【解決手段】 ゴムラテックスを含む組成物を発泡させる工程を有する、ラテックスフォームの製造方法であって、当該組成物は、エマルジョンとして、SBRラテックスと、ガラス転移温度が−30〜40℃であるカルボキシ変性ラテックスと、を少なくとも含み、当該組成物に含まれる全ての前記エマルジョンの合計に対する、前記SBRラテックスの固形分質量割合が、50〜97質量%であり、前記カルボキシ変性ラテックスの固形分質量割合が、3〜50質量%である。
前記SBRラテックスフォームが、JIS L8049に準じた、摩耗試験機での500回往復摩耗後の重量減少率が10%以下であり、アスカー硬度計F型での測定値が50〜90である、請求項1記載のSBRラテックスフォームの製造方法。
JIS L8049に準じた、摩耗試験機での500回往復摩耗後の重量減少率が10%以下であり、アスカー硬度計F型での測定値が50〜90である、請求項4記載のSBRラテックスフォーム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るSBRラテックスフォーム及びその製造方法について詳述するが、本発明はこれらには何ら限定されない。
【0018】
なお、本発明に係るSBRラテックスフォームの製造方法については、以下の順序で説明する。
1 SBRラテックスフォームの製造方法
1−1 原料
1−2 製造工程
2 SBRラテックスフォーム
【0019】
<<<SBRラテックスフォームの製造方法>>>
本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法は、エマルジョンの主成分としてSBRラテックスを含む組成物(エマルジョン組成物)からセル構造を有する発泡体であるSBRラテックスフォームを製造する方法であり、以下の方法を採用している。すなわち、スチレンブタジエンゴム(SBR)ポリマー粒子の水分散体であるSBRラテックスに、その他のエマルジョンや各種添加剤を添加したエマルジョン組成物を起泡させるとともに、必要に応じてゲル化剤を添加して、ポリマー粒子等を分散安定化している分散剤(界面活性剤)を失活させる。その結果、ポリマー粒子が融着・凝集し、気泡を含んだまま固化し、SBRラテックスフォームが形成される。
【0020】
以下、本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法について、その原料、製造プロセスの順に詳細に説明する。ここで、本形態においては、特にゴム系のエマルジョンをゴムラテックスとする。
【0021】
<<原料>>
本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法に用いられる原料としては、エマルジョンとして、SBRラテックスと、カルボキシ変性ラテックスと、を少なくとも含み、必要に応じて、その他のエマルジョンやその他の添加剤を更に含んでいてもよい。以下、各々について詳述する。以下、各々について説明するが、本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法の原料はこれには限定されない。
【0022】
<エマルジョン>
先ず、本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法に使用可能なエマルジョンについて説明する。
【0023】
本形態に係る製造方法に使用されるエマルジョンは、前述のように、(1)SBRラテックス(非変性SBRラテックス)と、(2)カルボキシ変性ラテックス(好ましくは、カルボキシ変性SBRラテックス)と、を必須とする。このようなエマルジョンを後述する量にて配合することにより、耐摩耗性及び柔軟性に優れた、SBRラテックスフォームとすることが出来る。
【0024】
また、エマルジョン組成物は、エマルジョンとして、(1)SBRラテックス及び(2)カルボキシ変性ラテックスだけでなく、本発明の効果を阻害しない範囲内で更にその他のエマルジョン(例えば、後述するエマルジョンの中から1種又は2種以上)を含んでいてもよい。
【0025】
以下、必須成分であるSBRラテックス及びカルボキシ変性ラテックスを含め、エマルジョン及びラテックスについて詳述する。
【0026】
エマルジョンは、ポリマー粒子が分散剤により分散媒中に安定して分散している分散液である。なお、上記ポリマー粒子は、ゴム(ゴムポリマーとする。)の粒子であってもよいし、ゴムポリマー以外のポリマー(樹脂ポリマーとする。)の粒子であってもよい。ここで、エマルジョンにおける分散媒は、例えば、水、又は、水と水溶性溶剤との混合物である。水溶性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤等であり、これらの1種又は2種以上の混合物等を使用してもよい。
【0027】
ゴムポリマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)や、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、アクリレート−ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブタジエンゴム(MBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の合成ゴムが挙げられる。また、ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン系ラテックス、DPL(解重合ラテックス)又はクロロスルホン化ポリエチレンラテックス中のゴムポリマー等も挙げられる。
【0028】
また、ゴムポリマーは、変性ゴムポリマーの形態も存在する。変性ゴムポリマーとしては、例えば、その少なくとも一部が、官能基としてカルボキシル基を有するもの(カルボキシル変性ゴムポリマー)の場合がある。このような変性ゴムポリマーとしては、例えば、カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。このように、ゴムポリマー粒子がカルボキシル変性ゴムポリマーである場合のエマルジョンを、カルボキシ変性ラテックスとしている。なお、変性ゴムポリマーとしては、別の官能基を有するもの、例えば官能基として水酸基を有する水酸基変性ゴムポリマー等も挙げられる。
【0029】
樹脂ポリマーとしては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体、エピハロヒドリン共重合体、アクリレート系重合体等のアクリル樹脂、ポリウレタン、シリコーン、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリスチレン等を1種以上含むポリマー等が挙げられる。
【0030】
なお、これらのポリマー粒子を含むエマルジョンは、公知の方法によって製造可能である。例えば、ポリマー粒子が天然ゴムの場合、エマルジョンは、ゴム樹液、これを濃縮したもの、又はゴム樹液等に更に保存剤等を配合したものが用いられる。ポリマー粒子が合成ゴムや樹脂の場合、エマルジョンは、一般に乳化重合によって調製される。あるいは、溶液重合等の方法によって得られたポリマーを、界面活性剤と水によって乳化し、必要に応じて溶媒を除去して調製することもできる。
【0031】
このようなエマルジョンとしては、通常、ポリマー粒子の含有量が、40〜70質量%のエマルジョンが用いられるが、安定な発泡体(フォーム)を形成し得ることから、好ましくは50〜70質量%のポリマー粒子を含有するエマルジョンが用いられる。ただし、本形態では、上記含有量範囲を外れるエマルジョンを用いることは勿論差し支えなく、例えば、分散液から分散媒を除去した紛体をエマルジョンとして取り扱ってもよい。
【0032】
エマルジョン組成物全体に対する、全てのエマルジョン(SBRラテックス、カルボキシ変性ラテックス及びその他のエマルジョン)の合計の固形分質量割合は、特に限定されないが、70〜99質量%であることが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましい。
【0033】
エマルジョン組成物中の全てのエマルジョン(SBRラテックス、カルボキシ変性ラテックス及びその他のエマルジョン)の合計に対する、SBRラテックスの固形分質量割合は、50〜97質量%であり、60〜95質量%であることが好ましい。
【0034】
エマルジョン組成物中の全てのエマルジョン(SBRラテックス、カルボキシ変性ラテックス及びその他のエマルジョン)の合計に対する、カルボキシ変性ラテックスの固形分質量割合は、3〜50質量%であり、5〜40質量%であることが好ましい。
【0035】
カルボキシ変性ラテックスのTg(ガラス転移温度)は、−30〜40℃であり、−30〜0℃であることが好ましい。なお、カルボキシ変性ラテックスのTgは、SBRラテックスのTgよりも高いことが好ましい。より具体的には、SBRラテックスのTgは、−30℃未満であることが好ましく、−40℃以下であることがより好ましく、−50℃以下であることが特に好ましい。なお、SBRラテックスのTgの下限値は特に限定されないが、例えば−75℃等である。なお、このようなTgは、JIS K 6240に準じて測定されたものである。
【0036】
これらのエマルジョン中のポリマー粒子の粒径は、特に限定されないが、例えば直径0.05〜1.0μmが好ましい。
【0037】
<その他の添加剤>
その他の添加剤としては、分散剤、ゲル化剤、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤、起泡剤、破泡抑制剤、軟化剤及びその他の添加剤等が挙げられる。
【0038】
(分散剤)
分散剤は、エマルジョンに各種添加剤を添加したエマルジョン組成物中のポリマー粒子や各種添加剤の分散性を向上させる役割を有する。分散剤を添加することで、エマルジョン組成物を均一にできるため、混入させる気体を良好な状態で(微細且つ均一)に分散させることができる。分散剤としては、エマルジョン組成物の分散性を向上させ、後述するゲル化剤の添加により界面活性が失活するものが例示可能であり、特に制限はされないが、例えば、脂肪酸アルカリ金属塩、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のようなアニオン性界面活性剤や、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのようなノニオン性界面活性剤等を使用すればよい。なお、上述のアニオン性界面活性剤は、ポリマー粒子の乳化の際に使用される場合もある。
【0039】
分散剤の添加量は、エマルジョン組成物中の固形分100質量部に対して、通常は、0.25〜1.00質量部であり、好ましくは0.50〜0.75質量部である。
【0040】
(ゲル化剤)
ゲル化剤は、エマルジョン組成物中において、乳濁液の状態、すなわちエマルジョンの状態で存在するポリマー粒子の化学的安定性を低下させると共に、この粒子を凝集させて、所謂ゲル化状態とするための物質である。このゲル化剤としては、例えば、ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化カリウム、ケイフッ化カルシウムのようなヘキサフルオロケイ酸塩;又はシクロヘキシルアミンの酢酸塩、スルファミン酸塩のようなシクロヘキシルアミン塩等を使用でき、一般には、これらの化合物を水溶液状態とした液状物が使用される。これらのうち、特に、ケイフッ化ナトリウムが、ゲル化開始時間の制御等の反応制御が容易であることから好適に使用されている。
【0041】
なお、本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法においては、ゲル化剤としてラクトン化合物を用いてもよい。
【0042】
ラクトン化合物としては特に限定されないが、グルコノラクトン(グルコノ‐δ‐ラクトン)、D‐(+)‐リボノ‐1,4‐ラクトン、L‐(+)‐グロン酸γ‐ラクトン、2,3‐O‐イソプロピリデン‐D(−)‐リボノ‐1,4‐ラクトン、α‐アミノ‐γ‐ブチロラクトン 臭化水素酸塩等が例示できる。
【0043】
SBRラテックスフォーム全体を均一にゲル化させるためには、ラクトン化合物を液体媒体に分散させることが好ましく、ラクトン化合物の溶解度(ラクトン化合物の液体媒体への溶解度)が、40(g/100g) 以下である液体媒体を使用することがより好ましい。
【0044】
液体媒体としては特に限定されないが、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、アルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)のような2価以上のポリオール;ステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸、リシノール酸、ラウリン酸のような脂肪酸;フタル酸エステル(ビス(2‐エチルヘキシル)フタレート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート等)、セバシン酸エステル(ビス(2‐エチルヘキシル)セバケート、ジブチルセバケート、ジエチルセバケート、ジメチルセバケート等)、トリメリット酸エステル(トリメリット酸トリス(2‐エチルヘキシル)、トリメリット酸トリノルマルオクチル、トリメリット酸トリイソデシル等)、安息香酸エステル(エチレングリコールジベンゾアート、ジプロピレングリコールジベンゾエート等)のようなカルボン酸エステル(モノカルボン酸又はポリカルボン酸のエステル)等を例示できる。
【0045】
上記ラクトン化合物及び液体媒体は、1種を単独で、又は、2種以上を混合して用いることができる。
【0046】
ゲル化剤の添加量は、エマルジョン組成物中の固形分100質量部に対して、通常は、5〜25質量部であり、好ましくは5〜15質量部である。
【0047】
(架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤)
架橋剤(例えば、加硫剤)は、ゴムポリマー同士を架橋するための添加剤であり、架橋促進剤(例えば、加硫促進剤)は、架橋剤による架橋反応を促進するための添加剤であり、老化防止剤は、ゴムの老化を防ぎ、ゴム製品の寿命を延ばす目的で配合される添加剤である。
【0048】
架橋剤としては、ゴムポリマーの種類及び架橋反応機構に応じて、硫黄、有機過酸化物、又はフェノール化合物等が用いられる。硫黄による架橋の場合、コロイド状硫黄及び微粉末硫黄の他;二塩化硫黄及びジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の硫黄化合物等を用いることができる。有機過酸化物による架橋の場合、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド;ベンゾイルペルオキシド、m−トルイルペルオキシド等のアシルペルオキシド;t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブトキシペルオキシ)ヘキサン等のアルキルペルオキシド;t−ブトキシペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノアート、t−ブトキシペルオキシベンゾアート等のペルオキシエステル;1,1−ビス(t−ブトキシペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブトキシペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ等のペルオキシケタール;t−ブトキシペルオキシイソプロピルカルボナート、t−ブトキシペルオキシ−2−エチルヘキシルカルボナート等のペルオキシカルボナート等の有機過酸化物を用いることができる。有機過酸化物は、そのまま配合してもよく、モレキュラーシーブ等の無機粉末に吸着させたり、炭化水素や可塑剤に溶解したり、ポリジメチルシロキサン等の不活性の液体に混和したりして安定化したものを、配合に使用してもよい。フェノール化合物による架橋の場合、アルキフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、硫化−p−第三ブチルフェノール樹脂及びアルキルフェノール・スルフィド樹脂等を用いることができる。
【0049】
架橋剤の配合量は、エマルジョン組成物中の固形分100質量部に対して、1〜4質量部が好ましく、1〜2質量部がより好ましい。
【0050】
架橋促進剤としては、各種物質が使用できるが、極性油に対する膨潤性を下げることから、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛のようなジチオカルバミン酸亜鉛類;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドのようなチウラム類;N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドのようなスルフェンアミド類;2−メルカプトベンゾチアゾール及びその塩(ナトリウム塩、亜鉛塩、シクロヘキシルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩等)、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホリニル−2−ベンゾチアジルジスルフィド、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール類;並びにそれらの混合物が好ましい。これらのうち、ジチオカルバミン酸亜鉛類が更に好ましく、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛が特に好ましい。
【0051】
架橋促進剤の配合量は、エマルジョン組成物中の固形分100質量部に対して、0.5〜2.5質量部が好ましく、0.5〜1.5質量部がより好ましい。
【0052】
老化防止剤としては、例えば、N−フェニル−N’−(p−トルエンスルホニル)−p−フェニレンジアミン等のジフェニルアミン系化合物;芳香族アミンと脂肪族ケトンの縮合物;2−メルカプトベンゾイミダゾールやその亜鉛塩等のイミダゾール系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等のモノ−フェノール系化合物;ビス−、トリス、ポリフェノール系化合物等が挙げられる。
【0053】
老化防止剤の配合量は、エマルジョン組成物中の固形分100質量部に対して、0.5〜2.5質量部が好ましく、1.0〜2.0質量部がより好ましい。
【0054】
なお、架橋剤、架橋促進剤及び老化防止剤については、エマルジョン組成物中での分散性を向上させるため、これらの副原料を予め分散剤等を用いて水中に分散させてペースト状にしたもの(加硫系ペースト)を調製し、この加硫系ペーストとしてエマルジョン組成物中に添加されてもよい。
【0055】
(起泡剤、破泡抑制剤)
起泡剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ひまし油カリウム石鹸、やし油カリウム石鹸のような脂肪酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウムのようなサルコシン塩;やし油アルコール硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムのような硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸塩;塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムのようなカチオン性界面活性剤等が例示される。
【0056】
起泡剤の配合量は、エマルジョン組成物中の固形分100質量部に対して、0.1〜0.5質量部が好ましく、0.1〜0.3質量部がより好ましい。
【0057】
破泡抑制剤としては、例えば、塩化エチル等の塩化アルキルを、ホルムアルデヒド及びアンモニアと反応させて得られる反応生成物、例えばエチルクロリド・ホルムアルデヒド・アンモニア反応生成物;アルキル第四級アンモニウムクロリド;アルキルアリールスルホン酸塩;及び高級脂肪酸アンモニウム等が例示される。これらのうち、気泡安定効果が優れることから、塩化アルキル・ホルムアルデヒド・アンモニアの反応生成物がより好ましい。
【0058】
なお、本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法においては、破泡抑制剤としてポリエチレンイミン及び/又はポリエチレンイミン誘導体を用いてもよい。
【0059】
ポリエチレンイミンは、ポリエチレン「イミン」と一般に称されているが、エチレンアミン、ジエチレントリアミン又はモノエタノールアミンと、エチレンイミンとの共重合体である。ポリエチレンイミンは、公知の合成方法(例えば、特公昭49−33120号公報、特公昭43−8828号公報等に記載の方法に準じた方法)により得ることができる。具体的には、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、モノエタノールアミン等のベースアミンに、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒下でエチレンイミンを反応させることで、ポリエチレンイミンを得ることができる。また、本形態におけるポリエチレンイミンとしては市販品を使用してもよい。市販品としては、エポミン(登録商標)SPシリーズ(日本触媒製)、Lupasolシリーズ(BASF社製)、LUGALVAN−G15000(BASF社製)等が挙げられる。
【0060】
また、本形態に係る破泡抑制剤としては、ポリエチレンイミン誘導体も使用することができる。このようなポリエチレンイミン誘導体としては、例えば、ポリエチレンイミンをエピクロルヒドリン等のエポキシ化合物と反応させたエポキシ変性ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンをアクリルニトリル等のアクリル化合物と反応させたアクリル変性ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンをアルキルハライド等のハロゲン化合物と反応させたハロゲン変性ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンをアルキルイソシアネート等のイソシアネート化合物と反応させたイソシアネート変性ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンを脂肪酸と反応させた脂肪酸変性ポリエチレンイミン等が挙げられる。
【0061】
上記ポリエチレンイミンとその誘導体は、1種を単独で、又は、2種以上を混合して用いることができる。
【0062】
破泡抑制剤の配合量は、エマルジョン組成物中の固形分100質量部に対して、0.1〜0.9質量部が好ましく、0.3〜0.6質量部がより好ましい。
【0063】
(軟化剤)
軟化剤は、本形態のSBRラテックスフォームに適度な柔軟性を付与する成分である。軟化剤としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等の炭化水素系プロセス油、スピンドル油、ペトロラタム及び流動パラフィンの等の炭化水素油;ひまし油、紅花油、綿実油、あまに油、菜種油、大豆油、落下生油、パーム油、やし油、オリーブ油、コーン油等の植物油及び動物油、並びにそれらを脱水又は水素化して得られる脂肪酸エステル油等の生物起源脂肪酸エステル油、例えば脱水ひまし油等;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、テトラヒドロフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、リン酸トリクレジル、リン酸アルキルアリル、ブチルフタリルブチルグリコレート、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、トリエチレングリコール・ジ(2−エチル・ヘキソエート)、クエン酸アセチル・トリ−n−ブチル等の可塑剤;並びにそれらの混合物;トリメリット酸系、ピロメリット酸系、安息香酸系の芳香族エステル等が挙げられる。
【0064】
なお、上述した成分に加えて、必要に応じて、充填剤、顔料及び染料のような着色剤、香料、増粘剤、安定剤、防黴剤等を更に添加してもよい。
【0065】
<<工程>>
次に、本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法の代表的な一例について説明を行う。なお、SBRラテックスフォームの製造方法としては、SBRラテックスとカルボキシ変性ラテックスとを含むエマルジョン組成物を発泡させフォーム化する工程を含む限りにおいて、公知の製造方法を適用可能である。例えば、特開2017−110082、特開2016−033172、特開2016−033171、特開2015−227431、特開2015−227430、特開2014−210899等に記載された方法に基づいてSBRラテックスフォームを製造してもよい。
【0066】
本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法は、原料調製工程と、発泡/ゲル化工程と、加熱工程と、を含む。
【0067】
<原料調製工程>
原料調製工程では、必須成分である前述のエマルジョンを含むエマルジョン組成物を調製する。このエマルジョン組成物中には、必要に応じて、前述のその他のエマルジョンやその他の添加剤を添加してもよい。なお、複数のエマルジョンを先に混合した後にその他の添加剤を添加してもよいし、全ての成分を同時に添加し混合してもよい。
【0068】
当該調製工程における具体的なエマルジョン組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば、各成分を混合する混合タンク等の容器内で撹拌しながら混合すればよい。
【0069】
<発泡/ゲル化工程>
発泡/ゲル化工程では、上記原料調製工程で得られたエマルジョン組成物に発泡用ガス及びゲル化剤を添加し、これらを充分に混合させてエマルジョン組成物に気泡が多数存在する状態にすると共に、ゲル化したエマルジョン組成物を得る。
【0070】
この発泡/ゲル化工程は、通常、原料調製工程で得られたエマルジョン組成物と、発泡用ガスと、ゲル化剤とをミキシングヘッド等の混合装置により充分に混合することで実施される。なお、ここでいうゲル化したエマルジョン組成物とは、完全にゲル化が完了したエマルジョン組成物だけを指すものでなく、発泡/ゲル化工程において添加されたゲル化剤により、原料調製工程で得られるエマルジョン組成物から次第にゲル化している途上のもの及び完全にゲル化したものの両方を指す。
【0071】
(発泡ガス)
発泡/ゲル化工程でエマルジョン組成物中に混合される発泡ガスは、SBRラテックスフォーム中の気泡(セル)を形成するものであり、この発泡ガスの混入量によって、得られるSBRラテックスフォームの発泡倍率及び密度が決まる。SBRラテックスフォームの密度を調整するためには、所望のSBRラテックスフォームの密度と、エマルジョン組成物の体積(例えば、エマルジョン組成物が注入される成形型の内容積)とから、必要なエマルジョン組成物の重量を算出し、この重量において所望の体積となるように発泡ガスの量を決定すればよい。また、発泡ガスの種類としては、主に空気が使用されるが、その他にも、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを使用することもできる。
【0072】
(発泡方法、発泡条件)
SBRラテックスフォームの製造方法で使用される発泡方法としては、ラテックスフォームの製造で一般的に使用される方法であれば特に制限されないが、例えば、メカニカルフロス(機械発泡)法を使用することができる。メカニカルフロス法は、エマルジョン組成物を撹拌羽根等で撹拌することにより、大気中の空気をエマルジョン組成物に混入させて発泡させる方法である。撹拌装置としては、メカニカルフロス法に一般に用いられる撹拌装置を特に制限なく使用可能であるが、例えば、ホモジナイザー、ディゾルバー、メカニカルフロス発泡機等を使用することができる。このメカニカルフロス法によれば、エマルジョン組成物と空気との混合割合を調節することによって、種々の用途に適した密度のラテックスフォームを得ることができる。
【0073】
エマルジョン組成物と空気との混合時間は特に制限されないが、使用する撹拌装置等に応じて適宜変更可能であるが、通常は1〜10分、好ましくは2〜6分である。混合温度も特に制限されないが、通常は常温である。また、上記の混合における撹拌速度は、使用する撹拌装置等に応じて適宜調整されるものである。
【0074】
(成形、ゲル化)
以上のようにして発泡及びゲル化したエマルジョン組成物は、例えば、ドクターナイフ、ドクターロール等の公知の手段により、所望のSBRラテックスフォームの厚みに合わせたシート状等に成形される。
【0075】
また、上述したゲル化の完了により、ゲル化したエマルジョン組成物中に存在する発泡ガスは気泡として保持されることになる。この気泡は、そのまま最終的に得られるSBRラテックスフォームのセルとなるため、この気泡の大きさはセル径を決定することになる。気泡径は、基本的にゲル化時間に依存している。すなわち、ゲル化時間が長ければ、その間にゲル化したエマルジョン組成物中に混合された気泡が互いに接触し合って合一して巨大化したり、ゲル化したエマルジョン組成物の外へ排出されることになってしまうので、ゲル化時間が短い程、小さなセル径となる。
【0076】
<加熱工程>
加熱工程では、成形型に注入されたエマルジョン組成物の架橋が充分に進行するのに充分な加熱を行ない、ゴムポリマーの架橋(硬化)反応を進行及び完了させてSBRラテックスフォームに成形する。具体的には、上述した架橋剤によりゴムポリマー同士が架橋され、硬化したゴムが形成される。この際の加熱手段としては、エマルジョン組成物に充分な加熱を施し、ゴムポリマーを架橋(硬化)させ得るものであれば特に制限はされないが、例えば、トンネル式加熱炉等を使用することができる。また、加熱温度及び加熱時間も、ゴムポリマーを架橋(硬化)させることができる温度及び時間であればよく、例えば、80〜150℃(特に、120℃程度が好適)で1時間程度とすればよい。
【0077】
また、この加熱工程において、エマルジョン組成物中の水分が水蒸気として抜けるが、この水蒸気が抜ける際の通り道が、SBRラテックスフォーム内部から外部まで連通されることとなる。従って、本発明に係るSBRラテックスフォームでは、この水蒸気が抜ける際の通り道が連続気泡として残るため、通常は、SBRラテックスフォーム中に存在する気泡の少なくとも一部が連続気泡となる。しかしながら、発泡/ゲル化工程で混入された発泡ガスがそのまま残存している場合には、得られたSBRラテックスフォーム中では独立気泡となり、混入された発泡ガスが、本工程において水蒸気が抜ける際に連通された場合には、得られたSBRラテックスフォーム中では連続気泡となる。即ち、SBRラテックスフォームは、全て又は一部の気泡が連続気泡であってもよいが、全ての起泡が独立気泡であってもよい。
【0078】
<<<SBRラテックスフォーム>>>
以上、本形態に係るSBRラテックスフォームの製造方法について詳細に説明したが、続いて、このような製造方法により得られる本発明に係るSBRラテックスフォームについて説明する。
【0079】
<<物性/構造>>
SBRラテックスフォームの密度(見掛け密度)は、特に限定されないが、例えば、100〜300kg/m
3であることが好ましい。
【0080】
SBRラテックスフォームは、JIS L8049に準じた、摩耗試験機での500回往復摩耗後の重量減少率を、10%以下とすることが可能である。
【0081】
SBRラテックスフォームのアスカー硬度計F型で測定されるアスカー硬度が、F50〜F90であることが好ましい。
【0082】
<<SBRラテックスフォームの用途>>
本形態に係る製造方法により得られるSBRラテックスフォームは、例えば、肌に直接適用する化粧パフ、顔面に貼るシート、マスカラ等に使用でき、耐摩耗性及び柔軟性に優れるため化粧パフ用とすることが好ましい。また、それ以外にも本発明のラテックスフォームは、マットレス、和洋枕、敷布団、椅子用クッション等の家庭用品、列車、飛行機及び自動車等の乗り物用の座席クッション、更にはじゅうたんの裏打ち及びドアパッキング、並びに電子機器及び家庭用電化製品のシール材及び緩衝材等にも使用できる。
【実施例】
【0083】
以下、実施例及び比較例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0084】
<<フォームの製造>>
<原料>
各実施例及び各比較例の、エマルジョン組成物の原料として、以下のものを用いた。
・合成ゴムラテックス1
スチレン−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=−60℃
・合成ゴムラテックス2
カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=−10℃
・ゴムラテックス3
カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=−30℃
・合成ゴムラテックス4
カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=40℃
・合成ゴムラテックス5
カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=−50℃
・合成ゴムラテックス6
カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=50℃
・合成ゴムラテックス7
カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=−20℃
・合成ゴムラテックス8
スチレン−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=60℃
・合成ゴムラテックス9
アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=−20℃
・天然ゴムラテックス1
カルボキシ変性天然ゴムラテックス
固形分率=50%、Tg=−20℃
・加硫系ペースト:
商品名 微粉硫黄(加硫剤);細井化学工業製
商品名 ノクセラーMZ(加硫促進剤);大内新興化学工業株式会社製
商品名 酸化亜鉛2種(加硫促進剤);堺化学工業株式会社製
商品名 アデカスタブAO−60(老化防止剤);株式会社ADEKA製
商品名 デモールN(分散剤);花王株式会社製
・起泡剤
商品名 オレイン酸カリ石鹸;花王株式会社製
・破泡抑制剤
商品名 トリメンベース;ユニロイヤル株式会社製
・ゲル化剤
商品名 ケイフッ化ナトリウム;三井化学株式会社製
【0085】
(加硫系ペーストの調製)
10質量部の硫黄、6.0質量部のノクセラーMZ、18質量部の酸化亜鉛2種、13質量部のアデカスタブAO−60、及び3.0質量部のデモールNを50質量部のイオン交換水中に加えてボールミルにて48時間分散して、加硫系ペーストを調製した。
【0086】
<実施例1の調製>
表1に示す配合に従い、80質量部の合成ラテックスゴム1と20質量部の合成ラテックスゴム2を配合して合成ラテックスゴム混合液を得た。次に合成ラテックスゴム混合液100質量部に対し、7.6質量部の加硫系ペースト、0.2質量部の起泡剤、0.4質量部の破泡抑制剤を配合してエマルジョン組成物を得た。この組成物に対して10質量部のゲル化剤及び空気を加えオークスミキサーにて起泡及びゲル化させた後、100℃で30分間加熱してSBRラテックスフォームを作製した。
【0087】
<実施例2−8及び比較例1−6の調製>
表1及び表2に示す原料を配合した以外は、実施例1と同様にしてSBRラテックスフォームを作製した。
【0088】
<<評価>>
上記のようにして作製した実施例及び比較例のSBRラテックスフォームについて、下記に示す方法に従い評価した。各評価結果を表1及び表2に示す。
【0089】
(1)セル状態の評価
目視にてセル状態の評価を行った。
(評価基準)
「◎」は「セルが細かく均一である」を、「○」は「セルの細かさと均一さがやや劣る」を、「△」は「セルが荒い」を、「×」は「セルが非常に荒い、及びセルが形成されていない」をそれぞれ示す。
【0090】
(2)成形性(収縮率)の評価
加硫前後でのラテックスフォームの寸法測定により、縦・横・高さそれぞれの収縮率を算出し、下記基準に従い評価した。
(評価基準)
「◎」は「平均収縮率が0.5%以下」を、「○」は「平均収縮率が0.5%超1%以下」を、「△」は「平均収縮率が1%超5%以下」を、「×」は「平均収縮が5%超」をそれぞれ示す。
【0091】
(3)密度の測定
JIS K6400に準じて、見掛け密度として室温で測定した。
【0092】
(4)硬さの測定
アスカー硬度計F型(高分子計器株式会社製)を用いて測定し、下記基準に従い評価した。
(評価基準)
「○」は「硬度50以上70以下」を、「△」は「硬度70超90以下」を、「×」は「硬度90超」をそれぞれ示す。
【0093】
(5)摩耗性の評価
JIS L8049に準じて、摩耗試験機で試験片を500回往復摩擦し重量減少量を測定し、下記基準に従い評価した。
(評価基準)
「◎」は「減少量が2%以下」を、「○」は「減少量が2%超5%以下」を、「△」は「減少量が5%超10%以下」を、「×」は「減少量が10%超、又は貫通」をそれぞれ示す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】