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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-109915(P2019-109915A)
(43)【公開日】2019年7月4日
(54)【発明の名称】光検出モジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0354 20130101AFI20190614BHJP
【FI】
   G06F3/0354 444
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-24740(P2019-24740)
(22)【出願日】2019年2月14日
(62)【分割の表示】特願2016-522175(P2016-522175)の分割
【原出願日】2013年7月1日
(31)【優先権主張番号】201310259294.5
(32)【優先日】2013年6月26日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516000734
【氏名又は名称】林 大偉
【氏名又は名称原語表記】LIN,Dai Wei
(71)【出願人】
【識別番号】516000745
【氏名又は名称】チャン ウィンサン
【氏名又は名称原語表記】CHANG,Yun−Shan
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウィンサン
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造コストが低減し、素子サイズが低減し、光路全体における光線の光損失が低減し、光検出モジュールの応答性を上げることができる光検出モジュールを提供する。
【解決手段】光検出モジュール100は、光検出機能を有するセンサアレイ(11)及び少なくとも非検出機能を有する制御ユニット(12)を備える撮像素子(1)と、外界表面によって反射されてセンサアレイ(11)に受光されるコヒーレント光線を発光する発光チップ(4)と、撮像素子(1)及び発光チップ(4)を載置する基板(5)と、基板(5)に設置され撮像素子(1)及び発光チップ(4)を覆い光線(41)の伝達経路において第一の透光部(61)が設置されるカバーとを備える。光検出モジュールは、ベースに設置され、ベースにおいて光線(41)を透過させるための第二の透光部が設置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアレイ及び少なくとも制御ユニットを備え、前記センサアレイが前記制御ユニットに電気的に接続される撮像素子と、
外界表面に入射して前記外界表面によって前記センサアレイに反射される光線を発光するための発光チップと、
前記撮像素子及び前記発光チップを載置する基板と、
前記基板に設置され、前記撮像素子及び前記発光チップを覆い、前記光線の伝達経路において前記光線を透過させるための第一の透光部が設置されるカバーと、を備え
前記撮像素子及び前記発光チップが共に前記基板の下表面に設置され、前記発光チップが前記撮像素子の外側の近所に設置され、前記第一の透光部が開口であり、前記光線が、順に前記第一の透光部の開口を介して前記外界表面に直接照射され、前記外界表面に反射された後、前記第一の透光部の開口を介して前記センサアレイに直接入射することを特徴とする光検出モジュール。
【請求項2】
前記第一の透光部の直径と前記光線の波長との比率が10以上であることを特徴とする請求項1に記載の光検出モジュール。
【請求項3】
前記発光チップがレーザダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の光検出モジュール。
【請求項4】
前記発光チップが前記センサアレイの一外側の近所に設置され、前記制御ユニットが前記センサアレイの他外側の近所に設置され、
前記撮像素子及び前記発光チップが載置板に電気的に接続されて設置され、前記載置板が前記基板の下表面に電気的に接続されて設置されることを特徴とする請求項1に記載の光検出モジュール
【請求項5】
センサアレイ及び少なくとも制御ユニットを備え、前記センサアレイが前記制御ユニットに電気的に接続される撮像素子と、
外界表面に入射して前記外界表面によって前記センサアレイに反射される光線を発光するための発光チップと、
前記撮像素子及び前記発光チップを載置する基板と、
前記基板に設置され、前記撮像素子及び前記発光チップを覆い、前記光線の伝達経路において前記光線を透過させるための第一の透光部が設置されるカバーと、
前記基板及び前記カバーを載置するベースと、を備え、
前記カバーが前記ベースと前記基板との間に位置し、前記ベースに、前記光線の経路において前記光線を透過させるための第二の透光部が設置され、
前記撮像素子及び前記発光チップが共に前記基板の下表面に設置され、前記発光チップが前記撮像素子の外側の近所に設置され、前記第一の透光部及び前記第二の透光部がそれぞれ開口であり、前記光線が、順に前記第一の透光部の開口及び前記第二の透光部の開口を介して前記外界表面に直接照射され、前記外界表面に反射された後、順に前記第二の透光部の開口及び前記第一の透光部の開口を介して前記センサアレイに直接入射することを特徴とする光学式マウスのレーザ指向装置。
【請求項6】
前記発光チップが前記センサアレイの一外側の近所に設置され、前記制御ユニットが前記センサアレイの他外側の近所に設置され、
前記撮像素子及び前記発光チップが載置板に電気的に接続されて設置され、前記載置板が前記基板の下表面に電気的に接続されて設置されることを特徴とする請求項5に記載の光学式マウスのレーザ指向装置
【請求項7】
前記第一の透光部の直径と前記光線の波長との比率が10以上であり、前記第二の透光部の直径と前記光線の波長との比率が10以上であることを特徴とする請求項に記載の光学式マウスのレーザ指向装置。
【請求項8】
ダイアタッチプロセスを行い、撮像ダイ及びレーザダイオードダイを基板に実装し、前記撮像ダイ及び前記レーザダイオードダイを電気的に接続するステップと、
前記撮像ダイ及び前記レーザダイオードダイをカバーで覆い、前記カバーに、前記レーザダイオードダイが発光する光線の伝達経路において第一の透光部を設置するステップと、を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の光検出モジュールを製造するための光検出モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記ダイアタッチプロセスがチップ直接パッケージプロセスであることを特徴とする請求項に記載の光検出モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記ダイアタッチプロセスは、
前記基板の一つの平面に接合材料を形成するステップと、
前記レーザダイオードダイ及び前記撮像ダイを前記接合材料に固定し、前記接合材料によって前記レーザダイオードダイ及び前記撮像ダイを接合するステップと、を備えることを特徴とする請求項に記載の光検出モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記ダイアタッチプロセスは、
前記基板の一つの平面に第一の接合材料を形成するステップと、
前記撮像ダイを前記第一の接合材料に固定し、前記第一の接合材料によって前記撮像ダイを接合するステップと、
前記撮像ダイの一つの表面に第二の接合材料を形成するステップと、
前記レーザダイオードダイを前記第二の接合材料に固定し、前記第二の接合材料によって前記レーザダイオードダイを接合するステップと、を備えることを特徴とする請求項に記載の光検出モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光検出モジュール及びその製造方法に関し、特に、撮像素子及び発光チップを備える光検出モジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学式マウスを応用する分野では、その光検出モジュールは、主に、レンズ、撮像素子及び光源を備える。常用の光源は、発光ダイオード及びレーザダイオード等の光学素子である。光学式マウスを操作する際に、発光ダイオードが発行する光線は、周辺に発散してレンズに接触し、そして、一連の反射及び屈折を行う。主光路においては、光線が、レンズを透過し、デスクの表面に照射し、デスクの表面によってレンズの集光部に反射され、集光部で集光され、撮像素子によって取り込まれ、そして、デジタル信号処理素子によって光学式マウスが移動した距離及び方向が算出される。
【0003】
従来の光学式マウスでは、光検出モジュールの発光チップのパッケージ方法は、一般的に、トランジスタアウトラインパッケージ(transistor outline package)またはランプパッケージ(lamp package)である。図1は、従来の光検出モジュール30を示す。この光検出モジュール30は、ランプパッケージを採用した垂直共振器型面発光レーザ(Vertical−Cavity Surface−Emitting Laser)32を光源とし、垂直共振器型面発光レーザ32が回路基板34に設置され、撮像素子36が固定ベース38の内側に設置される。垂直共振器型面発光レーザ32と撮像素子36との間に、レンズ部材40は設置され、垂直共振器型面発光レーザ32に生じた光ビーム42がレンズ部材40の集光によってデスク44に照射し、デスク44に反射された光ビーム42がレンズ部材40の集光部35によって集光され、撮像素子36に画像を形成する。
【0004】
この設計では、垂直共振器型面発光レーザ32のパッケージサイズが大きく(レンズ部材40を固定するための固定具をさらに設置する必要がある)、且つ、垂直共振器型面発光レーザ32に生じた光ビーム42が、デスク44に照射して撮像素子36に反射される前に、レンズ部材40によって長い光路で数回屈折される必要があり、主光路以外の光線が撮像素子36に受光されないため、光ビーム42がレンズ部材40を透過する際に、エネルギー損失が生じ、光路全体の光損失を招きやすくなる。撮像素子36が取り込む信号が弱すぎ、検出に影響を及ぼすことを回避するために、光信号を補強させるための集光部(図示せず)をレンズ部材40に設置する以外、垂直共振器型面発光レーザ32のパワーが小さいわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術欠陥を克服し、光線のパワー損失を効果的に低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、センサアレイ及び少なくとも制御ユニットを備え、前記センサアレイが前記制御ユニットに電気的に接続される撮像素子と、外界表面に入射して前記外界表面によって前記センサアレイに反射される光線を発光するための発光チップと、前記撮像素子及び前記発光チップを載置する基板と、前記基板に設置され、前記撮像素子及び前記発光チップを覆い、前記光線の伝達経路において前記光線を透過させるための第一の透光部が設置されるカバーと、を備える光検出モジュールである。
【0007】
具体的には、前記第一の透光部の直径と前記光線の波長との比率が10以上である。
【0008】
具体的には、前記発光チップがレーザダイオードである。
【0009】
本発明は、センサアレイ及び少なくとも制御ユニットを備え、前記センサアレイが前記制御ユニットに電気的に接続される撮像素子と、外界表面に入射して前記外界表面によって前記センサアレイに反射される光線を発光するための発光チップと、前記撮像素子及び前記発光チップを載置する基板と、前記基板に設置され、前記撮像素子及び前記発光チップを覆い、前記光線の伝達経路に前記光線を透過させるための第一の透光部が設置されるカバーと、前記基板及び前記カバーを載置するベースと、を備え、前記カバーが前記ベースと前記基板との間に位置し、前記ベースに、前記光線の経路において前記光線を透過させるための第二の透光部が設置される光学式マウスのレーザ指向装置をさらに提供する。
【0010】
具体的には、前記第一の透光部及び前記第二の透光部がそれぞれ開口である。
【0011】
具体的には、前記第一の透光部の直径と前記光線の波長との比率が10以上であり、前記第二の透光部の直径と前記光線の波長との比率が10以上である。
【0012】
本発明は、ダイアタッチプロセスを行い、撮像ダイ及びレーザダイオードダイを基板に実装し、前記撮像ダイ及び前記レーザダイオードダイを電気的に接続するステップと、前記撮像ダイ及び前記レーザダイオードダイをカバーで覆い、前記カバーに、前記レーザダイオードダイが発光する光線の伝達経路において第一の透光部を設置するステップと、を備える光検出モジュールの製造方法を提供する。
【0013】
具体的には、前記ダイアタッチプロセスがチップ直接パッケージプロセスである。
【0014】
具体的には、前記ダイアタッチプロセスは、前記基板の一つの平面に接合材料を形成するステップと、前記レーザダイオードダイ及び前記撮像ダイを前記接合材料に固定し、前記接合材料によって前記レーザダイオードダイ及び前記撮像ダイを接合するステップと、を備える。
【0015】
具体的には、前記ダイアタッチプロセスは、前記基板の一つの平面に第一の接合材料を形成するステップと、前記撮像ダイを前記第一の接合材料に固定し、前記第一の接合材料によって前記撮像ダイを接合するステップと、前記撮像ダイの一つの表面に第二の接合材料を形成するステップと、前記レーザダイオードダイを前記第二の接合材料に固定し、前記第二の接合材料によって前記レーザダイオードダイを接合するステップと、を備える。
【0016】
本発明は、光学レンズを設置する必要がなくなり、製造コストを低減でき、さらに、光学式マウスの検出モジュール全体の素子サイズを低減し、光検出モジュールから外界光線反射面までの距離を効果的に短縮できるため、光路全体における光線の光損失を低減し、さらに、光検出モジュールの応答性を上げ、また、光損失の低減により、光源の出力パワーを低減し、さらに、光検出モジュールの応答性を上げ、且つ、節電、省エネルギーの機能を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、従来技術によるレーザ光学式マウスにおける光源のパッケージ構造の概略図である。
図2図2は、本発明の第一の実施形態による光検出モジュールの構造の概略図である。
図3図3は、本発明の第二の実施形態による光検出モジュールの構造の概略図である。
図4図4は、光学式マウスの光検出モジュールの構造の概略図である。
図5図5は、本発明の第三の実施形態によるセンサアレイの構造の概略図である。
図6図6は、本発明による光検出モジュールの製造プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施形態による技術手段を明瞭に、詳細に説明する。
【0019】
図2は、本発明の第一の実施形態による光検出モジュールの構造の概略図である。図2を参照すると、本実施形態では、光検出モジュール100は、撮像素子1、発光チップ4、基板5及びカバー6を備える。撮像素子1は、センサアレイ11及び少なくとも制御ユニット12を備え、センサアレイ11が電荷結合素子または相補形金属酸化膜半導体撮像素子からなってもよい。発光チップ4が、コヒーレント光源(coherent light source)であり、本実施形態では、発光チップ4がレーザダイオードであってもよく、レーザ光線41を発光する。一実施形態では、基板5が回路基板であり、下表面151を備え、この撮像素子1及び発光チップ4が共に基板5の下表面151に設置される。そして、カバー6がセンサアレイ11及び発光チップ4を覆い、且つ、カバー6に、光線41の伝達経路において光線41を透過させるための第一の透光部61が設置される。
【0020】
続いて説明すると、図2に示すように、発光チップ4が外界表面50に照射する光線41を発光し、光線41が外界表面50に反射され、撮像素子1に入射し、撮像素子1のセンサアレイ11によって、外界表面50に反射された光線41が検出される。このように、ユーザが光学式マウスを移動する際に、撮像素子1が取り込む画像が変わっている。
【0021】
本発明のセンサアレイ11及び発光チップ4が基板5の下表面151に高度に集積され、且つ、カバー6がセンサアレイ11及び発光チップ4を覆う。カバー6の第一の透光部61が開口の形状であってもよく、この開口が、外界表面50によって屈折・散乱された反射光線41を遮蔽できるフィルタ機能を有する。このように、カバー6を設置することにより、エネルギー収集効率を上げ且つ不要な乱反射及び環境干渉光源を排除することができ、集光のための付加的な光学レンズを設置する必要がなくなるとともに、センサアレイ11と発光チップ4のダイボンド(die bond)とワイヤボンド(wire bond)に対しての防塵と保護を提供できる。
【0022】
図3は、本発明の第二の実施形態による光検出モジュールの構造の概略図である。図3に示される発光チップ4と図2に示される撮像素子1は、共に集積回路7に集積される。基板5が、上記集積回路7を載置するための下表面151を有する。具体的には、この集積回路7が光電子集積回路(OEIC、Optoelectronic Integrated Circuits)であってもよく、撮像素子1及び発光チップ4が載置板8に電気的に接続されて設置され、そして、載置板8が基板5の下表面151に電気的に接続されて設置される。このように、分離型の素子の離散効果による応答速度への制限を低減でき、且つ、小型化、高信頼性、耐震性及び耐衝撃性等の利点を有する。
【0023】
図4は、光学式マウスの光検出モジュール100の構造の概略図である。本発明の光検出モジュール100を光学式マウス(図示せず)に応用する際に、この光検出モジュール100が光学式マウスのベース70に設置される。図2及び図4を参照すると、本実施形態では、発光チップ4がレーザダイオードであり、外界表面50に照射するレーザ光41を発光する。この外界表面50が、このレーザ光をセンサアレイ11に反射する。このベース70に、レーザ光41の伝達経路において第二の透光部62が設置され、この透光部62が開口であってもよい。
【0024】
本実施形態では、発光チップ4が発光したレーザ光41が外界表面50に照射され、レーザ光41が外界表面50に反射された後、ベース70の第二の透光部62の開口を介してセンサアレイ11に入射する。このように、第二の透光部62の開口のフィルタ機能により、レーザ光41が外界表面50に反射された後に生じる散乱光源及び環境光源を排除し、これらの光源によるセンサアレイ11の応答性への影響を低減する。
【0025】
続いて説明すると、この第二の透光部62も空間フィルタ機能を有する。レーザ光41が出射した後、空気内の粒子の散乱または光学素子の欠陥の影響に起因して光線散乱を招く恐れがあり、これらの干渉が総称されて空間騒音と言われる。この第二の透光部62の直径とレーザ光41の波長との比率を設定し、第二の透光部62と発光チップ4の空間配置距離を調整し、例えば、本実施形態では、この第二の透光部62の直径とレーザ光41の波長との比率が10以上であることにより、この第二の透光部62が空間フィルタ機能を有し、光線散乱を招く空間騒音干渉を排除する。
【0026】
図5を参照すると、図5は、本発明の第三の実施形態によるセンサアレイの構造の概略図である。本実施形態によるセンサアレイ11が、複数の検出素子111からなるセンサアレイ組112を備える。当該複数の検出素子111が固体撮像素子であってもよく、フォトゲート(photogate)、フォトダイオード(固定型、選択固定型または非固定型)または電荷結合素子(CCD, charge Coupled Device)を含むが、これらに限定されない。本発明の一実施形態では、この検出素子がフォトダイオードであり、特に、周知の相補形金属酸化膜半導体(CMOS, Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスを使用し、特別にカバーの設計を変更する必要がなくなり、フォトダイオードタイプの相補形金属酸化膜半導体撮像素子(photodiode−type CMOS imager)を製造できる。
【0027】
図6を参照すると、図6は、本発明による光検出モジュールの製造プロセスの概略図である。この光検出モジュール100の製造プロセスは、撮像ウエハーに対してプローブカードによって撮像測定及び光源測定を行い、そして、不良のウエハーにマークをつけ、ウエハー実装(wafer mount)を行い、ウエハー実装が行われた撮像ウエハーの電気的特性をプローブカードによって測定するステップと、そして、撮像ウエハーを薄く研磨し、タッピングし、切断し、非タッピングすることにより、複数の撮像ダイを形成するステップと、この撮像ダイをダイアタッチプロセス(Die Attach Process)で基板に実装するステップと、レーザダイオードダイをダイアタッチプロセスでこの基板に実装し、レーザダイオードダイを検出半導体集積回路の近くに貼り付け、または、レーザダイオードダイを検出半導体集積回路に貼り付け、そのうち、撮像ダイ及びレーザダイオードダイを電気的に接続するステップと、この撮像ダイ及びこのレーザダイオードダイを硬化させるステップと、プラズマで表面を清浄した後、この撮像ダイ及びこのレーザダイオードダイにワイヤをボンディングするステップと、この撮像ダイ及びこのレーザダイオードダイをカバーで覆い、このカバーに、レーザダイオードダイが発光する光線の伝達経路に第一の透光部を設置するステップと、最後に、硬化させ、モールディングし、検知するステップとを備える。
【0028】
続いて説明すると、図5に示すように、このダイアタッチプロセスは、チップ直接パッケージプロセス、例えば、ピン挿通プロセス(PTH、Pin Through Hole)または表面実装プロセス(SMT、Surface Mount Technology)である。
続いて説明すると、上記ダイアタッチプロセスは、基板の一つの平面に接合材料を形成するステップと、レーザダイオードダイ及び撮像ダイをこの接合材料に固定し、この接合材料によってレーザダイオードダイ及び撮像ダイを接合するステップとを備える。
【0029】
続いて説明すると、上記ダイアタッチプロセスは、基板の一つの平面に第一の接合材料を形成するステップと、撮像ダイをこの第一の接合材料に固定し、この第一の接合材料によって撮像ダイを接合するステップと、撮像ダイの一つの表面に第二の接合材料を形成するステップと、レーザダイオードダイをこの第二の接合材料に固定し、この第二の接合材料によってレーザダイオードダイを接合するステップとを備える。
【0030】
以上により、本発明の光検出モジュールは、以下の利点を備える。
1.本発明の光検出モジュールは、光学式マウスのコヒーレント光源を集積し、集光のための付加的な光学レンズを設置する必要がなくなることにより、光学式マウスの検出モジュール全体の素子サイズを低減するとともに、光路全体における光線の光損失を低減し、さらに、光検出モジュールの応答性を上げ、節電、省エネルギーの機能を奏する。
【0031】
2.本発明の光検出モジュールは、直接パッケージで、発光チップ及び撮像素子をそれぞれ基板に貼り付け、または、発光チップ及び撮像素子を集積回路に集積して基板に実装し、組み立てを完成することにより、基板の使用面積を低減する。
【0032】
3.本発明の光検出モジュールは、基板に設置されるカバー及びベースに設置される第二の透光部により、散乱した反射光を遮蔽し、導光構造の垂直運動による光検出モジュールへの影響を回避する。普通の光検出システムと異なり、本装置は、有効な光路を短縮及び保護し、異なる使用表面に優れた光指向機能を奏する。
【0033】
以上は、本発明の好適な実施形態であるが、当業者にとっては、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に、若干の改善及び改良を加えてもよく、また、これらの改善及び改良が請求の範囲に記載された範疇に属する。
【符号の説明】
【0034】
30 光検出モジュール
32 垂直共振器型面発光レーザ
34 回路基板
35 集光部
36 撮像素子
38 固定ベース
40 レンズ部材
42 光ビーム
44 デスク
100 光検出モジュール
1 撮像素子
11 センサアレイ
111 検出素子
112 センサアレイ組
12 制御ユニット
4 発光チップ
41 光線
50 外界表面
5 基板
6 カバー
7 集積回路
8 載置板
61 第一の透光部
62 第二の透光部
70 ベース
151 下表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6