【解決手段】消音装置のマフラは、外壁と、マフラの消音空間を仕切る第1及び第2セパレータとを備える。外壁の外面には貼付部材が配置され、貼付部材の貼付部材穴部には、消音空間に繋がるマフラパイプが挿入された状態となる。ここで、外壁の外面において、第1セパレータに対面する領域よりも消音空間の第1端部側に位置する領域を、第1領域とし、第2セパレータに対面する領域よりも消音空間の第2端部側に位置する領域を、第2領域とする。貼付部材は、外壁の外面の第1及び第2領域に溶接される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インレットパイプに対し外力が加えられる恐れがある。その結果、補強兼隙間閉塞部材に対し、シェルの外面から剥離する方向に力が働く恐れがある。また、該外力によりシェルの変形が生じ、該変形により、補強兼隙間閉塞部材とシェルとを剥離させる力が生じる恐れがある。
【0005】
パイプとマフラとをより強固に接続するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、車両のエンジンからの排気流路に設けられ、マフラを有する消音装置であって、外壁と、第1セパレータと、第2セパレータと、マフラパイプと、貼付部材と、を備える。
【0007】
外壁は、マフラの内部の消音空間を覆うよう構成される。また、第1セパレータは、消音空間の第1端部に対面した状態で配置され、消音空間を仕切る板状の部材である。第1セパレータは、その縁に設けられた接続部が外壁の内側に接合されるよう構成される。また、第2セパレータは、消音空間における第1端部に対面する第2端部と第1セパレータとの間で、第2端部に対面した状態で配置され、消音空間を仕切る板状の部材である。第2セパレータは、その縁に設けられた接続部が外壁の内側に接合されるよう構成される。
【0008】
ここで、消音空間における第1及び第2セパレータの間の部分を中間空間とする。マフラパイプは、外壁における中間空間を覆う部分に設けられた外壁穴部に挿入された状態で設けられ、中間空間とマフラの外部空間とを繋ぐよう構成される。
【0009】
また、貼付部材は、貼付部材穴部を有する板状の部材である。貼付部材は、外壁の外面に沿って配置されると共に、マフラパイプが貼付部材穴部に挿入され、且つ、マフラパイプが貼付部材穴部を囲む接続部に固定されるよう構成される。
【0010】
ここで、外壁の外面において、第1セパレータの接続部に対面する領域よりも第1端部側に位置する領域を第1領域とすると共に、第2セパレータの接続部に対面する領域よりも第2端部側に位置する領域を第2領域とする。貼付部材は、少なくとも、外壁の外面における第1領域と第2領域とに、溶接により接合される。
【0011】
このようにしてマフラの内部に第1及び第2セパレータが設けることで、外壁における第1及び第2領域の剛性を、第1領域と第2領域との間の領域の剛性よりも高くすることが可能となる。そして、貼付部材は、第1及び第2領域の双方に溶接されている。このため、マフラパイプに外力が加えられても、外壁における貼付部材との接続部の変形が抑制され、その結果、貼付部材が外壁の外面からの剥離するのが抑制される。したがって、パイプとマフラとをより強固に接続することが可能となる。
【0012】
また、本開示の一態様では、外壁は、シェルと、第1エンドプレートと、第2エンドプレートと、を備えてもよい。シェルは、第1端部から第2端部にわたって延びる筒状に構成される。また、第1エンドプレートは、第1端部を覆うよう構成された板状の部材である。また、第2エンドプレートは、第2端部を覆うよう構成された板状の部材である。
【0013】
このような構成によれば、マフラパイプは、シェルにおける外壁穴部に挿入された状態で設けられ、貼付部材は、シェルの外面における第1領域と第2領域とに接合される。このため、貼付部材がシェルの外面からの剥離するのが抑制され、パイプとマフラとをより強固に接続することが可能となる。
【0014】
なお、本開示の一態様では、外壁は、第1端部から第2端部にわたって延び、当該外壁の伸長方向に直交する断面が楕円形状である柱状に構成されていてもよい。
このような場合であっても、同様の効果が得られる。
【0015】
また、本開示の一態様では、外壁の外面において、断面の短径方向に沿って広がる部分を短径領域としてもよい。外壁穴部は、当該外壁穴部の少なくとも一部が短径領域に位置するように設けられてもよい。
【0016】
このような場合であっても、同様の効果が得られる。
また、本開示の一態様は、支持部材穴部を有する板状の部材であって、マフラパイプが支持部材穴部に挿入された状態で中間空間に配置される支持部材をさらに備えてもよい。支持部材は、外壁の内側に接合されてもよい。支持部材穴部を囲む接続部は、マフラパイプの側面を支持するよう構成されてもよい。
【0017】
このような構成によれば、消音空間にてマフラパイプの側面が支持部材により支持される。このため、マフラパイプに外力が加えられた際に、マフラパイプの向きが変位するのが抑制され、さらには、外壁の変形が抑制される。その結果、貼付部材の外壁の外面からの剥離が抑制され、パイプとマフラとをより強固に接続することが可能となる。
【0018】
また、本開示の一態様では、貼付部材は、四角形状の部材であってもよい。そして、少なくとも貼付部材における4つの角部のうちの2つが第1領域に溶接により接合され、残りの2つが第2領域に溶接により接合されてもよい。
【0019】
このような構成によれば、コストを抑制しつつ、貼付部材をより強固に外壁に溶接することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0022】
[構成の説明]
図1,2に示す本実施形態の消音装置1は、車両に搭載され、車両のエンジンからの排気流路に設けられる。消音装置1は、マフラ2と、マフラパイプ3とを有する。マフラ2及びマフラパイプ3は、一例として、ステンレスから構成される。また、マフラ2は、伸長方向に直交する断面が楕円形状(換言すれば、楕円形又は略楕円形)である柱状の形状を有する。なお、マフラ2は、例えば、断面が円形状(換言すれば、円形又は略円形)である柱状の形状を有していても良い。
【0023】
以後、マフラ2の断面における長径に沿った方向を長径方向と記載し、該断面における短径に沿った方向を短径方向と記載する。また、マフラ2の側面における長径方向に沿って広がる領域を、長径領域とし、側面における短径方向に沿って広がる領域を、短径領域21cとする。つまり、マフラ2の側面には、2つの長径領域、及び、2つの短径領域21cが存在する。2つの長径領域は短径方向に対面し、2つの短径領域21cは長径方向に対面する。
【0024】
ここで、マフラ2が搭載された車両における上側,下側を、単に上側,下側と記載する。マフラ2は、一方の長径領域が車両の底面に対面し、且つ、一方の短径領域21cが上側に位置するように傾いた状態で、車両に搭載される。そして、マフラパイプ3は、下側に位置する短径領域21cから突出するように配置される。また、マフラパイプ3の突出方向は、下側に傾いている。なお、車両に搭載されたマフラ2の向き、及び、マフラパイプ3の突出方向は、これに限定されない。具体的には、例えば、マフラ2は、長径方向が車両の底面と平行となるように配置されていても良いし、一方のエンドプレートが上側に位置するように傾いた状態で配置されていても良い。また、マフラパイプ3の突出方向は、例えば、車両の底面と平行であっても良いし、上側に傾いていても良い。
【0025】
エンジンからの排気は、マフラパイプ3を流下してマフラ2の内部に設けられた消音空間20に流入し、消音空間20にて消音がなされる。消音空間20は、第1端部20dと、第1端部20dに対面する第2端部20eとを有する。消音がなされた後、排気は、マフラ2から流出して車外に排出される。
【0026】
マフラ2は、シェル21と、第1エンドプレート22と、第2エンドプレート23と、第1セパレータ24と、第2セパレータ25と、中間パイプ26と、支持部材27と、アウトレットパイプ28と、貼付部材4とを有する。シェル21と、第1及び第2エンドプレート22,23とは、消音空間20を覆う外壁を構成する。なお、
図1においては、中間パイプ26とアウトレットパイプ28とが省略されている。
【0027】
シェル21は、伸長方向に直交する断面が楕円形状である筒状の部材であり、消音空間20の側面を覆うように構成されている。つまり、シェル21は、マフラ2の側面を構成する。このため、上述した長径領域及び短径領域21cは、シェル21の外面に形成される。なお、マフラ2は、断面が円形状である筒状の部材であっても良い。また、シェル21は、1枚の矩形の板状部材を筒状に湾曲させることで構成されても良い。また、シェル21は、一重に配置された板状部材により構成されていても良いし、多重(例えば、二重)に配置された板状部材により構成されていても良い。
【0028】
第1エンドプレート22は、シェル21の一方の端部をなす開口を覆う板状の部材である。また、第2エンドプレート23は、シェル21の他方の端部をなす開口を覆う板状の部材である。換言すれば、第1エンドプレート22は、消音空間20の第1端部20dを覆い、第2エンドプレート23は、消音空間20の第2端部20eを覆う。本実施形態では、一例として、第1及び第2エンドプレート22,23は、楕円形状となっている。
【0029】
第1セパレータ24は、第1エンドプレート22に対面した状態で配置され、消音空間20を仕切る板状の部材である。一例として、第1セパレータ24は、第1エンドプレート22に対し平行又は略平行に配置される。また、第1セパレータ24の縁には、接続部24aが設けられている。接続部24aは、第1セパレータ24の外縁を囲む壁状の部位である。第1セパレータ24の縁部は、L字状に屈曲されており、この屈曲された部分が接続部24aに相当する。接続部24aは、第1セパレータ24の縁から、シェル21に沿って第1エンドプレート22側に突出する。なお、接続部24aは、例えば、第2エンドプレート23側に突出していても良い。
【0030】
第2セパレータ25は、第1セパレータ24と第2エンドプレート23との間に位置し、第2エンドプレート23に対面した状態で配置され、消音空間20を仕切る板状の部材である。一例として、第2セパレータ25は、第2エンドプレート23に対し平行又は略平行に配置される。また、第2セパレータ25は、第1セパレータ24と同様に構成されており、その縁に接続部25aが設けられている。接続部25aは、第2エンドプレート23側に突出する。なお、接続部25aは、例えば、第1エンドプレート22側に突出していても良い。
【0031】
第1及び第2セパレータ24,25の接続部24a,25aは、例えば、溶接又はかしめ等により、シェル21の内側に接合される。なお、これらの接続部は、それぞれ、複数の壁状の部位として構成されていても良い。
【0032】
また、第1及び第2エンドプレート22,23と、第1及び第2セパレータ24,25とは、同様の形状を有し、筒状のシェル21の伸長方向に並んで配置される。なお、例えば、第1エンドプレート22と第1セパレータ24との間、及び/又は、第2エンドプレート23と第2セパレータ25との間に、さらにセパレータが配置されても良い。
【0033】
ここで、消音空間20のうち、第1セパレータ24と第2セパレータ25との間に位置する領域を、中間空間20aとする。また、消音空間20のうち、第1セパレータ24と第1エンドプレート22との間に位置する領域を第1空間20bとし、第2セパレータ25と第2エンドプレート23との間に位置する領域を第2空間20cとする。
【0034】
中間パイプ26は、一端が第1空間20bに位置し、且つ、他端が第2空間20cに位置する状態で、中間空間20aに配置される。すなわち、第1及び第2セパレータ24,25には、穴部が設けられている。中間パイプ26は、これらの穴部に挿入された状態で配置され、これらの穴部を囲む縁部により支持される。また、中間パイプ26は、シェル21の伸長方向に延び、マフラパイプ3が設けられていない短径領域21cの付近に位置する。
【0035】
なお、中間パイプ26の側面には、排気を通過させるための1又は複数の孔部が設けられていても良い。また、第1及び第2セパレータ24,25においても、排気を通過させるための1又は複数の孔部が設けられていても良い。
【0036】
マフラパイプ3は、
図1〜3に示すように、シェル21を貫通するシェル穴部21aに挿入された状態で設けられる。なお、シェル穴部21aは、シェル21における中間空間20aを覆う部分(以後、中間領域21h)に設けられる。このため、マフラパイプ3の一端は中間空間20aに位置し、マフラパイプ3は、中間空間20aとマフラ2の外部空間とを繋ぐ。
【0037】
また、シェル穴部21aは、一例として、シェル21における伸長方向の中央部分に設けられる。また、シェル穴部21aは、当該シェル穴部21aの少なくとも一部が、シェル21における一方の短径領域21cに位置する状態で設けられる。本実施形態では、シェル穴部21aは、一例として、短径領域21cにおける上側の部分に設けられる。なお、シェル穴部21aは、例えば、短径領域21cにける下側の部分に設けられても良い。また、シェル穴部21aは、例えば、その全体が長径領域に位置する状態で設けられていても良い。
【0038】
また、
図3,4に示すように、シェル21におけるシェル穴部21aを囲む部分には、バーリング加工がなされている。つまり、シェル21には、シェル穴部21aを囲むシェル接続部21bが設けられている。シェル接続部21bは、シェル穴部21aの縁に沿って延びる壁状の部位であり、マフラ2の外側に向かって突出する。シェル接続部21bは、マフラパイプ3の側面に接合され、マフラパイプ3を支持する。
【0039】
また、マフラパイプ3は、インレットパイプ30とインナパイプ31とを有する。インナパイプ31は、その一端がシェル穴部21aに接続されていると共に、他端は中間空間20aの中央に配置される。一方、インレットパイプ30は、一端がシェル穴部21aに接続されており、シェル穴部21aから外側に突出する。つまり、インレットパイプ30の一端とインナパイプ31の一端とは、シェル接続部21bの内側で接続されている。なお、マフラパイプ3は、一本のパイプとして構成されていても良い。
【0040】
貼付部材4は、
図1〜5に示すように、四角形状(一例として長方形状)の板状の部材であり、中央に貼付部材穴部40が設けられている。貼付部材4は、パッチとも呼ばれる。貼付部材4は、シェル穴部21aの周囲を覆った状態で、シェル21の外面に沿って配置される。この時、貼付部材穴部40の内側に、シェル接続部21bが挿入された状態となる。また、貼付部材穴部40は、マフラパイプ3が挿入された状態となる。
【0041】
ここで、シェル21の外面において、第1セパレータ24の接続部24aに対面する領域(以後、第1対面領域21f)よりも第1エンドプレート22側に位置する領域を、第1領域21dとする。また、シェル21の外面において、第2セパレータ25の接続部25aに対面する領域(以後、第2対面領域21g)よりも第2エンドプレート23側に位置する領域を、第2領域21eとする。貼付部材4は、第1領域21dと第2領域21eとに溶接により接合される。なお、貼付部材4は、第1領域21d及び第2領域21eに加え、さらに、シェル21の外面における第1領域21d及び第2領域21e以外の領域にも溶接されていても良い。
【0042】
ここで、貼付部材4において、当該貼付部材4の角に隣接する部分を、角部41〜44とする。貼付部材4は、4つの角部を有する。本実施形態では、第1角部41,42が第1領域21dにスポット溶接され、第2角部43,44が第2領域21eにスポット溶接される。
【0043】
すなわち、本実施形態では、第1角部41,42は、貼付部材4の一方の短辺をなす部分に沿って並び、第2角部43,44は、他方の短辺をなす部分に沿って並ぶ。貼付部材4は、第1角部41,42が第1領域21dに当接し、第2角部43,44が第2領域21eに当接するよう、その長辺がシェル21の伸長方向に沿った状態で配置される。
【0044】
そして、第1角部41,42のポイントwが、第1領域21dにおける第1対面領域21fに隣接する領域にスポット溶接される。また、第2角部43,44のポイントwが、第2領域21eにおける第2対面領域21gに隣接する領域にスポット溶接される。
【0045】
なお、第1角部41,42は、第1領域21dにおける第1対面領域21fから離れた領域にスポット溶接されても良い。また、第2角部43,44は、第2領域21eにおける第2対面領域21gから離れた領域にスポット溶接されても良い。
【0046】
また、貼付部材4は、例えば、長方形状以外の形状を有していても良い。具体的には、貼付部材4は、例えば、正方形状の形状を有していても良い。そして、このような場合にも、同様にして、2つの角部が第1領域21dにスポット溶接され、残りの2つの角部が第2領域21eにスポット溶接されても良い。
【0047】
また、例えば、貼付部材4の角部に加えて、又は、貼付部材4の角部に替えて、貼付部材4における角部以外の部分が、第1又は第2領域21d,21eに溶接されても良い。具体的には、例えば、貼付部材4における第1又は第2領域21d,21eに位置する縁に沿って溶接が行われても良い。
【0048】
また、貼付部材4は、スポット溶接以外の溶接により、第1領域21d及び第2領域21eに接合されても良い。
また、
図4,5に示すように、貼付部材4には、貼付部材穴部40を囲む貼付部材接続部40aが設けられている。貼付部材接続部40aは、貼付部材穴部40の縁に沿って延びる壁状の部位であり、マフラ2の外側に向かって突出する。貼付部材接続部40aは、バーリング加工により形成されても良い。そして、貼付部材接続部40aは、貼付部材穴部40に挿入されているシェル接続部21bの外側に位置する。
【0049】
そして、上述したように、シェル接続部21bの内側には、マフラパイプ3が配置される。マフラパイプ3は、インレットパイプ30とインナパイプ31とを有し、インレットパイプ30の一端とインナパイプ31の一端とは、シェル接続部21bの内側にて接続されている。
【0050】
具体的には、インレットパイプ30の一端を含む部分と、インナパイプ31の一端を含む部分とが、重なった状態となっている。なお、本実施形態では、一例として、インレットパイプ30がインナパイプ31の内側に位置するが、インレットパイプ30がインナパイプ31の外側に位置しても良い。インレットパイプ30とインナパイプ31との重なった部分(以後、パイプ重複部分)が、シェル接続部21bの内側に配置される。
【0051】
つまり、パイプ重複部分と、シェル接続部21bと、貼付部材接続部40aとが、重なった状態で配置され、これらが全周溶接により接合される。これにより、貼付部材接続部40aとマフラパイプ3とが固定される。具体的には、例えば、外側に位置する貼付部材接続部40aにおける貼付部材穴部40を囲む周回経路に沿って溶接が行われても良い。なお、全周溶接に限らず、例えば、貼付部材接続部40aの周回経路に沿って並ぶ複数箇所が溶接されても良い。
【0052】
支持部材27は、中央に支持部材穴部27aを有する矩形の板状の部材であり、ステーとも呼ばれる。支持部材27は、シェル穴部21aに対面した状態で中間空間20aに配置される。また、支持部材27は、シェル21における一方の長径領域の内側から、他方の長径領域の内側にわたって配置される。具体的には、支持部材27における対面する2辺をなす各部分には、第1,第2接続部27b,27cが設けられている。これらの接続部は、支持部材27の端部を屈曲されることで構成される。第1接続部27bは、シェル21における一方の長径領域の内側に接合され、第2接続部27cは、他方の長径領域の内側に接合される。なお、第1,第2接続部とシェル21の内側とは、例えば、溶接又はかしめにより接合されても良い。
【0053】
また、支持部材27には、支持部材穴部27aを囲む支持部材接続部27dが設けられている。支持部材接続部27dは、支持部材穴部27aの縁に沿って延びる壁状の部位であり、シェル穴部21aの反対側に向かって突出する。
【0054】
そして、マフラパイプ3(より詳しくは、インナパイプ31)は、支持部材穴部27aに挿入された状態で配置される。この時、マフラパイプ3の側面が、支持部材接続部27dにより支持された状態となる。
【0055】
なお、支持部材接続部27dは、支持部材穴部27aの縁から、シェル穴部21aに向かって突出していても良い。また、支持部材接続部27dは、複数の壁状の部位として構成されていても良い。
【0056】
アウトレットパイプ28は、消音空間20の排気を外部に排出するための部位である。アウトレットパイプ28は、第1エンドプレート22の中央に設けられた穴部に挿入された状態で配置される。アウトレットパイプ28の一端は第1空間20bに位置し、他端はマフラ2の外部に位置する。
【0057】
[効果]
(1)本実施形態のマフラ2は、内部に第1及び第2セパレータ24,25が設けられているため、シェル21の第1及び第2領域21d,21eの剛性が、シェル21の中間領域21hの剛性よりも高い。
【0058】
そして、仮に、貼付部材4が中間領域21hに溶接されている場合に、マフラパイプ3(より詳しくは、インレットパイプ30)に下側に向かう外力が加えられたとする。この時、
図6に示すように、貼付部材4には、貼付部材4の上部をシェル21から剥離させる方向の力が働く。また、該外力は、シェル接続部21bを下方に押圧する。そして、中間領域21hは剛性が低いため、該押圧によりシェル21が変形し、中間領域21hにおけるシェル穴部21aの上側の部分がへこむ可能性がある。一方、
図7に示すように、第1及び第2領域21d,21eは剛性が高いため、マフラパイプ3に外力が加えられても変形が抑制される。
【0059】
これに対し、上記実施形態では、貼付部材4は、シェル21の第1及び第2領域21d,21eの双方に溶接されている。そして、第1及び第2領域21dは、剛性が高いため、マフラパイプ3に外力が加えられても変形し難い。このため、貼付部材4のシェル21の外面からの剥離が抑制される。したがって、マフラパイプ3とマフラ2とをより強固に接続することが可能となる。
【0060】
(2)また、マフラパイプ3(より詳しくは、インナパイプ31)の側面は、マフラ2の内部の中間空間20aにて支持部材27により支持される。このため、マフラパイプ3に外力が加えられた際に、マフラパイプ3の向きが変位するのが抑制され、さらには、シェル21の変形が抑制される。その結果、貼付部材4のシェル21の外面からの剥離が抑制され、マフラパイプ3とマフラ2とをより強固に接続することが可能となる。
【0061】
(3)また、貼付部材4は、四角形状の板状の部材となっており、貼付部材の4つの角部がシェル21に溶接される。これにより、コストを抑制しつつ、貼付部材4をより強固にシェル21に溶接することが可能となる。
【0062】
[他の実施形態]
(1)本実施形態の貼付部材4は、長方形状となっているが、貼付部材4の形状はこれに限定されない。すなわち、貼付部材4は、長方形状の本体部45と、第1〜第4溶接部45a〜45dとを有していてもよい。また、第1〜第4溶接部45a〜45dは、本体部45の各角部に設けられても良い。また、貼付部材4は、本体部45の長辺がシェル21の伸長方向に沿った状態で配置されても良い。
【0063】
そして、
図8に示すように、貼付部材4は、本体部45が中間領域21hを覆う状態で配置されても良い。なお、これ以外にも、貼付部材4は、本体部45が、中間領域21hと、第1及び第2対面領域21f,21gとを覆う状態で配置されても良い。
【0064】
さらに、第1,第2溶接部45a,45bの各々は、本体部45における一方の短辺をなす部分の両端に位置する部分から突出する矩形の部位であっても良い。そして、第1,第2溶接部45a,45bのポイントwが、第1領域21dにスポット溶接されても良い。また、第3,第4溶接部45c,45dの各々は、本体部45における他方の短辺をなす部分の両端に位置する部分から突出する矩形の部位であっても良い。そして、第3,第4溶接部45c,45dのポイントwが、第2領域21eにスポット溶接されても良い。
【0065】
また、
図9のように、貼付部材4は、本体部45が、中間領域21hと、第1及び第2対面領域21f,21gと、第1及び第2領域21d,21eとを覆う状態で配置されても良い。
【0066】
さらに、第1,第2溶接部45a,45bの各々は、本体部45における一方の長辺をなす部分の両端に位置する部分から突出する矩形の部位であっても良い。そして、第1,第2溶接部45a,45bのポイントwが、第1領域21dにスポット溶接されても良い。また、第3,第4溶接部45c,45dの各々は、本体部45における他方の長辺をなす部分の両端に位置する部分から突出する矩形の部位であっても良い。そして、第3,第4溶接部45c,45dのポイントwが、第2領域21eにスポット溶接されても良い。
【0067】
なお、第1〜第4溶接部45a〜45dに対して、スポット溶接以外の他の溶接がなされても良い。
このような場合であっても、同様の効果が得られる。
【0068】
(2)上記実施形態では、マフラ2の外壁は、筒状のシェル21と、第1及び第2エンドプレート22,23とから構成される。しかしながら、外壁は、例えば、消音空間20を上方から覆う第1部材と、消音空間を下方から覆う第2部材とを接合させることで構成されても良い。
【0069】
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0070】
[特許請求の範囲との対応]
シェル穴部21aが、外壁穴部の一例に相当する。