(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-114632(P2019-114632A)
(43)【公開日】2019年7月11日
(54)【発明の名称】リードフレームの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/50 20060101AFI20190621BHJP
B21D 22/02 20060101ALI20190621BHJP
【FI】
H01L23/50 B
B21D22/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-246175(P2017-246175)
(22)【出願日】2017年12月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000144038
【氏名又は名称】株式会社三井ハイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】柴 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】平塚 哲嗣
【テーマコード(参考)】
5F067
【Fターム(参考)】
5F067AA16
5F067DA11
(57)【要約】
【課題】半導体チップを搭載するパッドのチップ搭載面の外周に半導体チップが搭載される領域を囲むように溝を押圧パンチで形成するリードフレームの製造方法を提供する。
【解決手段】パッド10を備えたリードフレームを金属薄板27から打抜き形成するリードフレームの製造方法において、チップ搭載面11の外周に第1の溝13〜16を打抜き金型の上金型に設けられた押圧パンチ28〜31を用いて形成する際に、上金型に設けられ、打抜き金型の下金型32に金属薄板27を押圧するストリッパープレート33の押圧面に、第1の溝13〜16に平行に第2の溝17〜20を形成する凸条35を設け、ストリッパープレート33で金属薄板27を下金型32に押圧して、凸条35により金属薄板27に第2の溝17〜20の形成が完了した後に、又は第2の溝17〜20の形成が完了する直前に、押圧パンチ28〜31で第1の溝13〜16の形成を開始する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップが搭載されるパッドを備えたリードフレームを金属薄板から打抜き金型を用いて打抜き形成するリードフレームの製造方法において、
前記パッドのチップ搭載面の外周に第1の溝を前記打抜き金型の上金型に設けられた押圧パンチを用いて形成する際に、前記上金型に設けられ、前記打抜き金型の下金型に前記金属薄板を押圧するストリッパープレートの押圧面に、前記第1の溝に平行に第2の溝を形成する凸条を設け、
前記ストリッパープレートで前記金属薄板を前記下金型に押圧して、前記凸条により該金属薄板に前記第2の溝の形成が完了した後に、又は該第2の溝の形成が完了する直前に、前記押圧パンチで前記第1の溝の形成を開始することを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のリードフレームの製造方法において、前記第1、第2の溝は、抜き勾配を有する断面矩形であることを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載のリードフレームの製造方法において、前記第1、第2の溝の形成後に、前記下金型上の前記金属薄板の上面をスタンピングパンチで叩くことを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のリードフレームの製造方法において、前記凸条を、前記ストリッパープレートの前記押圧パンチが貫通する開口部より外側に設けることを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項5】
請求項4記載のリードフレームの製造方法において、前記第2の溝の深さを前記第1の溝の深さの0.2〜0.5倍として形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のリードフレームの製造方法において、前記第2の溝の幅を前記第1の溝の幅の0.5〜1.0倍として形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項7】
請求項5又は6記載のリードフレームの製造方法において、前記第1の溝と前記第2の溝の間隔を該第1の溝の幅の0.5〜1.0倍として形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載のリードフレームの製造方法において、前記第2の溝の長さを前記第1の溝の長さの0.8〜1.2倍として形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打抜き金型を用いたリードフレームの製造方法に係り、詳細には、半導体チップを搭載するパッドのチップ搭載面の外周に半導体チップが搭載される領域を囲むように連続した溝を押圧パンチで形成するリードフレームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リードフレームのチップ搭載面への半導体チップの搭載は、半導体チップからチップ搭載面への熱伝導性を高めるため、はんだを介してチップ搭載面に半導体チップを固定することが一般的に行われている。しかしながら、溶融状態のはんだがチップ搭載面上で濡れ拡がることで、はんだの厚みにバラツキが生じ、チップ搭載面に固定した半導体チップが傾斜するという問題が生じる。そこで、例えば、特許文献1には、溶融状態のはんだの濡れ拡がりを防止するため、チップ搭載面の周辺部に半導体チップが搭載される領域を内側にして溝を巡らせている。
【0003】
チップ搭載面に対する溝加工は、一般的にエッチングやスタンピングにより形成されるが、エッチングを用いた溝の形成ではリードフレームの生産性が低下するという問題が生じるため、スタンピングにより溝を形成する方が有利である。しかしながら、押圧パンチで金属板(リードフレームの素材)に溝加工を行うと、溝の開口側の周縁にダレが生じる(押圧パンチの押圧力で金属材料が溝の外側に広がり、かつ溝の開口側の周縁の角部の金属板上面に対する角度が90度を超える)ことになって、溝の開口側の周縁が設定された形状より広く形成されることになる。このため、溶融状態のはんだの濡れ拡がりは防止できても、半導体チップを搭載したリードフレームを樹脂封止する際、パッケージ(封止樹脂)とパッドとの間の樹脂密着性が低下する虞があった。
【0004】
そこで、例えば、特許文献2には、金属板の表側に凹陥部(溝)を押圧パンチで形成する方法として、金属板の裏側に凹陥部と同一面積で、深さが凹陥部の深さと同一となる仮凹部を形成した後に、金属板の裏側に平板を当接すると共に、仮凹部の底板部の表側を押戻しパンチにより金属板の裏側に移行させて、金属板の表側に開口側の周縁が設定された形状となる(開口側の周縁の角部が金属板の表面に対してほぼ直角となる)凹陥部を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−85735号公報
【特許文献2】特開2000−42642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載された方法では、板厚が1mm以上の金属板を対象としており、リードフレームの製造に使用する1mm未満の板厚を有する金属板に対しては適用することが困難であるという問題が生じる。
更に、特許文献2に記載された方法では、金属板の一方側に凹陥部を形成するのに、金属板の他方側に仮凹部を形成する工程と、金属板の一方側に仮凹部の底板部を押し戻す工程を別個に行わねばならず、仮凹部の形成位置と凹陥部の形成位置がずれて形成される(仮凹部の底板部が金属板の一方側にずれて押し戻される)虞が生じるという問題がある。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、半導体チップを搭載するパッドのチップ搭載面の外周に半導体チップが搭載される領域を囲むように溝を押圧パンチで形成することが可能なリードフレームの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う本発明に係るリードフレームの製造方法は、半導体チップが搭載されるパッドを備えたリードフレームを金属薄板から打抜き金型を用いて打抜き形成するリードフレームの製造方法において、
前記パッドのチップ搭載面の外周に第1の溝を前記打抜き金型の上金型に設けられた押圧パンチを用いて形成する際に、前記上金型に設けられ、前記打抜き金型の下金型に前記金属薄板を押圧するストリッパープレートの押圧面に、前記第1の溝に平行に第2の溝を形成する凸条を設け、
前記ストリッパープレートで前記金属薄板を前記下金型に押圧して、前記凸条により該金属薄板に前記第2の溝の形成が完了した後に、又は該第2の溝の形成が完了する直前に、前記押圧パンチで前記第1の溝の形成を開始する。
【0009】
本発明に係るリードフレームの製造方法において、前記第1、第2の溝は、抜き勾配を有する断面矩形とすることが好ましい。
これによって、押圧パンチ及びストリッパープレートを安価に作製することができる。なお、抜き勾配の角度は、例えば、0.3〜1度とすることができる。
【0010】
本発明に係るリードフレームの製造方法において、前記第1、第2の溝の形成後に、前記下金型上の前記金属薄板の上面をスタンピングパンチで叩くことが好ましい。
これによって、第1の溝と第2の溝の周囲に存在する残留応力を除去することで、第1の溝と第2の溝のそれぞれの開口側の周縁の角部を金属薄板の上面に対してほぼ直角となるように修正することができる。その結果、第1の溝と第2の溝の開口側の周縁を設定された形状に形成することが可能になる。
【0011】
本発明に係るリードフレームの製造方法において、前記凸条を、前記ストリッパープレートの前記押圧パンチが貫通する開口部より外側に設けることが好ましい。
これによって、押圧パンチを金属薄板の上面側に押し込んで第1の溝を形成する際に、金属材料が金属薄板の外周に向けて移動するのを防止することができ、第1の溝の開口の外側周縁の角部が金属薄板の上面に対してほぼ直角に(第1の溝の開口の周縁が外側に拡がらないように)することができる。
【0012】
本発明に係るリードフレームの製造方法において、前記第2の溝の深さを前記第1の溝の深さの0.2〜0.5倍として形成することが好ましい。
また、前記第2の溝の幅を前記第1の溝の幅の0.2〜0.5倍として形成することが好ましい。
更に、前記第1の溝と前記第2の溝の間隔を該第1の溝の幅の0.5〜1.0倍として形成することが好ましい。
そして、前記第2の溝の長さを前記第1の溝の長さの0.8〜1.2倍として形成することが好ましい。
このような構成とすることにより、押圧パンチを金属薄板に押し込んで形成する第1の溝の形成に応じて、その際に発生する金属材料の移動を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るリードフレームの製造方法は、ストリッパープレートの押圧面に設けた凸条を金属薄板に押し込んだ状態で、第1の溝を形成する押圧パンチを金属薄板に押し込むので、押圧パンチを金属材料に押し込んだ際に金属材料が移動するのを凸条により防止することができ、第1の溝の開口の周縁が拡がるのを防止して設定された形状の第1の溝を形成することが可能になる。
その結果、半導体チップをチップ搭載面に固定する際に使用する溶融状態のはんだの濡れ拡がりを防止することができる。更に、パッドに搭載した半導体チップを樹脂封止する際に第1の溝を樹脂で確実に覆うことができ、半導体チップを樹脂封止した際の樹脂密着性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るリードフレームの製造方法により形成されるパッドのチップ搭載面の説明図である。
【
図2】チップ搭載面に形成された第1、第2の溝のそれぞれの形状と、第1、第2の溝の間隔を示す説明図である。
【
図3】チップ搭載面に第1、第2の溝を形成する工程の説明図である。
【
図4】第2の溝と第1の溝の形成過程を示す説明図である。
【
図5】変形例に係るリードフレームの製造方法において、チップ搭載面に第1、第2の溝を形成する工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るリードフレームの製造方法により形成される半導体チップ(図示せず)が搭載されるパッド10は、例えば、矩形状であって、チップ搭載面11の外周には半導体チップが搭載される領域12を囲むように4本の第1の溝13、14、15、16が形成されている。ここで、第1の溝13、15は平行に対向配置され、両端部同士がそれぞれ第1の溝14、16で連結されている。
【0016】
第1の溝13の外側(リード(図示せず)に近い側)には、第1の溝13に沿って第2の溝17が、第1の溝14の外側には、第1の溝14に沿って第2の溝18が、第1の溝15の外側には、第1の溝15に沿って第2の溝19が、第1の溝16の外側には、第1の溝16に沿って第2の溝20がそれそれ形成されている。
【0017】
図2に示すように、第1の溝13と第2の溝17(第1の溝14、15、16と第2の溝18、19、20も同様)は、抜き勾配(勾配の角度は、例えば、0.3〜1度)を有する断面矩形となって、第1の溝13の対向する側面21、22の開口側の周縁の角部及び第2の溝17の対向する側面23、24の開口側の周縁の角部は、チップ搭載面11に対してほぼ直角となっている。
【0018】
第2の溝17(第2の溝18、19、20も同様)の深さD
2は、第1の溝13(第1の溝14、15、16も同様)の深さD
1に対して、例えば、0.2〜0.5倍であり、第2の溝17の(開口)幅W
2は、第1の溝13の(開口)幅W
1に対して、例えば、0.5〜1.0倍である。第1の溝13と第2の溝17との間隔Cは、第1の溝13の幅W
1の、例えば、0.5〜1.0倍である。
また、
図1に示すように、第2の溝17、19の長さV
2は、第1の溝13、15の長さV
1の例えば、0.8〜1.2倍であり、第2の溝18、20の長さH
2は、第1の溝14、16の長さH
1の、例えば、0.8〜1.2倍である。
【0019】
以上の構成とすることにより、半導体チップをチップ搭載面11に固定する際に使用する溶融状態のはんだの濡れ拡がりを第1の溝13、14、15、16により防止することができ、チップ搭載面11における溶融はんだの厚みが均一になって、チップ搭載面11に対して半導体チップを平行に固定することができる。
更に、第1の溝13、14、15、16が設定された形状に形成されることにより(第1の溝13、14、15、16の開口の周縁が拡がるのが防止されて)、樹脂封止の際に第1の溝13、14、15、16(はんだで充填されている)を樹脂で覆うことができ、樹脂密着性を向上させることができる。
【0020】
続いて、本発明の一実施の形態に係るリードフレームの製造方法について詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係るリードフレームの製造方法は、半導体チップが搭載されるパッド10を備えたリードフレームを打抜き形成する方法であって、
図3に示すように、パッド10の形成予定領域の外側に複数のリード部25、26が形成された状態の金属薄板27に対して、打抜き金型の上金型(図示せず)に設けられた押圧パンチ28、29を用いて第1の溝13、15を形成する工程と、押圧パンチ30、31を用いて第1の溝13、15の両端部同士をそれぞれ連結するように第1の溝14、16を形成する工程とを有している。
【0021】
第1の溝13(第1の溝14、15、16も同様)を押圧パンチ28を用いて形成する際に、
図4(A)に示すように、上金型に設けられ、打抜き金型の下金型32に金属薄板27を押圧するストリッパープレート33の押圧面に、第1の溝13に平行に第2の溝17を形成する凸条35を設け、
図4(B)に示すように、ストリッパープレート33で金属薄板27を下金型32に押圧して凸条35を金属薄板27に押し込んで第2の溝17の形成が完了した後に、
図4(C)に示すように、押圧パンチ28で第1の溝13の形成を開始する。なお、符号34は、ストリッパープレート33に設けた押圧パンチ28が貫通する開口部である。
【0022】
図4(A)、(D)に示すように、凸条35の突出長さPは、第2の溝17の深さD
2が第1の溝13の深さD
1の0.2〜0.5倍となるように形成し、凸条35の突出幅Qは、第2の溝17の幅W
2が第1の溝13の幅W
1の0.5〜1.0倍となるように形成する。
また、ストリッパープレート33の押圧面に押圧パンチ28の開口部34に沿って開口部34の外側に設ける凸条35は、第1の溝13と第2の溝17の間隔Cが第1の溝13の幅W
1の0.5〜1.0倍となるように開口部34に対して位置決めする。
更に、凸条35の開口部34に沿った長さは、第2の溝17の長さV
2が第1の溝13の長さV
1の0.8〜1.2倍となるように形成する。
【0023】
図4(B)に示すように、下金型32に支持された金属薄板27の上面にストリッパープレート33に設けた凸条35を完全に押し込んだ状態で、
図4(C)に示すように、押圧パンチ28を金属薄板27の上面に押し込むので、凸条35により金属材料が金属薄板27の外周側に移動することを防止しながら第1の溝13を形成することができる。これにより、開口の周縁が拡がらない状態の第1の溝13、即ち、設定された形状の第1の溝13を形成することが可能になる。
【0024】
更に、リードフレームの製造方法は、
図3、
図4(D)に示すように、第1の溝13、14、15、16及び第2の溝17、18、19、20の形成後に、下金型32上の金属薄板27の上面を、例えば、ストリッパープレートに設けたスタンピングパンチ36で叩く。これによって、第1の溝13、14、15、16と第2の溝17、18、19、20のそれぞれの開口側の周縁に存在する残留応力を除去することができ、開口側の周縁の角部を金属薄板27の上面に対してほぼ直角となるように修正することができる(即ち、第1の溝13、14、15、16及び第2の溝17、18、19、20を、抜き勾配を有する断面矩形とすることができる)。
【0025】
変形例に係るリードフレームの製造方法について説明する。
変形例に係るリードフレームの製造方法は、
図5(A)〜(C)に示すように、金属薄板37に押圧パンチ38を用いて第1の溝13(第1の溝14、15、16に対しても同様)を形成する際に、金属薄板37を下金型32に押圧するストリッパープレート39に形成した押圧パンチ38が貫通する開口部40の長手方向に沿って幅方向両側に第1、第2の凸条41、42を設け、ストリッパープレート39で金属薄板37を下金型32に押圧して、第1、第2の凸条41、42により金属薄板37に第2の溝43、44の形成が完了した後に、押圧パンチ38で第1の溝13の形成を開始することが特徴となっている。ここで、押圧パンチ38の開口部40に対して、第1の凸条41はストリッパープレート39の外周側に、第2の凸条42はストリッパープレート39の中央部側にそれぞれ形成されている。
【0026】
第1、第2の凸条41、42の突出長さR、Sは、第2の溝43、44の深さL
2、L
3が第1の溝13の深さD
1の0.2〜0.5倍となるように形成し、第1、第2の凸条41、42の突出幅T、Uは、第2の溝43、44の幅M
2、M
3が第1の溝13の幅W
1の0.5〜1.0倍となるように形成する。
また、ストリッパープレート39の押圧面に押圧パンチ38の開口部40に沿って開口部40の両側に設ける第1、第2の凸条41、42は、第1の溝13と第2の溝43、44の間隔C
1、C
2が第1の溝13の幅W
1の0.5〜1.0倍となるように開口部40に対して位置決めする。
更に、第1、第2の凸条41、42の開口部40の長手方向に沿った長さは、第2の溝43、44の長さが第1の溝13の長さV
1の0.8〜1.2倍となるように形成する。
【0027】
なお、金属薄板37に第1の溝13を形成する際に、ストリッパープレート39に第1、第2の凸条41、42を設けたことによる作用効果は、ストリッパープレート33に凸条35を設けたことによる作用効果と同様であり、
図5(D)に示すように、第1の溝13及び第2の溝43、44の形成後に、下金型32上の金属薄板37の上面を、例えば、ストリッパープレート39に設けたスタンピングパンチ45で叩くことによる作用効果は、第1の溝13、14、15、16及び第2の溝17、18、19、20の形成後に、下金型32上の金属薄板27の上面を、例えば、ストリッパープレート33に設けたスタンピングパンチ36で叩くことによる作用効果と同様である。
【0028】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
例えば、ストリッパープレートで金属薄板を下金型に押圧して凸条(第1、第2の凸条)を金属薄板に押し込んで第2の溝の形成が完了する直前に、押圧パンチで第1の溝の形成を開始してもよい。
また、パッドのチップ搭載面の形成予定領域の外周側に複数のリード部を形成する前の金属薄板に対してストリッパープレートを押圧して、凸条(第1、第2の凸条)により金属薄板に第2の溝の形成を完了した後に、又は第2の溝の形成が完了する直前に、押圧パンチを用いて第1の溝を形成することもできる。
【符号の説明】
【0029】
10:パッド、11:チップ搭載面、12:半導体チップが搭載される領域、13、14、15、16:第1の溝、17、18、19、20:第2の溝、21、22、23、24:側面、25、26:リード部、27:金属薄板、28、29、30、31:押圧パンチ、32:下金型、33:ストリッパープレート、34:開口部、35:凸条、36:スタンピングパンチ、37:金属薄板、38:押圧パンチ、39:ストリッパープレート、40:開口部、41:第1の凸条、42:第2の凸条、43、44:第2の溝、45:スタンピングパンチ