【解決手段】本発明の一側面に係るプリント回路基板は、第1基板100と、第1基板の一面から他面まで貫通するキャビティ120と、第1基板の他面に付着し、キャビティをカバーする第1補強部材130と、を含む。第1補強部材には、キャビティと重ならないホール131が形成される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るプリント回路基板及びカメラモジュールの実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、 添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに関する重複説明を省略する。
【0011】
また、以下で使用する第1、第2等の用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が第1、第2等の用語により限定されることはない。
【0012】
また、「結合」とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素が物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0013】
(プリント回路基板)
図1及び
図2は、本発明の様々な実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0014】
図1、
図2及び
図12を参照すると、本発明の実施例に係るプリント回路基板は、第1基板100及び第1補強部材130を含むことができる。第1基板100には、キャビティ120が形成され、第1補強部材130には、ホール131が形成されることができる。
【0015】
第1基板100は、絶縁層及び回路層C1、C2を備える積層体であって、絶縁層と回路層C1、C2とが交互に積層された構造を有することができる。第1基板100の厚さは、約0.2mmであってもよい。
【0016】
第1基板100は、硬軟性基板の硬性部であってもよい。ここで、絶縁層は、硬性絶縁層112と軟性絶縁層111とをすべて含むことができ、軟性絶縁層111の両面に硬性絶縁層112を積層することができる。軟性絶縁層111は、外部に延長することができる。また、最外層には、硬性絶縁層112が位置することができる。一方、第1基板100に形成された硬性絶縁層112を第1硬性絶縁層112と称することもある。第1基板100が軟性絶縁層111を含んでいても硬性絶縁層112を含むため、第1基板100は硬性部となることができる。
【0017】
一方、
図12に示すように、硬性絶縁層112及び軟性絶縁層111がそれぞれ複数形成されており、この場合にも硬性絶縁層112と軟性絶縁層111とは交互に積層されることができる。すなわち、軟性絶縁層111は、二つの硬性絶縁層112の間に位置することができる。この場合にも、最外層には硬性絶縁層112が位置することができる。
【0018】
軟性絶縁層111は、柔軟で屈曲が可能な絶縁物質で形成され、例えば、ポリイミド(Polyimideと、PI)で形成することができる。
【0019】
硬性絶縁層112は、軟性絶縁層111に比べて柔軟ではなく、屈曲しない絶縁物質で形成され、例えば、エポキシ(epoxy)樹脂で形成されることができる。特に、このエポキシ樹脂には、ガラス繊維等の繊維補強材が含浸されることができ、ガラス繊維が含浸されたエポキシ樹脂としては、プリプレグ(prepreg、PPG)を用いることができる。その他にも、硬性絶縁層112は、エポキシ樹脂にシリカ等の無機フィラーが含有されたABF(Ajinomoto Build up Film)、またはFR−4、BT(BismaleimideTriazine)等で形成されることができる。
【0020】
エポキシ樹脂としては、例えば、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、環型脂肪族系エポキシ樹脂、シリコン系エポキシ樹脂、窒素系エポキシ樹脂、リン系エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
一方、硬性絶縁層112には、複数の軟性絶縁層111を互いに接着するために、接着性のある物質が含有されてもよい。
【0022】
また、軟性絶縁層111の厚さは、硬性絶縁層112の厚さよりも小さくてもよいが、これに限定されず、互いに同一であってもよく、硬性絶縁層112の厚さが相対的に小さくてもよい。
【0023】
第1基板100は、ソルダーレジスト113をさらに備えることができる。ソルダーレジスト113は、最外層に位置する絶縁層上に形成され、回路層を保護することができる。ソルダーレジスト113には、最外層に位置する回路層C2の一部が露出するように、開口部114が形成されてもよい。開口部114を介して露出した部分に、ソルダーボールが形成されてもよく、このソルダーボールは、リフロー工程を経る。
【0024】
回路層C1、C2は、各絶縁層上に形成される回路パターンで形成された層であって、電気的特性に優れた銅(Cu)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)などの金属で形成可能である。
【0025】
回路層は、アディティブ法(additive)、サブトラクティブ法(subtractive)、セミアディティブ法(Semi additive)、テンティング法(Tenting)、MSAP(Modified Semi Additive Process)等の工法により形成可能であるが、これらの方式に限定されない。
【0026】
回路層C1、C2は、軟性絶縁層111の両面に形成される回路C1と、硬性絶縁層112上に形成される回路C2とに区分することができる。第1基板100は、複数の回路層を互いに接続するビアをさらに含むことができる。
【0027】
キャビティ120は、第1基板100の一面から他面まで貫通する部分であって、プリント回路基板の厚さ方向において、最上面(または最下面)を一面と言い、その反対面を他面と言える。すなわち、キャビティ120は、第1基板100の複数の絶縁層の全層を貫通する。
【0028】
キャビティ120は、素子150を挿入するためのものであって、
図2に示すように、イメージセンサ等の素子150がキャビティ120内部に位置することができる。キャビティ120内に挿入された素子150は、第1基板100の回路層に電気的に接続することができる。素子150は、接着部材160により固定されることができ、これについては後述する。
【0029】
キャビティ120は、複数形成することができる。複数のキャビティ120は、互いに離隔して位置することができる。
【0030】
第1補強部材130は、第1基板100の他面に付着され、キャビティ120をカバーする。素子150がキャビティ120内に挿入される前には、第1補強部材130の一面が上記キャビティ120を介して露出することができる。
【0031】
第1補強部材130は、プリント回路基板の強度を高める。すなわち、第1補強部材130は、プリント回路基板を支持し、プリント回路基板が垂れ下がたり、割れたりすることを防止することができる。また、キャビティ120内部に素子150が挿入される場合、第1補強部材130は、素子150が載置できる場所を提供する。特に、素子150が接着部材160で固定される場合、接着部材は、素子150と第1補強部材130との間に介在されることができる。ここで、接着部材160は、液状、フィルム状等様々に選択することができる。
【0032】
図3は、本発明の実施例に係るプリント回路基板の第1補強部材130を示す図である。
【0033】
図3を参照すると、第1補強部材130は、第1金属を含む合金層M1と、上記合金層M1の両面に形成され、第2金属で形成される金属層M2と、を含むことができる。ここで、第1金属は、銅(Cu)であり、合金層M1は、銅合金で形成された層であってもよく、第2金属としては、パラジウム(Pa)、ニッケル(Ni)、金(Au)等の金属を用いることができる。
【0034】
金属層M2の厚さは、合金層M1の厚さよりも著しく低い。ここで、合金層M1の両面には、粗化処理が行われて粗度を形成することができ、厚さが著しく低い金属層M2は、合金層M1の粗度面に沿って形成され、金属層M2の最外郭面にも粗度が形成されることができる。
【0035】
一方、第1補強部材130の厚さは、約0.15mmであってもよい。
【0036】
第1補強部材130には、ホール131が形成されることができる。ここで、ホール131は、第1補強部材130の面積を小さくして反りを制御するためのホール131である。このため、ホール131の個数及び大きさは、第1基板100の絶縁層の厚さ、層数、材料等の条件により異なり得る。
【0037】
図4から
図11は、本発明の実施例に係るプリント回路基板の第1補強部材130に形成されたホール131の様々な位置を示す図である。
図4から
図11は、第1補強部材130の他面(キャビティ120を介して露出する面の反対面)を示したものであって、キャビティ120を点線で表示した。
【0038】
図4を参照すると、ホール131は、複数形成することができ、キャビティ120と重ならないように形成することができる。また、反りが発生する領域に限ってホール131を集中的に形成することもできる。
【0039】
図5を参照すると、ホール131は、キャビティ120の周りに形成されることができる。キャビティ120の周りに形成されるとは、第1補強部材130とキャビティ120とがなす形状(
図4から
図11においては四角形)の外郭周辺に形成されることを意味し、特に、ホール131が複数形成される場合、
図5に示すように、第1補強部材130とキャビティ120とがなす形状の外郭に沿って、複数のホール131が順次に配列されることを意味する。
【0040】
図6を参照すると、キャビティ120が複数である場合、ホール131は、キャビティ120の周りにホール131が形成されるが、複数のキャビティ120の間を除いて形成されることができる。
【0041】
また、
図7を参照すると、
図6とは反対に、ホール131が複数のキャビティ120の間に形成されることができる。
【0042】
図8及び
図9に示すように、複数のキャビティ120の間だけではなく、キャビティ120の周りのうちの一部にホール131が形成されることができる。
【0043】
このように、ホール131がキャビティ120の周辺に形成される場合、反りの制御が容易になる。
【0044】
図10を参照すると、ホール131は、スリット(slit)形状を有することができる。ここで、'スリット'とは、細長い形状を意味する。すなわち、円形ではなく、短軸及び長軸を有する形状であり、両端部は曲線であり、その中間は直線であってもよい。
【0045】
このスリット形状のホール132は、互いに重なるように配置されてもよく、互いに重なるスリット形状のホール132は、
図10での「+」構造を有することができる。スリット形状のホール132もキャビティ120と重ならず、キャビティ120の周りに形成されることができる。
【0046】
一方、
図11を参照すると、第1補強部材130には反り制御目的のホール131以外に、カメラモジュールの結合のための結合ホールH、及びカメラモジュールの検査のためのホール131構造のテストポイント(test point)TPも形成することができる。この場合、結合ホールH及びテストポイントTPは、大きさや位置の側面から、反り制御目的のホール131と区分することができる。例えば、反り制御目的のホール131は、第1補強部材130の内側に位置し、結合ホールH及びテストポイントTPは、第1補強部材130の端に位置することができる。
【0047】
再び
図1を参照すると、第1基板100と第1補強部材130との間には、接着剤330、140が介在されることができる。すなわち、第1補強部材130は、接着剤140の接着性により第1基板100に付着されることができる。接着剤140は、導電性接着剤を用いることができ、第1基板100の回路層と第1補強部材130とが電気的に接続されるようにする媒介となり、第1補強部材130がグラウンド(ground)層の役割を担うことができる。接着剤140の厚さは、約0.04〜0.05mmであってもよい。
【0048】
一方、接着剤140は、完全硬化する前に流動性を有する材料を用いることができ、この場合、第1補強部材130が第1基板100に付着されるとき、接着剤140がホール131の内部に流入されることができる。接着剤140がホール131の内部に流入されると、第1補強部材130の第1基板100に対する付着力が大きくなり得る。
【0049】
第2基板200は、第1基板100に接続され、軟性絶縁層111及び回路層を含む。
【0050】
第2基板200の軟性絶縁層111は、第1基板100の軟性絶縁層111のうちの外部に延長された部分であることができる。第2基板200には、硬性絶縁層が形成されなくてもよい。すなわち、第2基板200は、硬軟性基板の軟性部であることができる。第2基板200の回路層C3は、第2基板200の軟性絶縁層111上に形成される回路パターンである。第2基板200は、軟性絶縁層111上に積層され、回路層を保護するカバーレイ(coverlay)210をさらに含むことができる。
【0051】
第1補強部材130は、第1基板100には付着されるが、第2基板200には付着されなくてもよい。第2基板200は、第1基板100と異なって、曲がる軟性部であるため、第1補強部材130が付着される必要がない。
【0052】
第3基板300は、第2基板200に接続され、軟性絶縁層111、回路層C4、C5及び硬性絶縁層312を含むことができる。第3基板300は、第1基板100と同様に、硬軟性基板の硬性部であることができる。第3基板300にはコネクター端子450が形成され、コネクター(connector)の役割を担うことができる。
【0053】
第3基板300の硬性絶縁層312は、第1基板100の硬性絶縁層112と区別するために、第2硬性絶縁層312とも言えるが、これは、第1基板100の硬性絶縁層112(第1硬性絶縁層112)と第3基板300の硬性絶縁層312(第2硬性絶縁層312)とが必ずしも異なる材料である必要はなく、第1硬性絶縁層112と第2硬性絶縁層312とは、同じ材料、同じ厚さを有することができる。
【0054】
一方、第3基板300の軟性絶縁層111は、第1基板100の軟性絶縁層111の外部に延長された部分であることができる。すなわち、第1基板100、第2基板200及び第3基板300の軟性絶縁層111は、一体に形成されたものであってもよい。
【0055】
第3基板300は、ソルダーレジスト層313をさらに含むことができる。ソルダーレジスト層313には、第3基板300の回路層C5の一部を露出させる開口部が形成されることができる。
【0056】
第3基板300には、第2補強部材320が付着されることができる。第2補強部材320は、接着部材330を介して第3基板300に付着されることができる。第2補強部材320は、第1補強部材130と同じ金属で形成されることができ、必要によって、第2補強部材320にも反りを制御するためのホール131が形成されることができる。一方、第2補強部材320には、保護のためのテープ(tape)が付着されてもよい。
【0057】
(カメラモジュール)
図13及び
図14は、本発明の実施例に係るカメラモジュールを示す図である。
【0058】
本発明の実施例に係るカメラモジュールは、プリント回路基板410と、イメージセンサ150と、レンズ420と、ハウジング430と、を含む。
【0059】
ここで、プリント回路基板は、イメージセンサ150が実装され、ハウジング430が載置するカメラモジュール用基板である。プリント回路基板に関する説明は、上述した通りである。
【0060】
プリント回路基板は、第1基板100及び第1補強部材130を含むことができる。第1基板100には、キャビティ120が形成され、第1補強部材130には、反りを制御するためのホール131が形成されることができる。
【0061】
プリント回路基板は、第2基板200及び第3基板300をさらに含むことができる。第2基板200は、第1基板100に接続され、第3基板300は、第2基板200に接続される。
【0062】
第1基板100及び第3基板300は、硬性であり、第2基板200は、軟性であるので、プリント回路基板は、硬軟性基板であることができる。
【0063】
第1補強部材130は、第1基板100に付着され、第2基板200には付着されず、第3基板300には第2補強部材320が付着されることができる。
【0064】
第1補強部材130及び第2補強部材320は、プリント回路基板に剛性、強度を付与することができ、第1補強部材130に形成されたホール131は、第1補強部材130の面積を小さくすることにより、プリント回路基板の反りを制御することができる。
【0065】
第1補強部材130及び/または第2補強部材320は、第1金属を含む合金層M1と、上記合金層M1の両面に形成され、第2金属で形成される金属層M2と、を含むことができる。ここで、第1金属は、銅(Cu)であり、合金層M1は、銅合金で形成された層であってもよく、第2金属としては、パラジウム(Pa)、ニッケル(Ni)等の金属を用いることができる。
【0066】
第1補強部材130のホール131の個数及び大きさは、第1基板100の絶縁層の厚さ、層数、材料等の条件により異なり得る。ホール131は、複数形成されることができ、キャビティ120と重ならないように形成されることができる。また、反りが発生する領域に限ってホール131を集中的に形成することもできる。
【0067】
ホール131は、キャビティ120の周りに形成されることができる。ホール131は、複数のキャビティ120の間に形成されることができる。ホール132は、スリット(slit)形状を有することができる。
【0068】
第1基板100と第1補強部材130との間には、接着剤140が介在されてもよい。すなわち、第1補強部材130は、接着剤140の接着性により第1基板100に付着されることができる。接着剤140は、導電性接着剤140を用いることができる。
【0069】
必要によって、第2補強部材320にも反りを制御するためのホール131を形成することができる。
【0070】
イメージセンサ150は、複数のピクセル(pixel)が集積した撮像素子である。
【0071】
ピクセルのそれぞれは、一種の光検出器であって、入射されたイメージを電気的信号に変換してデータ化することができる。変換されたデータは、プリント回路基板に形成されたイメージ処理部により処理されることができる。イメージセンサ150は、CCD、MOSFET等を含むことができる。
【0072】
イメージセンサ150は、キャビティ120内に挿入され実装されることができる。イメージセンサ150の厚さは、キャビティ120の厚さ以下であり、イメージセンサ150は、第1補強部材130上に載置され、イメージセンサ150と第1補強部材130との間に接着部材160が介在されることができる。イメージセンサ150がキャビティ120内に実装されることにより、プリント回路基板の全厚さが低減することができる。
【0073】
レンズ420は、対象物から来る光を集めたり、発散したりして光学的なイメージをイメージセンサ150に結ぶようにする。レンズ420は、イメージセンサ150の前に配置される。レンズ420は、複数であってもよく、複数のレンズ420は、光学イメージをイメージセンサ150に焦点が合うように、配置されることができる。レンズ420は、レンズバレルにより支持されることができる。
【0074】
ハウジング430は、レンズ420(またはレンズバレル)を支持し、プリント回路基板に結合することができる。ハウジング430は、プリント回路基板の第1基板100の上部に結合され、プリント回路基板にある結合ホールHと結合することができる。ハウジング430の内部には、レンズ420が設置されることができる。ハウジング430は、下部が開放され、内部に空間が形成されることができ、上面には、レンズ420を外部に露出するための開口が形成されることができる。
【0075】
カメラモジュール400は、シールドカン440をさらに含むことができる。シールドカン440は、ハウジング430を取り囲む箱構造の部品であって、スチール(ex. Stainless Steelと、steel use stainlessと、SUS)等の金属材質で形成され、カメラモジュール400に流入及び流出する電磁気波を遮蔽することができ、カメラモジュールに流入する異物を防止することができる。シールドカン440には、レンズ420に対応する部分に開口領域441が形成されることができる。
【0076】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加等により本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものといえよう。