特開2019-125839(P2019-125839A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザインエレクトロニクス株式会社の特許一覧

特開2019-125839映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システム
<>
  • 特開2019125839-映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システム 図000003
  • 特開2019125839-映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システム 図000004
  • 特開2019125839-映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システム 図000005
  • 特開2019125839-映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システム 図000006
  • 特開2019125839-映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システム 図000007
  • 特開2019125839-映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-125839(P2019-125839A)
(43)【公開日】2019年7月25日
(54)【発明の名称】映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/073 20060101AFI20190704BHJP
   H04L 7/00 20060101ALI20190704BHJP
【FI】
   H04N5/073 A
   H04L7/00 080
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-3291(P2018-3291)
(22)【出願日】2018年1月12日
(71)【出願人】
【識別番号】399011195
【氏名又は名称】ザインエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(72)【発明者】
【氏名】藤木 礼
(72)【発明者】
【氏名】岩間 大介
【テーマコード(参考)】
5C020
5K047
【Fターム(参考)】
5C020AA05
5C020AA07
5C020AA11
5C020CA20
5K047GG02
5K047GG03
5K047GG07
(57)【要約】
【課題】接続されるべき映像信号送信装置の個数の変化に柔軟に対応することができる映像信号受信モジュール等を提供する。
【解決手段】映像信号送受信システム1は、映像信号受信モジュール10内の第1映像信号受信装置11Aおよび第2映像信号受信装置11Bと、カメラモジュール20内の映像信号送信装置21とを備える。映像信号受信モジュール10は、第1映像信号受信装置11A、第2映像信号受信装置11Bおよび中央演算プロセッサ12を含む。第1映像信号受信装置11Aにおいて生成されたフレーム信号は、第1群の映像信号送信装置21へ送出されるとともに、第2映像信号受信装置11Bへ出力される。また、第1映像信号受信装置11Aにおいて生成されたフレーム信号は、第2映像信号受信装置11Bに入力されて、第2映像信号受信装置11Bから第2群の映像信号送信装置21へ送出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々カメラによる撮像により取得された映像信号を送出する複数の映像信号送信装置と信号線により接続され、前記複数の映像信号送信装置それぞれから送出された映像信号を受信するモジュールであって、
フレーム信号を生成するフレーム信号生成部と、前記フレーム信号生成部により生成されたフレーム信号を前記複数の映像信号送信装置のうちの第1群の映像信号送信装置へ送出するフレーム信号送信部と、前記フレーム信号生成部により生成されたフレーム信号を出力する出力部と、を含む第1映像信号受信装置と、
前記第1映像信号受信装置の前記出力部から出力されたフレーム信号を入力する入力部と、前記入力部が入力したフレーム信号を前記複数の映像信号送信装置のうちの第2群の映像信号送信装置へ送出するフレーム信号送信部と、を含む第2映像信号受信装置と、
を備える映像信号受信モジュール。
【請求項2】
前記第1映像信号受信装置は、クロックを生成する内部オシレータを含み、
前記フレーム信号生成部は、前記内部オシレータが生成したクロックに基づいてフレーム信号を生成する、
請求項1に記載の映像信号受信モジュール。
【請求項3】
前記第1映像信号受信装置は、クロックを入力するクロック入力部を含み、
前記フレーム信号生成部は、前記クロック入力部が入力したクロックに基づいてフレーム信号を生成する、
請求項1に記載の映像信号受信モジュール。
【請求項4】
前記第1映像信号受信装置は、クロックを生成する内部オシレータと、クロックを入力するクロック入力部とを含み、
前記フレーム信号生成部は、前記内部オシレータが生成したクロックおよび前記クロック入力部が入力したクロックのうちの何れかのクロックに基づいて生成したフレーム信号を出力する、
請求項1に記載の映像信号受信モジュール。
【請求項5】
各々カメラによる撮像により取得された映像信号を送出する複数の映像信号送信装置と、
前記複数の映像信号送信装置それぞれから送出された映像信号を受信するとともに、フレーム信号を送出する請求項1〜4の何れか1項に記載の映像信号受信モジュールと、
を備え、
前記複数の映像信号送信装置それぞれは、前記映像信号受信モジュールから送出されたフレーム信号を受信して、そのフレーム信号を対応するカメラへ出力する、
映像信号送受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号受信モジュールおよび映像信号送受信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のカメラを用いて同時に取得した複数の映像を解析する技術の開発が行われている。例えば、事故などが発生する可能性を事前に検知してこれを回避する先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance System、ADAS)では、自動運転を実現するために、自動車に搭載された多数のカメラにより取得された映像情報をリアルタイム処理し、深層学習技術を適当することにより、カメラ映像情報から車両、歩行者および車間距離などの周辺環境情報を抽出する。深層学習技術を用いてパターンマッチング処理を行うGPU(Graphic Processor Unit)が開発されており、このGPUを用いることで例えば12チャネルのカメラ映像信号を処理できるプラットフォームを構築することができるとされている(非特許文献1参照)。
【0003】
このようなシステムでは、多数のカメラは実質的に同時に映像を取得することが重要である。例えば、ドイツのアウトバーンを速度250km/hで合法的に走行している自動車に搭載されている複数のカメラが同期せずにフレームレート30fps(Frame Per Second)で周辺環境の情報を取得したと仮定すると、これら複数のカメラの間では最大16.7msの撮像時刻がずれることになり、各カメラが撮影した空間的位置は最大1.2mほど互いに異なることになる。このような映像の取得時刻の差異に対処した上で周辺環境情報を抽出する為には、本来の周辺環境情報抽出処理とは別の追加処理が必要になる。
【0004】
したがって、各カメラは実質的に同時に映像を取得することが重要である。例えば、自動車が速度250km/hで走行している場合に、各カメラが150μs以下の時差で映像を取得すれば、各カメラが撮影した空間的位置の差異は10mmとなり、前述の追加処理は不要であるとされている。
【0005】
通常、カメラモジュールの内部には、レンズ系およびイメージセンサ(例えばCMOSイメージセンサ)に加えて、このイメージセンサにクロックを供給してイメージセンサを駆動するオシレータが配置されている。しかし、オシレータの発振特性には個体偏差がある。複数のカメラモジュールそれぞれにおいて内蔵オシレータから出力されるクロックを基準として撮像タイミングを生成する場合、これら複数のカメラモジュールの撮像動作は非同期とならざるをえない。
【0006】
外部オシレータから共通のクロックを複数のカメラモジュールに供給すれば、複数のカメラモジュールの撮像タイミングを実質的に同じにすることができる(非特許文献2参照)。しかし、自動車内に搭載される場合には、外部オシレータとカメラモジュールとの間で長さ10mを超えるクロック供給線が必要となる場合がある。そのクロック供給線の重量は自動車の燃費の悪化の要因となる。また、長距離のクロック供給線はアンテナとして作用して不要電磁波を放射する要因となる。したがって、外部オシレータから共通のクロックを複数のカメラモジュールに供給するのは好ましくない。
【0007】
共通クロックに替えて共通の撮像開始タイミング指示信号を外部から複数のカメラモジュールに供給することによっても、複数のカメラモジュールの撮像タイミングを実質的に同じにすることができる(非特許文献3参照)。一般に、カメラモジュールは、撮像開始タイミング指示信号を受けて撮像を開始する機能を有している。カメラモジュールは、撮像開始後には内蔵オシレータから出力されるクロックに基づいて動作するので、1フレーム撮像終了時刻に差異が生じる。しかし、その差異が大きくなって問題となるより前に再び共通の撮像開始タイミング指示信号を複数のカメラモジュールに供給することを周期的に繰り返すことにより、複数のカメラモジュールの間の動作タイミングの差異を或る一定時間差以下にすることができる。
【0008】
このように複数のカメラモジュールに対して共通に且つ周期的に供給される撮像開始タイミング指示信号として、各フレームの撮像開始タイミングを表すフレーム信号がある。フレームレートが30fpsである場合、フレーム信号は約33ms間隔で供給される。カメラモジュールに内蔵されるオシレータの発振周波数の偏差は一般に100ppmである。この場合、或るフレーム信号のタイミングから次のフレーム信号のタイミングまでの1フレームの期間(33ms)に複数のカメラモジュールの間で生じる動作タイミングの差異は最大で3.3μsとなるが、この差異は前述の許容値(150μs)より小さい。
【0009】
共通のフレーム信号を複数のカメラモジュールに供給する為の信号線は、前述のクロック供給線の場合と同様に10mを超える場合がある。中央演算プロセッサがフレーム信号を生成することができるが、一般に、中央演算プロセッサおよびイメージセンサは、長距離の信号線を介して映像信号およびフレーム信号を送受信する能力を有していない。
【0010】
そこで、専用のインターフェースとして、長距離の信号線を介して信号を送受信する能力を有する映像信号送信装置および映像信号受信装置が用いられる(非特許文献4,5参照)。映像信号送信装置および映像信号受信装置それぞれは半導体集積回路として構成される。映像信号送信装置は、イメージセンサ等とともにカメラモジュールを構成している。映像信号受信装置は、中央演算プロセッサとともに映像信号受信モジュールを構成している。
【0011】
映像信号送信装置は、イメージセンサにより取得された映像信号を映像信号受信装置へ送出する。そして、映像信号受信装置は、映像信号送信装置から送出された映像信号を受信し、その映像信号を中央演算プロセッサへ与える。また、映像信号受信装置は、中央演算プロセッサにより生成されたフレーム信号等の制御信号を映像信号送信装置へ送出する。そして、映像信号送信装置は、映像信号受信装置から送出された制御信号を受信して、そのフレーム信号をイメージセンサへ与える。映像信号送信装置および映像信号受信装置それぞれにおいて、制御信号を送受信する端子として汎用の端子を用いることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】“NVIDIA、自動運転・自動認識の最前線を紹介する「ディープラーニングセミナー」 ヘテロジニアスラーニングによる歩行者検出精度向上などを発表”、[online]、2015年8月26日、Impress Corporation、[平成29年12月11日検索]、インターネット〈URL:https://car.watch.impress.co.jp/docs/topics/717652.html〉
【非特許文献2】“イメージセンシングプロダクツ / Image SensingProducts”、[online]、ソニー、[平成29年12月11日検索]、インターネット〈URL:https://www.sony.co.jp/Products/ISP/interview/vol01.html〉
【非特許文献3】“カメラ接続のためのボード設定方法(外部トリガ編)−AIPToolを使って外部トリガ同期撮像をしよう!−”、[online]、AVAL DATA CORPORATION、[平成29年12月11日検索]、インターネット〈URL:http://www.avaldata.co.jp/solution_imaging/cameralink_tips/aiptool_ex_trg.html〉
【非特許文献4】“New MotorVuTM 360reference design enables four-channel HD surround view and recording”、[online]、Ambarella、[平成29年12月11日検索]、インターネット〈URL:https://www.ambarella.com/news/48/122/Ambarella-Unveils-HD-360-View-Automotive-Camera-Solution〉
【非特許文献5】“B5Video Serializer/De-Serializer Companion Chips”、[online]、Ambarella、[平成29年12月25日検索]、インターネット〈URL:https://www.ambarella.com/uploads/docs/MotorVu-360-product-brief.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、中央演算プロセッサにより生成されたフレーム信号が映像信号受信装置および映像信号送信装置を経てイメージセンサへ送られる構成は、次のような問題点を有している。すなわち、様々な処理を行わなければならない中央演算プロセッサにおいて、時間的に高精度のタイミングでフレーム信号を生成して汎用の端子から送出する処理を行うことは容易ではない。また、中央演算プロセッサにおいて、そのようなフレーム信号の生成および送出の処理が可能であっても、処理能力には限度があることから、フレーム信号送出処理が他の重要な処理に悪影響を及ぼす場合がある。
【0014】
このような問題を解消するために、中央演算プロセッサにおいてフレーム信号を生成することに替えて、映像信号受信装置においてフレーム信号を生成することが考えられる。映像信号受信装置においてフレーム信号を生成すれば、中央演算プロセッサの処理量が軽減される。
【0015】
ところが、略同一のタイミングで撮像することが要求されるカメラモジュールの個数(すなわち、映像信号送信装置の個数)は、一定ではなく、システムによって様々であり、また、今後は増加していくことも予想される。これら複数の映像信号送信装置と1つの映像信号受信装置との間で映像信号および制御信号などを送受信することができればよいが、1つの映像信号受信装置との間で映像信号および制御信号などを送受信することができる映像信号送信装置の個数には制限がある。また、接続されるべき映像信号送信装置の個数に応じて様々な映像信号受信装置を設計・製造して製品ラインアップとして用意しておくことは非効率的である。
【0016】
本発明は、上記のような本発明者の検討の結果に基づいて、上記問題点を解消する為になされたものであり、接続されるべき映像信号送信装置の個数の変化に柔軟に対応することができる映像信号受信モジュール、ならびに、このような映像信号受信モジュールおよび映像信号送信装置を備える映像信号送受信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の映像信号受信モジュールは、各々カメラによる撮像により取得された映像信号を送出する複数の映像信号送信装置と信号線により接続され、複数の映像信号送信装置それぞれから送出された映像信号を受信するモジュールであって、(1) フレーム信号を生成するフレーム信号生成部と、フレーム信号生成部により生成されたフレーム信号を複数の映像信号送信装置のうちの第1群の映像信号送信装置へ送出するフレーム信号送信部と、フレーム信号生成部により生成されたフレーム信号を出力する出力部と、を含む第1映像信号受信装置と、(2) 第1映像信号受信装置の出力部から出力されたフレーム信号を入力する入力部と、入力部が入力したフレーム信号を複数の映像信号送信装置のうちの第2群の映像信号送信装置へ送出するフレーム信号送信部と、を含む第2映像信号受信装置と、を備える。
【0018】
第1映像信号受信装置は、クロックを生成する内部オシレータを含み、フレーム信号生成部は、内部オシレータが生成したクロックに基づいてフレーム信号を生成する。或いは、第1映像信号受信装置は、クロックを入力するクロック入力部を含み、フレーム信号生成部は、クロック入力部が入力したクロックに基づいてフレーム信号を生成する。或いは、第1映像信号受信装置は、クロックを生成する内部オシレータと、クロックを入力するクロック入力部とを含み、フレーム信号生成部は、内部オシレータが生成したクロックおよびクロック入力部が入力したクロックのうちの何れかのクロックに基づいて生成したフレーム信号を出力する。
【0019】
本発明の映像信号送受信システムは、(1) 各々カメラによる撮像により取得された映像信号を送出する複数の映像信号送信装置と、(2) 複数の映像信号送信装置それぞれから送出された映像信号を受信するとともに、フレーム信号を送出する請求項1に記載の映像信号受信モジュールと、を備える。そして、複数の映像信号送信装置それぞれは、映像信号受信モジュールから送出されたフレーム信号を受信して、そのフレーム信号を対応するカメラへ出力する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、接続されるべき映像信号送信装置の個数の変化に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、映像信号送受信システム1の構成を示す図である。
図2図2は、カメラモジュール20の構成を示す図である。
図3図3は、第1映像信号受信装置11Aの構成を示す図である。
図4図4は、第1映像信号受信装置11Aの変形例の構成を示す図である。
図5図5は、第1映像信号受信装置11Aの他の変形例の構成を示す図である。
図6図6は、第2映像信号受信装置11Bの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
図1は、映像信号送受信システム1の構成を示す図である。映像信号送受信システム1は、映像信号受信モジュール10内の第1映像信号受信装置11Aおよび第2映像信号受信装置11Bと、カメラモジュール20内の映像信号送信装置21とを備える。映像信号受信モジュール10は、第1映像信号受信装置11A、第2映像信号受信装置11Bおよび中央演算プロセッサ12を含む。カメラモジュール20は、図2に示されるとおり、映像信号送信装置21およびカメラ22を含む。
【0024】
図1では映像信号受信モジュール10は1個の第1映像信号受信装置11Aおよび2個の第2映像信号受信装置11Bを含む構成であるが、映像信号受信モジュール10に含まれる第2映像信号受信装置11Bの個数は任意である。また、第1映像信号受信装置11Aおよび第2映像信号受信装置11Bそれぞれに接続されるカメラモジュール20の個数は、図1では4であるが、任意である。映像信号送受信システム1が自動車に搭載される場合、映像信号受信モジュール10および各カメラモジュール20は、長距離(例えば長さ10m以上)の信号線により接続されており、そのような長距離の信号の送受信が可能である。
【0025】
各カメラモジュール20において、カメラ22は、レンズ系およびイメージセンサ(例えばCMOSイメージセンサ)を含み、また、このイメージセンサにクロックを供給してイメージセンサを駆動するオシレータを含む。各カメラモジュール20において、映像信号送信装置21は、第1映像信号受信装置11Aまたは第2映像信号受信装置11Bから送出されたフレーム信号をフレーム信号受信部210により受信して、そのフレーム信号を出力部220によりカメラ22へ出力する。カメラ22は、映像信号送信装置21からフレーム信号が供給されると撮像を行い、その撮像により取得された映像信号を映像信号送信装置21へ出力する。映像信号送信装置21は、カメラ22による撮像により取得された映像信号をカメラ22から受け取り、その映像信号を第1映像信号受信装置11Aまたは第2映像信号受信装置11Bへ送出する。
【0026】
第1映像信号受信装置11Aおよび第2映像信号受信装置11Bそれぞれは、カメラモジュール20へフレーム信号を送出し、カメラモジュール20から送出された映像信号を受信する。第1映像信号受信装置11Aおよび第2映像信号受信装置11Bそれぞれは、その受信した映像信号を中央演算プロセッサ12へ出力する。中央演算プロセッサ12は、第1映像信号受信装置11Aおよび第2映像信号受信装置11Bから受け取った映像信号に基づいて所要の処理を行う。
【0027】
図3は、第1映像信号受信装置11Aの構成を示す図である。第1映像信号受信装置11Aは、内部オシレータ110、フレーム信号生成部120、フレーム信号送信部130および出力部140を含む。内部オシレータ110は、クロックを生成する。フレーム信号生成部120は、内部オシレータ110が生成したクロックに基づいてフレーム信号を生成する。フレーム信号送信部130は、フレーム信号生成部120により生成されたフレーム信号を、複数の映像信号送信装置21のうちの第1群の映像信号送信装置21(すなわち、第1映像信号受信装置11Aと信号線により接続された4個の映像信号送信装置21)へ送出する。出力部140は、フレーム信号生成部120により生成されたフレーム信号を、第2映像信号受信装置11Bへ出力する。
【0028】
図4は、第1映像信号受信装置11Aの変形例の構成を示す図である。この第1映像信号受信装置11Aは、内部オシレータ110に替えてクロック入力部111を含む。クロック入力部111は、外部からクロックを入力する。クロック入力部111は、クロックを入力するための専用のものであってもよいし、クロックに加えて他の信号をも入力する汎用のものであってもよい。クロック入力部111が入力するクロックは、映像信号受信モジュール10内のオシレータが生成したものであってもよいし、何れかのカメラモジュール20から送られてきた映像信号クロックであってもよい。フレーム信号生成部120は、クロック入力部111が入力したクロックに基づいてフレーム信号を生成する。
【0029】
図5は、第1映像信号受信装置11Aの他の変形例の構成を示す図である。この第1映像信号受信装置11Aは、内部オシレータ110に加えてクロック入力部111および選択部112を含む。選択部112は、内部オシレータ110が生成したクロックおよびクロック入力部111が入力したクロックのうちの何れか一方のクロックを選択して、その選択したクロックをフレーム信号生成部120へ出力する。フレーム信号生成部120は、選択部112により選択されて出力されたクロックに基づいてフレーム信号を生成する、なお、内部オシレータ110が生成したクロックに基づいてフレーム信号を生成する第1フレーム信号生成部と、クロック入力部111が入力したクロックに基づいてフレーム信号を生成する第2フレーム信号生成部とを設けて、第1フレーム信号生成部が生成したフレーム信号および第2フレーム信号生成部が生成したフレーム信号のうちの何れか一方のフレーム信号を選択して出力してもよい。
【0030】
図6は、第2映像信号受信装置11Bの構成を示す図である。第2映像信号受信装置11Bは、フレーム信号送信部130および入力部150を含む。入力部150は、第1映像信号受信装置11Aの出力部140から出力されたフレーム信号を入力する。フレーム信号送信部130は、入力部150が入力したフレーム信号を、複数の映像信号送信装置21のうちの第2群の映像信号送信装置21(すなわち、第2映像信号受信装置11Bと信号線により接続された4個の映像信号送信装置21)へ送出する。
【0031】
これら第1映像信号受信装置11Aおよび第2映像信号受信装置11Bを備える映像信号受信モジュール10では、第1映像信号受信装置11Aにおいて、フレーム信号生成部120により生成されたフレーム信号は、フレーム信号送信部130により第1群の映像信号送信装置21へ送出されるとともに、出力部140により第2映像信号受信装置11Bへ出力される。また、第1映像信号受信装置11Aにおいてフレーム信号生成部120により生成されたフレーム信号は、第2映像信号受信装置11Bの入力部150に入力されて、第2映像信号受信装置11Bのフレーム信号送信部130により第2群の映像信号送信装置21へ送出される。
【0032】
本実施形態では、映像信号受信モジュール10に含まれる第2映像信号受信装置11Bの個数を任意とすることができる。映像信号受信モジュール10が実質的に同じタイミングでフレーム信号を供給すべき映像信号送信装置21の個数に応じて、映像信号受信モジュール10に含まれる第2映像信号受信装置11Bの個数を調整すればよい。このように、本実施形態の映像信号受信モジュール10は、接続されるべき映像信号送信装置21の個数の変化に柔軟に対応することができる。
【0033】
また、本実施形態では、中央演算プロセッサ12がフレーム信号を生成するのではなく、第1映像信号受信装置11Aがフレーム信号を生成する。中央演算プロセッサ12がフレーム信号を生成する場合には、様々な処理を行わなければならない中央演算プロセッサにおいて、時間的に高精度のタイミングでフレーム信号を生成して汎用の端子から送出する処理を行うことは容易ではなく、また、このようなフレーム信号の生成および送出の処理が可能であっても、処理能力には限度があることから、フレーム信号送出処理が他の重要な処理に悪影響を及ぼす場合がある。これに対して、第1映像信号受信装置11Aがフレーム信号を生成する本実施形態では、このような中央演算プロセッサ12の負荷の問題が軽減される。
【符号の説明】
【0034】
1…映像信号送受信システム、10…映像信号受信モジュール、11A…第1映像信号受信装置、11B…第2映像信号受信装置、12…中央演算プロセッサ、20…カメラモジュール、21…映像信号送信装置、22…カメラ、110…内部オシレータ、111…クロック入力部、112…選択部、120…フレーム信号生成部、130…フレーム信号送信部、140…出力部、150…入力部、210…フレーム信号受信部、220…出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6