特開2019-127600(P2019-127600A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-127600電極構造体設置ユニット及び連結具並びにこれらを用いた地中埋設金属体の電気防食施工法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-127600(P2019-127600A)
(43)【公開日】2019年8月1日
(54)【発明の名称】電極構造体設置ユニット及び連結具並びにこれらを用いた地中埋設金属体の電気防食施工法
(51)【国際特許分類】
   C23F 13/10 20060101AFI20190708BHJP
   C23F 13/02 20060101ALI20190708BHJP
【FI】
   C23F13/10 B
   C23F13/02 B
   C23F13/02 J
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-7653(P2018-7653)
(22)【出願日】2018年1月19日
(11)【特許番号】特許第6325761号(P6325761)
(45)【特許公報発行日】2018年5月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000211891
【氏名又は名称】株式会社ナカボーテック
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】正田 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】土田 富孝
(72)【発明者】
【氏名】清水 守
【テーマコード(参考)】
4K060
【Fターム(参考)】
4K060AA03
4K060BA02
4K060BA04
4K060BA07
4K060BA08
4K060BA16
4K060BA24
4K060BA41
4K060BA43
4K060BA45
4K060CA06
4K060EA12
4K060EB01
4K060FA09
4K060FA10
(57)【要約】
【課題】地中埋設金属体に防食電流を供給する電極構造体を地中に設置する場合に、その設置作業を短時間で容易に低コストで実施することができる、電極構造体設置ユニット及び連結具並びにこれらを用いた地中埋設金属体の電気防食施工法を提供すること。
【解決手段】本発明の電極構造体設置ユニット1は、一方向に長い形状の電極構造体2と、電極構造体2の長手方向Xの一端に連結具3を介して着脱自在に連結され、電極構造体2を軸方向周りに回転させる掘削推進機4とを含んで構成されている。電極構造体2の長手方向Xの他端を地面100Sに当接させ且つ掘削推進機4に設けられた把持部42を手指で把持した状態で、掘削推進機4を作動させて電極構造体2を軸方向周りに回転させることにより、電極構造体2を地中に掘削推進可能になされている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面から所定の深さにある地中埋設金属体に防食電流を供給する電極構造体を設置するための電極構造体設置ユニットであって、
一方向に長い形状の前記電極構造体と、該電極構造体の長手方向一端に連結具を介して着脱自在に連結され、該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させる掘削推進機とを具備し、
前記電極構造体の長手方向他端を地面に当接させ且つ前記掘削推進機に設けられた把持部を手指で把持した状態で、該掘削推進機を作動させて該電極構造体を軸方向周りに回転させることにより、該電極構造体を地中に掘削推進可能になされている電極構造体設置ユニット。
【請求項2】
前記電極構造体は、電極と、該電極を内包する電極保護部材とを具備し、該電極保護部材の外面に、掘削羽根が、該電極保護部材の長手方向に間欠配置されている請求項1に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項3】
前記掘削羽根が、前記電極保護部材の長手方向の全長の5分の3以上に亘って配されており、
前記掘削羽根の前記長手方向におけるピッチが、前記電極保護部材における該掘削羽根の配置部の最大径と略等しく、且つ該掘削羽根の該電極保護部材の外面からの突出長さが、該最大径の3分の1よりも短い請求項2に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項4】
前記電極構造体は、一端が前記電極に接続され、他端が前記電極構造体設置ユニットとは別体の直流電源装置に接続される、リード線を具備し、該リード線は、該直流電源装置との接続端部側が該電極保護部材の外部に露出しており、
前記連結具の外面に、前記露出したリード線が巻き付けられるリード線収容部が設けられている請求項2又は3に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項5】
前記電極構造体が、前記連結具との連結に利用される係合部を有すると共に、該連結具が、該電極構造体の係合部と相補的に係合する係合部を有し、両係合部どうしが相補的に係合することで該電極構造体と該連結具とが着脱自在に連結するようになされている請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項6】
前記電極構造体の係合部及び前記連結具の係合部のうちの一方が、該電極構造体又は該連結具の軸方向一端に設けられ軸方向外方に突出する突起を有し、他方が、該連結具又は該電極構造体の軸方向一端に設けられ該突起が挿入可能な受け溝を有し、
前記突起は、前記軸方向に延びる突起本体と、該突起本体の先端部から軸方向周りに張り出した張出部とを有し、
前記受け溝は、前記突起の挿入口から軸方向内方に延びる溝凹部と、該挿入口から軸方向内方に所定距離離間した位置にて該溝凹部から軸方向周りに張り出した張出溝凹部とを有し、
前記受け溝に前記突起を挿入後に、該受け溝又は該突起を軸方向周りの一方向に回転させることにより、前記張出部が前記張出溝凹部に収容されて、該突起と該受け溝とが相補的に係合し、また、その両者の係合状態から該受け溝又は該突起を該一方向とは反対方向に回転させることにより、該係合状態が解除されるようになされている請求項5に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項7】
前記連結具は、前記掘削推進機に連結される基本連結部材と、該基本連結部材と前記電極構造体との間に連結されて該連結具を延長する延長用連結部材とを具備し、これら複数の連結部材どうしは、相互に着脱自在に直列に連結可能になされている請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項8】
さらに、前記電極構造体が地中を掘削推進しているときに前記把持部に作用する反力を低減する反力受け部材を具備し、
前記反力受け部材は、一方向に長い形状を有し、長手方向に伸縮自在に構成され、且つ長手方向一端が前記連結具又は前記掘削推進機に連結された状態で、長手方向他端を地面に当接させて使用される請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項9】
地面から所定の深さにある地中埋設金属体に防食電流を供給する、一方向に長い形状の電極構造体と、該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させる掘削推進機とを連結するための連結具であって、
一方向に長い形状の連結部材を具備し、該連結部材の長手方向一端に、前記電極構造体との連結に利用される係合部が設けられており、
前記連結部材の外面に、前記電極構造体から延びるリード線が巻き付けられる、リード線収容部が設けられている連結具。
【請求項10】
前記連結部材の外面に、複数のフランジ部が該連結部材の長手方向に所定間隔を置いて突出形成され、該複数のフランジ部に挟まれた部分が前記リード線収容部であり、
前記複数のフランジ部のうち、前記電極構造体に最も近いフランジ部に、前記リード線を該電極構造体側から前記リード線収容部側に通す際に利用される、リード線挿通部が形成されている請求項9に記載の連結具。
【請求項11】
前記連結具は、前記連結部材として、前記掘削推進機に連結される基本連結部材と、該基本連結部材と前記電極構造体との間に連結されて該連結具を延長する延長用連結部材とを具備し、これら複数の連結部材どうしは、相互に着脱自在に直列に連結可能になされている請求項9又は10に記載の連結具。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極構造体設置ユニットを用いた、地中埋設金属体の電気防食施工法であって、
前記電極構造体における前記連結具側とは反対側の長手方向の一端を地面に当接させ、且つ前記掘削推進機に設けられた把持部を手指で把持した状態で、該掘削推進機を作動させて該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させることにより、該電極構造体を地面から所定の深さまで掘削推進させる推進工程と、
前記電極構造体と前記連結具との連結を解除して、該連結具を地中から引き上げ、該電極構造体を地中に残置させる連結解除工程と、
地中に残置された前記電極構造体と、地上に設置された直流電源装置とを、リード線を介して電気的に接続する電気回路形成工程とを有する、地中埋設金属体の電気防食施工法。
【請求項13】
前記連結解除工程において、前記掘削推進機を作動させて前記連結具を、前記推進工程における前記電極構造体の回転方向とは反対方向に回転させることにより、該電極構造体と該連結具との連結を解除する請求項12に記載の地中埋設金属体の電気防食施工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋設配管、鋼管杭、地下タンクなどの地中埋設金属体を電気防食するための電極構造体設置ユニット及び連結具並びにこれらを用いた地中埋設金属体の電気防食施工法に関する。
【背景技術】
【0002】
弁室、共同溝、水道橋その他の鉄筋コンクリート構造物を貫通する地中埋設金属体は、該鉄筋コンクリート構造物との接触部分に存在する鉄筋と接触することによって腐食することが知られており、このような腐食はコンクリート/土壌マクロセル腐食(C/Sマクロセル腐食)と呼ばれている。また、地中埋設金属体が通気性の異なる複数種の土壌にまたがって配置され、あるいは部分的に通気性の低い土壌に接する場合、該地中埋設金属体における低通気性の土壌に接する部分が、陽極部となって該地中埋設金属体に腐食が生じることがあり、このような腐食は通気差マクロセル腐食と呼ばれている。
【0003】
C/Sマクロセル腐食や通気差マクロセル腐食を防止するために、従来、外部電源方式による電気防食方法が利用されている。この電気防食方法は、地上に設置された直流電源装置を用いて、地中に設置された外部電源用電極から被防食体である地中埋設金属体に直流電流を流入させてこれを防食する方法である。また、外部電源用電極の設置方法としては従来、地表面から比較的浅い位置、例えば地表面から下方に数m以内の範囲に外部電源用電極を設置する、浅埋電極法が知られている。浅埋電極法は、C/Sマクロセル腐食や通気差マクロセル腐食の防止、比較的小規模の被防食体の電食防止など、局部的な場所での防食に適用されるのが一般的である。
【0004】
浅埋電極法では従来、穴掘建柱車などのボーリング機械を使用して地中を掘削して電極設置穴を形成し、該電極設置穴に外部電源用電極を埋設している。しかし、穴掘建柱車による掘削作業には、その準備として、アウトリガを張出したり、車両を水平になるよう調整したり、接地面を養生したりなどの煩わしい作業が必要となり、また、穴掘建柱車の操作には経験と技量が必要であるため、穴掘建柱車による掘削作業の実施には人材と時間を確保する必要があった。さらに、山岳部、茶畑、果樹園、狭い土地などは、穴掘建柱車などのボーリング機械の搬入が困難であるため、浅埋電極法による外部電源用電極の設置は困難であった。
【0005】
特許文献1には、ボーリング機械の搬入が困難な土地に外部電源用電極の設置を可能にする技術として、地中に埋設される外部電源用電極を、スパイラル付き管形ハンドオーガー内部に難溶性電極及びバックフィルを収容した構成とすることが開示されている。特許文献1記載の技術によれば、外部電源用電極を地中に埋設する場合、同文献の図2に記載されているように、前記ハンドオーガーを人力で軸周りに回転させてこれを掘削推進させ、該ハンドオーガーが地中の所定の深さに到達したらそのまま地中に残置するだけでよく、土地の制約等を受けずに、単なる掘削作業のみで外部電源用電極を設置できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−270787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の技術は、地中に埋設される外部電源用電極自体を、スパイラル付き管形ハンドオーガーを含む、掘削推進可能な形状にすることで、ボーリング機械の搬入が困難な土地にも外部電源用電極の設置を可能にしているものの、該ハンドオーガーの回転による掘削作業は人力によって実施する必要があるため、実際には、外部電源用電極の設置深さが比較的浅い場合でも、土壌の種類等によっては掘削時の反力に十分に対応できず、掘削作業を進めることが困難であった。
【0008】
本発明の課題は、地中埋設金属体に防食電流を供給する電極構造体を地中に設置する場合に、その設置作業を短時間で容易に低コストで実施することができる、電極構造体設置ユニット及び連結具並びにこれらを用いた地中埋設金属体の電気防食施工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、地面から所定の深さにある地中埋設金属体に防食電流を供給する電極構造体を設置するための電極構造体設置ユニットであって、一方向に長い形状の前記電極構造体と、該電極構造体の長手方向一端に連結具を介して着脱自在に連結され、該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させる掘削推進機とを具備し、前記電極構造体の長手方向他端を地面に当接させ且つ前記掘削推進機に設けられた把持部を手指で把持した状態で、該掘削推進機を作動させて該電極構造体を軸方向周りに回転させることにより、該電極構造体を地中に掘削推進可能になされている電極構造体設置ユニットである。
【0010】
また本発明は、地面から所定の深さにある地中埋設金属体に防食電流を供給する、一方向に長い形状の電極構造体と、該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させる掘削推進機とを連結するための連結具であって、一方向に長い形状の連結部材を具備し、該連結部材の長手方向一端に、前記電極構造体との連結に利用される係合部が設けられており、前記連結部材の外面に、前記電極構造体から延びるリード線が巻き付けられる、リード線収容部が設けられている連結具である。
【0011】
また本発明は、前記の本発明の電極構造体設置ユニットを用いた、地中埋設金属体の電気防食施工法であって、前記電極構造体における前記連結具側とは反対側の長手方向の一端を地面に当接させ、且つ前記掘削推進機に設けられた把持部を手指で把持した状態で、該掘削推進機を作動させて該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させることにより、該電極構造体を地面から所定の深さまで掘削推進させる推進工程と、前記電極構造体と前記連結具との連結を解除して、該連結具を地中から引き上げ、該電極構造体を地中に残置させる連結解除工程と、地中に残置された前記電極構造体と、地上に設置された直流電源装置とを、リード線を介して電気的に接続する電気回路形成工程とを有する、地中埋設金属体の電気防食施工法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、地中埋設金属体に防食電流を供給する電極構造体を地中に設置する場合に、その設置作業を短時間で容易に低コストで実施することができる。また本発明によれば、手指で把持して使用可能なような、小型、軽量で機動性に優れた掘削推進機を用いて電極構造体を地中に掘削推進させるため、大型のボーリング機械の搬入が困難な土地にも電極構造体の設置が可能であり、さらに、電極構造体の掘削推進の動力源が、人力よりも強力な掘削推進機であるため、電極構造体の設置場所を選ばず、様々な場所に電極構造体を容易に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の地中埋設金属体の電気防食施工法の実施後の施工状態を示す図であり、地中埋設金属体の近傍に電極構造体が設置され、且つ地中の該電極構造体と地上の直流電源装置とが電気的に接続された状態を模式的に示す図である。
図2図2は、本発明の地中埋設金属体の電気防食施工法における推進工程の一実施形態の第1段階を示す図であり、また、本発明の電極構造体設置ユニットの一実施形態の側面図でもある。
図3図3は、図2に示す推進工程の第2段階を示す図であり、また、電極構造体設置ユニットにおける連結具の変形例を示す側面図でもある。
図4図4は、図2に示す電極構造体設置ユニットにおける電極構造体の長手方向(軸方向)に沿う模式的な断面図である。
図5図5(a)は、図2に示す電極構造体設置ユニットにおける連結具を構成する連結部材(基本連結部材)の模式的な斜視図であり、図5(b)は、該連結部材と図4に示す電極構造体との連結を説明する斜視図である。
図6図6(a)は、図3に示す電極構造体設置ユニットにおける連結具を構成する連結部材(延長用連結部材)の模式的な斜視図であり、図6(b)は、該連結部材と図4に示す電極構造体との連結を説明する斜視図である。
図7図7(a)は、図4に示す電極構造体の係合部(受け溝)及びその近傍を拡大して模式的に示す斜視図、図7(b)は、該係合部の模式的な平面図である。
図8図8は、図6に示す連結具(延長用連結部材)の係合部(突起)と図7に示す電極構造体の係合部(受け溝)とが相補的に係合された状態を模式的に示す、該電極構造体の径方向に沿う断面図である。
図9図9は、本発明の地中埋設金属体の電気防食施工法における推進工程の他の実施形態の第1段階を示す図であり、また、本発明の電極構造体設置ユニットの他の実施形態の側面図でもあり、図2相当図である。
図10図10は、延長用連結部材を複数使用した場合の図6(b)相当図である。
図11図11は、本発明に係る電極構造体及び連結具の他の実施形態の分解斜視図である。
図12図12は、本発明に係る連結具のさらに他の実施形態の要部(電極構造体との係合部)の模式的な斜視図である。
図13図13(a)は、本発明に係る電極構造体のさらに他の実施形態の要部(連結具との係合部)及びその近傍の模式的な斜視図、図13(b)は、該係合部の模式的な平面図である。
図14図14(a)は、図12に示す連結具の係合部を図13に示す電極構造体の係合部(受け溝)に挿入した状態(非係合状態)を一部省略して模式的に示す斜視図、図14(b)は、図14(a)に示す状態から該電極構造体又は該連結具を軸方向周りに回転させて、該電極構造体と該連結具とを連結させた状態を模式的に示す、該電極構造体の径方向に沿う断面図である。
図15図15は、本発明に係る連結具のさらに他の実施形態の要部(電極構造体との係合部)の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の電極構造体設置ユニットは、地面から所定の深さにある地中埋設金属体に対し、外部電源方式による電気防食方法により、防食電流を供給する電極構造体を設置するために使用される。被防食体である地中埋設金属体としては、例えば、埋設配管、鋼管杭、地下タンク等が挙げられる。埋設配管は、弁室、共同溝、水道橋等のコンクリート構造物を貫通してその内外に亘って延在し、該コンクリート構造物の外部にて土壌と接触する場合に、土壌とコンクリートの境界部で埋設配管の土壌中部分を陽極、コンクリート中部分を陰極とするマクロセルが形成され、土壌中部分の腐食が著しく促進されることがある。さらには、該コンクリート構造物における該地中埋設金属体との接触部分(被貫通部分)にて、鉄製の配管や鉄筋等の鋼材と接触すると陰極部分(コンクリート中部分)の面積が大きくなり、土壌中部分の腐食は一層促進される。本発明の電極構造体設置ユニットは、このような腐食を防止するための外部電源方式による電気防食施工法の実施に有用である。
【0015】
図1には、本発明の電極構造体設置ユニットを用いた、本発明の地中埋設金属体の電気防食施工法(以下、単に、「電気防食施工法」ともいう)の実施後の施工状態の一例が示されている。図1の施工状態においては、土壌100中における地面100Sから深さDの深度範囲に埋設された地中埋設金属体101の近傍に、該地中埋設金属体101に防食電流を供給する電極構造体2が複数(3本)設置されている。複数の電極構造体2は、地中埋設金属体101の延在方向(図1の左右方向)に所定間隔を置いて間欠配置されている。地中埋設金属体101は、コンクリート構造物102を貫通して該コンクリート構造物102の内外に亘って配されており、コンクリート構造物102の外部にて土壌100と接触している。また、コンクリート構造物102には、鉄筋などの鋼材102Sが配されており、該鋼材102Sと地中埋設金属体101とが、コンクリート構造物102における地中埋設金属体101による被貫通部分にて接触し得る状態にある。
【0016】
図1に示すように、地上即ち地面100Sよりも上方には、外部電源方式の直流電源装置10が設置されている。土壌100中の複数の電極構造体2が、それぞれリード線27を介して直流電源装置10の正極側と電気的に接続され、また、地中埋設金属体101が、リード線11を介して直流電源装置10の負極側と電気的に接続されており、これにより、電極構造体2から地中埋設金属体101に防食電流を供給し得る電気回路が形成されている。地中埋設金属体101と電極構造体2との離間距離は、特に制限されず、地中埋設金属体101の防食範囲を考慮して決めることができる。
【0017】
土壌100中において電極構造体2が設置される深度範囲は、地中埋設金属体101の深度範囲即ち深さD(地面100Sから地中埋設金属体101までの距離)と概ね一致する。深さDは地中埋設金属体101の種類等によって様々であるが、本発明は、深さDが比較的浅い場合はもとより、深さDが比較的深い場合でも対応可能であり、電極構造体2を土壌100中における深さDの地点に比較的短時間で容易に低コストで設置することが可能である。特に本発明は、図1に示すように、土壌100中における電極構造体2の設置位置I(電極構造体2の下端、後述する電極保護部材22の先端22A)が、地面100Sから好ましくは2〜10mの範囲、さらに好ましくは2〜4mの範囲である場合に有用である。
【0018】
図2及び図3には、本発明の電気防食施工法における一工程である推進工程の一実施形態が示されている。図2は前記推進工程の第1段階(初期段階)、図3は該推進工程の第2段階(中期ないし後期段階)を示している。前記推進工程では、図2及び図3に示すように、図中符号Wで示す作業者が、本発明の電極構造体設置ユニットの一実施形態である電極構造体設置ユニット1を用い、該ユニット1の構成部材の1つである掘削推進機4を手指で把持してこれを作動させ、該ユニット1の構成部材の1つである電極構造体2をその軸方向の周方向周り、即ち軸方向周りに回転させることにより、電極構造体2を地面100Sから所定の深さDにある地中埋設金属体101(図1参照)の近傍まで掘削推進させる。
【0019】
電極構造体設置ユニット1は、図2及び図3に示すように、電極構造体2、連結具3及び掘削推進機4を含んで構成されている。これらの部材2,3,4は相互に着脱自在であり、電極構造体設置ユニット1の使用時には図2に示す如く、各部材2,3,4が互いに直列に連結され、電極構造体設置ユニット1の非使用時には、それらの連結を解除して各部材2,3,4を個々独立に保管することができる。
【0020】
連結具3は、一方向に長い中空管状の連結部材31を具備し、該連結部材31の長手方向一端が電極構造体2に連結され、他端が掘削推進機4に連結される。本実施形態においては、連結具3は連結部材31を複数具備しており、前記推進工程の進行状況に応じてそれら複数の連結部材31を適宜使用可能になされている。例えば、前記推進工程の初期段階である第1段階では、図2に示すように、連結具3を構成する連結部材31として1個の連結部材31Aを用い、該推進工程の中期ないし後期段階である第2段階では、図3に示すように、連結具3を構成する連結部材31として2個の連結部材31A,31Bを用いることができる。連結部材31Aは、掘削推進機4に連結される基本連結部材であり、連結部材31Bは、基本連結部材31Aと電極構造体2との間に連結されて連結具3を延長する延長用連結部材であり、連結具3は、基本連結部材31Aと延長用連結部材31Bとを含む。これら複数の連結部材31A,31Bどうしは、相互に着脱自在に直列に連結可能になされている。連結具3の詳細については後述する。
【0021】
図4には電極構造体2が示されている。電極構造体2は一方向に長い形状、具体的には棒状をなし、電極構造体2の軸方向は、電極構造体2の長手方向Xに一致する。電極構造体2の長手方向(軸方向)Xは、これを具備する電極構造体設置ユニット1の長手方向(軸方向)でもある。また、電極構造体2の長手方向(軸方向)Xの一方向は、電極構造体2を土壌100中に掘削推進させる際の掘削方向X1に一致する。
【0022】
電極構造体2は、図2図4に示すように、不溶解性の棒状の電極21と、電極21を内包し、電極構造体2の外面を形成する電極保護部材22とを具備し、電極保護部材22の外面(外周面)には、掘削羽根23が長手方向Xに間欠配置されている。電極構造体2が掘削羽根23を具備することにより、掘削推進機4を作動させて電極構造体2を軸方向周りに回転させて土壌100中を掘削推進させたときに、該掘削推進機4を手指で把持する作業者Wにかかる回転反力が低減される。
【0023】
電極保護部材22は中空の筒状を有し、その内部(中空部)には、図4に示すように、電極21に加えてさらにバックフィル24が収容されている。電極21は、電極保護部材22の内部において長手方向Xと直交する径方向Yの中央部に配され、長手方向Xに延在している。バックフィル24は、電極保護部材22の内部において電極21と電極保護部材22との間の隙間に充填されている。電極21は、バックフィル24と接触しつつ、バックフィル24に包囲されている。電極21の素材としては、この種の外部電源方式の電気防食における電極として使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、金属酸化物被覆チタン(MMO)、白金めっきチタンが挙げられる。また、バックフィル24としては、電極(陽極)21の接地抵抗の低下が図られ、電極21から十分な防食電流を発生させ得るものが好ましく、例えば、コークス、黒鉛等を含んで構成することができる。
【0024】
電極保護部材22は、図4に示すように、長手方向Xの一端が閉鎖端、他端が開放端となっており、該閉鎖端が掘削方向X1の先端22A、該開放端が掘削方向X1の後端22Bとなっている。電極保護部材22の素材としては、導電性を有し且つ土圧に耐え得るものが好ましい。そのような素材としては、例えば、鋼が好ましい。
【0025】
電極保護部材22の先端部、即ち電極保護部材22の先端22A及びその近傍は、図4に示すように、長手方向Xの外方に向かうに従って漸次縮径して錐体状をなし、先端22Aは先鋭である。一方、電極保護部材22の後端部、即ち電極保護部材22の後端22B及びその近傍は、後端22Bを含み、相対的に径が短い小径部221と、相対的に径が長い大径部223と、該小径部221と該大径部223との間に位置し、該大径部223から該小径部221に向かうに従って漸次縮径するテーパー部222とを含んで構成されている。大径部223は、電極保護部材22の先端部及び後端部以外の部分であり、電極保護部材22の主体をなしている。小径部221及び大径部223は、それぞれ、長手方向Xの全長に亘って径が一定である。
【0026】
図4に示すように、電極保護部材22の後端部には外筒25が外嵌されている。外筒25は、電極保護部材22における最大径を有する部分である大径部223よりも径が長く、且つ長手方向Xの全長に亘って径が一定の中空円筒状をなしている。外筒25によって、電極保護部材22の小径部221及びテーパー部222それぞれの外面全体、並びに大径部223におけるテーパー部222寄りの部分の外面が、それぞれ被覆されている。このように、相対的に長径の外筒25と相対的に短径の小径部221とが同心状に配置されることで、両者間に、電極保護部材22の後端22Bから長手方向Xの内方に所定距離に亘って延在する空間部が形成されており、該空間部は、電極構造体2と連結具3とを連結する際に利用される係合部である受け溝26として機能する。また、外筒25が、大径部223より径が長く且つ前記係合部の近傍の大径部223に外嵌されていることで、掘削推進するときに該係合部に土が侵入することが抑止されるので、該係合部における電極構造体2と連結具3との連結解除が容易となる。
【0027】
掘削羽根23は、図2及び図3に示すように、電極保護部材22の外面において、先端22Aの近傍から後端22Bに向かって螺旋状に連続的に形成されている。掘削羽根23は、電極保護部材22と一体的に形成されていてもよく、あるいは、電極保護部材22の外面に、溶着などの固定手段により、固定されて形成されていてもよい。
【0028】
掘削羽根23は、電極構造体2の掘削推進を容易にする観点から、電極保護部材22の長手方向Xの全長L1の5分の3以上に亘って配されていることが好ましい。掘削羽根23は、電極保護部材22の全長L1に亘って配されていてもよい。本実施形態では図4に示すように、掘削羽根23は、電極保護部材22の長手方向Xの全長L1には亘っておらず、先端22A側に偏在している。図4中、符号230で示す部分は、電極保護部材22における掘削羽根23の配置部である。尚、電極保護部材22の全長L1は特に限定されないが、通常は1000〜1600mm程度である。
【0029】
また図4に示すように、掘削羽根23の長手方向XにおけるピッチP、即ち長手方向Xに隣り合う掘削羽根23の頂部どうしの間隔が、電極保護部材22における掘削羽根23の配置部230の最大径L2と略等しく、且つ掘削羽根23の電極保護部材22の外面からの突出長さL3が、該最大径L2の3分の1以下よりも短いことが好ましい。本実施形態では、電極保護部材22における掘削羽根23の配置部230は、先端22Aを含む錐体状部231(径が長手方向Xにおいて一定ではなく変化する部分)と、該錐体状部231に連接され、径が長手方向Xにおいて一定の大径部223とからなるところ、大径部223は錐体状部231よりも長径であるので、大径部223の直径(外径)が、該配置部230の最大径L2である。このように電極保護部材22において、「ピッチP≒最大径L2」なる略等しい関係及び「突出長さL3<最大径L2/3」なる大小関係の両方が成立することにより、電極構造体2が地中を掘削推進中に受ける抵抗が低減されるため、電極構造体2を掘削推進させる動力源である掘削推進機4が、後述するように手で取り回し可能な寸法、重量であって、従来掘削推進の動力源として用いられているボーリング機械に比して動力が小さい場合であっても、電極構造体2を所定の地下深度まで容易に掘削推進させることができる。
【0030】
前述した作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、「掘削羽根23のピッチP」と「電極保護部材22における掘削羽根23の配置部230の最大径L2」との比率は、前者≒後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0.92〜1.08、さらに好ましくは0.95〜1.05である。
掘削羽根23のピッチP(図4参照)は、好ましくは45〜75mm、さらに好ましくは50〜70mmである。
電極保護部材22における掘削羽根23の配置部230の最大径L2(図4参照、本実施形態では大径部223の直径(外径)に相当)は、好ましくは45〜75mm、さらに好ましくは50〜70mmである。
【0031】
同様の観点から、「掘削羽根23の突出長さL3」と「電極保護部材22における掘削羽根23の配置部230の最大径L2の3分の1」との比率は、前者<後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0.2〜0.8、さらに好ましくは0.3〜0.7である。
掘削羽根23の突出長さL3(図4参照)は、好ましくは4.5〜22.5mm、さらに好ましくは6〜14mmである。
【0032】
電極構造体2は、図1に示すように、一端が電極21に接続され、他端が電極構造体設置ユニット1とは別体の直流電源装置10に接続される、リード線27を具備している。リード線27は、図4に示すように、電極保護部材22の後端22Bから電極保護部材22の外部に延出し、図2及び図3に示すように、直流電源装置10との接続端部側が電極保護部材22の外部に露出している。リード線27は、図4に示すように、電極保護部材22の内部においては、電極保護部材22の後端22B側の小径部221の内部を、電線管28が外面に装着された状態で遊貫しており、これにより小径部221と電線管28との間に空間部が形成され、リード線27は、電線管28が装着された状態で、該空間部をある程度の自由度を持って動けるようになされている。尚、電線管28は、リード線27と共に電極保護部材22の外部に露出され、一連の電気防食施工法の実施後には地上に引き上げられる。
【0033】
掘削推進機4は、該掘削推進機4に連結具3を介して連結された電極構造体2を、該電極構造体2の軸方向周りに回転させるもので、図2及び図3に示す如き電極構造体設置ユニット1の使用時において、電極構造体2の長手方向Xの一端、より具体的には電極保護部材22の後端22Bに、連結具3を介して連結される。電極構造体設置ユニット1は、電極構造体2の長手方向Xの他端、より具体的には電極保護部材22の先端22Aを地面100Sに当接させた状態で、掘削推進機4を作動させて電極構造体2を軸方向周りに回転させることにより、図2に示すように、電極構造体2が土壌100中を掘削推進可能になされている。
【0034】
掘削推進機4は、図2及び図3に示すように、電極構造体2を軸方向周りに回転させる回転駆動部41と、把持部42とを有する。回転駆動部41は、商用電源を電源とする電動モータ(図示せず)と、該電動モータの回転出力を減速する減速機(図示せず)と、その減速された回転数で駆動する出力軸(図示せず)とを含んで構成されている。掘削推進機4の外面には、前記電動モータのスイッチ(図示せず)が設けられ、該スイッチを手動でON/OFFすることにより、該電動モータの駆動/停止が可能になされている。回転駆動部41の基本構成は、この種の回転駆動源と同様である。掘削推進機4は、電極構造体2を軸方向周りの両方向に回転させることができる。
【0035】
把持部42は、掘削推進機4の使用者がその使用時に手指で把持する部分であり、掘削推進機4(電極構造体設置ユニット1)の使用時に該掘削推進機4を手で支持するのに使用される部分である。掘削推進機4にこのような把持部42が設けられているということは、換言すれば、掘削推進機4の寸法及び重量が手で取り回し可能な範囲にあり、つまり、掘削推進機4が小型、軽量で機動性に優れるものであることを意味する。電極構造体2を掘削推進させる際の動力源となる掘削推進機4が、このような、把持部42を有し手で取り回し可能に構成されていることにより、大型のボーリング機械の搬入が困難な土地にも電極構造体2の設置が可能となる。
【0036】
掘削推進機4の寸法は特に制限されないが、小型、軽量で機動性に優れたものとする観点から、縦方向(長手方向Xと同方向)の長さは、好ましくは800mm以下、さらに好ましくは300〜750mm、横方向の長さは、好ましくは600mm以下、さらに好ましくは400〜550mm、奥行きは、好ましくは500mm以下、さらに好ましくは300〜450mmである。同様の観点から、掘削推進機4の重量は、好ましくは40kg以下、さらに好ましくは10〜30kgである。
【0037】
把持部42は、掘削推進機4の使用時に手指で把持して、掘削推進機4を手で支持できるように構成されていればよく、その形状は特に限定されない。電極構造体設置ユニット1においては、図2に示すように、掘削推進機4は、回転駆動部41を下方から支持する支持部43を有し、該支持部43に、把持部42が回転駆動部41を囲むように取り付けられ、回転駆動部41と把持部42とは互いに非接触とされている。把持部42がこのような、回転駆動部41と非接触の状態でこれを包囲する枠体であることにより、掘削推進機4の使用時に把持部42を手指で把持しても、掘削推進機4の振動が手指に伝わりにくく、掘削推進機4の取扱性がより一層向上し得る。
【0038】
前述した電極構造体2と掘削推進機4とは、図2及び図3に示すように、連結具3を介して連結される。連結具3は、前述した通り、複数の連結部材31として、掘削推進機4に連結される基本連結部材31Aと、該基本連結部材31Aと電極構造体2との間に連結されて連結具3を延長する延長用連結部材31Bとを含んで構成されている。連結部材31A,31Bは、それぞれ、一方向に長い形状(管状)をなし、その長手方向(軸方向)は、電極構造体2の長手方向(軸方向)Xに一致する。
【0039】
図5には基本連結部材31A、図6には延長用連結部材31Bが示されている。連結部材31(31A,31B)の長手方向(軸方向)Xの一端には、電極構造体2との連結に利用される係合部32が設けられており、該係合部32を介して電極構造体2と着脱自在に連結可能になされている。
【0040】
基本連結部材31Aは、図5(a)に示すように、長手方向Xの一端に電極構造体2との連結用係合部32Aを有し、図5(b)に示すように、該係合部32Aを介して電極構造体2と着脱自在に連結される。図2に示す前記推進工程の第1段階では、電極構造体2と基本連結部材31Aとが係合部32Aを介して連結されて使用されている。
【0041】
延長用連結部材31Bは、図6(a)に示すように、長手方向Xの一端に電極構造体2との連結用係合部32Bを有し、図6(b)に示すように、該係合部32Bを介して電極構造体2と着脱自在に連結される。図3に示す前記推進工程の第2段階では、電極構造体2と延長用連結部材31Bとが係合部32Bを介して着脱自在に連結され、さらに延長用連結部材31Bと基本連結部材31Aとが係合部32Aを介して固定状態で連結される。
【0042】
図6に示す基本連結部材31Aと延長用連結部材31Bとの連結には、連結部材31Aの係合部32Aと共に、連結部材31Bの係合部35が利用される。延長用連結部材31Bの係合部35は、基本連結部材31Aとの連結用係合部であり、電極構造体2との連結用係合部32Bとは反対側に設けられている。基本連結部材31Aの係合部32Aと延長用連結部材31Bの係合部35とを嵌め合わせ、さらに、両係合部32A,35それぞれに穿設された係止具挿入孔37どうしが重なった状態で、それらの係止具挿入孔37にビス、ボルト、ピンなどの係止具(図示せず)を挿入することにより、両連結部材31A,31Bが固定状態で連結される。尚、係合部32Aと係合部35との嵌め合わせは、係合部35に係合部32Aを外嵌する、即ち係合部35の外側に係合部32Aを嵌める構成でもよく、これとは逆の構成でもよい。
【0043】
図5に示すように、掘削推進機4に連結される基本連結部材31Aの長手方向Xの他端、即ち係合部32A側とは反対側には、掘削推進機4との連結に利用され、掘削推進機4が具備する回転駆動部41の前記出力軸(図示せず)に接続される出力軸接続部33が設けられている。出力軸接続部33は、図2及び図3に示すように、前記出力軸を外嵌して噛合可能に形成されている。
【0044】
図2及び図3に示すように、連結具3の外面(外周面)には、電極構造体2から延びるリード線27が巻き付けられる、リード線収容部34が設けられている。本実施形態においては図5に示すように、連結具3を構成する複数の連結部材31の1つであり、掘削推進機4に連結される、基本連結部材31Aの外面に、リード線収容部34が設けられている。
【0045】
リード線収容部34は、図5に示すように、基本連結部材31Aの外面において、基本連結部材31Aの長手方向Xに所定間隔を置いて突出形成された複数(2個)のフランジ部341,342に挟まれた部分として形成されている。また、複数のフランジ部341,342のうち、基本連結部材31が電極構造体2と連結された状態において該電極構造体2に最も近い、即ち係合部32Aに最も近いフランジ部341には、リード線27を該電極構造体2側からリード線収容部34側に通す際に利用される、リード線挿通部343が形成されている。
【0046】
電極構造体2と連結される連結具3(基本連結部材31A)に、このような電極構造体2から延びるリード線27の収容部34が設けられていることにより、リード線27の線長が比較的長くてもこれを整理よく収容することが可能となり、リード線27のねじれによる断線などの不都合が未然に防止される。また、電極構造体設置ユニット1を用いた地中埋設金属体101の電気防食施工法においては、後述するように、電極構造体2と連結具3とが連結された状態で、電極構造体2を土壌100中に掘削推進させるとき、電極構造体2とリード線27とが一緒に回転することにより、リード線27のねじれを防止することが可能となり、その後、リード線27を直流電源装置10に接続する作業(電気回路形成工程)をスムーズに行うことが可能となる。
【0047】
電極構造体2と連結具3との連結機構について説明すると、電極構造体設置ユニット1においては、図5及び図6に示すように、電極構造体2が、連結具3との連結に利用される係合部としての受け溝26を有すると共に、連結具3(連結部材31A,31B)が、受け溝26と相補的に係合する係合部32(32A,32B)を有し、両係合部26,32どうしが相補的に係合することで、電極構造体2と連結具3とが連結するようになされている。
【0048】
以下では、前記連結機構について、電極構造体2と延長用連結部材31Bとの連結(図3及び図6(b)参照)を例にとって説明するが、特に断らない限り、以下の連結機構に関する説明は、電極構造体2と基本連結部材31Aとの連結(図2及び図5(b)参照)にも適宜適用される。基本連結部材31Aの係合部32Aにおいて、延長用連結部材31Bの係合部32Bと同様の構成部分については、係合部32Bにおけるものと同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
図7には、電極構造体2の係合部である受け溝26が示されている。電極構造体2の受け溝26は、前述したように、電極保護部材22の後端部(後端22B及びその近傍)に外嵌された外筒25と、電極保護部材22の小径部221との間に形成された空間部であり、電極保護部材22の周方向に沿って形成され、後端22B側が開口して外部と連通している。本実施形態においては、外筒25と小径部221との間の前記空間部が、電極保護部材22の周方向(軸方向周り)に等間隔に間欠配置された仕切り部材29によって、該周方向に複数に区分されており、その複数の区分それぞれが受け溝26となっており、電極構造体2の後端部には3個の受け溝26が形成されている。
【0050】
一方、延長用連結部材31Bの係合部32Bは、図6(a)に示すように、該連結部材31Bの軸方向(長手方向)Xの一端に設けられ、軸方向Xの外方に突出する突起321を有する。本実施形態においては、複数(3個)の突起321が延長用連結部材31Bの周方向(軸方向周り)に間欠配置され、周方向に隣り合う2個の突起321,321の間は切り欠き状の溝部322であり、突起321と溝部322とが該連結部材31Bの周方向に交互に形成されている。突起321は、電極構造体2と延長用連結部材31Bとを連結する際に、電極構造体2の係合部である受け溝26に挿入される部分であり、受け溝26の形状に対応した外形形状をなし、受け溝26と同数(3個)形成されている。
【0051】
電極構造体2と延長用連結部材31Bとを図3及び図6(b)に示す如くに連結するためには、電極構造体2の受け溝26に延長用連結部材31Bの突起321を挿入すればよく、そうすることで、突起321と受け溝26を画成する電極保護部材22(小径部221)及び外筒25とが相補的に係合(嵌合)し、電極構造体2と延長用連結部材31Bとが着脱自在に連結される。電極構造体2と基本連結部材31Aとを図2及び図5(b)に示す如くに連結する場合も同様である。図8には、受け溝26に突起321が挿入され、両者が相補的に係合された状態が模式的に示されている。受け溝26の幅(電極構造体2の径方向の長さ)及び周方向の長さは、受け溝26に突起321を挿入した状態で突起321がある程度の余裕を持って遊嵌する程度に、突起321よりも大きくなされているため、受け溝26に突起321を挿入する操作が多少大雑把であっても、受け溝26に突起321を挿入し係合させることができ、電極構造体2と連結具3とを連結する際の作業性の向上が図られている。
【0052】
電極構造体2と連結具3とが図3に示すように連結した状態、即ち、電極構造体2と延長用連結部材31Bとが連結し、さらに該連結部材31Bと基本連結部材31Aとが連結した状態において、電極保護部材22の後端22B即ち電極構造体2の後端から外部に延出するリード線27は、該連結部材31Bの内部を挿通し、該連結部材31Aにおける係合部32Aの溝部322(図5(a)参照)から外部に延出し、該連結部材31Aのリード線収容部34に巻き付けられる。基本連結部材31Aの係合部32Aと延長用連結部材31Bの係合部35とを図6(b)に示す如くに嵌め合わせて両部材31A,31Bどうしを連結した状態では、係合部32Aの溝部322は、該溝部322の全体が係合部35によって被覆されずに一部(該連結部材31A寄りの部分)が露出するようになされており、その溝部322の露出部(係合部35による非被覆部)が、リード線27の挿通口として機能する。尚、斯かる溝部322のリード線挿通口として機能は、電極構造体2と連結具3とが図2に示すように連結した状態、即ち、電極構造体2と基本連結部材31Aとが連結した状態においても同様に果たされる。
【0053】
次に、本発明の電気防食施工法について、前述した電極構造体設置ユニット1を用いた一実施形態に基づき説明する。本実施形態の電気防食施工法を実施することにより、図1に示す施工状態が得られる。本実施形態の電気防食施工法は、電極構造体2を地面100Sから所定の深さDまで掘削推進させる推進工程(図2及び図3参照)と、電極構造体2と連結具3との連結を解除して、連結具3を地中即ち土壌100中から引き上げ、電極構造体2を土壌100中に残置させる連結解除工程と、土壌100中に残置された電極構造体2と、地上に設置された直流電源装置10とを、リード線27を介して電気的に接続する電気回路形成工程とを有する。
【0054】
前記推進工程の実施前の準備作業として、試験掘又は探査棒の押込みによって地中埋設金属体101の形状、寸法、深さ、位置などを調査し、電極構造体2を推進させる地点を確定させることが望ましい。この準備作業を実施することによって、電気防食施工法の実施に起因する地中埋設金属体101の損傷事故を未然に防止し得る。
【0055】
前記推進工程の実施にあたり、連結が解除され別個独立の状態の電極構造体設置ユニット1の各構成部材(電極構造体2、連結具3、掘削推進機4)を相互に連結させて該ユニット1を組み立てる。本実施形態では、前記推進工程の第1段階、即ち掘削開始時点から電極構造体2が比較的浅い地下深度に到達するまでの間は、連結具3として基本連結部材31Aのみを使用するので(図2参照)、前記推進工程の実施前に連結具3と掘削推進機4とを連結する。その際には図5(b)に示すように、基本連結部材31Aの出力軸接続部33と掘削推進機4の回転駆動部41の前記出力軸とを連結する。また、電極構造体2と基本連結部材31Aとの連結は、前述した電極構造体2と延長用連結部材31Bとの連結と同様に行うことができ、具体的には、電極構造体2の係合部である受け溝26に、基本連結部材31Aの突起321(図5(a)参照)を挿入すればよい。また、掘削推進機4の回転駆動部41を商用電源(例えば200V)と接続する。
【0056】
前記推進工程では、電極構造体設置ユニット1の電極構造体2における連結具3(基本連結部材31A)側とは反対側の長手方向Xの一端である電極保護部材22の先端22Aを地面100Sに当接させ、且つ該ユニット1の掘削推進機4に設けられた把持部42を手指で把持した状態で、掘削推進機4を作動させて電極構造体2を軸方向周りに回転させ、電極構造体2を地面100Sから所定の深さまで掘削推進させる(図2参照)。
【0057】
電極構造体2が土壌100中を掘削推進し、目標とする地下深度より浅い所定の地下深度に到達した時点、例えば、電極構造体2のほぼ全体が土壌100中に埋まった時点で、前記推進工程の第1段階から第2段階に移行する。即ち連結具3として、基本連結部材31Aと延長用連結部材31Bとの連結体を用い、電極構造体2をさらに地下深くに掘削推進させる。具体的には、掘削推進機4の作動を一旦停止して、電極構造体2と基本連結部材31Aとの連結及び該連結部材31Aと掘削推進機4との連結をそれぞれ解除した後、図6(b)に示すように電極構造体2と該連結部材31Aとの間に延長用連結部材31Bを介在させる形態で、各部材2,3,4を相互に連結させて電極構造体設置ユニット1を再度組み立てる。そして、その組み立てた電極構造体設置ユニット1を用いて前記推進工程を再開する(図3参照)。
【0058】
電極構造体2が目標とする地下深度に到達したら、電極構造体2と連結具3(基本連結部材31Aと延長用連結部材31Bとの連結体)との連結を解除して、連結具3及び掘削推進機4を一体的に地中から引き上げ、電極構造体2のみを地中に残置させる(連結解除工程)。電極構造体2と延長用連結部材31Bとの連結は、前述した通り、電極構造体2の係合部である受け溝26に、該連結部材31Bの係合部32Bの突起321を挿入することでなされており、連結具3を地上に引き上げることで両者の連結を容易に解除することができる。この引き上げ作業には必要に応じ、滑車やロープなどを用いてもよい。尚、延長用連結部材31B、基本連結部材31A及び掘削推進機4どうしは互いに固定状態で連結されているので、これらを地上に引き上げる際にその連結が解除されることはない。
【0059】
電極構造体2のみを土壌100中に残置させたら、該電極構造体2と、地上に設置された直流電源装置10とを、電極構造体2から延びるリード線27を介して電気的に接続する(電気回路形成工程)。また別途、地中埋設金属体101と直流電源装置10とをリード線11を介して電気的に接続する。こうして、図1に示す如き施工状態が完成する。
【0060】
本実施形態の電気防食施工法によれば、地中埋設金属体101に防食電流を供給する電極構造体2を地中に設置する場合、より具体的には例えば、土壌100中における電極構造体2の設置位置I(図1参照、電極構造体2の下端)が地面100Sから2〜10mの深度範囲となるように電極構造体2を設置する場合に、その設置作業を短時間で容易に低コストで実施することができる。また本実施形態の電気防食施工法によれば、手指で把持して使用可能なような、小型、軽量で機動性に優れた掘削推進機4を用いて電極構造体2を地中に掘削推進させるため、大型のボーリング機械の搬入が困難な土地、例えば、山岳部、茶畑、果樹園、狭い土地などにも電極構造体2の設置が可能である。さらに本実施形態の電気防食施工法によれば、電極構造体2が土壌100中を推進するための動力源として、人力よりも強力な掘削推進機4を採用し、土壌100中を推進するために必要な回転力が掘削推進機4から電極構造体2にスムーズに伝達されるため、特許文献1に記載されているようなハンドオーガーを用いた従来の電気防食施工法では土壌が固く施工が困難な土地にも、電極構造体2を容易に設置できる。
【0061】
また特に、本実施形態の電気防食施工法によれば、連結具3が、基本連結部材31Aと延長用連結部材31Bとを含んで構成され、これらを適宜組み合わせることで連結具3の長手方向長さ即ち掘削方向長さを調整することができるため、電極構造体2の目標設置深度に応じて、これら複数の連結部材31A,31Bを使い分けることで、電極構造体2の推進深度を容易に調整することが可能であり、様々な施工に対応することができる。
【0062】
また特に、本実施形態の電気防食施工法によれば、電極構造体2の係合部(受け溝26)と連結具3の係合部32(基本連結部材31Aの係合部32A、延長用連結部材31Bの係合部32B)とが相補的に係合することで電極構造体2と連結具3とが連結し、また、その連結状態から連結具3を電極構造体2側とは反対側に引っ張るだけの簡単な操作で該連結状態を解除可能になされているため、斯かる連結解除とその後の連結具3の地中からの引き上げ作業とを極めて能率良く実施することができる。
【0063】
また特に、本実施形態の電気防食施工法によれば、電極構造体2から延びるリード線27が、連結具3の基本連結部材31Aにおけるリード線収容部34に巻き付けられているため、電極構造体2を土壌100中に掘削推進させるとき、電極構造体2とリード線27とが一緒に回転し、リード線27のねじれを防止することが可能となり、前記電気回路形成工程を極めて能率良く実施することができる。
【0064】
以下、本発明の他の実施形態について図9図15を参照して説明する。後述する他の実施形態については、前記実施形態(電極構造体設置ユニット1)と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、前記実施形態についての説明が適宜適用される。
【0065】
図9に示す電極構造体設置ユニット1Aは、電極構造体2が土壌100中を掘削推進しているときに掘削推進機4の把持部42に作用する反力(回転反力)を低減する反力受け部材5を具備している。反力受け部材5は、図9に示すように、一方向に長い形状具体的には棒状を有し、その長手方向に伸縮自在に構成され、且つ長手方向一端が連結具3又は掘削推進機4に連結された状態で、長手方向他端を地面に当接させて使用される。
【0066】
より具体的には、反力受け部材5は、長手方向(軸方向)一端が閉鎖端、他端が開放端となっている中空棒状の本体部51と、該本体部51の内部(中空部)を該本体部51の長手方向に摺動可能に配されたロッド52とを含んで構成され、該ロッド52の長手方向の一端側が、該本体部51の開放端から延出し、その延出部の先端に石突53が装着されている。ロッド52が本体部51内を摺動することで、反力受け部材5が長手方向に伸縮する。電極構造体設置ユニット1Aにおける掘削推進機4の回転駆動部41の下部には、反力受け部材5を連結するためのブラケット54が設けられており、反力受け部材5における本体部51の前記閉鎖端がピン55を介してブラケット54に連結されることで、反力受け部材5がピン55の周りを回動可能に連結される。
【0067】
電極構造体設置ユニット1Aを用いて前記推進工程を実施する場合には、図9に示すように、地面100Sに打ち込まれたアンカー56に、石突53が装着されたロッド52の先端部を係止させつつ、石突53を地面100Sに当接させる。電極構造体設置ユニット1Aを用いて前記推進工程を実施することにより、電極構造体2が土壌100中を掘削推進する際の回転反力を、反力受け部材5を介して地面100Sに受けさせることが可能となるため、掘削推進機4を手で支持する作業者Wに該回転反力が及びにくくなり、作業者W1人で前記推進工程を実施することができ、安定で正確な推進と省力化が図られる。
【0068】
図10に示す形態においては、連結具3が、1個の基本連結部材31Aと、2個の延長用連結部材31B,31Cとを含んで構成されている。各連結部材31A〜31Cどうし並びに電極構造体2及び掘削推進機4との連結は、前記実施形態と同様に行うことができる。尚、本発明においては、延長用連結部材の数は特に制限されず3個以上でもよい。
【0069】
図11に示す形態においては、電極構造体2Aの係合部(突起224)を連結具3Aの係合部(受け溝36)に挿入することで、両係合部どうしが相補的に係合し、電極構造体2Aと連結具3Aとが着脱自在に連結するようになされており、斯かる構成は、前記実施形態において図5図7に示す如くに、連結具3の係合部(突起321)を電極構造体2の係合部(受け溝26)に挿入するようになされていたのとは逆である。
【0070】
より具体的には図11に示すように、電極構造体2Aにおいては、連結具3A(延長用連結部材31D)との連結に利用される係合部が、電極保護部材22の軸方向(長手方向)Xの一端に設けられ、軸方向Xの外方に突出する突起224を有する。図11に示す形態においては、複数(3個)の突起224が電極構造体2Aの周方向(軸方向周り)に間欠配置され、周方向に隣り合う2個の突起224,224の間は切り欠き状の溝部225であり、突起224と溝部225とが該電極構造体2Aの周方向に交互に形成されている。突起224は、受け溝36の形状に対応した外形形状をなし、受け溝36と同数(3個)形成されている。また、連結具3Aにおいては、電極構造体2Aとの連結に利用される係合部、より具体的には延長用連結部材31Dの係合部が、突起224が挿入される受け溝36を有している。この係合部における受け溝36は、前述した電極構造体2の受け溝26(図7参照)と基本的に同様に構成されており、延長用連結部材31Dの長手方向Xの一端に、突起224と同数(3個)の受け溝36が、該連結部材31Dの周方向(軸方向周り)に沿って間欠配置されている。周方向に隣り合う受け溝36,36の間には仕切り部材が配されている。
【0071】
図12に示す連結具3Bと図13に示す電極構造体2Bとは、電極構造体2Bの係合部及び連結具3Bの係合部のうちの一方を他方に挿入又は被嵌し、その状態から何れか一方を軸方向周りの一方向に回転させることで、両結合部どうしを相補的に係合させて電極構造体2Bと連結具3Bとを連結させ、あるいはその連結状態から何れか一方を該一方向とは反対方向に回転させることで、該連結状態を解除するようになされており、電極構造体2B又は連結具3Bの軸方向周りの回転によって、両者の連結又はその解除を制御可能になされている。
【0072】
より具体的には、図12に示す連結具3Bの係合部32(突起321)と、図13に示す電極構造体2Bの係合部としての受け溝26Aとは、突起321を受け溝26Aに挿入しただけの非係合状態(図14(a)参照)から、電極構造体2B又は連結具3Bをその軸方向周りの一方向に回転させることで、両係合部どうしを相補的に係合させて、電極構造体2Bと連結具3Bとを連結させることができ(図14(b)参照)、また、その連結状態から電極構造体2B又は連結具3Bを該一方向とは反対方向に回転させることで該連結状態を解除することができるようになされている。
【0073】
さらに説明すると、連結具3Bを構成する連結部材31の係合部32は、図12に示すように、連結部材31の軸方向(長手方向)Xの一端に設けられ、軸方向Xの外方に突出する突起321を有する。図12に示す形態においては、複数(3個)の突起321が連結部材31の周方向(軸方向周り)に間欠配置され、周方向に隣り合う2個の突起321,321の間は切り欠き状の溝部322であり、突起321と溝部322とが該連結部材31の周方向に交互に形成されている。突起321は、電極構造体2Bと連結具3Bとを連結する際に、電極構造体2Bの係合部である受け溝26Aに挿入される部分であり、受け溝26Aの形状に対応した外形形状をなし、受け溝26Aと同数(3個)形成されている。そして、連結具3Bにおける突起321は、図12及び図14に示すように、連結具3Bの軸方向(長手方向)Xに延びる突起本体321Aと、該突起本体321Aの先端部から軸方向周り(周方向)に張り出した張出部321Bとを有する。このため突起321において、突起本体321Aのみからなる部分と、突起本体321A及び張出部321Bからなる部分(突起321の先端部)とは、いずれも連結具3Bの軸方向周りの長さ(周方向長さ)が、突起321の突出方向(軸方向X)の全長に亘って一定である点で共通するものの、後者即ち突起321の先端部は、前者即ち張出部321Bの非存在部に比して、軸周りの長さが長い。図12に示す形態では、張出部321Bは、突起本体321Aの先端部から連結具3B(連結部材31)の周方向の両外方に張り出しており、このため突起321は、平面視においてT字状を有している。
【0074】
一方、電極構造体2Bの係合部としての受け溝26Aは、図13に示すように、連結具3Bの突起321が挿入される挿入口から、電極構造体2Bの軸方向(長手方向)Xの内方に延びる溝凹部261と、該挿入口から軸方向Xの内方に所定距離離間した位置にて溝凹部261から軸方向周りに張り出した張出溝凹部262とを有する。受け溝26Aは、突起321の平面視形状に対応した形状を有しており、図13に示す形態では、該突起321が平面視T字状であるのに対応して、溝凹部261における、突起321を挿入したときに張出部321Bに対応する位置から、張出溝凹部262が電極構造体2Bの周方向の両外方に張り出している。
【0075】
図14(a)には、受け溝26Aの挿入口から突起321を挿入しただけの非係合状態が示されている。この非係合状態では、受け溝26Aと突起321とは相補的に係合しておらず、連結具3Bを電極構造体2B側とは反対側に軸方向(長手方向)Xに沿って引っ張ると、両者は容易に分離する。しかしながら、図14(a)に示す非係合状態から、受け溝26A(電極構造体2B)又は突起321(連結具3B)を軸方向周りの一方向、例えば図14(b)中符号R2で示す方向にわずかに回転させることにより、突起321の一対の張出部321B,321Bのうちの一方(回転方向R2の先端側の張出部321B)が、受け溝26Aの張出溝凹部262に収容されて、突起321と受け溝26Aとが相補的に係合し、それによって電極構造体2Bと連結具3Bとが連結される。斯かる電極構造体2Bと連結具3Bとの連結状態においては、連結具3Bを電極構造体2B側とは反対側に引っ張っても、連結具3Bの張出部321Bが、電極構造体2Bの張出溝凹部262を画成する部材に引っ掛かるため、電極構造体2Bから連結具3Bが抜けて連結が解除されることがない。つまり、受け溝26Aの張出溝凹部262は、連結具3Bの突起321の張出部321Bと協働することで、連結具3Bの軸方向(長手方向)Xの移動を規制する移動規制部として機能する。
【0076】
また、図14(b)に示す電極構造体2Bと連結具3Bとの連結状態(受け溝26Aと突起321との係合状態)から、受け溝26A(電極構造体2B)又は突起321(連結具3B)を前記回転方向R2とは反対方向である方向R1にわずかに回転させて、図14(a)に示す如き非係合状態とすることにより、該連結状態が解除される。
【0077】
図14(a)に示す非係合状態から電極構造体2B又は連結具3Bを軸方向周りに回転させるのは、手動で行ってもよく、連結具3Bが掘削推進機4に連結されている場合には、掘削推進機4を作動させて行ってもよい。前記の要領で電極構造体2Bと連結具3Bとを連結させた後、該連結具3Bを介して掘削推進機4が連結されている状態で、さらに該連結具3Bを、電極構造体2Bと連結させたときの回転方向と同方向(前記の例では方向R2)に回転させることにより、電極構造体2Bと掘削推進機4の回転駆動部41とが一緒に同方向に回転し、これにより該電極構造体2Bに、土壌中を掘削推進可能な推進力が安定的に付与される。
【0078】
電極構造体2B及び連結具3Bによれば、電極構造体2B又は連結具3Bを軸方向周りの一方向に回転させたときに、電極構造体2Bの係合部である受け溝26Aの張出溝凹部262と連結具3Bの係合部32の張出部321Bとが互いに軸方向Xに近接して相対的に同方向の移動を規制するので、電極構造体2Bと連結具3Bとの連結が外れなくなり、リード線27のねじれによる断線などの不具合がより確実に防止され得る。前記連結解除工程における電極構造体2Bと連結具3Bとの連結解除は、掘削推進機4を作動させて連結具3Bを、前記推進工程における電極構造体2Bの回転方向とは反対方向にわずかに回転させるだけで行うことができるため、電極構造体2Bが地上にいる人の手では届かないような地下深くに位置している場合でも容易に行うことができる。また、そうして電極構造体2Bと連結具3Bとの連結を解除した後は、電極構造体設置ユニットにおける電極構造体2B以外の部分を一体的に地上に引き上げればよい。
【0079】
特に図14に示す形態においては、1個の突起本体321Aの周方向の両外方に一対の張出部321Bが存在し、またこれに対応して、該突起本体321Aが収容される溝凹部261の周方向の両外方に一対の張出溝凹部262が存在するため、図14(b)に示す非係合状態から、周方向の一方向R1及び他方向R2のどちらに受け溝26A(電極構造体2B)又は突起321(連結具3B)を回転させても、張出部321Bが張出溝凹部262に収容されて両者が相補的に係合し、電極構造体2Bと連結具3Bとの連結が維持される。従って例えば、図2及び図3に示す如くに、掘削推進機4を作動させて電極構造体2Bを掘削方向X1に推進させている途中で、電極構造体2Bが推進不可能な礫、玉石、岩盤、障害物などに遭遇した場合には、電極構造体2Bを掘削推進時の回転方向とは反対方向に回転させて、電極構造体2Bを掘削方向X1とは反対方向に後退させて地上で回収することができる。こうして回収された電極構造体2Bは再使用が可能であるから、無駄にならず経済的である。
【0080】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、図12に示す連結具3Bにおいては、係合部32の張出部321Bは、突起本体321Aの先端部から連結具3Bの軸方向周りの両方向に張り出し、連結具3Bの周方向の両外方に一対形成されていたが、図15に示す連結具3Cのように、突起本体321Aの先端部から連結具3Cの軸方向周りの一方向のみに張り出していてもよい。
【0081】
また、前述した一の実施形態のみが有する部分は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜相互に利用できる。例えば、図11に示す電極構造体2Aの係合部としての突起224が、図12又は図15に示す如き、突起本体321Aと張出部321Bとを有する突起321であり、また、図11に示す延長用連結部材31Dの係合部である受け溝36が、図13に示す如き、溝凹部261と張出溝凹部262とを有する受け溝26Aであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1,1A 電極構造体設置ユニット
2,2A,2B 電極構造体
21 電極
22 電極保護部材
221 小径部
222 テーパー部
223 大径部
224 突起(係合部)
225 溝部(係合部)
230 掘削羽根の配置部
23 掘削羽根
24 バックフィル
25 外筒
26,26A 受け溝(係合部)
261 溝凹部
262 張出溝凹部
27 リード線
28 電線管
29 仕切り部材
3,3A,3B,3C 連結具
31 連結部材
31A 基本連結部材
31B,31C,31D 延長用連結部材
32,32A,32B,32C 電極構造体との連結用係合部
321 突起
321A 突起本体
321B 張出部
322 溝部
33 出力軸接続部
34 リード線収容部
341,342 フランジ部
343 リード線挿通部
35 基本連結部材との連結用係合部
36 受け溝(係合部)
37 係止具挿入孔
4 掘削推進機
41 回転駆動部
42 把持部
43 支持部
5 反力受け部材
51 本体部
52 ロッド
53 石突
54 ブラケット
55 ピン
56 アンカー
10 直流電源装置
100 土壌
100S 地面
101 地中埋設金属体
102 コンクリート構造物
102S 鋼材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2018年3月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源装置に接続され、地面から所定の深さにある地中埋設金属体に防食電流を供給する電極構造体を設置するための電極構造体設置ユニットであって、
一方向に長い形状の前記電極構造体と、該電極構造体の長手方向一端に連結具を介して着脱自在に連結され、該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させる掘削推進機とを具備し、
前記電極構造体の長手方向他端を地面に当接させ且つ前記掘削推進機に設けられた把持部を手指で把持した状態で、該掘削推進機を作動させて該電極構造体を軸方向周りに回転させることにより、該電極構造体を地中に掘削推進可能になされている電極構造体設置ユニット。
【請求項2】
前記電極構造体は、電極と、該電極を内包する電極保護部材とを具備し、該電極保護部材の外面に、掘削羽根が、該電極保護部材の長手方向に間欠配置されている請求項1に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項3】
前記掘削羽根が、前記電極保護部材の長手方向の全長の5分の3以上に亘って配されており、
前記掘削羽根の前記長手方向におけるピッチが、前記電極保護部材における該掘削羽根の配置部の最大径と略等しく、且つ該掘削羽根の該電極保護部材の外面からの突出長さが、該最大径の3分の1よりも短い請求項2に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項4】
前記電極構造体は、一端が前記電極に接続され、他端が前記電極構造体設置ユニットとは別体の前記直流電源装置に接続される、リード線を具備し、該リード線は、該直流電源装置との接続端部側が該電極保護部材の外部に露出しており、
前記連結具の外面に、前記露出したリード線が巻き付けられるリード線収容部が設けられている請求項2又は3に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項5】
前記電極構造体が、前記連結具との連結に利用される係合部を有すると共に、該連結具が、該電極構造体の係合部と相補的に係合する係合部を有し、両係合部どうしが相補的に係合することで該電極構造体と該連結具とが着脱自在に連結するようになされている請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項6】
前記電極構造体の係合部及び前記連結具の係合部のうちの一方が、該電極構造体又は該連結具の軸方向一端に設けられ軸方向外方に突出する突起を有し、他方が、該連結具又は該電極構造体の軸方向一端に設けられ該突起が挿入可能な受け溝を有し、
前記突起は、前記軸方向に延びる突起本体と、該突起本体の先端部から軸方向周りに張り出した張出部とを有し、
前記受け溝は、前記突起の挿入口から軸方向内方に延びる溝凹部と、該挿入口から軸方向内方に所定距離離間した位置にて該溝凹部から軸方向周りに張り出した張出溝凹部とを有し、
前記受け溝に前記突起を挿入後に、該受け溝又は該突起を軸方向周りの一方向に回転させることにより、前記張出部が前記張出溝凹部に収容されて、該突起と該受け溝とが相補的に係合し、また、その両者の係合状態から該受け溝又は該突起を該一方向とは反対方向に回転させることにより、該係合状態が解除されるようになされている請求項5に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項7】
前記連結具は、前記掘削推進機に連結される基本連結部材と、該基本連結部材と前記電極構造体との間に連結されて該連結具を延長する延長用連結部材とを具備し、これら複数の連結部材どうしは、相互に着脱自在に直列に連結可能になされている請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項8】
さらに、前記電極構造体が地中を掘削推進しているときに前記把持部に作用する反力を低減する反力受け部材を具備し、
前記反力受け部材は、一方向に長い形状を有し、長手方向に伸縮自在に構成され、且つ長手方向一端が前記連結具又は前記掘削推進機に連結された状態で、長手方向他端を地面に当接させて使用される請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極構造体設置ユニット。
【請求項9】
直流電源装置に接続され、地面から所定の深さにある地中埋設金属体に防食電流を供給する、一方向に長い形状の電極構造体と、該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させる掘削推進機とを連結するための連結具であって、
一方向に長い形状の連結部材を具備し、該連結部材の長手方向一端に、前記電極構造体との連結に利用される係合部が設けられており、
前記連結部材の外面に、前記電極構造体から延びるリード線が巻き付けられる、リード線収容部が設けられている連結具。
【請求項10】
前記連結部材の外面に、複数のフランジ部が該連結部材の長手方向に所定間隔を置いて突出形成され、該複数のフランジ部に挟まれた部分が前記リード線収容部であり、
前記複数のフランジ部のうち、前記電極構造体に最も近いフランジ部に、前記リード線を該電極構造体側から前記リード線収容部側に通す際に利用される、リード線挿通部が形成されている請求項9に記載の連結具。
【請求項11】
前記連結具は、前記連結部材として、前記掘削推進機に連結される基本連結部材と、該基本連結部材と前記電極構造体との間に連結されて該連結具を延長する延長用連結部材とを具備し、これら複数の連結部材どうしは、相互に着脱自在に直列に連結可能になされている請求項9又は10に記載の連結具。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極構造体設置ユニットを用いた、地中埋設金属体の電気防食施工法であって、
前記電極構造体における前記連結具側とは反対側の長手方向の一端を地面に当接させ、且つ前記掘削推進機に設けられた把持部を手指で把持した状態で、該掘削推進機を作動させて該電極構造体をその長手方向である軸方向周りに回転させることにより、該電極構造体を地面から所定の深さまで掘削推進させる推進工程と、
前記電極構造体と前記連結具との連結を解除して、該連結具を地中から引き上げ、該電極構造体を地中に残置させる連結解除工程と、
地中に残置された前記電極構造体と、地上に設置された直流電源装置とを、リード線を介して電気的に接続する電気回路形成工程とを有する、地中埋設金属体の電気防食施工法。
【請求項13】
前記連結解除工程において、前記掘削推進機を作動させて前記連結具を、前記推進工程における前記電極構造体の回転方向とは反対方向に回転させることにより、該電極構造体と該連結具との連結を解除する請求項12に記載の地中埋設金属体の電気防食施工法。