【課題】RF信号送受信のための放射パターンを全方向に拡大し、送受信性能を向上させながらも小型化に有利な構造を有するアンテナモジュール及びデュアルバンドアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナパッケージの連結部材200aに、一端が少なくとも1つの配線層に電気的に連結された給電線路110aと、給電線路110aの他端に電気的に連結され、RF信号を送信または受信するように構成された第2アンテナ部材120aと、給電線路110aから連結部材200aの第1面または第2面に向かう方向に離隔配置されたグランド部材130aと、を含むことにより、RF信号の送受信方向を全方向に拡大し、第2アンテナ部材120aの放射方向に対するアンテナ性能の向上、及びデュアルバンド送受信を可能とする。
前記第2アンテナ部材は、前記第2アンテナ部材の固有の周波数帯域と、前記グランド部材の幅によって決定される拡張周波数帯域と、をともに有するように構成された、請求項1または2に記載のアンテナモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0013】
後述する本発明についての詳細な説明は、本発明が実施できる特定実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を十分に実施することができるように詳細に説明される。本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが、相互排他的な必要はないことを理解すべきである。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関連して本発明の思想及び範囲を逸脱することなく他の実施形態に実現され得る。また、それぞれの開示された実施形態における個別構成要素の位置または配置は、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく変更され得ることを理解すべきである。したがって、後述の詳細な説明は限定的な意味で扱うものではなく、本発明の範囲は、その請求範囲が主張するものと均等な全ての範囲とともに、添付の請求範囲によってのみ限定される。図面において、類似の参照符号は、様々な側面にわたって同一または類似の機能を示す。
【0014】
以下では、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールを示した図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは連結部材200aを含むことができる。上記連結部材200aは、少なくとも1つの配線層と、少なくとも1つの絶縁層と、を含み、ICが配置される第1面(例えば、下面)と、アンテナパッケージが配置される第2面(例えば、上面)と、を提供することができる。
【0017】
上記アンテナパッケージは、連結部材200aと同種(homogeneous)または異種(heterogeneous)で構成されることができ、連結部材200aの第1面が向いている方向にRF信号を送信または受信することができる。したがって、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、第1方向にRF信号を送信または受信するように第1方向に放射パターンを形成することができる。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、給電線路110aと、アンテナ部材120aと、グランド部材130aと、を含むため、第2方向(例えば、側面)にRF信号を送信または受信するように第2方向に放射パターンを形成することができる。すなわち、上記アンテナモジュールは、RF信号の送受信方向を全方向(omni−directional)に拡大することができる。
【0019】
給電線路110aは少なくとも1つの配線層に電気的に連結されることができる。すなわち、上記給電線路110aは、少なくとも1つの配線層を介してRF信号をICに伝達することができ、上記ICから伝達されるRF信号を少なくとも1つの配線層を介して受けることができる。
【0020】
アンテナ部材120aは給電線路110aに電気的に連結され、RF信号を送信または受信するように構成されることができる。例えば、上記アンテナ部材120aは、第1ポール及び第2ポールを含むダイポール(dipole)形態を有することができる。ここで、上記第1ポールと第2ポールは、それぞれ給電線路110aの第1及び第2給電線路に電気的に連結されることができる。
【0021】
上記アンテナ部材120aは、内在的要素(例えば、ポールの長さ、ポールの厚さ、ポール間の間隔、ポールと連結部材の側面との間隔、絶縁層の誘電率など)による固有の周波数帯域(例えば、28GHz)を有することができる。
【0022】
グランド部材130aは、給電線路110aから連結部材200aの第1面または第2面に向かう方向(例えば、上端または下端)に離隔配置されることができる。
【0023】
上記グランド部材130aはアンテナ部材120aに電磁気的に結合されることができ、上記グランド部材130aの形態(例えば、幅、長さ、厚さ、給電線路との離隔距離、アンテナ部材との電気的隔離度など)に応じて、アンテナ部材120aの周波数特性に影響を与え得る。
【0024】
例えば、上記グランド部材130aはアンテナ部材120aに拡張周波数帯域(例えば、38GHz)を提供することができ、上記拡張周波数帯域が固有の周波数帯域と類似する場合、アンテナ部材120aの固有の周波数帯域の帯域幅や利得を改善させることもできる。
【0025】
したがって、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナ部材120aの第2方向に対するアンテナ性能(例えば、送受信率、利得、帯域幅、直進性(directivity)など)の向上や、アンテナ部材120aの第2方向に対するデュアルバンド(dual−band)送受信を可能とする。
【0026】
一方、
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、インピーダンス変換線路115a、第3グランド部材140a、及び第5グランド部材145aの少なくとも一部をさらに含むことができる。
【0027】
インピーダンス変換線路115aは、給電線路110aとアンテナ部材120aとの間に電気的に連結されることができる。例えば、上記インピーダンス変換線路115aは、給電線路110aの厚さと異なる厚さを有するため、給電線路110aのインピーダンスと異なるインピーダンスを有することができる。上記インピーダンス変換線路115aは、アンテナ部材120aに直接連結されてもよいが、設計に応じて、給電線路110aの一端に連結され、連結部材200aの中心に隣接して配置されてもよい。
【0028】
第3グランド部材140aは、アンテナ部材120aから連結部材200aの第1面に向かう方向に離隔配置されることができる。上記第3グランド部材140aはアンテナ部材120aに電磁気的に結合され、アンテナ部材120aの利得や送受信率を向上させることができる。
【0029】
例えば、上記第3グランド部材140aは、アンテナ部材120aの形態(例えば、ダイポール)に対応するように、その間にギャップ(gap)を置いた複数のグランドパターンで構成されることができ、アンテナ部材120aの幅に比べて長い幅を有して上記アンテナ部材120aの下面を完全に覆うことができる。
【0030】
第5グランド部材145aは、第3グランド部材140aにおいて内側方向の境界に隣接して立てられることができる。例えば、上記第5グランド部材145aは、アンテナ部材120aの一部(例えば、ダイポールの終端部分)とグランド部材130aとの間を遮り、アンテナ部材120aの他の一部(例えば、ダイポールの始まり部分)とグランド部材130aとの間を開放するように配置されることができる。これにより、グランド部材130aのアンテナ部材120aとの電磁気的結合が高精度に調節されることができ、アンテナ部材120aの配線層との隔離度が改善されることができる。
【0031】
図2は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールと第2グランド部材を示した図である。
【0032】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、第2グランド部材135aをさらに含むことができる。上記第2グランド部材135aは、給電線路及び/またはインピーダンス変換線路がグランド部材130aと上記第2グランド部材135aとの間に配置されるように、給電線路から連結部材200aの第2面または第1面に向かう方向に離隔配置されることができる。
【0033】
上記第2グランド部材135aはアンテナ部材120aに電磁気的に結合されることができ、上記第2グランド部材135aの形態(例えば、幅、長さ、厚さ、給電線路との離隔距離、アンテナ部材との電気的隔離度など)に応じて、アンテナ部材120aの周波数特性に影響を与え得る。
【0034】
上記第2グランド部材135aはグランド部材130aと同一の形態を有することができるが、設計要素(例えば、連結部材の具体的な配線配置、ICパッケージの適用有無、アンテナ部材の特性、RF信号の周波数特性、アンテナモジュールの製造過程、アンテナモジュールの全体サイズ、アンテナモジュールの製造コストなど)に応じて、グランド部材130aと異なる形態を有してもよく、省略されてもよい。
【0035】
一方、
図1に示された第3及び第5グランド部材も、上記設計要素に応じて省略されてもよい。
【0036】
図3は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールと第3及び第4グランド部材を示した図である。
【0037】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナ部材から連結部材200aの第2面に向かう方向に離隔配置される第4グランド部材155aをさらに含むことができる。上記第4グランド部材155aはアンテナ部材に電磁気的に結合され、アンテナ部材の利得や送受信率を向上させることができる。
【0038】
また、アンテナ部材が第3グランド部材140aと第4グランド部材155aとの間に配置されるため、上記アンテナ部材は放射パターンの直進性(directivity)を向上させることができる。
【0039】
図4は本発明の一実施形態によるアンテナモジュール、第5グランド部材、及びグランド部材の幅を示した図である。
【0040】
図4を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールの第5グランド部材145bは、複数のビア(via)が並んで配列された構造で構成されることができる。
【0041】
例えば、グランド部材130aの幅は、第5グランド部材145bの一番目のビアに合わせることができる。
【0042】
例えば、上記グランド部材130aは、アンテナ部材120aの拡張周波数帯域を高めるために短い長さ(例えば、L)の幅を有することができ、アンテナ部材120aの拡張周波数帯域を下げるために長い長さ(例えば、L+M/2+M/2)の幅を有することができる。
【0043】
図5は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールと給電ビアを示した図である。
【0044】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、給電線路110aとアンテナ部材120bとの間に電気的に連結された給電ビア110bをさらに含むことができる。ここで、グランド部材130aは給電ビア110bから側面に離隔配置されることができる。
【0045】
上記給電ビア110bにより、アンテナ部材120bは、
図1〜
図4に示されたアンテナ部材に比べて下端に配置されることができ、設計に応じて、連結部材200aの第1面(例えば、下面)よりも下端に配置されることもできる。これにより、上記アンテナ部材120bは、
図1〜
図4に示されたアンテナ部材に比べて下端に放射パターンを形成することができ、アンテナモジュールのRF信号の送受信方向がさらに効率的に拡大されることができる。
【0046】
一方、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、グランド部材130aの下面に立てられたグランドビア131aを含むことができる。上記グランドビア131aは、グランド部材130aと第3グランド部材140bとの間の連結経路を提供することができる。
【0047】
図6は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールと複数のダイポール形態を示した図である。
【0048】
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、互いに並んで配置された複数のアンテナ部材120a、120bを含むことができる。上記複数のアンテナ部材120a、120bは給電ビア110bを介して互いに電気的に連結されることができる。
【0049】
また、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、複数のアンテナ部材120a、120bにそれぞれ対応するように配置された複数の第3グランド部材140a、140bをさらに含むことができる。
【0050】
これにより、複数のアンテナ部材120a、120bのそれぞれが占める空間が連結部材200a内で効率的に分配されることができるため、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナ性能をさらに向上させながらも、サイズの過度な拡張を防止することができる。
【0051】
図7は本発明の一実施形態によるアンテナモジュール、グランド層、及び複数の遮蔽ビアを示した図である。
【0052】
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、連結部材において給電線路110aと同一の層に配置され、給電線路110aから離隔配置されたグランド層225aをさらに含むことができる。
【0053】
上記グランド層225aはアンテナ部材120aに対してリフレクター(reflector)として作用することができる。すなわち、上記グランド層225aは、アンテナ部材120aのアンテナ性能を補助することができる。
【0054】
また、
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、配線層210aとアンテナ部材120aとの間を遮るようにグランド層225a上に立てられた複数の遮蔽ビア245aをさらに含むことができる。
【0055】
上記複数の遮蔽ビア245aは、配線層210aのRF信号の送信損失を低減することができ、アンテナ部材120aに対してリフレクターとして作用することができるとともに、アンテナ部材120aの配線層210aとの隔離度を向上させることができる。
【0056】
図8は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールとグランド層の追加的な形態を示した図である。
【0057】
図8を参照すると、グランド層225bにおいてアンテナ部材120aに向かう境界が、連結部材の中心により近くなることができる。これにより、グランド部材130aはその長さが延びる効果を有するため、アンテナ部材120a及び第3グランド部材140aが連結部材の中心にさらに寄せられることができる。これにより、連結部材の面積が縮小されるため、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールのサイズが縮小されることができる。
【0058】
一方、上記グランド層225bは、
図7に示されたグランド層において一部領域が除去された形態を有するが、上記一部領域の幅はグランド部材130aの幅に対応し、上記一部領域の長さは、アンテナ部材120aの配置位置、周波数帯域、または連結部材の具体的な配線配置によって変わり得る。
【0059】
図9は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールとディレクター部材を示した図である。
【0060】
図9を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、第3グランド部材140cと第4グランド部材との間に配置され、第3グランド部材140cのギャップの間を通過するように配置され、アンテナ部材120aから離隔配置されるディレクター部材125aをさらに含むことができる。
【0061】
上記ディレクター部材125aはアンテナ部材120aに電磁気的に結合され、アンテナ部材120aの利得や帯域幅を向上させることができる。上記ディレクター部材125aは、アンテナ部材120aのダイポールの総長さに比べて短いことができる。アンテナ部材120aは、ディレクター部材125aの長さが短いほど、電磁気的結合を集中させることができる。これにより、アンテナ部材120aの直進性(directivity)がさらに向上することができる。
【0062】
図10は本発明の一実施形態によるアンテナモジュール、折り曲げられた(folded)ダイポール形態、及びディレクター部材の追加的な形態を示した図である。
【0063】
図10を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールに含まれたアンテナ部材120cは折り曲げられた(folded)ダイポール形態を有し、上記アンテナモジュールに含まれたディレクター部材125bは撓んだ形態を有することができる。
【0064】
ここで、第3グランド部材140cのサイズは、アンテナ部材120cの拡張された形態とディレクター部材125bの拡張された形態に応じて、
図9に示された第3グランド部材に比べて大きく設計されることができる。
【0065】
図11a及び
図11bは本発明の一実施形態によるデュアルバンドアンテナ装置を示した図である。
【0066】
図11aを参照すると、本発明の一実施形態によるデュアルバンドアンテナ装置は、給電線路110dと、ポール120dと、グランド部材と、を含むことができ、インピーダンス変換線路115d及びアーム部材130d、135dをさらに含むことができる。
【0067】
給電線路110dはICに電気的に連結されることができる。上記給電線路110dは、左右対称構造を有する第1及び第2給電線路で構成されることができる。
【0068】
ポール120dは、給電線路110dに電気的に連結されてRF信号を送信または受信するように構成されることができる。上記ポール120dは、内在的要素による固有の周波数帯域を有することができる。上記ポール120dは、左右対称構造を有する第1及び第2ポールで構成されることができる。
【0069】
グランド部材は、給電線路110dから上面または下面方向に離隔配置されることができ、2つの給電線路110dの間の距離よりは長く、且つ2つのポール120dの総長さよりは短い長さの幅を有することができる。
【0070】
上記グランド部材はポール120dに電磁気的に結合されることができ、上記グランド部材の幅が、ポール120dの周波数特性に影響を与え得る。これにより、ポール120dは拡張周波数帯域をさらに有することができる。
【0071】
したがって、本発明の一実施形態によるデュアルバンドアンテナ装置は、簡素化された構造を有しながらも、デュアルバンド(dual−band)のRF信号を送受信することができる。
【0072】
アーム部材130d、135dはポール120dに電磁気的に結合されるようにポール120dの両面を覆うことができる。例えば、上記アーム部材130d、135dは、側面視においてU字状を有することができる。
【0073】
図11bを参照すると、本発明の一実施形態によるデュアルバンドアンテナ装置は、アーム部材130d、135dとポール120dとを互いに連結するポールビア150aをさらに含むことができる。
【0074】
上記ポールビア150aは、ポール120dに流れる電流の方向を調節することができる。例えば、上記ポールビア150aは、2つのポール120dのそれぞれの電流方向または位相が同一であるように、2つのポール120dのうち1つの電気的距離を調節することができる。
【0075】
一方、上記ポールビア150aは、
図1〜
図10を参照して上述したアンテナモジュールに含まれることができる。上記アンテナモジュールに含まれたポールビアは、アンテナ部材と第3または第4グランド部材とを連結するように配置されることができ、上記ポールビア150aと類似の役割を果たすことができる。
【0076】
図12は本発明の一実施形態によるアンテナモジュール、IC、及びアンテナパッケージを示した図である。
【0077】
図12を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナパッケージと連結部材が結合された異種(heterogeneous)構造を有することができる。すなわち、アンテナモジュールは、アンテナパッケージのアンテナ性能の向上を容易とする特性と、連結部材の回路パターンやICの配置を容易とする特性を両方とも活用することで、アンテナ性能(例えば、送受信率、利得、直進性(directivity)など)を向上させながらも、小型化が可能である。
【0078】
連結部材は、少なくとも1つの配線層1210bと、少なくとも1つの絶縁層1220bと、を含むことができる。また、連結部材は、少なくとも1つの配線層1210bに連結された配線ビア1230bと、配線ビア1230bに連結された接続パッド1240bと、を含むことができ、銅再配線層(Redistribution Layer、RDL)と類似の構造を有することができる。上記連結部材の上面にはアンテナパッケージが配置されることができる。
【0079】
アンテナパッケージは、複数のディレクター部材1110b、複数のアンテナ部材1115b、複数の給電ビア1120b、誘電層1140b、仕上げ部材1150b、及びめっき部材1160bの少なくとも一部を含むことができる。
【0080】
複数のディレクター部材1110bは、アンテナモジュールの一面(
図12の上面)に隣接して配置されることができ、下端に配置された複数のアンテナ部材1115bとともにRF信号を受信するか、IC1301bで生成されたRF信号を送信することができる。
【0081】
設計に応じて、複数のディレクター部材1110bは省略されてもよく、複数のディレクター部材1110b上に少なくとも1つのディレクター部材がさらに配置されてもよい。
【0082】
複数のアンテナ部材1115bは、上端に配置された複数のディレクター部材1110bに電磁気的に結合され、対応するディレクター部材とともにRF信号を受信するか、IC1301bで生成されたRF信号を送信することができる。例えば、上記複数のアンテナ部材1115bは、対応するディレクター部材の形態と類似の形態(例えば、パッチアンテナなど)を有することができる。
【0083】
複数の給電ビア1120bは複数のアンテナ部材1115bに電気的に連結され、RF信号の経路を提供することができる。上記複数の給電ビア1120bは、連結部材の少なくとも1つの絶縁層1220bの厚さより長い長さで延びることができる。これにより、RF信号の送信効率が向上することができる。
【0084】
誘電層1140bは、複数の給電ビア1120bのそれぞれの側面を囲むように配置されることができる。上記誘電層1140bは、連結部材の少なくとも1つの絶縁層1220bの高さより長い高さを有することができる。アンテナパッケージは、上記誘電層1140bの高さ及び/または幅が大きいほど、アンテナ性能を確保する点で有利であり、複数のアンテナ部材1115bのRF信号の送受信動作に有利な境界条件(例えば、小さい製造公差、短い電気的長さ、滑らかな表面、誘電層の大きいサイズ、誘電定数の調節など)を提供することができる。
【0085】
例えば、上記誘電層1140bと少なくとも1つの絶縁層1220bは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれら樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)、感光性絶縁(Photo Imagable Dielectric:PID)樹脂、通常の銅張積層板(Copper Clad Laminate、CCL)、またはガラスやセラミック(ceramic)系の絶縁材などからなることができる。
【0086】
上記誘電層1140bは、少なくとも1つの絶縁層1220bの誘電定数(Dk)より大きい誘電定数を有することができる。例えば、上記誘電層1140bは、大きい誘電定数(例えば、5以上)を有するガラスやセラミック(ceramic)、シリコンなどからなることができ、少なくとも1つの絶縁層1220bは、相対的に小さい誘電定数を有する銅張積層板(Copper Clad Laminate、CCL)やプリプレグ(prepreg)からなることができる。
【0087】
仕上げ(encapsulation)部材1150bは誘電層1140b上に配置されることができ、複数のアンテナ部材1115b及び/または複数のディレクター部材1110bの衝撃や酸化に対する耐久性を向上させることができる。例えば、上記仕上げ部材1150bは、PIE(Photo Imageable Encapsulant)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、エポキシモールディングコンパウンド(epoxy molding compound、EMC)などからなることができるが、これに限定されない。
【0088】
めっき部材1160bは、複数の給電ビア1120bの側面をそれぞれ囲むように誘電層1140b内に配置されることができる。すなわち、上記めっき部材1160bは、複数のアンテナ部材1115bにそれぞれ対応する複数のキャビティ(cavity)を成すことで、対応するアンテナ部材のRF信号の送受信のための境界条件を提供することができる。
【0089】
一方、IC1301b、PMIC1302b、及び複数の受動部品1351b、1352b、1353bは、連結部材の下面上に配置されることができる。
【0090】
上記IC1301bは、複数のアンテナ部材1115bに伝達されるRF信号を生成することができ、複数のアンテナ部材1115bからRF信号を受信することができる。
【0091】
上記PMIC1302bは、電源を生成し、生成した電源を連結部材の少なくとも1つの配線層1210bを介してIC1301bに伝達することができる。
【0092】
上記複数の受動部品1351b、1352b、1353bは、IC1301b及び/またはPMIC1302bにインピーダンスを提供することができる。例えば、上記複数の受動部品1351b、1352b、1353bは、キャパシター(例えば、MLCC(Multi Layer Ceramic Capacitor))やインダクター、チップ抵抗器の少なくとも一部を含むことができる。
【0093】
一方、上記連結部材は、給電線路110e、第2アンテナ部材、グランド部材130e、及び第2グランド部材135eを含むアンテナ装置100eを含むことができる。上記給電線路110e、第2アンテナ部材、グランド部材130e、及び第2グランド部材135eは、それぞれ
図1〜
図11を参照して上述した給電線路、アンテナ部材、グランド部材、及び第2グランド部材と類似のものであり、上記アンテナ装置100eは、
図1〜
図11を参照して上述したインピーダンス変換線路、第3、第4及び第5グランド部材、グランド層、及び遮蔽ビアをさらに含むことができる。
【0094】
一方、設計に応じて、上記アンテナパッケージは、連結部材と同種で構成されることができる。例えば、上記アンテナパッケージは、グランドパターンを介してそれぞれ構成された複数のアンテナ部材と、それぞれ複数のビアが互いに連結された構造を有するように構成された複数の給電ビアと、を含むことができる。上記アンテナパッケージの連結部材における同種/異種有無は、誘電層の特性に基づいて区分されることができる。
【0095】
図13は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールとICパッケージを示した図である。
【0096】
図13を参照すると、ICパッケージは、IC1300aと、IC1300aの少なくとも一部を封止する封止材1305aと、第1側面がIC1300aと向かい合うように配置されるコア部材1355aと、IC1300a及びコア部材1355aに電気的に連結された少なくとも1つの配線層1310a及び絶縁層280aを含む連結部材と、を含むことができ、連結部材またはアンテナパッケージに結合されることができる。
【0097】
連結部材は、少なくとも1つの配線層1210aと、少なくとも1つの絶縁層1220aと、配線ビア1230aと、接続パッド1240aと、パッシベーション層1250aと、を含むことができ、アンテナパッケージは、複数のディレクター部材1110a、1110b、1110c、1110dと、複数のアンテナ部材1115a、1115b、1115c、1115dと、複数の給電ビア1120a、1120b、1120c、1120dと、複数のキャビティ1130a、1130b、1130c、1130dと、誘電層1140aと、仕上げ部材1150aと、めっき部材1170aと、を含むことができる。
【0098】
上記ICパッケージは上述の連結部材に結合されることができる。ICパッケージに含まれたIC1300aで生成された第1RF信号は、少なくとも1つの配線層1310aを介してアンテナパッケージに伝達され、アンテナモジュールの上面方向に送信されることができ、アンテナパッケージに受信された第1RF信号は、少なくとも1つの配線層1310aを介してIC1300aに伝達されることができる。
【0099】
上記ICパッケージは、IC1300aの上面及び/または下面に配置された接続パッド1330aをさらに含むことができる。IC1300aの上面に配置された接続パッドは、少なくとも1つの配線層1310aに電気的に連結されることができ、IC1300aの下面に配置された接続パッドは、下端配線層1320aを介してコア部材1355aまたはコアめっき部材1365aに電気的に連結されることができる。ここで、コアめっき部材1365aはIC1300aに接地領域を提供することができる。
【0100】
上記コア部材1355aは、上記連結部材に接するコア誘電層356aと、コア誘電層356aの上面及び/または下面に配置されたコア配線層1359aと、コア誘電層356aを貫通してコア配線層1359aを電気的に連結し、接続パッド1330aに電気的に連結される少なくとも1つのコアビア1360aと、を含むことができる。上記少なくとも1つのコアビア1360aは、半田ボール(solder ball)、ピン(pin)、ランド(land)などの電気連結構造体1340aに電気的に連結されることができる。
【0101】
これにより、上記コア部材1355aは、下面からベース信号または電源の供給を受け、該ベース信号及び/または電源を上記連結部材の少なくとも1つの配線層1310aを介してIC1300aに伝達することができる。
【0102】
上記IC1300aは、上記ベース信号及び/または電源を用いてミリ波(mmWave)帯域のRF信号を生成することができる。例えば、上記IC1300aは、低周波数のベース信号を受信し、上記ベース信号の周波数の変換、増幅、フィルタリング位相制御、及び電源生成を行うことができ、高周波特性を考慮して、化合物半導体(例えば、GaAs)からなってもよく、シリコン半導体からなってもよい。
【0103】
一方、上記ICパッケージは、少なくとも1つの配線層1310aの対応する配線に電気的に連結される受動部品1350aをさらに含むことができる。上記受動部品1350aは、コア部材1355aが提供する収容空間1306aに配置されることができ、IC1300a及び/または少なくとも1つの第2方向アンテナ部材370aにインピーダンスを提供することができる。例えば、上記受動部品1350aは、セラミックキャパシター(Multi Layer Ceramic Capacitor、MLCC)やインダクター、チップ抵抗器の少なくとも一部を含むことができる。
【0104】
一方、上記ICパッケージは、コア部材1355aの側面に配置されたコアめっき部材1365a、370aを含むことができる。上記コアめっき部材1365a、370aは、IC1300aに接地領域を提供することができ、IC1300aの熱を外部に発散させたり、IC1300aのノイズを除去することができる。
【0105】
一方、ICパッケージと連結部材はそれぞれ独立して製造されて結合されることができるが、設計に応じて、ともに製造されてもよい。すなわち、複数のパッケージ間の別の結合過程は省略されてもよい。
【0106】
一方、上記ICパッケージは電気連結構造体1290a及びパッシベーション層285aを介して上記連結部材に結合されることができるが、設計に応じて、上記電気連結構造体1290a及びパッシベーション層285aは省略されてもよい。
【0107】
一方、上記連結部材は、給電線路110f、第2アンテナ部材、グランド部材130f、及び第2グランド部材135fを含むアンテナ装置100fを含むことができる。上記給電線路110f、第2アンテナ部材、グランド部材130f、及び第2グランド部材135fは、それぞれ
図1〜
図11を参照して上述した給電線路、アンテナ部材、グランド部材、及び第2グランド部材と類似のものであり、上記アンテナ装置100fは、
図1〜
図11を参照して上述したインピーダンス変換線路、第3、第4及び第5グランド部材、グランド層、及び遮蔽ビアをさらに含むことができる。
【0108】
図14は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールとデュアルバンドアンテナ装置の配置位置を例示した図である。
【0109】
図14を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、複数のディレクター部材1110dと、キャビティ1130dと、誘電層1140dと、めっき部材1160dと、複数のチップアンテナ1170c、1170dと、複数のダイポールアンテナ1175c、1175dと、を含むことができる。
【0110】
複数のディレクター部材1110dは、対応するアンテナ部材とともにz軸方向にRF信号を送受信することができる。上記複数のディレクター部材1110dと下端に配置された複数のアンテナ部材の個数、配置、及び形態は、特に限定されない。例えば、上記複数のディレクター部材1110dの形態は円であることができ、上記複数のディレクター部材1110dの個数は2個以上であることができる。
【0111】
複数のチップアンテナ1170c、1170dは、アンテナパッケージの端部に隣接してz軸方向に立てられて配置されることができ、複数のチップアンテナ1170c、1170dのうち1つはx軸方向にRF信号を送受信し、他の1つはy軸方向にRF信号を送受信することができる。上記複数のチップアンテナ1170c、1170dがアンテナパッケージの内部に配置されるため、アンテナモジュールは、複数のチップアンテナ1170c、1170dの個数増加によるサイズ増加の問題を最小化することができる。
【0112】
複数のダイポールアンテナ1175c、1175dは、アンテナパッケージの端部に隣接して誘電層1140dと仕上げ部材との間に配置されることができ、複数のダイポールアンテナ1175c、1175dのうち1つはx軸方向に第3RF信号を送受信し、他の1つはy軸方向に第3RF信号を送受信することができる。設計に応じて、上記複数のダイポールアンテナ1175c、1175dの少なくとも一部は、モノポール(monopole)アンテナで代替可能である。
【0113】
また、上記アンテナモジュールは、それぞれ給電線路、第2アンテナ部材、グランド部材を含む複数のアンテナ装置100c、100dを含むことができる。上記複数のアンテナ装置100c、100dのうち一部はx軸方向にRF信号を送受信し、他の一部はy軸方向にRF信号を送受信することができる。
【0114】
また、上記複数のアンテナ装置100c、100dは上記アンテナモジュールの側面方向に並んで配列されることができ、誘電層1140cによって封止されることができる。
【0115】
図15a及び
図15bは本発明の一実施形態によるアンテナモジュール及びデュアルバンドアンテナ装置の周波数によるS−パラメーターと利得をそれぞれ示した図である。
【0116】
図15a及び
図15bを参照すると、グランド部材の幅が最も短い第1ケース510a、510b、グランド部材の幅が2番目に短い第2ケース520a、520b、グランド部材の幅が2番目に長い第3ケース530a、530b、及びグランド部材の幅が最も長い第4ケース540a、540bのうち、第1ケース510a、510bの拡張周波数帯域(約41GHz)が最も高く、第4ケース540a、540bの拡張周波数帯域(約36GHz)が最も低い。
【0117】
図16a及び
図16bは本発明の一実施形態によるアンテナモジュールの電子機器における配置を例示した図である。
【0118】
図16aを参照すると、アンテナ装置100g、ディレクター部材1110g、及び誘電層1140gを含むアンテナモジュールは、電子機器400gの基板300g上において、電子機器400gの側面境界に隣接して配置されることができる。
【0119】
電子機器400gは、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができるが、これに限定されない。
【0120】
上記基板300g上には、通信モジュール310g及びベースバンド回路320gがさらに配置されることができる。通信モジュール310gは、デジタル信号処理を行うように、揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサー、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)などのロジックチップの少なくとも一部を含むことができる。
【0121】
ベースバンド回路320gは、アナログ−デジタル変換、アナログ信号の増幅、フィルタリング、及び周波数変換を行うことでベース信号を生成することができる。上記ベースバンド回路320gから入出力されるベース信号は、ケーブルを介してアンテナモジュールに伝達されることができる。
【0122】
例えば、上記ベース信号は、
図13に示された電気連結構造体、コアビア、及び配線層を介してICに伝達されることができる。上記ICは、上記ベース信号をミリ波(mmWave)帯域のRF信号に変換することができる。
【0123】
図16bを参照すると、アンテナ装置100h、ディレクター部材1110h、及び誘電層1140hをそれぞれ含む複数のアンテナモジュールは、電子機器400hの基板300h上において、電子機器400hの一側面の境界と他側面の境界にそれぞれ隣接して配置されることができる。また、上記基板300h上には、通信モジュール310h及びベースバンド回路320hがさらに配置されることができる。
【0124】
一方、本明細書で述べられた配線層、給電線路、アンテナ部材、グランド部材、第2〜第5グランド部材、インピーダンス変換線路、グランド層、遮蔽ビア、ポールビア、グランドビア、ディレクター部材、アンテナ部材、給電ビア、電気連結構造体、めっき部材は、金属材料(例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質)を含むことができ、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modified Semi−Additive Process)などのめっき方法により形成されることができるが、これに限定されない。
【0125】
一方、本明細書で述べられたRF信号は、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルによる形式を有することができるが、これに限定されない。
【0126】
以上、具体的な構成要素などのような特定事項及び限定された実施形態及び図面によって本発明について説明したが、これは、本発明のより全体的な理解のために提供されるものにすぎず、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正及び変形を加えることができる。