【解決手段】半導体レーザ装置A1は、半導体レーザ素子6と、半導体レーザ素子6を支持する基材1と、基材1に形成され、半導体レーザ素子6への導通経路を構成する配線部5と、を備え、基材1は、z方向一方側を向き且つ半導体レーザ素子6が搭載された搭載面としての第1主面21と、x方向において半導体レーザ素子6に対して一方側に位置する出射部18を有し、半導体レーザ素子6からの光が、出射部18を通じて出射される。
前記基材は、前記搭載面に対して前記厚さ方向他方側に位置する底部と、前記底部から前記厚さ方向一方側に突出し且つ前記搭載面を構成する台座部を有する、請求項10に記載の半導体レーザ装置。
前記基材は、前記半導体レーザ素子に対して前記第1方向他方側に位置し且つ前記厚さ方向に対して傾斜した内方端面を有する、請求項11または12に記載の半導体レーザ装置。
前記半導体レーザ素子は、前記第1方向および前記厚さ方向のいずれに対しても直角である第2方向に配列され且つ各々が独立して前記第1方向一方側に光を出射する複数の導波路を有している、請求項14に記載の半導体レーザ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1〜
図10は、本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置を示している。本実施形態の半導体レーザ装置A1は、基材1、配線部5、半導体レーザ素子6、複数の貫通配線69、第1カバー7および第2カバー8を備えている。
【0012】
図1は、半導体レーザ装置A1を示す平面図である。
図2は、半導体レーザ装置A1を示す正面図である。
図3は、半導体レーザ装置A1を示す側面図である。
図4は、半導体レーザ装置A1を示す底面図である。
図5は、
図1のV−V線に沿う断面図である。
図6は、半導体レーザ装置A1を示す要部拡大断面図である。
図7は、
図1のVII−VII線に沿う断面図である。
図8は、半導体レーザ装置A1の基材1を示す要部平面図である。
図9は、半導体レーザ装置A1の基材1を示す要部平面図である。
図10は、半導体レーザ装置A1の基材1を示す要部平面図である。
【0013】
以降の説明において、z方向は、本開示における基材1の厚さ方向に相当する。x方向は、本開示における第1方向に相当する。y方向は、本開示における第2方向に相当する。また、z方向において図中の「上」側が、本開示の一方側に相当し、「下」側が他方側に相当する。x方向において本開示の一方側に相当するものとして「前」側の語句を用い、他方側に相当するものとして、「後」側の語句を用いる場合がある。ただし、これらの「上」「下」「前」「後」の語句は、本開示の半導体レーザ装置の構成を何ら限定するものではない。
【0014】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0015】
基材1は、半導体レーザ素子6を支持するものであり、少なくとも表面が絶縁性である材料からなる。
図1〜
図18に示すように、基材1は、主面11、裏面12、前方端面13、後方端面14、一対の側面15、開口17、出射部18、複数の後方溝部161、複数の前方溝部163および前方環状凹部171を有する。基材1の形状や大きさは特に限定されない。基材1の大きさの一例を挙げると、x方向寸法が2.0mm〜7.0mm程度、y方向寸法が1.5mm〜7.0mm程度、z方向寸法が0.7mm〜2.5mm程度である。
【0016】
主面11は、z方向一方側(上側)を向く面である。本実施形態においては、主面11は、本開示における実装面に相当する。図示された例においては、主面11は、z方向に対して直角である。主面11は、略矩形状である。
【0017】
裏面12は、主面11が向く側とは反対側である、z方向他方側(下側)を向く面である。図示された例においては、裏面12は、z方向に対して直角である。裏面12は、略矩形状である。
【0018】
前方端面13は、x方向一方側(前側)を向く面であり、主面11と裏面12とを繋いでいる。図示された例においては、前方端面13は、x方向に対して直角である。
【0019】
後方端面14は、x方向他方側(後側)を向く面であり、主面11と裏面12とを繋いでいる。図示された例においては、後方端面14は、x方向に対して直角である。
【0020】
一対の側面15は、主面11および裏面12を繋いでおり、前方端面13および後方端面14を繋いでいる。一対の側面15は、それぞれy方向を向いている。図示された例においては、側面15は、y方向に対して直角である。また、側面15は、略矩形状である。
【0021】
開口17は、基材1によって規定された内部空間をz方向一方側(上側)に開放する部位である。図示された例においては、z方向視において略矩形状である。また、開口17は、x方向一方側(前側)に偏って配置されている。開口17が設けられていることにより、主面11は、z方向視において矩形環状である。
【0022】
出射部18は、x方向一方側(前側)に半導体レーザ素子6からのレーザ光を出射させるための部位である。図示された例においては、出射部18は、基材1によって規定された内部空間がx方向一方側(前側)に開放している。出射部18は、たとえばx方向視において矩形状である。また、出射部18が設けられていることにより、前方端面13は、x方向視において矩形環状である。
【0023】
複数の後方溝部161は、後方端面14から凹んでおり、z方向に延びている。後方溝部161は、本実施形態における実装面である主面11に到達している。また、図示された例においては、後方溝部161は、裏面12に到達している。後方溝部161の断面形状は特に限定されず、図示された例においては、半円形状である。複数の後方溝部161は、y方向に互いに離間して配置されている。
【0024】
複数の前方溝部163は、一対の側面15と前方端面13との境界部分に形成されている。前方溝部163は、z方向に延びており、主面11および裏面12に到達している。後方溝部161の断面形状は特に限定されず、図示された例においては、四半円形状である。
【0025】
前方環状凹部171は、前方端面13からx方向他方側(後側)に凹んでおり、出射部18の周囲を取り囲んでいる。前方環状凹部171は、x方向視において矩形環状であり、第1カバー7を設けるための部分である。
【0026】
本実施形態の基材1は、第1層2、第2層3および第3層4からなる。第1層2、第2層3および第3層4は、z方向に積層されている。第1層2、第2層3および第3層4の材質は特に限定されず、本実施形態においては、アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミックスからなる。なお、第1層2、第2層3および第3層4は、図示された形状を実現するために、さらに複数のセラミックス層から構成される場合がある。本実施形態の
図2、
図3、
図5および
図7において、一点鎖線で示された線は、これらのセラミックス層の境界を例示している。この記載例は、以降の変形例および実施形態においても、同様である。
【0027】
第1層2は、z方向において最も他方側(下側)に位置している。第1層2は、第1主面21、第1裏面22、第1前方端面23、第1後方端面24、一対の第1側面25、第1主部210、一対の第1側方枠部220、第1前方枠部230、台座部240、底部250、複数の第1後方溝部261および複数の第1前方溝部263を有する。
【0028】
第1主面21は、z方向一方側(上側)を向く面である。本実施形態においては、第1主面21は、本開示における搭載面に相当する。図示された例においては、第1主面21は、z方向に対して直角である。
【0029】
第1裏面22は、第1主面21が向く側とは反対側である、z方向他方側(下側)を向く面である。図示された例においては、第1裏面22は、z方向に対して直角である。本実施形態においては、第1裏面22は、裏面12を構成している。
【0030】
第1前方端面23は、x方向一方側(前側)を向く面であり、第1主面21と第1裏面22とを繋いでいる。図示された例においては、第1前方端面23は、x方向に対して直角である。第1前方端面23は、前方端面13の一部を構成している。
【0031】
第1後方端面24は、x方向他方側(後側)を向く面であり、第1主面21と第1裏面22とを繋いでいる。図示された例においては、第1後方端面24は、x方向に対して直角である。第1後方端面24は、後方端面14の一部を構成している。
【0032】
一対の第1側面25は、第1主面21および第1裏面22を繋いでおり、第1前方端面23および第1後方端面24を繋いでいる。一対の第1側面25は、それぞれy方向を向いている。図示された例においては、第1側面25は、y方向に対して直角である。第1側面25は、側面15の一部を構成している。
【0033】
第1主部210は、第1層2のうちx方向他方側(後側)に位置する部位である。図示された例においては、第1主部210は、z方向視において略矩形状である。第1主部210の厚さは、第1層2の最大厚さと同じである。
【0034】
一対の第1側方枠部220は、第1主部210のy方向両側から、x方向一方側(前側)に延出した部分である。第1側方枠部220の厚さは、第1層2の最大厚さと同じである。
【0035】
第1前方枠部230は、一対の第1側方枠部220のx方向一方側端を繋いでおり、y方向に延びている。一対の第1側方枠部220および第1前方枠部230は、枠状の部位を構成している。第1前方枠部230には、凹部231が形成されている。凹部231は、第1前方枠部230が部分的にz方向寸法が小さくなった部位であり、前方環状凹部171の一部を構成する。
【0036】
台座部240は、第1主部210からx方向一方側(前側)に延出しており、図示された例においては、z方向視において略矩形状である。台座部240は、一対の第1側方枠部220および第1前方枠部230から離間している。台座部240には、半導体レーザ素子6が搭載される。
【0037】
底部250は、第1主面21からz方向他方側(下側)に位置する部位である。底部250は、z方向視において一対の第1側方枠部220、第1前方枠部230および台座部240に囲まれた領域に設けられている。底部250の厚さは、第1層2のz方向の最大厚さよりも小さい。
【0038】
複数の第1後方溝部261は、第1後方端面24から凹んでおり、z方向に延びている。第1後方溝部261は、第1主面21および第1裏面22に到達している。第1後方溝部261の断面形状は特に限定されず、図示された例においては、半円形状である。複数の第1後方溝部261は、y方向に互いに離間して配置されている。複数の第1後方溝部261は、複数の後方溝部161の一部ずつを構成している。
【0039】
複数の第1前方溝部263は、一対の第1側面25と第1前方端面23との境界部分に形成されている。第1前方溝部263は、z方向に延びており、第1主面21および第1裏面22に到達している。第1前方溝部263の断面形状は特に限定されず、図示された例においては、四半円形状である。複数の第1前方溝部263は、複数の前方溝部163の一部ずつを構成している。
【0040】
第2層3は、第1層2のz方向一方側(上側)に積層されている。第2層3は、第2主面31、第2裏面32、第2前方端面33、第2後方端面34、一対の第2側面35、内方端面36、第2主部310、一対の第2側方枠部320複数の第2後方溝部361および複数の第2前方溝部363を有する。
【0041】
第2主面31は、z方向一方側(上側)を向く面である。図示された例においては、第2主面31は、z方向に対して直角である。
【0042】
第2裏面32は、第2主面31が向く側とは反対側である、z方向他方側(下側)を向く面であり、第1層2の第1主面21と対面している。図示された例においては、第2裏面32は、z方向に対して直角である。
【0043】
第2前方端面33は、x方向一方側(前側)を向く面であり、第2主面31と第2裏面32とを繋いでいる。図示された例においては、第2前方端面33は、x方向に対して直角である。第2前方端面33は、前方端面13の一部を構成している。第2前方端面33は、y方向両側に離間した2つの領域を含む。
【0044】
第2後方端面34は、x方向他方側(後側)を向く面であり、第2主面31と第2裏面32とを繋いでいる。図示された例においては、第2後方端面34は、x方向に対して直角である。第2後方端面34は、後方端面14の一部を構成している。
【0045】
一対の第2側面35は、第2主面31および第2裏面32を繋いでおり、第2前方端面33および第2後方端面34を繋いでいる。一対の第2側面35は、それぞれy方向を向いている。図示された例においては、第2側面35は、y方向に対して直角である。第2側面35は、側面15の一部を構成している。
【0046】
第2主部310は、第2層3のうちx方向他方側(後側)に位置する部位である。図示された例においては、第2主部310は、z方向視において略矩形状である。第2主部310の厚さは、第2層3の最大厚さと同じである。
【0047】
内方端面36は、第2主部310のx方向一方側(前側)に位置する面である。内方端面36は、z方向に対して傾いており、z方向一方側(
図6における図中上側)から他方側(
図6における図中下側)に向かうほどz方向一方側(前側、
図6における図中左側)に位置するように傾斜している。
【0048】
一対の第2側方枠部320は、第2主部310のy方向両側から、x方向一方側(前側)に延出した部分である。第2側方枠部320の厚さは、第2層3の最大厚さと同じである。
【0049】
一対の第2側方枠部320には、それぞれ凹部321が形成されている。凹部321は、第2側方枠部320のうち第2前方端面33からx方向他方側(後側)に凹む部位である。また、凹部321は、y方向内側に位置している。一対の凹部321は、前方環状凹部171の一部を構成する。
【0050】
複数の第2後方溝部361は、第2後方端面34から凹んでおり、z方向に延びている。第2後方溝部361は第2主面31および第2裏面32に到達している。第2後方溝部361の断面形状は特に限定されず、図示された例においては、半円形状である。複数の第2後方溝部361は、y方向に互いに離間して配置されている。複数の第2後方溝部361は、複数の後方溝部161の一部ずつを構成している。
【0051】
複数の第2前方溝部363は、一対の第2側面35と第2前方端面33との境界部分に形成されている。第2前方溝部363は、z方向に延びており、第2主面31および第2裏面32に到達している。第2前方溝部363の断面形状は特に限定されず、図示された例においては、四半円形状である。複数の第2前方溝部363は、複数の前方溝部163の一部ずつを構成している。
【0052】
第3層4は、z方向において最も一方側(上側)に位置している。第3層4は、第2層3のz方向一方側(上側)に積層されている。第3層4は、第3主面41、第3裏面42、第3前方端面43、第3後方端面44、一対の第3側面45、第3主部410、一対の第3側方枠部420、第3前方枠部430、複数の第3後方溝部461および複数の第3前方溝部463を有する。
【0053】
第3主面41は、z方向一方側(上側)を向く面である。図示された例においては、第3主面41は、z方向に対して直角である。本実施形態においては、第3主面41は、主面11を構成している。
【0054】
第3裏面42は、第3主面41が向く側とは反対側である、z方向他方側(下側)を向く面であり、第2層3の第2主面31と対面している。図示された例においては、第3裏面42は、z方向に対して直角である。
【0055】
第3前方端面43は、x方向一方側(前側)を向く面であり、第3主面41と第3裏面42とを繋いでいる。図示された例においては、第3前方端面43は、x方向に対して直角である。第3前方端面43は、前方端面13の一部を構成している。
【0056】
第3後方端面44は、x方向他方側(後側)を向く面であり、第3主面41と第3裏面42とを繋いでいる。図示された例においては、第3後方端面44は、x方向に対して直角である。第3後方端面44は、後方端面14の一部を構成している。
【0057】
一対の第3側面45は、第3主面41および第3裏面42を繋いでおり、第3前方端面43および第3後方端面44を繋いでいる。一対の第3側面45は、それぞれy方向を向いている。図示された例においては、第3側面45は、y方向に対して直角である。第3側面45は、側面15の一部を構成している。
【0058】
第3主部410は、第3層4のうちx方向他方側(後側)に位置する部位である。図示された例においては、第3主部410は、z方向視において略矩形状である。第3主部410の厚さは、第2層3の最大厚さと同じである。
【0059】
一対の第3側方枠部420は、第3主部410のy方向両側から、x方向一方側(前側)に延出した部分である。
【0060】
第3前方枠部430は、一対の第3側方枠部420のx方向一方側端を繋いでおり、y方向に延びている。一対の第3側方枠部420および第3前方枠部430は、枠状の部位を構成している。
図5に示すように、第3前方枠部430には、凹部431が形成されている。凹部431は、第3前方端面43からx方向他方側(後側)に凹んだ部位であり、前方環状凹部171の一部を構成する。
【0061】
複数の第3後方溝部461は、第3後方端面44から凹んでおり、z方向に延びている。第3後方溝部461は、第3主面41および第3裏面42に到達している。第3後方溝部461の断面形状は特に限定されず、図示された例においては、半円形状である。複数の第3後方溝部461は、y方向に互いに離間して配置されている。複数の第3後方溝部461は、複数の後方溝部161の一部ずつを構成している。
【0062】
複数の第3前方溝部463は、一対の第3側面45と第3前方端面43との境界部分に形成されている。第3前方溝部463は、z方向に延びており、第3主面41および第3裏面42に到達している。第3前方溝部463の断面形状は特に限定されず、図示された例においては、四半円形状である。複数の第3前方溝部463は、複数の前方溝部163の一部ずつを構成している。
【0063】
本実施形態においては、第3層4に、開口部分である開口17が形成されている。また、第3層4には、環状凹部440が形成されている。環状凹部440は、第3層4のうち開口17を取り囲む部分が、第3主面41(主面11)からz方向他方側(下側)に凹んだ部分である。環状凹部440は、z方向視において、矩形環状である。環状凹部440は、第2カバー8を設けるための部位である。
【0064】
配線部5は、基材1に形成されており、半導体レーザ素子6への導通経路を構成するものである。
図1〜
図3および
図5〜
図10に示すように、本実施形態においては、配線部5は、第1配線部51、第2配線部52、第3配線部53、複数の後方連絡部501および複数の前方部505を有する。配線部5は、適切な導電性を有する材質からなり、たとえばめっきや貼り付け等によって形成される。配線部5の材質としては、たとえば、Cu、Ni,Ti,Au等が適宜選択される。また、配線部5のうち、はんだを付着させる部位には、Snからなる表層を設けておいてもよい。
【0065】
第1配線部51は、基材1の第1層2に形成された部分である。本実施形態においては、第1配線部51は、素子搭載部511、第1帯状部512および第1連結部513を有する。
【0066】
素子搭載部511は、基材1の第1層2の台座部240の第1主面21に形成されている。素子搭載部511は、半導体レーザ素子6が搭載される部分である。図示された例においては、素子搭載部511は、z方向視において略矩形状であり、台座部240の大部分を覆っている。
【0067】
第1帯状部512は、第1層2の第1主部210に形成されており、複数の第1後方溝部261のうちy方向において
図8における最も図中下側に位置するものに到達している。また、第1帯状部512は、この第1後方溝部261からx方向に沿って延びている。
【0068】
第1連結部513は、素子搭載部511と第1帯状部512とを連結している。第1連結部513の形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、2つの屈曲部分を有する形状である。
【0069】
第2配線部52は、基材1の第2層3に形成された部分である。第2配線部52は、複数のワイヤボンディング部521、複数の第2帯状部522および複数の第2連結部523を有する。
【0070】
複数のワイヤボンディング部521は、複数のワイヤ67が接続される部位である。本実施形態においては、複数のワイヤボンディング部521は、y方向に配列されており、第2主部310のx方向一方側(前側)部分に形成されている。ワイヤボンディング部521の形状は特に限定されず、図示された例においては、矩形状である。
図1に示すように、複数のワイヤボンディング部521は、z方向視において第3層4から露出している。
【0071】
複数の第2帯状部522は、第2層3の第2主部310に形成されており、複数の第2後方溝部361のうちy方向において
図9における図中上側の4つの第2後方溝部361に到達している。第2帯状部522は、第2後方溝部361からx方向に沿って延びている。なお、
図8に示すように、第1帯状部512と複数の第2帯状部522とは、z方向視において互いにy方向に離間して配列されている。
【0072】
複数の第2連結部523は、複数のワイヤボンディング部521と複数の第2帯状部522とを連結している。第2連結部523の形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、2つの屈曲部分を有する形状である。
【0073】
第3配線部53は、基材1の第3層4に形成された部分である。第3配線部53は、複数の実装端子部531および実装端子部532を有する。
【0074】
複数の実装端子部531は、第3層4の第3主部410に形成されており、y方向に互いに離間して配列されている。複数の実装端子部531は、複数の第3後方溝部461のうちy方向において
図10における図中上側の4つの第3後方溝部461に到達している。実装端子部531は、第3後方溝部461からx方向に沿って延びている。実装端子部531のy方向寸法は、第2帯状部522のy方向寸法よりも大きい。複数の実装端子部531は、たとえばアノード電極である。
【0075】
実装端子部532は、第3層4の第3主部410に形成されている。実装端子部532は、複数の第3後方溝部461のうちy方向において
図10における最も図中下側に位置するものに到達している。また、実装端子部532は、この第3後方溝部461からx方向に沿って延びている。実装端子部532のy方向寸法は、第1帯状部512のy方向寸法よりも大きい。複数の実装端子部531と実装端子部532とは、y方向に互いに離間して配列されている。実装端子部532は、たとえばカソード電極である。
【0076】
図1に示すように、本実施形態においては、z方向視において、互いに導通するワイヤボンディング部521の中心O1と実装端子部531の中心O2とは、y方向において距離Gだけずれて配置されている。なお、
図1に示された複数の距離Gは、互いに同じ寸法でもよいし、互いに異なる寸法であってもよい。また、ワイヤボンディング部521のy方向端縁を仮想的に延長した延長線Eは、実装端子部531と交差している。
【0077】
図3に示すように、複数の後方連絡部501は、基材1の複数の後方溝部161のうち図中右側の4つの後方溝部161を覆うように形成されている。本実施形態においては、後方連絡部501は、後方溝部161のz方向一方側端(上側端)に到達している。また、図示された例においては、後方連絡部501は、後方溝部161のz方向他方側端(下側端)に到達している。後方連絡部501は、それぞれ第2配線部52の第2帯状部522および第3配線部53の実装端子部531と接しており、これらと導通している。これにより、ワイヤボンディング部521は、第2連結部523、第2帯状部522および後方連絡部501を介して実装端子部531に導通している。
【0078】
後方連絡部502は、基材1の複数の後方溝部161のうち
図3における図中左端の後方溝部161を覆うように形成されている。本実施形態においては、後方連絡部502は、後方溝部161のz方向一方側端(上側端)に到達している。また、図示された例においては、後方連絡部502は、後方溝部161のz方向他方側端(下側端)に到達している。後方連絡部502は、第1配線部51の第1帯状部512および第3配線部53の実装端子部532と接しており、これらと導通している。これにより、素子搭載部511は、第1連結部513、第1帯状部512および後方連絡部502を介して実装端子部532に導通している。
【0079】
図2に示すように、複数の前方部505は、複数の前方溝部163をそれぞれ覆っている。図示された例においては、前方部505は、前方溝部163の全体を覆っており、前方溝部163のz方向両端に到達している。前方部505は、第1配線部51、第2配線部52および第3配線部53とは接しておらず、これらの各部とは導通していない。
【0080】
半導体レーザ素子6は、所定の波長のレーザ光を出射する素子である。半導体レーザ素子6の具体的構成は特に限定されず、本実施形態においては、半導体レーザ素子6は、半導体層61、複数の導波路62および複数の電極63を有する。
【0081】
半導体層61は、半導体材料からなる複数の層が積層されたものであり、たとえば活性層とこれを挟むn型クラッド層およびp型クラッド層を含む。活性層内において電子と正孔とが再結合することにより、光が発せられる。
【0082】
複数の導波路62は、各々が活性層において発せられた光をx方向において繰り返し反射させることにより、所定波長のレーザ光を生成する部位である。本実施形態においては、複数の導波路62は、各々がx方向に沿って延びており、y方向に互いに離間して配列されている。半導体レーザ素子6は、複数の導波路62から独立してレーザ光を出射可能である、いわゆるマルチビームタイプである。
【0083】
複数の電極63は、複数の導波路62に対応して設けられており、y方向に互いに離間して配列されている。複数の電極63には、複数のワイヤ67が各別に接続されている。なお、図示された例においては、より大きな電流を流すことを目的として、1つの電極63に複数のワイヤ67が接続されている。
【0084】
本実施形態においては、半導体レーザ素子6の半導体層61の下面に設けられた電極(図示略)が、Agペースト等の導電性接合材(図示略)によって素子搭載部511に導通接合されている。これにより、半導体レーザ素子6は、台座部240の第1主面21に搭載されている。なお、図示された例においては、
図1および
図5に示すように、半導体レーザ素子6のx方向一方側端は、台座部240からx方向一方側に長さLだけ突出している。この突出は、半導体レーザ素子6からの光が台座部240に干渉することを抑制するのに好ましく、以降の図においても、同様の構成として示されている。ただし、半導体レーザ素子6からの光の干渉が許容される場合等は、半導体レーザ素子6のx方向一方側端と台座部240のx方向一方側端とが、z方向視において略一致するなど、半導体レーザ素子6が台座部240から突出しない構成であってもよい。
【0085】
半導体レーザ素子6が備える導波路62の個数は、特に限定されない。図示された例においては、半導体レーザ素子6は、4つの導波路62を有している。これに対応して、半導体レーザ素子6は、4つの電極63を有する。また、第2配線部52は、4つのワイヤボンディング部521、4つの第2帯状部522および4つの第2連結部523を有する。基材1は、5つの後方溝部161を有しており、配線部5は、4つの後方連絡部501と1つの後方連絡部502とを有する。また、第3配線部53は、4つの実装端子部531と1つの実装端子部532とを有する。
【0086】
第1カバー7は、出射部18を塞いでおり、半導体レーザ素子6からの光を透過させる材質からなる。本実施形態においては、第1カバー7は、たとえば透明なガラスからなる。また、第1カバー7は、出射効率を改善するための所定のコーティングが施されていてもよい。図示された例においては、第1カバー7は、x方向視において矩形状であり、基材1の前方環状凹部171に収容されている。第1カバー7の基材1への取付け手法は特に限定されず、たとえば紫外線硬化樹脂等の接着材によって接合される。また、図示された例においては、第1カバー7は、x方向寸法が一様である平板状である。
【0087】
第2カバー8は、開口17を塞いでいる。第2カバー8の材質は特に限定されず、本実施形態においては、たとえばガラスからなる。また、第2カバー8は、所定の外来光線を減衰させるための所定のコーティングが施されていてもよい。図示された例においては、第2カバー8は、z方向視において矩形状であり、基材1の環状凹部440に収容されている。第2カバー8の基材1への取付け手法は特に限定されず、たとえば紫外線硬化樹脂等の接着材によって接合される。また、図示された例においては、第2カバー8は、z方向寸法が一様である平板状である。
【0088】
なお、第1カバー7および第2カバー8を備える構成においては、第1カバー7および第2カバー8によって、基材1によって規定された内部空間を密閉する構造であってもよい。この場合、第1カバー7および第2カバー8の基材1への取り付けを減圧環境において行うことにより、半導体レーザ装置A1の完成後において、第1カバー7および第2カバー8が大気圧によって基材1に押し付けられる構成であることが好ましい。
【0089】
次に、半導体レーザ装置A1の作用について説明する。
【0090】
本実施形態によれば、主面11(第3主面41)に複数の実装端子部531および実装端子部532が形成されており、主面11(第3主面41)が実装面とされている。このため、半導体レーザ装置A1を回路基板(図示略)等に表面実装することができる。
【0091】
主面11を実装面とした場合、半導体レーザ装置A1からは、x方向一方側(前側)へとレーザ光を出射することが可能である。これにより、複数のリードを用いて実装するタイプの半導体レーザ装置と比べて、レーザ光の出射方向を90°変更することができる。
【0092】
開口17は、実装面としての主面11から開口する構成である。これにより、半導体レーザ装置A1の製造工程において、基材1を形成した後に、たとえば開口17が鉛直方向上側を向く姿勢とする。次いで、この状態で、半導体レーザ素子6の搭載、ワイヤ67のボンディング、第1カバー7および第2カバー8の取り付けを行う。そして、鉛直方向上側を向く状態である複数の実装端子部531および実装端子部532を用いて、半導体レーザ素子6の導通試験や発光試験を行うことが可能である。これは、複数の実装端子部531および実装端子部532を用いた試験を行うために、半導体レーザ装置A1の完成後に半導体レーザ装置A1を反転させる等の作業が不要であり、効率向上の好ましい。また、基材1が、出射部18において中空となっていることにより、半導体レーザ装置A1の作動に伴って生じる応力を緩和することができる。
【0093】
台座部240および底部250を設けることにより、台座部240のx方向一方側の第1主面21は、底部250からz方向一方側に位置する構成となる。この第1主面21を搭載面として用いることにより、半導体レーザ素子6から出射されたレーザ光が、台座部240および底部250によって遮られることを抑制することが可能である。また、半導体レーザ素子6のx方向一方側端(前側端)を台座部240からx方向一方側(前側)に突出させる構成は、レーザ光が遮られることを抑制するのに好ましい。ただし、半導体レーザ素子6は、台座部240から突出する構成には限定されない。
【0094】
複数の第2帯状部522は、半導体レーザ素子6に対してx方向他方側(後側)に延びている。すなわち、複数の第2帯状部522は、半導体レーザ素子6のレーザ光が出射される側とは反対側に設けられている。これにより、複数の第2帯状部522を直線状とし、互いの距離が大きく異ならない配置とすることが可能である。これは、半導体レーザ素子6の複数の導波路62および複数の電極63への導通経路の経路長を均一化するのに適している。また、第1帯状部512が、複数の第2帯状部522と同様に直線状であり、且つz方向視において複数の第2帯状部522とy方向に離間して配列されていることにより、通電時の意図しない相互干渉を抑制することができる。これは、複数の半導体レーザ素子6を所望のタイミングで個別に発光させるのに好ましい。
【0095】
基材1には、内方端面36が形成されている。半導体レーザ素子6からは、x方向一方側(前側)だけでなく、x方向他方側(後側)にも光が出射される場合がある。半導体レーザ素子6のx方向他方側(後側)に内方端面36が設けられていることにより、半導体レーザ素子6からx方向他方側(後側)に進行したレーザ光が出射部18へと向かうことを抑制することができる。
【0096】
実装面としての主面11において、複数の実装端子部531および実装端子部532は、x方向他方側(後方側)に偏って配置されている。一方、複数の前方部505は、複数の実装端子部531および実装端子部532とは離間しており、x方向一方側(前方側)に配置されている。これにより、半導体レーザ装置A1を回路基板等に実装した際に、溶融はんだの表面張力を半導体レーザ装置A1に、よりバランス良く作用させることが可能である。したがって、半導体レーザ装置A1の実装位置や姿勢をより適切に設定することができる。
【0097】
図11〜
図40は、本開示の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。なお、上述した実施形態と、以下に説明する変形例および実施形態とは、互いの部分的な構成を適宜採用可能であることはもちろんであり、様々な組み合わせが実現される。
【0098】
<第1実施形態 第1変形例>
図11は、半導体レーザ装置A1の第1変形例を示す要部拡大断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A11においては、内方端面36は、z方向に沿った形状であり、z方向に対して傾斜していない。
【0099】
<第1実施形態 第2変形例>
図12は、半導体レーザ装置A1の第2変形例を示す要部拡大断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A12においては、内方端面36の傾きが、半導体レーザ装置A1の内方端面36とは、異なっている。本変形例においては、内方端面36は、z方向一方側(上側)からz方向他方側(下側)に向かうほど、x方向他方側(後側)に位置するように傾いている。
【0100】
これらの変形例から理解されるように、内方端面36の角度は、種々に設定可能である。
【0101】
<第1実施形態 第3変形例>
図13は、半導体レーザ装置A1の第3変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A13においては、第1カバー7の基材1への取付け手法が上述した半導体レーザ装置A1と異なっている。
【0102】
本変形例においては、基材1には、上述の前方環状凹部171が設けられていない。第1カバー7は、基材1の前方端面13にたとえば接着によって取り付けられている。本変形例から理解されるように、第1カバー7の基材1への取付け手法や取付け構造は特に限定されない。
【0103】
<第1実施形態 第4変形例>
図14は、半導体レーザ装置A1の第4変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A14においては、第1カバー7の構成が上述した半導体レーザ装置A1と異なっている。
【0104】
本変形例においては、第1カバー7は、レンズ部71を有する。レンズ部71は、x方向に膨出する形状であり、いわゆる凸レンズを構成している。このような第1カバー7は、レンズ部71によって半導体レーザ素子6からのレーザ光を屈折させることにより、x方向における指向性をより高めることができる。なお、凸レンズからなるレンズ部71は一例であり、レンズ部71は、凹レンズ等の様々な形状のレンズを適宜採用可能である。
【0105】
<第1実施形態 第5変形例>
図15は、半導体レーザ装置A1の第5変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A15においては、半導体レーザ素子6の構成が上述した半導体レーザ装置A1と異なっている。
【0106】
本変形例においては、半導体レーザ素子6は、サブマウント68を有する。サブマウント68は、たとえばSi、GaN、SiC、AlN等の材料からなる。サブマウント68は、その上面に半導体層61が形成されている。
【0107】
サブマウント68には、貫通配線69が形成されている。貫通配線69は、サブマウント68をz方向に貫通する導通部材である。貫通配線69は、半導体層61の電極(図示略)に導通している。
【0108】
本変形例の第1層2は、半導体レーザ装置A1における台座部240を有していない。また、第1主部210と底部250とは、互いの厚さが同じである。配線部5の第1配線部51の素子搭載部511は、底部250の第1主面21に形成されている。サブマウント68の貫通配線69は、素子搭載部511に導通している。
【0109】
本変形例によっても、半導体レーザ装置A15を表面実装することができる。また、半導体レーザ素子6は、サブマウント68を有するタイプのものでも、サブマウント68を有さないタイプのものであってもよい。基材1および配線部5の構成を適宜変更する事により、様々なタイプの半導体レーザ素子6を採用可能である。
【0110】
<第1実施形態 第6変形例>
図16は、半導体レーザ装置A1の第6変形例を示す平面図である。
図17は、
図16のXVII−XVII線に沿う断面図である。
【0111】
本変形例の半導体レーザ装置A16においては、半導体レーザ素子6のx方向一方側端が、台座部240のx方向一方側端に対して長さL’だけx方向他方側に位置している。すなわち、半導体レーザ素子6は、台座部240から突出した構成ではなく、台座部240のx方向一方側端からx方向他方側に退避した配置とされている。
【0112】
このような変形例によれば、半導体レーザ素子6と素子搭載部511(台座部240)とが重なり合う面積を増大させることが可能である。これにより、半導体レーザ素子6の発光に伴う熱を台座部240(基材1)へとより効率よく伝達することができる。また、半導体レーザ素子6と素子搭載部511(台座部240)との接合面積が増大することにより、互いの接合強度を高めることができる。また、本変形例から理解されるように、半導体レーザ素子6のx方向一方側端と台座部240のx方向一方側端(あるいはサブマウント68のx方向一方側端)との位置関係は何ら限定されない。この点は、他の変形例および実施形態においても同様である。
【0113】
<第2実施形態>
図18〜
図20は、本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示している。
図18は、本実施形態の半導体レーザ装置A2を示す平面図である。
図19は、半導体レーザ装置A2の基材1を示す要部平面図である。
図20は、半導体レーザ装置A2の基材1を示す要部平面図である。
【0114】
半導体レーザ装置A2においては、第1配線部51の第1帯状部512と第2配線部52の複数の第2帯状部522との配置が、上述した半導体レーザ装置A1と異なっている。
【0115】
本実施形態においては、複数の第2帯状部522は、z方向視において第1帯状部512を挟んでy方向両側に配置されている。図示された例においては、2つずつの第2帯状部522が第1帯状部512を挟んでy方向両側に配置されている。
【0116】
図19に示すように、第1帯状部512は、第1主部210のx方向略中央に設けられている。また、第1連結部513は、x方向に延びる直線状であり、屈曲形状ではない。
【0117】
図20に示すように、4つの第2連結部523は、y方向一方側の2つの第2連結部523とy方向他方側の2つの第2連結部523とで、屈曲形状が互いに反対向きとなっている。
【0118】
このような実施形態によっても、半導体レーザ装置A2を表面実装することができる。また、本実施形態によれば、複数の第2帯状部522の経路長をより均一にしやすい。また、第1帯状部512および第1連結部513がともに直線状であることにより、当該経路のインダクタンス成分を縮小させることができる。
【0119】
<第3実施形態>
図21〜
図27は、本開示の第3実施形態に係る半導体レーザ装置を示している。
図21は、本実施形態の半導体レーザ装置A3を示す平面図である。
図22は、半導体レーザ装置A3を示す側面図である。
図23は、半導体レーザ装置A3を示す底面図である。
図24は、
図21のXXIV−XXIV線に沿う断面図である。
図25は、半導体レーザ装置A3の基材1を示す要部平面図である。
図26は、半導体レーザ装置A3の基材1を示す要部平面図である。
図27は、半導体レーザ装置A3の基材1を示す要部平面図である。
【0120】
半導体レーザ装置A3においては、
図23および
図24に示すように、基材1の裏面12が実装面とされている。
【0121】
基材1は、側方溝部162を有する。側方溝部162は、一方の側面15から凹んでおり、z方向に沿っている。本実施形態においては、側方溝部162は、第1裏面22(裏面12)に到達している。また、図示された例においては、側方溝部162は、第3主面41(主面11)に到達している。
【0122】
第1層2は、第1側方溝部262を有する。第1側方溝部262は、第1側面25から凹んでおり、z方向に沿っている。第2層3は、第2側方溝部362を有する。第2側方溝部362は、第2側面35から凹んでおり、z方向に沿っている。第3層4は、第3側方溝部462を有する。第3側方溝部462は、第3側面45から凹んでおり、z方向に沿っている。後方溝部161は、第1側方溝部262、第2側方溝部362および第3側方溝部462からなる。
【0123】
配線部5は、複数の後方連絡部501および側方連絡部503を有する。複数の後方連絡部501は、上述した実施形態と同様に、複数の後方溝部161を覆っている。側方連絡部503は、側方溝部162を覆っており、側方溝部162のz方向他方側端(下側端)に到達している。また、図示された例においては、側方連絡部503は、側方溝部162のz方向一方側端(上側端)に到達している。
【0124】
図23および
図25に示すように、第1配線部51は、素子搭載部511、第1連結部513、複数の実装端子部514、実装端子部515および第1連結部518を有する。第1連結部513は、素子搭載部511から第1側方溝部262に向かってy方向に延びており、第1側方溝部262に到達している。これにより、第1連結部513は、側方連絡部503に接している。
【0125】
実装端子部515は、第1裏面22(裏面12)に形成されている。実装端子部515は、z方向視矩形状であり、実装端子部514より大きい。第1連結部518は、実装端子部515からy方向に延びており、第1側方溝部262に到達している。これにより、第1連結部518は、側方連絡部503に接している。この結果、素子搭載部511は、第1連結部513、側方連絡部503および581を介して、実装端子部515と導通している。なお、
図24および
図25に示すように、実装端子部515は、z方向視において半導体レーザ素子6と重なる構成とすることが好ましい。実装端子部515は、たとえばカソード電極である。
【0126】
複数の実装端子部514は、第1裏面22(裏面12)のx方向他方側(後側)寄りに形成されている。複数の実装端子部514は、複数の第1後方溝部261に各別に到達している。これにより、複数の実装端子部514は、複数の後方連絡部501と各別に接している。なお、
図24および
図26に示すように、複数の実装端子部514は、複数のワイヤボンディング部521とz方向視において重なる構成とすることが好ましい。実装端子部514は、たとえばアノード電極である。
【0127】
図示された例においては、第2配線部52は、複数のワイヤボンディング部521および複数の第2帯状部522を有しており、上述した実施形態の第2連結部523を有していない。また、配線部5は、上述した実施形態の第3配線部53を有さない。第2帯状部522は、後方連絡部501に接している。この結果、複数のワイヤボンディング部521は、複数の第2帯状部522および複数の後方連絡部501を介して、複数の実装端子部514に各別に導通している。ただし、第2配線部52が第2連結部523を有し、配線部5が第3配線部53を有する構成であってもよい。
【0128】
このような実施形態によっても、裏面12を実装面として、半導体レーザ装置A3を表面実装することができる。また、本実施形態によれば、基材1の主面11には、配線部5を形成する必要がない。また、実装端子部515を半導体レーザ素子6とz方向視において重なる構成とすることができる。また、複数の実装端子部514を複数のワイヤボンディング部521とz方向視において重なる構成とすることができる。これは、半導体レーザ装置A3の小型化に好ましい。
【0129】
<第3実施形態 第1変形例>
図28は、半導体レーザ装置A3の第1変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A31においては、第2カバー8の基材1への取付け手法が上述した例と異なっている。
【0130】
本変形例においては、基材1には、上述の環状凹部440が設けられていない。第2カバー8は、基材1の主面11にたとえば接着によって取り付けられている。本変形例から理解されるように、第2カバー8の基材1への取付け手法や取付け構造は特に限定されない。
【0131】
<第4実施形態>
図29〜
図32は、本開示の第4実施形態に係る半導体レーザ装置を示している。
図29は、本実施形態の半導体レーザ装置A4を示す平面図である。
図30は、A4を示す底面図である。
図31は、
図29のXXXI−XXXI線に沿う断面図である。
図32は、
図29のXXXII−XXXII線に沿う断面図である。
【0132】
本実施形態においては、半導体レーザ装置A4は、サーミスタ9を備える。サーミスタ9は、半導体レーザ素子6の動作温度を検出するための温度検出素子の一例である。
【0133】
図示された例においては、サーミスタ9は、半導体レーザ素子6のサブマウント68に形成されている。
図32に示すように、サブマウント68は、貫通配線69に加えて、貫通配線91および貫通配線92を有する。貫通配線91および貫通配線92は、サーミスタ9からサブマウント68の図中下面までを貫通しており、金属等の導電体からなる。なお、
図31および
図32は、サブマウント68にサーミスタ9が形成された構成を模式的に示したものである。サブマウント68におけるサーミスタ9の具体的構成は、種々に設定可能である。
【0134】
図30〜
図32に示すように、配線部5の第1配線部51は、一対の素子搭載部511、一対の第1連結部513、複数の実装端子部514、実装端子部515、実装端子部516および複数の第1連結部518を有する。また、基材1は、一対の側方溝部162を有する。一対の側方溝部162は、一対の側面15に分かれて形成されている。配線部5は、一対の側方連絡部503を有する。一対の側方連絡部503は、一対の側方溝部162を各別に覆っている。
【0135】
複数の素子搭載部511は、第1層2の第1主面21に形成されており。y方向に離間して配置されている。一方の素子搭載部511には、貫通配線69と貫通配線91とが繋がっている。他方の素子搭載部511には、貫通配線92が繋がっている。
【0136】
一対の第1連結部513は、一対の素子搭載部511から一対の側方溝部162に向けてy方向に延びている。一対の第1連結部513は、一対の側方連絡部503に各別に接している。
【0137】
複数の実装端子部514および実装端子部515は、上述した半導体レーザ装置A3の実装端子部514および実装端子部515と同様の構成である。実装端子部515は、第1連結部518、側方連絡部503、第1連結部513、素子搭載部511および貫通配線91を介して、サーミスタ9のたとえばカソード電極(図示略)に導通している。
【0138】
実装端子部516は、実装端子部515に対してy方向に離間して配置されている。実装端子部516には、一方の第1連結部518が繋がっている。第1連結部518は、一方の側方連絡部503に接している。
図32に示すように、実装端子部516は、第1連結部518、側方連絡部503、第1連結部513、素子搭載部511および貫通配線92を介して、サーミスタ9のたとえばアノード電極(図示略)に導通している。
【0139】
このような実施形態によっても、半導体レーザ装置A4を表面実装することができる。また、サーミスタ9を備えることにより、半導体レーザ素子6の動作温度を外部から監視することが可能である。サーミスタ9をサブマウント68に内蔵することにより、半導体レーザ装置A4の小型化を図ることができる。第1裏面22(裏面12)を実装面とする構成は、半導体レーザ装置A4の小型化に有利である。
【0140】
<第5実施形態>
図33〜
図35は、本開示の第5実施形態に係る半導体レーザ装置を示している。
図33は、本実施形態に係る半導体レーザ装置A5を示す平面図である。
図34は、半導体レーザ装置A5を示す正面図である。
図35は、
図33のXXXV−XXXV線に沿う断面図である。
【0141】
半導体レーザ装置A5は、半導体レーザ装置A4と同様にサーミスタ9を備える。本実施形態においては、サーミスタ9は、半導体レーザ素子6とは別体の素子として構成されている。なお、半導体レーザ素子6は、サブマウント68を有していても有していなくてもよい。図示された例においては、半導体レーザ素子6は、サブマウント68を有していない。半導体レーザ素子6は、第1層2の台座部240に搭載されている。
【0142】
第1配線部51は、素子搭載部511および第1連結部513に加えて、素子搭載部5111、ワイヤボンディング部5112および連結部5113を有する。素子搭載部5111は、素子搭載部511に対してy方向に離間して配置されている。素子搭載部511と素子搭載部5111とは、第1連結部513によって連結されている。素子搭載部5111は、サーミスタ9が搭載される部位である。ワイヤボンディング部5112は、素子搭載部5111に対してx方向に離間して配置されている。ワイヤボンディング部5112には、ワイヤ99が接続される。ワイヤ99は、サーミスタ9とワイヤボンディング部5112とを接続している。連結部5113は、ワイヤボンディング部5112から側方溝部162に向かってy方向に延びている。連結部5113は、側方連絡部503に接している。
【0143】
半導体レーザ装置A5の裏面12における構成は、たとえば上述した半導体レーザ装置A4と同様である。また、
図33に示すように、サーミスタ9およびワイヤ99は、z方向視において基材1の開口17から露出している。また、
図34に示すように、サーミスタ9は、その一部が出射部18からはみ出しており、x方向視において前方端面13に隠れた配置となっている。
【0144】
このような実施形態によっても、半導体レーザ装置A5を表面実装することができる。また、サーミスタ9を備えることにより、半導体レーザ素子6の動作温度を外部から監視することが可能である。また、本実施形態から理解されるように、サーミスタ9を搭載する構造は、様々に設定可能であり、基材1および配線部5の構成を適宜対応させればよい。
【0145】
<第6実施形態>
図36〜
図38は、本開示の第6実施形態に係る半導体レーザ装置を示している。
図36は、本実施形態に係る半導体レーザ装置A6を示す平面図である。
図37は、半導体レーザ装置A6を示す底面図である。
図38は、
図36のXXXVIII−XXXVIII線に沿う断面図である。
【0146】
本実施形態においては、基材1は、第1層2および第2層3からなる。第1層2は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる、平板状である。第2層3は、たとえばエポキシ樹脂からなる。このように、基材1は、互いに異なる材質からなる複数の部材によって構成されていてもよい。
【0147】
第1層2は、z方向視において矩形状であり、第1主面21、第1裏面22、第1前方端面23、第1後方端面24および一対の第1側面25を有する。第1裏面22は、裏面12を構成しており、本実施形態における実装面である。
【0148】
第2層3は、たとえば、エポキシ樹脂を金型成形したものを第1層2に接合したものである。第2層3は、開口17および出射部18を有しており、図示された例においては、環状凹部340および前方環状凹部171を有する。環状凹部340は、上述した実施形態における環状凹部440と同様の凹部であり、第2カバー8を設けるためのものである。
【0149】
配線部5は、素子搭載部591、複数のワイヤボンディング部592、実装端子部593、複数の実装端子部594、複数の貫通配線595および複数の貫通配線596を有する。
【0150】
素子搭載部591は、第1層2の第1主面21に形成されており、半導体レーザ素子6が搭載されている。複数のワイヤボンディング部592は、素子搭載部591に対してx方向他方側(後側)に形成されており、y方向に互いに離間して配置されている。
【0151】
実装端子部593は、第1裏面22(裏面12)に形成されており、z方向視において素子搭載部591と重なる。複数のワイヤボンディング部592は、第1裏面22(裏面12)に形成されており、複数のワイヤボンディング部592とz方向視において各別に重なる。
【0152】
複数の貫通配線595は、第1層2をz方向に貫通しており、金属等の導電体からなる。複数の貫通配線595は、素子搭載部591と実装端子部593とを繋いでいる。図示された例においては、複数の貫通配線595は、マトリクス状に配置されている。
【0153】
複数の貫通配線596は、第1層2をz方向に貫通しており、金属等の導電体からなる。複数の貫通配線596は、複数のワイヤボンディング部592と複数の実装端子部594とを各別に繋いでいる。
図36に示すように、貫通配線596は、z方向視においてワイヤボンディング部592のx方向他方側寄り部分に重なるように配置されている。このような配置は、ワイヤ97のボンディング部分を、貫通配線596から離れた位置に設けるのに適している。
【0154】
このような実施形態によっても、半導体レーザ装置A6を表面実装することができる。また、貫通配線595および貫通配線596を採用することにより、配線部5の配置に要する面積を縮小することが可能であり、半導体レーザ装置A6の小型化に好ましい。また、複数の貫通配線595を備えることにより、半導体レーザ素子6から発した熱をより効率よく外部に伝達することができる。
【0155】
<第7実施形態>
図39および
図40は、本開示の第7実施形態に係る半導体レーザ装置を示している。
図39は、本実施形態に係る半導体レーザ装置A7を示す平面図である。
図40は、半導体レーザ装置A7を示す底面図である。
【0156】
本実施形態においては、半導体レーザ素子6が、1つのみの導波路62および電極63を有する。これに対応して、ワイヤボンディング部592および実装端子部594の個数は、1つである。
【0157】
このような実施形態によっても、半導体レーザ装置A7を表面実装することができる。また、本実施形態から理解されるように、本開示における半導体レーザ素子6の導波路62および電極63の個数は特に限定されない。導波路62および電極63の個数は、それぞれ1つでもよいし、それぞれが4つ以外の複数個であってもよい。また、たとえば、半導体レーザ装置A1において、複数の導波路62から別々のタイミングでレーザ光を出射する必要が無い場合、1つのみの実装端子部531を備える構成であってもよい。
【0158】
本開示に係る半導体レーザ装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る半導体レーザ装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0159】
〔付記1〕
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子を支持する基材と、
前記基材に形成され、前記半導体レーザ素子への導通経路を構成する配線部と、
を備え、
前記基材は、厚さ方向一方側を向き且つ前記半導体レーザ素子が搭載された搭載面と、前記厚さ方向と直角である第1方向において前記半導体レーザ素子に対して一方側に位置する出射部を有し、
前記半導体レーザ素子からの光が、前記出射部を通じて出射される、半導体レーザ装置。
〔付記2〕
前記基材は、前記半導体レーザ素子に対して前記厚さ方向一方側に位置する開口を有する、付記1に記載の半導体レーザ装置。
〔付記3〕
前記出射部は、前記半導体レーザ素子からの光を透過させる第1カバーを含む、付記2に記載の半導体レーザ装置。
〔付記4〕
前記第1カバーは、前記半導体レーザ素子からの光を屈折させるレンズ部を有する、付記3に記載の半導体レーザ装置。
〔付記5〕
前記開口を塞ぐ第2カバーを備える、付記2ないし4のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記6〕
前記基材は、前記厚さ方向を向く実装面を有し、
前記配線部は、前記実装面に形成された実装端子部を有する、付記2ないし5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記7〕
前記実装面は、前記厚さ方向一方側を向く、付記6に記載の半導体レーザ装置。
〔付記8〕
前記実装面は、前記厚さ方向他方側を向く、付記6に記載の半導体レーザ装置。
〔付記9〕
前記配線部は、前記搭載面に形成され且つ前記半導体レーザ素子が搭載された素子搭載部を有する、付記6ないし8のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記10〕
前記基材は、前記第1方向他方側を向き且つ前記実装面に到達する後方端面と、前記後方端面から凹み且つ前記実装面に到達する後方溝部とを有し、
前記配線部は、前記後方溝部に形成され且つ前記半導体レーザ素子および前記実装端子部を導通させる後方連絡部を有する、付記9に記載の半導体レーザ装置。
〔付記11〕
前記基材は、前記搭載面に対して前記厚さ方向他方側に位置する底部と、前記底部から前記厚さ方向一方側に突出し且つ前記搭載面を構成する台座部を有する、付記10に記載の半導体レーザ装置。
〔付記12〕
前記半導体レーザ素子は、発光機能を果たす半導体層と前記半導体層を支持するサブマウントとを有する、付記10に記載の半導体レーザ装置。
〔付記13〕
前記基材は、前記半導体レーザ素子に対して前記第1方向他方側に位置し且つ前記厚さ方向に対して傾斜した内方端面を有する、付記11または12に記載の半導体レーザ装置。
〔付記14〕
前記配線部は、前記半導体レーザ素子に対して前記第1方向他方側に位置し且つ前記搭載面に対して前記厚さ方向一方側に位置するワイヤボンディング部を有し、
前記半導体レーザ素子と前記ワイヤボンディング部とに接続されたワイヤを備える、付記11ないし13のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記15〕
前記半導体レーザ素子は、前記第1方向および前記厚さ方向のいずれに対しても直角である第2方向に配列され且つ各々が独立して前記第1方向一方側に光を出射する複数の導波路を有している、付記14に記載の半導体レーザ装置。
〔付記16〕
前記基材は、前記第2方向に配列された複数の前記後方溝部を有し、
前記配線部は、前記第2方向に配列された複数の前記ワイヤボンディング部と、前記複数の後方溝部に形成された複数の前記後方連絡部と、前記複数のワイヤボンディング部および前記複数の後方連絡部を各別に導通させる複数の第2帯状部と、を有し、
前記複数の第2帯状部は、各々が前記第1方向に延びており且つ前記第2方向に配列されている、付記15に記載の半導体レーザ装置。
〔付記17〕
前記基材に支持され且つ前記配線部に導通する温度検出素子を備える、付記1ないし16のいずれかに記載の半導体レーザ装置。