【解決手段】火災の発生を警報する警報装置3は、火災の発生信号を検出する検出部33と、自身が接触する外部の物体を振動させる振動発生部34と、検出部33が火災の発生信号を検出した場合に振動発生部34を作動させる制御部32と、を有する。また、警報装置3における外部の物体Uに接触する側の面に設けられており、ユーザの動きを非接触で検出する動き検出部35をさらに有し、制御部32は、動き検出部35が検出した動きに基づいて特定されるユーザの操作内容に基づいて、振動発生部34の作動状態を決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の警報装置は主に屋内に設置されるため、屋内には警報が発せられるものの、屋外の人が警報に気付きにくいという問題が生じていた。また、警報装置が屋外に設置される場合、例えば防雨、防塵等の機器に対する影響を考慮する必要があるため、装置の構造が複雑になり、コストアップしてしまうという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、屋内への警報のみならず屋外に対しても警報することができ、かつ屋外の環境の影響を受けづらい警報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、火災の発生を警報する警報装置であって、火災の発生信号を検出する検出部と、自身が接触する外部の物体を振動させる振動発生部と、前記検出部が火災の発生信号を検出した場合に前記振動発生部を作動させる制御部と、を有することを特徴とする警報装置を提供する。
【0007】
また、警報装置は、前記警報装置における前記外部の物体に接触する側の面に設けられており、ユーザの動きを非接触で検出する動き検出部をさらに有し、前記制御部は、前記動き検出部が検出した前記動きに基づいて特定される前記ユーザの操作内容に基づいて、前記振動発生部の作動状態を決定してもよい。
【0008】
また、前記動き検出部は、受けた光の強度を検出する光検出部を有し、前記制御部は、前記光検出部が検出した前記光の強度が示す前記ユーザの動きに基づいて、前記操作内容を特定してもよい。
【0009】
また、警報装置は、音圧を測定する音圧測定部をさらに有し、前記制御部は、前記音圧測定部で測定された音圧が所定の範囲に含まれるか否かを判定した結果に基づいて、前記振動発生部の作動状態を変更するようにしてもよい。
【0010】
また、警報装置は、光を発する発光部をさらに有し、前記制御部は、前記検出部が火災の発生信号を検出した場合に、前記振動発生部を作動させると共に前記発光部を発光させるようにしてもよい。また、警報装置は、警報音を発生する音発生部をさらに有し、前記制御部は、前記検出部が火災の発生信号を検出した場合に、前記振動発生部を作動させると共に前記音発生部に音を発生させるようにしてもよい。
【0011】
本発明の第2の態様においては、警報装置と、火災が発生したことを示す移報信号を前記警報装置に送信する警報器と、を備え、前記検出部は、前記警報器が送信する前記移報信号に基づいて火災の発生信号を検出することを特徴とする警報システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、警報装置において、屋内への警報のみならず屋外に対しても警報することができ、かつ屋外の環境の影響を受けづらくなるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
[第1の実施形態に係る警報システムSの概要]
図1は、第1の実施形態に係る警報システムSの構成を示す図である。
図2は、第1の実施形態に係る警報装置3が設けられている家屋Tを屋外から見た状態を示す図である。
【0015】
警報システムSは、例えば家屋Tで発生した火災を検知し、家屋Tの屋内及び屋外に警報する機能を有する。警報システムSは、家屋Tの屋内に設けられている。警報システムSは、警報器1、移報中継器2、及び警報装置3を有する。警報器1は、例えば住宅用火災警報器であり、火災の発生を検出する機能を有する。具体的には、警報器1は、例えば、火災により発生する煙又は熱を検知することで火災の発生を検出した場合に移報信号を移報中継器2に送信する機能を有する。
【0016】
移報中継器2は、警報器1と警報装置3とを中継する機能を有する。具体的には、移報中継器2は、複数の警報器1のいずれかから移報信号を受信した場合に、当該移報信号を警報装置3に送信する機能を有する。
【0017】
警報装置3は、火災の発生信号を検出した場合に、自身が接触する外部の物体Uを振動させることで警報音を発生させる装置である。外部の物体Uは、家屋Tにおける屋内の空間と屋外の空間と仕切る機能を有する部材であり、例えば家屋Tにおける窓ガラス、壁、又は扉である。警報装置3は、家屋Tの屋内に設置されているが、自身が接触する外部の物体Uを振動させて警報音を発生させることで家屋Tの屋内及び屋外に警報することができる。警報音は、例えばブザー音、サイレン音、音声などとこれらの組合せである。
【0018】
[警報装置3の構成]
図3は、第1の実施形態に係る警報装置3の構成を示す図である。
図4は、第1の実施形態に係る警報装置3が外部の物体Uに取付けられた状態の断面図である。
図5は、第1の実施形態に係る警報装置3のブロック図である。
【0019】
警報装置3は、筐体31、制御部32、検出部33、振動発生部34、動き検出部35、音圧測定部36、発光部37、及び音発生部38を有する。
【0020】
筐体31は、制御部32、検出部33、振動発生部34、動き検出部35、音圧測定部36、発光部37、及び音発生部38を収容している。筐体31の設置面311は、警報装置3が、例えば外部の物体Uに取付けられたときに、警報装置3が外部の物体Uと接する面である。
図3に示すように、振動発生部34、動き検出部35、音圧測定部36、及び発光部37は、警報装置3の設置面311側に設けられている。
【0021】
警報装置3は、例えば設置面311に両面テープ又は両面吸着ジェルが貼り付けられることで、外部の物体Uの屋内側の面に設置されている。設置面311に両面吸着ジェルを塗布することで、後述する振動発生部34が発生する振動が適度に両面吸着ジェルに吸収されるので、屋内側に発生する不快な騒音(例えば高周波音)を低減させることができる。
【0022】
制御部32は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部32は、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、警報装置3に入力される各種の情報に応じて、警報装置3の各種の出力を制御する。制御部32は、例えば、検出部33が火災の発生信号を検出した場合に、振動発生部34を振動させる。
【0023】
検出部33は、火災の発生信号を検出する機能を有する。具体的には、検出部33は、移報信号を受信する機能を有する。移報信号は、上述したように、警報器1が火災の発生を検出した場合に送信する信号である。
【0024】
振動発生部34は、例えば振動スピーカーである。振動発生部34は、自身が接触する外部の物体Uを振動させる機能を有する。振動スピーカーは、自身が発生する音よりも、外部の物体Uの振動により発生する音の方が大きいスピーカーである。
【0025】
動き検出部35は、警報装置3における外部の物体Uに接触する側の面、すなわち設置面311に設けられており、ユーザの動きを非接触で検出する機能を有する。動き検出部35は、いわゆるモーションセンサとしての機能を有する。
図3に示すように、動き検出部35は、例えば2つの光電センサ351(第1光電センサ351a及び第2光電センサ351b)を有する。光電センサ351は、光の強度或いは画像を検出する光検出部である。光電センサ351は、例えば、光を発する投光部と、投光部が発した光が物体に反射した光を受ける受光部とを有する。光電センサ351は、光の強度に応じた電気信号を出力する。
【0026】
第1光電センサ351a及び第2光電センサ351bは、警報装置3の設置面311において、警報装置3の左右方向において隣接して配置されている。具体的には、第2光電センサ351bは、設置面311において第1光電センサ351aと隣接して、警報装置3の左右方向における第1光電センサ351aの左側に配置されている。
【0027】
音圧測定部36は、例えばマイクであり、音圧を測定する機能を有する。具体的には、音圧測定部36は、振動発生部34が外部の物体Uを振動させることで生じる音圧を測定し、当該音圧に基づく電気信号を制御部32に送信する。
【0028】
発光部37は、例えばフラッシュライト、又は高輝度ライトであり、警報光として利用される光を発する機能を有する。発光部37は、制御部32から送信される電気信号に基づいて作動して光を発する。発光部37は、警報装置3の設置面311側に設けられているとしたが、発光部37は、警報装置3の設置面311とともに、設置面311の反対側の面に設けられていてもよい。
【0029】
音発生部38は、例えばスピーカー又はブザーであり、警報音を発生する機能を有する。音発生部38は、制御部32から送信される電気信号に基づいて警報音を発生する。
【0030】
以上のとおり、警報装置3においては、制御部32が、検出部33が火災の発生信号を検出した場合に振動発生部34を作動させる機能を有する。この結果、警報装置3は、火災の発生信号を検出した場合に、振動発生部34が外部の物体Uを振動させることで、外部の物体Uから警報音を発生させることができる。
【0031】
警報装置3は、このように、火災の発生信号を検出した場合に、自身が接触する外部の物体Uを振動させることで警報音を発生させる振動発生部34を有することで、警報装置3が家屋Tの屋内に設置されている状態で、家屋Tの屋外に警報音を報知し易くすることができる。
【0032】
[警報装置3の作動状態の設定方法]
制御部32は、動き検出部35が検出した動きに基づいて特定されるユーザの操作内容に基づいて、振動発生部34の作動状態を決定する。具体的には、制御部32は、ユーザが動き検出部35が検知する操作をした際に動き検出部35が出力する電気信号を受信し、当該電気信号に基づいて振動発生部34の作動状態を決定する。制御部32は、決定した作動状態に基づいて、振動発生部34を作動させるか否かを判定する。具体的には、制御部32は、動き検出部35で検出されるユーザの動きに基づいて、以下のように振動発生部34の作動状態を決定する。
【0033】
また、光電センサ351の動作例を示す。制御部32は、第1光電センサ351a及び第2光電センサ351bから同時に検出信号が出力された場合、振動発生部34が作動しない状態に変化させる。また、制御部32は、振動発生部34が作動しない状態で、第1光電センサ351a及び第2光電センサ351bから同時に検出信号が出力された場合、振動発生部34が作動する状態に変化させる。この結果、ユーザは、例えば第1光電センサ351a及び第2光電センサ351bを同時に手で覆い隠すことで、振動発生部34が作動しない状態にしたり、作動する状態にしたりすることができる。
【0034】
制御部32は、第1光電センサ351aから第2光電センサ351bの順に検出信号が出力された場合、振動発生部34が外部の物体Uを振動させることで生じる警報音の音量を増加させると決定し、振動発生部34が発生する振動の振幅を大きくする。この結果、ユーザは、例えば第1光電センサ351a及び第2光電センサ351bに対面して、左から右、すなわち、第1光電センサ351aから第2光電センサ351bの向きに手を移動させると、警報音の音量を増加させることができる。
【0035】
制御部32は、第2光電センサ351bから第1光電センサ351aの順に検出信号が出力された場合、振動発生部34が外部の物体Uを振動させることで生じる警報音の音量を減少させると決定し、振動発生部34が発生する振動の振幅を小さくする。この結果、ユーザは、例えば第1光電センサ351a及び第2光電センサ351bに対面して、右から左、すなわち、第2光電センサ351bから第1光電センサ351aの向きに手を移動させると、警報音の音量を低下させることができる。
【0036】
このように、警報装置3は、外部の物体Uに接触する側の面に動き検出部35を有することで、ユーザは、警報装置3が設置された家屋Tの屋外から、警報を停止させたり、家屋Tの屋内及び屋外に報知する警報音量を調節したりすることができる。
【0037】
[警報音量の自動調整]
制御部32は、音圧測定部36で測定された音圧が所定の範囲に含まれるか否かを判定した結果に基づいて、振動発生部34の作動状態を変更してもよい。具体的には、制御部32は、音圧測定部36から送信される電気信号を受信し、当該受信した電気信号が所定の範囲に含まれるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて振動発生部34の作動状態を変更する。
【0038】
具体的には、制御部32は、音圧測定部36で測定される音圧が当該所定の範囲よりも大きい場合は、振動発生部34が発生する振動の振幅を小さくする。一方、制御部32は、音圧測定部36で測定される音圧が当該所定の範囲よりも小さい場合は、振動発生部34が発生する振動の振幅を大きくする。制御部32は、振幅を大きくした後に音圧測定部36で測定される音圧が、依然として当該所定の範囲よりも小さい場合、振動発生部34を特定のパターンで振動させたり、発光部37を光らせたり、音発生部38で音を発生させたりすることにより、ユーザに警告してもよい。制御部32は、音圧が当該所定の範囲内である場合に、音圧が適正である旨を、振動発生部34、発光部37、又は音発生部38を用いてユーザに通知してもよい。
【0039】
このように、警報装置3は、自身が接触する外部の物体Uの設置面311付近の音圧を測定し、自動で振動発生部34の出力を制御することで、外部の物体Uの種別によらず、適正な振動音を発生させることができる。
【0040】
[火災発生時の複合動作]
制御部32は、検出部33が火災の発生信号を検出した場合に、振動発生部34を作動させると共に発光部37を発光させてもよい。警報装置3は、このような構成を有することで、外部の物体Uが窓等の光を透過する部材の場合、振動発生部34が外部の物体Uを振動させることで発生させる音、及び発光部37が発する光を用いて家屋Tの屋外に報知することができる。また、制御部32は、検出部33が火災の発生信号を検出した場合に、振動発生部34を作動させると共に音発生部38に音を発生させてもよい。この結果、家屋Tの屋内の人が火災に気づく確率を高めることができる。
【0041】
また、制御部32は、検出部33が火災の発生信号を検出した場合に、振動発生部34と音発生部38とを所定のタイミングで切換えて、作動させるようにしてもよい。制御部32は、例えば、警報器1から受信した移報信号が示す内容に基づいて、振動発生部34を振動させるタイミングと、音発生部38に音を発生させるタイミングとを決定する。警報装置3は、このような構成を有することで、例えば火災の状態、例えば火災により発生する煙の量、又は火災により発生する熱の温度に応じて、主に家屋Tの内側の空間に対して警報するのか、又は主に家屋Tの外側の空間に対しても警報するのかを切り替えることが可能となる。
【0042】
また、制御部32は、例えば、警報装置3の故障や点検等の屋内向けの警報は、音発生部38を作動させ、振動発生部34を作動させず、火災が発生したことを条件として、振動発生部34を作動させてもよい。制御部32がこのような制御をすることで、警報装置3は、家屋Tの屋外への報知が必要ない警報が屋外に発せられることを抑制することができる。
【0043】
[変形例]
上記実施形態では、第1光電センサ351a及び第2光電センサ351bは、警報装置3の設置面311側に、警報装置3の左右方向において隣接して配置されているが、第1光電センサ351a及び第2光電センサ351bは、設置面311側に、警報装置3の上下方向において隣接して配置されている構成としてもよい。この場合、例えば第2光電センサ351bは、設置面311側において、警報装置3の上下方向において隣接して第1光電センサ351aの下方に位置するように設けられていてもよい。この場合、ユーザは、上下方向に手を移動させることにより、警報音の音量を調節することができる。
【0044】
動き検出部35が、このようにユーザが上下方向に手を移動させることで、警報音の音量が調節される構成であることで、ユーザは、例えば手を下から上に移動させた場合は音量を増加させ、手を上から下に移動させた場合は音量を減少させるようにすることができる。この結果、ユーザは、音量を増減させるための手の移動方向を覚えやすくなるため、動き検出部35は、操作性が向上する。
【0045】
また、上記実施形態では、動き検出部35は、2つの光電センサ351(第1光電センサ351a及び第2光電センサ351b)を有するとしているが、動き検出部35は、4つの光電センサ351を有していてもよい。この場合、例えば4つの光電センサ351は、警報装置3の設置面311側に、十字に上下左右に並べて配置されていてもよい。すなわち、この場合、4つの光電センサ351は、例えば、警報装置3の設置面311側に、警報装置3の上下方向に隣接して配置されている2つの光電センサを結ぶ直線と、警報装置3の左右方向に隣接して配置されている2つの光電センサを結ぶ直線とが直交するようにして配置される。
【0046】
また、上記実施形態では、動き検出部35は、2つの光電センサ351(第1光電センサ351a及び第2光電センサ351b)を有するとしているが、動き検出部35は、画像センサを有していてもよい。動き検出部35は、当該画像センサで、例えばユーザの手の動きを撮像し、撮像した画像を制御部32に送信する。そして、制御部32は、受信した画像に含まれている手の画像の動きに基づいて、振動発生部34の作動状態を決定する。
【0047】
警報装置3は、動き検出部35がこのように画像センサを有することで、ユーザの複雑な動きを検出することができるようになる。この結果、警報装置3は、例えば、動き検出部35によって検出可能な操作の種類を増加させたり、動き検出部35による操作の誤検出の可能性を低減させたりすることができる。
【0048】
また、上記実施形態では、警報器1が火災の発生を検出した場合に、火災が発生したことを示す移報信号を警報装置3に送信し、警報装置3の検出部33が当該移報信号を受信する例を示したが、これに限定されない。警報装置3が有する検出部33が、直接、火災の発生を検出する機能を有していてもよい。
【0049】
また、警報装置3に図示しない設定スイッチが設けられており、ユーザが当該設定スイッチを操作することで、警報装置3に設けられているセンサ類、例えば動き検出部35、音圧測定部36、発光部37、及び音発生部38の使用可否をそれぞれ選択できるようにしてもよい。警報装置3がこのような構成を有することで、例えば、ユーザが、必要のない機能は使用しないように設定しておくことで、警報装置3の消費電力を削減できる。
【0050】
また、警報装置3には、無線信号受信部が設けられており、制御部32は、無線を用いて、家屋Tの屋内の警報器からの信号を受信した場合、及び家屋Tの屋外の他の警報器からの信号を受信した場合に、振動発生部34を作動させるようにしてもよい。また、警報装置3には、無線信号送信部が設けられており、制御部32は、検出部33、又は無線信号受信部において火災の発生信号を検出した場合に、無線を用いて、家屋Tの屋内に設けられている警報器、又は家屋Tの屋外に設けられている警報器に対して、信号を送信するようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、動き検出部35として光学式の非接触センサが設けられている構成としたが、これに限定されない。動き検出部35としては、光学式の非接触センサ以外にも、例えば振動センサ等のユーザの動作を確認できるセンサが設けられていてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、警報装置3の検出部33は、移報信号を無線で受信する構成であるとしたが、これに限定されない。警報装置3の検出部33は、移報信号を有線で受信する構成にしてもよい。この場合、警報装置3は家屋Tの屋内に設けられていることで、ケーブルの設置が屋内のみで済むため、警報装置3が家屋Tの屋外に設けられている場合に比べて、警報システムSの設置が容易となる。
【0053】
[第1の実施形態に係る警報装置3による効果]
第1の実施形態に係る警報装置3は、火災の発生を警報する警報装置3であって、火災の発生信号を検出する検出部33と、自身が接触する外部の物体Uを振動させる振動発生部34と、検出部33が火災の発生信号を検出した場合に振動発生部34を作動させる制御部32と、を有する。
【0054】
第1の実施形態に係る警報装置3は、このように自身が接触する外部の物体Uを振動させる振動発生部34と、検出部33が火災の発生信号を検出した場合に振動発生部34を作動させる制御部32と、を有する。よって、警報装置3は、警報装置3が家屋Tの屋内に設置された状態でも、家屋Tの屋外に警報をし易くすることができる。この結果、警報装置3は、家屋Tの屋内及び屋外に対して効果的に警報をすることができる。
【0055】
また、警報装置3は、警報装置3が家屋Tの屋内に設置されていることで、警報装置3が家屋Tの屋外に設置されている場合に比べて、警報装置3に対するいたずらの防止にもなり、また、防水、防塵、耐候性等に対する構造が簡易なものとなる。この結果、第1の実施形態に係る警報装置3は、家屋Tの屋外に対して警報することができ、かつ屋外の環境の影響を受けづらくなる。
【0056】
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態に係る警報システムSaの構成を示す図である。
警報システムSaは、警報装置3aを有する。警報装置3aは、振動発生部34のみが筐体31aの外側に位置し、制御部32とケーブルで接続されており、振動発生部34が外部の物体Uに設置されている点と、筐体31aが移報中継器2を内側に収納している点で、警報システムSと異なる。
【0057】
警報システムSaは、このように振動発生部34のみが外部の物体Uに設置されている構成とすることで、外部の物体Uにおける警報装置3aの設置面積を小さくすることができる。例えば、外部の物体Uが窓である場合、窓から視認できる領域が減少したり、窓が開閉しづらくなったりすることを防止することができる。
【0058】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。