【0009】
既存の疑似餌や餌木等の漁具は、根がかりを回避するための配慮に欠けるものが多い。根がかりを回避し、且つ、釣りのターゲットにしっかりアピールし、使用する餌やワーム等を、仕掛けから抜け落ちなくする工夫を施した形態ものが根幹となる。
この漁具は、釣りの対象となる相手が、魚だけではなく、イカやタコ、カニ等も釣ることができるので、対象魚という文言を使用せず、釣りのターゲットという表現をする。
この漁具は、ルアーという要素だけに留まらず、餌木等、他の用途としても使用することができる為、ルアー・餌木等という表現を用いず、漁具と表現する。
また、そのターゲットが、様々な種類やサイズに及び、そのターゲットに合わせて成型する形状も、それぞれの部位のサイズや素材、バランスもそれぞれ微妙に変わるので、それらを図面や文章によって表現することにする。
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図1]にあるように、基本的な形状は、根がかりを回避する為に、1のフック部分が水中の障害物に絡む前に、5のバンパーアーム部が先に当たり、障害物をかわす構造になっている。3の錘部を、本体の下に配置することにより、本体が水底に接した場合でも、仕掛けの上下をしっかりと保ち、より根がかりがおきない構造になっている。また、ターゲットによって、水底に置くように使用する場合、3の錘部の形状を、仕掛け全体が水底にバランス良く立つように成型する。水底に接しない場合、この限りではない。
小さく分かりにくい構造ではあるが、餌やワーム等を、いわゆる通し刺しする軸となる4に、10のずり抜け防止の工夫もある。4の軸に、段差を設けたり、糸やワイヤー等を巻いたりすることで、使用する餌やワーム等を内側から締めるようになっている。
餌やワーム等を、通し刺しした後に、6のホールド部で刺したり抑えることにより、より一層、抜け落ちにくくなる。最後に、11の先に配置したフックを、餌やワーム等に刺すことにより、仕掛けが完成する。仕掛けの完成図の一例が、[
図2]である。
また、これらの機能の全てを必ずしも搭載させる必要はなく、ターゲットに応じて搭載したりしなかったりする。例えば、使用する餌やワームが極端に小さく、10のずり抜け防止部がなくても、抜け落ちないなら、搭載する必要はなく、1のフック部に刺す必要がなければ、刺さなくても良い。6も同様である。
使用する餌やワーム等によっては、以上の抜け落ち防止策を施しても本体に取り付けることが困難な場合、糸やワイヤー等を使用し、巻き付けて使っても良い。
餌やワーム等を、単一で使用するだけでなく、様々な組み合わせでさらなる集魚効果を発揮する使い方もある。例えば見た目のアピールにはワームを使用し、餌の匂いを追加したい場合、4の軸にワームを刺し、1や6に餌を刺して使用したり、7や12の接続部を利用し、餌や匂いを放つモノを装着したり、その時々において最も使いたいやり方で、カスタマイズして使用することができる。
この漁具は構造上、5のバンパーアーム部と3の錘部が、水の抵抗を受ける為、このままでも餌やワームにアクションを付け、魚にアピールする動きをするが、[
図3]や[
図4]のように、リップやカップ、ペラ等を搭載することにより、さらなるアピールをすることが可能である。また[
図5]のように、ブレードや羽、ラバー等を7や12の接続部に付属させることでも、本体や、餌、ワーム等に振動を与えることができる。ブレード等の形状や数、設置位置は、ターゲットや、使用する餌やワーム等とのバランスにより変わる。
1、4、5、6、11等には、ゴム管やチューブ等で17の発光体や、匂い等の集魚効果があるモノを装着することができる。1、4、5、6、11にラバーを巻くことで、よりアピール力を高めることができる。また、それらの場所に、クレビス、スイベル等を用いて接続する方法もある。
1や14の針先の向きは、釣るターゲットに応じて360度、どの向きでも良いこととする。1と14は、シングルフックに限らず、釣る対象によりダブルフック・トレブルフック・四本針・餌木用カンナ等、どのような針を用いても良い。
1は11から取り外し式にすることで、1の形状を簡単に変えることができる。また、1と11を複数本に増やし、さらにフッキング回数を増やしても良い。
1のフックを、本体に結束する11のアーム部は、針金等の金属製のものだけではなく、ターゲットに応じて各種ライン等で結んでも良い。
2の形状は、この漁具の全体的なバランスに応じて成型し、丸型や三角等に限定しない。2の位置、角度や、4、5、6の長さや角度、素材、形体、または、それぞれ途中で折り目を付けたり、曲線を持たせたりすることは、釣るターゲットに合わせて成型する。1の形状、3の重さや形状、素材、8や9のサイズや形状、素材も釣るターゲットに合わせて成型する。3と5は取り外し式にすることで、3の重さや形状を簡単に変えることができる。また、錘を追加したりもできる。
5を複数本に増やすことにより、さらに根がかり回避能力を高めることができる。4、5、6、11は針金状のワイヤー形状に限らず、板状のものや、さらに板状に波型や、凸凹状に加工しても良い。4、5、6、11は性質上、水を受け本体にアクションをもたらすものなので、釣るターゲットや、使用する餌やワーム等に合わせて、それぞれ設計、成型し加工をする。特に5は、8のように水を受けやすく設計することで、本体そのものにさらにアクションを加えることもできる。
6を複数本に増やすことにより、さらにホールド力を高めたり、アピール力を高めても良い。3を複数個使用し、重さを変え、ターゲットのいる層の水深に合わせて調節することができる。
6の位置は、この他にも4の下側や4を挟み込むよう設置しても良い。6の形状は、使用する餌やワームの形やサイズに応じ、櫛状に複数本配置したりもできる。
全ての部位を配置する間隔や、サイズ、形状は、釣るターゲットや使用する餌・ワーム等に応じてバランスを考えて配置し成型するものとする。
7や12を配置することで、アピールを高める為のブレードや、錘、ペラ、ラバー等を追加したり、アシストフックや餌木用のカンナ等を追加することができ、さらなる拡張性を備えた。また、7や12の接続部は、3の錘部の後方に配置するだけでなく、1、4、5、6、11に配置することも可能である。水中の障害物が過少な時、7や12に針を追加し釣果を高めることもできる。また、それらの場所に、クレビス、スイベル等を用いて追加することもできる。
最も容易に本発明を実現させる手段として、既存のジグヘッド、ラバージグ、スモラバ、餌木等の軸の部分に3、4、5、6、7を追加することで、本発明を成型することもできる。
また、一般的にジグヘッド、ラバージグ、スモラバと呼ばれるルアーの類はフック部等に任意のゴム製ワーム等を装着して使用するが、そのフック部等そのものに、金属・樹脂・ゴム・シリコン・プラスチック等で、魚や烏賊等の水生生物を模した物や他のあらゆる形状の物を、あらかじめ成型した上で完成となる物もある。この漁具においても、そのような方法を用いる事により集魚効果を高める様々な工夫を追加して使用できるものとする。
全ての部位の素材となる針金類・錘・フック・カップ・リップ・ペラ・ブレード等は、金属・樹脂・ゴム・シリコン・プラスチック、各種ライン等、あらゆる素材を使用して成型することが可能である為、素材を個別に限定しない。
上記実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。