【実施例】
【0014】
以下本発明の一実施例による周囲環境異常検知システムとして火災検知通信システムを説明する。
図1は、本実施例による火災検知通信システムを機能実現手段で現したブロック図である。
火災検知通信システムは、火災検知通信機器10、20と、火災検知通信機器10、20と通信可能な携帯端末90を有している。
【0015】
第1火災検知通信機器10は、自機器データを送信する第1送信手段11と、他機器データを受信する第1受信手段12と、自機器データ及び他機器データを記憶する第1記憶手段13と、第1送信手段11及び第1受信手段12を制御する第1制御手段14と、火災を検知する第1火災検知手段A1からの第1火災検知データを入力する第1火災検知データ入力手段15と、人の存在を検知する第1人感手段B1からの第1人感データを入力する第1人感データ入力手段16と、第1電源手段17とを備えている。
第1制御手段14では、第1火災検知データ入力手段15から第1火災検知データが入力されない状態では、第1送信手段11を待機状態とし、第1火災検知データ入力手段15から第1火災検知データが入力されるか、又は第1受信手段12で他機器データを受信すると、第1送信手段11を起動状態とする。
【0016】
第2火災検知通信機器20は、自機器データを送信する第2送信手段21と、他機器データを受信する第2受信手段22と、自機器データ及び他機器データを記憶する第2記憶手段23と、第2送信手段21及び第2受信手段22を制御する第2制御手段24と、火災を検知する第2火災検知手段A2からの第2火災検知データを入力する第2火災検知データ入力手段25と、人の存在を検知する第2人感手段B2からの第2人感データを入力する第2人感データ入力手段26と、第2電源手段27とを備えている。
第2制御手段24では、第2火災検知データ入力手段25から第2火災検知データが入力されない状態では、第2送信手段21を待機状態とし、第2火災検知データ入力手段25から第2火災検知データが入力されるか、又は第2受信手段22で他機器データを受信すると、第2送信手段21を起動状態とする。
【0017】
図1では、説明のために、第1火災検知通信機器10と第2火災検知通信機器20とだけを示しているが、3つ以上の火災検知通信機器を有することが好ましく、それぞれの火災検知通信機器は、建物の各部屋など、所定のエリア単位で設置され、例えばメッシュネットワークのような、ネットワークで相互に接続されている。
第1電源手段17及び第2電源手段27は、機器外から供給される商用電源ではなく、機器内に備えた一次電池又は二次電池である。下記で説明する第3電源手段37、第4電源手段47、第5電源手段57、及び第6電源手段67についても同様である。
携帯端末90は、消火作業を行う隊員が所持し、又は火災現場に向かう車両に備えている
【0018】
図2は、本実施例による火災検知通信システムでの処理流れを示すフロー図である。
第1火災検知通信機器10が火災を検知し、第2火災検知通信機器20が火災を検知しない場合について以下に説明する。
平常時には、第1火災検知通信機器10における第1制御手段14は第1送信手段11を待機状態とし(S1)、第2火災検知通信機器20における第2制御手段24は第2送信手段21を待機状態としている(S2)。
第1火災検知通信機器10における第1制御手段14では、火災を検知したか否かを判断する(S3)。S3において、火災を検知していない場合には、第1送信手段11を待機状態としたまま、火災検知を継続する。
S3において、第1火災検知データ入力手段15から第1火災検知データが入力されると、第1火災検知データを第1記憶手段13に記憶する(S4)。また、第1制御手段14は、第1送信手段11を起動状態として(S5)、第1火災検知データを第1送信手段11で送信する(S6)。
S5において、第1送信手段11が起動状態にある時には、第1制御手段14では、人を検知したか否かを判断する(S7)。S7において、人を検知していない場合には、人検知を継続する。なお、第1制御手段14は、第1送信手段11がS1における待機状態にある時には、第1人感データ入力手段16から人感データが入力されても、S7における判断を行わず、又はS7における判断を行ったとしても人感データを第1送信手段11で送信しない。
第1送信手段11が起動状態にある時に、第1人感データ入力手段16から人感データが入力されると、人感データを第1記憶手段13に記憶し(S8)。人感データを送信手段11で送信する(S9)。
【0019】
第2火災検知通信機器20における第2制御手段24では、他の火災検知通信機器(ここでは第1火災検知通信機器10)からの火災検知データを受信したか否かを判断する(S10)。S10において、火災検知データを受信していない場合には、第2送信手段21を待機状態としたまま、火災検知データの受信状態を継続する。
S10において、第2受信手段22で第1火災検知データを受信すると、第1火災検知データを第2記憶手段23に記憶する(S11)。また、第2制御手段24は、第2送信手段21を起動状態とし(S12)、第1火災検知データを第2送信手段21で送信する(S13)。
第2制御手段24では、他の火災検知通信機器(ここでは第1火災検知通信機器10)からの人感データを受信したか否かを判断する(S14)。S14において、人感データを受信していない場合には、人感データの受信状態を継続する。
S14において、第2受信手段22で人感データを受信すると、人感データを第2記憶手段23に記憶する(S15)。また、第2制御手段24は、人感データを第2送信手段21で送信する(S16)。
【0020】
携帯端末90からは端末データが送信される(S17)。
第1火災検知通信機器10における第1制御手段14では、携帯端末90からの端末データを受信したか否かを判断する(S18)。S18において、端末データを受信していない場合には、端末データの受信状態を継続する。
S18において、第1受信手段12が、携帯端末90から送信される端末データを受信すると、第1記憶手段13に記憶している第1火災検知データを第1送信手段11で送信する(S19)。
携帯端末90では、第1送信手段11で送信された第1火災検知データを受信し(S20)、記憶する(S21)。
第2火災検知通信機器20における第2制御手段24では、携帯端末90からの端末データを受信したか否かを判断する(S22)。S22において、端末データを受信していない場合には、端末データの受信状態を継続する。
S22において、第2受信手段22が、携帯端末90から送信される端末データを受信すると、第2記憶手段23に記憶している第1火災検知データを第2送信手段21で送信する(S23)。
携帯端末90では、第2送信手段21で送信された第1火災検知データを受信し(S20)、記憶する(S21)。
【0021】
第2火災検知通信機器20における第2制御手段24では、S12において、第2送信手段21を起動状態とした後に、第1火災検知データを第2受信手段22で所定時間受信していないかを判断する(S24)。S24において、所定時間が経過していない場合には、タイマーカウントを継続する。
S24において、第1火災検知データを第2受信手段22で所定時間受信していないと判断されると、第2記憶手段23に、第1火災検知通信機器10が応答不能であることを示す第1機器機能喪失データを記憶し(S25)、第1機器機能喪失データを第2送信手段21で送信する(S26)。なお、S24では、第1火災検知データを第2受信手段22で所定時間受信していないかを判断したが、第2送信手段21から機器生存確認データを送信し、この機器生存確認データに対して第1火災検知通信機器10からの応答データを受信するか否かを判断してもよい。
第2記憶手段23に、第1機器機能喪失データを記憶している場合には、第2受信手段22が、携帯端末90から送信される端末データを受信すると(S22)、第2記憶手段23に記憶している第1火災検知データ及び第1機器機能喪失データを第2送信手段21で送信する(S23)。この場合には、携帯端末90では、第2送信手段21で送信された第1火災検知データ及び第1機器機能喪失データを受信する(S20)。
【0022】
本実施例によれば、第1火災検知データ入力手段15から第1火災検知データが入力されない状態では、第1送信手段11を待機状態とし、第1火災検知データ入力手段15から火災検知データが入力されるか、又は第1受信手段12で他機器データを受信すると、第1送信手段11を起動状態とすることで、消費電力を抑えることができ、電源を長期間に渡って用いることができる。
また、同様に、第2火災検知データ入力手段25から第2火災検知データが入力されない状態では、第2送信手段21を待機状態とし、第2火災検知データ入力手段25から火災検知データが入力されるか、又は第2受信手段22で他機器データを受信すると、第2送信手段21を起動状態とすることで、消費電力を抑えることができ、電源を長期間に渡って用いることができる。
また、本実施例によれば、第1火災検知通信機器10が検知した火災を第2火災検知通信機器20においても記憶することで、第1火災検知通信機器10と第2火災検知通信機器20とは、常にデータを共有しているため、携帯端末90は、第1火災検知通信機器10及び第2火災検知通信機器20のいずれか一方と通信することで、第1火災検知通信機器10及び第2火災検知通信機器20の全てのデータを取得できる。従って、携帯端末90を所持する隊員、又は携帯端末90を備えた車両が火災現場に近づくことで、出火元となる部屋や、延焼している部屋の状況を迅速に把握でき、消火活動を迅速的確に行うことができる。
また、本実施例によれば、機器生存状態から、火災の状況を予測できるとともに、既に機能を失った機器が、機能を失う前に検知したデータを所得できるため、出火元となる部屋や、延焼している部屋の状況を迅速に把握でき、消火活動を迅速的確に行うことができる。
また、本実施例によれば、火災現場や火災現場の周辺に存在する人を把握できるため、迅速で的確な救助や消火活動を行える。
【0023】
図3は、本発明の他の実施例による火災検知通信システムを機能実現手段で現したブロック図である。
本実施例では、更に、第3火災検知通信機器30と第4火災検知通信機器40と第5火災検知通信機器50と第6火災検知通信機器60とを有している。なお、上記実施例と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
第1火災検知通信機器10と第2火災検知通信機器20とで第1ネットワーク110が形成され、第3火災検知通信機器30と第4火災検知通信機器40とで第2ネットワーク120が形成され、第5火災検知通信機器50と第6火災検知通信機器60とで第3ネットワーク130が形成されている。
火災検知通信システムは、第1ネットワーク110、第2ネットワーク120、及び第3ネットワーク130と、第1火災検知通信機器10、第2火災検知通信機器20、第3火災検知通信機器30、第4火災検知通信機器40、第5火災検知通信機器50、及び第6火災検知通信機器60と通信可能な携帯端末90とを有している。
【0024】
第3火災検知通信機器30は、自機器データを送信する第3送信手段31と、他機器データを受信する第3受信手段32と、自機器データ及び他機器データを記憶する第3記憶手段33と、第3送信手段31及び第3受信手段32を制御する第3制御手段34と、火災を検知する第3火災検知手段A3からの第3火災検知データを入力する第3火災検知データ入力手段35と、人の存在を検知する第3人感手段B3からの第3人感データを入力する第3人感データ入力手段36と、第3電源手段37とを備えている。
第3制御手段34では、第3火災検知データ入力手段35から第3火災検知データが入力されない状態では、第3送信手段31を待機状態とし、第3火災検知データ入力手段35から第3火災検知データが入力されるか、又は第3受信手段32で他機器データを受信すると、第3送信手段31を起動状態とする。
【0025】
第4火災検知通信機器40は、自機器データを送信する第4送信手段41と、他機器データを受信する第4受信手段42と、自機器データ及び他機器データを記憶する第4記憶手段43と、第4送信手段41及び第4受信手段42を制御する第4制御手段44と、火災を検知する第4火災検知手段A4からの第4火災検知データを入力する第4火災検知データ入力手段45と、人の存在を検知する第4人感手段B4からの第4人感データを入力する第4人感データ入力手段46と、第4電源手段47とを備えている。
第4制御手段44では、第4火災検知データ入力手段45から第4火災検知データが入力されない状態では、第4送信手段41を待機状態とし、第4火災検知データ入力手段45から第4火災検知データが入力されるか、又は第4受信手段42で他機器データを受信すると、第4送信手段41を起動状態とする。
【0026】
第5火災検知通信機器50は、自機器データを送信する第5送信手段51と、他機器データを受信する第5受信手段52と、自機器データ及び他機器データを記憶する第5記憶手段53と、第5送信手段51及び第5受信手段52を制御する第5制御手段54と、火災を検知する第5火災検知手段A5からの第5火災検知データを入力する第5火災検知データ入力手段55と、人の存在を検知する第5人感手段B5からの第5人感データを入力する第5人感データ入力手段56と、第5電源手段57とを備えている。
第5制御手段54では、第5火災検知データ入力手段55から第5火災検知データが入力されない状態では、第5送信手段51を待機状態とし、第5火災検知データ入力手段55から第5火災検知データが入力されるか、又は第5受信手段52で他機器データを受信すると、第5送信手段51を起動状態とする。
【0027】
第6火災検知通信機器60は、自機器データを送信する第6送信手段61と、他機器データを受信する第6受信手段62と、自機器データ及び他機器データを記憶する第6記憶手段63と、第6送信手段61及び第6受信手段62を制御する第6制御手段64と、火災を検知する第6火災検知手段A6からの第6火災検知データを入力する第6火災検知データ入力手段65と、人の存在を検知する第6人感手段B6からの第6人感データを入力する第6人感データ入力手段66と、第6電源手段67とを備えている。
第6制御手段64では、第6火災検知データ入力手段65から第6火災検知データが入力されない状態では、第6送信手段61を待機状態とし、第6火災検知データ入力手段65から第6火災検知データが入力されるか、又は第6受信手段62で他機器データを受信すると、第6送信手段61を起動状態とする。
【0028】
第1ネットワーク110には、第1火災検知通信機器10と第2火災検知通信機器20とだけを示し、第2ネットワーク120には、第3火災検知通信機器30と第4火災検知通信機器40とだけを示し、第3ネットワーク130には、第5火災検知通信機器50と第6火災検知通信機器60とだけを示しているが、それぞれのネットワーク110、120、130には3つ以上の火災検知通信機器を有していることが好ましく、それぞれの火災検知通信機器は、建物の各部屋など、所定のエリア単位で設置される。
【0029】
なお、第3火災検知通信機器30、第4火災検知通信機器40、及び携帯端末90とで形成される第2ネットワーク120は、第1ネットワーク110を形成する第1火災検知通信機器10、第2火災検知通信機器20、及び携帯端末90について
図2で示す処理流れと同一であり、第5火災検知通信機器50、第6火災検知通信機器60、及び携帯端末90とで形成される第3ネットワーク120は、第1ネットワーク110を形成する第1火災検知通信機器10、第2火災検知通信機器20、及び携帯端末90について
図2で示す処理流れと同一である。
【0030】
図4は、第1ネットワークを形成する第1火災検知通信機器と、第2ネットワークを形成する第3火災検知通信機器との間での処理流れを示すフロー図である。なお、
図2と同様の処理については同一ステップ番号を付している。
第1火災検知通信機器10が火災を検知し、第3火災検知通信機器30が火災を検知しない場合について以下に説明する。
平常時には、第1制御手段14は第1送信手段11を待機状態とし(S1)、第3制御手段34は第3送信手段31を待機状態としている(S2)。
第1火災検知通信機器10における第1制御手段14では、火災を検知したか否かを判断する(S3)。S3において、火災を検知していない場合には、第1送信手段11を待機状態としたまま、火災検知を継続する。
S3において、第1火災検知データ入力手段15から第1火災検知データが入力されると、第1火災検知データを第1記憶手段13に記憶する(S4)。また、第1制御手段14は、第1送信手段11を起動状態として(S5)、第1火災検知データを第1送信手段11で送信する(S6)。
S5において、第1送信手段11が起動状態にある時には、第1制御手段14では、人を検知したか否かを判断する(S7)。S7において、人を検知していない場合には、人検知を継続する。なお、第1制御手段14は、第1送信手段11がS1における待機状態にある時には、第1人感データ入力手段16から人感データが入力されても、人感データを第1送信手段11で送信しない。
第1人感データ入力手段16から人感データが入力されると、人感データを第1記憶手段13に記憶し(S8)。人感データを送信手段11で送信する(S9)。
【0031】
第3火災検知通信機器30における第3制御手段34では、他の火災検知通信機器(ここでは第1火災検知通信機器10)からの火災検知データを受信したか否かを判断する(S10)。S10において、火災検知データを受信していない場合には、第3送信手段31を待機状態としたまま、火災検知データの受信状態を継続する。
S10において、第3受信手段32で第1火災検知データを受信すると、第1火災検知データを第3記憶手段33に記憶する(S11)。また、第3制御手段34は、第3送信手段31を起動状態とし(S12)、第1火災検知データを第3送信手段31で送信する(S13)。
第3制御手段34では、他の火災検知通信機器(ここでは第1火災検知通信機器10)からの人感データを受信したか否かを判断する(S14)。S14において、人感データを受信していない場合には、人感データの受信状態を継続する。
S14において、第3受信手段32で人感データを受信すると、人感データを第3記憶手段33に記憶する(S15)。また、第3制御手段34は、人感データを第3送信手段31で送信する(S16)。
【0032】
携帯端末90からは端末データが送信される(S17)。
第1火災検知通信機器10における第1制御手段14では、携帯端末90からの端末データを受信したか否かを判断する(S18)。S18において、端末データを受信していない場合には、端末データの受信状態を継続する。
S18において、第1受信手段12が、携帯端末90から送信される端末データを受信すると、第1記憶手段13に記憶している第1火災検知データを第1送信手段11で送信する(S19)。
携帯端末90では、第1送信手段11で送信された第1火災検知データを受信し(S20)、記憶する(S21)。
第3火災検知通信機器30における第3制御手段34では、携帯端末90からの端末データを受信したか否かを判断する(S22)。S22において、端末データを受信していない場合には、端末データの受信状態を継続する。
S22において、第3受信手段32が、携帯端末90から送信される端末データを受信すると、第3記憶手段33に記憶している第1火災検知データを第3送信手段31で送信する(S23)。
携帯端末90では、第3送信手段31で送信された第1火災検知データを受信し(S20)、記憶する(S21)。
【0033】
第3火災検知通信機器30における第3制御手段34では、S12において、第3送信手段31を起動状態とした後に、第1火災検知データを第3受信手段32で所定時間受信していないかを判断する(S24)。S24において、所定時間が経過していない場合には、タイマーカウントを継続する。
S24において、第1火災検知データを第3受信手段32で所定時間受信していないと判断されると、第3記憶手段33に、第1火災検知通信機器10が応答不能であることを示す第1機器機能喪失データを記憶し(S25)、第1機器機能喪失データを第3送信手段31で送信する(S26)。なお、S24では、第1火災検知データを第3受信手段32で所定時間受信していないかを判断したが、第3送信手段31から機器生存確認データを送信し、この機器生存確認データに対して第1火災検知通信機器10からの応答データを受信するか否かを判断してもよい。
第3記憶手段33に、第1機器機能喪失データを記憶している場合には、第3受信手段32が、携帯端末90から送信される端末データを受信すると(S22)、第3記憶手段33に記憶している第1火災検知データ及び第1機器機能喪失データを第3送信手段31で送信する(S23)。この場合には、携帯端末90では、第3送信手段31で送信された第1火災検知データ及び第1機器機能喪失データを受信する(S20)。
【0034】
第1火災検知通信機器10における第1制御手段14では、他の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)からの火災検知データを受信したか否かを判断する(S27)。S27において、火災検知データを受信していない場合には、火災検知データの受信状態を継続する。
S27において、第1受信手段12で火災検知データを受信すると、第1ネットワーク110から送信された火災検知データか否かを判断する(S28)。S28において、第1ネットワーク110から送信された火災検知データではない場合には、S11と同様に火災検知データを第1記憶手段13に記憶し、S13と同様に火災検知データを第1送信手段11で送信する。
S28において、第1ネットワーク110から送信された火災検知データであれば、第1記憶手段13に記憶しないとともに第1送信手段11で送信しない(S29)。ここでは、第3送信手段31で送信されたデータは、第1火災検知データなので、第1記憶手段13に記憶せず、第1送信手段11で送信しない。
【0035】
第1制御手段14では、他の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)からの人感データを受信したか否かを判断する(S30)。S30において、人感データを受信していない場合には、人感データの受信状態を継続する。
S30において、第1受信手段12で人感データを受信すると、第1ネットワーク110から送信された人感データか否かを判断する(S28)。S28において、第1ネットワーク110から送信された人感データではない場合には、S15と同様に人感データを第1記憶手段13に記憶し、S16と同様に人感データを第1送信手段11で送信する。
S28において、第1ネットワーク110から送信された人感データであれば、第1記憶手段13に記憶しないとともに第1送信手段11で送信しない(S29)。ここでは、第3送信手段31で送信されたデータは、第1人感データなので、第1記憶手段13に記憶せず、第1送信手段11で送信しない。
【0036】
なお、
図4では、第1ネットワーク110を形成する第1火災検知通信機器10と、第2ネットワーク120を形成する第3火災検知通信機器30との間での処理流れを示したが、第3火災検知通信機器30を、第3火災検知通信機器30と同じ第2ネットワーク120を形成する第4火災検知通信機器40に代えても同一の処理流れとなる。
また、第3火災検知通信機器30を、第1ネットワーク110及び第2ネットワーク120とは異なる第3ネットワーク130を形成する第5火災検知通信機器50又は第6火災検知通信機器60に代えても同一の処理流れとなる。
また、
図4に示す第1ネットワーク110を形成する第1火災検知通信機器10を、第1ネットワーク110を形成する第2火災検知通信機器20に代えても同一の処理流れとなる。
また、
図4に示す第1ネットワーク110を形成する第1火災検知通信機器10を、第3ネットワーク130を形成する第5火災検知通信機器50又は第6火災検知通信機器60に代えても同一の処理流れとなる。
【0037】
本実施例によれば、第1ネットワーク110で発生した火災データを、第1ネットワーク110とは異なる第2ネットワーク120で取得できるので、仮に第1ネットワーク110の火災検知通信機器10、20が全て焼失してしまっても、第2ネットワーク120で取得している第1ネットワーク110での火災データを用いて、消火活動を迅速的確に行うことができるとともに、火災の発生元や延焼の状態の分析データとすることができる。
【0038】
図5は、
図4に示す第2ネットワークを形成する第3火災検知通信機器と、第3ネットワークを形成する第5火災検知通信機器との間での処理流れを示すフロー図である。なお、
図2と同様の処理については同一ステップ番号を付すとともに、第5火災検知通信機器50については、一部の処理だけを示している。
【0039】
第5火災検知通信機器50における第5制御手段54では、他の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)からの火災検知データを受信したか否かを判断する(S27)。S27において、火災検知データを受信していない場合には、火災検知データの受信状態を継続する。
S27において、第5受信手段52で火災検知データを受信すると、受信した火災検知データが送信元の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)によるネットワーク(ここでは第2ネットワーク120)で検知した火災検知データか否かを判断する(S28)。S28において、受信した火災検知データが送信元の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)によるネットワーク(ここでは第2ネットワーク120)で検知した火災検知データであれば、S11と同様に火災検知データを第5記憶手段53に記憶し、S13と同様に火災検知データを第5送信手段51で送信する。
S28において、受信した火災検知データが送信元の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)によるネットワーク(ここでは第2ネットワーク120)で検知した火災検知データでなければ、第5記憶手段53に記憶しないとともに第5送信手段51で送信しない(S29)。ここでは、第3送信手段31で送信されたデータは、第1火災検知データなので、第5記憶手段53に記憶せず、第5送信手段51で送信しない。
【0040】
第5制御手段54では、他の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)からの人感データを受信したか否かを判断する(S30)。S30において、人感データを受信していない場合には、人感データの受信状態を継続する。
S30において、第5受信手段52で人感データを受信すると、受信した人感データが送信元の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)によるネットワーク(ここでは第2ネットワーク120)で検知した人感データか否かを判断する(S28)。S28において、受信した人感データが送信元の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)によるネットワーク(ここでは第2ネットワーク120)で検知した人感データであれば、S15と同様に人感データを第5記憶手段53に記憶し、S16と同様に人感データを第5送信手段51で送信する。
S28において、受信した人感データが送信元の火災検知通信機器(ここでは第3火災検知通信機器30)によるネットワーク(ここでは第2ネットワーク120)で検知した人感データでなければ、第5記憶手段53に記憶しないとともに第5送信手段51で送信しない(S29)。ここでは、第3送信手段31で送信されたデータは、第1人感データなので、第5記憶手段53に記憶せず、第5送信手段51で送信しない。
【0041】
なお、
図5では、第2ネットワーク120を形成する第3火災検知通信機器30と、第3ネットワーク130を形成する第5火災検知通信機器50との間での処理流れを示したが、第5火災検知通信機器50を、第5火災検知通信機器50と同じ第3ネットワーク130を形成する第6火災検知通信機器60に代えても同一の処理流れとなる。
【0042】
本実施例によれば、第1ネットワーク110から直接送信されたデータは、第2ネットワーク120又は第3ネットワーク130で取得して記憶及び送信するが、第2ネットワーク120経由で届いた第1ネットワーク110のデータは、第3ネットワーク130では記憶及び送信せず、第3ネットワーク130経由で届いた第1ネットワーク110のデータは、第2ネットワーク120では記憶及び送信しないことで、データが無限に拡大することを防止できる。
同様に、第2ネットワーク120から直接送信されたデータは、第1ネットワーク110又は第3ネットワーク130で取得して記憶及び送信するが、第1ネットワーク110経由で届いた第2ネットワーク120のデータは、第3ネットワーク130では記憶及び送信せず、第3ネットワーク130経由で届いた第2ネットワーク120のデータは、第1ネットワーク110では記憶及び送信しない。
同様に、第3ネットワーク130から直接送信されたデータは、第1ネットワーク110又は第2ネットワーク120で取得して記憶及び送信するが、第1ネットワーク110経由で届いた第3ネットワーク130のデータは、第2ネットワーク120では記憶及び送信せず、第2ネットワーク120経由で届いた第3ネットワーク130のデータは、第1ネットワーク110では記憶及び送信しない。
【0043】
なお、本実施例では、火災検知通信システムを用いて説明したが、周囲環境異常には、火災の他に、地震、ガス発生、建造、建築物、若しくは橋の老朽や崩壊、増水、地盤沈下、又は地盤変動などがあり、本発明は、これらの周囲環境の異常を検知することで例えば救助作業を支援できる周囲環境異常検知システムとして有効である。