特開2019-117584(P2019-117584A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイヘンの特許一覧

<>
  • 特開2019117584-移動体 図000003
  • 特開2019117584-移動体 図000004
  • 特開2019117584-移動体 図000005
  • 特開2019117584-移動体 図000006
  • 特開2019117584-移動体 図000007
  • 特開2019117584-移動体 図000008
  • 特開2019117584-移動体 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-117584(P2019-117584A)
(43)【公開日】2019年7月18日
(54)【発明の名称】移動体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20060101AFI20190627BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20190627BHJP
【FI】
   G05D1/02 K
   G01B11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-252289(P2017-252289)
(22)【出願日】2017年12月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】坂原 洋人
(72)【発明者】
【氏名】阪下 英知
【テーマコード(参考)】
2F065
5H301
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065BB27
2F065DD03
2F065FF04
2F065JJ05
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065MM06
2F065QQ24
2F065QQ31
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB05
5H301BB10
5H301BB11
5H301BB14
5H301FF08
5H301GG03
5H301GG16
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】位置の取得のためにマーカを撮影する範囲が制限されるという問題があった。
【解決手段】自律的に移動する移動体1は、移動体1を移動させる移動機構11と、マーカの撮影画像を取得する第1の撮影部12Aと、マーカの撮影画像を取得する、第1の撮影部12Aより長い焦点距離を有する第2の撮影部12Bと、撮影画像において認識したマーカを用いて、移動体1の位置を取得する位置取得部13と、位置取得部13によって取得された位置を用いて、移動機構11を制御する移動制御部15とを備える。このように、焦点距離の異なる2個の撮影部12A,12Bを用いてマーカを撮影できるため、より広い範囲において、位置の取得のためのマーカの撮影を行うことができるようになる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的に移動する移動体であって、
マーカの撮影画像を取得する第1の撮影部と、
マーカの撮影画像を取得する、前記第1の撮影部より長い焦点距離を有する第2の撮影部と、
前記撮影画像において認識したマーカを用いて、前記移動体の位置を取得する位置取得部と、
前記移動体を移動させる移動機構と、
前記位置取得部によって取得された位置を用いて、前記移動機構を制御する移動制御部と、を備えた移動体。
【請求項2】
前記移動機構は、前記移動体を全方向に移動できるものである、請求項1記載の移動体。
【請求項3】
前記位置取得部は、前記第1及び第2の撮影部によって取得されたマーカの撮影画像のうち、より精度の高い位置を取得できる撮影画像を用いて、前記移動体の位置を取得する、請求項1または請求項2記載の移動体。
【請求項4】
前記移動制御部は、前記第1の撮影部によって取得された撮影画像にマーカが含まれるが、前記第2の撮影部によって取得された撮影画像にマーカが含まれない場合には、前記第2の撮影部によって取得される撮影画像にマーカが含まれるように前記移動体を移動させる、請求項1から請求項3のいずれか記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律的に移動する移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動体において、移動環境に配置されたマーカ(マーク)を撮影し、その撮影したマーカを用いることによって、移動体のマーカに対する位置を取得することが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−207942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような移動体において、マーカを撮影する範囲が制限されるという問題があった。撮影画像に含まれるマーカの領域が小さい場合、すなわち、マーカを遠くから撮影した場合には、マーカを用いて取得する位置の精度が低下するため、その位置を用いた移動制御の精度が低下するという問題がある。また、撮影画像に含まれるマーカの領域が小さい場合には、撮影画像においてマーカを認識することが困難になるという問題もある。したがって、マーカを用いて取得した位置に応じた位置決めを行うためには、マーカを近くから撮影する必要があり、上記のように、マーカを撮影する範囲が制限されることになる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、より広い範囲において、位置の取得のためのマーカの撮影を行うことができる移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による移動体は、自律的に移動する移動体であって、マーカの撮影画像を取得する第1の撮影部と、マーカの撮影画像を取得する、第1の撮影部より長い焦点距離を有する第2の撮影部と、撮影画像において認識したマーカを用いて、移動体の位置を取得する位置取得部と、移動体を移動させる移動機構と、位置取得部によって取得された位置を用いて、移動機構を制御する移動制御部と、を備えたものである。
このような構成により、焦点距離の異なる2個の撮影部を用いてマーカを撮影できるため、より広い範囲において、位置の取得のためのマーカの撮影を行うことができるようになる。例えば、移動体がマーカの近くに存在する場合でも、マーカの遠くに存在する場合でも、マーカの撮影画像を用いた位置の取得を適切に行うことができるようになる。
【0007】
また、本発明による移動体では、移動機構は、移動体を全方向に移動できるものであってもよい。
このような構成により、マーカを用いた移動の制御をより適切に行うことができるようになる。
【0008】
また、本発明による移動体では、位置取得部は、第1及び第2の撮影部によって取得されたマーカの撮影画像のうち、より精度の高い位置を取得できる撮影画像を用いて、移動体の位置を取得してもよい。
このような構成により、より精度の高い位置の取得を実現することができる。
【0009】
また、本発明による移動体では、移動制御部は、第1の撮影部によって取得された撮影画像にマーカが含まれるが、第2の撮影部によって取得された撮影画像にマーカが含まれない場合には、第2の撮影部によって取得される撮影画像にマーカが含まれるように移動体を移動させてもよい。
このような構成により、画角の広い第1の撮影部の撮影画像を用いて、第2の撮影部の撮影画像にマーカが含まれるようにすることができる。そして、その第2の撮影画像に含まれるマーカを用いて位置を取得できた場合には、第1の撮影部の撮影画像を用いるよりも、より精度の高い位置を取得できることになる。
【0010】
また、本発明による移動体では、移動体の現在位置を、マーカを用いないで取得する現在位置取得部をさらに備え、移動制御部は、第1及び第2の撮影部によってマーカが撮影されていない場合には、現在位置取得部によって取得された現在位置を用いて移動機構を制御し、第1及び第2の撮影部の少なくともいずれかによってマーカが撮影された場合には、位置取得部によって取得された位置を用いて移動機構を制御してもよい。
このような構成により、マーカが撮影されるまでは、現在位置取得部によって取得された現在位置を用いてマーカの存在する位置にまで移動することができ、マーカが撮影された後には、マーカを用いて取得されたより精度の高い位置を用いて、位置決めなどの移動を行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による移動体によれば、焦点距離の異なる2個の撮影部を用いてマーカを撮影できるため、より広い範囲において、位置の取得のためのマーカの撮影を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態による移動体の構成を示すブロック図
図2】同実施の形態による移動体の動作を示すフローチャート
図3】同実施の形態における配置されたマーカと移動体とを示す模式図
図4A】同実施の形態における焦点距離の異なる2個の撮影画像の一例を示す図
図4B】同実施の形態における焦点距離の異なる2個の撮影画像の一例を示す図
図4C】同実施の形態における焦点距離の異なる2個の撮影画像の一例を示す図
図4D】同実施の形態における焦点距離の異なる2個の撮影画像の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による移動体について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態による移動体は、マーカを撮影して取得した位置を用いて移動制御を行うものであり、そのマーカを、焦点距離の異なる2個の撮影部によって撮影するものである。
【0014】
図1は、本実施の形態による移動体1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による移動体1は、自律的に移動するものであり、移動機構11と、第1の撮影部12Aと、第2の撮影部12Bと、位置取得部13と、現在位置取得部14と、移動制御部15とを備える。なお、移動体1が自律的に移動するとは、移動体1がユーザ等から受け付ける操作指示に応じて移動するのではなく、自らの判断によって目的地に移動することであってもよい。その目的地は、例えば、手動で決められたものであってもよく、または、自動的に決定されたものであってもよい。また、その目的地までの移動は、例えば、移動経路に沿って行われてもよく、または、そうでなくてもよい。また、自らの判断によって目的地に移動するとは、例えば、進行方向、移動や停止などを移動体1が自ら判断することによって、目的地まで移動することであってもよい。また、例えば、移動体1が、障害物に衝突しないように移動することであってもよい。移動体1は、例えば、台車であってもよく、移動するロボットであってもよい。ロボットは、例えば、エンターテインメントロボットであってもよく、監視ロボットであってもよく、搬送ロボットであってもよく、清掃ロボットであってもよく、動画や静止画を撮影するロボットであってもよく、その他のロボットであってもよい。
【0015】
移動機構11は、移動体1を移動させる。移動機構11は、例えば、移動体1を全方向に移動できるものであってもよく、または、そうでなくてもよい。本実施の形態では、移動機構11が、移動体1を全方向に移動できるものである場合について主に説明する。全方向に移動できるとは、任意の方向に移動できることである。移動機構11は、例えば、走行部(例えば、車輪など)と、その走行部を駆動する駆動手段(例えば、モータやエンジンなど)とを有していてもよい。なお、移動機構11が、移動体1を全方向に移動できるものである場合には、その走行部は、全方向移動車輪(例えば、オムニホイール、メカナムホイールなど)であってもよい。全方向移動車輪を有し、全方向に移動可能な移動体については、例えば、特開2017−128187号公報を参照されたい。この移動機構11としては、公知のものを用いることができるため、その詳細な説明を省略する。
【0016】
第1及び第2の撮影部12A,12Bは、移動環境に存在するマーカを撮影して撮影画像を取得する。以下、両撮影部12A,12Bを区別しない場合には、撮影部12と呼ぶこともある。撮影部12は、例えば、CCDやCMOSなどのイメージセンサによって実現することができる。また、撮影部12は、撮影対象からの光をイメージセンサの受光面に結像させるための光学系を含んでいる。また、撮影画像のデータ形式等は問わない。撮影部12は、移動体1に固定されているため、移動体1の移動に応じて撮影対象が異なることになる。したがって、撮影部12は、例えば、連続的に撮影を行い、撮影範囲にマーカが含まれる場合に、そのマーカを含む撮影画像が位置取得部13等によって用いられてもよく、または、あらかじめ決められたマーカの撮影位置に移動した場合に、マーカを含む撮影画像を取得してもよい。なお、撮影範囲にマーカが含まれるかどうかの判断は、例えば、マーカのパターンマッチングによって行ってもよく、その他の方法によって行ってもよい。
【0017】
第2の撮影部12Bは、第1の撮影部12Aより長い焦点距離を有している。すなわち、第1の撮影部12Aは、より広角の撮影を行うことになり、第2の撮影部12Bは、より狭角の撮影(すなわち、望遠側の撮影)を行うことになる。例えば、第1及び第2の撮影部12A,12Bによって同じ撮影対象を撮影した場合に、第2の撮影部12Bの撮影画像の方が、撮影対象がより大きく撮影されることになる。すなわち、第1及び第2の撮影部12A,12Bによって同じマーカを撮影した場合に、第2の撮影部12Bの撮影画像に含まれるマーカの方が、第1の撮影部12Aの撮影画像に含まれるマーカよりも大きいことになる。なお、第1及び第2の撮影部12A,12Bは、移動体1において、同じ方向の撮影対象を撮影するように配置されていることが好適である。例えば、第1及び第2の撮影部12A,12Bの光学系の光軸は、平行であってもよい。
【0018】
撮影画像に含まれるマーカをパターンマッチングによって認識する場合に、第1の撮影部12Aによって取得された撮影画像(以下、「第1の撮影画像」と呼ぶことがある。)におけるパターンマッチングでは、第2の撮影部12Bによって取得された撮影画像(以下、「第2の撮影画像」と呼ぶことがある。)におけるパターンマッチングよりも、より低い類似度の閾値によってパターンマッチングが行われてもよい。すなわち、パターンマッチングにおいて、パターンと所定の閾値以上の類似度である図形がマーカと認識される場合に、第1の撮影画像のパターンマッチングで用いられる閾値の方が、第2の撮影画像のパターンマッチングで用いられる閾値よりも低くてもよい。上記のように、第1の撮影画像に含まれるマーカの方が、第2の撮影画像に含まれるマーカよりも小さくなるため、同じ閾値でパターンマッチングを行った場合には、第2の撮影画像ではマーカが認識され、第1の撮影画像ではマーカが認識されない、ということが起こりうるからである。
【0019】
図3は、移動体1の第1及び第2の撮影部12A,12Bによってマーカ5が撮影されている状況を示す模式図である。図3で示されるように、第1及び第2の撮影部12A,12Bの撮影範囲にマーカ5が存在することにより、第1及び第2の撮影部12A,12Bは、マーカ5の撮影画像を取得することができる。なお、図3では、マーカ5が表示板7に表示されている場合について示しているが、マーカ5は、例えば、壁などに配置されていてもよい。
【0020】
マーカは、視覚的に認識可能な2次元の図形であり、移動体1の位置決めのために移動環境に配置されている。例えば、移動体1が給電位置や、搬送対象の積み降ろし位置に正確に移動できるようにするため、マーカが配置されていてもよい。マーカの形状(図形の形状)は問わないが、例えば、正方形状や、長方形状、その他の多角形状、円形状、楕円形状、また、それらの組み合わせであってもよい。なお、その形状は、特定可能な3以上の特徴点を有していることが好適である。また、その特徴点の少なくとも3点については、特徴点間のサイズが既知であることが好適である。そのサイズは、マーカと、撮影部12との相対的な位置関係を取得するのに必要であるため、移動体1の図示しない記録媒体において保持されており、位置取得部13等がアクセス可能になっていることが好適である。マーカは、例えば、紙やフィルム等に印刷され、移動環境に配置される。移動体1の移動環境に配置されるマーカのワールド座標系における位置(例えば、ワールド座標系とマーカの座標系との相対的な関係(平行移動、回転に関する情報)であってもよい。)は分かっていてもよく、または、そうでなくてもよい。前者の場合には、マーカの撮影画像を用いることによって、移動体1のワールド座標系における位置を取得することができるようになり、後者の場合には、マーカの撮影画像を用いることによって、移動体1のマーカに対する相対的な位置(例えば、マーカの座標系における位置など)を取得することができるようになる。したがって、マーカのワールド座標系における位置が分からない場合には、移動環境に配置されているマーカに対する相対的な位置によって、位置決めを行うことになるため、移動体1の目的とする位置決め場所に対して、あらかじめ決められた相対的な位置となるように、そのマーカが配置されることが好適である。
【0021】
位置取得部13は、撮影画像において認識したマーカを用いて、移動体1の位置を取得する。その位置は、マーカに対する相対的な位置であってもよく、ワールド座標系における位置であってもよい。ここで、位置取得部13がマーカの撮影画像を用いて直接的に得ることができるのは、移動体1のマーカに対する相対的な位置(例えば、マーカ座標系における移動体1の位置など)である。一方、マーカのワールド座標系における位置が既知である場合には、位置取得部13は、その相対的な位置と、ワールド座標系におけるマーカの位置とを用いて、移動体1のワールド座標系における位置をも取得できることになる。位置取得部13が取得する位置は、角度(姿勢)を含まないものであってもよく、または角度を含んでいてもよい。その角度とは、マーカの面に対する相対的な角度であってもよく、ワールド座標系における角度であってもよい。本実施の形態では、位置取得部13によって取得される位置に、角度も含まれる場合について主に説明する。具体的な位置の取得方法については、後述する。
【0022】
第1及び第2の撮影部12A,12Bの一方においてのみマーカの撮影画像が取得された場合には、位置取得部13は、そのマーカの撮影画像を用いて位置の取得を行ってもよい。第1及び第2の撮影部12A,12Bが同じ方向を撮影する場合には、第1の撮影部12Aの画角の方が広いため、第1の撮影画像にマーカが含まれているが、第2の撮影画像にはマーカが含まれていない、ということが起こりうる。そのような場合には、位置取得部13は、第1の撮影画像に含まれるマーカを用いて移動体1の位置を取得してもよい。
【0023】
第1及び第2の撮影部12A,12Bの両方においてマーカの撮影画像が取得された場合には、位置取得部13は、第1及び第2の撮影部12A,12Bによって取得されたマーカの撮影画像のうち、より精度の高い位置を取得できる撮影画像を用いて、移動体1の位置を取得してもよい。例えば、図4Aで示されるように、第1及び第2の撮影画像の両方に、マーカの全体が含まれている場合には、通常、第2の撮影画像に含まれるマーカの方が大きいことになり、その第2の撮影画像のマーカを用いた方が、より精度の高い位置の取得を実現できることになる。したがって、そのような場合には、位置取得部13は、第2の撮影画像を用いて移動体1の位置の取得を行ってもよい。一方、例えば、図4B図4Cで示されるように、第1の撮影画像にはマーカの特徴点のうち、位置の取得に用いるすべての特徴点(例えば、矩形の頂点であってもよい)が含まれているが、第2の撮影画像には、その特徴点の一部しか含まれていない場合には、第2の撮影画像のマーカを用いた位置の取得を行うことはできないことになる。したがって、そのような場合には、位置取得部13は、第1の撮影画像を用いて移動体1の位置の取得を行ってもよい。なお、例えば、第1の撮影画像にはマーカの全体が含まれているが、第2の撮影画像にはマーカの全体が含まれていない(マーカの一部しか含まれていない)場合にも、同様にしてもよい。
【0024】
現在位置取得部14は、移動体1の現在位置を、マーカを用いないで取得する。現在位置の取得は、例えば、無線通信を用いて行われてもよく、周囲の物体までの距離の測定結果を用いて行われてもよく、周囲の画像を撮影することによって行われてもよく、現在位置を取得できるその他の手段を用いてなされてもよい。無線通信を用いて現在位置を取得する方法としては、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いる方法や、屋内GPSを用いる方法、最寄りの無線基地局を用いる方法などが知られている。また、例えば、周囲の物体までの距離の測定結果を用いたり、周囲の画像を撮影したりすることによって現在位置を取得する方法としては、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などによって知られている方法を用いてもよい。また、あらかじめ作成された地図(例えば、周囲の物体までの距離の測定結果や撮影画像を有する地図など)が記憶されている場合には、現在位置取得部14は、周囲の物体までの距離を測定し、地図を用いて、その測定結果に対応する位置を特定することによって現在位置を取得してもよく、周囲の画像を撮影し、地図を用いて、その撮影結果に対応する位置を特定することによって現在位置を取得してもよい。また、現在位置取得部14は、例えば、自律航法装置を用いて現在位置を取得してもよい。また、現在位置取得部14は、移動体1の向き(方向)を含む現在位置を取得することが好適である。その方向は、例えば、北を0度として、時計回りに測定された方位角によって示されてもよく、その他の方向を示す情報によって示されてもよい。その向きは、電子コンパスや地磁気センサによって取得されてもよい。
【0025】
なお、位置取得部13は、撮影部12によってマーカが撮影された際にのみ、位置を取得できるものである。したがって、移動体1がマーカの存在しない箇所を移動している場合には、位置取得部13による位置の取得を行うことはできないため、移動体1は、マーカの撮影以外の方法によって移動体1の現在位置を取得する現在位置取得部14を備えていることが好適である。
【0026】
移動制御部15は、移動機構11を制御することによって、移動体1の移動を制御する。移動の制御は、移動体1の移動の向きや、移動の開始・停止などの制御であってもよい。例えば、移動経路が設定されている場合には、移動制御部15は、移動体1がその移動経路に沿って移動するように、移動機構11を制御してもよい。より具体的には、移動制御部15は、現在位置取得部14によって取得される現在位置が、その移動経路に沿ったものになるように、移動機構11を制御してもよい。また、移動制御部15は、地図を用いて、移動の制御を行ってもよい。その場合には、移動体1は、地図が記憶される記憶部を備えていてもよい。
【0027】
また、移動制御部15は、マーカを用いて取得された位置、すなわち位置取得部13によって取得された位置を用いて、移動機構11を制御する。移動制御部15は、位置取得部13によって取得された位置を用いて、移動体1が、所定の位置となるように移動させてもよい。具体的には、移動制御部15は、マーカを用いて取得された位置により、移動体1を給電位置や、搬送対象の積み降ろし位置などに移動させてもよい。通常、現在位置取得部14によって取得される位置よりも、マーカを用いて取得された位置の方が高い精度になる。したがって、移動制御部15は、高い精度の要求される移動については、マーカを用いて取得された位置を用いて行ってもよい。例えば、エレベータのカゴへの出入りなども、エレベータのカゴ内やエレベータホールに配置されたマーカを用いて行われてもよい。例えば、移動制御部15は、マーカの存在する位置までは、現在位置取得部14によって取得された現在位置を用いた移動制御を行い、撮影部12によってマーカが撮影された後は、マーカを用いて取得された位置を用いた移動制御を行ってもよい。なお、マーカを用いた移動制御は、すでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0028】
移動制御部15は、第1の撮影部12Aによって取得された撮影画像にマーカが含まれるが、第2の撮影部12Bによって取得された撮影画像にマーカが含まれない場合には、第2の撮影部12Bによって取得される撮影画像にマーカが含まれるように移動体1を移動させてもよい。そのような場合には、通常、撮影部12の光軸がマーカを向いておらず、第1の撮影部12Aは画角が広いため、第1の撮影画像においては端の方にマーカが含まれるが、第2の撮影部12Bは画角が狭いため、第2の撮影画像においてはマーカが含まれない状況になっている可能性が高いと考えられる。このような場合には、移動制御部15が、第1の撮影画像においてマーカが中心付近に含まれるように移動体1を回転させることによって、第2の撮影画像にもマーカが含まれるようになると考えられる。したがって、移動制御部15は、第2の撮影画像にマーカが含まれるように、移動体1を回転させてもよい。具体的には、移動制御部15は、第1の撮影画像において認識されたマーカが、第1の撮影画像の左側(右側)に存在する場合には、移動体1を上面視で反時計回り(時計回り)に徐々に回転させ、第2の撮影部12Bによって取得された第2の撮影画像にマーカが含まれるようになった時点で、その回転を停止してもよい。または、移動制御部15は、第1の撮影画像において認識されたマーカが、第1の撮影画像の左右方向の真ん中付近に存在するための回転角度を取得し、移動体1をその取得した回転角度に応じて回転させてもよい。そして、第2の撮影画像にマーカが含まれるようになった場合には、移動制御部15は、その第2の撮影画像を用いて取得された位置を用いて移動制御を行ってもよい。例えば、第1及び第2の撮影画像が図4Cで示されるものである場合には、移動制御部15は、第1の撮影画像においてマーカが中心付近となるまで、すなわち、図4Aで示される第1及び第2の撮影画像が撮影されるようになるまで移動体1を回転させ、その図4Aの撮影画像を用いて位置の取得が行われるようにしてもよい。そのようにすることで、第2の撮影画像を用いて取得された位置を用いた移動制御を行うことができるようになり、第1の撮影画像を用いて取得された位置を用いた場合よりも、より高精度な移動制御を行うことができるようになる。なお、図4Bで示されるように、第2の撮影画像にマーカの全体が含まれない場合に、同様な処理を行うことは意味がないことになる。したがって、第1の撮影画像に含まれるマーカが、所定の大きさ以下である場合に、上記のように、第2の撮影画像にマーカが含まれるように移動体1が移動されてもよい。
【0029】
なお、撮影画像にマーカが含まれないとは、例えば、撮影画像にマーカが存在しないことであってもよく、また、撮影画像においてマーカを認識することができないことであってもよい。後者としては、例えば、マーカから非常に離れた位置から撮影が行われた場合があり得る。そのような場合としては、例えば、図4Dで示されるように、第2の撮影画像に含まれるマーカは、かろうじてマーカと認識できるが、第1の撮影画像では、マーカがさらに小さくなるため、マーカと認識できないような状況があり得る。そのような場合には、例えば、第2の撮影画像を用いて位置が取得されるようにしてもよく、または、第1及び第2の撮影画像において、マーカがより大きく含まれる位置まで移動するように移動制御が行われた後に撮影された撮影画像を用いて、位置の取得が行われてもよい。後者のように位置の取得が行われることによって、より精度の高い位置の取得が可能となる。
【0030】
移動制御部15は、第1及び第2の撮影部12A,12Bの両方によってマーカが撮影されていない場合には、現在位置取得部14によって取得された現在位置を用いて移動機構11を制御し、第1及び第2の撮影部12A,12Bの少なくともいずれかによってマーカが撮影された場合には、位置取得部13によって取得された位置を用いて移動機構11を制御してもよい。例えば、マーカを撮影できる領域は、あらかじめ指定されていてもよい。そして、移動制御部15は、現在位置取得部14によって取得された現在位置を用いてその領域まで移動し、その領域において取得されたマーカの撮影画像を用いて、その後の移動を行うようにしてもよい。なお、移動体1が、マーカを撮影できる領域にまで移動しても、マーカを撮影できないこともあり得る。そのような場合には、撮影部12の撮影方向がマーカの方向となっていないと考えられるため、移動制御部15による移動体1の回転と、撮影部12による撮影画像の取得とが、マーカが撮影されるまで繰り返されてもよい。
【0031】
次に、マーカを用いた位置の取得について説明する。ここで、撮影部12のローカル座標系をCとし、マーカ5のローカル座標系をCとする。また、ある点に関して、撮影部12の座標系Cにおける座標値を(x,y,z)=(pCx,pCy,pCz)とし、マーカ5の座標系Cにおける座標値を(x,y,z)=(pMx,pMy,pMz)とすると、両座標値は、両座標系間で座標値を変換する同次変換行列PCMを用いて次式のように関連づけられることになる。なお、Tは、転置を示している。
(pCx,pCy,pCz,1)=PCM(pMx,pMy,pMz,1)
【0032】
上式の同次変換行列PCMには、引数q,q,q,θ,φ,ψが含まれており、それらは、撮影部12の座標系Cに対するマーカ5の座標系Cの平行移動(q,q,q)と回転(θ,φ,ψ)とを示すものである。なお、上記のように、マーカの3点の特徴点間のサイズが既知であるとすると、そのサイズ(特徴点間の距離)を用いることによって、同次変換行列PCMに含まれる各引数を求められることが知られており、同次変換行列PCMを特定することができる。このようにして、マーカを撮影することにより、同次変換行列PCMを算出でき、撮影部12の座標系Cとマーカ5の座標系Cとの関係、すなわち、マーカ5に対する撮影部12の相対的な位置を取得することができる。なお、移動体1のローカル座標系において、撮影部12の向きを含む位置は既知である。したがって、撮影部12とマーカ5との位置関係が分かれば、移動体1とマーカ5との位置関係も分かることになる。このようにして、移動体1は、マーカ5に対する移動体1の位置を取得することができる。
【0033】
また、マーカ5のワールド座標系における位置が既知である場合には、移動体1とマーカ5との相対的な位置関係と、マーカ5のワールド座標系における位置とを用いることによって、移動体1のワールド座標系における位置をも取得できることは言うまでもない。
【0034】
また、本実施の形態では、マーカを用いた位置の取得に同次変換行列を用いる場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。同次変換行列を用いない方法によっても、マーカを用いた位置の取得を行うことができることは言うまでもない。
【0035】
次に、移動体1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)移動制御部15は、移動体1の移動の制御を行う。この移動の制御は、例えば、目的地に向かう自律的な移動の制御である。このステップS101の移動の制御が繰り返して行われることによって、移動体1は、出発地から目的地に向けて移動することになる。
【0036】
(ステップS102)移動制御部15は、マーカを用いた位置決めを行うかどうか判断する。そして、マーカを用いた位置決めを行う場合には、ステップS103に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、移動制御部15は、例えば、現在位置取得部14によって取得された現在位置によって、移動体1がマーカを撮影できる領域に入ったことが分かった場合に、マーカを用いた位置決めを行うと判断してもよい。その場合には、例えば、マーカを撮影できる領域があらかじめ登録されていてもよい。また、例えば、ステップS101での移動制御中にも撮影部12による撮影が行われている場合には、移動制御部15は、その撮影画像にマーカが含まれるようになったときに、マーカを用いた位置決めを行うと判断してもよい。
【0037】
(ステップS103)第1及び第2の撮影部12A,12Bは、マーカの撮影画像を取得する。取得された撮影画像は、それぞれ図示しない記録媒体で記憶されてもよい。なお、ここで取得された撮影画像には、マーカが含まれていないこともあり得る。
【0038】
(ステップS104)位置取得部13は、取得された第1及び第2の撮影画像の少なくとも一方によって、移動体1の位置を取得できるかどうか判断する。そして、第1及び第2の撮影画像の少なくとも一方によって、移動体1の位置を取得できる場合には、ステップS106に進み、いずれの撮影画像を用いても移動体1の位置を取得できない場合には、ステップS105に進む。なお、移動体1の位置を取得できない場合とは、例えば、撮影画像にマーカが含まれていない場合であってもよい。
【0039】
(ステップS105)移動制御部15は、移動体1を移動させる。そして、ステップS103に戻り、再度、撮影を行う。なお、この移動は、移動体1の回転であってもよい。例えば、移動体1が、現在位置取得部14によって取得された現在位置を用いて、マーカを撮影可能な位置にまで移動してきている場合であって、撮影画像にマーカが含まれていない場合には、撮影方向が適切でないと考えられるため、移動制御部15は、移動体1を回転させてもよい。その回転における回転角度は、例えば、第1の撮影部12Aの水平方向の画角よりも小さい角度であることが好適であり、第2の撮影部12Bの水平方向の画角よりも小さい角度であってもよい。
【0040】
(ステップS106)位置取得部13は、第1及び第2の撮影画像の両方にマーカが含まれているかどうか判断する。そして、両方にマーカが含まれている場合には、ステップS107に進み、そうでない場合には、ステップS108に進む。
【0041】
(ステップS107)位置取得部13は、位置を取得する撮影画像を選択する。例えば、マーカの全体や、位置取得で用いるすべての特徴点が両方の撮影画像に含まれている場合には、より大きいマーカを含む第2の撮影画像を選択することが好適である。そうでない場合には、マーカの全体や、位置取得で用いるすべての特徴点が含まれている撮影画像(通常、第1の撮影画像であると考えられる。)を選択してもよい。
【0042】
(ステップS108)位置取得部13は、ステップS107で選択された撮影画像、または、マーカの含まれている撮影画像を用いて、移動体1の位置を取得する。
【0043】
(ステップS109)移動制御部15は、ステップS108で取得された移動体1の位置を用いて移動機構11を制御し、移動体1を移動させることによって、移動体1の位置決めを行う。例えば、位置取得部13によって取得された位置が、マーカ座標系における移動体1の位置であり、マーカ座標系における位置決めを行う位置が図示しない記録媒体で記憶されている場合には、移動制御部15は、その位置決めを行う位置を読み出し、取得された移動体1の位置から、その位置決めを行う位置までの移動量(平行移動及び回転)を取得し、それに応じて移動体1の移動を制御してもよい。なお、他の座標系において移動の制御が行われてもよいことは言うまでもない。そして、移動体1の移動に関する一連の処理は終了となる。なお、ステップS109において、その位置決めのための移動途中においても、撮影画像の取得と、取得された撮影画像において認識されたマーカを用いた移動制御を繰り返して行ってもよい。ここで、マーカを用いた移動制御とは、マーカを用いて取得された移動体1の位置に応じた移動制御であってもよい。
【0044】
なお、図2のフローチャートにおける処理の順序は一例であり、同様の結果を得られるのであれば、各ステップの順序を変更してもよい。また、図2のフローチャートには含まれていないが、現在位置取得部14による現在位置の取得は、マーカが撮影されるまでは繰り返して行われているものとする。また、撮影部12によってマーカの撮影が行われている際(ステップS103)には、移動体1は、停止していることが好適である。また、図2のフローチャートでは、位置取得部13によって取得された位置を用いて、移動体1の位置決めが行われる場合について説明したが、その位置を用いて、位置決め以外の移動体1の移動制御が行われてもよい。また、前述のように、移動制御部15は、第1の撮影画像にマーカが含まれるが、第2の撮影画像にマーカが含まれない場合には、第2の撮影画像にマーカが含まれるように移動体1を移動させてもよい。
【0045】
以上のように、本実施の形態による移動体1によれば、焦点距離の異なる第1及び第2の撮影部12A,12Bを用いてマーカを撮影できるため、より広い範囲において、位置の取得のためのマーカの撮影を行うことができるようになる。例えば、移動体1がマーカの近くに存在する場合でも、マーカから遠く離れた場所に存在する場合でも、マーカの撮影画像を用いた位置の取得を行うことができるようになる。具体的には、移動体1がマーカに近い場所に存在する場合には、第1の撮影部12Aの撮影画像に含まれるマーカを用いて位置を取得し、移動体1がマーカから遠い場所に存在する場合には、第2の撮影部12Bの撮影画像に含まれるマーカを用いて位置を取得することができるようになる。したがって、マーカの撮影位置を指定する場合であっても、より広範囲の指定が可能となる。例えば、移動体1の管理者等がその指定を行う場合に、1個の撮影部を有する移動体よりも、より緩い指定が可能になる。また、第1及び第2の撮影部12A,12Bによってそれぞれマーカを含む撮影画像を取得した場合には、位置取得部13は、より精度の高い位置を取得できる撮影画像を用いた位置の取得を行うこともできる。その結果として、より精度の高い移動の制御を実現することができるようになる。また、第1の撮影画像にはマーカが含まれるが、第2の撮影画像にはマーカが含まれない場合に、移動制御部15が、第2の撮影画像にもマーカが含まれるように移動体1を移動させることによって、より大きなマーカを用いた位置の取得を実現でき、結果として、より精度の高い位置の取得や、移動の制御を実現することができるようになる。
【0046】
なお、本実施の形態において、移動制御に現在位置を用いない場合には、移動体1は、現在位置取得部14を備えていなくてもよい。
【0047】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、または、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0048】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、または、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、または長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、または、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、または、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0050】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、または、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0051】
また、上記実施の形態において、移動体1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、または、別々のデバイスを有してもよい。
【0052】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上より、本発明による移動体によれば、より広い範囲において、位置の取得のためのマーカの撮影を行うことができるという効果が得られ、自律的に移動する移動体として有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 移動体
11 移動機構
12A 第1の撮影部
12B 第2の撮影部
13 位置取得部
14 現在位置取得部
15 移動制御部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D