(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-109216(P2019-109216A)
(43)【公開日】2019年7月4日
(54)【発明の名称】真空測定装置
(51)【国際特許分類】
G01L 21/00 20060101AFI20190614BHJP
【FI】
G01L21/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-123356(P2018-123356)
(22)【出願日】2018年6月28日
(31)【優先権主張番号】201711353301.2
(32)【優先日】2017年12月15日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518231172
【氏名又は名称】東泰高科装備科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONGTAI HI−TECH EQUIPMENT TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・チンソン
(72)【発明者】
【氏名】ナン・ジエンフイ
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA11
2F055AA31
2F055BB08
2F055CC02
2F055DD20
2F055EE25
2F055FF45
2F055GG22
2F055HH08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】測定用ダイアフラムに堆積物が発生しにくい真空測定装置を提供する。
【解決手段】圧力伝達方向に沿って順に設けられた前段チャンバー1および真空計2を備え、前段チャンバーは真空計に連通し、内部に前段ダイアフラム11が設けられ、真空計内に測定用ダイアフラム21が設けられ、前段ダイアフラムと測定用ダイアフラムとの間に圧力伝達室が形成され、圧力伝達室内に圧力伝達液8が充填されている。圧力伝達液は、腐食性ガスが存在する真空環境に用いることができ、真空計の測定用ダイアフラムが腐食してしまう問題を回避すると同時に、真空環境における堆積しやすい物質が真空計の内壁および測定用ダイアフラムに堆積して、測定用ダイアフラムの変形を引き起こし、真空度の検出精度を損なう問題を回避する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力伝達方向に沿って順に設けられた前段チャンバーおよび真空計を備え、
前記前段チャンバーは、前記真空計に連通し、内部に前段ダイアフラムが設けられ、
前記真空計内に測定用ダイアフラムが設けられ、
前記前段ダイアフラムと前記測定用ダイアフラムとの間に圧力伝達室が形成され、前記圧力伝達室内に圧力伝達液が充填されている、ことを特徴とする真空測定装置。
【請求項2】
前記前段チャンバーと前記真空計とが管路を介して連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の真空測定装置。
【請求項3】
前記管路は、螺旋状管路と、直線状管路とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の真空測定装置。
【請求項4】
前記管路上に放熱素子が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の真空測定装置。
【請求項5】
前記放熱素子は、均一に分布する放熱フィンである、ことを特徴とする請求項4に記載の真空測定装置。
【請求項6】
前記前段チャンバーに前記圧力伝達液の充填口が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の真空測定装置。
【請求項7】
前記真空計内に容量素子、容量分析素子および入出力ユニットがさらに設けられ、
前記容量素子と前記圧力伝達液がそれぞれ前記測定用ダイアフラムの両側に位置し、
前記容量分析素子が前記容量素子に接続され、かつ電極を介して前記入出力ユニットに接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の真空測定装置。
【請求項8】
前記真空計は、前記管路との連通箇所に断熱板が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の真空測定装置。
【請求項9】
前記真空計内に設けられたゲッターをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の真空測定装置。
【請求項10】
前記前段チャンバーを、500℃以下の加熱温度で加熱するためのヒータをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の真空測定装置。
【請求項11】
前記圧力伝達液がグリセリンまたはシリコーンオイルである、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の真空測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空測定の技術分野に関し、特に、真空測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業、ソーラー産業、LED産業、パネル表示産業が急速に発展している今日では、有毒材料、引火性/爆発性材料が広く応用され、製造装置の真空反応チャンバーおよび真空排気管路にこれらの材料が大量に堆積し、これに加え、一部の低融点の副産物も大量に堆積している。これらの材料は、真空反応チャンバーまたは真空排気管路に取り付けられた真空計の内部に堆積しやすく、真空測定精度および真空計の使用寿命にひどく影響する。これらの装置の真空計に問題が生じると、新規なものに交換しなけれならないが、しかし、このような有毒な堆積物がある真空計に接触したがる保守者は、ほとんどいない。一部の真空作業環境が悪くて真空計の使用が必要である機器にとって、真空計は、高価な消耗品となり、多くの機器メーカーや工場を悩ませている問題である。
【0003】
通常の真空計は、クレーンな真空環境、例えば、窒素または空気という環境での容器の真空度検出に適合する。真空環境に腐食性ガスが存在すると、真空計の測定用ダイアフラムが腐食し、真空度検出の邪魔となる。真空環境には堆積しやすい物質が存在すると、これらの物質は徐々に真空計の検出チャンバーの内壁および真空計の測定用ダイアフラムに堆積し、真空計の継ぎ目の空気流路の閉塞を招き、真空計の測定用ダイアフラムの変形、測定用ダイアフラムと精密な容量分析素子の容量ドリフトを引き起こし、検出精度を損なう。検出チャンバーに高温ガスがあれば、高温ガスを介して熱が真空計測定用ダイアフラムに伝達されやすく、真空計の測定用ダイアフラムの変形を引き起こし、測定精度に影響したり真空計の容量分析素子を焼失させたりする。
【0004】
現在、耐腐食性の真空計および耐高温性の真空計が市販されているが、その価格は通常の真空計の10倍以上であり、耐高温性のものは、せいぜい200℃の高温に耐えられる。市場には、字面どおりの堆積抵抗性の真空計がまだ誕生しておらず、現在では、真空計の動作温度を高めることで真空計内の堆積物の発生を低減することしかできないが、最高加熱温度は僅か200℃であり、真空計の検出チャンバーの内部に堆積物が発生すると、真空計を工場に返品し、洗浄し保守してもらう必要があり、手間がかかり、高コストになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来の真空計測定装置の測定用ダイアフラムに堆積物が発生しやすく、測定精度に影響し、かつ高温、腐食などの極端状況下で動作しにくい問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、圧力伝達方向に沿って順に設けられた前段チャンバーおよび真空計を備え、前記前段チャンバーは前記真空計に連通し、内部に前段ダイアフラムが設けられ、前記真空計内に測定用ダイアフラムが設けられ、前記前段ダイアフラムと前記測定用ダイアフラムとの間に圧力伝達室が形成され、前記圧力伝達室内に圧力伝達液が充填されている真空測定装置を提供する。
【0007】
前記真空測定装置では、前記前段チャンバーと前記真空計とが管路を介して連通する。
前記真空測定装置では、前記管路は、螺旋状管路と、直線状管路とを含む。
【0008】
前記真空測定装置では、前記管路上に放熱素子が設けられている。
前記真空測定装置では、前記放熱素子は、均一に分布する放熱フィンである。
【0009】
前記真空測定装置では、前記前段チャンバーに前記圧力伝達液の充填口が設けられている。
【0010】
前記真空測定装置では、前記真空計内に容量素子、容量分析素子および入出力ユニットがさらに設けられ、前記容量素子と前記圧力伝達液がそれぞれ前記測定用ダイアフラムの両側に位置し、前記容量分析素子が前記容量素子に接続され、かつ電極を介して前記入出力ユニットに接続されている。
【0011】
前記真空測定装置では、前記真空計は、前記管路との連通箇所に断熱板が設けられている。
【0012】
前記真空測定装置では、前記真空計内に設けられたゲッターをさらに備える。
前記真空測定装置では、前記前段チャンバーを、500℃以下の加熱温度で加熱するためのヒータをさらに備える。
【0013】
前記真空測定装置では、前記圧力伝達液がグリセリンまたはシリコーンオイルである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上述した技術的構成は、以下の利点を有する。本発明によれば、前段ダイアフラムと測定用ダイアフラムとの間に充填された圧力伝達液は、腐食性ガスが存在する真空環境に用いることができ、真空計の測定用ダイアフラムが腐食してしまう問題を回避すると同時に、真空環境における堆積しやすい物質が真空計の内壁および測定用ダイアフラムに堆積して、測定用ダイアフラムの変形を引き起こし、真空度の検出精度を損なう問題を回避する。前段チャンバーを予め設けることで、堆積した物質によって前段チャンバーの入口が目詰まりして、前段ダイアフラムの変形を引き起こしても、検出精度を損なうことはなく、また、腐食性ガスまたは高温ガスで前段ダイアフラムが破損しても、前段チャンバーでは前段ダイアフラムの交換が簡単であり、後の真空計に影響を及ぼすことはない。本発明は、さらに高温ガスが存在する真空環境に用いることができ、高温ガスを介して熱が測定用ダイアフラムに伝達され、測定用ダイアフラムの変形を引き起こし、測定精度に影響したり真空計の容量素子を焼失させたりする問題を回避することができる。このため、本発明は、一般的な環境下での真空度測定だけでなく、極端状況下での真空度測定にも適する。
【0015】
以上説明した本発明の課題、技術的構成を構成する技術的特徴およびこれらの技術的構成を有する技術的特徴による利点以外に、本発明の他の技術的特徴およびこれらの技術的特徴による利点を、図面を結合しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例の真空計測定装置の構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例の真空計測定装置の管路の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例の目的、技術的構成および利点をよりよく理解してもらうために、以下、本発明の実施例の図面を結合して本発明の実施例の技術的構成を明瞭かつ完全に説明する。説明する実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全部ではないことは、言うまでもないことである。当業者が本発明の実施例に基づいて、創造的な労働無しに得られる他の実施例も、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0018】
なお、本発明の説明において、そうでないとする明確な規定や指示がない限り、「取り付ける」、「繋がる」、「接続」といった用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続してもよいし、取り外し可能に接続するか、一体となるように接続してもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。直接接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、さらに2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて本発明における上述した用語の具体的な意味を理解することができる。
【0019】
また、本発明の説明において、そうでないとする指示がない限り、「複数」、「複数本」、「複数組」は、2つ以上を意味し、「若干」、「若干本」、「若干組」は、1つ以上を意味する。
【0020】
図1に示すように、本発明の実施例に提供される真空測定装置は、圧力伝達方向に沿って順に設けられた前段チャンバー1および真空計2を備え、前段チャンバー1が真空計2に連通し、前段チャンバー1内に前段ダイアフラム11が設けられ、真空計2内に測定用ダイアフラム21が設けられ、前段ダイアフラム11と測定用ダイアフラム21との間に圧力伝達室が形成され、圧力伝達室内に圧力伝達液8が充填されている。
【0021】
本発明に係る真空測定装置は、通常の真空計2を前段ダイアフラム11付きの前段チャンバー1に連通させ、前段ダイアフラム11と真空計2内の測定用ダイアフラム21との間は圧力伝達液8でいっぱいになり、前段チャンバー1の入口が前段接続管路7を介して測定対象である真空チャンバーに直接接続され、真空チャンバーの圧力は前段接続管路7によって前段ダイアフラム11に伝達され、さらに前段ダイアフラム11から圧力伝達液8によってチャンバー圧力が測定用ダイアフラム21に伝達され、測定用ダイアフラム21を変形させ、さらに、真空計2における後の検出元件の検出値を変化させ、これにより、真空チャンバーの真空度が判断される。
【0022】
本発明によれば、前段ダイアフラム11と測定用ダイアフラム21との間に充填された圧力伝達液8は、腐食性ガスが存在する真空環境に用いることができ、真空計2の測定用ダイアフラム21が腐食してしまう問題を回避すると同時に、真空環境における堆積しやすい物質が真空計2の内壁および測定用ダイアフラム21に堆積して、測定用ダイアフラム21の変形を引き起こし、真空度の検出精度を損なう問題を回避する。前段チャンバー1を予め設けることで、堆積した物質によって前段チャンバー1の入口が目詰まりして、前段ダイアフラム11の変形を引き起こしても、検出精度を損なうことはなく、また、腐食性ガスまたは高温ガスで前段ダイアフラム11が破損しても、前段チャンバー1では前段ダイアフラム11の交換が簡単であり、後の真空計2に影響を及ぼすことはない。本発明は、さらに高温ガスが存在する真空環境に用いることができ、高温ガスを介して熱が測定用ダイアフラム21に伝達され、測定用ダイアフラム21の変形を引き起こし、測定精度に影響したり真空計2の容量素子22を焼失させたりする問題を回避することができる。このため、本発明は、一般的な環境下での真空度測定だけでなく、極端状況下での真空度測定にも適する。
【0023】
図2に示すように、前段チャンバー1と真空計2とが管路3を介して連通する。管路3は、螺旋状管路31と、直線状管路32とを含む。前段チャンバー1を真空計2に連通させる管路3がスパイラル状にされるのは、熱量が圧力伝達液8を介して真空計2に到達して、真空計2の検出精度に影響を及ぼし、真空計2を破壊するのを防止するためである。本実施例において、管路3は、圧力伝達室の外壁の全部又は一部であり、螺旋状管路31の両端に直線状管路32が接続され、直線状管路32に前段チャンバー1および真空計2が接続されている。
【0024】
具体的には、管路3上に放熱素子4が設けられ、更なる放熱に寄与する。放熱素子4は、ヒートシンク、放熱フィン等であることができ、本実施例において、放熱素子4は放熱フィンであり、かつ放熱フィンが直線状管路32に均一に設けられていることが好ましい。
【0025】
前段チャンバー1に圧力伝達液8の充填口12が設けられている。装置を使用すると、前段ダイアフラム11と測定用ダイアフラム21との間の圧力伝達液8は減少するか、不純物が発生し、前段チャンバー1における圧力伝達液8の充填口12によって充填、交換することができ、圧力伝達液8で前段ダイアフラム11と測定用ダイアフラム21との間がいっぱいになることを確保し、前段ダイアフラム11に加わる真空圧力が測定用ダイアフラム21に正確に伝達できるようにする。
【0026】
ここで、前段チャンバー1を前段ダイアフラム11にて開くことができ、前段ダイアフラム11の清掃または交換が便利になる。
【0027】
さらに、真空計2内に容量素子22、容量分析素子23および入出力ユニット24がさらに設けられ、容量素子22と圧力伝達液8がそれぞれ測定用ダイアフラム21の両側に位置し、容量分析素子23が容量素子22に接続され、かつ電極6を介して入出力ユニット24に接続されている。容量分析素子23は、容量素子22の容量変化を取得し、2つの電極6を介して入出力ユニット24に導入し、入出力ユニット24は、外部機器に接続され、真空チャンバーの真空度を検出する。真空チャンバー内の真空度の変化によって測定用ダイアフラム21が異なる程度で変形し、容量分析素子23は、容量素子22の容量値の変化を取得し、容量値変化信号を入出力ユニット24に出力し、入出力ユニット24は、信号を外部機器に送り、外部機器は、信号を処理することで、真空チャンバーの真空度を取得する。
【0028】
真空計2は、管路3との連通箇所に断熱板25が設けられている。真空計2内に断熱板25が設けられることで、熱放射が真空計2の内部に直接侵入するのをさらに防止し、大粒子の堆積物が真空計2の内部に直接侵入するのを防止する。
【0029】
本発明に係る真空測定装置は、ゲッター5をさらに備え、ゲッター5が真空計2内に設けられている。ゲッター5は、真空計2の内部の絶対真空を保証するためのものである。
【0030】
本発明に係る真空測定装置は、ヒータをさらに備え、ヒータは、前段チャンバー1を500℃以下の加熱温度で加熱する。前段チャンバー1内に堆積物が発生するのを防止するために、前段チャンバー1を、最高温度が500℃に達するまで加熱することができ、500℃の高温では、ほとんどの揮発性材料の堆積を防止することができ、堆積物が少量に発生しても、前段チャンバー1の保守は、真空計2より遥かに簡単である。
【0031】
圧力伝達液8がグリセリンまたはシリコーンオイルである。真空計2の使用環境によって、異なる沸点の材料、例えば、シリコーンオイル、グリセリンを選択することができ、グリセリンの圧力伝達液による真空計2は、150〜180℃の高温チャンバーの真空度を測定することができ、シリコーンオイルの圧力伝達液による真空計2は、200〜300℃の高温チャンバーの真空度を測定することができ、今実験が済んだ圧力伝達液は、500℃までの高温チャンバーの真空度に耐えることができる。圧力伝達液は、耐高温性液体を用いる場合、高温ガスが存在する真空環境に用いることができ、高温ガスを介して熱が測定用ダイアフラム21に伝達され、測定用ダイアフラム21の変形を引き起こし、測定精度に影響したり真空計2の容量素子22を焼失させたりする問題を回避することができる。
【0032】
使用時に、腐食性の真空測定場面に適応するように、前段ダイアフラム11は、耐腐食性材料を用いることができ、耐えるべき腐食性ガスの種類によって異なる材料を選択することができ、また、非金属材料を選択してもよい。極端な場合、前段ダイアフラム11を犠牲にして真空計2を保護することができる。
【0033】
上述したように、本発明では、前段ダイアフラムと測定用ダイアフラムとの間に充填された圧力伝達液は、腐食性ガスが存在する真空環境に用いることができ、真空計の測定用ダイアフラムが腐食してしまう問題を回避すると同時に、真空環境における堆積しやすい物質が真空計の内壁および測定用ダイアフラムに堆積して、測定用ダイアフラムの変形を引き起こし、真空度の検出精度を損なう問題を回避する。前段チャンバーを予め設けることで、堆積した物質によって前段チャンバーの入口が目詰まりして、前段ダイアフラムの変形を引き起こしても、検出精度を損なうことはなく、また、腐食性ガスまたは高温ガスで前段ダイアフラムが破損しても、前段チャンバーでは前段ダイアフラムの交換が簡単であり、後の真空計に影響を及ぼすことはない。本発明は、さらに高温ガスが存在する真空環境に用いることができ、高温ガスを介して熱が測定用ダイアフラムに伝達され、測定用ダイアフラムの変形を引き起こし、測定精度に影響したり真空計の容量素子を焼失させたりする問題を回避することができる。このため、本発明は、一般的な環境下での真空度測定だけでなく、極端状況下での真空度測定にも適する。
【0034】
最後に、以上の実施例は、あくまでも本発明の技術的構成を説明するためのものであり、それを制限することは意図していない。上述した実施例を参照しながら本発明を詳しく説明したが、上述した各実施例に記載の技術的構成を修正したり、技術的特徴の同等な置き換えを行ったりすることができると当業者が理解するべきである。これらの修正または置き換えに起因して、対応する技術的構成の本質が本発明の各実施例の技術的構成の趣旨や範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0035】
1…前段チャンバー、2…真空計、3…管路、4…放熱素子、5…ゲッター、6…電極、7…前段接続管路、8…圧力伝達液、11…前段ダイアフラム、12…充填口、21…測定用ダイアフラム、22…容量素子、23…容量分析素子、24…入出力ユニット、25…断熱板、31…螺旋状管路、32…直線状管路。