特開2019-113473(P2019-113473A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-113473(P2019-113473A)
(43)【公開日】2019年7月11日
(54)【発明の名称】センサ用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   G01L 23/10 20060101AFI20190621BHJP
   G01L 9/08 20060101ALI20190621BHJP
【FI】
   G01L23/10
   G01L9/08
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-248855(P2017-248855)
(22)【出願日】2017年12月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(74)【代理人】
【識別番号】100089886
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 雅雄
(72)【発明者】
【氏名】金澤 和明
(72)【発明者】
【氏名】浅井 清
(72)【発明者】
【氏名】堀川 丈之
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA21
2F055AA23
2F055BB19
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE23
2F055GG12
2F055GG25
(57)【要約】
【課題】多様なセンサユニットのレパートリーに対応でき、生産効率の向上を図ることができるセンサ用コネクタの提供。
【解決手段】このセンサ用コネクタ2は、モジュール挿着部31内に挿着される端子モジュール5,5…を備え、共通部品化されたポゴピン型の端子モジュール5が接続端子4のモジュール挿着部31側に露出した接続端子4と互いに摺動可能な摺動接触片525,525を介して接触するようにしたことによって、多様なレパートリーを有するセンサユニット1に対し、コネクタハウジング3のモジュール挿着部31,31…の配置及び極数等の変更によって対応できるようにしている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサハウジングの接合側端部にセンサ本体が設置されているセンサユニットに組み付けられ、前記センサ本体と接続されるセンサ用コネクタにおいて、
前記センサハウジングと接合するコネクタハウジングと、該コネクタハウジングに保持された接続端子と、前記コネクタハウジングのセンサ本体と対向する面に開口したモジュール挿着部内に挿着される端子モジュールとを備え、
前記端子モジュールは、前記モジュール挿着部内に固定されるモジュール基部と、該モジュール基部に移動可能に連結された可動接触子と、前記モジュール基部と前記可動接触子との間に介在された付勢手段とを備え、
前記可動接触子は、モジュール挿着部側に露出した前記接続端子と互いに摺動可能な摺動接触片を備え、前記付勢手段に付勢されて前記コネクタハウジングのセンサ本体と対向する面より突出し、前記コネクタハウジングを前記センサハウジングに接合させることによって、前記センサ本体と接触するようにしたことを特徴とするセンサ用コネクタ。
【請求項2】
前記摺動接触片は、前記可動接触子の側面より斜め外向きに延出した片持ちバネ状に形成されている請求項1に記載のセンサ用コネクタ。
【請求項3】
前記モジュール基部は、平板状の端板と、該端板の側縁より立ち上げた配置の案内用側板とを備え、
前記可動接触子は、前記案内用側板の外側にスライド可能に重ねられたスライド板と、該スライド板の先端に支持され、前記センサ本体に押し当てられる接触部とを備え、
前記スライド板又は案内用側板の何れか一方の対向面より突出させた係合突起が何れか他方の対向面部に形成されたスライド方向に長い長孔に挿入され、前記付勢手段が前記端板に支持されて前記接触部を互いに離反する方向に付勢するようにした請求項1又は2に記載のセンサ用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサと電子機器とを接続するコネクタであって、特には、内燃機関の燃料噴射装置に使用される圧力センサ等と制御装置との接続に使用されるセンサ用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関の燃料噴射装置においては、各気筒内で発生する燃焼圧力やコモンレール内の圧力を監視及び制御するために圧力センサを備えている。
【0003】
この種の圧力センサは、図7に示すように、センサハウジング11の接合側端部にセンサ本体12が設置されているセンサユニット1と、センサユニット1に組み付けられ、センサ本体12と接続されるコネクタ9とを備え、このコネクタ9を介してセンサ本体12とケーブル等とが電気的に接続されるようになっている。
【0004】
コネクタ9は、センサ本体12の表面に接続されるリード端子91と、リード端子91と接続される接続端子92と、接続端子92を保持するハウジング93とを備え、リード端子91を介して接続端子92がセンサ本体12と電気的に接続されるようになっている。
【0005】
リード端子91は、予めセンサ本体12に溶接等によって接続されており、ハウジング93をセンサハウジング11と互いに組み付けることによって、リード端子91と接続端子92とが接触し、その状態で両端子91,92がハウジング93に開口した溶接用孔94を利用して溶接されるようになっている。尚、図中符号95は溶接用孔94を塞ぐ封止蓋である。
【0006】
また、この種のコネクタには、センサ本体と接続端子とに間にバネ状のリード端子を備え、ハウジングをセンサ部に組み付けることによって、センサ用基板の表面にリード端子が弾性接触するようにしたものも知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2003−529070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、コネクタと接続されるセンサユニットに多様性(レパートリー)があり、センサユニット毎にセンサ本体の極数、センサ本体に対するリード端子の接触位置等が異なる。
【0009】
よって、各センサユニットに接続されるコネクタは、対応するセンサユニット毎にリード端子の形状や配置及びそれに接続される接続端子の形状や配置が異なり、それらを収容するハウジングも対応するセンサユニット毎に設定する必要があった。
【0010】
即ち、従来のセンサ用コネクタでは、センサユニットのレパートリー毎に専用のものを用意する必要があり、コネクタの構成部品が共通化されず、それぞれ独自の部品を使用しなければならないことから、生産工程が煩雑になるとともに、生産コストが嵩むという問題があった。
【0011】
また、従来の技術では、センサ本体とリード端子とを予め接続させておく構造であると、センサ本体とリード端子とを溶接する工程と、リード端子と接続端子とを溶接する工程とを経なければならず、組み立てが煩雑となり作業効率が悪いという問題があった。
【0012】
また、リード端子と接続端子とを溶接するには、コネクタハウジングに溶接用孔を設ける必要があり、また、溶接完了後はこの溶接用孔を閉鎖する必要があった。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、多様なセンサユニットのレパートリーに対応でき、生産効率の向上を図ることができるセンサ用コネクタの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、センサハウジングの接合側端部にセンサ本体が設置されているセンサユニットに組み付けられ、前記センサ本体と接続されるセンサ用コネクタにおいて、前記センサハウジングと接合するコネクタハウジングと、該コネクタハウジングに保持された接続端子と、前記コネクタハウジングのセンサ本体と対向する面に開口したモジュール挿着部内に挿着される端子モジュールとを備え、前記端子モジュールは、前記モジュール挿着部内に固定されるモジュール基部と、該モジュール基部に移動可能に連結された可動接触子と、前記モジュール基部と前記可動接触子との間に介在された付勢手段とを備え、前記可動接触子は、モジュール挿着部側に露出した前記接続端子と互いに摺動可能な摺動接触片を備え、前記付勢手段に付勢されて前記コネクタハウジングのセンサ本体と対向する面より突出し、前記コネクタハウジングを前記センサハウジングに接合させることによって、前記センサ本体と接触するようにしたことにある。
【0015】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記摺動接触片は、前記可動接触子の側面より斜め外向きに延出した片持ちバネ状に形成されていることにある。
【0016】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え前記モジュール基部は、平板状の端板と、該端板の側縁より立ち上げた配置の案内用側板とを備え、前記可動接触子は、前記案内用側板の外側にスライド可能に重ねられたスライド板と、該スライド板の先端に支持され、前記センサ本体に押し当てられる接触部とを備え、前記スライド板又は案内用側板の何れか一方の対向面より突出させた係合突起が何れか他方の対向面部に形成されたスライド方向に長い長孔に挿入され、前記付勢手段が前記端板に支持されて前記接触部を互いに離反する方向に付勢するようにしたことにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るセンサ用コネクタは、請求項1に記載の構成を具備することによって、多様なレパートリーを有するセンサユニットに対し、モジュール化した共通の端子モジュールで対応することができ、自動組立機の作業を一元化することができるとともに、組み立て作業の効率が向上し、コストの低減を図ることができる。
【0018】
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、接続端子に対し、可動接触子が円滑に摺動できるとともに、好適な接触圧を維持することができる。
【0019】
さらに、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、最小限の部品点数で端子モジュールを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るセンサ用コネクタを使用したセンサの一例を示す断面図である。
図2】同上の分解斜視図である。
図3】(a)は図1中のセンサ用コネクタを示す平面図、(b)は同側面図、(c)は同正面図である。
図4図1中のセンサ用コネクタを示す分解斜視図である。
図5】同上の端子モジュール部分を示す拡大断面図である。
図6図3中の端子モジュールを示す分解斜視図である。
図7】従来のセンサユニットに対するセンサ用コネクタの取り付け方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係るセンサ用コネクタの実施態様を図1図6に示した実施例に基づいて説明する。尚、上述の従来例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
本実施例では、内燃機関の各気筒内で発生する燃焼圧力やコモンレール内の圧力を監視及び制御するための圧力センサAを例に説明し、図中符号1はセンサユニット、符号2はセンサ用コネクタである。
【0023】
この種の圧力センサAは、図1図2に示すよう、センサハウジング11の接合側端部にセンサ本体12(圧電センサ)が設置されたセンサユニット1を備え、このセンサユニット1にセンサ用コネクタ2が組み付けられ、センサ用コネクタ2を介して内燃機関の制御部と繋がるケーブル等(図示せず)と電気的に接続されるようになっている。
【0024】
センサハウジング11は、例えば、絶縁性樹脂からなるモールド体111と、モールド体111の外部を覆うカバー112とを備え、センサ本体12が設置された接合端面13がカバー112のコネクタ側周壁112aに囲まれ、センサ用コネクタ2の端部が嵌合する凹状のコネクタ嵌合部14が形成されている。
【0025】
センサ用コネクタ2は、図3図4に示すように、センサハウジング11と接合するコネクタハウジング3と、コネクタハウジング3に保持された接続端子4,4…と、コネクタハウジング3のセンサ本体12と対向する面に開口したモジュール挿着部31,31…に挿着される端子モジュール5,5…とを備え、センサユニット1の態様、即ち、センサ本体12の極数や配置等に合わせて形成されたコネクタハウジング3に端子モジュール5,5…を挿着することによって多様なセンサユニット1に対応できるようになっている。
【0026】
接続端子4,4…は、図4に示すように、導電性金属材を打抜き折り曲げ加工することによって形成され、矩形状の固定片41と、固定片41の一端より延出したピン状の端子本体42と、固定片41と互いに間隔を置いて対向する接触片43と、固定片41と接触片43とを連結する連結片44とを備えている。尚、図中符号45は、各固定片41の両側縁に突設された係止突起である。
【0027】
コネクタハウジング3は、図に示すように、絶縁性樹脂によって一体形成され、センサハウジング11のコネクタ嵌合部14に嵌め込まれるセンサ側嵌合部32と、センサ側嵌合部32の他端側に配置された筒状の外部接続部33とを備えている。
【0028】
センサ側嵌合部32は、センサハウジング11の接合端面13と重ね合わされる扁平円柱状に形成され、接合面部に凹部321を有し、その底面321aがセンサ本体12と間隔をおいて対向するようになっている。
【0029】
このセンサ側嵌合部32は、外周にOリング等の止水部材6が嵌め込まれる止水材用溝322が形成され、コネクタ嵌合部14に嵌合した際にコネクタ側周壁112aとの隙間が止水部材6によって封止されるようになっている。
【0030】
また、センサ側嵌合部32には、他端側の外周部に固定用段部323が形成され、図1に示すように、コネクタ側周壁部112aの端部を加締めて固定用段部323に係合させることにより、コネクタハウジング3がセンサハウジング11に接合した状態で固定されるようになっている。
【0031】
このセンサ側嵌合部32には、センサ本体12の態様、即ち、センサ本体12側端子の極数及び配置に合わせてモジュール挿着部31,31…を備えるとともに、モジュール挿着部31,31…と隣接して接続端子4,4…が保持される接続端子保持部34,34…が形成されている。
【0032】
モジュール挿着部31,31…は、センサ本体12と対向する面、即ち、凹部底面321aに開口した矩形穴状に形成され、接合方向に向けて所定の深さを有している。
【0033】
また、モジュール挿着部31,31…には、接続端子4,4…側に接合方向に向けた矩形孔状の連通溝311が形成され、後述する端子モジュール5,5…の可動接触子52が接合方向に移動する際、可動接触子52(摺動接触片525,525)の移動を妨げないようにしている。
【0034】
接続端子保持部34は、接続端子4の固定片41が挿着される固定片挿入孔341と、固定片挿入孔341と連通し、外部接続部33内に貫通する端子挿通孔342と、連結片44が収容される収容溝部343とを備え、固定片41を固定片挿入孔341に圧入することによって、端子本体42が端子挿通孔342を通して外部接続部33内に突出するとともに、接触片43がモジュール挿着部31側、即ち、連通溝311内に露出するようになっている。
【0035】
端子モジュール5,5…は、図5図6に示すように、モジュール挿着部31内に固定されるモジュール基部51と、モジュール基部51に移動可能に連結された可動接触子52と、モジュール基部51と可動接触子52との間に介在された付勢手段53とを備え、モジュール基部51、可動接触子52及び付勢手段53が互いに導通した状態で組み付けられモジュール化(一体化)されている。
【0036】
モジュール基部51は、導電性金属製板材を打抜き・折り曲げ加工することによって形成され、十字平板状の端板511と、端板511の対向する側縁より立ち上げた一対の案内用側板512と、端板511の他の側縁より立ち上げた付勢手段保持片513,513とを備えている。
【0037】
案内用側板512は、矩形状に形成され、両側縁にモジュール挿着部31の内壁に食い込み係合する固定用係止片514,514が一体に突設されている。
【0038】
また、案内用側板512には、その表面の中央部分に外向きに突出し、端板511側に段部515aを有する係合突起515が形成されている。
【0039】
両付勢手段保持片513,513は、細長帯状に形成され、互いに付勢手段53の直径と略同じ間隔で対向し、付勢手段53を間に挟むことによって、対向する両案内用側板512,512間より付勢手段53が離脱しないようにしている。
【0040】
可動接触子52は、導電性金属板材を打抜き・折り曲げ加工することによって一体に形成され、案内用側板512の外側にスライド可能に対向して重ねられる一対のスライド板521,521と、両スライド板521,521の先端に支持され、センサ本体12に押し当てられる接触部522とを備えている。
【0041】
スライド板521は、矩形状に形成され、その先端側に支持部523を介して接触部522の側縁が一体に支持されている。
【0042】
各スライド板521には、中央部に可動接触子52の移動方向に向けた長孔状のスライド孔524が形成され、このスライド孔524に案内用側板512の係合突起515が挿入され、スライド板521,521が案内用側板512に案内され、可動接触子52がモジュール基部51に対しスライド孔524の長さ分だけスライドできるようになっている。
【0043】
また、一方のスライド板521,521には、連通溝311内に露出した接触片43と摺動可能に接触する摺動接触片525,525が一体に支持されている。
【0044】
摺動接触片525,525は、基端がスライド板521の端縁に一体に支持された帯状の切片が外向きに折り返され、可動接触子52の側面より斜め外向きに延出した片持ちバネ状に形成されている。尚、この摺動接触片525,525の先端部には、円弧状の接点部525aが形成されている。
【0045】
接触部522は、矩形状に形成され、その中央部に表側に膨出した接点522aが一体に形成されている。
【0046】
付勢手段53は、コイルスプリングによって構成され、一端が端板511に支持され、他端が接触部522を押圧し、可動接触子52を押し出し方向に付勢するようになっている。
【0047】
そして、この端子モジュール5,5…は、図6に示すように、モジュール基部51の付勢手段保持片513,513間にコイルスプリングからなる付勢手段53を挿入し、その状態で付勢手段53を押し込みつつ可動接触子52をモジュール基部51側に組み付けることによって、係合突起515がスライド孔524に挿入され、可動接触子52がモジュール基部51にスライド可能に接合され、モジュール基部51、可動接触子52及び付勢手段53がワンタッチで一体化(モジュール化)される。
【0048】
また、この端子モジュール5,5…は、モジュール挿着部31,31…に圧入することによって、モジュール基部51の固定用係止片514,514がモジュール挿着部31,31…の内壁に食い込み、可動接触子52が接合端面より押し込み可能に突出した状態でコネクタハウジング3に容易に取り付けることができ、且つ、摺動接触片525,525がモジュール挿着部31,31…側に露出した接続端子4,4…、即ち、連通溝311内に露出した接触片43に摺動可能に接触する。
【0049】
このように構成されたセンサ用コネクタ2は、センサ本体12と接触する端子を多様なセンサユニット1の態様に対応可能な共通のポゴピン式(圧接式)の端子モジュール5,5…とし、その端子モジュール5,5…を各レパートリーに対応したコネクタハウジング3のモジュール挿通部に圧入(挿着)することによって、端子をコネクタハウジング3に容易に組み込むことができ、且つ、溶接等を用いずに接続端子4,4…との導通を確実に確保することができるようにした。
【0050】
よって、このセンサ用コネクタ2では、端子モジュール5,5…が共通化されたことで、多様なレパートリーを有するセンサユニット1に対し、コネクタハウジング3のモジュール挿着部31,31…の配置及び極数等の変更によって対応することができる。
【0051】
また、接続端子4,4…の形状は、上述の実施例に限定されず、モジュール挿着部31,31…に露出する接触片43を有していればよいので、対応するセンサユニット1の態様に合わせて自由に設計することが可能となっている。
【0052】
また、このセンサ用コネクタ2は、モジュール化した共通の端子モジュール5,5…を具備することによって、自動組立機等の作業を一元化することができるとともに、組み立て作業の効率が向上し、コストの低減を図ることができる。
【0053】
尚、上述の実施例では、内燃機関用の圧力センサAを例に説明したが、センサユニット1の種類及び態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、センサ本体12は圧電センサ以外のセンサであってもよい。また、センサハウジング11及びコネクタハウジング3の態様は、上述の実施例に限定されない。
【0054】
また、上述の実施例では、摺動接触片525を片持ちバネ状に形成した例について説明したが、摺動接触片の態様はこれに限定されず、接続端子側に片持ちバネを設け、摺動接触片を平板状に形成し、接続端子の片持ちバネに摺動可能に接触させてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 センサユニット
11 センサハウジング
111 モールド体
112 カバー
13 接合端面
14 コネクタ嵌合部
12 センサ本体(圧電センサ)
2 センサ用コネクタ
3 コネクタハウジング
31 モジュール挿着部
311 連通溝
32 センサ側嵌合部
321 凹部
322 止水材用溝
323 固定用段部
33 外部接続部
34 接続端子保持部
341 固定片挿入孔
342 端子挿通孔
343 収容溝部
4 接続端子
41 固定片
42 端子本体
43 接触片
44 連結片
45 係止突起
5 端子モジュール
51 モジュール基部
511 端板
512 案内用側板
513 付勢手段保持片
514 固定用係止片
515 係合突起
52 可動接触子
521 スライド板
522 接触部
523 支持部
524 スライド孔
525 摺動接触片
53 付勢手段
6 止水部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2018年11月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサハウジングの接合側端部にセンサ本体が設置されているセンサユニットに組み付けられ、前記センサ本体と接続されるセンサ用コネクタにおいて、
前記センサハウジングと接合するコネクタハウジングと、該コネクタハウジングに保持された接続端子と、前記コネクタハウジングのセンサ本体と対向する面に開口したモジュール挿着部内に挿着される端子モジュールとを備え、
前記端子モジュールは、前記モジュール挿着部内に固定されるモジュール基部と、該モジュール基部に移動可能に連結された可動接触子と、前記モジュール基部と前記可動接触子との間に介在された付勢手段とを備え、
前記モジュール基部は、平板状の端板と、該端板の側縁より立ち上げた配置の案内用側板とを備え、
前記可動接触子は、前記案内用側板の外側にスライド可能に重ねられたスライド板と、該スライド板の先端に支持され、前記センサ本体に押し当てられる接触部と、モジュール挿着部側に露出した前記接続端子と互いに摺動可能な摺動接触片を備え、
前記スライド板又は案内用側板の何れか一方の対向面より突出させた係合突起が何れか他方の対向面部に形成されたスライド方向に長い長孔に挿入され、前記付勢手段が前記端板に支持されて前記接触部を互いに離反する方向に付勢され、
前記可動接触子が前記コネクタハウジングのセンサ本体と対向する面より突出し、前記コネクタハウジングを前記センサハウジングに接合させることによって、前記センサ本体と接触するようにしたことを特徴とするセンサ用コネクタ。
【請求項2】
前記摺動接触片は、前記可動接触子の側面より斜め外向きに延出した片持ちバネ状に形成されている請求項1に記載のセンサ用コネクタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサと電子機器とを接続するコネクタであって、特には、内燃機関の燃料噴射装置に使用される圧力センサ等と制御装置との接続に使用されるセンサ用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関の燃料噴射装置においては、各気筒内で発生する燃焼圧力やコモンレール内の圧力を監視及び制御するために圧力センサを備えている。
【0003】
この種の圧力センサは、図7に示すように、センサハウジング11の接合側端部にセンサ本体12が設置されているセンサユニット1と、センサユニット1に組み付けられ、センサ本体12と接続されるコネクタ9とを備え、このコネクタ9を介してセンサ本体12とケーブル等とが電気的に接続されるようになっている。
【0004】
コネクタ9は、センサ本体12の表面に接続されるリード端子91と、リード端子91と接続される接続端子92と、接続端子92を保持するハウジング93とを備え、リード端子91を介して接続端子92がセンサ本体12と電気的に接続されるようになっている。
【0005】
リード端子91は、予めセンサ本体12に溶接等によって接続されており、ハウジング93をセンサハウジング11と互いに組み付けることによって、リード端子91と接続端子92とが接触し、その状態で両端子91,92がハウジング93に開口した溶接用孔94を利用して溶接されるようになっている。尚、図中符号95は溶接用孔94を塞ぐ封止蓋である。
【0006】
また、この種のコネクタには、センサ本体と接続端子とに間にバネ状のリード端子を備え、ハウジングをセンサ部に組み付けることによって、センサ用基板の表面にリード端子が弾性接触するようにしたものも知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2003−529070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、コネクタと接続されるセンサユニットに多様性(レパートリー)があり、センサユニット毎にセンサ本体の極数、センサ本体に対するリード端子の接触位置等が異なる。
【0009】
よって、各センサユニットに接続されるコネクタは、対応するセンサユニット毎にリード端子の形状や配置及びそれに接続される接続端子の形状や配置が異なり、それらを収容するハウジングも対応するセンサユニット毎に設定する必要があった。
【0010】
即ち、従来のセンサ用コネクタでは、センサユニットのレパートリー毎に専用のものを用意する必要があり、コネクタの構成部品が共通化されず、それぞれ独自の部品を使用しなければならないことから、生産工程が煩雑になるとともに、生産コストが嵩むという問題があった。
【0011】
また、従来の技術では、センサ本体とリード端子とを予め接続させておく構造であると、センサ本体とリード端子とを溶接する工程と、リード端子と接続端子とを溶接する工程とを経なければならず、組み立てが煩雑となり作業効率が悪いという問題があった。
【0012】
また、リード端子と接続端子とを溶接するには、コネクタハウジングに溶接用孔を設ける必要があり、また、溶接完了後はこの溶接用孔を閉鎖する必要があった。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、多様なセンサユニットのレパートリーに対応でき、生産効率の向上を図ることができるセンサ用コネクタの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、センサハウジングの接合側端部にセンサ本体が設置されているセンサユニットに組み付けられ、前記センサ本体と接続されるセンサ用コネクタにおいて、前記センサハウジングと接合するコネクタハウジングと、該コネクタハウジングに保持された接続端子と、前記コネクタハウジングのセンサ本体と対向する面に開口したモジュール挿着部内に挿着される端子モジュールとを備え、前記端子モジュールは、前記モジュール挿着部内に固定されるモジュール基部と、該モジュール基部に移動可能に連結された可動接触子と、前記モジュール基部と前記可動接触子との間に介在された付勢手段とを備え、前記モジュール基部は、平板状の端板と、該端板の側縁より立ち上げた配置の案内用側板とを備え、前記可動接触子は、前記案内用側板の外側にスライド可能に重ねられたスライド板と、該スライド板の先端に支持され、前記センサ本体に押し当てられる接触部と、モジュール挿着部側に露出した前記接続端子と互いに摺動可能な摺動接触片を備え、前記スライド板又は案内用側板の何れか一方の対向面より突出させた係合突起が何れか他方の対向面部に形成されたスライド方向に長い長孔に挿入され、前記付勢手段が前記端板に支持されて前記接触部を互いに離反する方向に付勢され、前記可動接触子が前記コネクタハウジングのセンサ本体と対向する面より突出し、前記コネクタハウジングを前記センサハウジングに接合させることによって、前記センサ本体と接触するようにしたことにある。
【0015】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記摺動接触片は、前記可動接触子の側面より斜め外向きに延出した片持ちバネ状に形成されていることにある。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るセンサ用コネクタは、請求項1に記載の構成を具備することによって、多様なレパートリーを有するセンサユニットに対し、モジュール化した共通の端子モジュールで対応することができ、自動組立機の作業を一元化することができるとともに、組み立て作業の効率が向上し、コストの低減を図ることができるとともに、最小限の部品点数で端子モジュールを形成できる。
【0017】
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、接続端子に対し、可動接触子が円滑に摺動できるとともに、好適な接触圧を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るセンサ用コネクタを使用したセンサの一例を示す断面図である。
図2】同上の分解斜視図である。
図3】(a)は図1中のセンサ用コネクタを示す平面図、(b)は同側面図、(c)は同正面図である。
図4図1中のセンサ用コネクタを示す分解斜視図である。
図5】同上の端子モジュール部分を示す拡大断面図である。
図6図3中の端子モジュールを示す分解斜視図である。
図7】従来のセンサユニットに対するセンサ用コネクタの取り付け方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明に係るセンサ用コネクタの実施態様を図1図6に示した実施例に基づいて説明する。尚、上述の従来例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0020】
本実施例では、内燃機関の各気筒内で発生する燃焼圧力やコモンレール内の圧力を監視及び制御するための圧力センサAを例に説明し、図中符号1はセンサユニット、符号2はセンサ用コネクタである。
【0021】
この種の圧力センサAは、図1図2に示すよう、センサハウジング11の接合側端部にセンサ本体12(圧電センサ)が設置されたセンサユニット1を備え、このセンサユニット1にセンサ用コネクタ2が組み付けられ、センサ用コネクタ2を介して内燃機関の制御部と繋がるケーブル等(図示せず)と電気的に接続されるようになっている。
【0022】
センサハウジング11は、例えば、絶縁性樹脂からなるモールド体111と、モールド体111の外部を覆うカバー112とを備え、センサ本体12が設置された接合端面13がカバー112のコネクタ側周壁112aに囲まれ、センサ用コネクタ2の端部が嵌合する凹状のコネクタ嵌合部14が形成されている。
【0023】
センサ用コネクタ2は、図3図4に示すように、センサハウジング11と接合するコネクタハウジング3と、コネクタハウジング3に保持された接続端子4,4…と、コネクタハウジング3のセンサ本体12と対向する面に開口したモジュール挿着部31,31…に挿着される端子モジュール5,5…とを備え、センサユニット1の態様、即ち、センサ本体12の極数や配置等に合わせて形成されたコネクタハウジング3に端子モジュール5,5…を挿着することによって多様なセンサユニット1に対応できるようになっている。
【0024】
接続端子4,4…は、図4に示すように、導電性金属材を打抜き折り曲げ加工することによって形成され、矩形状の固定片41と、固定片41の一端より延出したピン状の端子本体42と、固定片41と互いに間隔を置いて対向する接触片43と、固定片41と接触片43とを連結する連結片44とを備えている。尚、図中符号45は、各固定片41の両側縁に突設された係止突起である。
【0025】
コネクタハウジング3は、図に示すように、絶縁性樹脂によって一体形成され、センサハウジング11のコネクタ嵌合部14に嵌め込まれるセンサ側嵌合部32と、センサ側嵌合部32の他端側に配置された筒状の外部接続部33とを備えている。
【0026】
センサ側嵌合部32は、センサハウジング11の接合端面13と重ね合わされる扁平円柱状に形成され、接合面部に凹部321を有し、その底面321aがセンサ本体12と間隔をおいて対向するようになっている。
【0027】
このセンサ側嵌合部32は、外周にOリング等の止水部材6が嵌め込まれる止水材用溝322が形成され、コネクタ嵌合部14に嵌合した際にコネクタ側周壁112aとの隙間が止水部材6によって封止されるようになっている。
【0028】
また、センサ側嵌合部32には、他端側の外周部に固定用段部323が形成され、図1に示すように、コネクタ側周壁部112aの端部を加締めて固定用段部323に係合させることにより、コネクタハウジング3がセンサハウジング11に接合した状態で固定されるようになっている。
【0029】
このセンサ側嵌合部32には、センサ本体12の態様、即ち、センサ本体12側端子の極数及び配置に合わせてモジュール挿着部31,31…を備えるとともに、モジュール挿着部31,31…と隣接して接続端子4,4…が保持される接続端子保持部34,34…が形成されている。
【0030】
モジュール挿着部31,31…は、センサ本体12と対向する面、即ち、凹部底面321aに開口した矩形穴状に形成され、接合方向に向けて所定の深さを有している。
【0031】
また、モジュール挿着部31,31…には、接続端子4,4…側に接合方向に向けた矩形孔状の連通溝311が形成され、後述する端子モジュール5,5…の可動接触子52が接合方向に移動する際、可動接触子52(摺動接触片525,525)の移動を妨げないようにしている。
【0032】
接続端子保持部34は、接続端子4の固定片41が挿着される固定片挿入孔341と、固定片挿入孔341と連通し、外部接続部33内に貫通する端子挿通孔342と、連結片44が収容される収容溝部343とを備え、固定片41を固定片挿入孔341に圧入することによって、端子本体42が端子挿通孔342を通して外部接続部33内に突出するとともに、接触片43がモジュール挿着部31側、即ち、連通溝311内に露出するようになっている。
【0033】
端子モジュール5,5…は、図5図6に示すように、モジュール挿着部31内に固定されるモジュール基部51と、モジュール基部51に移動可能に連結された可動接触子52と、モジュール基部51と可動接触子52との間に介在された付勢手段53とを備え、モジュール基部51、可動接触子52及び付勢手段53が互いに導通した状態で組み付けられモジュール化(一体化)されている。
【0034】
モジュール基部51は、導電性金属製板材を打抜き・折り曲げ加工することによって形成され、十字平板状の端板511と、端板511の対向する側縁より立ち上げた一対の案内用側板512と、端板511の他の側縁より立ち上げた付勢手段保持片513,513とを備えている。
【0035】
案内用側板512は、矩形状に形成され、両側縁にモジュール挿着部31の内壁に食い込み係合する固定用係止片514,514が一体に突設されている。
【0036】
また、案内用側板512には、その表面の中央部分に外向きに突出し、端板511側に段部515aを有する係合突起515が形成されている。
【0037】
両付勢手段保持片513,513は、細長帯状に形成され、互いに付勢手段53の直径と略同じ間隔で対向し、付勢手段53を間に挟むことによって、対向する両案内用側板512,512間より付勢手段53が離脱しないようにしている。
【0038】
可動接触子52は、導電性金属板材を打抜き・折り曲げ加工することによって一体に形成され、案内用側板512の外側にスライド可能に対向して重ねられる一対のスライド板521,521と、両スライド板521,521の先端に支持され、センサ本体12に押し当てられる接触部522とを備えている。
【0039】
スライド板521は、矩形状に形成され、その先端側に支持部523を介して接触部522の側縁が一体に支持されている。
【0040】
各スライド板521には、中央部に可動接触子52の移動方向に向けた長孔状のスライド孔524が形成され、このスライド孔524に案内用側板512の係合突起515が挿入され、スライド板521,521が案内用側板512に案内され、可動接触子52がモジュール基部51に対しスライド孔524の長さ分だけスライドできるようになっている。
【0041】
また、一方のスライド板521,521には、連通溝311内に露出した接触片43と摺動可能に接触する摺動接触片525,525が一体に支持されている。
【0042】
摺動接触片525,525は、基端がスライド板521の端縁に一体に支持された帯状の切片が外向きに折り返され、可動接触子52の側面より斜め外向きに延出した片持ちバネ状に形成されている。尚、この摺動接触片525,525の先端部には、円弧状の接点部525aが形成されている。
【0043】
接触部522は、矩形状に形成され、その中央部に表側に膨出した接点522aが一体に形成されている。
【0044】
付勢手段53は、コイルスプリングによって構成され、一端が端板511に支持され、他端が接触部522を押圧し、可動接触子52を押し出し方向に付勢するようになっている。
【0045】
そして、この端子モジュール5,5…は、図6に示すように、モジュール基部51の付勢手段保持片513,513間にコイルスプリングからなる付勢手段53を挿入し、その状態で付勢手段53を押し込みつつ可動接触子52をモジュール基部51側に組み付けることによって、係合突起515がスライド孔524に挿入され、可動接触子52がモジュール基部51にスライド可能に接合され、モジュール基部51、可動接触子52及び付勢手段53がワンタッチで一体化(モジュール化)される。
【0046】
また、この端子モジュール5,5…は、モジュール挿着部31,31…に圧入することによって、モジュール基部51の固定用係止片514,514がモジュール挿着部31,31…の内壁に食い込み、可動接触子52が接合端面より押し込み可能に突出した状態でコネクタハウジング3に容易に取り付けることができ、且つ、摺動接触片525,525がモジュール挿着部31,31…側に露出した接続端子4,4…、即ち、連通溝311内に露出した接触片43に摺動可能に接触する。
【0047】
このように構成されたセンサ用コネクタ2は、センサ本体12と接触する端子を多様なセンサユニット1の態様に対応可能な共通のポゴピン式(圧接式)の端子モジュール5,5…とし、その端子モジュール5,5…を各レパートリーに対応したコネクタハウジング3のモジュール挿通部に圧入(挿着)することによって、端子をコネクタハウジング3に容易に組み込むことができ、且つ、溶接等を用いずに接続端子4,4…との導通を確実に確保することができるようにした。
【0048】
よって、このセンサ用コネクタ2では、端子モジュール5,5…が共通化されたことで、多様なレパートリーを有するセンサユニット1に対し、コネクタハウジング3のモジュール挿着部31,31…の配置及び極数等の変更によって対応することができる。
【0049】
また、接続端子4,4…の形状は、上述の実施例に限定されず、モジュール挿着部31,31…に露出する接触片43を有していればよいので、対応するセンサユニット1の態様に合わせて自由に設計することが可能となっている。
【0050】
また、このセンサ用コネクタ2は、モジュール化した共通の端子モジュール5,5…を具備することによって、自動組立機等の作業を一元化することができるとともに、組み立て作業の効率が向上し、コストの低減を図ることができる。
【0051】
尚、上述の実施例では、内燃機関用の圧力センサAを例に説明したが、センサユニット1の種類及び態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、センサ本体12は圧電センサ以外のセンサであってもよい。また、センサハウジング11及びコネクタハウジング3の態様は、上述の実施例に限定されない。
【0052】
また、上述の実施例では、摺動接触片525を片持ちバネ状に形成した例について説明したが、摺動接触片の態様はこれに限定されず、接続端子側に片持ちバネを設け、摺動接触片を平板状に形成し、接続端子の片持ちバネに摺動可能に接触させてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 センサユニット
11 センサハウジング
111 モールド体
112 カバー
13 接合端面
14 コネクタ嵌合部
12 センサ本体(圧電センサ)
2 センサ用コネクタ
3 コネクタハウジング
31 モジュール挿着部
311 連通溝
32 センサ側嵌合部
321 凹部
322 止水材用溝
323 固定用段部
33 外部接続部
34 接続端子保持部
341 固定片挿入孔
342 端子挿通孔
343 収容溝部
4 接続端子
41 固定片
42 端子本体
43 接触片
44 連結片
45 係止突起
5 端子モジュール
51 モジュール基部
511 端板
512 案内用側板
513 付勢手段保持片
514 固定用係止片
515 係合突起
52 可動接触子
521 スライド板
522 接触部
523 支持部
524 スライド孔
525 摺動接触片
53 付勢手段
6 止水部材