【解決手段】物標検出装置が提供される。前記物標検出装置は、自船の周囲の物標からのエコー信号を取得する取得部と、前記エコー信号に基づいて、第1エコー画像を生成する生成部と、機械学習により構築されたモデルに前記第1エコー画像を入力し、前記モデルからの出力に基づいて、前記モデルに対応した船舶以外の物標である第1物標を検出する検出部とを備える。
前記生成部は、船舶での反射波よりも微弱な前記第1物標での反射波を捉えるように前記エコー信号を調整し、当該調整されたエコー信号に基づいて前記第1エコー画像を生成する、
請求項1から3のいずれかに記載の物標検出装置。
前記生成部は、前記第2エコー画像を生成するときよりも、ゲインを上げる、海面反射除去のレベルを下げる、及び雨雪反射除去のレベルを下げることの少なくとも1つを行うように前記エコー信号を調整することにより、前記第1エコー画像を生成する、
請求項5に記載の物標検出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、船舶用のレーダー装置は、自船の周囲の船舶の像を表示することを主目的としており、船舶以外の物標の像は、しばしばノイズとして掻き消される。特に、船舶のエコー信号に比べて一般に微弱な、鳥や小さな岩、潮目、氷、雨、雲、SART(Search And Rescue Transponder)等からのエコー信号は、その微弱さ故にレーダー映像上に明瞭に捉え難い。よって、レーダー映像上で船舶以外の様々な物標を正確に検出することは未だ難しく、このような技術は開発途上である。また、レーダー装置に限らず、魚群探知機やソナー等の物標検出装置においても同様に、多種多様な物標を正確に検出したいという要望がある。
【0006】
本発明は、自船の周囲の多種多様な物標を正確に検出することができる物標検出装置、方法及びプログラム、並びに、自船の周囲の多種多様な物標を正確に検出するために用いられるモデルを学習する学習装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点に係る物標検出装置は、自船の周囲の物標からのエコー信号を取得する取得部と、前記エコー信号に基づいて、第1エコー画像を生成する生成部と、機械学習により構築されたモデルに前記第1エコー画像を入力し、前記モデルからの出力に基づいて、前記モデルに対応した船舶以外の物標である第1物標を検出する検出部とを備える。
【0008】
第2観点に係る物標検出装置は、第1観点に係る物標検出装置であって、前記第1物標には、鳥が含まれる。
【0009】
第3観点に係る物標検出装置は、第1観点又は第2観点に係る物標検出装置であって、前記第1物標には、前記第1物標には、魚群、岩、潮目、氷、雨、雲、及びSARTからなる群から選択される少なくとも1つが含まれる。
【0010】
第4観点に係る物標検出装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る物標検出装置であって、前記生成部は、船舶での反射波よりも微弱な前記第1物標での反射波を捉えるように前記エコー信号を調整し、当該調整されたエコー信号に基づいて前記第1エコー画像を生成する。
【0011】
第5観点に係る物標検出装置は、第1観点から第4観点のいずれかに係る物標検出装置であって、前記生成部は、前記エコー信号に基づいて、前記第1エコー画像よりもノイズが少なく船舶の像がより明瞭に写し出される第2エコー画像をさらに生成する。
【0012】
第6観点に係る物標検出装置は、第5観点に係る物標検出装置であって、前記生成部は、前記第2エコー画像を生成するときよりも、ゲインを上げる、海面反射除去のレベルを下げる、及び雨雪反射除去のレベルを下げることの少なくとも1つを行うように前記エコー信号を調整することにより、前記第1エコー画像を生成する。
【0013】
第7観点に係る物標検出装置は、第5観点又は第6観点に係る物標検出装置であって、前記第2エコー画像上に、前記検出された第1物標に対応するシンボルを重ねて表示する情報出力部をさらに備える。
【0014】
第8観点に係る物標検出装置は、第1観点から第6観点のいずれかに係る物標検出装置であって、前記第1エコー画像上に、前記検出された第1物標に対応するシンボルを重ねて表示する情報出力部をさらに備える。
【0015】
第9観点に係る物標検出装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係る物標検出装置であって、前記第1エコー画像は、真エコートレイル画像である。
【0016】
第10観点に係る物標検出装置は、第1観点から第9観点のいずれかに係る物標検出装置であって、追尾フィルタを用いて、前記検出された第1物標の位置を追尾する追尾部をさらに備える。
【0017】
第11観点に係る物標検出装置は、第10観点に係る物標検出装置であって、前記追尾部による前記第1物標の追尾に継続的に成功した場合に、前記第1物標が存在する旨の情報を出力する出力部をさらに備える。
【0018】
第12観点に係る物標検出装置は、第1観点から第11観点のいずれかに係る物標検出装置であって、前記モデルは、ニューラルネットワークである。
【0019】
第13観点に係る物標検出装置は、第1観点から第12観点のいずれかに係る物標検出装置であって、前記エコー信号を受信するレーダーアンテナをさらに備える。
【0020】
第14観点に係る学習装置は、自船の周囲の物標を検出するために用いられるモデルを学習する学習装置であって、前記物標からのエコー信号を取得する取得部と、前記エコー信号に基づいて、第1エコー画像を生成する生成部と、前記生成部により生成された前記第1エコー画像を教師データとして、前記第1エコー画像を入力とし、船舶以外の物標である第1物標の有無及び位置の少なくとも一方の情報を出力とするモデルを、機械学習により構築する学習部とを備える。
【0021】
第15観点に係る学習装置は、自船の周囲の物標をからのエコー信号を取得することと、前記エコー信号に基づいて、第1エコー画像を生成することと、機械学習により構築されたモデルに前記第1エコー画像を入力し、前記モデルからの出力に基づいて、前記モデルに対応した船舶以外の物標である第1物標を検出することとを含む。
【0022】
第16観点に係る物標検出プログラムは、自船の周囲の物標をからのエコー信号を取得することと、前記エコー信号に基づいて、第1エコー画像を生成することと、機械学習により構築されたモデルに前記第1エコー画像を入力し、前記モデルからの出力に基づいて、前記モデルに対応した船舶以外の物標である第1物標を検出することとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0023】
第1観点によれば、物標からのエコー信号に基づいて、第1エコー画像が生成される。第1エコー画像は、機械学習により構築されたモデルに入力され、当該モデルからの出力に基づいて、船舶以外の物標である第1物標が検出される。これにより、自船の周囲の船舶以外の多種多様な物標を正確に検出することができる。また、第14観点によれば、船舶以外の物標を検出するのに適した上記モデルを構築することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る物標検出装置、方法及びプログラム、並びに学習装置、方法及びプログラムについて説明する。
【0026】
<1.レーダー装置(物標検出装置)の構成>
図1に、本実施形態に係る物標検出装置としてのレーダー装置1の全体構成図を示す。レーダー装置1は、船舶の航行を支援するための装置であり、船舶に搭載される。レーダー装置1は、レーダーアンテナ10と、これに接続されるレーダー指示器20とを備える。
【0027】
レーダーアンテナ10は、パルス状の電波を放射するとともに、放射された電波の物標での反射波であるエコー信号を受信する。レーダーアンテナ10は、水平面内を回転しながら、電波を送信してそのエコー信号を受信する動作を繰り返し行い、これにより自船の周囲を360°スキャンする。レーダーアンテナ10により受信された物標からのエコー信号は、図示されないA/D変換器によりデジタルデータに逐次変換され、変換後のエコー信号は、レーダー指示器20に逐次出力される。
【0028】
レーダー指示器20は、同じく自船に搭載されているGPSコンパス60に接続されている。GPSコンパス60は、所定の時間間隔で自船の船首方位の情報(以下、方位情報ということがある)と、自船の緯度及び経度の情報(以下、LL情報ということがある)と、自船速度情報を計測可能であり、これらの情報は、レーダー指示器20に逐次出力される。
【0029】
図2に、レーダー指示器20の外観図を示す。レーダー指示器20はユーザーが操作する機器であり、同図に示すとおり、筐体27を有する。レーダー指示器20は、ユーザーが立つ筐体27の正面側に表示部21及び入力部22を備えている。また、
図1に示すとおり、レーダー指示器20は、レーダーインターフェース部25、記憶部23、制御部24及びコンパスインターフェース部26をさらに備えている。レーダーインターフェース部25は、レーダーアンテナ10との通信ポートであり、レーダーアンテナ10から出力されるエコー信号を受信する。コンパスインターフェース部26は、GPSコンパス60との通信ポートであり、GPSコンパス60から出力される方位情報、LL情報、及び自船速度情報を受信する。記憶部23及び制御部24は、筐体27内に収容されている。これらの部21〜26は、相互にバス線を介して通信可能に接続されている。
【0030】
表示部21は、ユーザーに対し各種情報を提示するための画面を表示するユーザーインターフェースであり、本実施形態では、液晶ディスプレイから構成される。入力部22は、ユーザーからのレーダー指示器20に対する各種操作を受け付けるユーザーインターフェースであり、本実施形態では、キーボード22a及びトラックボール22bから構成される。入力部22は、表示部21上に重ねられたタッチパネルを含むことができる。
【0031】
記憶部23は、ハードディスクやフラッシュメモリ等から構成される不揮発性の記憶装置である。記憶部23内には、機械学習により構築された解析モデル41が格納されている。解析モデル41の詳細については、後述する。制御部24は、CPU30、ROM31及びRAM32等から構成される。ROM31内には、CPU30に各種動作を実行させるプログラム40が格納されている。CPU30は、ROM31内のプログラム40を読み出して実行することにより、仮想的に画面生成部31a、鳥検出部31b、鳥追尾部31c及び情報出力部31dとして動作する。これらの部31a〜31dの動作の詳細については、後述する。なお、プログラム40は、ROM31内ではなく記憶部23内に格納されていてもよいし、記憶部23及びROM31の両方に分散して記憶されていてもよい。
【0032】
<2.レーダー装置の動作>
次に、レーダー装置1により実行される各種処理について説明する。レーダー装置1に含まれるレーダー指示器20は、表示処理及び鳥検出処理を実行することができる。表示処理は、レーダーインターフェース部25により取得されるエコー信号に基づいて、自船及び自船の周囲の1以上の物標の状況を表示するレーダー画面50(
図3及び
図4参照)を生成し、これを表示部21上に表示する処理である。レーダー画面50上には、自船の周囲の物標のエコー像を写し出す映像(以下、レーダー映像という)51が表示される。鳥検出処理は、レーダー映像51に基づいて、自船の周囲に存在する鳥、より具体的には、鳥が群れを為すことにより形成される鳥山を検出する。以下、表示処理及び鳥検出処理の詳細についてそれぞれ説明する。
【0033】
<2−1.表示処理>
表示処理は、主として画面生成部31aにより実行される。画面生成部31aは、レーダーインターフェース部25を介してエコー信号を逐次取得し、このエコー信号に基づいてレーダー画面50(
図3及び
図4参照)を生成する。より具体的には、このエコー信号を解析することにより、自船を基準とした他船及び鳥山等を含む物標までの距離及び方位等に関するレーダー情報が算出される。画面生成部31aは、このレーダー情報に基づいて、自船の周囲の物標のエコー像を表示するレーダー映像51を生成する。レーダー映像51は、自船の周囲の領域内に存在する物標の位置を地図的に示すマップとなる。
図3及び
図4に示すように、レーダー画面50は全体としては矩形状であり、このレーダー画面50上に円形のレーダー映像51が配置される。なお、1枚のレーダー映像51は、レーダーアンテナ10の1回転分のエコー信号(スキャンデータ)から生成される。レーダー映像51は、エコー信号が取得される度に、新たなエコー信号に基づいて更新される。従って、ユーザーは、レーダー映像51を見ながら自船の周囲の状況をリアルタイムに把握することができる。
【0034】
また、画面生成部31aは、レーダー画面50上にレーダー映像51に加えて、情報表示領域52を表示する。
図3及び
図4の例では、情報表示領域52は、主としてレーダー画面50の右端に沿って配置されており、レーダー映像51に重ならないように配置されている。情報表示領域52には、航行を支援するための各種情報、例えば、自船情報及び自船の周囲の環境情報が表示される。自船情報には、例えば、自船のLL情報、方位情報、及び自船速度情報が含まれる。環境情報には、例えば、水温、水深、風向及び風速の情報が含まれる。なお、情報表示領域52に表示される情報の一部は、GPSコンパス60をはじめとするレーダー指示器20に接続されている各種計測器等の機器から取得される情報に基づいて算出される。
【0035】
レーダー画面50上には、メインメニューボタン55が表示される。メインメニューボタン55は、レーダー映像51に重ならないように配置されることが好ましい。また、レーダー画面50上には、カーソル56も表示される。カーソル56は、ユーザーが入力部22を操作することにより、レーダー画面50上で自由に移動させることができる。本実施形態では、ユーザーがカーソル56をメインメニューボタン55上に位置合わせした状態で入力部22に所定の操作を行うと、メインメニューボタン55が階層的に開き、様々なサブメニューボタンが現れる。サブメニューボタンは、レーダー映像51に重ならないように配置されることが好ましい。ユーザーは、入力部22を操作して、これらのサブメニューボタンの中から適当なボタンを選択することにより、レーダー指示器20に実装されている所望の機能を実行することができる。
【0036】
レーダー映像51には、ノーマルモード(オートモード)とバードモードとがある。ユーザーは、入力部22を介して所定の操作を行うことにより、ノーマルモードとバードモードとを任意に切り替えることができる。ノーマルモードでのレーダー映像51は、主として他船の像T1を見やすく写し出すことを目的として生成されたエコー画像である。一方、バードモードでのレーダー映像51は、船舶と比較して微弱なエコー信号を返す、鳥山の像T2を写し出すように生成されたエコー画像である。ノーマルモードは、典型的には、自船の航行時に他船の動向を観察するのに使用され、これにより他船との衝突を回避したり、僚船の位置を把握したり等することができる。一方、バードモードは、典型的には、鳥山を発見し、ひいては鳥山の下に存在すると予測される魚群を発見する目的で使用される。
【0037】
図3は、ノーマルモードでのレーダー画面50の一例を示しており、
図4は、バードモードでのレーダー画面50の一例を示している。なお、レーダーアンテナ10からの電波は、他船及び鳥山だけでなく、陸地やブイ等の様々な物標でも反射される。そのため、レーダー映像51上には、他船の像T1及び鳥山の像T2の他、陸地の像T3等も表示される。
【0038】
図5Aに、ノーマルモードでのレーダー映像51の一例を示し、
図5Bに、
図5Aのレーダー映像51と同じエコー信号に基づく、バードモードでのレーダー映像51の一例を示す。これらの図を見れば分かるように、バードモードでは、ノーマルモードと比較して、全体的にノイズが目立つ。しかしながら、バードモードでは、ノーマルモードでは殆ど写らない鳥山の像T2を捉えることができる。一方、ノーマルモードでは、全体的にノイズが少ないため、船舶の像T1がバードモードよりも明瞭に写し出される。
【0039】
画面生成部31aは、レーダー映像51を生成するとき、ノーマルモード又はバードモードのいずれの設定が現在選択されているのかに応じて、エコー信号の調整を行う。画面生成部31aは、バードモードでは、船舶での反射波よりも微弱な、鳥山での反射波を捉えるようにエコー信号を調整し、調整されたエコー信号に基づいて、レーダー映像51を生成する。エコー信号の調整の方法には、例えば、ゲイン(感度)の調整、海面反射及び雨雪反射によるノイズの除去等がある。バードモードでは、他船の像T1よりも微弱なエコー信号に基づく鳥山の像T2を捉えるために、ノーマルモードよりもゲインを上げる。また、バードモードでは、過度なノイズの除去により鳥山の像が消えてしまわないように、ノーマルモードよりも海面反射除去及び雨雪反射除去のレベルを下げる。また、バードモードでは、雨雪反射除去を行わないようにすることが好ましい。
【0040】
また、レーダー映像51のモードには、相対運動モードと真運動モードとがある。相対運動モードとは、自船の位置が常にレーダー映像51内の一定の位置(典型的には、中心)に設定されるモードである。一方、真運動モードとは、レーダー映像51内で陸地等の固定物標の位置を固定するモードである。ユーザーは、入力部22を介して所定の操作を行うことにより、相対運動モードと真運動モードとを切り替えることができる。
【0041】
また、画面生成部31aは、レーダー映像51上に船首輝線U1を表示する。船首輝線U1は、レーダー映像51上における自船の現在位置からレーダー映像51の外周まで、自船の船首方向に沿って延びる線の態様で表示される。すなわち、船首輝線U1の内側端は、自船の現在位置を表す。真運動モードでは、船首輝線U1の内側端、すなわち自船の位置は、レーダー映像51上の様々な位置に配置され得る。一方、相対運動モードでは、船首輝線U1の内側端は、常にレーダー映像51上の中心等の固定の位置に配置される。
【0042】
また、画面生成部31aは、レーダー映像51上に他船及び鳥山等を含む物標のエコートレイルの像T4を表示することができる。具体的には、過去のレーダー映像51に写る像T1〜T3のような物標のエコー像を、最新のレーダー映像51に重ね合わせることにより、物標のエコートレイルの像T4が形成される。ユーザーは、入力部22を介して所定の操作を行うことにより、エコートレイルの像T4の表示/非表示の設定を切り替えることができる。
【0043】
図6は、バードモードでのレーダー映像51の別の例である。同図に示されるように、一般に船舶のエコートレイルの像T4は、ノーマルモードのみならずバードモードにおいても、レーダー映像51上に比較的はっきりと表れる。一方で、鳥、特に鳥山のエコートレイルの像T4は、途切れ途切れになり、また急に進行方向が変わったり、蛇行したりする。このような鳥の特徴をより正確に捉えるためには、自船に対する相対的な鳥の動きではなく、陸地等の固定点に対する絶対的な鳥の動きに注目することが重要である。そのため、バードモードのレーダー映像51は、真運動モードで得られるエコー画像(以下、真エコートレイル画像)であることが望ましい。なお、相対運動モードの場合であっても、GPSコンパス60から得られる自船速度情報によれば、真エコートレイル画像と同様のエコー画像を得ることができる。
【0044】
また、一般に、鳥は水面と上空との間を上がったり下がったりするため、鳥、特に鳥山のエコー信号の強弱にはムラが生じ、ひいてはそのエコー像にもムラが生じる。
図7は、バードモードでの船舶の像T1及び鳥山の像T2の拡大図である。
【0045】
以上より、鳥山の像T2及びそのエコートレイルの像T4には、船舶の像T1及びそのエコートレイルの像T4とは異なる特徴が表れる。従って、ユーザーは、バードモードのレーダー映像51上において、以上のような特徴を有する鳥山の像T2及びそのエコートレイルの像T4を探し出すことにより、自船の周囲における鳥山の存在及びその位置を知ることができる。
【0046】
<2−2.鳥検出処理>
次に、レーダー映像51に基づいて、鳥山を自動的に検出する鳥検出処理について説明する。鳥検出処理では、レーダー映像51を入力とし、鳥山の有無を表す情報を出力とする解析モデル41に基づいて、鳥山が検出される。本実施形態の鳥検出処理で使用されるレーダー映像51は、バードモードでのレーダー映像51である。解析モデル41は、予め実施される機械学習により構築されており、解析モデル41を定義する情報が記憶部23内に記憶されている。以下、解析モデル41を機械学習する学習過程について説明した後、鳥検出処理の流れの詳細について説明する。
【0047】
<2−2−1.解析モデルの学習過程>
解析モデル41の学習過程は、学習後の解析モデル41が使用される場面とは独立している。従って、本実施形態では、解析モデル41の学習は、主としてレーダー装置1ではなく、学習装置101により行われるが、勿論、レーダー装置1に後述する学習部131cによる学習の機能を実装することもできる。
【0048】
図8に、学習装置101の全体構成図を示す。学習装置101は、ハードウェアとしては汎用のコンピュータであり、表示部121、入力部122、記憶部123、制御部124及び通信部125を備えている。これらの部121〜125は、相互にバス線を介して通信可能に接続されている。
【0049】
表示部121は、ユーザーに対し各種情報を提示するための画面を表示するユーザーインターフェースであり、液晶ディスプレイ等から構成される。入力部122は、ユーザーからの学習装置101に対する各種操作を受け付けるユーザーインターフェースであり、マウスやキーボード、タッチパネル等から構成される。記憶部123は、ハードディスクやフラッシュメモリ等から構成される不揮発性の記憶装置である。制御部124は、CPU、ROM及びRAM等から構成され、記憶部123内のプログラム140を読み出して実行することにより、仮想的に画面生成部124a及び学習部124bとして動作する。
【0050】
通信部125は、外部機器との通信を担う通信ポートであり、レーダー指示器20のような装置から、バードモードでの多数のレーダー映像51を受信する。或いは、通信部125は、レーダーアンテナ10及びGPSコンパス60のような装置から、エコー信号並びに必要に応じて方位情報、LL情報及び自船速度情報を受信する。後者の場合、画面生成部124aは、エコー信号並びに必要に応じて方位情報、LL情報及び自船速度情報に基づいて、画面生成部31aと同様の方法により、バードモードでのレーダー映像51を作成する。通信部125により取得された、或いは画面生成部124aにより生成されたレーダー映像51は、記憶部123内に格納される。
【0051】
学習過程では、鳥山の他、船舶、岩、潮目、氷、雨、雲、及びSART等の様々な物標が存在するときのエコー信号並びに必要に応じて方位情報、LL情報及び自船速度情報か、或いはこれらに基づくレーダー映像51が、通信部125に入力される。また、通信部125には、エコー信号又はレーダー映像51に捉えられた物標の種類を表す情報(以下、正解情報という)も同様に入力される。なお、正解情報は、ユーザーが入力部122を介して入力することもできる。正解情報は、どこに何が存在しているかを示す情報である。入力された正解情報は、レーダー映像51に関連付けられて、記憶部123内に格納される。
【0052】
以上のレーダー映像51及び正解情報のセットは、解析モデル41を学習するための教師データとなる。本実施形態の解析モデル41は、畳み込みニューラルネットワークである。学習部124bは、記憶部123内に格納されている、実際に鳥山を含む様々な物標が存在するときのレーダー映像51を正解情報に基づいて学習し、解析モデル41を構築する。より具体的には、学習部124bは、記憶部123内のレーダー映像51を順次読み出し、ここから物標のエコー像を表す部分画像を切り出して解析モデル41に入力する。そして、その出力として、入力された部分画像に写る物標の種類を示す情報を取得し、この物標の種類を示す情報を正解情報に一致させるように、解析モデル41のパラメータを更新する。ここでいう学習の対象となるパラメータとは、解析モデル41である畳み込みニューラルネットワークを定義する各種係数等である。そして、このようにして、次々と教師データを適用させながら、解析モデル41を最適化してゆく。ニューラルネットワークの教師付き学習方法は、様々なものが公知であるため、ここでは詳細な説明を省略するが、例えば、誤差逆伝播法等を用いることができる。以上により、学習過程が終了し、解析モデル41が導出される。導出された解析モデル41は、レーダー指示器20の記憶部23内に格納される。
【0053】
<2−2−2.鳥検出処理の流れの詳細>
本実施形態の鳥検出処理は、レーダー指示器20においてバードモードが選択されているときに実行される。バードモードでのレーダー映像51が生成されると、まず、鳥検出部31bは、当該レーダー映像51内に写る物標のエコー像を表す部分画像を順次、切り出してゆく。さらに、鳥検出部31bは、順次、これらの部分画像を解析モデル41に入力し、その出力として、入力された部分画像に写る物標の種類を示す情報を取得する。そして、鳥検出部31bは、順次、この出力に基づいて、部分画像に写る物標が鳥山であるか否かを判断する。
【0054】
以上の結果、部分画像に写る物標が鳥山でないと判断された場合には、次の部分画像又は次のレーダー映像51に対し、同様の処理が続行される。一方、部分画像に写る物標が鳥山であると判断された場合、すなわち、部分画像内に鳥山が検出された場合には、
図9に示す鳥山を追尾する追尾処理が行われる。本実施形態では、追尾処理に入る前の、解析モデル41の出力に基づく鳥山の検出は、「仮の」検出に相当する。本実施形態では、鳥山の誤検出を防ぐべく、この「仮の」検出を受けて追尾処理が実行され、追尾処理において鳥山の追尾に継続的に成功した場合に、鳥山が存在するとの最終判断が行われる。本実施形態では、この最終判断を受けて、鳥山が存在する旨の情報が出力される。
【0055】
本実施形態の追尾処理では、追尾フィルタ、より具体的には、αβフィルタを用いた追尾が行われる。
図10は、αβ追尾フィルタによる追尾処理を説明する概念図であり、位置平滑化定数をαとし、速度平滑化定数をβとする直線予測器により、第nスキャンから第(n+1)スキャンが予測される様子を示している。ここで、P(n)は予測位置、M(n)は測定位置、S(n)は平滑位置、V(n)は平滑速度、E(n)は追尾誤差、G(n)は予測ゲート、Tはサンプリング周期である。なお、括弧内のnは、スキャンのタイミングを表している。このとき、第(n+1)スキャンにおける予測位置P(n+1)は、以下の式により算出される。
E(n)=M(n)-P(n)
S(n)=P(n)+αE(n)
V(n)=V(n-1)+βE(n)/T
P(n+1)=S(n)+V(n)T
【0056】
図9の追尾処理について詳細に説明する。上記のとおり、本追尾処理は、鳥山の仮の検出が行われる度に、当該鳥山を追尾すべく開始する。ここでは、ステップS1において、鳥追尾部31cが、仮の検出が行われた鳥山の位置(座標)を測定位置M(1)とし、この測定位置M(1)に基づいて、次のスキャンにおける予測位置P(2)を導出する。より具体的には、追尾が開始したとき(すなわち、n=1のとき)の予測位置P(1)と平滑位置(S1)は測定位置M(1)に等しく、平滑速度の初期値V(1)は予め定められている。そして、平滑位置S(1)と平滑速度の初期値V(1)により、次のスキャンにおける予測位置P(2)が導出される。
【0057】
続くステップS2では、鳥追尾部31cが、既出の予測位置P(n)を基準として、予測ゲートG(n)を設定する。そして、第nスキャンでのバードモードのレーダー映像51を取得し、予測ゲートG(n)内で鳥山の像T2を検索する(言い換えると、鳥山を追尾する)。より具体的には、第nスキャンでのレーダー映像51上の予測ゲートG(n)内の領域から、物標のエコー像を表す部分画像を切り出す。さらに、鳥追尾部31cは、これらの部分画像を解析モデル41に入力し、その出力として、入力された部分画像に写る物標の種類を示す情報を取得する。そして、鳥追尾部31cは、この出力に基づいて、部分画像に写る物標が鳥山であるか否かを判断する。その結果、鳥山が検出された場合には、鳥山の追尾に成功したものと判断され(ステップS3)、ステップS4に進む。ステップS4では、今回のスキャンのレーダー映像51上で検出された鳥山の位置(座標)を測定位置M(n)とし、この測定位置M(n)に基づいて、次のスキャンにおける予測位置P(n+1)を導出する。
【0058】
一方、ステップS2において、第nスキャンでのレーダー映像51上の予測ゲートG(n)内の領域から、物標のエコー像を表す部分画像を切り出すことができなかった場合、或いは、部分画像を切り出すことはできたものの、鳥山であると判断される部分画像が存在しなかった場合には、鳥山の追尾に失敗したものと判断され(ステップS3)、ステップS6に進む。ステップS6では、最後に検出された鳥山の位置(座標)に基づいて、次のスキャンにおける予測位置P(n+1)を導出する。
【0059】
図9のフローチャートに示すとおり、ステップS3の鳥山の追尾に継続的にI回成功した場合(Iは、2以上の整数)、情報出力部31dは、鳥山が存在する旨を表す情報を出力する(ステップS5)。なお、ここでいう「追尾に継続的にI回成功する」とは、ステップS3の追尾にJ回断続的に又は連続して失敗する前に(Jは、2以上の整数)、ステップS3の追尾にI回断続的に又は連続して成功することをいう。情報出力部31dによる出力の態様は様々であり、本実施形態では、鳥山が存在する旨を表す情報が表示部21上に表示されるとともに、図示されないスピーカ等を介して鳥山が発見された旨を通知するアラーム音のような音声が出力される。
図11A及び
図11Bは、鳥山が存在する旨を表す情報の表示画面例である。このように、バードモードのレーダー映像51上において鳥山の像T2として検出されたエコー像の近傍に、所定のシンボルT5を重ねて表示することができる。
図11Aの例では、シンボルT5は、鳥山の像T2として検出されたエコー像を囲む枠であり、
図11Bの例では、鳥山の像T2として検出されたエコー像に重ねて表示されるアイコンである。シンボルT5は、鳥山の存在を強調するために、レーダー映像51上の他の領域とは異なる色や点滅を用いて表示されることが望ましい。また、シンボルT5は、元のエコー像の色を変化させたり、点滅させたものとすることができる。
【0060】
ステップS5では、シンボルT5の他、鳥山が検出された旨が文字情報のメッセージとして表示されてもよい。また、上述の処理では、鳥山の移動速度V(n)が算出されるため、シンボルT5に代えて又は加えて、鳥山の速さ及び向きを表すベクトル形式のシンボルが表示されてもよい。
【0061】
鳥山が存在する旨の情報が出力されると、
図9の追尾処理は終了する。一方、鳥山の追尾に継続的にI回成功しなかった場合も、鳥山が途切れたものと判断され、
図9の追尾処理は終了する。
【0062】
以上のような追尾処理により、解析モデル41に基づく鳥山の「仮の」検出の後、鳥山が本当に存在するかの確認がなされることになる。すなわち、以上の追尾処理では、過去の鳥山の検出結果と最新の鳥山の検出結果とが時間的に平均される。そのため、解析モデル41に基づいて鳥山が検出されたとしても、その出現確率が低い場合には、時間平均により最終的に鳥山と検出されることがない。また、鳥山が存在するにも関わらず、I回以下、検出漏れ等により鳥山を検出できなかった場合でも、鳥山を見失うことなく追尾を継続することができる。よって、鳥山の誤検出が防止され、鳥山の検出精度を高めることができる。
【0063】
なお、最終的に鳥山が存在すると判断され、ステップS5を経て
図9の追尾処理が終了した場合には、引き続き、当該鳥山を追尾することができる。例えば、鳥追尾部31cは、ステップS2〜S4,S6と同様の方法で鳥山を追尾し続け、追尾に失敗しない限り、最新の鳥山の像T2の位置又はその近傍にシンボルT5を表示し続ける。一方、追尾に失敗した場合には、シンボルT5をレーダー映像51上から消去する。
【0064】
図12は、既に説明した、鳥山の存在がレーダー映像51上に表示されるまでの一連の処理の流れをまとめたフローチャートである。同図に示すように、まず、レーダーインターフェース部25を介してエコー信号が取得される(ステップS21)。そして、画面生成部31aにより、この取得されたエコー信号が鳥山での反射波を捉えるように調整され(ステップS22)、調整後のエコー信号に基づいてバードモードのレーダー映像51が生成される(ステップS23)。次に、鳥検出部31bにより、このレーダー映像51が解析モデル41に入力され、鳥山の仮検出が行われる(ステップS24)。鳥山が仮検出された場合には(ステップS25)、鳥追尾部31cにより鳥山の追尾が行われ(ステップS26)、仮検出されなかった場合には(ステップS25)、画面生成部31aにより通常のバードモードのレーダー映像51が表示される(ステップS29)。一方、鳥山の追尾に継続的に成功した場合には(ステップS27)、画面生成部31aにより通常のバードモードのレーダー映像51が表示されるとともに、情報出力部31dにより、これに重ねて鳥山に対応するシンボルT5が表示される(ステップS28)。
【0065】
<3.特徴>
ノーマルモードのレーダー映像51は、感度の調整具合によっては鳥山を捉え得るが、鳥山のエコー信号は微弱であるため、これに基づくエコー像は見落とされがちになる。この点、バードモードのレーダー映像51は、比較的明瞭に鳥山の像T2を捉えることができるため、有用である。しかしながら、特にプレジャー用ボートのユーザーは、たまにしかこれを利用しない場合も多く、また、鳥山の像T2自体も頻繁に出現することがない。そのため、たとえレーダー映像51上に鳥山の像T2が表れたとしても、これを見慣れていないユーザーには、これを鳥山であると認識することが難しい。また、安全な航行を行うためには、ユーザーは絶えずレーダー映像51を確認しつつ、鳥山の存在にばかり注目している訳にはいかない。この点、上記実施形態の鳥検出処理によれば、鳥山が自動検出され、その結果がユーザーに分かり易く出力される。また、機械学習及び追尾処理により鳥山が高精度に検出されるため、ユーザーは容易かつ正確に鳥山を発見することができる。
【0066】
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
【0067】
<4−1>
上記実施形態の鳥検出処理は、船舶用のレーダー装置1に適用されたが、気象用や航空用等のレーダーや、魚群探知機やソナー等の他の検出装置にも同様に適用することができる。
【0068】
<4−2>
上記実施形態では、解析モデル41に基づいて鳥が検出される例を示した。しかしながら、解析モデル41の出力に基づいて、鳥に代えて又は加えて、魚群、岩、潮目、氷、雨、雲、及びSARTの少なくとも1つを検出できるように解析モデル41を構築してもよい。なお、魚群を検出する機能は、魚群探知機やソナー等の機器に搭載されることが好ましい。また、魚群を探知する機能として、解析モデル41の出力に基づいて、鰯やマグロといった魚種を判別できるように解析モデル41を構築することもできる。また、氷を検出する機能は、北極海等を航行する船舶に搭載される装置に搭載されることが好ましい。
【0069】
また、上記実施形態では、鳥山の他、船舶、岩、潮目、氷、雨、雲、及びSART等の様々な物標が存在するときのエコー信号を解析モデル41の学習時の教師データとしたが、鳥山が存在するときのエコー信号のみを教師データとしても、解析モデル41を学習させることができる。
【0070】
<4−3>
上記実施形態の追尾処理では、αβフィルタが用いられたが、勿論、αβγ追尾フィルタやカルマンフィルタ等の別のフィルタを用いることもできる。
【0071】
<4−4>
上記実施形態では、鳥検出処理がレーダー指示器20により実行された。しかしながら、鳥検出処理は、
図13に示すように、レーダー指示器20に有線または無線接続される外部装置(例えば、コンピュータであり、クラウドサーバーであってもよい)151において実行することもできる。この場合、レーダーアンテナ10からレーダー指示器20に入力されたエコー信号(並びにGPSコンパス60により取得された方位情報、LL情報、及び自船速度)、又は画面生成部31aにより生成されたレーダー映像51を、レーダー指示器20の通信部150を介して外部装置151に出力し、外部装置151において鳥検出部31b、鳥追尾部31c及び情報出力部31dによる上記の処理を実行すればよい。
【0072】
<4−5>
上記実施形態では、GPSコンパス60を用いて方位情報及びLL情報が取得されたが、磁気コンパス、ジャイロコンパス、又はGPSセンサにより同様の情報を取得することもできる。
【0073】
<4−6>
上記実施形態において、鳥検出部31bが、鳥山の最終的な検出の確度を算出するようにしてもよい。この場合、鳥山が存在する旨を表す情報の出力は、検出の確度が閾値を超えた場合にのみ行うようにすることができる。さらにこのとき、ユーザーが閾値を調整できるようにしてもよい。ここでいう検出の確度は、解析モデル41からの出力値(この場合、解析モデル41から、入力された画像に写る物標が鳥山である確率に応じた値が出力されるように、予め解析モデル41を学習させておく)、並びに追尾処理におけるステップS3の追尾に成功する確率等に基づいて決定することができる。
【0074】
<4−7>
上記実施形態では、鳥検出処理は、レーダー指示器20においてバードモードが選択されているときに実行されたが、バードモードが選択されていない場合にも実行することもできる。例えば、ユーザーにより入力部22を介して鳥検出処理の実行の命令が行われたときに、バードモードのレーダー映像51を表示部21上に表示することのないまま内部的に生成し、これに基づいて鳥山の検出を行う。そして、鳥山が最終的に検出された場合に、その旨を音声出力、又はメッセージ出力することができる。また、この場合において、ノーマルモードのレーダー映像51上に、鳥山のシンボルを重ねて表示することができる。
【0075】
<4−8>
上記実施形態では、鳥追尾部31cは、第nスキャンまでのスキャン毎に部分画像を切り出し解析モデル41に基づいて鳥山を検出し追尾していたが、解析モデル41に基づく鳥山の検出は、追尾が開始したとき(すなわち、n=1のとき)のみ実行させてもよい。このとき、最初に(すなわち、n=1のときに)鳥山を検出したエコー画像を従来のTT(Target Tracking)により追尾し、追尾したエコー画像の位置が次スキャンの予測ゲートG(n)内の領域にあるか否かで鳥山の追尾の成否を判断してもよい。