【解決手段】発光素子33が実装されている基板部材30と、レンズ本体71を有し、発光素子33が収納される収納空間81およびフランジ部90を備える光学レンズ部材70と、光学レンズ部材70との間で基板部材30を挟み込む蓋部材20と、発光素子33に電力を供給するケーブル60とを有し、フランジ部90には、ケーブル60が横切る状態で配置される少なくとも1つの凹状の横溝部100,101,104が設けられ、横溝部100,101,104と収納空間81との間には隔壁部97,102,105が設けられ、隔壁部97,102,105にはケーブル60を挿通させる挿通溝98,103,106が設けられると共に、横溝部100,101,104および挿通溝98,103,106には充填材R1が充填される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施の形態に係る照明モジュール10について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を用いて説明することとする。XYZ直交座標系において、
図3における光軸Lの延伸方向をZ方向(上下方向)とし、
図3における出射面76側をZ1側(上方側)、それとは反対の蓋部材20側をZ2側(下方側)とする。また、
図1においてケーブル60が延伸する方向をX方向(長手方向)とし、
図1における右上側をX1側とし、それとは逆の左下側をX2側とする。また、上述のZ方向およびX方向に直交する方向をY方向(幅方向)とし、
図1において右下側をY1側とし、それとは逆の左上側をY2側とする。
【0022】
図1は、照明モジュール10の構成を示す斜視図である。
図2は、照明モジュール10の構成を示す分解斜視図である。
図3は、照明モジュール10の構成を示す側断面図である。
図1から
図3に示すように、照明モジュール10は、蓋部材20と、基板部材30と、封止部材50と、ケーブル60と、光学レンズ部材70とを主要な構成要素としている。
【0023】
[蓋部材について]
最初に、蓋部材20について説明する。
図4は、蓋部材20の構成を示す斜視図である。
図4に示すように、蓋部材20は、たとえば樹脂を材質として形成されているが、金属を材質として形成されていても良い。この蓋部材20は、平板状の平板部21を有している。
図4に示すように、平板部21を平面視したときの形状は、隅角部がR形状となるような略矩形状に設けられている。
【0024】
この平板部21には、一対の張出部22が設けられている。張出部22は、平板部21よりも、長手方向(X方向)の外側に向かうように張り出している(突出している)部分であり、その幅方向(Y方向)における長さは、平板部21の幅方向(Y方向)の長さよりも短く設けられている。なお、
図4に示す構成では、平板部21の長手方向(X方向)に沿いつつ幅方向(Y方向)の中央を通る中心線は、張出部22の幅方向(Y方向)の中央を通るように設けられている。しかしながら、張出部22の中央は、上記の中心線からずれた位置に位置しても良い。
【0025】
この張出部22と平板部21とは同一の厚みを有し、さらにこれらの表裏面は、共に同一平面となるように設けられている。ただし、張出部22の厚みが平板部21よりも厚くても薄くても良く、張出部22と平板部21の表裏面が、共に同一平面とならないように設けても良い。このような張出部22を設けることにより、平板部21の面積を低減することが可能となる。しかしながら、平板部21の面積を比較的広くすることが可能な場合には、張出部22を設けない構成を採用しても良い。
【0026】
また、張出部22からは、
図2における上方側(Z1側)に突出するように突出部23が設けられている。突出部23は、Y方向に長く、X方向の厚みの薄いリブ状の部分である。この突出部23には、その上端面(Z1側の面)から下方側(Z2側)に向かって窪む一対の凹溝部24が設けられている。凹溝部24は、側面視したときの形状がたとえばU字形状に設けられている。この凹溝部24は、最も下端部(Z2側の端部)の高さが、平板部21の上面(Z1側の面)よりも高くなるように設けられている。したがって、凹溝部24に後述するケーブル60を挿通させた場合に、該ケーブル60が平板部21の上面から離間する状態となる。
【0027】
また、突出部23の延伸方向(Y方向)の両端側には、上端側(Z1側)から下方側(Z2側)に向かうようなテーパ部23aが設けられている。このテーパ部23aの存在により、後述する第1横溝部100の内部に充填材R1が良好に充填可能となっている。
【0028】
なお、凹溝部24の個数は、一対には限られず、ケーブル60の本数に応じて適宜変更可能である。
【0029】
また、
図4に示すように、蓋部材20には、柱状突起部25が設けられている。柱状突起部25は、平板部21の上面の隅角部から、上方側(Z1側)に向かうように突出している部分である。この柱状突起部25は柱状に設けられている部分であり、光学レンズ部材70の後述する弧状切欠部91に位置することで、蓋部材20と光学レンズ部材70との位置決めをなす部分である。
図4に示す構成では、柱状突起部25は、矩形状の平板部21の対角方向に沿うように2つ設けられている。しかしながら、柱状突起部25の個数は、特に限定されない。なお、蓋部材20に柱状突起部25を設けない構成を採用しても良い。なお、柱状突起部25には、照明モジュール10を外部の被取付け部に取り付けるためのネジ孔25aが形成されている。ネジ孔25aは、柱状突起部25をZ方向に貫通する。ネジ孔25aにはネジを通し、ネジを被取付け部に螺合させることで、照明モジュール10を被取付け部に取り付けることができる。
【0030】
また、蓋部材20には、平板部21の厚み方向(Z方向)を貫通するように、蓋貫通孔26が設けられている。蓋貫通孔26は、
図2に示すネジ120(締結手段に対応)を挿通させるための孔である。なお、
図2および
図4に示す構成では、蓋貫通孔26は、矩形状の平板部21において、柱状突起部25とは異なる対角方向に沿うように一対設けられている。また、蓋貫通孔26は、基板部材30に存在する基板貫通孔34と連通する位置に設けられている。
【0031】
[基板部材、ケーブルおよび封止部材について]
次に、基板部材30および封止部材50について説明する。
図5は、基板部材30およびケーブル60の構成を示す平面図である。
図2に示すように、基板部材30は、回路基板31と、放熱板40とが一体化された構成となっている。回路基板31は、たとえば樹脂製の平板状の部材であり、図示を省略する回路パターンが形成されている。
図2および
図5に示すように、回路基板31は、概ね矩形状に設けられているが、その回路基板31の1つの対角方向には、弧状切欠部32が設けられている。この弧状切欠部32は、上述した柱状突起部25が位置する部分であり、その柱状突起部25に対応した円弧形状に切り欠かれている。したがって、弧状切欠部32に柱状突起部25が位置することで、蓋部材20と基板部材30との間の位置決めがなされる構成となっている。
【0032】
また、基板部材30には、その基板部材30の厚み方向(Z方向)を貫通するように、基板貫通孔34が設けられている。基板貫通孔34は、
図2および
図5に示すように、ネジ120を挿通させるための孔である。この基板貫通孔34は、矩形状の基板部材30において、弧状切欠部32とは異なる対角方向に沿うように一対設けられている。加えて、基板貫通孔34は、上述した蓋貫通孔26と連通する位置に設けられている。
【0033】
また、基板部材30には、位置決め孔35も設けられている。位置決め孔35は、後述する位置決めボス92aが挿し込まれる孔である。なお、位置決め孔35は、基板部材30を貫通していなくても良い。
【0034】
図2および
図5に示すように、回路基板31の中央部には、LED(Light Emitting Diode)素子33が実装されていて、光を光学レンズ部材70に向けて出射可能としている。この回路基板31には、ケーブル60の端末部61がたとえば半田付けやその他の手法(たとえば溶接等)といった手法にて、回路パターンの実装部位31aに対して電気的に接続されている。それにより、ケーブル60からLED素子33に電力を供給し、該LED素子33を発光させることを可能としている。なお、LED素子33は、発光素子に対応する。
【0035】
また、回路基板31の下面側(Z2側の面側)には、放熱板40が取り付けられている。放熱板40は、回路基板31において発生した熱を外部に逃がす部分である。この放熱板40にも、柱状突起部25が位置する弧状切欠部41が設けられているが、その形状は、弧状切欠部32と同様となっている。なお、回路基板31と放熱板40とは、別々に設けられていても良い。その場合でも、後述する液状の充填材R1の充填後に、回路基板31と放熱板40とを重ねて配置した際に、回路基板31と放熱板40とが一体的に固着される状態となる。しかしながら、回路基板31と放熱板40とが一体的に固着されない状態であっても良い。
【0036】
また、基板部材30の外周縁部には、
図2に示すような封止部材50が取り付けられる。封止部材50は、途切れのない周状に設けられていると共に、基板部材30の外周縁部に倣った形状に設けられている。それにより、封止部材50は、基板部材30の外周縁部に密着する構成となっている。封止部材50は、たとえばシリコン樹脂といった弾性を有する樹脂を材質としている。封止部材50は、上述した蓋部材20の平板部21の上面(Z1側の面)と、後述する光学レンズ部材70のフランジ部90の下面(Z2側の面)との間に位置する。
【0037】
なお、封止部材50の厚みは、蓋部材20の平板部21の上面(Z1側の面)と、後述する光学レンズ部材70のフランジ部90の下面(Z2側の面)の間の寸法よりも大きく設けられている。したがって、蓋部材20と封止部材50をネジ120で固定すると、封止部材50が弾性的に変形する。そのため、封止部材50の内周側に向かい、その外周側から液体が浸入するのを防止可能となっている。
【0038】
[光学レンズ部材について]
次に、光学レンズ部材70について説明する。
図6は、光学レンズ部材70の構成を示す斜視図であり、光学レンズ部材70を下面側(Z2側の面側)から見た状態を示す斜視図である。
図6に示すように、光学レンズ部材70には、レンズ本体71と、筒状支持部80と、フランジ部90とを有している。この光学レンズ部材70は、光を透過させることが可能な透明材質(たとえばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、またはガラス等)から形成されている。しかしながら、光学レンズ部材70の全体を透明材質から形成せずに、光学レンズ部材70のレンズ本体71のみを透明材質から形成するようにしても良い。
【0039】
(レンズ本体について)
レンズ本体71は、全体として、上方側(Z1側)から下方側(Z2側)に向かうにつれて小径となるような略円錐形状(鐘形状)に設けられている。そして、最も下方側(Z2側)かつ小径の頂部72には、上述したLED素子33を位置させるための凹部73が設けられている。凹部73は、レンズ本体71の頂部72から上方側(Z1側)に向かうように窪んでいる。なお、凹部73の内壁面は、LED素子33から出射される光を入射させるための入射面74となっている。そして、入射面74から入射された光は、レンズ本体71の内周側面75により反射され、凸状の出射面76から外部に向かって出射される。
【0040】
(筒状支持部について)
また、筒状支持部80は、外観が円筒状に設けられているレンズ本体71を支持する部分である。この筒状支持部80は、その上端側(Z1側)において、レンズ本体71と一体的に連結されている。
【0041】
(フランジ部について)
また、筒状支持部80の下端側(Z2側)には、フランジ部90が一体的に連結されている。
図2および
図6に示すように、フランジ部90は、平面視したときに概ね矩形状に設けられているが、そのフランジ部90の1つの対角方向には、弧状切欠部91が設けられている。弧状切欠部91は、上述した弧状切欠部32と同様に、柱状突起部25が位置する部分であり、その柱状突起部25に対応した円弧形状に切り欠かれている。したがって、弧状切欠部91に柱状突起部25が位置することで、蓋部材20、基板部材30および光学レンズ部材70の間の位置決めがなされる構成となっている。
【0042】
また、フランジ部90の下面92からは、位置決めボス92aも突出している。この位置決めボス92aは、上述した位置決め孔35に挿し込まれる突起状の部分である。この位置決めボス92aが位置決め孔35に挿し込まれることで、ネジ120を後述するネジ穴92bに捻じ込む前の状態でも、回路基板31の位置決めを行うことができる。また、フランジ部90の下面92には、ネジ穴92bも設けられている。ネジ穴92bは、蓋貫通孔26および基板貫通孔34を挿通するネジ120を捻じ込む雌ネジである。なお、ネジ穴92bは有底のネジ穴である。ネジ穴92bを有底にすることにより、フランジ部90の上側からの水の侵入を防止することが可能となる。
【0043】
(周状突出部について)
図6に示すように、フランジ部90の下面92(Z2側の面)の周縁部には、弧状切欠部91および後述する防水張出部94を除いて、下方側(Z2側)に向かって突出する周縁突出部93が設けられている。周縁突出部93は、上述した封止部材50の位置決めをなす部分であり、またネジ120の締め付けにより周縁突出部93が上述した平板部21の上面側(Z1側)と突き合わされる部分である。
【0044】
また、フランジ部90には、防水張出部94も設けられている。防水張出部94は、
図2に示すように、上方側(Z1側)およびレンズ本体71の中心から離れる側に突出する部分であり、その外観は、フランジ部90の他の部分からボックス状に突出した部分となっている。
図2に示す構成では、防水張出部94は一対設けられていて、それら一対の防水張出部94を結ぶ線は、レンズ本体71の中心を通るように設けられている。また、それぞれの防水張出部94は、フランジ部90の幅方向(Y方向)に沿う周縁部の概ね中央部分から長手方向(X方向)に向かって突出している。しかしながら、防水張出部94は、このような構成には限られず、フランジ部90の周縁部のいずれの位置からでも、レンズ本体71の中心から離れる側に向かって、張り出していても良い。
【0045】
(第1横溝部、第2横溝部、リング溝およびその周辺構成について)
以下、第1横溝部100、第2横溝部101、リング溝104およびその周辺構成について説明する。なお、第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104は、横溝部に対応する。また、これら第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104には、たとえばシリコン樹脂といった樹脂を材質とする充填材R1が充填される。それにより、外部から内筒部81(収納空間に対応)に向かう液体の侵入が阻止され、防水性が図られる構成となっている。
【0046】
なお、充填材R1は、シリコン樹脂には限られず、各種の合成樹脂またはゴム材を用いることが可能である。これら各種の合成樹脂またはゴム材の中でも、液状で第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104に充填可能なものが好ましい。具体的には、シリコン樹脂、フッ素ゴム(フッ素樹脂)、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エポキシ樹脂等が挙げられるが、これら以外のものであっても良い。
【0047】
図6に示すように、防水張出部94を下方側(Z2側)から見た場合、壁状の外壁部95と、同じく壁状の第1隔壁部97(隔壁部に対応)が設けられていて、これら外壁部95と周縁突出部93(第1隔壁部97)を連結する連結壁部99も設けられている。すなわち、周縁突出部93、外壁部95、第1隔壁部97および連結壁部99は、後述する外壁挿通溝96および第1挿通溝98で隔てられる部位を除いて、一体的に連続するように設けられている。なお、これら周縁突出部93、外壁部95および第1隔壁部97の下方側(Z2側)における高さ位置は、同程度となっている。
【0048】
これらのうち、外壁部95と第1隔壁部97とは、周縁突出部93と同じく幅方向(Y方向)に延伸するように設けられている。一方、連結壁部99は、外壁部95および第1隔壁部97の延伸方向と直交するX方向に延伸するように設けられている。
【0049】
(第1横溝部およびその周辺構成について)
ここで、外壁部95と第1隔壁部97の間には、第1横溝部100が設けられている。第1横溝部100は、Y方向を長手とする凹状の溝部分である。本実施の形態では、第1横溝部100は、直方体状の溝形状となっている。
【0050】
この第1横溝部100に連通するように、外壁部95には、外壁挿通溝96が設けられている。外壁挿通溝96は、外壁部95の下端側(Z2側)から上方側(Z1側)に向かうように窪んだ部分であり、この外壁挿通溝96にはケーブル60が挿通される。しかしながら、外壁挿通溝96の最も上端部(Z1側の端部)は、第1横溝部100の溝底部100a(Z1側の底面)にまでは到達していないので、溝底部100aとケーブル60との間には、所定の隙間L1(後述する
図7参照)が存在するように設けられている。ただし、このような隙間L1が存在しない状態としても良い。
【0051】
なお、隙間L1を形成することにより、溝底部100aとケーブル60との間に充填剤R1を充填することが可能となり、結果として、ケーブル60の周囲を完全に充填剤R1で覆うことが可能となる。上記構成により、ケーブル60と第1横溝部100との間の空間を完全に埋めることが可能となるため、防水性をより一層高めることが可能となる。
【0052】
また、外壁部95の形成される防水張出部94は、フランジ部90のレンズ本体71の中心から離れる側に突出する部分として形成されている。そのため、外壁部95は、防水張出部94が形成されていないフランジ部90の外周よりも外側(レンズ本体71の中心から離れる側)に形成されている。つまり、外壁部95は、レンズ本体71の中心に近い位置に配置される基板部材30の実装部位31aに対して、より離れた位置に配置されていることになる。外壁部95は、ケーブル60を外部から導入する導入部としての開口部である外壁挿通溝96が形成されており、当該外壁挿通溝96は、外部から水が浸入する際の主要な水の侵入経路の入り口となり得る。そのため、その水の侵入経路の入り口となり得る当該外壁挿通溝96の形成された外壁部95を、水との接触を避けなければならない基板部材30の実装部位31aからより離れた位置に配置できることにより、より防水性を高めることが可能となる。また、電気的接続部である実装部位31aから離れた位置にある外壁挿通溝96でケーブル60を固定することにより、外壁挿通溝96よりも内側のケーブル60の長さを確保できる。そのため、フランジ部90の外部からケーブル60に対して伝達される外力を、内側のケーブル60全体で分散して吸収できるため、実装部位31aに対して生じる外力による負荷より小さくすることが可能となる。
【0053】
また、第1隔壁部97にも、上述した外壁挿通溝96と同様の第1挿通溝98(挿通溝に対応)が設けられている。この第1挿通溝98にも、ケーブル60が挿通される。このため、第1挿通溝98は、その形状および高さが外壁挿通溝96と同様に設けられている。したがって、第1挿通溝98についての詳細な説明は省略する。
【0054】
なお、後述する
図7において破線で示すように、ケーブル60の直径よりも第1挿通溝98の上下方向(Z方向)の寸法は大きく設けられている。したがって、液状の充填材R1を充填する際に、ケーブル60と第1挿通溝98との間の隙間からは、充填材R1が流れる流通路となっている。また、
図3に示すように、第1隔壁部97の下端面(Z2側の面)と、平板部21(張出部22)の上面との間には、若干の隙間L4が設けられている。しかしながら、かかる隙間が存在せずに、両者が突き合わされる構成を採用しても良い。
【0055】
なお、第1隔壁部97および外壁部95と平板部21(張出部22)との間に若干の隙間L4が設けられることにより、フランジ部90の下面92と当接する面を、蓋部材20の平板部21(張出部22)の上面ではなく、基板部材30の上面(Z1側の面)となる。つまり、第2隔壁面102および内周隔壁105を含む下面92と基板部材30の上面とが突き合わされることとなる。このような構成を取ることにより、第2隔壁部102と内周隔壁105とが基板部材30との間で強く当接するため、各隔壁部の外側からの水の侵入を防ぎ、更に、各隔壁部の間に配置されるリング溝104に注入される充填剤R1により、一層の防水が可能となる。
【0056】
図7は、照明モジュール10のうち防水張出部94および張出部22の幅方向(Y方向)に沿う断面を示す図である。
図3および
図7に示すように、第1横溝部100には、突出部23が挿し込まれる。このとき、第1横溝部100の下方側(開口側;Z2側)は、平板部21で蓋をされた状態となる。また、突出部23の上端面(Z1側の面)と、第1横溝部100の溝底部100a(Z1側の底面)との間には、隙間L2が存在する。かかる隙間L2と上述したテーパ部23aの存在により、充填材R1を、平板部21で閉じられた第1横溝部100の全体に行き渡らせ易くなっている。また、隙間L2を形成することにより、フランジ部90の下面92と当接する面を、蓋部材20の平板部21(張出部22)の上面ではなく、基板部材30の上面(Z1側の面)となる。つまり、第2隔壁面102および内周隔壁105を含む下面92と基板部材30の上面とが突き合わされることとなる。
【0057】
ここで、
図6に示すように、第1横溝部100の内部には、外壁部95の外側から外壁挿通溝96を介してケーブル60が挿通され、さらに第1隔壁部97の第1挿通溝98を介して後述する第2横溝部101にケーブル60が挿通している。そして、
図7に示すように、ケーブル60は、外壁挿通溝96および第1挿通溝98の最も上端部(Z1側の端部)により、上方側(Z1側)の位置が位置決めされている。また、ケーブル60は、突出部23の凹溝部24の最も下端部(Z2側の端部)により、下方側(Z2側)の位置が位置決めされている。すなわち、ケーブル60は、U字形状の凹溝部24と、同じくU字形状の外壁挿通溝96および第1挿通溝98によって、第1横溝部100の上下方向(Z方向)の位置決めがされ、しかも溝底部100aと平板部21の上面のいずれに対してもケーブル60が非接触の状態となっている。
【0058】
(第2横溝部、リング溝およびその周辺構成について)
図8は、照明モジュール10のうち第2横溝部101の幅方向(Y方向)に沿う断面を示す図である。
図6および
図8に示すように、第1隔壁部97よりもレンズ本体71の中心側には、第2横溝部101が設けられている。この第2横溝部101は、上述した第1横溝部100と同様に、Y方向を長手とする凹状の溝部分である。しかしながら、第2横溝部101は、第1横溝部100のような直方体状の溝形状ではなく、その延伸方向(Y方向)の両端側が傾斜した傾斜部101aを有すると共に、一対の傾斜部101aの間に溝底部101b(Z1側の底面)を有している。したがって、第2横溝部101の断面形状は、
図8に示すような台形状に設けられている。
【0059】
なお、
図3に示すように、溝底部101bの高さ方向(Z方向)の位置は、溝底部100aと同程度の高さ位置となるように設けられている。すなわち、外壁挿通溝96の下端面(Z2側の面)からは、溝底部100aと溝底部101bとは同程度の高さだけ離れている。
【0060】
図9は、照明モジュール10のうちリング溝104の幅方向(Y方向)に沿う断面を示す図である。
図3、
図6および
図8に示すように、第2横溝部101よりもレンズ本体71の中心側には、第2隔壁部102(隔壁部に対応)が設けられている。また、
図3、
図6および
図9に示すように、第2隔壁部102よりもレンズ本体71の中心側には、リング溝104が設けられている。第2隔壁部102は、第2横溝部101とリング溝104の間に位置して、これら第2横溝部101とリング溝104とを仕切る壁状の部分である。なお、第2隔壁部102にも、ケーブル60を挿通させる第2挿通溝103(挿通溝に対応)が形成されていて、その第2挿通溝103は、外壁挿通溝96および第1挿通溝98と、長手方向(X方向)において同一直線となるように配置されている。しかしながら、第2挿通溝103は、外壁挿通溝96および第1挿通溝98に対して、同一直線となる位置から多少ずれた位置に配置されていても良い。
【0061】
なお、外壁挿通溝96と第1挿通溝98と第2挿通溝103とを長手方向(X方向)において同一直線となるように配置することで、ケーブル60を不用意に曲げる必要が無くなり、ケーブル60に負荷を与えずに済む。また、ケーブル60を曲げると、曲がった状態からまっすぐな状態へ戻ろうとする弾性力が発生し、その弾性力が周囲の充填剤R1との密着性を阻害する要因となり得る。以上により、ケーブル60を曲げないよう、外壁挿通溝96と第1挿通溝98と第2挿通溝103とを長手方向(X方向)において同一直線となるように配置することが望ましい。
【0062】
ここで、
図3および
図6に示すように、第2隔壁部102の溝底部101bから下端部(Z2側の端部)までの寸法は、第1隔壁部97の溝底部101bから下端側(Z2側)までの寸法よりも短く設けられていて、その第2隔壁部102の下端部は、フランジ部90の下面92と面一となるように設けられている。
図3に示すように、下面92は、基板部材30の上面に対して突き合わされた状態となっているので、第2隔壁部102も基板部材30の上面に対して突き合わされた状態となっている。上記構成により、第2隔壁部102を基板部材30の上面に密接させることが可能となり、第2隔壁部102の外側からの水の侵入を防ぐことが可能となる。
【0063】
ここで、
図8に示すように、第2挿通溝103の最も上端部(Z1側の端部)は、上述した外壁挿通溝96および第1挿通溝98と同様に、第2横溝部101の溝底部101bにまでは到達していない。このため、溝底部101bとケーブル60との間には、所定の隙間L3が存在するように設けられている。ただし、このような隙間L3が存在しない状態としても良い。なお、隙間L3は上述の隙間L1と同じ高さとなっているが、異なる高さとなっていても良い。なお、隙間L3を形成することにより、前述の隙間L1と同等の効果を発揮することが可能となる。
【0064】
図6に示すように、リング溝104は、第2隔壁部102よりもレンズ本体71側に位置すると共に、
図3に示すように、筒状支持部80とフランジ部90の付け根の部位に位置している。このリング溝104は、フランジ部90の下面92から所定深さだけ窪んだ環状の溝となっている。かかるリング溝104を形成するために、リング溝104と筒状支持部80の内筒部81との間には、上述した下面92と同一高さ(面一)の内周隔壁105(隔壁部に対応)が設けられている。
【0065】
この内周隔壁105には、上述した外壁挿通溝96、第1挿通溝98、第2挿通溝103と同様の内周挿通溝106(挿通溝に対応)が設けられている。内周挿通溝106は、上述した外壁挿通溝96、第1挿通溝98および第2挿通溝103と、長手方向(X方向)において同一直線となるように配置されているが、同一直線となる位置から多少ずれた位置に配置されていても良い。なお、前述した外壁挿通溝96、第1挿通溝98および第2挿通身103の関係と同様に、内周挿通溝106についてもケーブル60を曲げないよう、他の挿通溝と長手方向(X方向)において同一直線となるように配置することが望ましい。
【0066】
ここで、リング溝104の底部のうち大部分を占める周状底部104aは、ケーブル60が挿通するような内周挿通溝106と面する部位ではないので、比較的浅く設けられている。すなわち、リング溝104においては、下面92から周状底部104aまでの高さ方向(Z方向)の寸法は、下面92から溝底部101bまでの高さ方向(Z方向)の寸法よりも小さく設けられている。
【0067】
一方、リング溝104のうち、内周挿通溝106と面する部位はケーブル60が挿通する部分であるので、そのリング溝104の深さは深く設けられている。この部分の底部を奥底部104bとする。
図3に示すように、奥底部104bから第2隔壁部102の下端部(Z2側の端部)までの寸法は、上述した第2横溝部101の溝底部101bから第2隔壁部102の下端部(Z2側の端部)までの寸法と同程度に設けられている。
【0068】
また、周状底部104aと奥底部104bを接続するために、これらの間には、上述した傾斜部101aと同様の一対の傾斜部104cが設けられている。
【0069】
[照明モジュールの製作について]
以上のような構成の照明モジュール10を製作する場合、回路基板31の実装部位31aに対して、端末部61をはんだ付けする。それにより、回路基板31とケーブル60とを一体的に取り付け可能な状態としておく。
【0070】
次に、光学レンズ部材70の下面92側が鉛直方向の上側となるように裏返した状態で、製作用の治具にセットする。このとき、内周隔壁105に存在する内周挿通溝106、および外壁部95に存在する外壁挿通溝96は、治具等で閉塞して、液状の充填材R1が漏れない状態とする。この状態で、液状の充填材R1を、リング溝104、第2横溝部101および第1横溝部100に充填する。たとえば、リング溝104に液状の充填材R1を充填すると、そのリング溝104から液状の充填材R1が、第2挿通溝103を介して第2横溝部101に入り込み、さらに第1挿通溝98を介して第1横溝部100に入り込む。なお、内周挿通溝106側へ充填剤R1の一部を漏れ出させて、内周挿通溝106とケーブル60との間にも充填剤R1が入り込むようにしても良い。また、ケーブル60と基板部材30の上面との間に多少の隙間を設け、充填剤R1がケーブル60と基板部材30の上面との間にも的確に充填可能なように構成しても良い。
【0071】
上述の液状の充填材R1の後に、位置決めボス92aを位置決め孔35に挿し込むようにして、回路基板31を下面92と突き合わせるようにする。このとき、はんだ付けによって回路基板31と一体的に設けられているケーブル60は、外壁挿通溝96、第1挿通溝98、第2挿通溝103、内周挿通溝106に入り込み、内筒部81と照明モジュール10の外部とに亘るように配置される。
【0072】
次に、回路基板31に重ねるように、放熱板40を配置する。このとき、回路基板31と放熱板40との間に、液状の充填材R1が介在すると、回路基板31と放熱板40とが一体的に接着された基板部材30が形成される。しかしながら、このような接着がなされない状態としても良い。
【0073】
この放熱板40の配置の後に、基板部材30の外周縁部に位置するように、封止部材50を配置する。このとき、封止部材50は、第2横溝部101の下方側(Z2側;
図3参照)に位置する状態となる。
【0074】
上述した封止部材50の配置の後に、蓋部材20を基板部材30およびフランジ部90の下面92側(Z2側)に重ね合わせるようにする。この重ね合わせにおいては、柱状突起部25が弧状切欠部91および弧状切欠部32に位置する状態として、蓋部材20の光学レンズ部材70および基板部材30に対する位置決めを行うようにする。また、このとき、突出部23が第1横溝部100に挿入され、突出部23の凹溝部24にケーブル60が入り込む状態となる。
【0075】
そのような重ね合わせ状態で、蓋貫通孔26の開口にネジ120を挿し込み、そのネジ120を押し込むことで、該ネジ120は蓋貫通孔26および基板貫通孔34を貫通し、さらにネジ穴92bに入り込む。この状態で、ネジ120を捻じ込んで、蓋部材20を光学レンズ部材70に対して固定する。ネジ120を締めることにより蓋部材20がフランジ部90に対して押圧される。それにより、フランジ部90と蓋部材20との間に配置される基板部材30の上面とフランジ部90の下面92とを密着させることが可能となる。基板部材30の上面とフランジ部90の下面92とが密着することで、仮に、基板貫通孔34から基板部材30の上面側に水が侵入しても、素子33や基板部材30とケーブル60との電気接点にまで水が及ばないようにすることができる。また、必要に応じてネジ120と蓋貫通口26との間に別途充填剤を注入して、ネジ120と蓋貫通口26との間からの浸水を防止することも可能である。
【0076】
そして、所定時間が経過すると、液状の充填材R1が硬化する。それにより、
図1に示すような照明モジュール10が形成される。なお、液状の充填材R1が硬化した場合、硬化後の充填材R1は、第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104に入り込んだ状態となり、さらに外壁挿通溝96、第1挿通溝98、第2挿通溝103、内周挿通溝106の隙間部分、および凹溝部24の隙間部分にも入り込む。特に、硬化後の充填材R1が第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104に入り込んだ状態で硬化することで、硬化後の充填材R1は三重の防水壁を形成する状態となる。このため、防水の確実性が非常に高くなる。
【0077】
[効果について]
以上のような構成の照明モジュール10は、光を出射するLED素子33(発光素子)が実装されている基板部材30と、レンズ本体71を有し、LED素子33(発光素子)が収納される内筒部81(収納空間)を備えると共に、内筒部81(収納空間)を周方向の全周に亘って囲むフランジ部90を備える光学レンズ部材70と、光学レンズ部材70との間で基板部材30を挟み込む蓋部材20と、基板部材30に電気的に接続されてLED素子33(発光素子)に電力を供給するケーブル60と、を有している。そして、フランジ部90には、ケーブル60の延伸方向に交差すると共に該ケーブル60が横切る状態で配置される少なくとも1つの凹状の横溝部(第1横溝部100、第2横溝部101、リング溝104のうちの少なくとも1つ)が設けられている。かかる横溝部(第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104のうちの少なくとも1つ)と内筒部81(収納空間)との間には隔壁部(第1隔壁部97、第2隔壁部102および内周隔壁105のうちの少なくとも1つ)が設けられ、該隔壁部(第1隔壁部97、第2隔壁部102および内周隔壁105のうちの少なくとも1つ)にはケーブル60を挿通させる挿通溝(第1挿通溝98、第2挿通溝103および内周挿通溝106のうちの少なくとも1つ)が設けられる。これと共に、横溝部(第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104のうちの少なくとも1つ)および挿通溝(第1挿通溝98、第2挿通溝103および内周挿通溝106のうちの少なくとも1つ)には充填材R1が充填されると共に、横溝部(第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104のうちの少なくとも1つ)では充填材R1がケーブル60の全周に亘って配置されている。
【0078】
このため、横溝部(第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104のうちの少なくとも1つ)では、ケーブル60の周方向の全周を覆うように充填材R1が設けられるので、ケーブル60は、壁状の充填材R1を貫く状態で内筒部81(収納空間)に向けて延伸する状態となるので、内筒部81(収納空間)側には液体が侵入し難くなり、防水性を向上させることが可能となる。
【0079】
また、ケーブル60は、隔壁部(第1隔壁部97、第2隔壁部102および内周隔壁105のうちの少なくとも1つ)に存在する挿通溝(第1挿通溝98、第2挿通溝103および内周挿通溝106のうちの少なくとも1つ)を介して内筒部81(収納空間)に向けて確実に延伸させることができる。加えて、ケーブル60が挿通する挿通溝(第1挿通溝98、第2挿通溝103および内周挿通溝106のうちの少なくとも1つ)にも、充填材R1が充填されるので、内筒部81(収納空間)側には液体が侵入し難くなり、防水性を向上させることが可能となる。
【0080】
さらに、ケーブル60は、隔壁部(第1隔壁部97、第2隔壁部102および内周隔壁105のうちの少なくとも1つ)に存在する挿通溝(第1挿通溝98、第2挿通溝103および内周挿通溝106のうちの少なくとも1つ)を挿通するが、このような挿通溝(第1挿通溝98、第2挿通溝103および内周挿通溝106のうちの少なくとも1つ)をケーブル60が挿通しない場合と比較して、ケーブル60は、フランジ部90の内部側において、移動(揺動)し難い状態とすることができる。このため、ケーブル60のフランジ部90の内部側での移動(揺動)により、ケーブル60と充填材R1との間で剥離が生じて隙間が形成され、防水性が低下するのを防止可能となる。
【0081】
また、本実施の形態では、フランジ部90には外壁部95が設けられていて、この外壁部95はフランジ部90と外部とを隔て、かつケーブル60を外部から挿通させる外壁挿通溝96を有している。また、隔壁部(第1隔壁部97)には、横溝部に対応する第1横溝部100を挟んで外壁部95と対向しかつ第1横溝部100と連通すると共に挿通溝に対応する第1挿通溝98を有する第1隔壁部97が設けられている。また、第1挿通溝98は、外壁挿通溝96と共に直線状のケーブル60の延伸方向に沿って設けられている。
【0082】
このため、第1横溝部100においては、ケーブル60は、壁状の充填材R1を貫く状態で内筒部81(収納空間)に向けて延伸する状態となるので、内筒部81(収納空間)側には液体が侵入し難くなり、防水性を向上させることが可能となる。また、ケーブル60は、外壁挿通溝96と第1挿通溝98を挿通するので、ケーブル60はこれら2箇所の挿通溝(外壁挿通溝96および第1挿通溝98)により、フランジ部90の内部側で、移動(揺動)するのを防止可能となる。したがって、ケーブル60がフランジ部90の内部側で一層移動(揺動)し難い状態とすることができる。それにより、ケーブル60と充填材R1との間で剥離が生じて隙間が形成され、防水性が低下するのを一層防止可能となる。
【0083】
また、本実施の形態では、蓋部材20は、平板状に設けられている平板部21と、該平板部21の表面から突出する突出部23とを有すると共に、突出部23にはケーブル60を挿通させる凹溝部24が設けられている。これと共に、凹溝部24は外壁挿通溝96および第1挿通溝98と共に直線状のケーブル60の延伸方向に沿って設けられていて、突出部23は凹溝部24にケーブル60が入り込んだ状態で第1横溝部100に挿入され、凹溝部24は充填材が入り込む。
【0084】
このため、第1横溝部100においては、突出部23が挿入されるので、
図3に示すように、第1横溝部100内では、ラビリンス状の経路が形成され、そのラビリンス状の経路に充填材R1が充填されるので、防水性を一層高めることが可能となる。また、ケーブル60は、外壁挿通溝96および第1挿通溝98とは反対側から凹溝部24に挿入される状態となるので、ケーブル60は上下方向(Z方向)の両方側から挟み込まれる状態となり、ケーブル60がフランジ部90の内部側で一層移動(揺動)し難い状態となる。したがって、ケーブル60と充填材R1との間で剥離が生じて隙間が形成され、防水性が低下するのを一層確実に防止可能となる。
【0085】
また、本実施の形態では、フランジ部90には、内筒部81(収納空間)と内周隔壁105を隔てて凹形状であると共に内筒部81(収納空間)を環状に囲むリング溝104が設けられている。また、内周隔壁105には、ケーブル60を挿通させると共に内筒部81(収納空間)と連通する内周挿通溝106が設けられていて、内周挿通溝106は、外壁挿通溝96、凹溝部24および第1挿通溝98と共に直線状のケーブル60ルの延伸方向に沿って設けられていて、リング溝104および内周挿通溝106には、充填材R1が充填される。なお、外壁部95、第1隔壁部97および周辺突出部93は、基板部材30の上面よりも下側(Z2側)に延びている。また、突出部23は、基板部材30の上面より上側(Z1側)に延びている。このように構成することで、外壁部95、第1隔壁部97、周辺突出部93および突出部23の先端が基板部材30の上面と同一面にある場合に比べて、基板部材30防水性を一層高めることが可能となる。
【0086】
かかる環状のリング溝104に充填材R1が充填されることにより、ケーブル60が挿通する部位以外でも、水等の液体が内筒部81(収納空間)に侵入するのを防止可能となる。また、水等の液体が侵入し易いケーブル60の挿通部位では、リング溝104が存在して、そのリング溝104に充填材R1が充填されることで、防水性を一層高めることが可能となる。また、ケーブル60は、内周挿通溝106に挿入されることにより、ケーブル60はフランジ部90の内部側で一層移動(揺動)し難い状態となる。それにより、ケーブル60と充填材R1との間で剥離が生じて隙間が形成され、防水性が低下するのを一層確実に防止可能となる。
【0087】
また、本実施の形態では、
図3に示すように、外壁部95および第1隔壁部97は、内周隔壁105よりも突出して設けられている。このため、外壁部95と第1隔壁部97とで囲まれた第1横溝部100の深さは、リング溝104の深さよりも深くなり、第1横溝部100における充填材R1の充填量を多くすることが可能となる。それにより、第1横溝部100における防水性を向上させることが可能となる。
【0088】
また、本実施の形態では、第1横溝部100とリング溝104の間には、ケーブル60の延伸方向に交差すると共に該ケーブル60が横切る状態で配置される凹状の第2横溝部101が設けられ、第2横溝部101とリング溝104との間には隔壁部に対応する第2隔壁部102が設けられている。また、第2隔壁部102にはケーブル60を挿通させる第2挿通溝103が設けられると共に、第2挿通溝103は、外壁挿通溝96、凹溝部24、第1挿通溝98および内周挿通溝106と共に直線状のケーブル60の延伸方向に沿って設けられていて、第2横溝部101および第2挿通溝103および第2挿通溝103には充填材R1が充填される。
【0089】
このため、第2横溝部101においても、ケーブル60は、壁状の充填材R1を貫く状態で内筒部81(収納空間)に向けて延伸する状態となるので、外壁部95側から内筒部81(収納空間)側に向かうと、第1横溝部100に充填された壁状の充填材R1、第2横溝部101に充填された壁状の充填材R1、およびリング溝104に充填された壁状の充填材R1という、三重の壁状の充填材R1が存在する。このため、内筒部81(収納空間)側には液体が一層侵入し難くなり、防水性を一層向上させることが可能となる。
【0090】
また、ケーブル60は、第2挿通溝103にも挿通されるので、ケーブル60は、外壁挿通溝96、凹溝部24、第1挿通溝98および内周挿通溝106と共に合計5箇所の溝部分で支持される。したがって、フランジ部90の内部側でケーブル60が移動(揺動)するのを一層確実に防止可能となる。したがって、ケーブル60がフランジ部90の内部側で一層移動(揺動)し難い状態とすることができる。それにより、ケーブル60と充填材R1との間で剥離が生じて隙間が形成され、防水性が低下するのを一層防止可能となる。
【0091】
また、本実施の形態では、第2横溝部101には、その両端側に向かうにつれて深さが徐々に浅くなる傾斜部101a(
図6、
図8参照)が設けられている。かかる傾斜部101aの存在により、ケーブル60から離れた部位での充填材R1の充填量を低減することが可能となる。また、第2横溝部101に充填された充填材R1と、傾斜部101aとの間に隙間が生じた場合には、傾斜部101aは光を反射する等、光学的な変化を生じさせることができる。したがって、充填材R1の充填が十分か否かの目視検査等において、不十分な充填量の充填材R1を発見し易くなる。なお、第1横溝部100の両端側に、端部に向かうにつれて深さが徐々に浅くなる傾斜部を設けてもよい。
【0092】
また、本実施の形態では、第1挿通溝98および第2挿通溝103の最大深さは、第1横溝部100および第2横溝部101の最大深さよりも浅く設けられている。このため、第1挿通溝98および第2挿通溝103をケーブル60が挿通する場合に、第1横溝部100の底部(溝底部100a)および第2横溝部101の底部(溝底部101b)とケーブル60の間に隙間を形成することができる。そのため、上記の隙間に充填材R1を充填させることができるので、第1横溝部100および第2横溝部101の内部では、ケーブル60の周囲を充填材R1で覆うことができる。したがって、内筒部81(収納空間)側には、ケーブル60に沿って水等の液体が一層侵入し難くなり、防水性を一層向上させることが可能となる。
【0093】
また、本実施の形態では、基板部材30の外周縁部には、弾性を有する樹脂を材質とする封止部材50が取り付けられていて、封止部材50の厚みは基板部材30の厚みよりも厚く設けられている。
【0094】
このように、基板部材30の厚みよりも厚い封止部材50の存在により、ケーブル60が挿通する部位以外でも、水等の液体が内筒部81(収納空間)に侵入するのを一層確実に防止可能となる。
【0095】
また、本実施の形態では、基板部材30のうち封止部材50の内周側かつリング溝104の外周側に対応する部位には、基板部材30を貫く基板貫通孔34が設けられていて、光学レンズ部材70と蓋部材20とは、これらを貫くネジ120(締結手段)によって締結されると共に、ネジ120(締結手段)は基板貫通孔34に挿通されている。
【0096】
このため、ネジ120(締結手段)は、リング溝104よりも外周側において基板貫通孔34に挿通された状態で、蓋部材20と光学レンズ部材70とを締結している。このため、仮に蓋部材20側からネジ120(締結手段)を介して水等の液体が侵入しようとしても、リング溝104に充填された充填材R1により、内筒部81(収納空間)側への水等の液体の侵入を確実に防止することができる。
【0097】
[変形例]
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0098】
上述の実施の形態においては、光学レンズ部材70は、筒状支持部80を有する構成としている。しかしながら、光学レンズ部材は筒状支持部を備えない構成を採用しても良い。たとえば、
図3において、レンズ本体71を大型化して大きな凹部73を備えると共に、頂部72の周囲からフランジ部90が外周側に延出する構成を採用しても良い。
【0099】
また、上述の実施の形態では、単独の照明モジュール10について説明している。しかしながら、ケーブル60を介して複数の照明モジュール10を連結し、これら複数の照明モジュール10が点灯可能な照明装置としても良い。なお、かかる照明装置においては、全ての照明モジュールが、本発明に係る照明モジュールであっても良いが、少なくとも1つの照明モジュールが本発明に係る照明モジュールであれば良い。
【0100】
また、上述の実施の形態では、第1横溝部100、第2横溝部101およびリング溝104といった三重の横溝部を備える構成について説明している。しかしながら、これらのうち少なくとも1つの横溝部を備える構成としても良い。
【0101】
また、上述の実施の形態では、ケーブル60は、合計4本図示されているが、たとえば同軸ケーブル等のように1本のみのケーブルが存在する構成でも良い。すなわち、ケーブルの本数が1本以上であれば、いずれの本数であっても、本発明を適用可能である。
【0102】
また、上述の実施の形態とは異なり、外壁部95および第1隔壁部97の高さは、平板部21の上面と面一としても良い。この場合には、外壁部95および第1隔壁部97の高さは、第2隔壁部102および内周隔壁105の高さと同一となる。
【0103】
また、上述の実施の形態とは異なり、張出部22を、平板部21よりも全体的に突出させる構成を採用しても良い。この場合には、張出部22が全体的に突出する分だけ、第1隔壁部97および第2隔壁部102の高さを低減することができるものの、横溝部の深さは、
図3に示すものと同様の深さとすることができる。
【0104】
また、上述の実施の形態では、ケーブル60の延伸方向はX方向に沿っているが、該ケーブル60の延伸方向は、Y方向と交差する方向であれば、X方向から多少ずれた方向であっても良い。この場合には、ケーブル60の延伸方向に対応させて、外壁挿通溝96、凹溝部24、第1挿通溝98、第2挿通溝103内周挿通溝106の配置および貫通方向を、X方向からずれた方向となるように変更することができる。