらの化合物は、破泡剤として適している。
【0016】
本発明の液体洗浄剤組成物では、上記分散剤(E)は、下記式(2)で示される繰り返し単位及び下記式(3)で示される繰り返し単位からなる構造を有する重合体であることが望ましい。
【0017】
【化2】
[式(2)中、R〜Rは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計は3〜9であり、式(3)中、Mは水素原子又はアルカリ金属である。]
【0018】
分散剤(E)が上記構造を有する重合体であると、分散剤(E)は、土砂汚れに対して高いより高い分散性と再付着防止性を有する。
【0019】
本発明の液体洗浄剤組成物では、上記分散剤(E)の重量平均分子量は、1000〜100000であることが望ましい。
分散剤(E)の重量平均分子量が上記範囲であると、土砂汚れに対する分散性と再付着防止性とがより向上する。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物のpHは10.2以上であることが望ましい。
本発明の洗浄剤組成物のpHが10.2以上であると、油汚れに対する洗浄力が高まる。
【0021】
本発明の液体洗浄剤組成物は、床用であってもよく、フロアーポリッシュが塗布されている床用であってもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、土砂汚れに対しても充分な洗浄力を有する。そのため、床や、フロアーポリッシュが塗布されている床の洗浄に適している。
【発明の効果】
【0022】
本発明の液体洗浄剤組成物では、上記除菌剤(B)のモル数、上記分散剤(E)を構成する単量体のモル数、並びに、上記脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数の割合は、([除菌剤(B)のモル数]/{[分散剤(E)を構成する単量体のモル数]+[脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数]})=0.05〜10である。
除菌剤(B)のモル数、上記分散剤(E)を構成する単量体のモル数、並びに、上記脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数の割合が上記範囲であると、配合バランスがよいので沈澱が生じにくい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の液体洗浄剤組成物について具体的な実施形態を示しながら説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
【0024】
本発明の液体洗浄剤組成物は、アルカリ剤(A)と、下記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、塩酸アルキルジ(アミノエチル)グリシン、ナトリウムアルキルジアミノエチルグリシン、ポリヘキサメチレンビグアナイド、及び、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドから選択される少なくとも1種の除菌剤(B)と、アルキル鎖の炭素数が8〜18である脂肪酸及び/又はその塩(C)と、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤(D)と、アクリル酸重合体、スルホン化アクリル酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、オレフィン/マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選択される少なくとも1種の分散剤(E)とを含み、上記除菌剤(B)のモル数、上記分散剤(E)を構成する単量体のモル数、並びに、上記脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数の割合は、([除菌剤(B)のモル数]/{[分散剤(E)を構成する単量体のモル数]+[脂肪酸及び/又はその塩(C)のモル数]})=0.05〜10であることを特徴とする。
【0025】
【化3】
[式(1)中、R及びRは、それぞれ炭素数1〜18のアルキル基であり、R及びRは、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基であり、Xは水素原子又はヒドロキシル基であり、Yはハロゲン化物イオン、メトサルフェート、プロピオネート、アジペート、バイカーボネート又はカーボネートであり、nは1〜5である。]
【0026】
まず本発明の液体洗浄剤組成物を構成するアルカリ剤(A)について説明する。
本発明の液体洗浄剤組成物では、アルカリ剤(A)として、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、アルカノールアミンを用いることができる。
その種類は特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、メタケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、オルソケイ酸カリウム、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、ジエチレングリコールアミン、及び、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールから選択される少なくとも1種であることが望ましい。
これらのアルカリ剤(A)は、水和物となっていてもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物に含まれるアルカリ剤(A)の種類は、1種のみであってもよく、複数種類であってもよい。
【0027】
アルカリ剤(A)の含有量は、特に限定されないが、1.0〜25.0重量%であることが望ましく、2.0〜20.0重量%であることがより望ましく、4.0〜10.0重量%であることがさらに望ましい。
アルカリ剤(A)の含有量が、1.0重量%未満であるとアルカリ剤(A)の含有量が少なすぎるため、土砂汚れ及びその他の汚れを充分に除去しにくくなる。
アルカリ剤(A)の含有量が、25.0重量%を超えると低温安定性が悪くなる。
【0028】
次に、本発明の液体洗浄剤組成物を構成する除菌剤(B)について説明する。
除菌剤(B)は、上記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、塩酸アルキルジ(アミノエチル)グリシン、ナトリウムアルキルジアミノエチルグリシン、ポリヘキサメチレンビグアナイド、及び、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドから選択される少なくとも1種である。
これらの除菌剤(B)は除菌効果を有する。そのため、本発明の液体洗浄剤組成物を用いて洗浄を行う際に、同時に除菌も行うことができる。
【0029】
本発明の液体洗浄剤組成物に含まれる除菌剤(B)の種類は、1種のみであってもよく、複数種類であってもよい。
これらの化合物は、カチオン除菌剤として優れた性能を示す。
【0030】
本発明の液体洗浄剤組成物では、除菌剤(B)は、上記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤であることが望ましい。
また、上記式(1)で表される第四級アンモニウム塩系除菌剤は、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルポリアンモニウムプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウムバイカーボネート、及び、ジデシルジメチルアンモニウムカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
【0031】
除菌剤(B)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜5.0重量%含まれることが望ましく、0.2〜3.0重量%であることがより望ましく、0.3〜2.0重量%であることがさらに望ましい。
除菌剤(B)の含有量が、0.1重量%未満であると液体洗浄剤組成物の除菌力を充分に向上させることができない場合がある。
除菌剤(B)の含有量が5.0重量%を超えると沈澱が生じやすくなる。
【0032】
次に、本発明の液体洗浄剤組成物を構成する脂肪酸(塩)(C)について説明する。脂肪酸(塩)(C)は、破泡性を高くすることができる。そのため、本発明の液体洗浄剤組成物の破泡性は充分に高い。
【0033】
本発明の液体洗浄剤組成物では、脂肪酸(塩)(C)は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、オレイン酸及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。これらの中では、ミリスチン酸がより望ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物に含まれる脂肪酸(塩)(C)の種類は、1種のみであってもよく、複数種類であってもよい。
これらの脂肪酸(塩)(C)は、破泡剤として適している。
【0034】
脂肪酸(塩)(C)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜10.0重量%であることが望ましく、0.2〜8.0重量%であることがより望ましく、0.3〜7.0重量%であることがさらに望ましい。
脂肪酸(塩)(C)の含有量が、0.1重量%未満であると液体洗浄剤組成物の破泡性を充分に向上させることができない場合がある。一方、脂肪酸(塩)(C)の含有量が10.0重量%を超えると液体洗浄剤組成物が白濁することがある。
【0035】
次に、本発明の液体洗浄剤組成物を構成する界面活性剤(D)について説明する。
界面活性剤(D)は、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0036】
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンメチルエーテル脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、脂肪酸ジエタノールアミド、キラヤサポニン等が挙げられる。これらの中では、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが望ましい。
【0037】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等が挙げられる。また、オキシアルキレン基の繰り返し数は2〜20であることが望ましく、5〜10であることがより望ましい。
アルキル基の種類は特に限定されないが、炭素数6〜20の直鎖又は分岐のアルキル基であることが望ましく、炭素数10〜16の直鎖又は分岐のアルキル基であることがより望ましく、炭素数12〜13の直鎖又は分岐のアルキル基であることがさらに望ましい。
【0038】
ノニオン界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、1.0〜30.0重量%であることが望ましく、1.5〜25.0重量%であることがより望ましく、2.0〜20.0重量%であることがさらに望ましい。
ノニオン界面活性剤の含有量が1.0重量%未満であると土砂汚れを除去しにくくなる。一方、ノニオン界面活性剤の含有量が30.0重量%を超えると、配合バランスが崩れ、沈澱が生じやすくなる。また、溶液が分離しやすくなる。
【0039】
両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミノ脂肪酸塩等が挙げられる。これらの中では、アルキルアミンオキサイドが望ましい。
【0040】
両性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、0.1〜5.0重量%であることが望ましく、0.3〜3.0重量%であることがより望ましく、0.5〜2.0重量%であることがさらに望ましい。
両性界面活性剤の含有量が0.1重量%未満である場合や、5.0重量%を超える場合、配合バランスが崩れて溶液が分離しやすくなる。
【0041】
次に、本発明の液体洗浄剤組成物を構成する分散剤(E)について説明する。
分散剤(E)は、アクリル酸重合体、スルホン化アクリル酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、オレフィン/マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選択される少なくとも1種であり、土砂汚れに対して高い分散性と再付着防止性を有する。そのため、分散剤(E)を含む液体洗浄剤組成物は、土砂汚れに対しても、優れた洗浄性を有する。
【0042】
本発明の液体洗浄剤組成物では、分散剤(E)は、下記式(2)で示される繰り返し単位及び下記式(3)で示される繰り返し単位からなる構造を有する重合体であることが望ましい。
【0043】
【化4】
[式(2)中、R〜Rは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計は3〜9であり、式(3)中、Mは水素原子又はアルカリ金属である。]
【0044】
分散剤(E)が上記構造を有する重合体であると、分散剤(E)は、土砂汚れに対してより高い分散性と再付着防止性を有する。
【0045】
また、上記式(3)におけるMは、リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましく、ナトリウム及び/又はカリウムであることがより望ましい。
重合体において、上記式(2)で示される繰り返し単位と上記式(3)で示される繰り返し単位の配置の順番は特に限定されず、交互に配置されていてもよく、ランダムに配置されていてもよく、上記式(2)で示される繰り返し単位が複数個配置された後、上記式(3)で示される繰り返し単位が複数個配置されていてもよい。
すなわち、重合体は上記式(2)で示される繰り返し単位となるモノマーと、上記式(3)で示される繰り返し単位となるモノマーとの交互共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよいが、分散性の観点から、交互共重合体が望ましい。
【0046】
上記式(2)で示される繰り返し単位は、ジイソブチレンに由来する構造であることが望ましい。
【0047】
上記式(2)で示される繰り返し単位及び上記式(3)で示される繰り返し単位は、全てが同じ構造であってもよく、繰り返し単位毎に異なる構造であってもよい。
上記式(2)で示される繰り返し単位の数と、上記式(3)で示される繰り返し単位の数は、上記式(2)で示される繰り返し単位の数:上記式(3)で示される繰り返し単位の数=1:2〜2:1であることが望ましく、1:1であることがより望ましい。
【0048】
上記式(2)で示される繰り返し単位及び上記式(3)で示される繰り返し単位からなる構造を有する重合体の市販品としては、例えば、ローム・アンド・ハースジャパン(株)製アキュゾール460Nシリーズ及び花王(株)製デモールシリーズ、BASFジャパン(株)製ソカランCP9シリーズ等が挙げられる。
【0049】
本発明の液体洗浄剤組成物では、上記分散剤(E)の重量平均分子量は、1000〜100000であることが望ましく、5000〜25000であることがより望ましい。
分散剤(E)の重量平均分子量が上記範囲であると、土砂汚れに対する分散性と再付着防止性とがより向上する。
【0050】
次に、本発明の液体洗浄剤組成物に含まれる除菌剤(B)のモル数、分散剤(E)を構成する単量体のモル数、及び、脂肪酸(塩)(C)のモル数の割合について説明する。
【0051】
本発明の液体洗浄剤組成物では、除菌剤(B)のモル数、分散剤(E)を構成する単量体のモル数、及び、脂肪酸(C)のモル数の割合は、([除菌剤(B)のモル数]/{[分散剤(E)を構成する単量体のモル数]+[脂肪酸(塩)(C)のモル数]})=0.05〜10である。この割合は、0.1〜5であることが望ましく、0.2〜3であることがより望ましい。
【0052】
除菌剤(B)はカチオンであり、脂肪酸(塩)(C)はアニオンであるので、これらが共存すると沈澱物が生じやすくなる。さらに、分散剤(E)が共存すると、より沈澱物が生じやすくなる。
しかし、除菌剤(B)のモル数、分散剤(E)を構成する単量体のモル数、及び、脂肪酸(塩)(C)のモル数の割合が上記範囲であると、配合バランスがよいので沈澱が生じにくい。
【0053】
本発明の液体洗浄剤組成物は、さらに、キレート剤、可溶化剤、濡れ性向上剤、粘度調整剤、腐食防止剤、色粉、安定化剤等の他の成分を含んでいてもよい。
【0054】
キレート剤としては、アミノカルボン酸系、ホスホン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、リン酸系、エーテルカルボン酸系等が挙げられ、これらを併用してもよい。これらの中では、アミノカルボン酸系キレート剤が望ましい。
キレート剤の含有量は特に限定されないが、0.1〜5.0重量%であることが望ましい。
【0055】
アミノカルボン酸系のキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン六酢酸(DPTA−OH)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)又はこれらの塩等が挙げられる。
【0056】
ホスホン酸系のキレート剤としては、ヒドロキシエチリデンホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリメチレンホスホン酸(NTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)等が挙げられる。
上記キレート剤はホスホン酸部分の少なくとも一部が塩になっていてもよい。
【0057】
ヒドロキシカルボン酸系のキレート剤としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸又はこれらの塩が挙げられる。
リン酸系のキレート剤としては、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸又はこれらの塩等が挙げられる。
【0058】
上記キレート剤における塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩が望ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより望ましい。
また、キレート剤とキレート剤の塩が液体洗浄剤組成物の中で混在していてもよく、キレート剤が液体洗浄剤組成物に含まれている場合にその後にナトリウムイオン等が加えられることによって塩となっていてもよい。
【0059】
本発明の液体洗浄剤組成物では、pHが10.2以上であることが望ましく、11.0以上であることがより望ましく、12.0以上であることがさらに望ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物のpHが10.2以上であると、油汚れに対する洗浄力が高まる。
なお、本明細書において、「液体洗浄剤組成物のpH」とは、25℃における液体洗浄剤組成物のpHのことを意味する。
【0060】
次に、本発明の液体洗浄剤組成物の使用方法を説明する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、使用時に、必要に応じて水で希釈(10〜300倍)し、当該希釈液を自動洗浄機に投入して使用してもよいし、希釈液を洗浄対象に塗布し、しばらく静置した後、ブラシ、モップ、ポリッシャー等でこすり洗いを行い、洗浄後の希釈液(汚水)をスクイジー等で回収してもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物を使用する対象は、固体であればよく、例えば、床、壁、屋根、衣服等であってもよい。特に、床に使用することが望ましく、フロアーポリッシュが塗布されている床に使用されることがより望ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、土砂汚れに対しても充分な洗浄力を有する。そのため、床や、フロアーポリッシュが塗布されている床の洗浄に適している。
【0061】
(実施例)
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0062】
(液体洗浄剤組成物の調製)
表1及び2に示す処方に従い、アルカリ剤(A)、除菌剤(B)、脂肪酸(塩)(C)、界面活性剤(D)、分散剤(E)及びその他の成分を混合して、実施例1〜8及び比較例1〜7に係る液体洗浄剤組成物を得た。なお、表中に示す成分は全て純分換算量(重量%)である。
表1中の分散剤(E)は、以下の化合物である。
オレフィン/マレイン酸共重合体のナトリウム塩1:ローム・アンド・ハース社製「アキュゾール460ND」(ジイソブチレン/マレイン酸=50/50(モル比)、重量平均分子量=10000)
オレフィン/マレイン酸共重合体のナトリウム塩2:花王(株)製「デモールEP」(ジイソブチレン/マレイン酸の共重合体:ジイソブチレン/マレイン酸=50/50(モル比)、重量平均分子量=20000)
オレフィン/マレイン酸共重合体のナトリウム塩3:BASFジャパン(株)製 ソカランCP9(重量平均分子量=12000)
アクリル酸重合体:ローム・アンド・ハース社製「アキュゾール445N」
アクリル酸/マレイン酸共重合体:ローム・アンド・ハース社製「アキュゾール479N」
スルホン化アクリル酸重合体:ローム・アンド・ハース社製「アキュゾール588」
【0063】
(洗浄力の評価)
各実施例及び各比較例に係る液体洗浄剤組成物について、JFPA規格−212表面洗剤の洗浄性能の試験方法に基づいて洗浄力試験を行った。洗浄率に基づき、相対的に洗浄力評価を行った。結果を表1及び2に示す。
評価基準は以下の通りである。
◎:洗浄力が特に優れる。
○:洗浄力が優れる。
【0064】
(安定性の評価)
各実施例及び各比較例に係る液体洗浄剤組成物を透明容器に入れ、その外観を目視で観察し、濁りの有無を確認し、安定性の評価を行った。結果を表1及び2に示す。
評価基準は以下の通りである。
○:濁りがみられない。
×:濁りがみられる。
【0065】
(すすぎ性の評価)
各実施例及び各比較例に係る液体洗浄剤組成物を水道水を用いて80倍に希釈し、透明容器に入れて振り混ぜた後、泡高の変化を観察し、すすぎ性の評価を行った。結果を表1及び2に示す。
評価基準は以下の通りである。
○:泡高の減少が速い。
×:泡高の減少が遅い。
【0066】
(除菌力の評価)
菌株として、大腸菌(Escherichia coli)NBRC3972、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)NBRC12732を準備した。各菌株を普通ブイヨン培地で35℃、24時間振とう培養し、10〜10CFU/mLの試験菌液をそれぞれ調製した。
次に、菌液0.1mLを各実施例及び各比較例で調製した液体洗浄剤組成物の希釈液10mLに加え、混合後、室温℃で30秒又は60秒作用させた。
その後、混合液をSCDLP培地に1白金耳移植し、35℃、48時間培養後、菌の有無を判定した。
各試験における除菌効果に基づき、各実施例及び各比較例の除菌効果を以下の基準で評価した。評価結果を表1及び2に示す。
○:大腸菌及び黄色ブドウ球菌の両方に対し、除菌効果がある。
×:大腸菌及び黄色ブドウ球菌のいずれに対しても、除菌効果がない。
【0067】
(分散性の評価)
各実施例及び各比較例に係る液体洗浄剤組成物を水で100倍に希釈し、分散性の評価を以下の手順で行った。結果を表1及び2に示す。
PP製透明容器に500gの希釈液、試験用土砂汚れ1gを入れ、振り混ぜた。12時間静置した後の外観を目視し、以下の基準で評価した。
○:液全体が濁っており、微細な土砂汚れが液中に分散している。
×:液全体が透明で、容器底部に土砂汚れが沈澱している。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
表1及び2に示すように、本発明の液体洗浄剤組成物は、優れた安定性を示し、土砂汚れに対して特に優れた洗浄力を発揮することがわかった。